JP2001105796A - 金属装飾板とその製造方法 - Google Patents

金属装飾板とその製造方法

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JP2001105796A
JP2001105796A JP2000016718A JP2000016718A JP2001105796A JP 2001105796 A JP2001105796 A JP 2001105796A JP 2000016718 A JP2000016718 A JP 2000016718A JP 2000016718 A JP2000016718 A JP 2000016718A JP 2001105796 A JP2001105796 A JP 2001105796A
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image
metal
mask
plate
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JP2000016718A
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Shigeto Koujiyo
栄人 向縄
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Sukegawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Sukegawa Electric Co Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 技能に依存することなく、一定の品質の画像
を金属板上に表示した金属装飾が安定して得られ、さら
に、見る方向によって明暗が反転する面白味のある画像
イメージを得る。 【解決手段】 無限の濃淡階調を持った写真の画像イメ
ージをそのまま使用するのではなく、その画像イメージ
をコンピュータ1に取り込んで処理し、ドットマトリッ
クス方式の画像イメージデータを作り、この画像イメー
ジデータのドットに対応する部分を非透明なシートに孔
8として穿孔することにより、マスク7を作る。そし
て、このマスク7により、金属板9の金属光沢を有する
表面に前記画像イメージデータのドットに対応させて凹
部11または突部13を形成し、これにより、金属板9
の金属光沢を有する表面に画像を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドットマトリック
ス方式で表示されるモノクロの画像イメージデータか
ら、金属板の表面上の前記画像イメージのドットに対応
する位置に凹部または突部を形成することにより、金属
板の表面上に画像イメージを表示した金属装飾板とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から金属板の表面にフォトリソグラ
フ法等を使用して画像イメージを表示することが行われ
ている。例えば、特開昭58−178349号公報に
は、フォトリソグラフ法等を使用して画像イメージであ
る魚拓を金属板の表面上に表示する手段が示されてい
る。すなわち、まず画像である紙製魚拓をカメラで感光
性フィルムに原寸で撮影し、ポジフィルムを作る。他
方、清浄にした金属板の表面に感光剤を塗布して感光膜
を形成した後、前記ポジフィルムを金属板上の感光膜に
載せて密接する。その後、ポジフィルムを通して感光膜
を露光した後、現像液で感光膜の未露光部分を洗い落
し、乾燥する。さらに、金属板を腐食液に浸漬してその
表面を適当な深さだけエッチングした後、腐食液を洗い
落し、さらに残つた感光膜を除去することにより、画像
イメージである魚拓を金属板上に表示する。
【0003】
【課題を解決するための手段】しかしながら、前記の手
段では、無限の濃淡階調で画像イメージを表示する写真
フィルムがそのまま使用されているため、これを通して
感光膜を露光するときの露光具合や、露光後のエッチン
グの度合いを決定することが難しい。このため、金属板
上に最適な画像イメージを表示することが困難である。
そのため、露光、エッチングするときの技能が不可欠と
なり、品質がこれらの作業時の技能に依存することによ
り、品質のばらつきも大きくなる。従って、再現性が悪
く、安定した品質の金属装飾板を工業的に製造するのに
は不向きである。
【0004】また、このような従来の金属装飾板は、単
に金属板の表面にエッチングにより画像を表示したのに
止まり、画像イメージの面白味にも欠けるという課題が
ある。本発明は、このような従来の金属装飾板とその製
造方法における課題に鑑み、技能に依存することなく、
一定の品質の画像を金属板上に表示した金属装飾が安定
して得られ、さらに、見る方向によって明暗が反転する
面白味のある画像イメージを得ることが出来る金属装飾
板とその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、無限の濃淡階調を持った写真の画像イ
メージをそのまま使用するのではなく、その画像イメー
ジをコンピュータ1に取り込んで処理し、ドットマトリ
ックス方式の画像イメージデータを作り、この画像イメ
ージデータのドットに対応する部分を非透明なシートに
孔8として穿孔することにより、マスク7を作る。そし
て、このマスク7により、金属板9の金属光沢を有する
表面に前記画像イメージデータのドットに対応させて突
部11または凹部13を形成し、これにより、金属板9
の金属光沢を有する表面に画像を表示したものである。
【0006】すなわち、本発明による金属装飾板の製造
方法は、コンピュータ1に取り込まれたドットマトリッ
クス方式で表示されるモノクロの画像イメージデータか
ら、シートに前記画像イメージのドットに対応する位置
に孔8を穿孔してマスク7を得る工程と、このマスク7
により、金属光沢を有する金属板9の表面にレジスト膜
12を形成する工程と、このレジスト膜12で覆われた
部分を除いて金属板9の表面をエッチングすることによ
り、前記画像イメージのドットが配置される位置に対応
して凹部11または突部13を形成するものである。
【0007】ここで言う「ドット」とは、点の概念を有
するものの他、例えば四角いグリッドで囲まれたピクセ
ルやラスタと呼ばれる画素を含むものである。それら画
像イメージの画素に対応して、金属光沢を有する金属板
9の表面に凹部11または突部13を形成する。
【0008】例えばシートを、コンピュータ1から出力
されるデータにより動作する製版用のフィルムプロッタ
4により穿孔することにより、前記のマスク7を得る。
さらに、レジスト膜12を形成する工程は、例えば、金
属光沢を有する金属板9の表面にホトレジスト液を一様
に塗布してホトレジスト膜12を形成する工程と、この
ホトレジスト膜12上に不透明な前記マスク7を載せ
て、その孔8を通してホトレジスト膜12の一部を露光
する工程と、金属板9の表面からマスク7を除去した
後、現像液でホトレジスト膜12の露光部分15または
非露光部分14を除去する工程とを有する。
【0009】このような手段により得られる本発明によ
る金属装飾板は、ドットマトリックス方式で表示される
モノクロの画像イメージに対し、金属光沢を有する金属
板9の表面に、前記画像イメージのドットが配置される
位置に対応して凹部11または突部13が形成されたも
のである。モノクロの画像イメージの黒の部分に凹部1
1または突部13を設け、白の部分に凹部11または突
部13を設けず鏡面状態とする。
【0010】このような金属装飾板の製造方法では、無
限の濃淡階調を持った写真の画像イメージをそのまま使
用するのではなく、その画像イメージをコンピュータ1
に取り込んで、ドットマトリックス方式の画像イメージ
データを作り、この画像イメージデータのドットに対応
する部分を穿孔したマスク7により、ホトレジスト膜1
2を露光するので、技能に依存せずに、安定したホトレ
ジスト膜12の露光が可能となる。さらに、そのホトレ
ジスト膜12により、ドットマトリックス方式の画像イ
メージデータのドットの部分またはそれ以外の部分をエ
ッチングし、突部11または凹部13を設けるため、技
能に依存せずに、安定した金属板9のエッチングが可能
となる。
【0011】このようにして得られた金属装飾板は、ド
ットマトリックス方式の画像イメージデータのドットの
部分に突部11または凹部13を設けているため、金属
板9の表面上では、突部11または凹部13の密度の大
小により明暗を表現することができる。これにより、画
像イメージを金属板9の表面に表示できる。
【0012】そして、金属板9の表面は基本的に金属光
沢を有し、鏡面状態となっているため、明るい背景を反
射した状態で金属板9を見ると、突部11または凹部1
3の密度が大きい部分は、乱反射により反射光量が少な
く、暗く見え、それ以外の部分は明るい背景を映して明
く見える。逆に、暗い背景を反射した状態で金属板9を
見ると、突部11または凹部13の密度が大きい部分
は、光の乱反射により明るく見え、それ以外の部分は暗
い背景を映して暗く見える。このように、鏡面において
反射する背景により、金属板9の表面の明暗が逆転して
見えることになる。すなわち、ポジ画像とネガ画像が見
方によって変化する。このため、味わい深い画像を表現
できる。
【0013】前述のようにして、金属板9の表面に凹部
11または突部13を形成した後、さらに金属板9の全
表面を凹部11または突部13より浅い深さdだけ一様
にエッチングすることもできる。こうすることにより、
凹部11または突部13の縁が曲面状に面取りされるの
で、凹部11または突部13に指先や繊維等が引っ掛か
らず、金属板9の表面のざらつきが無くなり、ゴミ等の
付着による汚れを防止することができる。さらに、凹部
11または突部13の縁が角のままであると、クッキリ
とした、いわゆる締まった画像が得られるが、同時に冷
たい印象も与える。これに対し、前記のエッチング処理
により、凹部11または突部13の縁の角がとれるの
で、全体として軟らかい印象の画像が得られる。
【0014】さらに、金属板9の表面を鏡面状態のまま
にするだけでなく、いわゆるヘアライン処理等をして金
属板9を細かい粗面としても、軟らかい画像イメージを
表現できる。例えば、金属板9の表面に凹部11または
突部13を形成した後、さらに金属板9の表面を一方向
に細かい目の研磨部材で研磨する。これにより、金属板
9の表面の一方向に細かい凹凸状の筋が平行に形成さ
れ、金属光沢による過度のギラつきが無くなり、軟らか
い印象を与えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
金属装飾板の製造方法を説明すると、まず、コンピュー
タシステムを使用し、マスク7を作る。図1はマスク7
を作るためのコンピュータシステムの例を示す。
【0016】コンピュータシステムは、コンピュータ3
を主体とし、このコンピュータ3には入力装置であるキ
ーボード5、ポインティングデバイスであるマウス5b
及び表示装置であるディスプレイ6を備えている。この
コンピュータ3には、例えばイメージスキャナ2aやデ
ジタルカメラ2b等の画像入力装置により画像イメージ
データが入力される。
【0017】この画像イメージデータは、ビットマップ
データ等のドットマトリクスデータとして画像処理さ
れ、フィルムプロッタ4に出力される。フィルムプロッ
タ4では、非透明なシート、例えば金属製シート等に前
記ドットマトリックス方式の画像イメージデータに対
し、そのドットに対応する部分を穿孔し、マスク7を出
力する。図1の例では、モノクロ画像イメージについ
て、ドットの部分、つまり孔を有する部分が暗を示すも
のとした場合、モノクロ画像イメージをポジティブに出
力した例である。
【0018】図2は、フィルムプロッタで金属シートを
穿孔することにより得られたマスク7の一部を拡大して
示している。図2(a)は、マスクの一部の拡大平面図
であり、図2(b)はその中央部の断面図である。図2
(a)において、ビットマップデータ等のドットマトリ
ックス形式のモノクロ画像イメージのドットに対応する
孔8を穿孔する位置を二点鎖線の交点で示してある。
【0019】図2(a)に示すように、縦横に一定のピ
ッチで配置された二点鎖線の交点に孔8を有するか否か
でモノクロ画像イメージの明暗を示している。二点鎖線
の交点の縦及び横方向のピッチが解像度を示すドットピ
ッチであり、通常はインチ当たりの二点鎖線の交点の数
で解像度を表す。200dpi〜1200dpiが一般
的である。当然、インチ当たりの二点鎖線の交点の数が
多ければ解像度が高くなり、鮮明な画像イメージとなる
が、解像度が高すぎると、コンピュータ1で処理する画
像イメージデータの容量も大きくなり、また後に述べる
露光、現像、エッチング等に処理もしにくくなるので、
適当な解像度を選択すべきである。200dpi〜60
0dpiが適当である。
【0020】また、モノクロ画像イメージデータが単純
二値である場合、孔8の有無のみによって明暗を表現す
るため、孔8の大きさは何れも同じである。これに対
し、写真等の濃淡を有するモノクロ画像イメージデータ
では、明暗の階調を複数段階に分けて表現するグレース
ケールデータが使用される。この場合は、図2に示すよ
うに、孔8の大きさ、つまり径を複数段階の分けて形成
し、明暗の階調を表現する。例えば、256階調のグレ
ースケールデータでは、濃淡に応じて孔8の大きさが2
56段階に形成される。
【0021】このようなマスク7を準備すると共に、図
3及び図4に示すように、金属光沢を有する金属板9を
用意する。このような金属板9としては、例えばステン
レス板等が使用される。この金属板9の金属光沢を有す
る表面を清浄にすると共に、脱脂する。
【0022】その後、この表面にホトレジストを塗布
し、これを乾燥することにより、図7(a)に示すよう
に、厚さが均一なホトレジスト膜12を形成する。ホト
レジストの金属板9の表面への塗布は、例えばスピンコ
ート法やスクリーン印刷法により行う。図4は、ポジテ
ィブホトレジストを使用した例である。
【0023】次に、図3(b)及び図4(b)に示すよ
うに、このホトレジスト膜12の上に前記のマスク7を
載せて、密着させる。その後、紫外線ランプ等を使用
し、このマスク7の孔8を通して、ホトレジスト膜12
を部分的に露光する。図4(c)の符号14はマスク7
に覆われ、レジスト膜12が露光されていない非露光部
分を示し、図15は、マスク7の孔8を通してレジスト
膜12が露光された露光部分を示している。
【0024】次に、前記マスク7をホトレジスト膜12
から剥離した後、適宜の現像液を使用し、このホトレジ
スト膜12を現像する。前述のように、ポジティブホト
レジスト膜12を使用しているため、この現像により、
図4(d)に示すように、ホトレジスト膜12の露光部
分15のみが選択的に除去され、金属板9の金属光沢を
有する表面には、非露光部分14のみが残る。その後、
金属板9を水洗いして乾燥する。
【0025】次に、この金属板9のホトレジスト膜12
を有する表面側を、同金属板9に対して腐食性を有する
エッチング液でエッチングする。このエッチングによっ
て、金属板9の金属光沢を有する表面のホトレジスト膜
12に覆われていない部分が部分的にエッチングされ
る。その後、この金属板9を洗浄し、エッチング液を除
去した後、溶剤等でホトレジスト膜12を取り除き、再
度金属板9を洗浄する。
【0026】図5は、前記のエッチングにより凹部11
が形成された金属板9の表面を示す。図5(a)は、要
部の拡大平面図であり、図5(b)はその中央部の断面
図である。図5(a)に示すように、金属板9の金属光
沢を有する表面に形成された凹部11の位置と大きさ
は、前記のマスク7の孔8に対応しており、ビットマッ
プデータ等のドットマトリックス形式のモノクロ画像イ
メージのドットが配置されるべき二点鎖線の交点に凹部
11が形成されている。従って、この金属板9の金属光
沢を有する表面には、エッチングにより形成された凹部
11により、コンピュータ1で画像処理したビットマッ
プデータ形式等のドットマトリックス方式で画像が表示
されることになる。
【0027】金属板9の表面において、凹部11が無い
部分あるいは少ない部分は、金属光沢を有するため、背
景から反射された光がそのまま見えるのに対し、凹部1
1が多い部分は、光が乱反射される。このため、金属板
9の表面で反射される光量が小さく、暗い場合は、凹部
11が無い部分あるいは少ない部分は、暗い背景を映し
て暗く見え、凹部11が多い部分は光が乱反射され、白
っぽく見える。従って、ポジティブな画像イメージデー
タからマスク7を作ったときは、金属板9の表面の画像
は図3(c)に示すように、ネガティブに見える。他
方、金属板9の表面で反射される光量が大きく、明るい
場合は、凹部11が無い部分あるいは少ない部分は、明
るい背景を映して明るく見え、凹部11が多い部分は光
を乱反射し、暗く見える。従って、ポジティブな画像イ
メージデータからマスク7を作ったときは、金属板9の
表面の画像もポジティブに見える。
【0028】このように、反射する背景の光量により、
金属板9の表面の画像がネガティブとポジティブとに反
転して見えるため、例えば金属板9の表面を覗く方向を
変えるだけで、金属板9の表面の画像の明暗が反転して
見える。これにより、たいへん面白く、興味のある画像
が表現できる。
【0029】また、モノクロ画像イメージデータが単純
二値である場合、凹部11の有無のみによって明暗を表
現するため、凹部11の大きさは何れも同じである。こ
れに対し、写真等の濃淡を有するモノクロ画像イメージ
データでは、明暗の階調を複数段階に分けて表現するグ
レースケールデータが使用される。この場合は、前述の
ように、図2に示すような明暗の階調によって孔8の大
きさが異なるマスク7を使用し、図5に示すように、明
暗の階調により大きさの異なる凹部11を形成する。な
お、大きな凹部11では、小さな凹部に比べてエッチン
グによる浸食が進みやすいため、若干深く形成される。
【0030】このようにして金属板9の表面に形成され
た凹部11は、それらの縁が角ばっているため、クッキ
リとした、締まった感じの画像が得られる。その反面、
冷たい印象も与える。しかも、凹部11の縁に指先や繊
維が引っ掛かりやすく、ざらつき感があり、埃の付着等
により汚れやすく、メンテナンス性に難がある。そこで
図6は、前記のエッチングにより金属板9の表面に凹部
11を形成した後、さらに金属板9の表面処理をする工
程を拡大して示した図である。
【0031】前述の図4(d)に示すように、金属板9
のホトレジスト膜12を有する表面側を、同金属板9に
対して腐食性を有するエッチング液でエッチングする
と、図6(a)に示すように、金属板9の金属光沢を有
する表面のホトレジスト膜12に覆われていない部分が
部分的にエッチングされる。このエッチングのとき、凹
部11は、深さ約100μm程度と、やや深めにエッチ
ングしておく。その後、この金属板9を洗浄し、エッチ
ング液を除去した後、溶剤等でホトレジスト膜12を取
り除き、再度金属板9を洗浄すると、図6(b)のよう
な状態となる。
【0032】次にこの状態から、金属板9の表面を一様
にエッチングする。その後、金属板9を洗浄し、エッチ
ング液を除去する。このエッチング工程では、金属板9
の表面の凹部11とそれ以外の部分を凹部の深さより十
分浅く一様にエッチングする。例えば、前述のように、
深さ約100μmの凹部11を形成した場合、その10
%〜30%、つまり10μm〜30μm程度の深さdま
でエッチングする。このとき、金属板9の表面に比べて
凹部11の底部ではエッチングが進行しにくいため、凹
部11の深さはやや浅くなる。また、このとき、凹部1
1の縁の角が曲面状に面取りされる。
【0033】このようにして、凹部11の縁が曲面状に
面取りされると、凹部11の縁に指先や繊維等が引っ掛
からず、金属板9の表面のざらつきが無くなり、ゴミ等
の付着による汚れを防止することができる。また、付着
したゴミ等も容易に拭き落とすことができる。さらに、
凹部11の縁の角がとれるので、全体として軟らかい印
象の画像が得られる。
【0034】さらにこの後、180#メッシュ程度の粗
さのサンドペーパで金属板9の表面を一方向に研磨し、
図6(d)に示すように金属板9の表面に一方向の筋状
の凹凸、いわゆるヘアラインを形成する。これにより、
金属板9の表面の金属光沢によるギラつきが無くなり、
より軟らかい画像イメージを得ることができる。
【0035】次に図7は、前述とは逆に、ネガティブな
ホトレジスト材料を使用した例である。図7(a)に示
すように、金属板9の表面にホトレジスト膜12を形成
し、図7(b)に示すように、ホトレジスト膜12の上
にマスク7を載せ、図7(c)に示すように、マスク7
の孔8を通してホトレジスト膜12を露光し、ホトレジ
スト膜12からマスク7を除去した後、ホトレジスト膜
12を現像する工程は基本的に変わらない。
【0036】但しこの場合は、現像によって、ホトレジ
スト膜12のうち非露光部分14のみが選択的に除去さ
れ、マスク7の孔8に対応する露光部分15のみが金属
板9の表面に残る。従ってその後金属板9の表面をエッ
チングすると、マスク7の孔8に対応する露光部分15
で覆われた部分を除いてエッチングされ、マスク7の孔
8に対応する部分が図5に示すような凹部11ではな
く、図8に示すような突部13となる。従って、この突
部13が前述の凹部11に代わってドットマトリックス
形式の画像イメージのドットして画像を表示する。
【0037】但しこの実施形態の場合、エッチングによ
り、金属板1の表面の金属光沢がやや失われるため、金
属板1の表面が背景を映しにくくなる。従って、前述の
ポジティブホトレジストを使用し、ドットマトリックス
形式の画像イメージのドットを金属板9の表面の凹部1
1で表示する実施の形態がより望ましい形態と言うこと
ができる。
【0038】なお、このように金属板9の表面に突部1
3を形成した金属装飾板においても、前記図6により前
述した通り、突部13の縁を面取りするため、金属板9
の表面に突部13を形成した後、その金属板9の表面を
一様にエッチングしたり、或いは金属板9の表面を18
0#メッシュ程度の粗さのサンドペーパでヘアライン処
理したりすることで、前述と同様の表面の改善が行え
る。
【0039】以上は、何れもフォトリソグラフ法を使用
してパターン化されたレジスト膜12を形成するもので
ある。これに対し、レジスト膜12をシルク印刷方式に
より形成することも出来る。例えば、前記のようにして
フィルムプロッタ4から得られたマスク7を使用してシ
ルク製版し、シルクスクリーンを得る。このシルクスク
リーンを使用して金属光沢を有する金属板9の表面にレ
ジスト材料を印刷し、レジスト膜12を形成するもので
ある。その後のエッチング以降の工程は、前述の製法と
同様である。
【0040】このシルク印刷方式でレジスト膜12を形
成する製法では、フォトリソグラフ法による製法とは逆
に、フィルムプロッタ4からネガティブなマスク7を出
力する。また、このシルク印刷方式でレジスト膜12を
形成する製法は、フォトリソグラフ法による製法と比
べ、高密度のドットピッチによる描画に不向きであり、
グレースケールの階調も多くとることができない。この
反面、ラインにより同じ画像をもった金属装飾板を多数
生産するのに適している。そのため、高密度のドットピ
ッチによる微細な描画が要求されない金属装飾板を多数
製造するのに適している。
【0041】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、コ
ンピュータ1とその周辺機器からなるコンピュータシス
テムを使用して、画像イメージデータから簡単にマスク
7を作ることができる。さらに、画像イメージデータに
よりコンピュータ1からプリンタに出力されるべきドッ
トマトリックス形式の画像のドットに変えて、孔8を穿
孔したマスク7を使用することにより、技能に依存せず
に、安定してホトレジスト膜12の露光、現像さらに金
属板1のエッチングが行える。さらに、これにより金属
光沢を有する金属板1の表面に形成された画像は、金属
板1の表面を覗き見る方向を変えるだけでポジティブと
ネガティブの明暗が反転する面白い画像となり、装飾的
な価値の高い装飾金属板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金属装飾板の製造方法の例におい
て、マスクを得る工程を示すコンピュータのシステム図
である。
【図2】本発明による金属装飾板の製造方法の例におい
て、作られたマスクの要部を拡大して示した要部拡大平
面図と縦断側面図である。
【図3】本発明による金属装飾板の製造方法の例を示す
工程の概略平面図である。
【図4】本発明による金属装飾板の製造方法の例を示す
工程の概略要部縦断側面図である。
【図5】本発明による金属装飾板の製造方法により得ら
れた金属装飾板の例について、その要部を拡大して示し
た要部拡大平面図と縦断側面図である。
【図6】金属装飾板の表面を改善処理する工程を示す金
属板の部分拡大縦断面図である。
【図7】本発明による金属装飾板の製造方法の他の例を
示す工程の概略要部縦断側面図である。
【図8】本発明による金属装飾板の製造方法により得ら
れた金属装飾板の他の例について、その要部を拡大して
示した要部拡大平面図と縦断側面図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ 7 マスク 8 マスクの孔 9 金属板 11 金属板の表面の凹部 12 ホトレジスト膜 13 金属板の表面の突部 14 ホトレジスト膜の非露光部分 15 ホトレジスト膜の露光部分

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板(9)に画像を表示した金属装飾
    板において、ドットマトリックス方式で表示されるモノ
    クロの画像イメージに対し、金属光沢を有する金属板
    (9)の表面に、前記画像イメージのドットが配置され
    る位置に対応して凹部(11)または突部(13)を形
    成したことを特徴とする金属装飾板。
  2. 【請求項2】 モノクロの画像イメージの黒の部分に凹
    部(11)または突部(13)を設け、白の部分に凹部
    (11)または突部(13)を設けず鏡面または細かい
    粗面状態としたことを特徴とする請求項1に記載の金属
    装飾板。
  3. 【請求項3】 金属板(9)の表面に形成された凹部
    (11)または突部(13)の縁が曲面状に面取りされ
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属
    装飾板。
  4. 【請求項4】 金属板(9)の表面の一方向に細かい凹
    凸状の筋が形成されていることを特徴とする請求項1〜
    3の何れかに記載の金属装飾板。
  5. 【請求項5】 金属板(9)に画像を表示した金属装飾
    板を製造する方法において、コンピュータ(1)に取り
    込まれたドットマトリックス方式で表示されるモノクロ
    の画像イメージデータから、シートに前記画像イメージ
    のドットに対応する位置に孔(8)を穿孔してマスク
    (7)を得る工程と、このマスク(7)により、金属光
    沢を有する金属板(9)の表面にレジスト膜(12)を
    形成する工程と、このレジスト膜(12)で覆われた部
    分を除いて金属板(9)の表面をエッチングすることに
    より、前記画像イメージのドットが配置される位置に対
    応して凹部(11)または突部(13)を形成すること
    を特徴とする金属装飾板の製造方法。
  6. 【請求項6】 レジスト膜(12)を形成する工程が、
    金属光沢を有する金属板(9)の表面にホトレジスト液
    を一様に塗布し、ホトレジスト膜(12)を形成する工
    程と、このホトレジスト膜(12)上に不透明な前記マ
    スク(7)を載せて、その孔(8)を通してホトレジス
    ト膜(12)の一部を露光する工程と、金属板(9)の
    表面からマスク(7)を除去した後、現像液でホトレジ
    スト膜(12)の露光部分(15)または非露光部分
    (14)を除去する工程とからなることを特徴とする請
    求項5に記載の金属装飾板の製造方法。
  7. 【請求項7】 非透明なシートを、コンピュータ(1)
    から出力されるデータにより動作するフィルムプロッタ
    (4)により穿孔してマスク(7)を得ることを特徴と
    する請求項5または6に記載の金属装飾板の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属板(9)の表面に凹部(11)また
    は突部(13)を形成した後、さらに金属板(9)の全
    表面を凹部(11)または突部(13)より浅い深さd
    だけ一様にエッチングすることを特徴とする請求項5〜
    7の何れかに記載の金属装飾板の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属板(9)の表面に凹部(11)また
    は突部(13)を形成した後、さらに金属板(9)の表
    面を一方向に細かい目の研磨部材で研磨することを特徴
    とする請求項5〜8の何れかに記載の金属装飾板の製造
    方法。
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