JP2001030873A - 乗員保護装置の起動制御装置 - Google Patents

乗員保護装置の起動制御装置

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JP2001030873A
JP2001030873A JP2000199220A JP2000199220A JP2001030873A JP 2001030873 A JP2001030873 A JP 2001030873A JP 2000199220 A JP2000199220 A JP 2000199220A JP 2000199220 A JP2000199220 A JP 2000199220A JP 2001030873 A JP2001030873 A JP 2001030873A
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control device
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Hiroshi Tanaka
博 田中
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の衝突形態を的確に判別し、判別結果に応
じて乗員保護装置を適切に起動させ得る起動制御装置を
得る。 【解決手段】車両のキャビンのフロアにフロアセンサ3
2を、車両前部の左右,上下等の複数箇所にサテライト
センサ30を設ける。それらセンサ30,32は車両前
後方向の加速度を連続的な値として出力する加速度セン
サとし、それらの測定値に基づいて、衝突形態判別部4
1により、車両前部の複数箇所のフロアに対する相対加
速度,相対速度,相対移動量の差或いは比を演算し、そ
の演算結果に基づいて衝突形態を判別する。その判別結
果に応じて、閾値決定部42により閾値を決定し、その
決定した閾値を、フロアセンサの測定値に基づく演算値
が越えたとき、エアバッグ装置36等の乗員保護装置を
起動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両が衝突した際に車
両内の乗員を保護するエアバック装置等の乗員保護装置
の起動を制御するための起動制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】乗員保護装置の起動を制御する装置とし
ては、例えば、エアバック装置におけるスクイブの点火
を制御する装置などがある。エアバック装置では、イン
フレータ内においてスクイブによりガス発生剤に点火し
て、インフレータよりガスを発生させ、そのガスによっ
てバックを膨らませて、衝突時に乗員を保護している。
【0003】このようなエアバック装置のスクイブの点
火を制御する装置では、通常、車両に加わる衝撃を衝撃
測定手段である加速度センサによって減速度として検出
し、その検出された減速度を基にして演算値を求め、そ
の演算値を予め設定された閾値と大小比較して、その比
較結果に基づいてスクイブの点火制御を行っている。加
速度センサは従来では車両内において1箇所配設されて
おり、通常は車両内のフロアトンネル上に取り付けられ
ている。以下、このようなフロアトンネル上に取り付け
られた加速度センサをフロアセンサという。
【0004】上記閾値は、エアバック装置を起動するに
及ばない程度の衝撃が車両に加わった際に、フロアセン
サによって検出される減速度を基にして得られる演算値
のうち、最大の値よりも大きな値に設定されている。
【0005】しかし一般に、車両の衝突形態は、衝突の
仕方や衝突の方向や衝突対象物の種類などによって、大
きくは図2に示すように、正突、斜突、ポール衝突、オ
フセット衝突、アンダーライド衝突などに分類される。
もちろんこれらの衝突においては、例えば斜突について
は斜突角度、オフセット衝突についてはオフセット率等
というように更に詳細な衝突形態に分類される。このう
ち、正突の際には、車両は左右サイドメンバ2本で衝突
による衝撃を受けるため、衝突後の所定時間内におい
て、フロアセンサの取り付けられているフロアトンネル
上には多大な減速度が生じるが、正突以外の衝突の際に
は、そのような衝撃の受け方をしないため、衝突後の所
定時間内において、フロアトンネル上にはそれほど大き
な減速度は生じない。従って、フロアセンサは、衝突後
の所定時間内において、正突の場合は衝撃を比較的検出
しやすいが、正突以外の衝突の場合は衝撃を検出しにく
いことになる。
【0006】このため、上記した閾値は、主として、正
突の際に検出される減速度に基づいて設定される。即
ち、閾値は、正突によって、エアバック装置を起動する
に及ばない程度の衝撃が車両に加わった際に、フロアセ
ンサによって検出される減速度から得られる演算値を基
にして設定される。
【0007】しかし、このように、閾値を、正突の際に
検出される減速度に基づいて設定すると、閾値自体も比
較的大きな値となる。これに対し、正突以外の衝突の場
合、上記したように、フロアセンサは、衝突後の所定時
間内において衝撃を検出しにくいため、衝突の際に得ら
れた減速度信号をDSP(ディジタル・シグナル・プロ
セッサ)を用いてフーリエ変換することにより、特定周
波数成分の特徴を検出して、正突以外の衝突(オフセッ
ト衝突等)を検出する必要がある。係る場合には、DS
P等の装置が必要であり、また、処理能力の高いコンピ
ュータを使用する必要があるので、コストがかかってし
まうという問題がある。
【0008】このような問題を解決するための乗員保護
装置の起動制御装置として、例えば本願先願に係る特願
平8−326180号明細書(特開平10−15201
4号公報)に開示されるものがある。係る先願において
は、車両の前後方向の減速度を測定する加速度センサで
あるフロアセンサを車両内における所定の位置に配設す
ると共に、車両に所定の基準値以上の衝撃が加わったか
否かを検出する衝撃検出手段としての二つのサテライト
センサをフロアセンサよりも車両内前方の左右に配設す
る。起動制御手段は、フロアセンサによる測定値を基に
して得られる値と、一方のサテライトセンサのみにより
基準値以上の衝撃が加わったことが検出された場合に変
更される変化パターンに従って変化する閾値とを比較
し、その比較結果に基づいて乗員保護装置の起動を制御
する。これにより、乗員保護装置を起動する必要のある
衝撃を及ぼし且つ、衝撃測定手段(フロアセンサ)によ
ってはその衝撃を検出しにくいような衝突形態であって
も、乗員保護装置を簡単な構成(低コスト)で確実に起
動させることができる乗員保護装置の起動制御装置が得
られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
願に係る乗員保護装置の起動制御装置における衝撃検出
手段のサテライトセンサは、車両に所定基準値以上の減
速度が加わった場合に内部のスイッチがオンすることに
より閾値の変化パターンを変更する信号を出力する構成
であるため、衝撃検出手段が検出する減速度の所定基準
値の前後で閾値の変化パターンが変更されてしまい、乗
員保護装置の起動を必要な時のみに確実に行うためには
車両への衝撃検出手段の位置設定や閾値の変化パターン
の設定が難しいといった問題がある。
【0010】衝突形態が正突に近いオフセット衝突(8
0%オフセット衝突とする)である場合を例として説明
する。図3に示されるように、右衝撃検出手段30R、
左衝撃検出手段30Lの車両46内の位置が(a)のよ
うに車両46最外側に二つの場合では、衝撃測定手段3
0Rのオン信号により閾値変化パターンが変更され、
(b)のように両衝撃検出手段30R、30Lの車両4
6内の位置が(a)よりは内側よりの場合では、両側の
衝撃検出手段30R、30Lがオンするためオフセット
衝突であると判別されず閾値変化パターンの変更は行わ
れない。すなわちこの時の衝撃測定手段32が測定した
測定値では乗員保護装置の起動が行われない場合には、
(a)においては閾値が変更される、すなわち低下する
ことにより乗員保護装置は起動され、(b)においては
閾値が変化しないため起動されないままである。これは
乗員保護装置の起動が衝撃検出手段30R、30Lの位
置設定に依存してしまう(オン信号を出力するための減
速度基準値にも依存する)ことを示唆しており、すなわ
ち必要な時のみに確実に乗員保護装置を起動させるため
には衝撃検出手段30R、30Lの位置設定(若しくは
減速度基準値、起動閾値)に際しては車種等により、厳
密な検討が必要であり、必ずしも起動制御装置の汎用性
は高いとは言えない。係る問題は衝撃検出手段30R、
30Lが所定の基準値以上の衝撃が加わったか否かを検
出するものに過ぎないことより車両の衝突形態について
十分な情報が得られないことが原因である。
【0011】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、本発明が解決しようとする課題は、複数
の衝撃測定手段の測定値に基づいて車両の衝突形態を精
確に判別し、その衝突形態に応じて乗員保護装置の起動
感度を変更することにより、車種等に対する乗員保護装
置の起動制御装置のチューニングを容易にすることにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成す
るために、請求項1記載の発明は、車両のキャビンのフ
ロアに配設された基準加速度センサから出力された測定
値に基づいて、車両に搭載された乗員保護装置の起動を
制御する乗員保護装置の起動制御装置を、(1)車両の前
記基準加速度センサより前方の互いに異なる複数の位置
に配設された複数の補助加速度センサと、(2) それら複
数の補助加速度センサから出力された複数の測定値にそ
れぞれ基づく複数の値に基づいて車両の衝突形態を判別
する衝突形態判別手段と、(3) その衝突形態判別手段に
より判別された衝突形態に応じて、当該起動制御装置の
起動感度若しくは前記基準加速度センサの測定感度を変
更する感度変更手段とを備えたものとしたことを特徴と
する。
【0013】また、請求項2記載の発明は、車両のキャ
ビンのフロアに配設された基準加速度センサから出力さ
れた測定値に基づいて、車両に搭載された乗員保護装置
の起動を制御する乗員保護装置の起動制御装置を、(1)
車両の前記基準加速度センサより前方の互いに異なる複
数の位置に配設された複数の補助加速度センサと、(2)
前記基準加速度センサから出力された測定値と前記複数
の補助加速度センサから出力された複数の測定値の各々
とに基づく複数の値に基づいて、車両の衝突形態を判別
する衝突形態判別手段と、(3) その衝突形態判別手段に
より判別された衝突形態に応じて、当該起動制御装置の
起動感度若しくは前記基準加速度センサの測定感度を変
更する感度変更手段とを備えたものとしたことを特徴と
する。
【0014】さらに、請求項3記載の発明は、車両のキ
ャビンのフロアに配設された基準加速度センサから出力
された測定値に所定の演算を施した演算値と所定の閾値
とを比較することにより、車両に搭載された乗員保護装
置の起動を制御する乗員保護装置の起動制御装置であっ
て、(1) 車両の前記基準加速度センサより前方の互いに
異なる複数の位置に配設された複数の補助加速度センサ
と、(2) 予め定められた初期閾値関数によって表される
初期閾値を、前記複数の補助加速度センサから出力され
た複数の測定値にそれぞれ基づく複数の値に基づいて変
更する閾値変更手段とを備えたものとしたことを特徴と
する。上記閾値変更手段を、複数の補助加速度センサで
あって横方向または上下方向に互いに隔たった二位置に
配設されたものによる各測定値と、基準加速度センサに
よる測定値との差を時間に関して少なくとも一回ずつ積
分した値同士の差の絶対値が大きい場合に、小さい場合
に比較して、初期閾値の低下量を大きくするものとする
ことができる。閾値変更手段はまた、複数の補助加速度
センサであって横方向または上下方向に互いに隔たった
二位置に配設されたものによる各測定値を少なくとも一
回ずつ積分した値同士の差の絶対値が大きい場合に、小
さい場合に比較して、初期閾値の低下量を大きくするも
のとすることもできる。さらに、複数の補助加速度セン
サであって横方向または上下方向に互いに隔たった二位
置に配設されたものによる各測定値と、基準加速度セン
サによる測定値との差を時間に関して少なくとも一回ず
つ積分した値同士の比に基づいて初期閾値を変更するも
のとしたり、複数の補助加速度センサであって横方向ま
たは上下方向に互いに隔たった二位置に配設されたもの
による各測定値と、基準加速度センサによる測定値との
差を時間に関して少なくとも一回ずつ積分した値同士の
比の対数の絶対値が大きい場合に、小さい場合に比較し
て、初期閾値の低下量を大きくするものとすることもで
きる。
【0015】請求項8記載の発明は、車両のキャビンの
フロアに配設された基準加速度センサから出力された測
定値に所定の演算を施した演算値と所定の閾値とを比較
することにより、車両に搭載された乗員保護装置の起動
を制御する乗員保護装置の起動制御装置であって、(1)
車両の前記基準加速度センサより前方の互いに異なる複
数の位置に配設された複数の補助加速度センサと、(2)
予め定められた初期閾値関数によって表される初期閾値
を、前記複数の補助加速度センサから出力された複数の
測定値の関数で表される閾値変化関数だけ変化させるこ
とにより前記閾値を決定する閾値決定手段とを備えたも
のとしたことを特徴とする。閾値変更手段に関する上記
説明は閾値決定手段にも当てはまる。
【0016】請求項1ないし8のいずれかに記載の乗員
保護装置の起動制御装置において、複数の補助加速度セ
ンサから出力された測定値に基づく値を、測定値を時間
に関して二回積分した値とすることができる。請求項1
ないし9のいずれかに記載の乗員保護装置の起動制御装
置において、複数の補助加速度センサを前記基準加速度
センサの左斜め前方と右斜め前方とに配設することがで
きる。請求項10に記載の乗員保護装置の起動制御装置
において、複数の補助加速度センサを、車両の左右のサ
イドメンバの各前部に配設することができる。請求項1
ないし11のいずれかに記載の乗員保護装置の起動制御
装置において、複数の補助加速度センサを上下方向に隔
たった複数の位置に配設することができる。請求項3な
い8のいずれかに記載の乗員保護装置の起動制御装置に
おいて、初期閾値関数を、基準加速度センサによる測定
値の一回積分の関数とすることができる。
【0017】
【発明の作用と効果】(1)請求項1に係る発明は、車
両のキャビンのフロアに配設された基準加速度センサか
ら出力された測定値に基づいて、車両の乗員保護装置の
起動を制御する起動制御装置において、衝突形態判別手
段が、基準加速度センサとは異なる複数の補助加速度セ
ンサから出力された測定値にそれぞれ基づく複数の値に
基づいて車両の衝突形態を判別し、その判別された衝突
形態に応じて、感度変更手段が、当該起動制御装置の起
動感度若しくは基準加速度センサの測定感度を変更する
ようにしたものであるので、乗員保護装置の、衝突形態
に応じた適切な起動制御を行うことが可能となる効果が
得られる。また、キャビンのフロアより前方の複数の位
置について従来より詳細な衝撃情報が得られるため、乗
員保護装置の一層適切な起動制御を行うことが可能とな
る効果が得られる。さらに、車種等に対する乗員保護装
置の起動制御装置のチューニングに際しては、起動制御
装置の起動感度若しくは基準加速度センサの測定感度の
衝突形態に対する可変仕様を設定するだけで良く、衝撃
測定手段の厳密な位置設定は不要になり、チューニング
が容易になる効果も得られる。 (2)請求項2に係る発明は、車両のキャビンのフロア
に配設された基準加速度センサから出力された測定値に
基づいて、車両の乗員保護装置の起動を制御する起動制
御装置において、衝突形態判別手段が、基準加速度セン
サから出力された測定値と複数の補助加速度センサから
出力された各測定値とに基づく複数の値に基づいて車両
の衝突形態を判別し、その判別された衝突形態に応じ
て、感度変更手段が、当該起動制御装置の起動感度若し
くは基準加速度センサの測定感度を変更するようにした
ものであるので、請求項1に係る発明におけると同様
に、乗員保護装置の、衝突形態に応じた適切な起動制御
を行い得る効果、およびチューニングが容易になる効果
が得られるとともに、車両のキャビンのフロアの衝撃情
報と、補助加速度センサが配設された車両前方の複数位
置の衝撃情報とから、車両の衝突形態についてより詳細
な情報が得られるので、乗員保護装置の一層適切な起動
制御を行うことが可能となる効果が得られる。 (3)請求項3に係る発明は、車両の乗員保護装置の起
動を制御する起動制御装置を、閾値変更手段を備え、そ
の閾値変更手段により変更された閾値と、車両のキャビ
ンのフロアに配設された基準加速度センサから出力され
た測定値に所定の演算を施した演算値とを比較すること
により、乗員保護装置の起動を制御するものとするとと
もに、閾値変更手段を、予め定められた初期閾値関数に
よって表される初期閾値を、車両の基準加速度センサよ
り前方の互いに異なる複数の位置に配設された複数の補
助加速度センサから出力された複数の測定値にそれぞれ
基づく複数の値に基づいて変更するものとしたものであ
るため、例えば、当該起動制御装置を設置しようとする
車両についての衝突実験の結果に基づいて初期閾値関数
を決定することによって、その車両に適した制御特性の
起動制御装置を容易に実現することができる。 (4)請求項4ないし7に係る発明に従って、閾値変更
手段を、車両前部の横方向に異なる二つの位置に配設し
た補助加速度センサの測定値に基づいて閾値を変更する
ものとすれば、正突とオフセット衝突もしくは斜突とを
良好に判別でき、上下方向に異なる二つの位置に配設し
た補助加速度センサの測定値に基づいて閾値を変更する
ものとすれば、正突とアンダーライド衝突とを良好に判
別できる。また、請求項4に係る発明に従って、基準加
速度センサと補助加速度センサとの測定値の差が時間に
関して一回,二回等積分されるようにすれば、補助加速
度センサが配設された二つの位置の基準加速度センサが
配設されたフロアに対する相対的速度差,変形量差が大
きい場合に、小さい場合に比較して閾値が大きく低下さ
せられる。請求項5に係る発明に従って、二個の補助加
速度センサの測定値が一回,二回等積分されるようにす
れば、補助加速度センサが配設された二つの位置の変形
速度差,変形量差等が大きい場合に、小さい場合に比較
して閾値が大きく低下させられる。請求項6,7に係る
発明においては、一回,二回等積分された値の比に基づ
いて上記請求項4,5と類似のことが行われる。比に基
づく場合、請求項7に係る発明におけるように、積分さ
れた値の比の対数の絶対値によれば、二つの測定値のど
ちらが大きい場合でも、支障なく閾値の変更が行われ
る。 (5)請求項8に係る発明は、車両の乗員保護装置の起
動を制御する起動制御装置を、閾値決定手段を備え、そ
の閾値決定手段により決定された閾値と、車両のキャビ
ンのフロアに配設された基準加速度センサから出力され
た測定値に所定の演算を施した演算値とを比較すること
により、乗員保護装置の起動を制御するものとするとと
もに、閾値決定手段を、予め定められた初期閾値関数に
よって表される初期閾値を、車両の前記基準加速度セン
サより前方の互いに異なる複数の位置に配設された複数
の補助加速度センサから出力された複数の測定値の関数
で表される閾値変化関数だけ変化させることにより閾値
を決定するものとしたものであるため、初期閾値関数と
閾値変化関数との両方を当該起動制御装置を設置しよう
とする車両に合わせて適宜決定することができ、その車
両に適した制御特性の起動制御装置を一層容易に実現す
ることができる。 (6)請求項11に係る発明に従って、補助加速度セン
サを車両の左右のサイドメンバの各前部に配設すれば、
オフセット衝突,斜突等を良好に検出することができ
る。サイドメンバは車体構成部材の中でも剛性,強度が
特に大きいものであり、衝突時に確実に大きな減速度が
生じるからである。請求項13に係る発明に従って、初
期閾値関数を、基準加速度センサによる測定値を一回積
分した値の関数とすれば、乗員等、車体に固定されてい
ないものの車体に対する相対移動速度を考慮に入れて初
期閾値関数を決定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る乗員保護装置の起動制御装置の一実施の形態を説明す
る。図4は本実施の形態に係る乗員保護装置の一種であ
るエアバック装置の起動制御装置を示すブロック図、図
5は図4におけるサテライトセンサとフロアセンサの配
設箇所を示す説明図である。
【0019】本実施の形態の起動制御装置は、乗員保護
装置としてのエアバック装置36の起動を制御する装置
であって、図4に示すように、主として、制御回路20
と、二つのサテライトセンサ30と、一つのフロアセン
サ32と、駆動回路34と、を備えている。
【0020】このうちサテライトセンサ30及びフロア
センサ32は、車両46に加わる衝撃を測定するための
いわゆる加速度センサであって、具体的には、車両46
における各センサの搭載位置に対して前後方向に加わる
減速度を随時測定して、その測定値を信号として出力す
る。
【0021】制御回路20は、中央処理装置(CPU)
22、リード・オンリ・メモリ(ROM)26、ランダ
ム・アクセス・メモリ(RAM)28及び入出力回路
(I/O回路)24等を備えており、各構成要素はバス
で接続されている。このうち、CPU22はROM26
に記憶されたプログラム等に従って起動制御の各処理動
作を行う。
【0022】RAM28は各センサ30、32からの信
号により得られたデータや、それに基づいてCPU22
が演算した結果等を格納しておくためのメモリである。
また、I/O回路24は各センサ30、32から信号を
入力したり、駆動回路34に起動信号を出力したりする
ための回路である。
【0023】また、CPU22は、上記したプログラム
等に従って、後述するように、フロアセンサ32の測定
値に基づく値と所定の閾値とを比較し、その比較結果に
基づいてエアバック装置36の起動を制御する起動制御
部40と、フロアセンサ32による測定値に基づく値
と、二つのサテライトセンサ30による測定値に基づく
値との差に基づいて、車両の衝突形態を判別する衝突形
態判別部41と、判別された衝突形態に応じて、起動制
御装置の起動感度に関わる値としての上記閾値の変化量
及び新たな閾値を決定する閾値決定部42として機能す
る。すなわち請求項1および2における「感度変更手
段」は本実施の形態においては閾値決定部42に相当す
る。
【0024】また、駆動回路34は、制御回路20から
の起動信号によってエアバッグ装置36内のスクイブ3
8に通電し点火させる回路である。
【0025】一方、エアバッグ装置36は、点火装置で
あるスクイブ38の他、スクイブ38により点火される
ガス発生剤(図示せず)や、発生したガスによって膨張
するバッグ(図示せず)等を備えている。
【0026】これら構成要素のうち、制御回路20と、
フロアセンサ32と、駆動回路34は、図5に示すEC
U(電子制御装置)44に収納されて、車両46内のほ
ぼ中央にあるフロアトンネル上に取り付けられている。
また、サテライトセンサ30は、図5に示すように、E
CU44内のフロアセンサ32に対して、右斜め前方と
左斜め前方の車両46のサイドメンバ(図示せず)の前
部に配設されている。以後、右側サイドメンバに配設さ
れたサテライトセンサを30R、左側サイドメンバに配
設されたサテライトセンサを30Lとする。
【0027】次に、フロアセンサ32及びCPU22内
の起動制御部40の動作について説明する。
【0028】図1は図4に示すサテライトセンサ30、
フロアセンサ32及びCPU22の動作を説明するため
の説明図である。尚、各信号の入出力にあたっては実際
にはI/O回路、ROM、RAM等が介されるが、簡単
化のため通常のデータの入出力処理や記憶処理における
各要素の動作については本説明においては省略する。図
1に示すように、図4に示すCPU22内の起動制御部
40は、演算部58と起動判定部60とを備えている。
【0029】図1において、フロアセンサ32は、前述
したように、車両46に対して前後方向に加わる減速度
Gを随時測定して、その測定値Gを信号として演算部5
8及び後述の衝突形態判別部41に対して出力する。
【0030】起動制御部40の演算部58は、フロアセ
ンサ32から出力された測定値Gに所定の演算を施して
演算値f(G)を求め、起動判定部60に対して出力す
る。尚、演算値f(G)としては、速度(即ち、減速度
Gを時間について1回積分して得られる値)や、移動距
離(即ち、減速度Gを時間について2回積分して得られ
る値)や、減速度Gの特定周波数の強度等のうち、何れ
かを用いる。また、演算値f(G)としては減速度Gそ
のもの(即ち、測定値Gそのもの)を用いても良い。こ
の場合、測定値Gに係数として「1」を乗算する演算を
行うものと考えることができる。
【0031】尚、演算部58は後に詳述するが、演算値
f(G)の起動判定部60に対する出力とは別に、減速
度Gを時間について1回積分して得られる値vを演算
し、閾値決定部42に対して出力する。このvの値の持
つ意味について説明する。前進している車両に減速度G
が加わった場合、車両内の非固定物体は、慣性力によっ
て前方に引っ張られ、車両に対し前方に向かって加速す
る。減速度Gを1回積分することによって求まるvはこ
の時の非固定物体の車両に対する相対的な速度に相当す
る。
【0032】起動判定部60では、後述する閾値決定部
42で決定された閾値T(v)と演算部58で求められ
た演算値f(G)とを大小比較する。大小比較した結
果、演算値f(G)が閾値T(v)を越えていれば、起
動判定部60は図4に示した駆動回路34に対して、起
動信号Aを出力する。これにより、駆動回路34はエア
バッグ装置36を起動すべく、スクイブ38に通電し、
スクイブ38でガス発生剤(図示せず)を点火させる。
尚、以上のことから起動信号Aを出力するための起動感
度を上げるためには、測定値Gや演算値f(G)の増
幅、若しくは閾値T(v)の低下等を行えば良いことが
わかる。
【0033】ここで、本発明の特徴部分であるサテライ
トセンサ30R、30L、衝突形態判別部41及び閾値
決定部42の動作を詳細に述べることにより、衝突形態
に応じた閾値T(v)の決定方法について説明する。
【0034】サテライトセンサ30R、30Lは、それ
ぞれのサテライトセンサが配設された車両のサイドメン
バに加わる車両前後方向の減速度GR、GLを随時測定
して、その測定値GR、GLを信号として、CPU22
内の衝突形態判別部41へ出力する。尚、本実施の形態
においてはサテライトセンサ30R、30Lがサイドメ
ンバ先端に配設されているため、衝突の衝撃がサテライ
トセンサまで伝達する際、衝撃が吸収される部分が少な
く、精確な減速度を測定することができるという効果を
有している。
【0035】また、前述したようにフロアセンサ32も
演算部58へ測定値Gを信号として出力するのと並行し
て、測定値Gを衝突形態判別部41にも出力する。
【0036】衝突形態判別部41ではそれぞれのセンサ
からの測定値信号の差に基づいて車両の衝突形態を判別
する。衝突形態判別の具体的な手順を説明する。サテラ
イトセンサ30R、30Lによる測定値信号GR、GL
のそれぞれからフロアセンサ32からの測定値信号Gを
引いた値、(GR−G)、(GL−G)を所定時間、時
間について2回積分することにより、フロアセンサ32
の配設位置(フロアトンネル)に対するそれぞれのサテ
ライトセンサ30R、30Lが配設されたサイドメンバ
の移動距離(変形量)DR、DLを推定算出する。
【0037】次にDRとDLの差の絶対値|DR−DL
|を算出する。ここで|DR−DL|の値が大きければ
大きいほど、衝突形態がフロアセンサ32への衝撃の伝
達率が小さいオフセット衝突(斜突)であることがわか
るので、確実に乗員保護装置を起動させるために閾値T
(v)を|DR−DL|に応じて小さくする。実際には
現在の閾値T(v)に対する変化量ΔT(v)を決定し
た後、(T(v)−ΔT(v))を求めこれを新しい閾
値T(v)とする。このΔT(v)及び閾値T(v)の
決定は後に詳述する閾値決定部42で行われる。尚、本
請求範囲の「衝突形態の判別」は、本実施の形態におい
ては、オフセット衝突若しくは斜突における左右サイド
メンバ変形量の差|DR−DL|を算出することに相当
するが、左右サイドメンバ変形量の比、DR/DL若し
くはDL/DRを算出することにより衝突形態の判別を
行っても良い。
【0038】ところで、フロアセンサ32を乗員の乗車
位置(キャビン)の近くに配設するならば、衝突形態判
別部41で算出されたサイドメンバの移動距離DR、D
L個々の値はキャビンに対する両サイドメンバの相対変
形量という車両の衝突形態の詳細を表す情報の一つとし
て他にも多岐にわたって利用され得る。
【0039】ところで、フロアセンサ32を乗員の乗車
位置(キャビン)の近くに配設するならば、衝突形態判
別部41で算出されたサイドメンバの移動距離DR、D
L個々の値はキャビンに対する両サイドメンバの相対変
形量という車両の衝突形態の詳細を表す情報の一つとし
て他にも多岐にわたって利用され得る。
【0040】尚、|DR−DL|を求めることに限って
いえば、フロアセンサ32の測定値Gを用いなくても、
すなわちフロアセンサ32は測定値信号Gを衝突形態判
別部41に出力せずに、GR及びGLをそれぞれ時間に
ついて二回積分した値GR’及びGL’の差を|DR−
DL|としても等価であり、本発明は係るように実施し
ても良い。比、DR/DLを求める際も同様のことが言
える。尚、このような衝突形態判別は、基準加速度セン
サとしてのフロアセンサ32による測定値には無関係
で、補助加速度センサとしての複数のサテライトセンサ
による測定値のみに基づいたものであり、請求項1,
3,5,8および9に含まれるものである。
【0041】さらに、サテライトセンサを例えば車両前
部の上下方向に2箇所配設するならば、衝突形態情報の
一つとしてアンダーライド衝突が判別でき、フロアセン
サより車両上方に配設されたサテライトセンサ(上サテ
ライトセンサ)の測定値と下サテライトセンサの測定値
及びフロアセンサの測定値から同様の手法により、当該
衝突時のフロアセンサへの衝撃の伝達率という衝突形態
の一情報が推定できる。つまり、複数の補助加速度セン
サとしてのサテライトセンサを配設する車両位置を、車
両前面の一部で衝撃を受ける衝突(基準加速度センサと
してのフロアセンサには衝撃が伝達しにくい衝突)の際
に、衝突する(衝撃を最も受ける)部位と他の部位に選
定すれば、本実施の形態と同様の手法により正突時以外
の衝突形態を判別できるわけである。
【0042】閾値決定部42はCPUのクロック周波数
で定まる所定の短時間ごとに決定された閾値T(v)を
起動判定部60に出力するが、ここで、|DR−DL|
に基づいて閾値の変化量ΔT(v)及び閾値T(v)を
算出する方法について説明する。
【0043】まず、図示しないイグニッションスイッチ
がオンされると、図示しないプログラムにより予めRO
M26に格納されている図6(a)に示すような変数x
の関数としての初期閾値関数データT(x)をRAM2
8に書き込み、閾値決定部42はその初期閾値関数デー
タT(x)読み込む。尚、初期閾値関数データT
(x)等のROM26に記憶された閾値関数の関数形
は、例えば衝突実験の際に、種々の形態の衝突時にあら
われる演算値f(G)に基づいて決定すれば良い。
【0044】次に衝突形態判別部41から入力された|
DR−DL|に比例した値、k・|DR−DL|、(k
は正の定数)を算出し、この値を初期閾値関数データT
(x)の閾値変化関数データΔT(x)とする。閾値変
化関数データの算出方法は以後のステップにおいても同
様であり、よって、ΔT(x)はいかなる時も正の値と
なる。尚、衝突形態を表す指標として左右サイドメンバ
変形量の比、DR/DLを用いた時は、例えばDR/D
Lの常用対数の絶対値に比例した値、k’・|log
(DR/DL)|、(k’は正の定数)を閾値変化関数
データΔT(x)とすれば良い。
【0045】一方、前述したが、演算部58は演算値f
(G)の演算を行うと同時に、車両46内の固定されて
いないと措定された物体(例えば乗員等、以下非固定物
体という)の速度vをフロアセンサ32が測定した減速
度Gより演算し、閾値決定部42に対して出力する。
【0046】この速度vを参照して、x=vとした時の
初期閾値関数データT(v)を初期閾値とし、同じくx
=vとした時の閾値変化関数データΔT(v)を閾値の
変化量とする。その後、現在の閾値T(v)から閾値の
変化量ΔT(v)を引いた値を新しい閾値T(v)と
し、起動判定部60に対して出力する。
【0047】図6(a)は本実施の形態において用いら
れる初期閾値関数データT(x)を、(b)はある衝突
により閾値が変化した時の閾値関数データ(T(x)−
ΔT(x))の一例を示す特性図である。図中x=vの
時の関数値が実際の閾値T(v)となる。
【0048】この後は前述したように演算値f(G)と
T(v)の比較結果に基づきエアバッグ装置の起動判定
が行われる。以後、所定の短時間ごとに同様の方法に従
った処理が繰り返される。すなわち、イグニッションオ
ン後、第一回目の処理に用いていた初期閾値関数データ
が、第二回目以降は閾値決定処理における1ステップ前
の閾値関数データに置き換わるだけである、尚、1ステ
ップ前の閾値関数データはRAM28に一時的に記憶す
るようにすれば良い。
【0049】衝突が起こっていない時、及び正突時は、
両サイドメンバの相対変形差、|DR−DL|の値は実
質的にゼロであり閾値の変化量もゼロとなる。よってR
OMに記憶された初期閾値関数データT(x)とその時
の非固定物体速度vで決まるT(v)と演算値f(G)
の比較結果に基づいて起動判定が行われる。実際には衝
突が起こっていない時にはf(G)はT(v)を超える
ことはなく、エアバッグ装置の起動は行われず、正突時
はf(G)がT(v)を超えるような値になった時にエ
アバッグ装置が起動される。尚、衝突形態の指標とし
て、左右両サイドメンバ変形量の比、DR/DLを用い
た時も、変化量は対数をとっていることから、DR=D
Lである非衝突時及び正突時は閾値変化量はゼロとな
る。
【0050】一方、オフセット衝突や斜突など正突以外
の衝突で且つエアバッグ装置の起動が必要な程度の衝突
が起こった時、|DR−DL|は正の有限の値を取る
が、この時、上記したようにエアバッグ装置の起動閾値
はT(v)からT(v)−k・|DR−DL|にまで下
げられるので、閾値が変化しない場合に比べて演算値f
(G)が閾値を超えやすくなり、すなわち起動制御装置
の起動感度が上がり、フロアセンサへの衝撃の伝達率が
小さくてもエアバッグ装置を確実に起動させることがで
きる。尚、左右両サイドメンバ変形量の比、DR/DL
を用いた時も同様に、起動閾値はT(v)からT(v)
−k’・|log(DR/DL)|にまで下げられ、起
動制御装置の起動感度が上がる。
【0051】以上述べたことを、図6上に閾値T(v)
と演算値f(G)との関係として図示する。図6
(a)、(b)において、C1〜C4はそれぞれ演算値
f(G)の、非固定物体の速度vに対する変化を示す曲
線を、横軸をx、縦軸をf(G)とし、閾値関数データ
上に図示したものである。このうち、C1は正突によっ
てエアバッグ装置を起動するに及ばない程度の衝撃が車
両46に加わった場合の演算値f(G)の変化の一例を
示す曲線であり、C2は正突以外の衝突によってエアバ
ッグ装置を起動するに及ばない程度の衝撃が車両46に
加わった場合の演算値f(G)の変化の一例を示す曲線
であり、また、C3、C4はそれぞれ悪路走行中に得ら
れる演算値f(G)の変化の一例を示す曲線である。車
両が悪路走行している際は、当然のことながらエアバッ
グ装置を起動するに及ばないので、正突以外の衝突が生
じていない時は、図6(a)ではC1〜C4のいずれの
曲線も初期閾値関数データT(x)の曲線を超えること
はなく、すなわち演算値f(G)が閾値T(v)を超え
ることはなく、エアバッグ装置は起動されない。
【0052】斜突・オフセット衝突等の正突以外の衝突
によりC2のような曲線形状となる演算値f(G)が算
出されると、図6(b)に示されるように閾値関数デー
タは閾値決定部42によりk・|DR−DL|だけ低下
させられ、起動制御装置の起動感度が上がっているの
で、C2より少しでも大きな演算値曲線が得られるよう
な衝突の場合はエアバッグ装置が起動されやすくなるわ
けである。
【0053】尚、閾値変化関数データΔT(x)は本実
施の形態では実質的には速度vには依存しない(定数関
数である)が、速度vに依存するもの(xの関数であ
る)であっても良く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
ΔT(x)は定めれば良い。
【0054】さらに本発明の感度変更手段は、本実施の
形態の如く、閾値の変化量である閾値変化関数データΔ
T(x)を求めてから新たな閾値を求めるというものに
限られるものではなく、予め、複数の閾値関数データT
n(x)、(nは正の整数)を用意しておき、判別され
た衝突形態に応じて閾値関数データを選択するものでも
良い。また、感度変更手段は閾値を変化させるものに限
られるものではなく、演算値f(G)に所定の係数を乗
ずるなどして衝突形態の意味付けを持たせることによ
り、演算値f(G)と閾値との比較時の起動感度を変更
させるようにしても良い。さらに、基準加速度センサと
してのフロアセンサの測定感度そのもの、すなわち減速
度の測定値を変更するものであっても良い。例えば本実
施の形態における衝突形態を表す指標|DR−DL|が
大きい時はフロアセンサの測定感度を増幅すれば良い。
【0055】以上の述べたように本発明の望ましい実施
形態においては、基準加速度センサによる測定値と複数
の補助加速度センサによる各測定値とに基づく複数の値
の差又は比に基づいて車両の衝突形態を判別し、判別さ
れた衝突形態に応じて起動制御装置の起動感度若しくは
基準加速度センサの測定感度を変更する。よって、車種
等に対するエアバッグ装置の起動制御装置のチューニン
グに際しては、起動制御装置の起動感度若しくは基準加
速度センサの測定感度の変更仕様(本実施の形態におい
てはk・|DR−DL|における定数k)を設定するだ
けで良い。すなわち、衝突形態を判別するためのフロア
センサ及びサテライトセンサが衝突の衝撃に基づく値を
測定するものであり且つ、衝突形態に応じて起動制御装
置の起動感度若しくはフロアセンサの測定感度が変更可
能であるので、サテライトセンサの位置精度を内部の起
動制御で補うことが可能になる。よって、サテライトセ
ンサの厳密な位置設定等は不要になり、チューニングが
容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るエアバッグ装置の
起動制御装置の主要部の構成を示す図である。
【図2】車両の種々の衝突形態を示す図である。
【図3】本願先願に係る発明におけるエアバッグ装置の
起動制御装置の動作に問題点が生ずる例を示す図であ
る。
【図4】本発明の一実施の形態に係るエアバッグ装置の
起動制御装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るエアバッグ装置の
起動制御装置の車両内での配設位置を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る閾値T(v)と演
算値f(G)との関係を示す図であり、(a)は衝突前
の、(b)は正突以外の衝突により閾値が変化した後の
ものである。
【符号の説明】
20・・・制御回路 22・・・中央処理装置(CPU) 24・・・I/O回路 26・・・ROM 28・・・RAM 30・・・サテライトセンサ 32・・・フロアセンサ 34・・・駆動回路 36・・・エアバッグ装置 38・・・スクイブ 40・・・起動制御部 41・・・衝突形態判別部 42・・・閾値決定部 44・・・ECU(電子制御装置) 46・・・車両 58・・・演算部 60・・・起動判定部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のキャビンのフロアに配設された基準
    加速度センサから出力された測定値に基づいて、前記車
    両に搭載された乗員保護装置の起動を制御する乗員保護
    装置の起動制御装置であって、 前記車両の前記基準加速度センサより前方の互いに異な
    る複数の位置に配設された複数の補助加速度センサと、 それら複数の補助加速度センサから出力された複数の測
    定値にそれぞれ基づく複数の値に基づいて前記車両の衝
    突形態を判別する衝突形態判別手段と、 その衝突形態判別手段により判別された衝突形態に応じ
    て、当該起動制御装置の起動感度若しくは前記基準加速
    度センサの測定感度を変更する感度変更手段とを備えた
    ことを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置。
  2. 【請求項2】車両のキャビンのフロアに配設された基準
    加速度センサから出力された測定値に基づいて、前記車
    両に搭載された乗員保護装置の起動を制御する乗員保護
    装置の起動制御装置であって、 前記車両の前記基準加速度センサより前方の互いに異な
    る複数の位置に配設された複数の補助加速度センサと、 前記基準加速度センサから出力された測定値と前記複数
    の補助加速度センサから出力された複数の測定値の各々
    とに基づく複数の値に基づいて、前記車両の衝突形態を
    判別する衝突形態判別手段と、 その衝突形態判別手段により判別された衝突形態に応じ
    て、当該起動制御装置の起動感度若しくは前記基準加速
    度センサの測定感度を変更する感度変更手段とを備えた
    ことを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置。
  3. 【請求項3】車両のキャビンのフロアに配設された基準
    加速度センサから出力された測定値に所定の演算を施し
    た演算値と所定の閾値とを比較することにより、前記車
    両に搭載された乗員保護装置の起動を制御する乗員保護
    装置の起動制御装置であって、 前記車両の前記基準加速度センサより前方の互いに異な
    る複数の位置に配設された複数の補助加速度センサと、 予め定められた初期閾値関数によって表される初期閾値
    を、前記複数の補助加速度センサから出力された複数の
    測定値にそれぞれ基づく複数の値に基づいて変更する閾
    値変更手段とを備えたことを特徴とする乗員保護装置の
    起動制御装置。
  4. 【請求項4】前記閾値変更手段が、前記複数の補助加速
    度センサであって横方向または上下方向に互いに隔たっ
    た二位置に配設されたものによる各測定値と、前記基準
    加速度センサによる測定値との差を時間に関して少なく
    とも一回ずつ積分した値同士の差の絶対値が大きい場合
    に、小さい場合に比較して、前記初期閾値の低下量を大
    きくするものである請求項3に記載の乗員保護装置の起
    動制御装置。
  5. 【請求項5】前記閾値変更手段が、前記複数の補助加速
    度センサであって横方向または上下方向に互いに隔たっ
    た二位置に配設されたものによる各測定値を少なくとも
    一回ずつ積分した値同士の差の絶対値が大きい場合に、
    小さい場合に比較して、前記初期閾値の低下量を大きく
    するものである請求項3に記載の乗員保護装置の起動制
    御装置。
  6. 【請求項6】前記閾値変更手段が、前記複数の補助加速
    度センサであって横方向または上下方向に互いに隔たっ
    た二位置に配設されたものによる各測定値と、前記基準
    加速度センサによる測定値との差を時間に関して少なく
    とも一回ずつ積分した値同士の比に基づいて前記初期閾
    値を変更するものである請求項3に記載の乗員保護装置
    の起動制御装置。
  7. 【請求項7】前記閾値変更手段が、前記複数の補助加速
    度センサであって横方向または上下方向に互いに隔たっ
    た二位置に配設されたものによる各測定値と、前記基準
    加速度センサによる測定値との差を時間に関して少なく
    とも一回ずつ積分した値同士の比の対数の絶対値が大き
    い場合に、小さい場合に比較して、前記初期閾値の低下
    量を大きくするものである請求項3に記載の乗員保護装
    置の起動制御装置。
  8. 【請求項8】車両のキャビンのフロアに配設された基準
    加速度センサから出力された測定値に所定の演算を施し
    た演算値と所定の閾値とを比較することにより、前記車
    両に搭載された乗員保護装置の起動を制御する乗員保護
    装置の起動制御装置であって、 前記車両の前記基準加速度センサより前方の互いに異な
    る複数の位置に配設された複数の補助加速度センサと、 予め定められた初期閾値関数によって表される初期閾値
    を、前記複数の補助加速度センサから出力された複数の
    測定値の関数で表される閾値変化関数だけ変化させるこ
    とにより前記閾値を決定する閾値決定手段とを備えたこ
    とを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置。
  9. 【請求項9】前記複数の補助加速度センサから出力され
    た測定値に基づく値が、測定値を時間に関して二回積分
    した値である請求項1ないし8のいずれかに記載の乗員
    保護装置の起動制御装置。
  10. 【請求項10】前記複数の補助加速度センサが前記基準
    加速度センサの左斜め前方と右斜め前方とに配設された
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の
    乗員保護装置の起動制御装置。
  11. 【請求項11】前記複数の補助加速度センサが、前記車
    両の左右のサイドメンバの各前部に配設された請求項1
    0に記載の乗員保護装置の起動制御装置。
  12. 【請求項12】前記複数の補助加速度センサが上下方向
    に隔たった複数の位置に配設されたことを特徴とする請
    求項1ないし11のいずれかに記載の乗員保護装置の起
    動制御装置。
  13. 【請求項13】前記初期閾値関数が、前記基準加速度セ
    ンサによる測定値の一回積分の関数である請求項3ない
    8のいずれかに記載の乗員保護装置の起動制御装置。
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