JP2001106733A - アクリロニトリル系共重合体の製造法 - Google Patents

アクリロニトリル系共重合体の製造法

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JP2001106733A JP28508199A JP28508199A JP2001106733A JP 2001106733 A JP2001106733 A JP 2001106733A JP 28508199 A JP28508199 A JP 28508199A JP 28508199 A JP28508199 A JP 28508199A JP 2001106733 A JP2001106733 A JP 2001106733A
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Wataru Mio
渡 見尾
Satoru Yoshimura
悟 吉村
Takaharu Matsumoto
隆治 松本
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/42Nitriles
    • C08F220/44Acrylonitrile

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Abstract

(57)【要約】 【課題】アクリロニトリル系共重合体を水を媒体として
油溶性重合開始剤を用いて製造するに際し、スルホン酸
基含有ビニル系単量体の反応性の向上と共に、重合体懸
濁液より共重合体の分離が容易であるアクリロニトリル
系重合体の新規な製造法を提供する。 【解決手段】アクリロニトリル30〜85重量部に対
し、ハロゲン含有ビニル系単量体15〜70重量部、ス
ルホン酸基含有ビニル系単量体0.1〜10重量部を水
を媒体として油溶性重合開始剤を用いて共重合するに際
し、重合における使用量の5〜90重量%のアクリロニ
トリルと、使用量全量のスルホン酸基含有ビニル系単量
体を仕込み、重合を行い、スルホン酸基含有ビニル系単
量体が、アクリロニトリル100重量部に対して2重量
部以上反応した後に、残りのアクリロニトリルと使用量
全量のハロゲン含有ビニル系単量体を仕込み、更に重合
を行うことを特徴とするアクリロニトリル系共重合体の
製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水を媒体として油溶
性重合開始剤を用いたアクリロニトリル系共重合体の新
規な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリロニトリル単量体とハロゲ
ン含有ビニル系単量体等との共重合においては、水系媒
体中で水溶性重合開始剤を用いるのが一般的であった。
この方法においては、スルホン酸基含有ビニル系単量体
は高転化率で共重合反応を行うことが出来る。しかし、
生成する共重合体の粒子径が小さく、共重合体の分離が
困難、若しくは、分離の際の濾液に共重合体が残るとい
う問題がある。水溶性重合開始剤に替えて油溶性重合開
始剤を用いると生成する共重合体の粒子径は大きくな
り、共重合体を分離は容易になるが、必須成分であるス
ルホン酸基含有ビニル系単量体を共重合させることが極
めて困難であった。
【0003】そこでこの共重合体へのスルホン酸基含有
ビニル系単量体の共重合性を向上し、かつ、共重合体の
分離の容易な重合方法が種々検討されているが、未だ満
足すべき改良方法は見いだされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アク
リロニトリル、ハロゲン含有ビニル系単量体及びスルホ
ン酸基含有ビニル系単量体を水を媒体として油溶性重合
開始剤を用いて共重合するに際し、スルホン酸基含有ビ
ニル系単量体の反応性の向上と共に、重合体懸濁液より
共重合体の分離が容易であるアクリロニトリル系重合体
の新規な製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、アク
リロニトリル30〜85重量部に対し、ハロゲン含有ビ
ニル系単量体15〜70重量部、スルホン酸基含有ビニ
ル系単量体0.1〜10重量部を水を媒体として油溶性
重合開始剤を用いて共重合するに際し、重合における使
用量の5〜90重量%のアクリロニトリルと、使用量全
量のスルホン酸基含有ビニル系単量体を仕込み、重合を
行い、スルホン酸基含有ビニル系単量体が、アクリロニ
トリル100重量部に対して2重量部以上反応した後
に、残りのアクリロニトリルと使用量全量のハロゲン含
有ビニル系単量体を仕込み、更に重合を行うことを特徴
とするアクリロニトリル系共重合体の製造法である。前
期油溶性重合開始剤としては、アゾニトリル化合物類及
び有機過酸化物類から選択される少なくとも1種である
のが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明でいうアクリロニトリル系
共重合体は、アクリロニトリル30〜85重量部に対し
て、ハロゲン含有ビニル系単量体15〜70重量部及び
スルホン酸基含有ビニル系単量体0.1〜10重量部と
を主成分とするものであり、アクリロニトリルは好まし
くは45〜70重量部で、ハロゲン含有ビニル系単量体
は30〜55重量部であるのが好ましい。また、スルホ
ン酸基含有ビニル系単量体は0.2〜5重量部が好まし
く、さらに好ましくは0.2〜3重量部である。
【0007】アクリロニトリルが30重量部未満では繊
維として必要な物性(強度、伸度、耐熱性、失透防止性
等)を得ることが困難となり、逆に85重量部を越える
と、難燃性を維持することが困難となる傾向にある。
【0008】またハロゲン含有ビニル系単量体が15重
量部未満では難燃性を付与することが困難となり、逆に
70重量部を越えると難燃性は容易に付与できるが繊維
として必要な物性を発現させることが困難となる。
【0009】またスルホン酸基含有ビニル系単量体の使
用量が10重量部を越えると繊維の染色性は付与できる
が効果が飽和に達する傾向にある。
【0010】ハロゲン含有ビニル系単量体としては、ア
クリロニトリルと共重合可能であれば特に限定はなく、
具体的には例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニル、臭化ビニリデン等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0011】またスルホン酸基含有ビニル系単量体の具
体例としては、例えばアリルスルホン酸、メタリルスル
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、スチレンスルホン酸、2−メチル−1,3,−
ブタジエン−1−スルホン酸、それらの塩等が挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。
【0012】本発明のアクリロニトリル系重合体の製法
においては前記の通り単量体としてアクリロニトリルと
ハロゲン含有単量体とスルホン酸基含有ビニル系単量体
とが使用されるが、必要に応じてこれらと共重合可能な
その他のモノオレフィン系単量体を少量使用しても良
い。その他のモノオレフィン性単量体としては例えばア
クリル酸、メタクリル酸、及びそれらのエステル、アク
リルアミド、酢酸ビニル等が挙げられ、全重合体中の1
0重量%以下の範囲で使用するのが好ましい。
【0013】また、本発明で使用する油溶性重合開始剤
とはアゾニトリル化合物類及び有機過酸化物類である
が、アゾニトリル化合物類としては、例えば、2,2
‘−アゾビス(4−メトキシ−2,4’−ジメチルバレ
ロニトリル)(和光純薬(株)、V−70)、2,2
‘−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)
(和光純薬(株)、V−65)等が挙げられ、有機過酸
化物類としては、例えば、ジ(2−エチルヘキシルパー
オキシ)ジカーボネート(日本油脂(株)、パーロイル
OPP)、ターシャリブチルパーオキシネオデカノエー
ト(日本油脂(株)、パーブチルND)、3,5,5−
トリメチルヘキサノイルパーオキサイド(日本油脂
(株)、パーロイル355)等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0014】前記油溶性重合開始剤は重合に使用する全
単量体を100重量部とした場合に0.4〜3重量部を
供給することが好ましく、さらには0.8〜2重量部で
供給することが好ましい。前記油溶性重合開始剤量が
0.4重量部未満であると充分な重合転化率を得ること
が出来ず、3重量部を越えると重合転化率は向上するが
生成重合体が着色する傾向が認められ、また、コストに
おいても不利である。
【0015】本発明で用いる油溶性重合開始剤は極めて
親油性が高く、アクリロニトリルやハロゲン含有ビニル
系単量体に対しては良く溶けるが、重合媒体である水に
は極微量にしか溶解しない。逆にスルホン酸基含有単量
体は重合媒体である水には極めてよく溶けるが、アクリ
ロニトリルやハロゲン含有ビニル系単量体に対してはほ
とんど溶解しない。そのため、アクリロニトリル、ハロ
ゲン含有ビニル系単量体、スルホン酸基含有ビニル系単
量体、油溶性重合開始剤が水を媒体とする重合系に存在
する場合、重合開始剤を溶解することの出来るアクリロ
ニトリルやハロゲン含有ビニル系単量体のモノマー滴中
から重合反応が開始され、水中に溶解しているスルホン
酸基含有単量体は共重合反応をすることが極めて困難で
ある。ここで、アクリロニトリルは油溶性重合開始剤を
溶解することが出来るが、アクリロニトリル自身はある
程度水に対して溶解することが可能である。このことは
アクリロニトリルラジカルに関しても同様である。この
ため非常に疎水性の高いハロゲン含有ビニル系単量体が
存在する場合には水中のスルホン酸基含有ビニル系単量
体はほとんど共重合することが出来なくても、非常に疎
水性の高いハロゲン含有ビニル系単量体が存在しない場
合にはアクリロニトリルが極めて親水性の高いスルホン
酸基含有ビニル系単量体と極めて疎水性の強い油溶性重
合開始剤のバインダー的役割を果たし、本来、極めて共
重合することが困難なスルホン酸基含有ビニル系単量体
が共重合が可能となる。
【0016】また、油溶性重合開始剤については水溶性
開始剤と併用することは好ましくない。併用した場合、
水溶性重合開始剤を用いた際のメリットであるスルホン
酸基含有ビニル系単量体の共重合転化率の向上は見られ
るものの、油溶性重合開始剤の特徴である重合体懸濁液
からの共重合体の分離性が劣る傾向となる。
【0017】本発明においては、懸濁重合法を用いて共
重合体を得る方法が好ましく、分散剤として、さらに界
面活性剤を用いることもできる。該分散剤としては、ノ
ニオン性界面活性剤が特に有効であり、この具体例とし
ては、ポリビニルアルコール類、ポリエチレンオキサイ
ド類及びメチルセルロース類等を挙げることが出来る。
【0018】これら界面活性剤の使用量は全単量体10
0重量部に対し0.01〜2重量部、好ましくは0.0
4〜1.5重量部である。
【0019】本発明の具体的な製造法として望ましい方
法は、例えば、先ずアクリロニトリル5重量部とスルホ
ン酸基含有ビニル系単量体を3〜5重量部初仕込みし、
アクリロニトリル10〜35重量部を均一に追加しなが
ら重合をさせ、次いで、ハロゲン含有ビニル系単量体5
5重量部を一括で、残りのアクリロニトリルを均一に追
加しながら重合を行い重合体懸濁液を得る。このハロゲ
ン含有ビニル系単量体を追加するポイントであるが、ハ
ロゲン含有ビニル系単量体を追加するとスルホン酸基含
有ビニル系単量体の共重合性が急激に低下する。そのた
め、例えば最終80重量部の重合体が得られる場合でス
ルホン酸基含有ビニル系単量体が重合体中に1重量%含
まれなければならない場合において、40重量部の重合
体が生成した時点で2重量%以上のスルホン酸基含有ビ
ニル系単量体が含まれていればハロゲン含有ビニル系単
量体を追加しても問題ない。しかし、40重量部の重合
体が生成した時点で2重量%以上のスルホン酸基含有ビ
ニル系単量体が含まれていない場合、ハロゲン含有ビニ
ル系単量体を追加すると最終生成物中に必要な量のスル
ホン酸基含有ビニル系単量体が含まれない場合が生じ
る。
【0020】したがって、スルホン酸基含有ビニル系単
量体が、アクリロニトリル100重量部に対して2重量
部以上反応した後に、残りのアクリロニトリルと使用量
全量のハロゲン含有ビニル系単量体を仕込み、更に重合
を行う方法が好ましい。
【0021】得られた重合体懸濁液から重合体樹脂を得
るには、重合体を含む懸濁液を、濾過、水洗、脱水、乾
燥工程を経るが、これらは公知の一般的な装置を用いる
ことができる。
【0022】前記懸濁液から重合体を分離して重合体樹
脂を得る際の分離性については、濾過時間、濾液の濁り
等を用いて評価することができる。
【0023】
【実施例】以下本発明を実施例によってさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。尚、実施例に先立ち、評価方法等について説明す
る。
【0024】(スルホン酸基含有ビニル系単量体の共重
合体中の含有量の評価方法)以下の方法で共重合体中の
硫黄含有量の測定を行い、含有量を算出した。三菱化学
製試料燃焼装置QF−02を用い、アルゴン/02=1
00/100、加熱温度900℃、加熱時間35分の条
件で燃焼ガスを0.3重量%のH2O2水溶液中に吸収
させ、横河製のイオンクロマトグラフィーIC−700
0を使い、定量分析を行った。
【0025】(懸濁液からの重合体の分離性評価方法)
重合体懸濁液50gを減圧濾過し、濾過に必要な時間、
及び、濾液の濁りを観察した。濾液の濁りは目視で判断
し以下の視点で評価を行った。 ○:濁りなし、若しくは、極めて薄い白濁。 ×:白濁 (実施例1)内容量14Lの耐圧重合反応装置を用いて
水を媒体とした懸濁重合を、重合温度57℃、重合時間
7時間で行った。まず、アクリロニトリル160g、ス
ルホン酸基含有単量体であるスチレンスルホン酸ナトリ
ウムの使用量の全量に当たる200g、分散剤として部
分ケン化ポリビニルアルコール3.2g、水8000g
を初仕込みし、重合開始剤として2,2‘−アゾビス
(2,4’−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬
(株)、V−65)32gを添加して重合を開始した。
重合開始から3時間目迄、得られる重合体組成を調節す
るためにアクリロニトリルを234g/時間で追加を行
った。重合3時間目迄に使用したアクリロニトリルは全
使用量の48重量%である。ここまでに反応したスチレ
ンスルホン酸ナトリウムの量は、ここまでに使用したア
クリロニトリルを100重量部とした場合、22重量部
に相当する。次いで、重合時間3時間目に塩化ビニル2
200gを仕込み、残りのアクリロニトリルを得られる
重合体組成を調節するために234g/時間で追加しな
がら7時間まで重合を行った。重合は順調に進行し、重
合体懸濁液を得ることができた。この懸濁液より減圧濾
過により容易に重合体が分離でき、濾液に濁りはなかっ
た。分離した重合体を温水洗浄、脱水、乾燥を行い、ア
クリロニトリル組成が43.6重量%の共重合体を79
重量%の収率で得た。スチレンスルホン酸ナトリウムの
含有率は6.0重量%であり、反応したスチレンスルホ
ン酸ナトリウムの量は、使用したアクリロニトリルを1
00重量部とした場合、11重量部に相当した。このよ
うに本発明の製法を用いると重合体懸濁液からの共重合
体の分離が容易でスルホン酸基含有ビニル系単量体の共
重合性を向上させることができる。
【0026】(比較例1)内容量14Lの耐圧重合反応
装置を用いて水を媒体とした懸濁重合を、重合温度65
℃、重合時間5時間で行った。まず、アクリロニトリル
160g、塩化ビニル2200g、スルホン酸基含有単
量体であるスチレンスルホン酸ナトリウムの使用量の全
量に当たる140g、分散剤として部分ケン化ポリビニ
ルアルコール3.2g、水8000gを初仕込みし、重
合開始剤としてV−65を32g、2,2‘−アゾビス
(4−メトキシ−2,4’−ジメチルバレロニトリル)
(和光純薬(株)、V−70)32gを添加して重合を
開始した。重合開始から終了迄、得られる重合体組成を
調節するためにアクリロニトリルを328g/時間で追
加を行った。重合は順調に進行し、重合体懸濁液を得る
ことができた。この懸濁液より減圧濾過により容易に重
合体が分離でき、濾液に濁りはなかった。分離した重合
体を温水洗浄、脱水、乾燥を行い、アクリロニトリル組
成が49.3重量%の共重合体を77重量%の収率で得
た。スチレンスルホン酸ナトリウムの含有率は0.4重
量%であり、反応したスチレンスルホン酸ナトリウムの
量は、使用したアクリロニトリルを100重量部とした
場合、0.8重量部に相当し、低い反応率であった。こ
のように従来の製法を用いるとスルホン酸基含有ビニル
系単量体の共重合性が低いものとなった。
【0027】(比較例2)内容量14Lの耐圧重合反応
装置を用いて水を媒体とした懸濁重合を重合時間5時間
で行った。重合温度は重合開始から1時間30分までは
40℃で、1時間30分から重合終了までは65℃で行
った。まず、アクリロニトリル160g、塩化ビニル2
200g、スルホン酸基含有単量体である2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸200g、分散
剤として部分ケン化ポリビニルアルコール3.2g、硫
酸第一鉄0.04g、亜硫酸水素ナトリウム9.6g、
水8000gを初仕込みし、重合開始剤としてV−65
を32g添加して重合を開始した。重合開始から1時間
30分まで水溶性重合開始剤であるペルオキソ二硫酸ア
ンモニウムを、反応速度を調整するために1時間30分
まで5.3g/時間の量で連続的に追加した。また、重
合開始から終了迄、得られる重合体組成を調節するため
にアクリロニトリルを328g/時間で追加を行った。
重合は順調に進行し、重合体懸濁液を得ることができ
た。しかし、重合体懸濁液より重合体を分離する際に数
時間の減圧濾過を要し、分離は非常に困難であった。ま
た、濾液は大きく白濁していた。得られた重合体を温水
洗浄、脱水、乾燥を行い、アクリロニトリル組成が5
3.3重量%の共重合体を85重量%の収率で得た。2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含
有率はは1.2重量%であり、反応した2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸の量は、使用した
アクリロニトリルを100重量部とした場合、2.3重
量部に相当した。このように従来の製法を用いると重合
体懸濁液からの共重合体の分離が極めて困難であった。
【0028】(実施例2)内容量14Lの耐圧重合反応
装置を用いて水を媒体とした懸濁重合を、重合温度60
℃、重合時間9時間で行った。まず、アクリロニトリル
200g、スルホン酸基含有単量体である2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸の使用量の全量
に当たる200g、分散剤として部分ケン化ポリビニル
アルコール3.2g、水8000gを初仕込みし、重合
開始剤としてV−65を40g添加して重合を開始し
た。重合開始から4時間目迄、得られる重合体組成を調
節するためにアクリロニトリルを350g/時間で追加
を行った。重合4時間目迄に使用したアクリロニトリル
は全使用量の89重量%である。ここまでに反応した2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の量
は、ここまでに使用したアクリロニトリルを100重量
部とした場合、2.5重量部に相当する。次いで、重合
時間4時間目に塩化ビニル2200gを仕込み、残りの
アクリロニトリルを得られる重合体組成を調節するため
に40g/時間で追加しながら9時間まで重合を行っ
た。重合は順調に進行し、重合体懸濁液を得ることがで
きた。この懸濁液より減圧濾過により容易に重合体が分
離でき、濾液に濁りはなかった。分離した重合体を温水
洗浄、脱水、乾燥を行い、アクリロニトリル組成が6
5.5重量%の共重合体を60重量%の収率で得た。共
重合体中の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸の含有率は2.0重量%であり、反応した2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の量
は、使用したアクリロニトリルを100重量部とした場
合、2.5重量部に相当し、油溶性重合開始剤を用いた
通常の重合法で行なった比較例1に比べて高い反応率で
あった。このように本発明の製法を用いると重合体懸濁
液からの共重合体の分離が容易でスルホン酸基含有ビニ
ル系単量体の共重合性を向上させることができる。
【0029】(実施例3)内容量14Lの耐圧重合反応
装置を用いて水を媒体とした懸濁重合を、重合温度60
℃、重合時間7時間で行った。まず、アクリロニトリル
200g、スルホン酸基含有単量体であるスチレンスル
ホン酸ナトリウムの全量である40g、及び、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の全量であ
る120g、分散剤として部分ケン化ポリビニルアルコ
ール3.2g、水8000gを初仕込みし、重合開始剤
としてV−65を40g添加して重合を開始した。重合
開始から3時間目迄、得られる重合体組成を調節するた
めにアクリロニトリルを333g/時間で追加を行っ
た。重合3時間目迄に使用したアクリロニトリルは全使
用量の67重量%である。ここまでに反応したスチレン
スルホン酸ナトリウムと2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸の併せた量は、ここまでに使用し
たアクリロニトリルを100重量部とした場合、6.3
重量部に相当する。次いで、重合時間3時間目に塩化ビ
ニル2200gを仕込み、残りのアクリロニトリルを得
られる重合体組成を調節するために150g/時間で追
加しながら7時間まで重合を行った。重合は順調に進行
し、重合体懸濁液を得ることができ、濾液に濁りはなか
った。この懸濁液より減圧濾過により容易に重合体が分
離できた。分離した重合体を温水洗浄、脱水、乾燥を行
い、アクリロニトリル組成が47.7重量%の共重合体
を73重量%の収率で得た。共重合体中のスチレンスル
ホン酸ナトリウムと2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸を併せた含有率は2.6重量%であ
り、反応したスチレンスルホン酸ナトリウムと2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を併せた量
は、使用したアクリロニトリルを100重量部とした場
合、4.5重量部に相当し、油溶性重合開始剤を用いた
通常の重合法で行なった比較例1に比べて高い反応率で
あった。このように本発明の製法を用いると重合体懸濁
液からの共重合体の分離が容易でスルホン酸基含有ビニ
ル系単量体の共重合性を向上させることができる。表1
に実施例、比較例の評価DATAを示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明のアクリロニトリル系重合体の製
造法によれば、水を媒体として油溶性重合開始剤を用い
た懸濁重合方法において、共重合体中にスルホン酸基含
有ビニル系単量体を高い反応量で共重合させることが出
来、しかも重合体懸濁液からの重合体の分離が容易であ
る優れた効果を発現させることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/46 C08F 220/46 228/00 228/00 Fターム(参考) 4J011 JB14 JB22 JB26 4J015 AA02 AA03 CA06 CA08 CA09 4J100 AB07R AC00Q AM02P AM14R AP01R AS06R BA56R CA05 FA03 FA21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリル30〜85重量部に対
    し、ハロゲン含有ビニル系単量体15〜70重量部、ス
    ルホン酸基含有ビニル系単量体0.1〜10重量部を水
    を媒体として油溶性重合開始剤を用いて共重合するに際
    し、重合における使用量の5〜90重量%のアクリロニ
    トリルと、使用量全量のスルホン酸基含有ビニル系単量
    体を仕込み、重合を行い、スルホン酸基含有ビニル系単
    量体が、アクリロニトリル100重量部に対して2重量
    部以上反応した後に、残りのアクリロニトリルと使用量
    全量のハロゲン含有ビニル系単量体を仕込み、更に重合
    を行うことを特徴とするアクリロニトリル系共重合体の
    製造法。
  2. 【請求項2】油溶性重合開始剤がアゾニトリル化合物類
    及び有機過酸化物類から選択される少なくとも1種であ
    る請求項1に記載のアクリロニトリル系共重合体の製造
    法。
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