JP2001106019A - 衝突形態判別装置および乗員保護装置の起動装置 - Google Patents

衝突形態判別装置および乗員保護装置の起動装置

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JP2001106019A
JP2001106019A JP29073599A JP29073599A JP2001106019A JP 2001106019 A JP2001106019 A JP 2001106019A JP 29073599 A JP29073599 A JP 29073599A JP 29073599 A JP29073599 A JP 29073599A JP 2001106019 A JP2001106019 A JP 2001106019A
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勝次 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセット衝突の形態を迅速により正確に判
定する。 【解決手段】 車両の中央近傍に取り付けられたGセン
サからの減速度の所定時間内の平均減速度Gaveと、車
両の前方両サイドに取り付けられたGセンサのうち衝突
側のGセンサからの減速度のウェーブレット変換パワー
値Pとを演算し、演算した平均減速度Gaveおよびウェ
ーブレット変換パワー値Pのプロットが閾値曲線f
(G)のウェーブレット変換パワー値P軸側の領域に属
するときにオフセット衝突の形態としてODBであると
判定し、逆に平均減速度Gave軸側の領域に属するとき
にORBであると判定する。ウェーブレット変換パワー
値Pと平均減速度Gaveとの関係はORBとODBとで
顕著に異なるから、より正確に判定することができる。
また、ウェーブレット変換パワー値Pの演算の時間遅れ
は小さいから、迅速に判定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝突形態判別装置
および乗員保護装置の起動装置に関し、詳しくは、車両
の衝突の形態としてORBであるかODBであるかを判
別する衝突形態判別装置および車両に搭載された乗員保
護装置を起動する起動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載されたエアバック装置などの
乗員保護装置の起動装置は、衝突の形態に基づいて起動
タイミングの調整が行なわれている。衝突の形態として
は、車両の正面全面が衝突するフルラップ衝突や車両の
正面の片側が衝突するオフセット衝突、車両が所定の角
度をもって衝突する斜突などに分類される。フルラップ
衝突は、車両の全面全体が衝突する正突と、ポールに衝
突する例に見られるように車両の正面の略中央部が対象
物に衝突するポール衝突、トラックなどの後部の下にめ
り込むように衝突するアンダーライドなどに分類され
る。また、オフセット衝突は、変形しない硬い対象物に
衝突するORB(Offset Rigid Barrier)と、変形する
対象物に衝突するODB(Offset Deformable Barrie
r)とに分類される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした衝突の形態の
相違は、衝突の際の乗員の移動方向や移動量,移動のタ
イミングなどの相違として現われる場合が多いため、よ
り適切な乗員保護装置をより的確なタイミングで起動す
るために衝突の形態を判別し、これを用いることが考え
られている。衝突の形態を判別する装置の一つとして、
出願人は、車両の略中央部に配置されたGセンサ(フロ
アセンサ)により検出される減速度と、車両の前方左右
に配置されたGセンサ(サテライトセンサ)により検出
される減速度とに基づいてフルラップ衝突とオフセット
衝突とを有効に判別できる装置を提案している(特願平
8−326180号)。
【0004】本発明の衝突形態判別装置は、オフセット
衝突におけるORBとODBとを判別することを目的の
一つとする。また、本発明の衝突形態判別装置は、より
迅速にORBとODBとを判別することを目的の一つと
する。
【0005】本発明の乗員保護装置の起動装置は、衝突
の形態に対してより適正なタイミングで起動することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の衝突形態判別装置および乗員保護装置の起動装置
は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下
の手段を採った。
【0007】本発明の衝突形態判別装置は、車両の衝突
の形態としてORBであるかODBであるかを判別する
衝突形態判別装置であって、前記車両の略中央部に配置
され、該中央部の減速度を検出する中央部減速度検出手
段と、前記車両の左右の前方に各々配置され、該車両の
左右の前方の減速度を各々検出する左右減速度検出手段
と、前記中央部減速度検出手段により検出された減速度
の所定時間内における平均減速度を演算する平均減速度
演算手段と、前記左右減速度検出手段により検出された
減速度に基づいて衝突側を判定する衝突側判定手段と、
該衝突側と判定された左右減速度検出手段により検出さ
れた減速度に対してウェーブレット変換パワー値を演算
するパワー値演算手段と、該演算されたウェーブレット
変換パワー値と前記平均減速度演算手段により演算され
た平均減速度とに基づいて車両の衝突の形態としてOR
BであるかODBであるかを判定する衝突形態判定手段
とを備えることを要旨とする。
【0008】この本発明の衝突形態判別装置では、衝突
側判定手段が、車両の左右の前方に各々配置された左右
減速度検出手段により検出された車両の左右の前方の減
速度に基づいて衝突側を判定し、パワー値演算手段が、
衝突側と判定された左右減速度検出手段により検出され
た減速度に対してウェーブレット変換パワー値を演算す
る。平均減速度演算手段は、車両の略中央部に配置され
た中央部減速度検出手段により検出された車両の中央部
の減速度の所定時間内における平均減速度を演算する。
そして、衝突形態判定手段が、演算されたウェーブレッ
ト変換パワー値と平均減速度とに基づいて車両の衝突の
形態としてORBであるかODBであるかを判定する。
ここで、ORBは、車両の正面の片側が衝突するオフセ
ット衝突のうちの変形しない硬い対象物に衝突する形態
(Offset Rigid Barrier)を意味し、ODBは、オフセ
ット衝突のうちの変形する対象物に衝突する形態(Offs
etDeformable Barrier)を意味する。また、ウェーブレ
ット変換パワー値とは、積分の基底として複素関数を用
いてウェーブレット変換した際に、変換後の値の実数部
と虚数部の2乗和の平方根により計算されるものであ
る。
【0009】こうした本発明の衝突形態判別装置によれ
ば、ウェーブレット変換パワー値と平均減速度とに基づ
いて車両の衝突の形態がORBであるかODBであるか
を判定することができる。この結果、衝突の形態を判別
して乗員保護装置の起動する処理に役立てることができ
る。ウェーブレット変換パワー値の演算は、信号の検出
から演算のための遅れ時間が短いから、迅速に衝突の形
態を判別することができる。
【0010】本発明の衝突形態判別装置において、前記
パワー値演算手段は、前記衝突側と判定された左右減速
度検出手段により検出された減速度に対して積分の基底
として所定の複素関数を用いて積和演算する積和演算手
段を備え、該積和演算の結果の実数部と虚数部とに基づ
いて前記ウェーブレット変換パワー値を演算する手段で
あるものとすることもできる。ここで、「所定の複素関
数」は、実数部と虚数部をもつ複素関数に限られず、虚
数部が値0の実数部のみからなる関数、特に通常は複素
素関数として取り扱われる関数の実数部のみからなる関
数も含まれる。
【0011】また、本発明の衝突形態判別装置におい
て、前記衝突形態判定手段は、平均減速度が大きくなる
ほどウェーブレット変換パワー値が大きくなる閾値を有
し、前記パワー値演算手段により演算されたウェーブレ
ット変換パワー値が該ウェーブレット変換パワー値に対
応して前記平均減速度演算手段により演算された平均減
速度に対応する閾値より大きくなったときに衝突の形態
としてODBであると判定する手段であるものとするこ
ともできる。
【0012】本発明の乗員保護装置の起動装置は、車両
に搭載された乗員保護装置を起動する起動装置であっ
て、前記車両の略中央部に配置され、該中央部の減速度
を検出する中央部減速度検出手段と、前記車両の左右の
前方に各々配置され、該車両の左右の前方の減速度を各
々検出する左右減速度検出手段と、前記中央部減速度検
出手段により検出された減速度の所定時間内における平
均減速度を演算する平均減速度演算手段と、前記左右減
速度検出手段により検出された減速度に基づいて衝突側
を判定する衝突側判定手段と、該衝突側と判定された左
右減速度検出手段により検出された減速度に対してウェ
ーブレット変換パワー値を演算するパワー値演算手段
と、該演算されたウェーブレット変換パワー値と前記平
均減速度演算手段により演算された平均減速度とに基づ
いて閾値を設定する閾値設定手段と、前記中央部減速度
検出手段または前記左右減速度検出手段により検出され
た減速度が前記閾値設定手段により設定された閾値に至
ったとき、前記乗員保護装置を起動する起動手段とを備
えることを要旨とする。
【0013】この本発明の乗員保護装置の起動装置で
は、衝突側判定手段が、車両の左右の前方に各々配置さ
れた左右減速度検出手段により検出された車両の左右の
前方の減速度に基づいて衝突側を判定し、パワー値演算
手段が、衝突側と判定された左右減速度検出手段により
検出された減速度に対してウェーブレット変換パワー値
を演算する。平均減速度演算手段は、車両の略中央部に
配置された中央部減速度検出手段により検出された車両
の中央部の減速度の所定時間内における平均減速度を演
算する。そして、閾値設定手段が、演算されたウェーブ
レット変換パワー値と平均減速度とに基づいて閾値を設
定し、起動手段が、中央部減速度検出手段または左右減
速度検出手段により検出された減速度が設定された閾値
に至ったときに乗員保護装置を起動する。ここで、ウェ
ーブレット変換パワー値は、前述した本発明の衝突形態
判別装置における同語と同意である。
【0014】こうした本発明の乗員保護装置の起動装置
によれば、ウェーブレット変換パワー値と平均減速度と
に基づいて閾値を設定し、起動のタイミングを変更する
ことができる。前述の本発明の衝突形態判別装置で説明
したように、ウェーブレット変換パワー値と平均減速度
に基づいてORBであるかODBであるかを判定するこ
とができるから、この衝突形態の相違を閾値の設定に反
映し、起動のタイミングを変更するのである。また、本
発明の乗員保護装置の起動装置によれば、ウェーブレッ
ト変換パワー値の演算は、信号の検出から演算のための
遅れ時間が短いから、迅速に閾値の設定を行なうことが
できる。
【0015】本発明の乗員保護装置の起動装置におい
て、前記パワー値演算手段は、前記衝突側と判定された
左右減速度検出手段により検出された減速度に対して積
分の基底として所定の複素関数を用いて積和演算する積
和演算手段を備え、該積和演算の結果の実数部と虚数部
とに基づいて前記ウェーブレット変換パワー値を演算す
る手段であるものとすることもできる。
【0016】また、本発明の乗員保護装置の起動装置に
おいて、前記閾値設定手段は、平均減速度に対してウェ
ーブレット変換パワー値に複数の領域を有し、前記パワ
ー値演算手段により演算されたウェーブレット変換パワ
ー値および該ウェーブレット変換パワー値に対応して前
記平均減速度演算手段により演算された平均減速度が前
記複数の領域のいずれの領域に属するかを判定し、該判
定結果に基づいて閾値を設定する手段であるものとする
こともできる。ODBは、衝突の対象の硬さにより同じ
平均減速度であってもウェーブレット変換パワー値が異
なるものとなり、ORBに近いウェーブレット変換パワ
ー値をとる場合もある。したがって、複数の領域を用い
て閾値を設定することにより、明確にODBであるかO
RBであるかを判定しなくても、衝突の形態に対応する
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例である衝
突形態判別装置20の構成の概略を機能ブロックを用い
て示す構成図であり、図2は実施例の衝突形態判別装置
20のハード構成の概略を示す構成図であり、図3は実
施例の衝突形態判別装置20が車両10に搭載されてい
る様子を例示する説明図である。
【0018】実施例の衝突形態判別装置20は、図1お
よび図3に示すように、車両10の中央コンソール近傍
に取り付けられて減速度を検出するフロアセンサ22
と、車両10の左右のサイドメンバの前方にそれぞれ取
り付けられて減速度を検出する左右フロントセンサ2
4,26と、フロアセンサ22からの減速度と左右フロ
ントセンサ24,26からの減速度を入力する信号入力
部28と、フロアセンサ22からの信号の所定時間内の
平均減速度Gave(t)を演算する平均減速度演算部3
0と、左右フロントセンサ24,26からの信号に基づ
いて左右のどちら側が衝突したかを判定する衝突側判定
部32と、衝突側のフロントセンサからの減速度に対し
てウェーブレット変換パワー値P(t)を演算するパワ
ー値演算部34と、平均減速度Gave(t)とウェーブ
レット変換パワー値P(t)とに基づいて変形しない硬
い対象物に衝突するORB(Offset Rigid Barrier)で
あるか変形する対象物に衝突するODB(Offset Defor
mable Barrier)であるかを判定する衝突形態判定部3
6とを備える。
【0019】実施例の衝突形態判別装置20のハード構
成は、図2に示すように、フロアセンサ22と、左右フ
ロントセンサ24,26と、CPU42を中心として構
成されたマイクロコンピュータ40とにより構成されて
いる。マイクロコンピュータ40は、CPU42の他、
処理プログラムを記憶したROM44と、一時的にデー
タを記憶するRAM46と、入出力処理回路(I/O)
48とを備える。図1に例示する実施例の衝突形態判別
装置20の各部は、ROM44に記憶された処理プログ
ラムが起動されたときに、ソフトウエアとハードウエア
とが一体となって機能する。
【0020】信号入力部28は、フロアセンサ22およ
び左右フロントセンサ24,26からの減速度をそれぞ
れ所定のサンプリング周波数(例えば、2k[Hz]な
ど)でサンプリングする。そして、フロアセンサ22か
らの減速度Gが所定値(例えば、2Gや3Gなど)を越
えたときに、衝突の形態の判別をするべく衝突側判定部
32や平均減速度演算部30を機能させる。
【0021】平均減速度演算部30は、時刻tのときに
サンプリングされたフロアセンサ22からの減速度に対
して時刻tのサンプリング値を含めてそれ以前の10回
分のサンプリング値の平均を演算し、これを平均減速度
Gave(t)とする。
【0022】衝突側判定部32は、所定時間経過するま
での左右フロントセンサ24,26の信号に基づいて左
右どちら側が衝突したかを判定する。図4は、車両10
の左側を衝突部としたオフセット衝突の際のフロアセン
サ22および左右フロントセンサ24,26の減速度G
の時間変化の一例を示す説明図である。図示するよう
に、オフセット衝突では左右フロントセンサ24,26
からの減速度Gに大きな差違が生じるから、この減速度
Gの差違により衝突側を判定することができる。判定の
手法としては、衝突開始時刻t0から所定時間経過した
時刻t1における左右の減速度Gの大きさの比較による
ものや、衝突開始時刻t0から所定時間経過した時刻t
1までの左右の減速度Gの時間積分の大きさの比較によ
るものなどがある。
【0023】パワー値演算部34は、入力される信号の
ウェーブレット変換パワー値P(t)を演算する。図5
は、パワー値演算部34の構成の概略を示す構成図であ
る。図示するように、パワー値演算部34は、入力され
る時系列信号X(t)に対して積分の基底として所定の
複素関数を用いて積和演算を行なう積和演算部34a
と、積和演算の結果の実数部と虚数部とからウェーブレ
ット変換パワー値P(t)を計算するパワー値計算部3
4bとから構成されている。以下に、ウェーブレット変
換パワー値P(t)の計算について簡単に説明する。
【0024】時系列信号X(t)のウェーブレット変換
X(a,b)は、時間的にも周波数的にも局在した基本
ウェーブレット関数ψ(t)を用意し、これを次式
(1)に示すようにa倍スケール変換した後に原点をb
だけシフト変換(並行移動)して得られる相似関数の組
ψa,b(t)を基底関数とする式(2)に例示する展
開となる。なお、スケール変換パラメータaは、変換周
波数fに対して逆数に比例する関係を有している。
【0025】
【数1】
【0026】実施例では、基本ウェーブレット関数ψ
(t)として、実数部Rに対して虚数部Iがπ/2だけ
位相がずれた複素関数として次式(3)に示すGabo
r関数を用いた。ここで、式(3)中のωoは周波数f
によって定まる定数(ωo=2πf)であり、αも定数
である。
【0027】
【数2】
【0028】式(3)においてα=πとしたときのGa
bor関数の時間軸上の表現を図6に例示する。図示す
るように、Gabor関数は、時間軸上の−T〜Tの範
囲に局在しており、実数部と虚数部の波形の位相がπ/
2だけずれている。時系列信号X(t)に対するウェー
ブレット変換は、具体的には、スケール変換パラメータ
a(式(3)中ではωo)を適当に選択した関数と時系
列信号X(t)との積和演算となる。演算の区間として
は、波形が局在している範囲(図6中−T〜Tの範囲)
である。この範囲をウインドウと呼ぶ。
【0029】時系列信号X(t)のGabor関数によ
るウェーブレット変換X(a,b)は、Gabor関数
が複素関数であることから複素数になる。図7にウェー
ブレット変換X(a,b)の実数部Rと虚数部Iとパワ
ー値Pと位相θとの関係を示す。パワー値Pは次式
(4)により算出され、位相θは式(5)により求めら
れる。ここで、パワー値Pは、ウェーブレット変換X
(a,b)の便宜的な大きさを意味し、無次元量であ
る。また、位相θは、実数部Rと虚数部Iの大きさと符
号とにより0〜2πの範囲になる。
【0030】
【数3】
【0031】ウェーブレット変換パワー値P(t)を演
算するための時間遅れtdは、図6の波形から解るよう
に、時系列信号の波形がGabor関数の実数部Rの波
形と重なるときに演算に必要な時間(演算区間)の半
分、即ち周期Tとなる。例えば、変換周波数fが200
[Hz]のときには、5msecとなる。
【0032】衝突形態判定部36は、平均減速度演算部
30により演算された平均減速度Gave(t)とパワー
値演算部34により演算されたウェーブレット変換パワ
ー値P(t)との関係に基づいて衝突がORBであるか
ODBであるかを判定する。この判定は、ORBとOD
Bの平均減速度Gave(t)とウェーブレット変換パワ
ー値P(t)との関係が異なることに基づく。図8は、
ORBとODBの平均減速度Gave(t)とウェーブレ
ット変換パワー値P(t)との関係の一例を示す説明図
である。図示するように、ODBは、ORBに比して小
さな平均減速度Gave領域で大きなウェーブレット変換
パワー値Pを示す。これらORBとODBの平均減速度
Gave(t)とウェーブレット変換パワー値P(t)と
の関係は衝突の速度により図8中曲線が左右にズレる
が、この傾向については変化しない。したがって、低い
平均減速度Gaveの領域に閾値曲線(図8中の曲線f
(G))を描くことができ、計算した平均減速度Gave
(t)とウェーブレット変換パワー値P(t)との関係
が閾値曲線f(G)のいずれの領域に属するかにより、
オフセット衝突の形態としてORBであるかODBであ
るかを判別することができるのである。
【0033】次に、こうして構成された実施例の衝突形
態判別装置20の動作について図9に例示する衝突形態
判定処理ルーチンに基づいて説明する。このルーチン
は、信号入力部28によりフロアセンサ22からの減速
度が所定値(例えば、2Gや3Gなど)以上となったと
きに起動される。
【0034】この衝突形態判定処理ルーチンが実行され
ると、衝突形態判別装置20を構成するマイクロコンピ
ュータ40のCPU42は、まず、初期化処理を実行す
る(ステップS100)。この初期化処理は、例えば、
時刻tに値0を設定する処理や、前回このルーチンが実
行されたときに一時的に使用したRAM46の領域をリ
セットする処理,各種フラグをリセットする処理などが
含まれる。そして、第1の所定時間が経過するまで待っ
て(ステップS102)、左右フロントセンサ24,2
6からの減速度に基づいて左右のどちら側が衝突したか
を判定する処理を行なう(ステップS104)。ここ
で、第1の所定時間は、図4を用いて説明したように図
4中の時刻t1となる。なお、この時刻t1は、衝突側
の判定が可能な最も早い時刻に設定されるのが望まし
く、衝突形態判別装置20が搭載される車両による実験
などにより設定されるものである。
【0035】次に、時刻tをサンプリング周期Tsだけ
インクリメントし(ステップS106)、平均減速度G
ave(t)とウェーブレット変換パワー値P(t)とを
演算する(ステップS108,S110)。時刻tは、
ステップS100の初期化処理で値0が設定されるか
ら、始めてステップS106の処理を行なうときには、
時刻tはTsとなる。平均減速度Gave(t)およびウ
ェーブレット変換パワー値P(t)の演算手法について
は説明した。
【0036】続いて、演算した平均減速度Gave(t)
を用いて閾値Prefを導出する処理を行なう(ステップ
S112)。閾値Prefは、図8に例示した閾値曲線f
(G)に平均減速度Gave(t)を代入して得られるも
のである。なお、実施例では、閾値曲線f(G)を平均
減速度Gaveとウェーブレット変換パワー値Pとの関係
としてマップとして予めROM44に記憶しておき、平
均減速度Gaveが与えられると、このマップから平均減
速度Gaveに対応するウェーブレット変換パワー値Pを
閾値Prefとして導出するものとした。なお、閾値曲線
f(G)は、衝突形態判別装置20を搭載する車両によ
る衝突実験などにより定まるものである。
【0037】閾値Prefを導出すると、演算したウェー
ブレット変換パワー値P(t)と閾値Prefとを比較す
る(ステップS114)。ウェーブレット変換パワー値
P(t)が閾値Pref以上のときには、オフセット衝突
の形態としてODBであると判定して(ステップS12
0)、本ルーチンを終了する。一方、ウェーブレット変
換パワー値P(t)が閾値Prefより小さいときには、
第2の所定時間が経過しているか否かを判定し(ステッ
プS116)、第2の所定時間が経過していないときに
はステップS106の処理に戻り、第2の所定時間が経
過しているときには、オフセット衝突の形態としてOR
Bであると判定して(ステップS118)、本ルーチン
を終了する。ここで、第2の所定時間は、ORBである
かODBであるかを判定可能な時間として設定されると
共に判定に許容される時間として設定されるものであ
る。例えば、フロアセンサ22の減速度の波形の第1極
小値となる時間とすることもできる。
【0038】以上説明した実施例の衝突形態判別装置2
0によれば、オフセット衝突の形態としてORBである
かODBであるかを判定することができる。しかも、O
RBとODBとが顕著に異なる関係を示す平均減速度G
ave(t)とウェーブレット変換パワー値P(t)とに
より判定するから、より正確にORBであるかODBで
あるかを判定することができる。また、ウェーブレット
変換パワー値P(t)を演算するのに時間遅れは小さい
から、迅速に衝突の形態を判定することができる。この
結果、乗員保護装置の起動に資することができる。
【0039】実施例の衝突形態判別装置20では、閾値
曲線f(G)を滑らかな曲線として示したが、階段状に
設定するものとしてもよい。また、実施例では、ウェー
ブレット変換パワー値P(t)が閾値Pref以上となっ
たら直ちにODBであると判定したが、複数回ウェーブ
レット変換パワー値P(t)が閾値以上となったときに
ODBであると判定するものとしてもよい。
【0040】また、実施例の衝突形態判別装置20で
は、ウェーブレット変換パワー値P(t)の演算に所定
の複素関数として実数部Rに対して虚数部Iがπ/2だ
け位相がずれたGabor関数を用いたが、所定の複素
関数としては空間的に局在する関数であればよく、実数
部のみからなる関数、例えばGabor関数の実数部か
らなる関数などを用いるものとしてもよい。
【0041】さらに、実施例の衝突形態判別装置20で
は、単一の変換周波数の計算結果からウェーブレット変
換パワー値P(t)を求めたが、複数の変換周波数の計
算結果からそれぞれのウェーブレット変換パワー値Pn
(t)を求め、その和としてウェーブレット変換パワー
値P(t)を求めるものとしてもよい。m個の変換周波
数の計算結果からウェーブレット変換パワー値P(t)
を求める式を次式(6)に示す。
【0042】
【数4】
【0043】あるいは、実施例の衝突形態判別装置20
では、パワー値としてウェーブレット変換パワー値P
(t)を用いたが、ウェーブレット変換パワー値P
(t)に代えて減速度G(t)の短時間の実効値Pg
(t)を用いるものとしてもよい。この場合の実効値P
g(t)を算出する式を次式(7)に示す。なお、式
(7)中Δtは短時間、例えば2〜3msecなどとし
て設定されるものである。
【0044】
【数5】
【0045】次に、本発明の第2の実施例である乗員保
護装置の起動装置120について説明する。図10は第
2実施例の起動装置120の構成の概略を機能ブロック
として例示する構成図であり、図11は第2実施例の起
動装置120のハード構成の概略を示す構成図である。
図示するように、第2実施例の起動装置120は、第1
実施例の衝突形態判別装置20が備える衝突形態判定部
36を閾値設定部136に変更している点と起動部13
8および乗員保護装置150とを備える点とを除いて第
1実施例の衝突形態判別装置20と同一の構成をしてい
る。したがって、第2実施例の起動装置120の構成の
うち第1実施例の衝突形態判別装置20の構成と同一の
構成についての説明は省略する。なお、同一の構成につ
いては、100を加えた符号が付してある。
【0046】第2実施例の起動装置120のハード構成
は、図11に示すように、フロアセンサ122と、左右
フロントセンサ124,126と、CPU142を中心
として構成されたマイクロコンピュータ140とにより
構成されており、マイクロコンピュータ140からの起
動信号が乗員保護装置150に出力されるようになって
いる。マイクロコンピュータ140は、CPU142の
他、処理プログラムを記憶したROM144と、一時的
にデータを記憶するRAM146と、入出力処理回路
(I/O)148とを備える点も第1実施例の衝突形態
判別装置20と同様であり、図10に例示する第2実施
例の起動装置120の各部が、ROM144に記憶され
た処理プログラムが起動されたときに、ソフトウエアと
ハードウエアとが一体となって機能する点も同様であ
る。
【0047】乗員保護装置150は、実施例ではエアバ
ック装置であり、エアバック152と、このエアバック
152にガスを供給する2個のインフレータ154と、
図示しないガス発生剤に点火する点火装置156と、マ
イクロコンピュータ140からの起動信号に基づいて点
火装置156に通電して点火する駆動回路158とを備
える。2個のインフレータ154を備えるのは、2個の
インフレータ154を同時に作動させてエアバック15
2を高速で膨張させる高速膨張と、2個のインフレータ
154を時間差をもって作動させてエアバック152を
低速で膨張させる低速膨張とを行なうためである。この
高速膨張と低速膨張との選択は、衝突の形態などにより
設定される。
【0048】第2実施例の起動装置120における閾値
設定部136では、平均減速度Gaveに対するウェーブ
レット変換パワー値Pに3つの領域を設定し、平均減速
度演算部130および閾値設定部136により演算され
た平均減速度Gave(t)およびウェーブレット変換パ
ワー値P(t)がどの領域に属するかに基づいて異なる
閾値を設定する。図12は、平均減速度Gaveに対する
ウェーブレット変換パワー値Pの領域を例示する説明図
である。図中、曲線f1,f2が領域設定曲線である。
この領域設定曲線f1,f2は、第1実施例で図8を用
いて説明した閾値曲線f(G)と同様なものである。2
本の曲線を用いているのは、衝突の対象物の硬さによっ
てODBでもORBに近い傾向を示すときがあり、この
傾向を考慮して段階的に閾値を設定するためである。し
たがって、第2実施例の起動装置120では、オフセッ
ト衝突としてORBであるかODBであるかを明確に判
定する必要がない。
【0049】図13は、平均減速度Gave(t)および
ウェーブレット変換パワー値P(t)の各領域に対応す
る閾値G1,G2,G3を例示する説明図である。この
閾値G1,G2,G3は、フロアセンサ122からの減
速度のサンプリング開始時刻t0からの時間積分値Vn
に対するフロアセンサ122の減速度の所定時間(例え
ば、10msec)内の時間積分値V10に対して設定
されるものである。この閾値G1,G2,G3は、起動
装置120が搭載される車両による衝突実験などにより
設定されるものである。なお、サンプリング開始時刻t
0からの減速度の時間積分値Vnは次式(8)により、
減速度の10msec内の時間積分値V10は式(9)
により演算される。
【0050】
【数6】
【0051】起動部138は、フロアセンサ122から
の減速度Gに対して上述の式(8)および式(9)を演
算し、Vnに対するV10が閾値設定部136により設
定された閾値(G1,G2,G3のいずれか)が上回っ
たときに乗員保護装置150の起動を判定すると共に衝
突の形態や衝突の激しさなどに応じて高速膨張か低速膨
張かを判定して、乗員保護装置150の駆動回路158
に起動信号を出力する。
【0052】次に、こうして構成された第2実施例の起
動装置120の動作、特に閾値の設定動作について図1
4に例示する閾値設定処理ルーチンに基づき説明する。
このルーチンは、信号入力部128によりフロアセンサ
122からの減速度が所定値(例えば、2Gや3Gな
ど)以上となったときに起動される。このルーチンのス
テップS200〜S210の処理は、図9に例示した衝
突形態判定処理ルーチンにおけるステップS100〜S
110の処理と同一であるから、説明の重複を避けるた
め、これらの処理の説明については省略する。
【0053】閾値設定処理ルーチンにおいて、平均減速
度Gave(t)やウェーブレット変換パワー値P(t)
が演算されると(ステップS208,S210)、演算
した平均減速度Gave(t)に基づいてウェーブレット
変換パワー値Pの領域の境をなす領域境界値P1,P2
を導出する(ステップS212)。領域境界値P1,P
2は、図12に例示した領域設定曲線f1,f2にそれ
ぞれ平均減速度Gave(t)を代入して得られるもので
ある。なお、第2実施例では、領域設定曲線f1,f2
を平均減速度Gaveとウェーブレット変換パワー値Pと
の関係としてそれぞれマップとして予めROM144に
記憶しておき、平均減速度Gaveが与えられると、これ
らのマップから平均減速度Gaveに対応するそれぞれの
ウェーブレット変換パワー値Pを領域境界値P1,P2
として導出するものとした。なお、領域設定曲線f1,
f2は、起動装置120を搭載する車両による衝突実験
などにより定まるものである。
【0054】続いて、演算したウェーブレット変換パワ
ー値P(t)を導出した領域境界値P1,P2と比較す
る(ステップS214)。ウェーブレット変換パワー値
P(t)が領域境界値P2より大きいときには、オフセ
ット衝突の形態としてODBの傾向が強いと判定し、V
nに対するV10の初期の閾値が低い閾値G1を設定し
(ステップS216)、ウェーブレット変換パワー値P
(t)が領域境界値P1,P2の間に属するときには、
オフセット衝突の形態としてODBとORBとの中間的
な傾向を有すると判定し、Vnに対するV10の初期の
閾値が中位の閾値G2を設定し(ステップS218)、
ウェーブレット変換パワー値P(t)が領域境界値P1
未満のときには、衝突の形態としてORBの傾向が強い
と判定し、Vnに対するV10の初期の閾値が高い閾値
G3を設定する(ステップS220)。ここで、閾値G
1,G2,G3は、起動装置120が搭載される車両に
よる衝突実験などにより設定されるものである。こうし
て閾値が設定されると、起動部138は、この設定され
た閾値に基づいて乗員保護装置150の駆動回路158
に起動信号を出力する。
【0055】そして、第2の所定時間を経過したかを判
定し(ステップS222)、経過していないときには、
ステップS206の処理に戻り、経過しているときに
は、本ルーチンを終了する。なお、第2の所定時間につ
いても第1実施例で説明した第2の所定時間と同様であ
る。
【0056】以上説明した第2実施例の乗員保護装置の
起動装置120によれば、オフセット衝突の形態の傾向
に基づいて起動の閾値を変更することができる。この結
果、より適切なタイミングで乗員保護装置150を起動
することができる。しかも、ORBとODBとが顕著に
異なる関係を示す平均減速度Gave(t)とウェーブレ
ット変換パワー値P(t)とにより衝突の形態の傾向を
判定するから、より正確に衝突の形態の傾向を判定する
ことができる。また、ウェーブレット変換パワー値P
(t)を演算するのに時間遅れは小さいから、迅速に衝
突の形態の傾向を判定し、その結果を乗員保護装置15
0の起動に役立てることができる。
【0057】第2実施例の乗員保護装置の起動装置12
0では、平均減速度Gaveとウェーブレット変換パワー
値Pとの関係に2本の領域設定曲線f1,f2を用いた
が、領域設定曲線は1本でもよく或いは3本以上でもよ
い。また、領域設定曲線f1,f2を滑らかな曲線とし
たが、階段状のものとしてもよい。
【0058】第2実施例の乗員保護装置の起動装置12
0では、第2の所定時間が経過するまで繰り返し閾値の
設定処理を行なったが、所定の時間のときにのみ閾値の
設定を行なうものとしてもよい。また、第2実施例の乗
員保護装置の起動装置120では、繰り返し処理毎に閾
値の設定を行なうものとしたが、閾値G2が設定された
らその後は閾値G1を設定できず、閾値G3が設定され
たらその後は閾値G1,G2を設定できないものとした
り、その逆に閾値G2が設定されたらその後は閾値G3
を設定できず、閾値G1が設定されたらその後は閾値G
2,G3を設定できないものとしてもよい。
【0059】第2実施例の乗員保護装置の起動装置12
0では、乗員保護装置150としてエアバック装置を用
いたが、サイドバック装置など他の乗員保護装置に適用
するものとしてもよい。
【0060】第2実施例の乗員保護装置の起動装置12
0では、オフセット衝突の形態との関係で閾値を設定す
るものとして説明したが、フルラップ衝突の形態との関
係で閾値を設定するものや斜突の形態との関係で閾値を
設定するものなどと組み合わせる構成としてもよいのは
勿論である。乗員保護装置の起動は、これら全体の判定
により行なわれるものだからである。
【0061】以上、本発明の実施の形態について実施例
を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である衝突形態判別装置2
0の構成の概略を機能ブロックを用いて示す構成図であ
る。
【図2】 実施例の衝突形態判別装置20のハード構成
の概略を示す構成図である。
【図3】 実施例の衝突形態判別装置20が車両10に
搭載されている様子を例示する説明図である。
【図4】 車両10の左側を衝突部としたオフセット衝
突の際のフロアセンサ22および左右フロントセンサ2
4,26の減速度Gの時間変化の一例を示す説明図であ
る。
【図5】 パワー値演算部34の構成の概略を示す構成
図である。
【図6】 Gabor関数の時間軸上の表現を例示する
説明図である。
【図7】 ウェーブレット変換X(a,b)の実数部R
と虚数部Iと大きさPと位相θとの関係を示す説明図で
ある。
【図8】 ORBとODBの平均減速度Gave(t)と
ウェーブレット変換パワー値P(t)との関係の一例を
示す説明図である。
【図9】 実施例の衝突形態判別装置20により実行さ
れる衝突形態判定処理ルーチンの一例を示すフローチャ
ートである。
【図10】 第2実施例の起動装置120の構成の概略
を機能ブロックとして例示する構成図である。
【図11】 第2実施例の起動装置120のハード構成
の概略を示す構成図である。
【図12】 平均減速度Gaveに対するウェーブレット
変換パワー値Pの領域を例示する説明図である。
【図13】 平均減速度Gave(t)およびウェーブレ
ット変換パワー値P(t)の各領域に対応する閾値G
1,G2,G3を例示する説明図である。
【図14】 第2実施例の起動装置120により実行さ
れる閾値設定処理ルーチンの一例を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
10 車両、20 衝突形態判別装置、22,122
フロアセンサ、24,124 左フロントセンサ、2
6,126 右フロントセンサ、28,128信号入力
部、30,130 平均減速度演算部、32,132
衝突側判定部、34,134 パワー値演算部、34a
積和演算部、34b パワー値計算部、36 衝突形
態判定部、40,140 マイクロコンピュータ、4
2,142CPU、44,144 ROM、46,14
6 RAM、48,148 入出力処理回路、120
乗員保護装置の起動装置、136 閾値設定部、138
起動部、150 乗員保護装置、152 エアバック、
154 インフレータ、156 点火装置、158 駆
動回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊豫田 紀文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大嶋 満寿治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3D054 DD28 EE06 EE14 EE18 EE30 EE44 EE60 FF20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の衝突の形態としてORBであるか
    ODBであるかを判別する衝突形態判別装置であって、 前記車両の略中央部に配置され、該中央部の減速度を検
    出する中央部減速度検出手段と、 前記車両の左右の前方に各々配置され、該車両の左右の
    前方の減速度を各々検出する左右減速度検出手段と、 前記中央部減速度検出手段により検出された減速度の所
    定時間内における平均減速度を演算する平均減速度演算
    手段と、 前記左右減速度検出手段により検出された減速度に基づ
    いて衝突側を判定する衝突側判定手段と、 該衝突側と判定された左右減速度検出手段により検出さ
    れた減速度に対してウェーブレット変換パワー値を演算
    するパワー値演算手段と、 該演算されたウェーブレット変換パワー値と前記平均減
    速度演算手段により演算された平均減速度とに基づいて
    車両の衝突の形態としてORBであるかODBであるか
    を判定する衝突形態判定手段とを備える衝突形態判別装
    置。
  2. 【請求項2】 前記パワー値演算手段は、前記衝突側と
    判定された左右減速度検出手段により検出された減速度
    に対して積分の基底として所定の複素関数を用いて積和
    演算する積和演算手段を備え、該積和演算の結果の実数
    部と虚数部とに基づいて前記ウェーブレット変換パワー
    値を演算する手段である請求項1記載の衝突形態判別装
    置。
  3. 【請求項3】 前記衝突形態判定手段は、平均減速度が
    大きくなるほどウェーブレット変換パワー値が大きくな
    る閾値を有し、前記パワー値演算手段により演算された
    ウェーブレット変換パワー値が該ウェーブレット変換パ
    ワー値に対応して前記平均減速度演算手段により演算さ
    れた平均減速度に対応する閾値より大きくなったときに
    衝突の形態としてODBであると判定する手段である請
    求項1または2記載の衝突形態判別装置。
  4. 【請求項4】 車両に搭載された乗員保護装置を起動す
    る起動装置であって、 前記車両の略中央部に配置され、該中央部の減速度を検
    出する中央部減速度検出手段と、 前記車両の左右の前方に各々配置され、該車両の左右の
    前方の減速度を各々検出する左右減速度検出手段と、 前記中央部減速度検出手段により検出された減速度の所
    定時間内における平均減速度を演算する平均減速度演算
    手段と、 前記左右減速度検出手段により検出された減速度に基づ
    いて衝突側を判定する衝突側判定手段と、 該衝突側と判定された左右減速度検出手段により検出さ
    れた減速度に対してウェーブレット変換パワー値を演算
    するパワー値演算手段と、 該演算されたウェーブレット変換パワー値と前記平均減
    速度演算手段により演算された平均減速度とに基づいて
    閾値を設定する閾値設定手段と、 前記中央部減速度検出手段または前記左右減速度検出手
    段により検出された減速度が前記閾値設定手段により設
    定された閾値に至ったとき、前記乗員保護装置を起動す
    る起動手段とを備える起動装置。
  5. 【請求項5】 前記パワー値演算手段は、前記衝突側と
    判定された左右減速度検出手段により検出された減速度
    に対して積分の基底として所定の複素関数を用いて積和
    演算する積和演算手段を備え、該積和演算の結果の実数
    部と虚数部とに基づいて前記ウェーブレット変換パワー
    値を演算する手段である請求項4記載の起動装置。
  6. 【請求項6】 前記閾値設定手段は、平均減速度に対し
    てウェーブレット変換パワー値に複数の領域を有し、前
    記パワー値演算手段により演算されたウェーブレット変
    換パワー値および該ウェーブレット変換パワー値に対応
    して前記平均減速度演算手段により演算された平均減速
    度が前記複数の領域のいずれの領域に属するかを判定
    し、該判定結果に基づいて閾値を設定する手段である請
    求項5記載の起動装置。
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CN103512721A (zh) * 2013-09-03 2014-01-15 中国汽车技术研究中心 一种提高偏置碰撞台车试验模拟精度的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7353087B2 (en) 2003-07-24 2008-04-01 Denso Corporation Collision object discrimination apparatus for vehicles
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CN103512721B (zh) * 2013-09-03 2016-03-02 中国汽车技术研究中心 一种提高偏置碰撞台车试验模拟精度的方法

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