JP2001106074A - 列車通信システム - Google Patents

列車通信システム

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JP2001106074A
JP2001106074A JP28635599A JP28635599A JP2001106074A JP 2001106074 A JP2001106074 A JP 2001106074A JP 28635599 A JP28635599 A JP 28635599A JP 28635599 A JP28635599 A JP 28635599A JP 2001106074 A JP2001106074 A JP 2001106074A
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train
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signal
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JP28635599A
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English (en)
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Masahiko Saito
雅彦 斉藤
Fuyuki Watanabe
冬樹 渡邊
Tomoyuki Sawada
智之 澤田
Tetsuya Murase
徹哉 村瀬
Kazuo Kagawa
一夫 加川
Yasuhito Nakajima
康仁 中島
Hidenari Kimura
秀成 木村
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Koatsu Gas Kogyo Co Ltd
Tokimec Inc
West Japan Railway Co
Original Assignee
Koatsu Gas Kogyo Co Ltd
Tokimec Inc
West Japan Railway Co
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】列車・地上間もしくは列車・地上・拠点間での
情報の送受を確実に行う。 【解決手段】列車1に設置され外部に対し列車情報信号
を送信する車上通信装置と、地上側に設置され列車が通
信エリアに入った際に車上通信装置10から送信された
列車情報信号を受信して少なくとも列車の接近を警報表
示する地上通信装置12によりシステムを構成する。更
に固定通信装置を基地や駅等の拠点に固定設置し、車上
通信装置と拠点側に設置した中央指令室等の外部装置と
の間で通信回線を確立する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道交通システム
における列車・地上間もしくは列車・地上・基地や駅等
の拠点間で情報を送受する列車通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の鉄道における列車・地上
間もしくは列車・地上・拠点間の通信システムとして
は、以下に挙げるような人為監視システム、軌道回路に
よる列車検知システム、音声無線による通信システム等
がある。
【0003】人為監視システムは、保守作業の作業区間
に見張り員を配置し、目視によって列車の通過を確認し
ている。また列車番号などの情報は運行ダイヤを調べる
ことで確認している。列車の接近をなるべく遠い位置か
ら検知する通信手段としては、トランシーバーを用いた
システムや軌道回路を伝送線路として用いるシステム等
が提案されている。地上の保守作業員から列車への信号
伝達は、主に手旗や標識の設置によっている。
【0004】また軌道回路による列車検知システムは、
列車と指令室との間の信号伝送について、軌道をある距
離で区切って閉塞区間とし、この閉塞区間に軌道回路を
構成することで列車の接近を検知し、列車の接近情報を
中央指令室に送信して列車がダイヤ通りに運行されてい
るかの確認を行う。また軌道回路に特定周波数の信号を
流し、列車側で信号を受信して制限速度等を知る自動列
車制御システム(ATC)が行われている。
【0005】更に、音声無線による通信システムは、事
故や故障などが発生した際の列車と基地との通信は音声
無線によって行われている。これによって基地から列車
運転士に対して事故や運行状況などの連絡を行う。また
列車から中央指令室への連絡も主に音声無線で行ってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の鉄道における列車・地上もしくは列車・地上
・拠点間の通信システムにおいては、以下に示すような
問題点があった。
【0007】まず人為監視システムは、基本的に運転士
もしくは保守作業員が情報の確認を行っているため、見
落としなどによる情報伝達ミスが生じやすい。また運行
ダイヤが乱れた場合には状況の確認が難しく、保守作業
における安全確保や効率的な作業を行うことが難しくな
る。更に、軌道回路を伝送線路として用いるシステムに
おいては、列車・地上側とも装置の設置費用が掛かって
しまう。
【0008】また軌道回路による列車検知システムは、
列車の有無しか確認できないため、列車番号や走行速度
などを基地側で確認することができない。また基地側か
ら列車を制御するATCにおいても、制限速度情報しか
送ることができない。これらのことは、運行ダイヤが乱
れている場合に特に問題となる。
【0009】更に、音声無線による通信システムは、運
転士に負担をかけてしまう。また特定の列車運転士や特
定の区間を走行する列車に対してしか通信を行うことが
できない。更に音声無線は聞き取りにくく、人が通信を
行うため間違える可能性がある。
【0010】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、列車・地上間もしくは列車・地上
・拠点間での情報の送受を確実に行う列車運行や保守作
業の安全性を確保するようにした列車通信システムを提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成すめため
本発明は次のように構成する。 (車上・地上間の基本通信システム)まず本発明は、列
車に設置され外部に対し列車情報信号を送信する車上通
信装置と、地上側に設置され列車が通信エリアに入った
際に車上通信装置から送信された列車情報信号を受信し
て少くとも列車の接近警報を含む列車情報を表示する地
上通信装置とを備えた列車通信システムを対象とする。
【0012】このような車両通信システムにつき本発明
は、車上通信装置には、送受信を行う無線部と、車上通
信装置の制御を行う制御部と、データを蓄えておくメモ
リと、送信情報の設定を行う情報設定部又は外部装置と
の通信を行うインターフェース部を設け、また地上通信
装置は、データの送受信を行う無線部と、地上通信装置
の制御を行う制御部と、データを蓄えておくメモリとを
備え、更に必要に応じて情報を表示する表示部と、警報
を発する警報発生部等とを備えことを特徴とする。
【0013】このようなシステム構成により、列車から
の情報を例えば保守作業等を行っている地上側で確実に
知ることができ、特に列車が接近していることを知らせ
るための接近警報を、地上通信装置の通信エリアの設定
で確実に行うことができ、保守作業の安全性が確保でき
る。
【0014】(車上側の常時受信)車上通信装置は常時
受信状態にあり、地上通信装置は送信要求信号を送信し
ており、車上通信装置は列車が地上通信装置との通信エ
リアに入って地上通信装置からの送信要求信号を受信し
た際に前記列車情報信号を送信する。これにより車上通
信装置の消費電力を減らすことができ、不要な信号を車
上通信装置から送信しなくて済む。
【0015】この場合、地上通信装置は一定周期毎に送
信要求信号を送信してもよいし、地上通信装置に外部接
点入力部を追加し、外部接点入力部から信号が入力され
た場合に車上通信装置に対して送信要求信号を送信する
ようにしてもよい。
【0016】例えば地上通信装置の外部接点入力部に軌
道閉塞区間に設置した軌道回路を接続し、軌道回路から
閉塞区間に進入した列車の検出信号に基づいて車上通信
装置に対して送信要求信号を送信する。このように列車
が接近してきたときのみ送信要求信号を送信することが
できるため、地上通信装置の更なる低消費電力化を図る
ことができる。また車上通信装置からの信号に関わらず
接近警報を行うことができるため、通信路の状況が悪く
通信エリアが狭い場合でも、軌道回路などを用いれば接
近警報を早く確実に出力することができる。
【0017】また人為的に信号を入力することで、人が
必要時にのみ車上通信装置に対して送信要求信号を送信
することで、地上通信装置の更なる低消費電力化が図れ
る。
【0018】(地上側の常時受信)一方、地上通信装置
を常時受信状態とし、車上通信装置が列車情報信号を送
信しており、地上通信装置は列車が自己の通信エリアに
入った際に車上通信装置からの列車情報信号を受信する
形態をとることもできる。これにより地上通信装置の消
費電力を減らすことができ、不要な信号を地上通信装置
から送信しなくて済む。
【0019】(車上設定情報と地上設定情報)車上通信
装置は列車情報信号として列車番号、最終列車かどうか
の情報、保守列車の場合は保守作業予定時間等の情報を
送信する。このため地上通信装置は、列車情報信号を受
信して列車番号、最終列車か否か、保守車両の場合は保
守作業予定時間等の受信情報を表示する。
【0020】このため列車からの情報として列車番号・
最終電車であるかの情報等を地上側で確実に知ることが
でき、地上側の保守作業員は、これらの情報と運行ダイ
ヤなどを比較することにより、次の列車までの時間や通
過した列車が最終列車であるかの確認を行え、運行ダイ
ヤが乱れている場合にはその状況を把握でき、これによ
り保守作業の安全性と作業効率が向上する。
【0021】また車上通信装置に情報表示部を追加し、
地上通信装置に送信情報の設定を行う情報設定部及び外
部装置との通信を行うインターフェース部を追加し、地
上通信装置から車上通信装置に情報設定部で設定した情
報を送信して情報表示部に表示させる。
【0022】この地上通信装置の送信情報としては列車
速度制限情報、保守作業中を示す情報等であり、これら
の情報を車上通信装置に送信して表示させる。このため
地上からの制限速度や作業区間あり等の情報を車上側の
運転士等が確実に知ることができ、必要に応じて警報を
鳴らすことができる。これにより、列車の運行をより安
全に行うことができる。
【0023】また車上通信装置を中継点とすることによ
り、異なる保守作業現場間の地上通信装置間で互いの進
行状況を確認しながら作業を進めることができるため、
保守作業の作業効率が向上する。
【0024】更に、インターフェース部より地上通信装
置に予め運行ダイヤや最終電車の列車番号などを入力し
ておくことにより、地上通信装置は車上通信装置からの
情報に応じて適切な情報表示、例えば次の列車までの時
間や最終電車があるかどうかなどや接近警報を行うこと
ができ、保守作業員の作業中の負担をより軽くすること
ができる。 (車上・地上・拠点間の通信システム)本発明の列車通
信システムは、列車通信装置及び地上通信装置に加え、
更に固定通信装置を設ける。固定通信装置は基地や駅等
の拠点に固定設置され、車上通信装置と拠点側に設置し
た外部装置との間で通信回線を確立する。また固定通信
装置は、データの送受信を行う無線部と、通信装置の制
御を行う制御部と、データを蓄えておくメモリと、外部
装置との通信を行うインターフェース部とを備える。
【0025】固定通信装置には外部装置として例えば中
央指令室装置を接続する。この場合、固定通信装置は、
車上通信装置から送信された列車情報信号に含まれる列
車番号や保守状況等の情報を中央指令室装置に転送し、
また中央指令室装置から送信された運行ダイヤ、運行ダ
イヤが乱れた際の復旧見込み、保守作業位置、他の列車
の通過時間等の情報を車上通信装置に転送して表示させ
る。
【0026】このように固定通信装置が運行指令室や保
守基地などの拠点との間の通信回線を有することで、基
地からの情報を固定通信装置から車上通信装置に送信す
ると共に、必要であればこの情報を地上通信装置に転送
できるため、基地からの指令などの情報を目標とする列
車に確実に送信することができる。
【0027】また車上通信装置からの情報を受信した固
定通信装置は、この情報を基地に送信し、車上通信装置
は地上通信装置からの情報を必要であれば固定通信装置
に転送できるため、基地で列車の運行状況や保守作業の
状況などをリアルタイムで監視・把握することができ
る。 (監視カメラのモニタ)固定通信装置に外部装置として
拠点を撮像する監視カメラを接続することもできる。こ
の場合、列車が固定通信装置の通信エリアに入った際
に、監視カメラからの画像情報を車上通信装置に送信し
て表示させる。このため地上側の画像情報を車上側でモ
ニタし、車上運転士が進入時や発進時の状態を確認する
ことができ、列車の運行をより安全に行うことができ
る。 (地上設備の監視制御)地上通信装置は、インターフェ
ース部を介して踏切、ポイント等の地上設備を接続し、
車上通信装置に地上設備の状態を示す送信情報である検
出信号を送信して情報表示部に表示させ、車上通信装置
は必要に応じて地上設備の制御信号を地上通信装置に送
信して地上設備を制御させる。
【0028】このため地上通信装置から車上通信装置に
対して地上設備の状態を知らせることができ、列車走行
時の安全性が向上する。また列車側から地上設備を制御
できるため、特に中央指令室などの制御下にない保守車
両等の走行時における自動化、安全化、効率化を図るこ
とができる。
【0029】また地上通信装置は、前記地上設備を制御
させる列車番号等の列車情報を情報設定部に予め設定
し、車上通信装置から前記列車情報に一致する情報を受
信した際に地上設備に制御信号を出力することで、列車
からの列車番号に応じて自動的に地上設備を制御するこ
とができる。 (音声情報)本発明の列車通信システムに設けた各通信
装置間で通信する情報を音声情報としてもよい。このよ
うに通信する情報を音声情報とすることにより、トラン
シーバや無線電話などを用いずに同一の装置で音声情報
を送ることができ、車上に必要な設備の軽減や特定の対
象に対する音声データが行えるため、連絡がより安全且
つ確実となる。 (複数装置)本発明の列車通信システムは、地上通信装
置を複数設置してもよく、複数の地上通信装置のいずれ
かで車上通信装置からの列車情報信号を受信した場合、
他の地上通信装置に受信した列車情報信号を転送する。
このように複数の地上通信装置を各々の通信エリア内に
離して設置することで、各装置間でデータの通信を行
い、列車からの信号を保守作業員がより離れた所から確
認することができ、保守作業の安全性がさらに向上す
る。
【0030】また車上通信装置を先頭車両と最後尾車両
を含む複数の車両位置に複数設置し、複数の車上通信装
置と地上通信装置との間で通信を行うことで、先頭列車
が地上通信装置を通過した後でも、確実に地上通信装置
との通信を行うことができる。 (携帯型)本発明の列車通信システムに使用する地上通
信装置は携帯可能な装置とする。このように地上通信装
置を固定設置型ではなく携帯型としたことにより、設置
工事などを行わずに保守作業員が必要に応じて地上通信
装置を使用することができ、また地上通信装置の設置費
用がいらなくなる。
【0031】
【発明の実施の形態】<目 次> 1.車上側を常時受信状態としたシステム 2.地上側を常時受信状態としたシステム 3.地上側に軌道回路を接続したシステム 4.複数装置を設置したシステム 5.地上側から設定情報を車上側に送信するシステム 6.固定通信装置を備えたシステム 7.監視カメラを備えたシステム 8.地上設備を監視制御するシステム 1.車上側を常時受信状態としたシステム 図1は本発明による列車通信システムの第1実施形態で
あり、この実施形態にあっては、車上側を常時受信状態
とし、地上側からの送信要求に対し列車情報を応答送信
するようにしたことを特徴とする。
【0032】図1において、軌道2を走行する列車1に
は車上通信装置10が搭載されている。一方、保守作業
の現場となる地上側には地上通信装置12が設置されて
いる。地上通信装置12は携帯型の装置であり、保守作
業員が保守作業を行う場所に運んで列車1の進入側に配
置したり、作業員が携帯しても良い。
【0033】車上通信装置10は常時受信状態となって
いる。一方、地上通信装置12は例えば一定周期ごとに
送信要求信号E1を送信している。地上通信装置12は
設置場所を中心に軌道2に沿って所定範囲に通信エリア
を設定しており、この通信エリアに列車1が進入してく
ると、車上通信装置10で地上通信装置12からの送信
要求信号E1が受信される。
【0034】地上通信装置12からの送信要求信号E1
は常時受信状態にある車上通信装置10の送信起動信号
となる。このため、送信要求信号E1を受信した車上通
信装置10は、地上通信装置12に対し列車番号などの
情報を含む列車情報信号E2を送信要求応答信号として
送信する。この車上通信装置10からの列車情報信号E
2を受信した地上通信装置12は、地上通信装置12の
通信エリアに列車1が進入したことを認識して、少なく
とも接近警報の出力を行って保守作業員に列車1の接近
を知らせる。また、受信した列車情報である列車番号な
どを表示することもできる。
【0035】図2は図1の車上通信装置10のブロック
図である。車上通信装置10は、通信装置の制御を行う
制御部14、データの送受信を行う無線部16、アンテ
ナ18、データを蓄えておくメモリ20、車上側に送信
する送信情報の設定を行う情報設定部22、及び外部装
置との入出力を行うインターフェース部(I/F部)2
4で構成される。
【0036】地上通信装置12に対し送信されるデータ
は、情報設定部22またはインターフェース部24から
入力され、メモリ20に蓄えられる。メモリ20のデー
タは制御部14から無線部16に渡され、搬送波に乗せ
られてアンテナ18から地上通信装置12に送信され
る。一方、アンテナ18で受信された地上通信装置12
からの受信信号は無線部16でベースバンド信号に復調
され、制御部14に渡され、制御部14では受信データ
の判断処理を行う。
【0037】図3は図1の地上通信装置12のブロック
図である。地上通信装置12は、通信装置の制御部行う
制御部26、データの送受信を行う無線部28、アンテ
ナ30、データを蓄えておくメモリ32、情報を表示す
る表示部34、警報を発する警報発生部36を備える。
【0038】地上通信装置12から車上通信装置10に
対し送信されるデータは、制御部26から無線部28に
渡され、搬送波に乗せられてアンテナ30から車上通信
装置10に送信される。車上通信装置10からの受信信
号は無線部28でベースバンド信号に復調され、制御部
26に渡される。制御部26では受信データの判断処理
を行い、受信情報に応じて表示部34に受信データを表
示したり、必要に応じて警報装置36を作動させる。
【0039】ここで図1の車上通信装置10と地上通信
装置12との間の通信で用いられる周波数帯としては、
例えばマイクロ波信号などで良い。また図2,図3の無
線部16,28によるベースバンド信号の変復調方式
は、FSK,PSKなど適宜のデータ変復調方式を用い
ることができる。
【0040】図4は図1の地上通信装置12からの送信
要求信号E1と車上通信装置10からの列車情報信号E
2のフォーマットの説明図である。図4(A)は地上通
信装置12から送信される送信要求信号のフォーマット
であり、ヘッダ60、データ62及びECC64で構成
されており、データ62には基本的に起動情報66が含
まれている。
【0041】またデータ62には必要に応じて列車番号
68がアドレス情報として含まれる。このアドレス情報
としての列車番号68は、地上通信装置12からの送信
要求に対し車上通信装置10より送信要求信号E1を受
信して得られた列車番号をセットして送り、車上通信装
置10側で自己の列車番号と送信要求信号の列車番号と
の一致を検出した際には、もはや送信要求応答は不要で
あることから、列車情報信号E2の返送を行わないよう
にするような制御に用いられる。
【0042】図4(B)は車上通信装置10からの送信
要求応答信号となる列車情報信号のフォーマットであ
り、ヘッダ70、データ72及びECCコード74で構
成される。データ72には列車番号76と予め定められ
た列車情報78が含まれる。この列車情報78として
は、例えば次のものが設定される。
【0043】(1)最終列車であるかどうかの情報 (2)列車が保守車両である場合には保守作業予定時間 勿論、これ以外の列車情報も必要に応じてデータ72に
設定することができる。
【0044】次に図1の列車通信システムの動作を説明
する。地上通信装置12は例えば一定周期ごとに送信要
求信号E1を送信している。列車1が地上通信装置12
に接近してその通信エリアに入ると、車上通信装置10
は地上通信装置12からの送信要求信号E1を受信する
ので、図2の車上通信装置10の制御部14は、情報設
定部22あるいはインターフェース部24によってメモ
リ20に予め設定してあった図4(B)のデータ72に
ついて示す列車番号76や列車情報78などの送信情報
を無線部16からアンテナ18によって地上通信装置1
2に送信する。
【0045】車上通信装置10からの列車情報信号E2
を受信した地上通信装置12は、図3の無線部28で復
調したベースバンド信号として送信情報を制御部26で
受け取り、制御部26において図4(B)のECCコー
ド74に基づいた誤り訂正検出処理やあるいは複数回受
信した情報の比較処理などにより、受信情報が正しいか
否か判断する。
【0046】制御部26で受信情報が正しいことが判断
されると、車上通信装置12に対し情報の正常受信を示
す確認信号(ACK信号)を送り返すと共に、表示部3
4に受信情報を表示し、必要があれば警報発生部36を
作動させて保守作業員に列車接近の注意を喚起する。ま
た制御部26で正常受信情報が得られなかった場合に
は、車上通信装置10に対し再送要求信号を送信する。
【0047】このようにして地上通信装置12側で車上
通信装置10からの列車情報信号の受信に基づく表示部
34に対する受信情報、例えば列車番号や最終列車であ
るかどうかの情報表示、また列車が保守車両であった場
合には保守作業予定時間などが表示され、地上の保守作
業員は表示部34に表示されたこれらの受信情報と運行
ダイヤなどを照らし合わせながら安全に保守作業を進め
ることができる。
【0048】地上通信装置12で一度、列車1の車上通
信装置10から列車番号などの列車情報を受信した後
は、その後の送信要求信号E1を構成する図4(A)の
データ62にアドレスとしての列車番号68を追加する
ことで、一度地上側で正常に通信が終了した列車に対し
ては通信を実質的に中断でき、同一の列車と何度も同じ
情報通信を行ってしまうことを回避できる。
【0049】また送信要求信号E1を構成する図4
(A)のデータ62に一度正常に通信を終了した列車の
列車番号68を追加することで、この列車番号68をも
つ列車との間でのみデータ通信を行うようにすることも
できる。
【0050】更に、地上通信装置12の通信エリアに複
数の列車が同時に進入してきた場合の列車情報信号E2
の重複送信による衝突を回避するため、図2の車上通信
装置10側にはキャリアセンスによる重複送信回避機能
や送受信タイミングを装置ごとに異ならせる送信プロト
コル調整を行うことで対応する。
【0051】キャリアセンスによる重複送信の回避は、
車上通信装置10で列車情報信号E2を送信する際に、
他の車上通信装置10からの送信によるキャリアの有無
をセンスし、キャリアなしをセンスして自己の送信動作
を開始する。また送受信タイミングを調整する送信プロ
トコル機能は、地上通信装置12から送信要求信号E1
を受信した時点から送信を開始するまでの遅延時間を車
上通信装置10ごとに異ならせ、これによって異なるタ
イミングで車上通信装置10からの送信が行われること
で送信信号の衝突を回避することができる。
【0052】図5は図3の地上通信装置12の制御部2
6による地上通信処理のフローチャートである。まずス
テップS1で内部タイマなどにより設定された送信要求
タイミングか否かチェックしており、送信要求タイミン
グを判別すると、ステップS2に進み、送信要求信号E
1を送信するための送信処理を実行する。続いてステッ
プS3で車上通信装置10からの列車情報信号の受信を
チェックしている。
【0053】ステップS3で列車情報信号を受信する
と、ステップS4で受信情報が正しいか否かのエラー判
定をECC処理または比較照合により行い、ステップS
5で受信エラーがなく正常受信であれば、ステップS6
で車上通信装置10に対し確認信号を送信した後、例え
ばステップS7で列車接近警報の発生を行い、ステップ
S8で受信情報として例えば列車番号、最終列車情報あ
るいは保守車両の場合の作業予定時間などの表示を行
う。
【0054】そしてステップS9で装置を停止するため
の終了指示か否かチェックし、終了指示がなければ再び
ステップS1に戻り、次の送信要求タイミングを待って
ステップS2からの処理を繰り返す。一方、ステップS
4の受信情報のエラー判定の結果、ステップS5で受信
エラーがあったことが判別されると、ステップS10で
車上通信装置に対し再送要求を行い、ステップS3で新
たな列車情報の受信を待つ。
【0055】図6は図2の車上通信装置10における車
上通信処理のフローチャートである。車上通信装置10
は、ステップS1で送信要求信号の受信をチェックして
いる。ステップS1で地上通信装置12からの送信要求
信号の受信が判別されると、ステップS2に進み、予め
設定されている列車番号などの送信要求応答情報として
の列車情報を作成し、ステップS3で重複送信回避処理
を行った後、ステップS4で列車情報信号を地上通信装
置12に送信する。
【0056】続いてステップS5で地上通信装置12か
らの確認信号の受信をチェックしており、確認信号を受
信すると、ステップS6で送信処理を正常終了する。一
方、ステップS5で確認信号が受信できなかった場合に
は、ステップS4に戻って列車情報信号を再度送信す
る。
【0057】ステップS5で確認信号を受信すると、ス
テップS6の送信処理の正常終了となり、ステップS7
で装置停止に先立つ終了指示があるまでステップS1〜
S6の処理を繰り返す。
【0058】図7は図5の地上通信処理のステップS2
における送信要求信号の送信処理の詳細であり、一度正
常に列車情報信号を受信した後は、その列車番号をアド
レス情報として送信要求信号に含めて送信要求を行うよ
うにしたことを特徴とする。即ち、ステップS1で列車
情報が正常に受信済みか否かチェックし、最初の受信に
あっては列車情報は受信済みでないことから、ステップ
S3で列車番号を含まない送信要求信号を車上通信装置
10に送信する。これに対し一度列車情報信号を正常に
受信した後は、ステップS2で列車番号を含む送信要求
信号を車上通信装置に送信する。
【0059】図8は図7の送信要求処理を含む地上通信
処理に対応した車上通信処理のフローチャートである。
ステップS1で地上通信装置12からの送信要求信号を
受信すると、ステップS2で列車番号が含まれているか
否かチェックする。最初の送信要求信号の受信では列車
番号はないことから、ステップS4に進み、列車番号等
の送信要求応答情報即ち列車情報を作成し、ステップS
5で重複送信回避処理を行った後、ステップS6で列車
情報信号を送信する。
【0060】2回目以降については、図7の送信要求処
理により列車番号が受信されることから、ステップS3
で自己の列車番号と一致するか否か比較判別し、一致す
ればステップS4以降の送信処理は行わず、ステップS
1からの受信状態を維持する。これによって一度正常に
列車情報信号を地上通信装置に通信できた後は、同じ列
車情報を繰り返し送信することを回避できる。なお図8
のステップS5〜S10の処理は、図6のステップS3
〜S8と同じである。 2.地上側を常時受信状態としたシステム 図9は本発明による列車通信システムの第2実施形態で
あり、この実施形態にあっては地上側を常時受信状態と
して車上側から自動的に列車情報信号を送信するように
したことを特徴とする。
【0061】図9において、保守作業などのために地上
側に設置された地上通信装置12は、常時受信状態にあ
る。これに対し軌道2を走行する列車1に搭載された車
上通信装置10は、例えば一定周期ごとに繰り返し列車
情報信号E11を送信している。このため、列車1が地
上通信装置12に接近して車上通信装置10から送信し
ている列車情報信号E11の通信エリアが地上通信装置
12に入ると、地上通信装置12で列車情報信号E11
が受信され、列車情報信号E11に含まれる列車番号な
どの列車情報に基づく表示や接近警報の発生を行う。
【0062】地上通信装置12は、列車情報信号E11
を受信すると確認信号E12を送信する。この場合の車
上通信装置10の構成は図2のブロック図と同じであ
り、また地上通信装置12も図3のブロック図と同じに
なる。
【0063】図10は図9のシステムにおける車上通信
装置10の通信処理のフローチャートである。車上通信
装置10はステップS1で内部タイマなどで決まる一定
周期ごとの送信タイミングを判別しており、送信タイミ
ングを判別するとステップS2に進み、列車番号などの
列車情報を作成し、ステップS3でキャリアセンスある
いは送受信タイミング制御などによる重複送信回避処理
を行った後、ステップS4で地上通信装置12に対し列
車情報信号E11を送信する。
【0064】続いてステップS5で地上通信装置12か
らの再送要求信号の受信をチェックし、もし再送要求信
号を受信すれば、ステップS3で再度列車情報信号の送
信を行う。またステップS6で地上通信装置12からの
確認信号の受信をチェックしており、確認信号を受信す
ると、ステップS7で送信処理を正常終了し、一方、確
認信号を受信しなければステップS3に戻って再度列車
情報信号の送信を繰り返す。そしてステップS8で電源
停止などに先立つ終了指示があるまで、ステップS1か
らの処理を繰り返している。
【0065】図11は図9のシステムにおける地上通信
装置12の通信処理のフローチャートである。地上通信
装置12は、ステップS1で車上通信装置10からの列
車情報信号の受信待ち状態にあり、列車情報信号を受信
すると、ステップS2でECCや比較照合などにより受
信情報のエラー判定を行った後、ステップS3で受信エ
ラーがなく正常受信できれば、ステップS4で確認信号
を送信した後、ステップS5で例えば列車接近警報を出
し、またステップS6で受信情報の表示を行う。
【0066】ステップS3で受信エラーを判別すると、
ステップS8で再送要求を行う。このようなステップS
1〜S6の処理を、装置停止に先立つ終了指示があるま
で繰り返す。また車上通信装置10から一度正常に列車
情報信号を受信して列車番号や列車情報が得られた後
は、受信済みの列車番号と新たに受信した列車番号との
比較照合を行い、一致した場合には受信情報の表示や警
報処理を行わないようにすることで、同じ列車からの列
車情報の受信処理の繰り返しを回避することができる。 3.地上側に軌道回路を接続したシステム 図12は本発明による列車通信システムの第3実施形態
であり、この実施形態にあっては地上通信装置に軌道回
路を接続して、接続区間に対する列車の接近検出に基づ
いて送信要求を行うようにしたことを特徴とする。
【0067】図12において、保守作業などのために設
置した地上通信装置12に対しては、設置場所の閉塞区
間3について設けられた軌道回路38の出力が接続され
ている。軌道回路38は軌道2の閉塞区間3に列車1が
進入した時に接近検出信号E3を地上通信装置12に出
力する。
【0068】図13は図12の地上通信装置12のブロ
ック図である。地上通信装置12は、制御部26、無線
部28、アンテナ30、メモリ32、表示部34、警報
発生部36を備え、これらは図3のブロック図と同じで
あるが、新たに制御部26に対し接点入力部40を設け
ており、接点入力部40に対し図12の軌道回路38か
ら出力される接近検出信号E3を接点情報として入力し
ている。 このため地上通信装置12は、軌道回路38
において軌道2の閉塞区間3に列車1が進入して接近検
出信号E3が得られ、この接近検出信号E3が接点入力
部40に入力したことを制御部26が認識し、無線部2
8、アンテナ30より車上通信装置10に対し送信要求
信号E1を送信する。
【0069】このように地上通信装置12からの送信要
求信号E1の送信を軌道回路38に連動させることで、
列車1が接近した場合にのみ地上通信装置12から送信
要求を行うことができ、列車が接近していない場合には
地上通信装置12の送信動作を行わないことで消費電力
を減らすことができる。特に地上通信装置12はバッテ
リーで動作する携帯型の装置であることから、軌道回路
38に送信動作を連動させることで消費電力を大幅に低
減できる。
【0070】尚、図13の接点入力部40に手動スイッ
チを接続し、保守作業員のマニアル操作で送信要求信号
を列車に送信することもできる。
【0071】図14は図12の軌道回路38を接続した
地上通信装置12における通信処理のフローチャートで
ある。地上通信装置12は、ステップS1で接点入力、
即ち地上通信装置12の設置場所に対応した閉塞区間3
に設けている軌道回路38による接近検出信号の入力に
基づく接点入力をチェックしており、接点入力があると
ステップS2に進み、送信要求信号を車上通信装置10
に対し送信するようになる。
【0072】接点入力に基づいて送信要求信号を車上通
信装置10に送信した後のステップS3〜S10の処理
は、図5の第1実施形態の地上通信装置12の処理と同
じである。また図12のシステムにおける車上通信装置
10の通信処理は図6のフローチャートに示した第1実
施形態と同じである。 4.複数装置を設置したシステム 図15は本発明による列車通信システムの第4実施形態
であり、この実施形態にあっては地上通信装置を複数設
置したことを特徴とする。
【0073】まず保守作業などを行う地上側は、例えば
軌道2の閉塞区間3A,3Bに対応して地上通信装置1
2A,12Bを設置している。列車1の進入側となる閉
塞区間3Aに設けた軌道回路38は、図12,図13の
第3実施形態のように地上通信装置12Aに接続し、軌
道回路38による接近検出信号E3により地上通信装置
12Aより送信要求信号E1を車上通信装置10に送信
するようにしている。
【0074】地上通信装置12Aに続いて閉塞区間3B
に配置された地上通信装置12Bは、地上通信装置12
Aの通信エリアに入るように設置されている。このた
め、地上通信装置12A,12B間で必要に応じて情報
の通信を行うことができる。また列車1の進入側に設置
した地上通信装置12Aに対し、地上通信装置12Bは
保守作業員が携帯するようにしても良い。
【0075】次に図15の第4実施形態の動作を説明す
る。地上通信装置12A,12Bは常時受信待機状態と
なっている。軌道2を走行する列車1が接近して閉塞区
間3Aに進入すると、軌道回路38が列車1の進入によ
る短絡に基づき、接近検出信号E3を地上通信装置12
Aに出力する。この接近検出信号E3を受けた地上通信
装置12Aは、車上通信装置10に対し送信要求信号E
1を送信し、同時に地上通信装置12Bに対し列車接近
を示す転送信号E4を転送する。
【0076】地上通信装置12Aからの送信要求信号E
1を受けた車上通信装置10は、列車番号などの列車情
報信号E2を送信し、地上通信装置12Aが列車情報信
号E2を受信して受信情報の表示や接近警報の発生を行
う。同時に地上通信装置12Aは、受信した列車情報を
地上通信装置12Bに転送信号E4として転送し、地上
通信装置12B側においても接近警報や列車情報の表示
が行われる。
【0077】図16は、図15のシステムに設けた地上
通信装置12Aの通信処理のフローチャートである。ま
ずステップS1で軌道回路38による閉塞区間3Aに対
する列車1の進入による接近検出信号E3に基づく接点
入力をチェックしており、接点入力があるとステップS
2で送信要求信号E1を車上通信装置10に送信する。
続いてステップS3で他の地上通信装置12Bに対し列
車接近信号を送信する。
【0078】ステップS4では列車情報信号E2の受信
をチェックしており、列車情報信号E2を受信すると、
ステップS5でエラー判定を行う。ステップS6で受信
エラーがなければ、ステップS7で確認信号を送信し、
ステップS8で他の地上通信装置12Bに列車情報信号
を転送した後、自分自身での列車接近警報をステップS
9で行い、また自己の表示部に対する受信情報の表示を
ステップS10で行う。またステップS6で受信エラー
があれば、ステップS12で再送要求を行う。
【0079】図15のシステムにおける車上通信装置1
0の通信処理は、図6に示した第1実施形態の場合と同
じである。また図15のシステムにあっては2台の地上
通信装置12A,12Bを使用した場合を例にとってい
るが、3台以上の複数台についても全く同様に適用でき
る。
【0080】更に図15の他の形態として、列車1が複
数車両を連結しているような場合には、先頭車両と最後
尾車両にそれぞれ車上通信装置10を設ける。このよう
に先頭車両と最後尾車両にそれぞれ車上通信装置10を
設置した場合には、先頭車両の車上通信装置が保守区間
の進入位置に設置した地上通信装置12Aを通過して、
その通信エリアを通り過ぎても、最後尾車両に設置して
いる車上通信装置10が地上通信装置12Aの通信エリ
アに進入して通信を行うことができる。
【0081】これによって連結の長い列車であっても地
上通信装置12Aの設置場所を通過する間、車上側との
間で通信を継続できる。もちろん、列車1側に設置する
車上通信装置10についても、先頭車両と最後尾車両を
含む複数車両に3台以上設置しても良い。このように車
上通信装置及び地上通信装置を複数使用する形態は、図
1,図9のシステムについてもそのまま適用できる。 5.地上側から設定情報を車上側に送信するシステム 図17は本発明による列車通信システムの第5実施形態
であり、この実施形態にあっては地上通信装置側から予
め設定した情報を車上通信装置に送信するようにしたこ
とを特徴とする。
【0082】図17において、保守区間などに設置され
た地上通信装置12は、例えば一定周期ごとに送信要求
信号E1を送信している。この送信要求信号E1は図4
(A)のフォーマットを持ち、データ62の先頭に位置
する軌道情報66に続き、地上通信装置12側で設定し
た各種の設定情報が含まれている。
【0083】図18は図17の地上通信装置12のブロ
ック図である。地上通信装置12は図3の第1実施形態
と同様、制御部26、無線部28、アンテナ30、メモ
リ32、表示部34及び警報発生部36を備えるが、こ
れに加えて新たに情報設定部42とインターフェース部
(I/F部)44を設けている。
【0084】情報設定部42あるいはインターフェース
部44は、車上通信装置10に対する送信要求信号E1
に含まれる設定情報を予めメモリ32に蓄えておく。地
上通信装置12から車上通信装置10に送信する設定情
報としては、 (1)列車の制限速度情報 (2)保守作業中であることを示す情報 などがある。図17の車上通信装置10は図2の第1実
施形態のブロック図と同じである。
【0085】次に図17,図18のシステム動作を説明
する。地上通信装置12は例えば一定周期ごとに車上通
信装置10に対し送信要求信号E1を送信しており、こ
の送信要求信号E1には図18の情報設定部42あるい
はインターフェース部44により予め設定されたメモリ
32に蓄えられた列車制御速度情報などの設定情報が含
まれている。
【0086】列車1が地上通信装置12に接近してその
通信エリアに入ると、地上通信装置12からの送信要求
信号E1が受信され、ECC処理やデータ比較処理など
により正常データの受信であることを判断すると、表示
部に受信した設定情報例えば列車制限速度を表示し、必
要があれば警報発生を行う。
【0087】このため、保守作業を行っている地上通信
装置12に接近した列車1の運転士は送信要求信号E1
の受信で得られた制限速度となるように列車の減速を行
い、地上通信装置12が設置されている保守作業の区間
を安全に通過することができる。
【0088】また図17の第5実施形態にあっては、通
信エリアを越えて設置されている2台の地上通信装置の
間の通信を車上通信装置10を経由して中継することが
できる。即ち、車上通信装置10の制御部に再生中継機
能を持たせておくことで、ある地上通信装置の送信要求
信号から設定情報を復調した場合、この復調した設定情
報を再度変調して送信することで、別の地上通信装置に
設定情報を中継伝送することができる。
【0089】図19は、図17,図18の第5実施形態
に設けた地上通信装置12における通信処理のフローチ
ャートである。地上通信装置12は、ステップS1で制
限速度情報や保守作業中情報などの情報を情報設定部4
2あるいはインターフェース部44により設定すること
でメモリ32に予め蓄える。続いてステップS2で内部
タイマなどによる一定周期の送信要求タイミングを判別
すると、ステップS3に進み、メモリ32に蓄えた設定
情報を含む送信要求信号を車上通信装置10に対し送信
する。
【0090】続いてステップS4で列車情報信号E2の
受信を待ち、列車情報信号を受信すると、ステップS5
でECCや比較照合などによりエラー判定を行った後、
受信エラーがなければステップS6からS7に進んで確
認信号を送信する。受信エラーがあればステップS11
で再生要求を行う。確認信号をステップS7で送信する
と、ステップS8で例えば列車接近警報を行った後、ス
テップS9で受信情報の表示を行い、ステップS10で
終了指示があるまで、ステップS2からの処理を繰り返
す。
【0091】図20は図17の車上通信装置10の通信
処理のフローチャートである。車上通信装置10は、ス
テップS1で地上通信装置12からの送信要求信号E1
の受信をチェックしている。地上通信装置12からの送
信要求信号E1を受信すると、ステップS2で列車番号
などの情報を含む送信要求応答情報を作成し、ステップ
S3で重複送信回避処理を行った後、ステップS4で列
車情報信号E2を地上通信装置12に送信する。
【0092】続いてステップS5で確認信号の受信をチ
ェックし、確認信号が受信されていればステップS6で
正常終了となり、確認信号が受信できなければステップ
S4で再度列車情報信号を送信する。続いてステップS
7で送信要求信号E1に含まれている設定情報を解読
し、ステップS8で制限速度や保守作業中などの設定情
報を表示部に表示し、必要があれば速度警報などを出
し、これをステップS9で終了指示があるまで繰り返
す。
【0093】勿論、他の地上通信装置12に対する再生
中継機能が制御部に設定されている場合には、ステップ
S8の設定情報の表示と同時に、受信した設定情報を再
度変調して送信するようになる。この他の地上通信装置
12に対する設定情報の再生中継の送信は、ステップS
2の列車情報信号E2の送信情報に含ませてもよいし、
別々に送信しても良い。 6.固定通信装置を備えたシステム 図21は、本発明による列車通信システムの第6実施形
態であり、この実施形態にあっては、車上通信装置及び
地上通信装置に加えて、更に駅や基地などの拠点に設置
される固定通信装置を設けたことを特徴とする。
【0094】図21において、軌道に設置された拠点と
なる例えば駅48には、固定無線局として機能する固定
通信装置46が設置されている。固定通信装置46の構
成は図2の第1実施形態について示した車上通信装置1
0と同じになる。この固定通信装置46には、例えば駅
48に設置された拠点装置として例えば中央指令室装置
50が回線接続されている。
【0095】また、この実施形態にあっては、固定通信
装置46は地上通信装置12と同様、車上通信装置に対
し送信要求信号を送信している。固定通信装置46によ
る送信要求信号E5の送信タイミングは、内部タイマに
よる一定周期ごとでも良いし、例えば図12の第3実施
形態のように軌道回路38による列車の接近検出に基づ
くものであっても良い。もちろん、手動スイッチなどに
よりマニアルで送信要求信号E5を送信することもでき
る。
【0096】駅48の両側には、この場合には2台の列
車1A,1Bが走行しており、それぞれ車上通信装置1
0A,10Bを搭載している。今、列車1Aが固定通信
装置46の通信エリアにあり、このため固定通信装置4
6からの送信要求信号E5を受信し、これに対する応答
として列車情報信号E6を送り返している。
【0097】一方、列車1Bは保守作業などのために設
置した地上通信装置12の通信エリアにあり、地上通信
装置12からの送信要求信号E1を車上通信装置10B
が受信し、列車情報信号E2を地上通信装置12に送り
返している。
【0098】固定通信装置46からの送信要求信号E5
には、送信要求となる軌道情報に加えて、中央指令室装
置50から伝送された運行状況を示す情報が含まれてい
る。この運行状況を示す情報としては (1)ダイヤの運行状況 (2)ダイヤが乱れている際の復旧見込み (3)保守作業を行っている位置 (4)前の列車の通過時間 などがある。
【0099】一方、固定通信装置46からの送信要求信
号E5を受信した車上通信装置10Aは、列車情報信号
E6を送信するが、この列車情報信号E6には列車番号
などの列車情報に加え、保守区間に設置した地上通信装
置12との通信で得られた保守状況を示す情報を含めて
送信する。このように車上通信装置10Aから送信され
る保守状況を示す情報としては (1)保守作業の進行状況 (2)事故などが起こった時の状況 などがある。
【0100】一方、固定通信装置46との通信を終了し
た後に地上通信装置12の設置場所を通過する列車1B
の車上通信装置10Bにあっては、地上通信装置12か
ら送信要求信号E1を受信した際に返送する列車情報信
号E2に、列車番号などの列車情報に加え、固定通信装
置46との通信で得られた中央指令室装置50からの運
行情報例えばダイヤの運行状況、ダイヤが乱れている際
の復旧見込み、保守作業を行っている位置、前の列車の
通過時間などを送信し、これらの運行状況を示す情報を
地上通信装置12側に知らせることができる。
【0101】次に図21のシステム動作を説明する。列
車1Aが駅48に接近して固定通信装置46の通信エリ
アに入ると、送信要求信号E5を受信する。この送信要
求信号E5には中央指令室装置50から固定通信装置4
6に転送されたダイヤ運行状況などの運行状況に関する
情報が含まれており、この運行状況に関する情報を車上
通信装置10Aで運転士に表示し、中央指令室装置50
からの指令をリアルタイムで列車1Aの運転士に伝える
ことができる。
【0102】固定通信装置46からの送信要求信号E5
を受信した車上通信装置10Aは、列車情報信号E6と
して列車番号などの列車情報に加えて、保守区間などに
設置された地上通信装置との通信で得られた保守状況を
示す情報を固定通信装置46に通信し、固定通信装置4
6は列車側から受信した保守状況を示す情報を中央指令
室装置50に転送して保守の進行状況などを伝えること
ができる。
【0103】また車上通信装置10Aは送信要求信号E
5によって固定通信装置46から送られた運行状況を示
す情報の内、列車に関する情報については表示や警報を
行うが、地上通信装置12に対する情報についてはメモ
リに蓄えておき、列車1Bのように地上通信装置12の
通信エリアに入った時に列車情報信号E2により運行状
況などの情報として地上通信装置12に送信して表示さ
せ、これによって中央指令室装置50からの指令を固定
通信装置46の通信エリアから遠く離れた場所に設置さ
れている地上通信装置12に伝えることができる。
【0104】図22は、図21の固定通信装置46の通
信処理のフローチャートである。固定通信装置46はス
テップS1で例えば内部タイマによる一定周期ごとの送
信要求タイミングをチェックしており、送信要求タイミ
ングになるとステップS2に進み、このとき中央指令室
装置50から送られてきているダイヤ運行状況、ダイヤ
復旧見込み、保守作業位置、先行列車通過時刻などの情
報を含む送信要求信号E5を送信する。
【0105】続いてステップS3で列車情報信号の受信
をチェックしており、列車情報信号が受信されると、ス
テップS4でエラー判定を行い、ステップS5で受信エ
ラーがなければ、ステップS6で確認信号を送信する。
受信エラーがあればステップS9で再送要求を行う。ス
テップS6で確認信号を送信した後は、ステップS7で
列車情報信号の受信情報に含まれる中央指令室装置50
に必要な保守作業進行状況、列車番号、事故状況などの
必要情報を抽出して、拠点としての例えば中央指令室装
置50に送信する。
【0106】図23は、図21のシステムにおける車上
通信装置10A,10Bの通信処理のフローチャートで
ある。ステップS1で送信要求信号を受信すると、ステ
ップS2で固定通信装置46からの送信要求信号か否か
チェックする。固定通信装置46からの送信要求信号で
あれば、ステップS3に進み、列車番号などの列車情報
に加え、保守区間などに設置した地上通信装置12との
通信で得られた保守作業進行状況、事故状況などの受信
情報を含む応答情報を作成し、ステップS5で重複送信
回避処理を行った後、ステップS6で列車情報信号とし
て固定通信装置46に対し送信する。
【0107】一方、地上通信装置12からの送信要求信
号であった場合には、ステップS4に進み、既に固定通
信装置との通信により地上側に伝える運行状況の情報が
あれば、この情報を抽出して列車番号などの列車情報と
共に応答情報を作成し、同様にステップS5で重複送信
回避処理を行った後、ステップS6で地上通信装置12
に対し列車情報信号を送信する。
【0108】固定通信装置46または地上通信装置12
に列車情報信号を送信した後については、ステップS7
で確認信号の受信をチェックし、確認信号を受信できれ
ばステップS8で送信処理を正常終了とし、受信できな
ければステップS10で送信処理を異常終了とし、ステ
ップS9で終了指示があるまで、ステップS1からの処
理を繰り返す。 7.監視カメラを備えたシステム 図24は本発明の列車通信システムの第7実施形態であ
り、この実施形態にあっては、固定通信装置に監視カメ
ラを接続して、列車側に駅や基地などの拠点の画像情報
を伝送するようにしたことを特徴とする。
【0109】図24において、拠点となる駅48には固
定通信装置46が設置されている。固定通信装置46は
図2の第1実施形態と同じ構成を備える。固定通信装置
46には監視カメラ52が接続されており、監視カメラ
52で撮影した駅48の画像情報を車上通信装置10に
対する送信要求信号E5に含ませている。
【0110】固定通信装置46から車上通信装置10に
送信する監視カメラ52で撮影した画像情報は、静止画
像であることから例えばMPEG1に従って変調し、こ
れを車上通信装置10側で復調してディスプレイなどの
表示部に表示させる。
【0111】図25は図24の監視カメラ52を接続し
た固定通信装置46の通信処理のフローチャートであ
る。まずステップS1で監視カメラ52の撮影画像情報
をメモリに格納する。続いてステップS2で内部タイマ
などによる一定周期の送信要求タイミングか否かチェッ
クし、送信要求タイミングを判別すると、ステップS3
で監視カメラで撮像した画像情報を含む送信要求信号E
5を車上通信装置10に対し送信する。
【0112】続いてステップS4で車上通信装置10か
らの列車情報信号の受信をチェックしており、列車情報
信号を受信すると、ステップS5でエラー判定を行った
後、ステップS6で受信エラーがなければ、ステップS
7で確認信号を送信し、必要があればステップS8で受
信情報の表示を行う。またステップS6で受信エラーが
判別されれば、ステップS10で再送要求を行い、ステ
ップS5で再度、画像情報を含む送信要求信号を送信す
る。
【0113】図26は、図24のシステムにおける車上
通信装置10における通信処理のフローチャートであ
る。まずステップS1で送信要求信号の受信をチェック
しており、固定通信装置46より送信要求信号を受信す
ると、ステップS2で列車番号などの送信要求応答情報
としての列車情報を作成し、ステップS3で重複送信回
避処理を行った後、ステップS4で列車情報信号E6を
固定通信装置46に送信する。
【0114】続いてステップS5で確認信号の受信をチ
ェックし、確認信号を受信すればステップS6で送信処
理を正常終了とし、確認信号を受信しなければステップ
S9で送信処理を異常終了とする。ステップS6で送信
処理が正常終了となった場合には、ステップS7で送信
要求信号に含まれる画像情報を表示する。
【0115】このような固定通信装置46から監視カメ
ラによる駅などの設置場所の画像が駅に接近する列車で
リアルタイムに表示されるため、監視カメラ52の監視
映像に対応した適切な列車1の運転操作を行うことがで
きる。
【0116】尚、図24にあっては、監視カメラ52の
監視対象を駅48の例えばホームとしているが、踏切な
どの他の拠点についても同様に適用できる。また監視カ
メラ52を接続して画像情報を送信する装置は、固定通
信装置46に限定されず、車上通信装置10や地上通信
装置12についても全く同様に適用できる。 8.地上設備を監視制御するシステム 図27は本発明による列車通信システムの第8実施形態
であり、この実施形態にあっては、地上通信装置及び車
上通信装置によって踏切やポイントなどの地上設備の監
視制御を行うようにしたことを特徴とする。
【0117】図27において、この実施形態にあっては
地上設備として踏切56を例にとっており、踏切56は
踏切制御装置54によって、列車1の運行に伴い、踏切
56の開閉制御を行っている。この踏切制御装置54は
地上通信装置12に接続されている。地上通信装置12
は例えば一定周期ごとに送信要求信号E1を送信してい
る。
【0118】この送信要求信号E1には地上設備の状態
を示す検出情報、即ち踏切56の場合には踏切56の開
閉状態を示す検出情報が含まれている。このため、列車
1が踏切56に接近して地上通信装置12の通信エリア
に入ると、送信要求信号E1が受信でき、送信要求信号
E1に含まれる踏切56の開閉状態が表示される。
【0119】この踏切56の検出情報の表示に対し、車
上通信装置10側にあっては、装置自身の判断あるいは
列車1の運転士の判断により、例えば踏切56が開いて
いる場合には、地上設備の制御信号として踏切56の閉
鎖制御信号を列車情報信号E2に含ませて地上通信装置
12に送信する。
【0120】このため、列車情報信号E2を受信した地
上通信装置12は、列車情報信号E2に含まれる踏切閉
鎖信号に基づき踏切制御装置54を閉鎖制御し、列車1
からの指示で踏切56を閉鎖する。この場合、地上通信
装置12は踏切56の状態をリアルタイムで列車1側に
知らせるため、踏切56の開閉状態の検出情報を含む送
信要求信号E1を繰り返し車上通信装置10側に送信す
る。
【0121】また図27の第8実施形態の他の例とし
て、地上通信装置12側に特定の列車番号を予め設定し
ておき、車上通信装置10との通信で得られた列車番号
を設定列車番号と比較し、一致した場合に踏切56を閉
鎖する制御を行うようにしても良い。このように地上通
信装置12側の設定で踏切56を制御することは、例え
ば中央指令室の監視外にある保守車両の通過に対する踏
切56の開閉制御に有効である。
【0122】図28は、図27の実施形態における地上
通信装置12の通信処理のフローチャートである。地上
通信装置12は、ステップS1で踏切、ポイントなどの
地上設備の種類と状態を検出しており、ステップS2で
内部タイマによる所定の送信要求タイミングに達する
と、ステップS3に進み、ステップS1で得られた地上
設備情報を含む送信要求信号を車上通信装置10に対し
送信する。
【0123】続いてステップS4で列車情報信号の受信
をチェックしており、列車情報信号を受信すると、ステ
ップS5で受信情報のエラー判定を行い、ステップS6
で受信エラーがなければ、ステップS7で確認信号を送
信し、ステップS9で受信情報に地上設備制御信号があ
るか否かチェックする。もし制御信号があれば、ステッ
プS10で制御信号を地上設備に出力して制御する。も
ちろん、ステップS6で受信エラーがあれば、ステップ
S12で再送要求を行う。
【0124】図29は図27の実施形態における車上通
信装置10の通信処理のフローチャートである。車上通
信装置10は、ステップS1で送信要求信号の受信をチ
ェックしており、送信要求信号を受信すると、ステップ
S2で送信要求信号に含まれる地上設備情報を表示す
る。続いてステップS3で地上設備が列車の接近に対し
正常な状態にあるか否かチェックする。
【0125】もし地上設備が列車接近に伴う正常な状態
になければ、ステップS4で警報出力を行った後、ステ
ップ5で地上設備制御信号を送信する。続いてステップ
S6で確認信号の受信をチェックしており、確認信号を
受信すれば、ステップS7で送信処理を正常終了とす
る。一方、確認信号が受信されない場合には、ステップ
S5で確認信号を得るまで地上設備制御信号の送信を繰
り返す。
【0126】尚、上記の各実施形態は、車上通信装置と
地上通信装置、もしくは車上通信装置、地上通信装置、
固定通信装置との各々の間で文字や記号などの情報、画
像情報を通信する場合を例にとっているが、これ以外に
音声データを通信するようにしても良い。このように音
声データを通信情報に含めることにより、音声無線など
を用いることなく、車上、地上、固定局の相互間で連絡
ができ、より安全且つ確実な列車の運行や保守作業がで
きる。
【0127】また本発明は上記の実施形態に限定され
ず、本発明の目的を損わない範囲で行われる適宜の変形
を含む。
【0128】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、車上通信装置と地上通信装置、あるいは車上通信装
置、地上通信装置、固定通信装置によって列車通信シス
テムを構築することで、列車からの情報を地上側で確実
に知ることができ、例えば2線以上の線区であって、列
車が同時に各線を走行してきた場合、列車情報信号を正
常に受信すれば、同じ列車の繰り返し送信を回避できる
ため、複数の列車に対しても各列車からの情報を確実に
知ることができる。
【0129】また保守作業区間に地上通信装置を設置し
たり保守作業員が携帯していた場合には、保守作業区間
に対する列車の接近を確実に知らせて接近警報を出し、
また列車番号などから列車の運行状況を把握できること
で、保守作業の安全性と作業効率を大幅に向上すること
ができる。
【0130】また車上通信装置及び地上通信装置に加え
て駅や基地などの拠点に設置する固定通信装置を設けた
列車通信システムを構築することで、固定通信装置から
中央指令室などから列車に伝えたい運行ダイヤ、運行ダ
イヤが乱れた場合の復旧見込み、保守作業の位置などを
リアルタイムで通知でき、また列車側から固定通信装置
を経由して中央指令室などに対し保守の進行状況や事故
の状況などを伝えることができ、列車の運行を適切且つ
安全に行うことができる。
【0131】また車上通信装置、地上通信装置あるいは
固定通信装置に監視カメラを接続することで監視場所の
画像情報をリアルタイムでモニタでき、列車の運行をよ
り安全に行うことができる。
【0132】また踏切やポイントなどの地上設備の状態
を地上通信装置から車上通信装置に送って表示させるこ
とで、列車の運行状況に応じて地上設備の適切な監視制
御ができる。
【0133】更に本発明にあっては、地上通信装置から
列車通信装置に対し制限速度や保守作業区間ありなどの
情報を送信して運転士などに確実に知らせることがで
き、保守作業区間に進入する際の減速運転や警報の鳴動
などを適切に行うことができる。また車上通信装置を中
継点として通信エリアが離れた他の地上通信装置との間
の連絡ができる。このため列車の運行をより安全に行う
ことができ、更に通信エリアが離れた異なる保守作業現
場の間で互いの進行状況を確認しながら作業を進めるこ
とができるため、保守作業の作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】車上通信装置を常時受信状態として地上通信装
置から送信要求を行う本発明の第1実施形態の説明図
【図2】図1の車上通信装置のブロック図
【図3】図1の地上通信装置のブロック図
【図4】図1の送信要求信号と列車情報信号のフォーマ
ット説明図
【図5】図3の地上通信装置による通信処理のフローチ
ャート
【図6】図2の車上通信装置による通信処理のフローチ
ャート
【図7】図5の地上通信処理における列車番号を含む送
信要求処理のフローチャート
【図8】図7の送信要求に対する図6の送信要求応答処
理のフローチャート
【図9】地上通信装置を常時受信状態として車上通信装
置から列車情報信号を送信する本発明の第2実施形態の
説明図
【図10】図9の車上通信装置による通信処理のフロー
チャート
【図11】図9の地上通信装置による通信処理のフロー
チャート
【図12】軌道回路からの接近検出信号により地上通信
装置から送信要求を行う本発明の第3実施形態の説明図
【図13】図12の地上通信装置のブロック図
【図14】図13の地上通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【図15】地上通信装置を複数設置した本発明の第4実
施形態の説明図
【図16】図15の地上通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【図17】車上通信装置で地上側から送られた情報を表
示する本発明の第5実施形態の説明図
【図18】図17の地上通信装置のブロック図
【図19】図18の地上通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【図20】図18の車上通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【図21】地上通信装置及び車上通信装置に加えて更に
地上固定通信装置を設けた本発明の第5実施形態の説明
【図22】図21の固定通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【図23】図21の車上通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【図24】駅などの拠点に設置した監視カメラの画像を
地上側から車上側に送信表示させる本発明の第7実施形
態の説明図
【図25】図24の固定通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【図26】図24の車上通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【図27】踏切・ポイント等の地上設備を監視制御する
本発明の第8実施形態の説明図
【図28】図27の地上通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【図29】図27の車上通信装置による通信処理のフロ
ーチャート
【符号の説明】
1,1A,1B:列車 2:軌道 3,3A,3B:閉塞区間 10:車上通信装置 12,12A,12B:地上通信装置 14,26:制御部 16,28:無線部 18,30:アンテナ 20,32:メモリ 22,42:情報設定部 24,44:I/F部 34:表示部 36:警報発生部 38:軌道回路 40:接点入力部 42:情報設定部 46:固定通信装置 48:駅(拠点) 50:指令室装置 52:監視カメラ 54:踏切制御装置 56:踏切 60,70:ヘッダ 62,72:データ 64,74:ECCコード(エラー検出訂正コード) 66:起動情報 68,76:列車番号(アドレス) 78:列車情報
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 雅彦 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内 (72)発明者 渡邊 冬樹 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内 (72)発明者 澤田 智之 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内 (72)発明者 村瀬 徹哉 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内 (72)発明者 加川 一夫 大阪府大阪市北区芝田二丁目4番24号 西 日本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 中島 康仁 大阪府大阪市北区堂山町1番5号 高圧ガ ス工業株式会社内 (72)発明者 木村 秀成 大阪府大阪市北区堂山町1番5号 高圧ガ ス工業株式会社内 Fターム(参考) 5H115 PA08 PC02 PG01 QN03 SJ07 SJ09 SL01 SL06 TD09 TD20 TZ07 5H161 AA01 BB03 CC11 CC13 DD02 DD20 DD21 MM02 MM12 NN02 NN10 NN11 5K067 AA21 AA35 BB21 BB41 DD13 DD23 DD24 EE02 EE10 FF02 FF20 FF23 FF27 HH23 KK15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】列車に設置され、外部に対し列車情報信号
    を送信する車上通信装置と、 地上側に設置され、前記列車が通信エリアに入った際に
    前記車上通信装置から送信された列車情報信号を受信し
    て前記列車の接近を含む列車情報を表示する地上通信装
    置とを備えた列車通信システムに於いて、 前記車上通信装置は、送受信を行う無線部と、車上通信
    装置の制御を行う制御部と、データを蓄えておくメモリ
    と、送信情報の設定を行う情報設定部又は外部装置との
    通信を行うインターフェース部を備え、 前記地上通信装置は、データの送受信を行う無線部と、
    地上通信装置の制御を行う制御部と、データを蓄えてお
    くメモリとを備えたことを特徴とする列車通信システ
    ム。
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