JP2001106664A - 光学活性イミノアルコール類及びアミノアルコール類の製造法 - Google Patents

光学活性イミノアルコール類及びアミノアルコール類の製造法

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JP2001106664A JP2000219142A JP2000219142A JP2001106664A JP 2001106664 A JP2001106664 A JP 2001106664A JP 2000219142 A JP2000219142 A JP 2000219142A JP 2000219142 A JP2000219142 A JP 2000219142A JP 2001106664 A JP2001106664 A JP 2001106664A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入手容易なα−イミノカルボニル化合物類を出
発原料として、アンチ立体配置を有する光学活性β−ア
ミノアルコール類の実用的製造法を提供する。 【解決手段】Ra−CO−C(=NORb)−Rc(式
中、Ra、Rb、Rcは、置換基を有していてもよい
(アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アラ
ルキル基又はアリール基)等を表す。)で表される化合
物に、光学活性遷移金属化合物及び塩基の存在下に水素
を作用させることによりRa−C*H(OH)−C(=
NORb)−Rc(式中、Ra,Rb,Rcは前記と同
じ意味を示し、C*は不斉炭素原子を表す。)で表され
る光学活性β−イミノアルコールを得る工程と、得られ
たβ−イミノアルコールを還元する工程とを有するRa
−C*H(OH)−C*H(NH2)−Rc(式中、R
a、Rc及びC*は前記と同じ意味を表す。)で表され
る光学活性β−アミノアルコールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−アミノカルボ
ニル化合物類から、医薬、農薬、触媒等の合成中間体と
して有用な光学活性β−アミノアルコール、特にアンチ
立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールを、高
收率、かつ高いエナンチオ、ジアステレオ両選択性で製
造する方法、及びその製造中間体である光学活性β−イ
ミノアルコールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性β−アミノアルコール、
特にアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコ
ールを製造する方法としては、(1)光学活性α−アミ
ノ酸を原料とする方法、及び(2)オレフィンを原料と
する方法等が、比較的一般性の高いものとして知られて
いる(例えば、Chemical Rev.,96,8
35(1996)等参照)。
【0003】上記した方法のうち、(1)の光学活性α
−アミノ酸を原料とする方法は、原料となるα−アミノ
酸は工業的な触媒的化学合成法、生物的合成法や分割法
により入手可能であるが、安価に入手できる光学活性α
−アミノ酸に限りがある。
【0004】また、α−アミノ酸から光学活性β−アミ
ノアルコールを誘導する方法としては、該α−アミノ酸
のアミノ基を保護した後、カルボン酸を還元して得たケ
トンに求核反応させて、アンチ立体配置の光学活性β−
アミノアルコール類とする方法が知られている(例え
ば、Tetrahedon Lett.,31,498
5(1990)等参照。)。しかし、この方法は、還元
反応と求核反応いずれも金属試薬を当量使用するという
問題があり、また収率・選択性も不十分である。このよ
うにα−アミノ酸から合成する方法は、原料・製造法い
ずれにも難点がある。
【0005】(2)のオレフィンを原料とする方法とし
ては、シス立体配置のオレフィンを不斉アミノヒドロキ
シル化してアンチ立体配置の光学活性β−アミノアルコ
ール類を合成する方法が知られている(例えば、Ang
ew.Chem.Int.Ed.Engl.,35,4
51(1996)等参照。)。しかし、この方法は、入
手の困難なシスオレフィンを原料にすること、及び脱離
が困難な保護基を有する生成物しか得られないことか
ら、必ずしも好ましいものといえない。
【0006】また、(3)として、α−イミノケトンを
原料とする方法が、J.Org.Chem.,54,2
021(1989)等に記載されているが、限られた基
質にのみ有効な方法であり、一般性に乏しいものであ
る。
【0007】その他として、ある種の光学活性アミノア
ルコールとホウ素から誘導したオキサザボロリジンを補
助基に用いて、α−イミノケトンを不斉還元して、アン
チ立体配置の光学活性β−アミノアルコール類を合成す
る方法も知られている(例えば、Tetrahedro
n Lett.,39,5195(1998)等参
照。)。しかしながら、この方法は、補助基に用いたア
ミノアルコールと生成物の分離が困難であることから、
工業的製造法としては問題がある。
【0008】以上のように、安価な原料から光学活性β
−アミノアルコール類を製造する一般性が高く、高収
率、かつ高選択的な製造方法は未だ確立されておらず、
特にそのアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノア
ルコール類の製造方法の開発が望まれていた。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
に鑑みてなされたものであり、入手容易なα−イミノカ
ルボニル化合物類を出発原料として、アンチ立体配置を
有する光学活性β−アミノアルコール類の実用的製造法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、一般
式(1)
【0011】
【化10】
【0012】(式中、Ra,Rb及びRcは、それぞれ
独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換
基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有してい
てもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい
アラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基
を表す。また、RaとRc若しくはRbとRcは結合し
て、5〜8員環を形成してもよい。)で表されるα−イ
ミノカルボニル化合物に、光学活性遷移金属化合物及び
塩基の存在下に、水素を作用させることを特徴とする、
一般式(2)
【0013】
【化11】
【0014】(式中、Ra,Rb及びRcは前記と同じ
意味を示し、C*は不斉炭素原子を表す。)で表される
光学活性β−イミノアルコールの製造方法を提供する。
【0015】又、本発明は、第2に、一般式(1)
【0016】
【化12】
【0017】(式中、Ra,Rb及びRcは、それぞれ
独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換
基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有してい
てもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい
アラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基
を表す。また、RaとRc若しくはRbとRcは結合し
て、5〜8員環を形成してもよい。)で表されるα−イ
ミノカルボニル化合物に、光学活性遷移金属化合物及び
塩基の存在下に、水素を作用させることにより、一般式
(2)
【0018】
【化13】
【0019】(式中、Ra,Rb及びRcは前記と同じ
意味を示し、C*は不斉炭素原子表す。)で表されるβ
−イミノアルコールを得る工程と、得られたβ−イミノ
アルコールを還元する工程を有することを特徴とする、
一般式(3)
【0020】
【化14】
【0021】(式中、Ra,Rc及びC*は前記と同じ
意味を表す。)で表される、アンチ立体配置を有する光
学活性β−アミノアルコールの製造方法を提供する。
【0022】前記第1及び第2の発明において、前記光
学活性遷移金属化合物は、好適には、均一系光学活性水
素化触媒であり、
【0023】前記光学活性均一系水素化触媒は、より好
適には、
【0024】
【化15】
【0025】(式中、Maは第VIII族金属を表し、X,
Yは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カ
ルボキシル基、水酸基又はアルコキシ基を表し、m,n
は、それぞれ独立して、0又は1〜4の整数を表し、P
xはホスフィン配位子を表し、Nxはアミン配位子を表
す。)で表される化合物である。
【0026】また、前記一般式(4)で表される化合物
においては、前記Pxは光学活性ホスフィン配位子であ
り、前記Nxは光学活性アミン配位子であるのがそれぞ
れ好ましく、Px又はNxの少なくとも一方は光学活性
配位子であるのがより好ましい。
【0027】前記第1及び第2の発明において、前記塩
基は、一般式(5)
【0028】
【化16】
【0029】(式中、Mbは、アルカリ金属又はアルカ
リ土類金属を表し、Zは、水酸基、アルコキシ基又はメ
ルカプト基を表す。)で表される化合物であるのが好ま
しい。
【0030】前記第2の発明において、前記β−イミノ
アルコールを還元する工程は、好適には、前記一般式
(2)で表されるβ−イミノアルコールに水素を作用さ
せる工程を有し、より好適には、前記一般式(2)で表
されるβ−イミノアルコールに、金属系試薬の存在下に
水素を作用させる工程を有し、前記金属系試薬として
は、不均一系金属触媒又は金属水素化物を用いるのがさ
らに好ましい。
【0031】また、前記β−イミノアルコールを還元す
る工程は、好適には、前記一般式(2)で表されるβ−
イミノアルコールに、ホウ素化合物を作用させる工程を
有し、前記ホウ素化合物としてはボランを用いるのがよ
り好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明の一般式(1)で表される原料化合
物において、
【0033】Ra,Rb及びRcは、それぞれ独立し
て、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有
していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよ
いシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラル
キル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表
す。
【0034】前記置換基を有していてもよい直鎖もしく
は分岐のアルキル基のアルキル基としては、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオ
ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、
オクチル、ノニル、デシル、ドデシル基等の炭素数1〜
20のアルキル基を例示することができる。
【0035】前記置換基を有していてもよい直鎖もしく
は分岐のアルケニル基のアルケニル基としては、ビニ
ル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、
1−イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、
1,3−ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニ
ル、3−ペンテニル等の炭素数2〜20のアルケニル基
を例示することができる。
【0036】前記置換基を有していてもよいシクロアル
キル基のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基を挙げること
ができる。
【0037】前記置換基を有していてもよいアラルキル
基のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、α−メ
チルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、α−エチル
ベンジル基等の炭素数7〜20のアラルキル基を挙げる
ことができる。
【0038】また、置換基を有していてもよいアリール
基のアリール基としては、フェニル、1−ナフチル、2
−ナフチル基等の芳香族炭化水素基、フラニル、ピラニ
ル、ジオキソラニル等の含酸素複素環基、チエニル等の
含イオウ複素環基、
【0039】ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オ
キサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアゾ
リル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラダジル、ピラジ
ニル、ベンゾイミダゾリル、ベンツピラゾリル、ペンゾ
チアゾリル、キノリル、アントラニル、インドリル、フ
ェナントリニリル等の飽和若しくは不飽和の含窒素複素
環基を例示することができる。
【0040】前記置換基を有していてもよい直鎖若しく
は分岐のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖若
しくは分岐のアルケニル基、置換基を有していてもよい
シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキ
ル基又は置換基を有していてもよいアリール基の置換基
としては、本反応を阻害することのない置換基であれ
ば、その置換位置、置換基の種類、置換基の数等に特に
制限はない。
【0041】かかる置換基としては、例えば、ヒドロキ
シ基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブ
チル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等のアルキル
基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカル
ボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニ
ル基、
【0042】ベンゼン環の任意の位置に置換基を有して
いてもよいフェニル基、ナフタレン環の任意の位置に置
換基を有していてもよい、1−ナフチル、2−ナフチル
基等のナフチル基、フラン、ピラン、ジオキソラン、ジ
オキサン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラ
ゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾー
ル、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジ
ン、ピラジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾー
ル、ベンゾチアゾール、キノリン等の複素環の基(これ
らの基は、任意の位置に置換基を有していてもよい)、
及び、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等を挙げる
ことができる。
【0043】さらに、前記RaとRc又はRbとRcは
結合して、5〜8員環を形成してもよい。かかる場合の
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、
下記の(a)〜(d)に掲げる化合物を挙げることがで
きる。なお、式中、Ra及びRbは、前記と同じ意味を
表す。
【0044】
【化17】
【0045】本発明で使用される遷移金属化合物は、均
一系水素化触媒であるのが好ましい。かかる均一系水素
化触媒としては、例えば、Ru,Rh,Ir,Pt等の
周期律表第VIII族元素の遷移金属の錯体が好ましい。こ
れらの遷移金属化合物は、例えば、Angew.Che
m.Int.Ed.,37、1703(1998)等に
記載の方法で合成、入手することができる。
【0046】前記遷移金属化合物は、下記一般式(4)
で表される遷移金属錯体であるのがより好ましい。
【0047】
【化18】
【0048】式(4)中、Maは、Ru、Rh、Ir、
Ptなどの第VIII族金属を表す。これらの内、錯体の安
定性、入手容易性の点からRu(II)又はRu(II
I)の錯体が特に好ましい。
【0049】X及びYは、同一若しくは相異なって、水
素原子、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、カルボ
キシル基、水酸基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシ、ブトキシ基等のアルコキシ基などのア
ニオンを表す。
【0050】Pxはホスフィン配位子を表し、例えば、
一般式:PR123 で表されるリンの単座配位子
や、一般式:R45 P−W−PR67 で表されるリ
ンの2座配位子等を挙げることができる。
【0051】前記一般式:R45 P−W−PR67
において、R4 、R5 、R6 、R7は、同一又は相異な
って、アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル
基又はシクロアルキル基を表し、また、R4 とR5 ある
いはR6 とR7 とがPと一緒になって、置換基を有して
いてもよいPを含有する環式基を形成してもよい。
【0052】又、Wは、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン等の炭素数1−5のアルキレン基、エチリ
デン、プロピリデン等の炭素数1−5のアルキリデン
基、シクロペンチレン、シクロヘキシレン等の炭素数3
−8のシクロアルキレン基、炭素数3−8のシクロアル
キリデン基、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フ
ェニレン等のアリール基又は不飽和炭化水素基等を表
す。
【0053】PR123 が光学活性である場合に
は、R1 、R2 、R3 の少なくとも一つの基が光学活性
基の場合(即ち、R1 、R2 、R3 の少なくとも一つの
基が不斉炭素原子を有する置換基の場合)と、R1 、R
2 、R3 の全てが異なる置換基からなる場合(即ち、P
がが不斉中心となる場合)とがある。
【0054】前記一般式:PR123 で表される単
座ホスフィン配位子の例としては、例えば、トリメチル
ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホ
スフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、ジフェニル
メチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、イソ
プロピルメチルホスフィン、シクロヘキシル(O−アニ
シル)−メチルホスフィン、1−〔2−(ジフェニルホ
スフィノ)フェロセニル〕エチルメチルエーテル、2−
(ジフェニルホスフィノ)−2’−メトキシ−1,1’
−ビナフチル等の3級ホスフィンが好適なものとして挙
げられる。
【0055】前記一般式:R45P−W−PR67
表されるラセミあるいは光学活性の2座ホスフィン配位
子の例としては、ビスジフェニルホスフィノメタン、ビ
スジフェニルホスフィノエタン、ビスジフェニルホスフ
ィノプロパン、ビスジフェニルホスフィノブタン、ビス
ジメチルホスフィノエタン、ビスジメチルホスフィノプ
ロパンなどの2座配位の3級ホスフィン化合物等を好適
なものとして挙げることができる。
【0056】入手可能な2座ホスフィン配位子として、
例えば、BINAP:2,2’−ビス−(ジフェニルホ
スフィノ)−1,1’−ビナフチル、BINAPのナフ
チル環にアルキル基やアリール基置換基をもつBINA
P誘導体、例えば、H8BINAP、BINAP等のリ
ン原子に結合するベンゼン環にアルキル基等の置換基を
1〜5個有するBINAP誘導体、例えば、TolBI
NAP:2,2’−ビス(ジ−3−トリルホスフィノ)
−1,1’−ビナフチル、又は2,2’−ビス(ジ−4
−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、Xyl
yl−BINAP:2,2’−ビス−(ジ−3,5−キ
シリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、さらにB
ICHEP:2,2’−ビス−(ジシクロヘキシルホス
フィノ)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニ
ル、BPPFA:1−[ 1’,2−ビス−(ジフェニル
ホスフィノ)フェロセニル] エチルジアミン、CHIR
APHOS:2,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)
ブタン、CYCPHOS:1−シクロヘキシル−1,2
−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン、DEGPH
OS:1−置換−3,4−ビス−(ジフェニルホスフィ
ノ)ピロリジン、DIOP:2,3−O−イソプロピリ
デン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス−(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタン、DIPAMP:1,2−ビス
[(O−メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタ
ン、DuPHOS:(置換−1,2−ビス(ホスホラ
ノ)ベンゼン)、NORPHOS:5,6−ビス−(ジ
フェニルホスフィノ)−2−ノルボルネン、PNNP:
N,N’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−N,N’
−ビス[1−フェニルエチル]エチレンジアミン、PR
OPHOS:1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)
プロパン、SKEWPHOS:2,4−ビス−(ジフェ
ニルホスフィノ)ペンタン等を挙げることができる。ま
た、フッ素置換基をもつBINAP誘導体等を用いるこ
ともできる。
【0057】もちろん、この発明に用いることのできる
ホスフィン配位子は、安定して金属錯体を形成し得るも
のであれば、これらに何ら限定されるものではない。
【0058】アミン配位子であるNxとしては、一般
式:NR8910で表される窒素の単座配位子や、一
般式:R1112N−V−NR1314で表されるジアミン
配位子等を挙げることができる。
【0059】前記一般式:NR8910において、R
8、R9、R10は、同一又は相異なって、水素,アルキル
基,アリール基,不飽和炭化水素基を表し、R8 、R
9 、R 10の内、任意の二つが一緒になって置換基を有し
ていてもよい脂環式基を形成してもよい。また、R8
9 、R10の少なくともひとつが光学活性基であっても
よい。Vは、2価の炭素数1〜5の炭化水素基、2価の
シクロ炭化水素基,2価のアリール基又は2価の不飽和
炭化水素基等を表す。
【0060】前記一般式:R1112N−V−NR1314
において、R11、R12、R13、R14は、同一又は相異な
って、水素、アルキル基、アリール基又は不飽和炭化水
素基を表し、R11とR12あるいはR13とR14が一緒にな
って置換基を有していてもよい脂環式基を形成してもよ
い。
【0061】前記一般式:NR8910で表されるモ
ノアミン配位子としては、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、
ヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシ
ルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジプロピルアミン、ジヘキシルアミン、ジシク
ロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジ
ルアミン、ジフェニルアミン、フェニルエチルアミン、
プロリン、ピペリジンなどのモノアミン化合物を例示す
ることができる。
【0062】さらに、光学活性モノアミン配位子として
は、光学活性フェニルエチルアミン、ナフチルエチルア
ミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルエチレン
ジアミン等の光学活性モノアミン化合物を例示すること
ができる。
【0063】Vは、メチレン、エチレン、プロピレン、
ブチレン等の炭素数1〜5のアルキレン基、エチリデ
ン、プロピリデン等の炭素数1〜5のアルキリデン基、
シクロペンチレン、シクロヘキシレン等の炭素数3〜8
のシクロアルキレン基、炭素数3〜8のシクロアルキリ
デン基、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニ
レン等のアリール基又は不飽和炭化水素基等を表す。
【0064】前記一般式:R1112N−V−NR1314
で表されるジアミン配位子としては、メチレンジアミ
ン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、プ
ロピレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4
−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、1,2−
シクロペンタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジア
ミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチ
ルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレ
ンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレ
ンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレン
ジアミンなどを例示することができる。
【0065】また、本発明においては光学活性ジアミン
も用いることができる。かかる光学活性ジアミンジアミ
ンとしては、例えば、1,2−ジフェニルエチレンジア
ミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シク
ロヘプタンジアミン、2,3−ジメチルブタンジアミ
ン、1,2−ジメシチルエチレンジアミン、1−メチル
−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソブチ
ル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソプ
ロピル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−メ
チル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジ
アミン、1−イソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフ
ェニル)エチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2
−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−
ベンジル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレ
ンジアミン、1−メチル−2,2−ジナフチルエチレン
ジアミン、1−イソブチル−2,2−ジナフチルエチレ
ンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジナフチルエ
チレンジアミン等の光学活性ジアミン化合物を例示する
ことができる。
【0066】勿論、光学活性ジアミン化合物は例示した
光学活性ジアミン誘導体に限るものではなく、更に光学
活性なプロパンジアミン、ブタンジアミン、フェニレン
ジアミン、シクロヘキサンジアミン誘導体等も用いるこ
とができる。
【0067】また、この発明に用いることのできるアミ
ン配位子は、安定して金属錯体を形成し得るものであれ
ば、これらに何ら限定されるものではない。また、リン
配位子とアミン配位子の少なくとも一方が光学活性であ
ればよく、これらを適宜組み合わせて用いることができ
る。
【0068】前記本発明において、上記均一系水素化触
媒の使用量は、反応基質の種類、反応容器や経済性等に
よって異なるが、反応基質であるカルボニル化合物に対
して、モル比1/100〜1/1,000,000の範
囲内、より好ましくは、1/200〜1/100,00
0の範囲である。
【0069】また、本発明に用いられる塩基としては、
下記一般式(5)で表される化合物を用いることが好ま
しい。
【0070】
【化19】
【0071】式(5)中、Mbは、アルカリ金属又はア
ルカリ土類金属を表し、Zは、水酸基、アルコキシ基、
メルカプト基又はナフチル基を表す。
【0072】かかる塩基としては、例えば、KOH、K
OCH3、KOCH(CH3)3、KOC(CH33、KC
108 、NaOH、NaOCH3 、LiOH、LiOC
3、LiOCH(CH3)2、Mg(OC252、Na
SH等を例示することができる。また、本発明において
は、4級アンモニウム塩も塩基として同様に用いること
ができる。
【0073】上記の塩基の使用量は、第VIII族遷移金属
錯体および反応基質の種類によって異なるが、通常、触
媒1当量に対して2当量程度、基質1当量に対して0か
ら1.1当量程度が好ましい。
【0074】一般式(1):Ra−C(=O)−C(=
NORb)−Rcで表されるα−イミノカルボニル化合
物から、一般式(2):Ra−C*H(OH)−C(=
NORb)−Rcで表されるβ−イミノアルコールを得
る反応は、通常、基質である前記一般式(1)で表され
るα−イミノカルボニル化合物(1)を不活性溶媒に溶
解し、所定量の遷移金属錯体及び塩基の存在下に、水素
作用させることにより行われる。
【0075】この反応に用いることのできる溶媒として
は、不活性で反応原料(基質)及び触媒系を可溶化する
ものであれば、特に制限はない。かかる溶媒としては、
例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素、ペンタン、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭
化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素など
の含ハロゲン炭化水素、エーテル、THF(テトラヒド
ロフラン)等のエーテル類、メタノール、エタノール、
2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールな
どのアルコール類、アセトニトリル、DMF(N,N−
ジメチルホルムアミド)、Nーメチルピロリドン、ピリ
ジン、DMSO(ジメチルスルホキシド)等のヘテロ原
子を含む有機溶媒を挙げることができる。
【0076】上記したものの内、本発明においては、生
成物がアルコールであることからアルコール系溶媒が特
に好適である。これら溶媒は単独でも用いることができ
るがこれらの混合溶媒としても使うことができる。
【0077】溶媒の使用量は、反応基質の溶解度及び経
済性等により決定される。例えば、2−プロパノールを
用いる場合は、基質濃度は1%以下の低濃度から基質だ
けの無溶媒に近い状態で行うことができ、好ましくは2
0〜50重量%で用いることができる。
【0078】反応は、水素ガス又は水素を供与する化合
物の存在下に行われる。水素ガスを用いる場合には、系
内の水素圧力を1〜200気圧、好ましくは3〜100
気圧の圧力下で行うのが望ましい。また、水素を供与す
る化合物としては、ヒドリド錯体や水素貯蔵合金等があ
る。
【0079】反応温度は、反応速度等を考慮して、−3
0〜100℃、好ましくは、15℃から100℃であ
る。25℃〜40℃の室温付近でも実施することができ
る。反応は、反応基質濃度、温度、圧力等の反応条件に
よって異なるが、通常、数分から10時間で完結する。
【0080】前記一般式(2)で表されるβ−イミノア
ルコールを還元することにより、一般式(3):Ra−
C*H(OH)−C*H(NH2)−Rcで表されるβ
−アミノアルコールを得る反応においては、不均一系金
属触媒、金属水素化物又はホウ素化合物を用いることが
好ましい。
【0081】かかる不均一系金属触媒としては、例えば
炭素担持のパラジウム、水酸化パラジウム、ニッケル、
白金等を用いることができる。これらの不均一系金属触
媒を、一般式(2)で表されるβ−イミノアルコールに
対して0.01〜1(w/w)、好ましくは0.05〜
0.3(w/w)用い、水素を常圧〜100気圧、好まし
くは常圧〜10気圧かけて、還元反応を行うことができ
る。
【0082】金属水素化物としては、例えば、LiAl
4やDIBAL(ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イド)等のアルミニウム水素化物、LiBH4やNaB
4等のアルカリ金属ホウ素水素化合物、水素化カルシ
ウム、ニッケル水素化物などの金属水素化物などを用い
ることができる。
【0083】又、ホウ素化合物としては、例えば、9−
BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)やボラン
(BH3又はBH3・(CH32S錯体等)等のホウ素水
素化物を用いることができる。
【0084】なお、α−イミノカルボニル化合物(1)
から、β−アミノアルコール(3)を得る場合において
は、反応中間体であるβ−イミノアルコール(2)を一
旦単離した後、このものをさらに還元することによりβ
−アミノアルコール(3)を得ることもできるし、その
ままワンポットで(即ち、β−イミノアルコール(2)
を単離することなく)連続的に反応させることにより、
β−アミノアルコール(3)を得ることもできる。ま
た、前記一般式(2)で表される光学活性β−イミノア
ルコールを工業的に大量製造する場合においては、反応
形式はバッチ式であっても連続式であってもよい。
【0085】本発明の製造方法によって製造されるβ−
イミノアルコール(2)及び原料化合物(1)の具体例
を第1表に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
【表9】
【0095】
【表10】
【0096】また、本発明の製造方法によって製造され
るβ−アミノアルコール(3)及び原料化合物(1)の
具体例を第2表に示す。
【0097】
【表11】
【0098】
【表12】
【0099】
【表13】
【0100】
【表14】
【0101】
【表15】
【0102】
【表16】
【0103】
【表17】
【0104】
【表18】
【0105】
【表19】
【0106】
【表20】
【0107】
【実施例】次に、実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。なお、以下の実施例において、「BINAP」
は、2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,
1’−ビナフチルを表し、「TolBINAP」は、
2,2’−ビス(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,
1’−ビナフチルを表し、また、「DPEN」は、1,
2−ジフェニルエチレンジアミンを表す。
【0108】実施例1 (1S)−1−フェニル−2−
(ベンジルオキシイミノ)プロパノールの製造
【0109】
【化20】
【0110】(式中、*は不斉炭素原子であることを表
す。) 2−プロパノール8ml、[(S)−BINAP]Ru
(II)Cl2 [ (S,S)DPEN]14.7mg
(0.0146mmol)、tBuOKの2−プロパノ
ール溶液(0.25N)0.74ml、及び2−(ベン
ジルオキシイミノ)プロピオフェノン740mg(2.
90mmol)を、アルゴン雰囲気下に100mlのオ
ートクレーブ中に入れ、水素を12気圧まで圧入した。
25℃にて18時間攪拌した後、反応混合物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸
エチル=3:1)により分離精製することにより、(1
S)−1−フェニル−2−(ベンジルオキシイミノ)プ
ロパノール680mg(2.66mmol;収率91
%)を得た。
【0111】実施例2 (1S,2R)−1−フェニル
−2−(ベンゾイルアミノ)−1−プロパノール
{(+)−ノルエフェドリン−N−ベンゾイル体}の製
【0112】
【化21】
【0113】(式中、*は不斉炭素原子であることを表
す。) 光学活性の1−フェニル−2−(ベンジルオキシイミ
ノ)プロパノール680mg(2.66mmol)のT
HF溶液7mlに、ボラン・ジメチルスルフィド錯体の
THF溶液(10規定)0.53ml(5.3mmo
l)を0℃で加え、その後18時間室温で攪拌した。反
応液に3N塩酸を加えて反応を停止させ、苛性ソーダで
反応溶液を塩基性としてからクロロホルムで抽出・分液
した。分取したクロロホルム溶液に、トリエチルアミン
(0.93ml;6.6mmol)のクロロホルム溶液
8mlと安息香酸クロリド(373mg;2.65mm
ol)を0℃で加えて4時間反応させた。この溶液を水
にあけて分液し、有機層を分取し、水層をクロロホルム
でさらに抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物
1H−NMRを測定したところ、anti異性体:syn異性
体=71:29(anti異性体δ=5.0、syn異性体δ=
4.7)であった。この粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)にて精製して、anti−1−フェニル−2−(ベ
ンゾイルアミノ)−1−プロパノール450mg(1.
55mmol;収率58%)を得た。このものをChi
racel OJカラム(溶離液:ヘキサン:エタノー
ル=10:1)にて分析したところ87%eeであっ
た。
【0114】実施例3 (1S)−1−(4−メトキシ
フェニル)−2−(ベンジルオキシイミノ)プロパノー
ルの製造
【0115】
【化22】
【0116】(式中、*は不斉炭素原子であることを表
す。) 2−プロパノール8ml,[ (S)−TolBINAP
]Ru(II)Cl2[(S,S)DPEN]、15.9
mg(0.0150mmol)、tBuOKの2−プロ
パノール溶液1.5ml(0.5N)、及び2−(ベン
ジルオキシイミノ)−p−メトキシプロピオフェノン8
50mg(3.00mmol)をアルゴン雰囲気下に1
00mlのオートクレーブ中に入れ、水素を12気圧ま
で圧入した。25℃にて18時間攪拌した後、反応混合
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘ
キサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、(1
S)−1−(4−メトキシフェニル)−2−(ベンジル
オキシイミノ)プロパノール829mg(2.91mm
ol;収率97%)を得た。
【0117】実施例4 (1S,2R)−1−(4−メ
トキシフェニル)−2−(ベンゾイルアミノ)−1−プ
ロパノールの製造
【0118】
【化23】
【0119】(式中、*は不斉炭素原子であることを表
す。) 実施例1で得られた(1S)−1−(4−メトキシフェ
ニル)−2−(ベンジルオキシイミノ)プロパノール8
29mg(2.91mmol)のTHF溶液12ml
に、ボラン・ジメチルスルフィド錯体THF溶液(10
N)を0.29ml(2.9mmol)を0℃で加え、
その後50℃で18時間攪拌した。3N塩酸を加えて反
応を停止させ、苛性ソーダ水溶液で反応溶液を塩基性と
してからクロロホルムで抽出した。このクロロホルム溶
液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し
て標記化合物とその異性体の混合物462mg(2.1
2mmol;収率73%、anti異性体:syn異性
体=84:16)を得た。なお、異性体の混合比は、1
H−NMRスペクトルにより、anti異性体の場合に
は、δ=4.47ppm、syn異性体の場合には、δ
=4.17ppmにそれぞれ特徴的なピークが観測され
ることから、両者のピーク強度を定量することにより決
定した。
【0120】次いで、この混合物とトリエチルアミン
0.89ml(6.4mmol)のクロロホルム溶液6
mlに、0℃で安息香酸クロリド358mg(2.54
mmol)を加え、4時間反応させた。反応液を水にあ
けて有機層を分取し、さらに水層をクロロホルム抽出し
た。有機層とクロロホルム層を合わせて無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、濃縮して得られた残留物を、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸
エチル=2:1)により、anti−1−(4−メトキ
シフェニル)−2−(ベンゾイルアミノ)−1−プロパ
ノール512mg(1.59mmol;収率75%)を
得た。このものをChiralcel OJカラム(溶
離液;ヘキサン:エタノール=10:1)にて分析した
ところ、このものの光学純度は91%eeであった。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
医薬農薬の合成中間体として有用な前記一般式(2)で
表される光学活性β−イミノアルコール及び前記一般式
(3)で表される光学活性β−アミノアルコールを、高
選択的かつ高収率に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 251/50 C07C 251/50 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA06 BA08B BA27A BA27B BA47A BB08A BC65A BC69A BD01A BD07A BD08A BD11A BE08A BE14A BE26A BE33A CB02 4H006 AA02 AC11 AC41 BA02 BA03 BA06 BA23 BA24 BA26 BA61 BE20 BW11 BW18 4H039 CA60 CB20

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Ra,Rb及びRcは、それぞれ独立して、置
    換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してい
    てもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシク
    ロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基
    又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。ま
    た、RaとRc若しくはRbとRcは結合して、5〜8
    員環を形成してもよい。)で表されるα−イミノカルボ
    ニル化合物に、光学活性遷移金属化合物及び塩基の存在
    下に、水素を作用させることを特徴とする、 一般式(2) 【化2】 (式中、Ra,Rb及びRcは前記と同じ意味を示し、
    C*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性β−
    イミノアルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(1) 【化3】 (式中、Ra,Rb及びRcは、それぞれ独立して、置
    換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してい
    てもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシク
    ロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基
    又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。ま
    た、RaとRc若しくはRbとRcは結合して、5〜8
    員環を形成してもよい。)で表されるα−イミノカルボ
    ニル化合物に、光学活性遷移金属化合物及び塩基の存在
    下に、水素を作用させることにより、一般式(2) 【化4】 (式中、Ra,Rb及びRcは前記と同じ意味を示し、
    C*は不斉炭素原子を表す。)で表されるβ−イミノア
    ルコールを得る工程と、 得られたβ−イミノアルコールを還元する工程を有する
    ことを特徴とする、 一般式(3) 【化5】 (式中、Ra,Rc及びC*は前記と同じ意味を表
    す。)で表される、アンチ立体配置を有する光学活性β
    −アミノアルコールの製造方法。
  3. 【請求項3】前記光学活性遷移金属化合物は、均一系光
    学活性水素化触媒である、 請求項1記載の光学活性β−イミノアルコールの製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記光学活性遷移金属化合物は、均一系光
    学活性水素化触媒である、 請求項2記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−ア
    ミノアルコールの製造方法。
  5. 【請求項5】前記光学活性均一系水素化触媒は、一般式
    (4) 【化6】 (式中、Maは第VIII族金属を表し、X,Yは、それぞ
    れ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル
    基、水酸基又はアルコキシ基を表し、m,nは、それぞ
    れ独立して、0又は1〜4の整数を表し、Pxはホスフ
    ィン配位子を表し、Nxはアミン配位子を表す。また、
    Px及びNxの少なくとも一方は光学活性配位子であ
    る。)で表される化合物である請求項3記載の光学活性
    β−イミノアルコール類の製造法。
  6. 【請求項6】前記光学活性均一系水素化触媒は、一般式
    (4) 【化7】 (式中、Maは第VIII族金属を表し、X,Yは、それぞ
    れ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル
    基、水酸基又はアルコキシ基を表し、m,nは、それぞ
    れ独立して、0又は1〜4の整数を表し、Pxはホスフ
    ィン配位子を表し、Nxはアミン配位子を表す。また、
    Px及びNxの少なくとも一方は光学活性配位子であ
    る。)で表される化合物である請求項4記載のアンチ立
    体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記Pxは、光学活性ホスフィン配位子で
    ある、 請求項1,3又は5に記載の光学活性β−イミノアルコ
    ール類の製造法。
  8. 【請求項8】前記Pxは、光学活性ホスフィン配位子で
    ある、 請求項2、4又は6に記載のアンチ立体配置を有する光
    学活性β−アミノアルコールの製造方法。
  9. 【請求項9】前記Nxは、光学活性アミン配位子であ
    る、 請求項1、3又は5に記載の光学活性β−イミノアルコ
    ールの製造方法。
  10. 【請求項10】前記Nxは、光学活性アミン配位子であ
    る、 請求項2、4又は6に記載のアンチ立体配置を有する光
    学活性β−アミノアルコールの製造方法。
  11. 【請求項11】前記塩基は、一般式(5) 【化8】 (式中、Mbは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を
    表し、Zは、水酸基、アルコキシ基又はメルカプト基を
    表す。)で表される化合物である、 請求項1、3、5、7又は9のいずれかに記載の光学活
    性β−イミノアルコールの製造方法。
  12. 【請求項12】前記塩基は、一般式(5) 【化9】 (式中、Mbは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を
    表し、Zは、水酸基、アルコキシ基又はメルカプト基を
    表す。)で表される化合物である、 請求項2、4、6、8又は10のいずれかに記載のアン
    チ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製
    造方法。
  13. 【請求項13】前記β−イミノアルコールを還元する工
    程は、前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコー
    ルに水素を作用させる工程を有する、 請求項2、4、6、8、10又は12のいずれかに記載
    のアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコー
    ルの製造方法。
  14. 【請求項14】前記β−イミノアルコールを還元する工
    程は、前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコー
    ルに、金属系試薬の存在下に水素を作用させる工程を有
    する、 請求項13に記載のアンチ立体配置を有する光学活性β
    −アミノアルコールの製造方法。
  15. 【請求項15】前記金属系試薬は不均一系金属触媒であ
    る、 請求項14記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−
    アミノアルコールの製造方法。
  16. 【請求項16】前記金属系試薬は、金属水素化物であ
    る、 請求項14記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−
    アミノアルコールの製造方法。
  17. 【請求項17】前記β−イミノアルコールを還元する工
    程は、前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコー
    ルに、ホウ素化合物を作用させる工程を有する、 請求項2、4、6、8、10又は12のいずれかに記載
    のアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコー
    ルの製造方法。
  18. 【請求項18】前記ホウ素化合物はボランである、 請求項18記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−
    アミノアルコールの製造方法。
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EP1995248A1 (en) 2007-05-23 2008-11-26 Evonik Degussa GmbH Process for the production of amino alcohols by asymmetric hydrogenation
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