JP4618607B2 - 光学活性イミノアルコール類及びアミノアルコール類の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、α−アミノカルボニル化合物類から、医薬、農薬、触媒等の合成中間体として有用な光学活性β−アミノアルコール、特にアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールを、高收率、かつ高いエナンチオ、ジアステレオ両選択性で製造する方法、及びその製造中間体である光学活性β−イミノアルコールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学活性β−アミノアルコール、特にアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールを製造する方法としては、(1)光学活性α−アミノ酸を原料とする方法、及び(2)オレフィンを原料とする方法等が、比較的一般性の高いものとして知られている(例えば、Chemical Rev.,96,835(1996)等参照)。
【0003】
上記した方法のうち、(1)の光学活性α−アミノ酸を原料とする方法は、原料となるα−アミノ酸は工業的な触媒的化学合成法、生物的合成法や分割法により入手可能であるが、安価に入手できる光学活性α−アミノ酸に限りがある。
【0004】
また、α−アミノ酸から光学活性β−アミノアルコールを誘導する方法としては、該α−アミノ酸のアミノ基を保護した後、カルボン酸を還元して得たケトンに求核反応させて、アンチ立体配置の光学活性β−アミノアルコール類とする方法が知られている(例えば、Tetrahedon Lett.,31,4985(1990)等参照。)。しかし、この方法は、還元反応と求核反応いずれも金属試薬を当量使用するという問題があり、また収率・選択性も不十分である。このようにα−アミノ酸から合成する方法は、原料・製造法いずれにも難点がある。
【0005】
(2)のオレフィンを原料とする方法としては、シス立体配置のオレフィンを不斉アミノヒドロキシル化してアンチ立体配置の光学活性β−アミノアルコール類を合成する方法が知られている(例えば、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,35,451(1996)等参照。)。しかし、この方法は、入手の困難なシスオレフィンを原料にすること、及び脱離が困難な保護基を有する生成物しか得られないことから、必ずしも好ましいものといえない。
【0006】
また、(3)として、α−イミノケトンを原料とする方法が、J.Org.Chem.,54,2021(1989)等に記載されているが、限られた基質にのみ有効な方法であり、一般性に乏しいものである。
【0007】
その他として、ある種の光学活性アミノアルコールとホウ素から誘導したオキサザボロリジンを補助基に用いて、α−イミノケトンを不斉還元して、アンチ立体配置の光学活性β−アミノアルコール類を合成する方法も知られている(例えば、Tetrahedron Lett.,39,5195(1998)等参照。)。
しかしながら、この方法は、補助基に用いたアミノアルコールと生成物の分離が困難であることから、工業的製造法としては問題がある。
【0008】
以上のように、安価な原料から光学活性β−アミノアルコール類を製造する一般性が高く、高収率、かつ高選択的な製造方法は未だ確立されておらず、特にそのアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコール類の製造方法の開発が望まれていた。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、入手容易なα−イミノカルボニル化合物類を出発原料として、アンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコール類の実用的製造法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1に、一般式(1)
【0011】
【化10】
【0012】
(式中、Ra,Rb及びRcは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。また、RaとRc若しくはRbとRcは結合して、5〜8員環を形成してもよい。)
で表されるα−イミノカルボニル化合物に、光学活性遷移金属化合物及び塩基の存在下に、水素を作用させることを特徴とする、
一般式(2)
【0013】
【化11】
【0014】
(式中、Ra,Rb及びRcは前記と同じ意味を示し、C*は不斉炭素原子を表す。)
で表される光学活性β−イミノアルコールの製造方法を提供する。
【0015】
又、本発明は、第2に、一般式(1)
【0016】
【化12】
【0017】
(式中、Ra,Rb及びRcは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。また、RaとRc若しくはRbとRcは結合して、5〜8員環を形成してもよい。)
で表されるα−イミノカルボニル化合物に、光学活性遷移金属化合物及び塩基の存在下に、水素を作用させることにより、一般式(2)
【0018】
【化13】
【0019】
(式中、Ra,Rb及びRcは前記と同じ意味を示し、C*は不斉炭素原子表す。)
で表されるβ−イミノアルコールを得る工程と、
得られたβ−イミノアルコールを還元する工程を有することを特徴とする、
一般式(3)
【0020】
【化14】
【0021】
(式中、Ra,Rc及びC*は前記と同じ意味を表す。)
で表される、アンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方法を提供する。
【0022】
前記第1及び第2の発明において、前記光学活性遷移金属化合物は、好適には、均一系光学活性水素化触媒であり、
【0023】
前記光学活性均一系水素化触媒は、より好適には、
【0024】
【化15】
【0025】
(式中、Maは第VIII族金属を表し、X,Yは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基又はアルコキシ基を表し、m,nは、それぞれ独立して、0又は1〜4の整数を表し、Pxはホスフィン配位子を表し、Nxはアミン配位子を表す。)で表される化合物である。
【0026】
また、前記一般式(4)で表される化合物においては、前記Pxは光学活性ホスフィン配位子であり、前記Nxは光学活性アミン配位子であるのがそれぞれ好ましく、Px又はNxの少なくとも一方は光学活性配位子であるのがより好ましい。
【0027】
前記第1及び第2の発明において、前記塩基は、一般式(5)
【0028】
【化16】
【0029】
(式中、Mbは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表し、Zは、水酸基、アルコキシ基又はメルカプト基を表す。)
で表される化合物であるのが好ましい。
【0030】
前記第2の発明において、前記β−イミノアルコールを還元する工程は、好適には、前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコールに水素を作用させる工程を有し、より好適には、前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコールに、金属系試薬の存在下に水素を作用させる工程を有し、前記金属系試薬としては、不均一系金属触媒又は金属水素化物を用いるのがさらに好ましい。
【0031】
また、前記β−イミノアルコールを還元する工程は、好適には、前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコールに、ホウ素化合物を作用させる工程を有し、前記ホウ素化合物としてはボランを用いるのがより好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表される原料化合物において、
【0033】
Ra,Rb及びRcは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
【0034】
前記置換基を有していてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基を例示することができる。
【0035】
前記置換基を有していてもよい直鎖もしくは分岐のアルケニル基のアルケニル基としては、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、1−イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル等の炭素数2〜20のアルケニル基を例示することができる。
【0036】
前記置換基を有していてもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基を挙げることができる。
【0037】
前記置換基を有していてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、α−エチルベンジル基等の炭素数7〜20のアラルキル基を挙げることができる。
【0038】
また、置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル基等の芳香族炭化水素基、
フラニル、ピラニル、ジオキソラニル等の含酸素複素環基、
チエニル等の含イオウ複素環基、
【0039】
ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラダジル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンツピラゾリル、ペンゾチアゾリル、キノリル、アントラニル、インドリル、フェナントリニリル等の飽和若しくは不飽和の含窒素複素環基を例示することができる。
【0040】
前記置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐のアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基の置換基としては、本反応を阻害することのない置換基であれば、その置換位置、置換基の種類、置換基の数等に特に制限はない。
【0041】
かかる置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等のアルキル基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、
【0042】
ベンゼン環の任意の位置に置換基を有していてもよいフェニル基、ナフタレン環の任意の位置に置換基を有していてもよい、1−ナフチル、2−ナフチル基等のナフチル基、フラン、ピラン、ジオキソラン、ジオキサン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾチアゾール、キノリン等の複素環の基(これらの基は、任意の位置に置換基を有していてもよい)、及び、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等を挙げることができる。
【0043】
さらに、前記RaとRc又はRbとRcは結合して、5〜8員環を形成してもよい。かかる場合の前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、下記の(a)〜(d)に掲げる化合物を挙げることができる。なお、式中、Ra及びRbは、前記と同じ意味を表す。
【0044】
【化17】
【0045】
本発明で使用される遷移金属化合物は、均一系水素化触媒であるのが好ましい。かかる均一系水素化触媒としては、例えば、Ru,Rh,Ir,Pt等の周期律表第VIII族元素の遷移金属の錯体が好ましい。これらの遷移金属化合物は、例えば、Angew.Chem.Int.Ed.,37、1703(1998)等に記載の方法で合成、入手することができる。
【0046】
前記遷移金属化合物は、下記一般式(4)で表される遷移金属錯体であるのがより好ましい。
【0047】
【化18】
【0048】
式(4)中、Maは、Ru、Rh、Ir、Ptなどの第VIII族金属を表す。これらの内、錯体の安定性、入手容易性の点からRu(II)又はRu(III)の錯体が特に好ましい。
【0049】
X及びYは、同一若しくは相異なって、水素原子、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ基等のアルコキシ基などのアニオンを表す。
【0050】
Pxはホスフィン配位子を表し、例えば、一般式:PR1 R2 R3 で表されるリンの単座配位子や、一般式:R4 R5 P−W−PR6 R7 で表されるリンの2座配位子等を挙げることができる。
【0051】
前記一般式:R4 R5 P−W−PR6 R7 において、R4 、R5 、R6 、R7は、同一又は相異なって、アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又はシクロアルキル基を表し、また、R4 とR5 あるいはR6 とR7 とがPと一緒になって、置換基を有していてもよいPを含有する環式基を形成してもよい。
【0052】
又、Wは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等の炭素数1−5のアルキレン基、エチリデン、プロピリデン等の炭素数1−5のアルキリデン基、シクロペンチレン、シクロヘキシレン等の炭素数3−8のシクロアルキレン基、炭素数3−8のシクロアルキリデン基、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン等のアリール基又は不飽和炭化水素基等を表す。
【0053】
PR1 R2 R3 が光学活性である場合には、R1 、R2 、R3 の少なくとも一つの基が光学活性基の場合(即ち、R1 、R2 、R3 の少なくとも一つの基が不斉炭素原子を有する置換基の場合)と、R1 、R2 、R3 の全てが異なる置換基からなる場合(即ち、Pがが不斉中心となる場合)とがある。
【0054】
前記一般式:PR1 R2 R3 で表される単座ホスフィン配位子の例としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、イソプロピルメチルホスフィン、シクロヘキシル(O−アニシル)−メチルホスフィン、1−〔2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル〕エチルメチルエーテル、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル等の3級ホスフィンが好適なものとして挙げられる。
【0055】
前記一般式:R4 R5P−W−PR6R7で表されるラセミあるいは光学活性の2座ホスフィン配位子の例としては、ビスジフェニルホスフィノメタン、ビスジフェニルホスフィノエタン、ビスジフェニルホスフィノプロパン、ビスジフェニルホスフィノブタン、ビスジメチルホスフィノエタン、ビスジメチルホスフィノプロパンなどの2座配位の3級ホスフィン化合物等を好適なものとして挙げることができる。
【0056】
入手可能な2座ホスフィン配位子として、例えば、BINAP:2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、BINAPのナフチル環にアルキル基やアリール基置換基をもつBINAP誘導体、例えば、H8BINAP、BINAP等のリン原子に結合するベンゼン環にアルキル基等の置換基を1〜5個有するBINAP誘導体、例えば、TolBINAP:2,2’−ビス(ジ−3−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、又は2,2’−ビス(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、Xylyl−BINAP:2,2’−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、さらにBICHEP:2,2’−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、BPPFA:1−[ 1’,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル] エチルジアミン、CHIRAPHOS:2,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ブタン、CYCPHOS:1−シクロヘキシル−1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン、DEGPHOS:1−置換−3,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン、DIOP:2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ブタン、DIPAMP:1,2−ビス[(O−メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン、DuPHOS:(置換−1,2−ビス(ホスホラノ)ベンゼン)、NORPHOS:5,6−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2−ノルボルネン、PNNP:N,N’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−N,N’−ビス[1−フェニルエチル]エチレンジアミン、PROPHOS:1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)プロパン、SKEWPHOS:2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ペンタン等を挙げることができる。また、フッ素置換基をもつBINAP誘導体等を用いることもできる。
【0057】
もちろん、この発明に用いることのできるホスフィン配位子は、安定して金属錯体を形成し得るものであれば、これらに何ら限定されるものではない。
【0058】
アミン配位子であるNxとしては、一般式:NR8 R9 R10で表される窒素の単座配位子や、一般式:R11R12N−V−NR13R14で表されるジアミン配位子等を挙げることができる。
【0059】
前記一般式:NR8 R9 R10において、R8、R9、R10は、同一又は相異なって、水素,アルキル基,アリール基,不飽和炭化水素基を表し、R8 、R9 、R10の内、任意の二つが一緒になって置換基を有していてもよい脂環式基を形成してもよい。また、R8 、R9 、R10の少なくともひとつが光学活性基であってもよい。Vは、2価の炭素数1〜5の炭化水素基、2価のシクロ炭化水素基,2価のアリール基又は2価の不飽和炭化水素基等を表す。
【0060】
前記一般式:R11R12N−V−NR13R14において、R11、R12、R13、R14は、同一又は相異なって、水素、アルキル基、アリール基又は不飽和炭化水素基を表し、R11とR12あるいはR13とR14が一緒になって置換基を有していてもよい脂環式基を形成してもよい。
【0061】
前記一般式:NR8 R9 R10で表されるモノアミン配位子としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、フェニルエチルアミン、プロリン、ピペリジンなどのモノアミン化合物を例示することができる。
【0062】
さらに、光学活性モノアミン配位子としては、光学活性フェニルエチルアミン、ナフチルエチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルエチレンジアミン等の光学活性モノアミン化合物を例示することができる。
【0063】
Vは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等の炭素数1〜5のアルキレン基、エチリデン、プロピリデン等の炭素数1〜5のアルキリデン基、シクロペンチレン、シクロヘキシレン等の炭素数3〜8のシクロアルキレン基、炭素数3〜8のシクロアルキリデン基、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン等のアリール基又は不飽和炭化水素基等を表す。
【0064】
前記一般式:R11R12N−V−NR13R14で表されるジアミン配位子としては、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、プロピレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、1,2−シクロペンタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンなどを例示することができる。
【0065】
また、本発明においては光学活性ジアミンも用いることができる。かかる光学活性ジアミンジアミンとしては、例えば、1,2−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、2,3−ジメチルブタンジアミン、1,2−ジメシチルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン等の光学活性ジアミン化合物を例示することができる。
【0066】
勿論、光学活性ジアミン化合物は例示した光学活性ジアミン誘導体に限るものではなく、更に光学活性なプロパンジアミン、ブタンジアミン、フェニレンジアミン、シクロヘキサンジアミン誘導体等も用いることができる。
【0067】
また、この発明に用いることのできるアミン配位子は、安定して金属錯体を形成し得るものであれば、これらに何ら限定されるものではない。また、リン配位子とアミン配位子の少なくとも一方が光学活性であればよく、これらを適宜組み合わせて用いることができる。
【0068】
前記本発明において、上記均一系水素化触媒の使用量は、反応基質の種類、反応容器や経済性等によって異なるが、反応基質であるカルボニル化合物に対して、モル比1/100〜1/1,000,000の範囲内、より好ましくは、1/200〜1/100,000の範囲である。
【0069】
また、本発明に用いられる塩基としては、下記一般式(5)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0070】
【化19】
【0071】
式(5)中、Mbは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表し、Zは、水酸基、アルコキシ基、メルカプト基又はナフチル基を表す。
【0072】
かかる塩基としては、例えば、KOH、KOCH3、KOCH(CH3)3、KOC(CH3)3、KC10H8 、NaOH、NaOCH3 、LiOH、LiOCH3、LiOCH(CH3)2、Mg(OC2H5)2、NaSH等を例示することができる。また、本発明においては、4級アンモニウム塩も塩基として同様に用いることができる。
【0073】
上記の塩基の使用量は、第VIII族遷移金属錯体および反応基質の種類によって異なるが、通常、触媒1当量に対して2当量程度、基質1当量に対して0から1.1当量程度が好ましい。
【0074】
一般式(1):Ra−C(=O)−C(=NORb)−Rcで表されるα−イミノカルボニル化合物から、一般式(2):Ra−C*H(OH)−C(=NORb)−Rcで表されるβ−イミノアルコールを得る反応は、通常、基質である前記一般式(1)で表されるα−イミノカルボニル化合物(1)を不活性溶媒に溶解し、所定量の遷移金属錯体及び塩基の存在下に、水素作用させることにより行われる。
【0075】
この反応に用いることのできる溶媒としては、不活性で反応原料(基質)及び触媒系を可溶化するものであれば、特に制限はない。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などの含ハロゲン炭化水素、エーテル、THF(テトラヒドロフラン)等のエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、アセトニトリル、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、Nーメチルピロリドン、ピリジン、DMSO(ジメチルスルホキシド)等のヘテロ原子を含む有機溶媒を挙げることができる。
【0076】
上記したものの内、本発明においては、生成物がアルコールであることからアルコール系溶媒が特に好適である。これら溶媒は単独でも用いることができるがこれらの混合溶媒としても使うことができる。
【0077】
溶媒の使用量は、反応基質の溶解度及び経済性等により決定される。例えば、2−プロパノールを用いる場合は、基質濃度は1%以下の低濃度から基質だけの無溶媒に近い状態で行うことができ、好ましくは20〜50重量%で用いることができる。
【0078】
反応は、水素ガス又は水素を供与する化合物の存在下に行われる。水素ガスを用いる場合には、系内の水素圧力を1〜200気圧、好ましくは3〜100気圧の圧力下で行うのが望ましい。また、水素を供与する化合物としては、ヒドリド錯体や水素貯蔵合金等がある。
【0079】
反応温度は、反応速度等を考慮して、−30〜100℃、好ましくは、15℃から100℃である。25℃〜40℃の室温付近でも実施することができる。反応は、反応基質濃度、温度、圧力等の反応条件によって異なるが、通常、数分から10時間で完結する。
【0080】
前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコールを還元することにより、一般式(3):Ra−C*H(OH)−C*H(NH2)−Rcで表されるβ−アミノアルコールを得る反応においては、不均一系金属触媒、金属水素化物又はホウ素化合物を用いることが好ましい。
【0081】
かかる不均一系金属触媒としては、例えば炭素担持のパラジウム、水酸化パラジウム、ニッケル、白金等を用いることができる。これらの不均一系金属触媒を、一般式(2)で表されるβ−イミノアルコールに対して0.01〜1(w/w)、好ましくは0.05〜0.3(w/w)用い、水素を常圧〜100気圧、好ましくは常圧〜10気圧かけて、還元反応を行うことができる。
【0082】
金属水素化物としては、例えば、LiAlH4やDIBAL(ジイソブチルアルミニウムハイドライド)等のアルミニウム水素化物、LiBH4やNaBH4等のアルカリ金属ホウ素水素化合物、水素化カルシウム、ニッケル水素化物などの金属水素化物などを用いることができる。
【0083】
又、ホウ素化合物としては、例えば、9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)やボラン(BH3又はBH3・(CH3)2S錯体等)等のホウ素水素化物を用いることができる。
【0084】
なお、α−イミノカルボニル化合物(1)から、β−アミノアルコール(3)を得る場合においては、反応中間体であるβ−イミノアルコール(2)を一旦単離した後、このものをさらに還元することによりβ−アミノアルコール(3)を得ることもできるし、そのままワンポットで(即ち、β−イミノアルコール(2)を単離することなく)連続的に反応させることにより、β−アミノアルコール(3)を得ることもできる。また、前記一般式(2)で表される光学活性β−イミノアルコールを工業的に大量製造する場合においては、反応形式はバッチ式であっても連続式であってもよい。
【0085】
本発明の製造方法によって製造されるβ−イミノアルコール(2)及び原料化合物(1)の具体例を第1表に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
【表9】
【0095】
【表10】
【0096】
また、本発明の製造方法によって製造されるβ−アミノアルコール(3)及び原料化合物(1)の具体例を第2表に示す。
【0097】
【表11】
【0098】
【表12】
【0099】
【表13】
【0100】
【表14】
【0101】
【表15】
【0102】
【表16】
【0103】
【表17】
【0104】
【表18】
【0105】
【表19】
【0106】
【表20】
【0107】
【実施例】
次に、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
なお、以下の実施例において、「BINAP」は、2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを表し、「TolBINAP」は、2,2’−ビス(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを表し、また、「DPEN」は、1,2−ジフェニルエチレンジアミンを表す。
【0108】
実施例1 (1S)−1−フェニル−2−(ベンジルオキシイミノ)プロパノールの製造
【0109】
【化20】
【0110】
(式中、*は不斉炭素原子であることを表す。)
2−プロパノール8ml、[(S)−BINAP]Ru(II)Cl2 [ (S,S)DPEN]14.7mg(0.0146mmol)、tBuOKの2−プロパノール溶液(0.25N)0.74ml、及び2−(ベンジルオキシイミノ)プロピオフェノン740mg(2.90mmol)を、アルゴン雰囲気下に100mlのオートクレーブ中に入れ、水素を12気圧まで圧入した。25℃にて18時間攪拌した後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により分離精製することにより、(1S)−1−フェニル−2−(ベンジルオキシイミノ)プロパノール680mg(2.66mmol;収率91%)を得た。
【0111】
実施例2 (1S,2R)−1−フェニル−2−(ベンゾイルアミノ)−1−プロパノール{(+)−ノルエフェドリン−N−ベンゾイル体}の製造
【0112】
【化21】
【0113】
(式中、*は不斉炭素原子であることを表す。)
光学活性の1−フェニル−2−(ベンジルオキシイミノ)プロパノール680mg(2.66mmol)のTHF溶液7mlに、ボラン・ジメチルスルフィド錯体のTHF溶液(10規定)0.53ml(5.3mmol)を0℃で加え、その後18時間室温で攪拌した。反応液に3N塩酸を加えて反応を停止させ、苛性ソーダで反応溶液を塩基性としてからクロロホルムで抽出・分液した。分取したクロロホルム溶液に、トリエチルアミン(0.93ml;6.6mmol)のクロロホルム溶液8mlと安息香酸クロリド(373mg;2.65mmol)を0℃で加えて4時間反応させた。この溶液を水にあけて分液し、有機層を分取し、水層をクロロホルムでさらに抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物の1H−NMRを測定したところ、anti異性体:syn異性体=71:29(anti異性体δ=5.0、syn異性体δ=4.7)であった。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製して、anti−1−フェニル−2−(ベンゾイルアミノ)−1−プロパノール450mg(1.55mmol;収率58%)を得た。このものをChiracel OJカラム(溶離液:ヘキサン:エタノール=10:1)にて分析したところ87%eeであった。
【0114】
実施例3 (1S)−1−(4−メトキシフェニル)−2−(ベンジルオキシイミノ)プロパノールの製造
【0115】
【化22】
【0116】
(式中、*は不斉炭素原子であることを表す。)
2−プロパノール8ml,[ (S)−TolBINAP ]Ru(II)Cl2[(S,S)DPEN]、15.9mg(0.0150mmol)、tBuOKの2−プロパノール溶液1.5ml(0.5N)、及び2−(ベンジルオキシイミノ)−p−メトキシプロピオフェノン850mg(3.00mmol)をアルゴン雰囲気下に100mlのオートクレーブ中に入れ、水素を12気圧まで圧入した。25℃にて18時間攪拌した後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、(1S)−1−(4−メトキシフェニル)−2−(ベンジルオキシイミノ)プロパノール829mg(2.91mmol;収率97%)を得た。
【0117】
実施例4 (1S,2R)−1−(4−メトキシフェニル)−2−(ベンゾイルアミノ)−1−プロパノールの製造
【0118】
【化23】
【0119】
(式中、*は不斉炭素原子であることを表す。)
実施例1で得られた(1S)−1−(4−メトキシフェニル)−2−(ベンジルオキシイミノ)プロパノール829mg(2.91mmol)のTHF溶液12mlに、ボラン・ジメチルスルフィド錯体THF溶液(10N)を0.29ml(2.9mmol)を0℃で加え、その後50℃で18時間攪拌した。3N塩酸を加えて反応を停止させ、苛性ソーダ水溶液で反応溶液を塩基性としてからクロロホルムで抽出した。このクロロホルム溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して標記化合物とその異性体の混合物462mg(2.12mmol;収率73%、anti異性体:syn異性体=84:16)を得た。
なお、異性体の混合比は、1H−NMRスペクトルにより、anti異性体の場合には、δ=4.47ppm、syn異性体の場合には、δ=4.17ppmにそれぞれ特徴的なピークが観測されることから、両者のピーク強度を定量することにより決定した。
【0120】
次いで、この混合物とトリエチルアミン0.89ml(6.4mmol)のクロロホルム溶液6mlに、0℃で安息香酸クロリド358mg(2.54mmol)を加え、4時間反応させた。反応液を水にあけて有機層を分取し、さらに水層をクロロホルム抽出した。有機層とクロロホルム層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により、anti−1−(4−メトキシフェニル)−2−(ベンゾイルアミノ)−1−プロパノール512mg(1.59mmol;収率75%)を得た。このものをChiralcel OJカラム(溶離液;ヘキサン:エタノール=10:1)にて分析したところ、このものの光学純度は91%eeであった。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、医薬農薬の合成中間体として有用な前記一般式(2)で表される光学活性β−イミノアルコール及び前記一般式(3)で表される光学活性β−アミノアルコールを、高選択的かつ高収率に製造することができる。
Claims (10)
- 一般式(1)
で表されるα−イミノカルボニル化合物に、光学活性遷移金属化合物及び塩基の存在下に、水素を作用させることを特徴とする、一般式(2)
で表される光学活性β−イミノアルコールの製造方法であって、
前記光学活性遷移金属化合物が、一般式(4a)
【化3】
RuXY(Px)(Nx) (4a)
(式中、X,Yは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基又はアルコキシ基を表し、Pxは光学活性の2座ホスフィン配位子を表し、Nxは光学活性ジアミン化合物を表す。)
で表される均一系光学活性水素化触媒である、光学活性β−イミノアルコールの製造方法。 - 一般式(1)
で表されるα−イミノカルボニル化合物に、光学活性遷移金属化合物及び塩基の存在下に、水素を作用させることにより、一般式(2)
で表されるβ−イミノアルコールを得る工程と、得られたβ−イミノアルコールを還元する工程を有することを特徴とする、一般式(3)
で表される、アンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方法であって、
前記光学活性遷移金属化合物が、一般式(4a)
【化7】
RuXY(Px)(Nx) (4a)
(式中、X,Yは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基又はアルコキシ基を表し、Pxは光学活性の2座ホスフィン配位子を表し、Nxは光学活性ジアミン化合物を表す。)
で表される均一系光学活性水素化触媒である、アンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方法。 - 前記β−イミノアルコールを還元する工程は、前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコールに水素を作用させる工程を有する、請求項2又は4に記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方法。
- 前記β−イミノアルコールを還元する工程は、前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコールに、金属系試薬の存在下に水素を作用させる工程を有する、請求項5に記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方法。
- 前記金属系試薬は不均一系金属触媒である、請求項6記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方法。
- 前記金属系試薬は、金属水素化物である、請求項6記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方法。
- 前記β−イミノアルコールを還元する工程は、前記一般式(2)で表されるβ−イミノアルコールに、ホウ素化合物を作用させる工程を有する、請求項2又は4に記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方法。
- 前記ホウ素化合物はボランである、請求項9記載のアンチ立体配置を有する光学活性β−アミノアルコールの製造方法。
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