JP2001106984A - 局所変位検知用粘着フィルムまたはシート - Google Patents

局所変位検知用粘着フィルムまたはシート

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JP2001106984A
JP2001106984A JP28115199A JP28115199A JP2001106984A JP 2001106984 A JP2001106984 A JP 2001106984A JP 28115199 A JP28115199 A JP 28115199A JP 28115199 A JP28115199 A JP 28115199A JP 2001106984 A JP2001106984 A JP 2001106984A
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sheet
sensitive adhesive
pressure
film
adhesive film
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JP28115199A
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English (en)
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Yoshiji Hasegawa
美次 長谷川
Hiroshi Yamamoto
浩史 山本
Yasumasa Oku
保政 奥
Shigeki Mori
森  茂樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 引き伸ばされることにより白化または変
色するプラスチックフィルムまたはシートを基材1と
し、その片面に粘着剤層2を形成して、粘着フィルムま
たはシートを得る。この粘着フィルムまたはシートを、
ひび割れや亀裂等の微小な局所変位の発生が予想される
被検体の部分または箇所に貼り付ける。 【効果】 被検体の表面に発生し得る局所変位、例えば
金属疲労などにより発生する微小なひび割れや亀裂等の
発生が予想される部分または箇所に、本発明の上記粘着
フィルムまたはシートを貼り付けることにより、微小な
ひび割れまたは亀裂等の局所変位が発生した場合に、当
該位置において粘着フィルムまたはシートが白化または
発色し、肉眼でその局所変位を検知することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体の表面に発
生し得る局所変位を検知するために使用される局所変位
検知用粘着フィルムまたはシートに関する。本発明の粘
着フィルムまたはシートは、例えば金属疲労などによる
微小なひび割れや亀裂等の局所変位が発生した状況を肉
眼で検知するために使用される。
【0002】
【従来の技術】金属疲労などによる微小なひび割れや亀
裂は、肉眼での検知が困難であり、金槌でたたいたとき
の音の変化、カラーチェックあるいは磁粉探傷試験(以
下「MT」という。)などにより、検査されてきた。
【0003】しかし、金槌で金属をたたいての検知作業
は、相当の経験が必要であり、たたき方、強さ、たたく
部位、音の聴き方など作業者の勘とコツによるものであ
り、作業の標準化は難しい。また、カラーチェック及び
MTは在姿では検査不可能な部位が多く、また検査時間
がかかることに加えて、設備、検査技量などの問題点も
ある。
【0004】鉄道車両台車、自動車台車など輸送機器の
台車において、金属疲労により発生する微小なひび割れ
や亀裂等の局所変位の感知は、安全性の確保に対し非常
に重要な意味を持っている。特に必要とされる場合に
は、MT非破壊検査装置などにより精密検査されること
があるが、仕業点検や交番検査で一般的に実施されるの
は金槌打音や目視による検査であり、上述のとおり、作
業の標準化、検査可能部位などの点で課題を生じてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の金槌
打音、カラーチェック及びMTなどによる点検作業に対
して、金属疲労などにより発生する微小なひび割れまた
は亀裂等の局所変位を肉眼で検知することを可能とし、
始業点検や定期点検作業をより確実に行うことを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、引き伸ばされ
ることにより白化または変色するプラスチックフィルム
またはシートを基材とし、その片面に粘着剤層を形成し
た粘着フィルムまたはシートであって、ひび割れまたは
亀裂等の局所変位の発生が予想される被検体の部分また
は箇所に貼り付けられる局所変位検知用粘着フィルムま
たはシートを提供するものである。
【0007】すなわち、本発明は、以下の通りである。 (1)引き伸ばされることにより白化または変色するプ
ラスチックフィルムまたはシートを基材とし、その片面
に粘着剤層を形成した粘着フィルムまたはシートであっ
て、局所変位の発生が予想される被検体の部分または箇
所に貼り付けられる局所変位検知用粘着フィルムまたは
シート。
【0008】(2)基材が、1軸延伸されたプラスチッ
クフィルムまたはシートであり、該延伸方向と直角の方
向に引き伸ばされることにより白化または変色するもの
である上記(1)に記載の局所変位検知用粘着フィルム
またはシート。
【0009】(3)基材が、微小粒子を均一に分散、含
有するプラスチックフィルムまたはシートである上記
(1)に記載の局所変位検知用粘着フィルムまたはシー
ト。
【0010】(4)基材が、ポリテトラフルオロエチレ
ンまたはポリトリフルオロエチレンからなる上記(2)
または(3)に記載の局所変位検知用粘着フィルムまた
はシート。
【0011】(5)基材が、硬質の塩化ビニル樹脂、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロ
ニトリル・スチレン樹脂、スチロール樹脂またはメタク
リル樹脂からなる上記(1)または(3)に記載の局所
変位検知用粘着フィルムまたはシート。
【0012】(6)基材が、ポリエチレン、ポリプロピ
レンおよびこれらの変性樹脂から選ばれる一種または二
以上からなる混合物である上記(2)または(3)に記
載の局所変位検知用粘着フィルムまたはシート。
【0013】(7)粘着剤が、シリコーン系粘着剤であ
る上記(1)に記載の局所変位検知用粘着フィルムまた
はシート。
【0014】(8)粘着剤が、シリコーン系粘着剤とア
クリル系粘着剤との混合粘着剤である上記(1)に記載
の局所変位検知用粘着フィルムまたはシート。
【0015】本発明において「局所変位」とは、微小な
ひび割れまたは亀裂等を指し、被検体の相接する部分が
隔離して微小な間隔を生ずる変位を言い、被検体に貼着
された粘着フィルムまたはシートがその部分で局所的に
延伸される。
【0016】
【作用】本発明の局所変位検知用粘着フィルムまたはシ
ートは、金属疲労などによる微小なひび割れまたは亀裂
等の局所変位の発生が予想される被検体の部分または箇
所に貼り付けられ、当該部分または箇所に生じた局所変
位により粘着フィルムまたはシートの基材が引き伸ばさ
れ、基材が部分的に白化または変色する。この部分的な
白化または色の変化を利用することにより、被検体の局
所変位、例えば金属疲労などによる微小なひび割れまた
は亀裂の発生を肉眼で検知することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】〔局所変位検知用粘着フィルムま
たはシート〕図1は、本発明の局所変位検知用粘着フィ
ルムまたはシートの一態様を示す断面図であり、基材1
の片面に粘着剤層2が形成され、さらに粘着剤層2を被
覆する剥離シート3が形成されている。以下、基材1お
よび粘着剤層2について順次説明する。なお、以下の説
明において「フィルムまたはシート」を「フィルム等」
ともいう。
【0018】基材1としては、引き伸ばされることによ
り白化または変色するプラスチックフィルム等が用いら
れる。プラスチックフィルム等の中には、引き伸ばすこ
とにより白化または着色するものがあり、このフィルム
等の片面に粘着剤を塗布加工した粘着フィルムまたはシ
ートを調製する。この粘着フィルム等を例えば金属疲労
などにより微小なひび割れまたは亀裂等の局所変位が発
生すると予想される部分または箇所に貼り付けておく
と、局所変位の発生により、その部分のフィルム等が引
き伸ばされて白化または変色し、肉眼でその変化を検知
することができる。
【0019】ひび割れまたは亀裂等の局所変位が微小で
あっても、粘着フィルム等に現れた変位の伸び率は極め
て大きい。すなわち、ひび割れまたは亀裂が0.1mm
または0.3mm程度であっても、ひび割れまたは亀裂
の発生前におけるその部分のもとの長さはゼロであるか
ら、粘着フィルム等に現れた変位はほぼ無限大の伸び率
と考えることができる。
【0020】フィルムまたはシートの中には、延伸によ
り白化するもの、あるいは延伸によりフィルムまたはシ
ート内部に空隙を生じて白化するものがあるが、これら
のフィルムまたはシートが本発明の基材として使用する
ことができる。また、1軸延伸したプラスチックフィル
ムまたはシートには、延伸方向と直角の方向に、すなわ
ち非延伸方向に引き伸ばされることにより白化するもの
がある。1軸延伸したプラスチックフィルムまたはシー
トも、変位の方向が予想される場合には、本発明の基材
として有用に使用できる。
【0021】フィルム等に無機系または有機系の顔料、
特に蛍光顔料、蓄光顔料を含有させておくと、被検体の
局所変位に伴って生ずるフィルム等の延伸部分が他の部
分と色の濃淡や透明度において変化するので、引き伸ば
された部分の検知か容易になる。本発明において「引き
伸ばされることにより変色するプラスチックフィルムま
たはシート」とは、上記のように顔料等で着色されたフ
ィルム等が延伸部分で色の濃淡や透明性等を変化させる
フィルム等をいう。
【0022】延伸により白化するフィルム等の例とし
て、実施例(1)の透明ABS(アクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン)樹脂フィルム、硬質塩化ビニル透
明シートを、空隙が生じることにより白化するフィルム
等の例として、実施例(3)および(4)の炭酸カルシ
ウム微粒子またはポリスチレン微粒子を配合したポリエ
チレンフィルムを、1軸延伸フィルムで非延伸方向の引
き伸ばしに対して白化するフィルム等の例として、実施
例(2)記載のフッ素樹脂フィルムを、それぞれ挙げる
ことができる。また、延伸により変色するフィルム等は
上記フィルム等を着色して得ることができる。
【0023】本発明における「引き伸ばされることによ
り白化または変色するプラスチックフィルムまたはシー
ト」に使用できる素材としては、塩化ビニル樹脂、アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、
アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、スチロール
樹脂、メタクリル樹脂などの汎用樹脂だけでなく、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、これらの変性樹脂(エチレ
ン−酢酸ビニル、エチレン−アクリル酸エチル、エチレ
ン−メタアクリル酸メチルなど)から選ばれる一種また
は二以上からなる混合物などの比較的成形性のよいもの
が有利に使用できる。
【0024】延伸により空隙を生じ白化するフィルム等
は、例えば上記の素材に硬質の微小粒子を均一に分散し
てプラスチックフィルムまたはシートとすることにより
得ることができ、これらのフィルム等は引き伸ばされる
ことにより、フィルム等中の微小粒子の周りに空隙がで
きて白化する。これらを基材とした粘着フィルム等は、
同様に微小なひび割れや亀裂等の局所変位を検知でき
る。
【0025】硬質の微小粒子としては、ポリスチレン、
メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂などの常温で硬質の熱
可塑性樹脂の粉末、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂の粉末などい
わゆるプラスチックの微粉末が挙げられるが、炭酸カル
シウム、クレー、タルク、雲母などの無機系充填剤の粉
末、澱粉粉末、ガラス粉末、繊維くず粉末、木材粉末な
ど天然系粉末も使用できる。硬質の微小粒子の粒径は、
0.1μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μmで
ある。微小粒子の粒径は、顕微鏡などによって測定する
ことができる。
【0026】また、導電性や熱伝導性などの効果を出す
ために、基材のプラスチックフィルム等にアルミニウム
粉、鋼粉、ニッケル粉などの金属粉を配合することもで
きる。
【0027】このような1軸延伸したプラスチックフィ
ルムまたはシートを基材に使用した本発明の粘着フィル
ムまたはシートは、基材を非延伸方向に引き伸ばす歪み
が発生すると予想される被検体の部分または箇所に貼り
付けられることにより、微小なひび割れまたは亀裂など
を感知できる。
【0028】硬質の微小粒子を基材中に分散する場合、
その微小粒子が基材のプラスチックに溶融することな
く、微小粒子として存在していることが重要であり、通
常は、微小粒子と基材とが同一の樹脂系の場合は望まし
くない。ただし、微小粒子の粉末が、化学架橋、電子線
照射架橋、紫外線照射架橋などにより高度に架橋された
ものである場合には、同一の樹脂系の場合でも、微小粒
子の粉末は基材の樹脂中に溶解することなく、粒子とし
て存在し得るので、硬質の微小粒子として基材中に分散
することが可能である。
【0029】基材1の厚さは、被検体に発生するひび割
れや亀裂等の微小な変位により延伸され、白化または変
色し得る程度であればよく、材質等によっても異なる
が、通常、10μm〜500μm、好ましくは30μm
〜100μmである。
【0030】基材1の片面に形成される粘着剤層2を構
成する粘着剤としては、特に限定されず、被着体の材質
等に応じて適宜選択することができる。例えばアクリル
系粘着剤(例えば、アクリル酸−アクリレート共重合
体、ポリアクリレート)、ゴム系粘着剤(例えば、天然
ゴム系、天然ゴム−アクリレート共重合体)等を好適に
使用できる。
【0031】基材1に粘着剤層2を形成する方法として
は、自体既知の方法で行えばよい。例えば、上記の粘着
剤をロールコーター、グラビアコーター、キスコータ
ー、リバースコーター等を用いて塗布、乾燥させる方
法、基材1上に粘着剤シートを貼り合わせる方法等が挙
げられる。粘着剤層2の厚さは、通常、5μm〜100
μm、好ましくは20μm〜50μmである。
【0032】粘着剤層2は、被検体に適用されるまで粘
着剤層2を保護するために、通常、剥離シート3により
被覆される。
【0033】本発明の局所変位検知用粘着フィルムまた
はシートを自動車や鉄道車両などの台車に使用する場合
は、気候の条件が考慮されねばならない。日本国内の気
候条件だけを考慮しても、極寒の北海道地域から極暑の
中央盆地地域まで気温条件に格差があり、−40℃〜9
0℃での条件下でも、白化や変色を発生させなければな
らないことも考えられる。また、温度条件だでなく、雨
濡れ、風対策などの環境条件の考慮も重要である。さら
に、防錆油や潤滑油などに晒されることも考慮しなけれ
ばならない。かかる過酷な条件下で使用する場合、基材
としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフル
オロエチレンなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂が有利
であり、粘着剤としては、シリコーン系粘着剤、アクリ
ル系粘着剤が望ましい。特に低温地域においては、点検
作業時に本発明の粘着フィルムまたはシートを貼り替え
る作業も必要となり、低温下での接着作業に対しては、
シリコーン系粘着剤が好ましい。接着性能では、アクリ
ル系粘着剤が優れている場合もあり、アクリル系粘着剤
とシリコーン系粘着剤との混合粘着剤を用いることによ
り、特性を満足させることもできる。
【0034】本発明の局所変位検知用粘着フィルムまた
はシートは、通常、テープまたはラベルの形態で実施さ
れる。
【0035】本発明の基材とし使用できる「引き伸ばさ
れることにより白化または変色するプラスチックフィル
ムまたはシート」は、後の〔白化・変色の評価方法〕で
記載する方法で評価して、変位が1mmのときに白化ま
たは変色が検知できるものである。
【0036】〔局所変位の検知〕本発明の局所変位検知
用粘着フィルムまたはシートを被検体の金属疲労などに
よる微小なひび割れや亀裂等の局所変位の発生が予想さ
れる部分または箇所に貼り付け、当該粘着フィルムまた
はシートの白化や変色により、微小なひび割れや亀裂等
の局所変位の存在およびその箇所を検知することができ
る。
【0037】〔白化・変色の評価方法〕粘着フィルムま
たはシートにおける基材の白化、変色の度合いを評価す
る方法を図2に基づいて説明する。まず、平板状の2枚
のアクリル板〔1mm×60mm×30mm〕A,Bを
上下につき合わせる。つき合わされた2枚のアクリル板
A,Bの境界線Cによって略二分されるように、粘着フ
ィルムまたはシートD〔20mm×40mm〕を2枚の
アクリル板A,Bの略中央に貼り合わせる。これを測定
試料として、2枚のアクリル板A,Bの上下部分をそれ
ぞれ引張り試験機のつかみ具に取り付ける。
【0038】本発明者らは、引張り速度や変位量(伸び
る距離)の条件を選定するために、引張り速度1mm/
分〜100mm/分で0.5mm〜2mmの変位量を与
え、−40℃〜80℃の温度範囲でフィルムの白化や変
色の有無を調べた。その結果、引張り速度10mm/分
で、変位量1mmとすることにより、基材の白化、変色
を検知できることがわかった。この方法で評価して基材
の白化、変色を検知できるものを本発明の基材として使
用できる「引き伸ばされることにより白化または変色す
るプラスチックフィルムまたはシート」とする。
【0039】以下、実施例により、本発明の内容をより
具体的に説明する。ただし、本発明の内容は、実施例の
範疇にとどまるものではない。
【0040】
【実施例】下記の粘着テープを調製し、各粘着テープの
それぞれを20mm×40mmの大きさに切り取り、前
述の方法にて白化・変色を評価して、結果を表1にまと
めた。
【0041】実施例(1) 厚さ0.1mmの透明ABS樹脂フィルム〔ABSフィ
ルム、信越ポリマー(株)製〕の片面に、厚さ0.05
mmのアクリル系粘着剤シート〔ニットー両面接着テー
プNo.5915、日東電工(株)製〕を貼り合わせ
て、粘着テープ1とした。同様に、厚さ0.1mmの硬
質の塩化ビニル樹脂製透明シート〔硬質塩ビシート、信
越ポリマー(株)製〕を基材として用いて、粘着テープ
2を得た。
【0042】実施例(2) フッ素樹脂基材の粘着テープとして、2種類の粘着テー
プ〔ニトフロンNo.923SLおよびニトフロンN
o.923S、ともに日東電工(株)製〕を用いて評価
した。粘着テープの長手方向に対して直交する方向、す
なわち幅方向が測定試料の長辺(40mm)となるよう
に切り取り、2枚のアクリル板A,Bに貼り合わせた。
2種類の粘着テープのうちニトフロンNo.923SL
を粘着テープ3とし、ニトフロンNo.923Sを粘着
テープ4とした。ニトフロンNo.923SLおよびニ
トフロンNo.923Sは、いずれも長手方向に1軸延
伸されたフッ素樹脂基材にシリコーン系粘着剤層を形成
したテープである。
【0043】実施例(3) ポリエチレン100重量部に炭酸カルシウム充填剤〔日
東粉化工業(株)製のNCC#110〕40重量部を練
り混み、ペレット化した後、押出機で厚さ0.08mm
のフィルムを得た。その片面に、実施例(1)と同様
に、アクリル系粘着剤シートを貼り合わせ、粘着テープ
5を得た。また、ポリエチレンをポリプロピレンに変更
した以外は、同様にして、粘着テープ6を得た。
【0044】実施例(4) ポリエチレン100重量部にポリスチレン微小粒子粉末
〔綜研化学(株)製のSGP−150C〕30重量部を
練り混み、ペレット化した後、押出機で厚さ0.1mm
のフィルムを得た。その片面に、実施例(1)と同様
に、アクリル系粘着剤シートを貼り合わせ、粘着テープ
7を得た。また、ポリエチレンをポリプロピレンに変更
した以外は、同様にして、粘着テープ8を得た。
【0045】実施例(5) 実施例(2)のフッ素樹脂基材テープの粘着加工前の基
材を用い、実施例(1)と同様にアクリル粘着剤シート
を貼り合わせ、粘着テープ9を得た。
【0046】実施例(6) アクリル系粘着剤(アクリル酸ブチル95重量部とアク
リル酸5重量部とを共重合したもの)100重量部とシ
リコーン系粘着剤〔シリコーンワニスKR−120、信
越化学工業(株)製〕100重量部を混合し、架橋剤と
してベンゾイルパーオキサイドを0.3重量部添加した
粘着剤溶液を調製し、実施例(1)で使用したABS樹
脂フィルムに塗布加工し、130℃で5分間加熱乾燥し
て、粘着テープ10を得た。
【0047】比較例(1) 2軸延伸ポリプロピレンフィルムに粘着剤加工したテー
プ、日東電工(株)製No.375を比較テープとして
用いた(粘着テープ11)。
【0048】比較例(2) 2軸延伸ポリエステルフィルムに粘着剤加工したテー
プ、日東電工(株)製No.31を比較テープとして用
いた(粘着テープ12)。
【0049】比較例(3) 軟質塩化ビニルフィルムを基材とした粘着テープ、日東
電工(株)製No.21を比較テープとして用いた(粘
着テープ13)。
【0050】
【表1】
【0051】判定:表中、「○」はテープが白化または
変色したことを示し、「切断」はテープが切断したこと
を示し、「×」はテープが白化も変色もしなかったこと
を示す。白化の判定に際しては、黒色シートの上に試料
を並べて行なった。
【0052】〔総評〕比較例(1)〜(3)で用いた粘
着テープ11,12,13は、プラスチック基材の粘着
テープとして、広範囲の用途に使用されている実績のあ
るテープであるが、これらのプラスチック基材は引き伸
ばされることにより白化または変色するものではない。
それに比べ、実施例の粘着テープ1〜10においては、
効果の得られる温度範囲に差はあるが、微小なひび割れ
や亀裂等の局所変位の発生に追随して、白化または変色
を生じ、変位を検知する機能が確保される。
【0053】なかでも、フッ素樹脂を基材とし、シリコ
ーン系粘着剤を使用した粘着テープ3および粘着テープ
4は、低温域から高温域までの広範囲の温度範囲におい
て、良好な結果が得られた。それは、基材の安定な温度
範囲が広いことに加えて、粘着剤の安定な温度範囲も広
いことによる相乗効果と見られる。
【0054】実施例(6)の粘着テープ10は、アクリ
ル系粘着剤の粘着性とシリコーン系粘着剤の低温特性、
高温特性とがブレンドされることにより相乗効果を生み
だし、コスト面をも考えた性能のバランス取りに効果が
ある。
【0055】
【発明の効果】本発明の局所変位検知用粘着フィルムま
たはシートを例えば金属疲労などにより微小なひび割れ
や亀裂等の局所変位の発生が予想される被検体の部分ま
たは箇所に貼り付けておくと、被検体に微小なひび割れ
または亀裂等の局所変位が発生した場合に、粘着フィル
ム等が当該位置において白化または発色し、肉眼でその
局所変位を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の局所変位検知用粘着フィルムまたはシ
ートの一態様を示す断面図である。
【図2】白化・変色の評価方法を説明する図である。
【符号の説明】
1:基材 2:粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 浩史 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 奥 保政 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 森 茂樹 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 Fターム(参考) 4J004 AA02 AA10 AA11 AB01 CA03 CA04 CA05 CC02 FA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引き伸ばされることにより白化または変
    色するプラスチックフィルムまたはシートを基材とし、
    その片面に粘着剤層を形成した粘着フィルムまたはシー
    トであって、局所変位の発生が予想される被検体の部分
    または箇所に貼り付けられる局所変位検知用粘着フィル
    ムまたはシート。
  2. 【請求項2】 基材が、1軸延伸されたプラスチックフ
    ィルムまたはシートであり、該延伸方向と直角の方向に
    引き伸ばされることにより白化または変色するものであ
    る請求項1に記載の局所変位検知用粘着フィルムまたは
    シート。
  3. 【請求項3】 基材が、微小粒子を均一に分散、含有す
    るプラスチックフィルムまたはシートである請求項1に
    記載の局所変位検知用粘着フィルムまたはシート。
  4. 【請求項4】 基材が、ポリテトラフルオロエチレンま
    たはポリトリフルオロエチレンからなる請求項2または
    請求項3に記載の局所変位検知用粘着フィルムまたはシ
    ート。
  5. 【請求項5】 基材が、硬質の塩化ビニル樹脂、アクリ
    ロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニト
    リル・スチレン樹脂、スチロール樹脂またはメタクリル
    樹脂からなる請求項1または請求項3に記載の局所変位
    検知用粘着フィルムまたはシート。
  6. 【請求項6】 基材が、ポリエチレン、ポリプロピレン
    およびこれらの変性樹脂から選ばれる一種または二以上
    からなる混合物である請求項2または請求項3に記載の
    局所変位検知用粘着フィルムまたはシート。
  7. 【請求項7】 粘着剤が、シリコーン系粘着剤である請
    求項1に記載の局所変位検知用粘着フィルムまたはシー
    ト。
  8. 【請求項8】 粘着剤が、シリコーン系粘着剤とアクリ
    ル系粘着剤との混合粘着剤である請求項1に記載の局所
    変位検知用粘着フィルムまたはシート。
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