JPH10193614A - 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法

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JPH10193614A
JPH10193614A JP8358904A JP35890496A JPH10193614A JP H10193614 A JPH10193614 A JP H10193614A JP 8358904 A JP8358904 A JP 8358904A JP 35890496 A JP35890496 A JP 35890496A JP H10193614 A JPH10193614 A JP H10193614A
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laser
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JP8358904A
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Yoshinori Ito
美紀 伊東
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Canon Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/36Removing material
    • B23K26/362Laser etching
    • B23K26/364Laser etching for making a groove or trench, e.g. for scribing a break initiation groove

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の高密度のインク流路溝をレーザ加工に
より短時間に作成することを可能とし、記録装置の高精
細化、高解像度化に対応しうる液体噴射記録ヘッドの製
造方法を実現する。 【解決手段】 液体噴射記録ヘッドを構成する天板30
に高密度のインク流路溝31をマスク35を介してレー
ザ加工する際に、加工時間を分割し、レーザの周波数、
エネルギー密度および待機時間のうち少なくとも一つを
変化させて、少なくとも2回にわたりそして全体として
溝の深さに必要なパルス数のレーザ光を照射するように
して、高密度のインク流路溝31を加工する。このよう
なレーザ光の照射により、高密度化に伴なって影響が大
きくなる加工中の熱等のレーザ光による天板への負荷を
減らして、インク流路溝の損傷を防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録ヘッ
ドを構成する天板にレーザ光を照射することによって高
密度のインク流路溝を形成した液体噴射記録ヘッドおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録装置等に使用される液体噴
射記録ヘッドは、複数の吐出エネルギー発生素子(例え
ば、電気熱変換素子)を所定の間隔をおいて配設した素
子基板と、インクを吐出する複数のインク吐出口および
各インク吐出口にそれぞれ連通する複数のインク流路溝
が形成された天板とからなり、インク流路溝に吐出エネ
ルギー発生素子を位置合わせした状態で素子基板と天板
とを組み合わせて接合し、吐出エネルギー発生素子によ
りインク流路溝内のインクに吐出エネルギーを付与する
ことによってインク吐出口からインクを液滴として噴射
させて印字記録を行なうように構成されている。そし
て、素子基板の吐出エネルギー発生素子(例えば、電気
熱変換素子)は超精密エッチング技術などを用いること
により高精度に素子基板上に形成され、また天板におけ
るインク吐出口やインク流路溝等は、超精密加工装置な
どを用いることにより天板の所定位置に高精度で加工形
成されている。
【0003】そして、液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいて、共通液室用溝を有した天板を射出成形によって
形成し、この天板にエキシマレーザ光を照射することに
よって複数のインク流路用の溝を加工する方法も、特開
平2−121845号公報等に記載されているように、
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現在では、
液体噴射記録装置においてさらなる高精細化、高解像度
化が望まれ、それに伴ないインクを吐出するノズルの高
密度化が必要になっている。しかしながら、ノズル密度
が360dpi(dotts per inch)のような従来の天
板においては、エキシマレーザによるインク流路溝の溝
加工が可能であったけれども、ノズル密度を600dp
iとする高密度の天板を従来技術と同様の方法で加工し
た場合には、レーザ加工中に生じる熱の影響等によりイ
ンク流路溝がレーザ加工中に損傷を受け、インク保持に
充分な構造をもった天板を作成することはできなかっ
た。また、レーザの周波数を大きく下げることによって
従来技術と同様な加工は可能になるが、加工時間が大幅
に増加してしまうという欠点がある。
【0005】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決の課題に鑑みてなされたものであって、ノズルの
高密度化に伴なって影響が大きくなる加工中の熱等のレ
ーザによる天板の負荷を減らしてインク流路溝の損傷を
防ぐことによって、高密度のインク流路溝をレーザ加工
により短時間に作成することを可能とする液体噴射記録
ヘッドの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、複数の
インク吐出口の各々に対応して設けられるインク流路を
構成するために溝を有した天板と、前記インク流路の一
部に配設される吐出エネルギー発生素子を有した基板と
を接合することによって構成される液体噴射記録ヘッド
の製造方法において、前記天板が有する溝をレーザ加工
する際に、レーザ光の照射による加工時間を分割し、レ
ーザの周波数、エネルギー密度および待機時間のうち少
なくとも一つを変化させて少なくとも2回にわたりレー
ザ光を照射し、高密度の溝を加工することを特徴とす
る。
【0007】また、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法において、天板が有する溝をレーザ加工する間に、
前記天板の温度測定を行ない、その測定値と連動してレ
ーザの周波数、エネルギー密度および待機時間のうち少
なくとも一つを変化させて、レーザ光を照射し、高密度
の溝を加工することが好ましい。
【0008】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法において、天板は樹脂材料により形成されている
ことが好ましく、そして、天板はインク流路に供給され
るインクを貯留する共通液室を有して射出成形によって
形成された部材に溝加工されるものであることが好まし
く、さらに、レーザ光にエキシマレーザを用いることが
望ましい。
【0009】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドは、
請求項1ないし5のいずれか1項記載の液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
【0010】
【作用】液体噴射記録ヘッドを構成する天板に高密度の
インク流路溝をマスクを介してレーザ加工する際に、加
工時間を分割し、レーザの周波数、エネルギー密度およ
び待機時間のうち少なくとも一つを変化させて、少なく
とも2回にわたりレーザ光を照射するようにして、高密
度のインク流路溝を加工する。例えば、レーザの周波数
を2種以上変化させ、あるいはレーザのエネルギー密度
を2種以上変化させ、あるいはレーザ光の照射を2回以
上に分けて間に天板の昇温を防ぐように待機時間を設
け、さらには天板表面の温度を測定しながら、天板表面
がその材料である樹脂の熱変形温度に到達しないよう
に、レーザのエネルギー密度、周波数、パルス数、待機
時間等天板の温度上昇や温度変化に関係する要因を制御
して、合計で溝の深さに必要な分のパルス数分レーザを
照射して加工する。このようなレーザ光の照射により、
高密度化に伴なって影響が大きくなる加工中の熱等のレ
ーザ光による天板への負荷を減らし、インク流路溝の損
傷を防ぐことができて、高密度のインク流路溝を加工す
ることが可能となり、そして加工時間を大幅に短縮する
ことができ、生産性を向上させることができる。
【0011】さらに、天板に高密度のインク流路溝をレ
ーザ加工により形成することができ、高密度のノズルを
備えた液体噴射記録ヘッドを製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0013】図1の(a)および(b)は、本発明の液
体噴射記録ヘッドを構成する天板の溝加工前および溝加
工後の状態をそれぞれ示す模式的な斜視図であり、図2
は天板の溝加工に際しマスクを介して照射するエキシマ
レーザによる天板の除去加工態様を示す模式図であり、
図3は溝加工の結果得られた溝の形状の特徴を表す模式
図である。
【0014】先ず、本発明における液体噴射記録ヘッド
を構成する天板30について説明する。液体噴射記録ヘ
ッドを構成する天板は、レーザ加工が容易でかつ耐イン
ク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレン等の樹
脂を用いて、図1の(a)に示すように、インク流路溝
31を備えていない形状、すなわち共通液室32となる
溝部のみを備えた形状の天板30aを射出成形等によっ
て成形する。このように成形された天板30aを、後に
詳述するレーザ加工機のワークステーションにセット
し、図2に示すような、インク流路溝31に対応するレ
ーザ光透過領域である透明部分36とレーザ光非透過領
域である非透明部分37とで構成された加工パターンを
有するマスク35を介してレーザ光を照射することによ
り、マスク35の透明部分36を通過したレーザ光によ
り天板30aの加工面を分解除去させて、加工パターン
に相応したインク流路溝31を加工するものである。
【0015】ところで、600dpiのような高密度の
インク流路溝を有する天板を製造するために、従来の加
工手法をそのまま採用したのでは、レーザ加工中に生じ
る熱の影響等のために、インク流路溝が損傷を受けてし
まい適切なインク流路溝を作成することはできず、また
レーザの周波数を大きく下げることによって熱の影響を
抑えた状態で高密度のインク流路溝を加工することはで
きるけれども、加工時間が大幅に増加してしまい、好ま
しくない。
【0016】そこで、本発明は、レーザ光の照射による
加工において、その加工時間を分割し、レーザの周波
数、エネルギー密度および待機時間のうち少なくとも一
つを変化させて、少なくとも2回にわたり、そして全体
として溝の深さに必要なパルス数のレーザ光を照射する
ことにより、ノズルの高密度化に伴なって影響が大きく
なる加工中の熱等のレーザ光による天板への負荷を減ら
して、インク流路溝の損傷を防ぐことにより、高密度の
インク流路溝31を加工形成して、図1の(b)に示す
天板30を作成するものである。このようなレーザ光の
照射により高密度のインク流路溝31を加工した天板3
0に、吐出エネルギー発生素子を形成した素子基板(図
示しない)を接合して、液体噴射記録ヘッドを構成す
る。
【0017】次に、本発明の液体噴射記録ヘッドを構成
する天板の加工に適用されるレーザ加工機の一例につい
て、図4に基づいて説明する。図4において、レーザ加
工機は、エキシマレーザ光を発するレーザ光源としての
エキシマレーザ発振器1と、このエキシマレーザ光によ
りワークステーション2にセットされたワークWである
天板の加工を行なう加工部が設けられた装置フレーム3
と、天板の加工に関する情報処理および制御を行なう制
御部とからなり、装置フレーム3には、レーザ光をマス
ク9に一様に照射させるための光学系4と、加工しよう
とする溝に対応して加工パターンが形成されたマスク9
(図2におけるマスク35に対応する。)と、このマス
ク9を通って出射したマスク像をワークWに投影する投
影光学系10が配置されている。
【0018】光軸a上に配置された光学系4は、ビーム
整形用光学系およびケラー照明用光学系で構成すること
ができ、この光学系4によってマスク9に形成された加
工パターンに対して均等にレーザ光を照射することがで
きる。そして、投影光学系10はマスク9の加工パター
ンの像をワークWの加工面に結像させる。なお、ここで
投影光学系10にはマスク9の耐久性を考慮して縮小光
学系を用いることが好ましい。
【0019】ワークステーション2上でのワークWの位
置決めのために、ワークWをワークステーション2に取
り付ける治具として、ワークステーション2上に配置し
たワークWにつき当てる複数の基準ピンで構成すること
ができ、また、治具上に、上記つき当て機構のほかに、
エアー吸引等によるクランプ機構を設けて、これをオー
トハンドと一体化し、ワークステーション2へのワーク
Wの自動供給を可能にすることもできる。また、ワーク
Wを複数個同時にワークステーション2にセットするこ
とで、とりおき時間を短縮するようにしてもよい。
【0020】また、ワークステーション2上でのワーク
Wの加工位置の測定には、照明光学系11、11および
測定系13、13が用意されている。測定系13は、テ
レビカメラ13aをセンサとして使用し、これを鏡筒1
3b、オートフォーカシング手段13cを介して対物レ
ンズ13dに対向させた一対の測定器および光軸a上に
配置される2面のミラー13eより構成されており、照
明光学系11は測定器に組み込まれている。
【0021】測定系13による測定結果は、画像処理系
14にもたらされ、信号処理の結果を制御系15に送
る。制御系15では、その測定結果に基づいて、ワーク
Wの移動距離を算出し、ワークステーション2における
ステージ移動を移動手段16で行なわせる。そして、測
定系13の値が一定値になると移動手段16による位置
修正を終了し、エキシマレーザ発振器1に対してレーザ
光の発光を行わせる信号を一定時間あるいは一定パルス
数与えるように構成する。
【0022】また、エキシマレーザ発振器1の出力は、
ハーフミラー18を介してマスク付きのセンサ20で計
測され、この出力情報は制御系15にフィードバックさ
れ、インターフェース21を介してエキシマレーザ発振
器1への印加電圧等を変化させ、エキシマレーザ発振器
1の出力の調整を行なう。
【0023】ワークWへの加工が完了した際に、照明光
学系11のシャッターを開放して、加工位置、加工寸法
等を測定し、この結果から加工に関する校正値を得るこ
とができる。この校正のための測定は、測定系13によ
って毎回行なう必要はなく、必要に応じて時々行なうよ
うにしてもよい。
【0024】また、レーザ光を光学系4のビーム整形光
学系を介して整形することで、光束を縮小させることが
でき、マスク9の加工パターンを通るレーザ光のエネル
ギー密度を高める効果が得られる。
【0025】なお、加工パターンの形状を忠実にワーク
Wに再現するためには、上記マスク9を薄い金属板で構
成することが好ましい。そして、大気の雰囲気において
エキシマレーザのレーザ光を照射されても影響を受けな
いSUS等の金属、不透明なセラミック、Siなどが、
マスク9の材料として好適である。また、紫外線反射率
のよいクロム、あるいはアルミを蒸着した合成石英マス
クを用いることもできる。
【0026】そして、エキシマレーザは、紫外光を発振
できるレーザであり、高強度のエネルギーを出力でき、
単色性に優れ、指向性がよく、短パルス発振ができるだ
けでなく、レンズで集光することによりエネルギー密度
を大きくできる利点がある。すなわち、エキシマレーザ
発振器は希ガスとハロゲンの混合気体を放電励起するこ
とで、短パルスの紫外光を発振でき、KrF、XeC
l、ArFレーザ等がよく用いられる。樹脂製の被加工
物はエキシマレーザ光の照射によるアブレーションで分
解除去され、マスクの加工パターンに相応した所定の加
工が行なわれる。
【0027】また、レーザ光において、1パルス当たり
のエネルギー密度、周波数、照射パルス数等は、所望に
応じて制御系15により制御することができ、また、照
射パルス数は、光軸a上でマスク9に隣接したシャッタ
ー12を配設して、レーザ光の照射回数を制御するよう
に構成することもできる。さらに、ワークWの表面温度
を測定する温度測定系22を設け、ワークWの表面温度
の情報を制御系15へ送り、温度管理をしうるように構
成する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例をもってさら
に詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0029】(実施例1)本実施例では、図4に示すレ
ーザ加工機を用い、図2に示すように、エキシマレーザ
のレーザ光に対し、インク流路溝のパターンに対応した
透明部分36と非透明部分37からなる加工パターンを
もつマスク35と天板30aをそれぞれ設置する。図4
に示す制御系でレーザ加工機を制御することで、天板3
0aの加工面でのレーザエネルギー密度を700mJ/
cm2 ・pulsとし、先ず周波数100Hzで100パル
ス、続けて周波数10Hzで150パルス、レーザ光を
照射することにより、図1の(b)および図3に示すよ
うに、インク流路溝31をピッチ42.375μmで3
36本配列することができた。そして、そのインク流路
溝31の寸法は、溝の深さdは40μm、溝の幅wは3
4μm、非溝部の幅woは8μmであった(図3参
照)。
【0030】また、周波数10Hzで150パルス、続
けて周波数100Hzで100パルス、レーザ光を照射
することによっても、同様にインク流路溝の深さd:4
0μm、溝の幅w:34μm、非溝部の幅wo:8μm
のインク流路溝をピッチ42.375μmで336本配
列することができた。
【0031】また、加工時間も周波数10Hzで250
パルス連続照射する場合よりも30%以上減らすことが
できた。
【0032】このようにレーザの周波数を2種以上変化
させ、合計で溝の深さに必要な分のパルス数分レーザ光
を照射することで、約8μmあるいはそれ以下の幅の非
溝部を損傷させることなく、インク流路溝を加工するこ
とができる。また、周波数変化は連続でも間に待機時間
をおいても同等に効果が得られる。
【0033】(実施例2)実施例1で示したと同様に、
レーザ光に対してマスク35と天板30aを設置し、図
4の制御系で制御することによって、レーザの周波数を
100Hzとし、先ず加工面でのレーザエネルギー密度
を1J/cm2 ・pulsで100パルス、続けてレーザエ
ネルギー密度500mJ/cm2 ・pulsで150パル
ス、レーザ光を照射することにより、実施例1と同様の
インク流路溝をピッチ42.375μmで336本配列
することができた。
【0034】また、加工面でのレーザエネルギー密度を
500mJ/cm2 ・pulsで150パルス、続けてレー
ザエネルギー密度1J/cm2 ・pulsで100パルス、
レーザ光を照射することによっても、同様のインク流路
溝をピッチ42.375μmで336本配列することが
できた。
【0035】また、加工時間も周波数10Hzで250
パルス連続照射する場合よりも大幅に減らすことができ
た。
【0036】このようにレーザのエネルギー密度を2種
以上変化させ、合計で溝の深さに必要な分のパルス数分
レーザを照射することで、約8μmあるいはそれ以下の
幅の非溝部を損傷させることなくインク流路溝を加工す
ることができる。またエネルギー密度の変化は連続でも
間に待機時間をおいても同等に効果が得られる。
【0037】(実施例3)本実施例では、実施例1およ
び2と同様にエキシマレーザのレーザ光に対してマスク
35と天板30aを設置し、図4の制御系で制御するこ
とで加工面でのレーザエネルギー密度を700mJ/c
2 ・pulsとし、先ず周波数100Hzで130パル
ス、待機時間2秒間経過後、周波数100Hzで120
パルス、レーザ光を照射することにより、実施例1およ
び2と同様のインク流路溝をピッチ42.375μmで
336本配列することができた。
【0038】また、加工時間も周波数10Hzで250
パルス連続照射する場合よりも80%以上減らすことが
できた。
【0039】このようにレーザ照射を2回以上に分け、
その間に待機時間を設けて、天板の昇温を防ぎ、合計で
溝の深さに必要な分のパルス数分レーザを照射すること
で、約8μmあるいはそれ以下の幅の非溝部を損傷させ
ることなく、インク流路溝を加工することができる。
【0040】(実施例4)本実施例では、温度測定系2
2(図4参照)により天板表面の温度を測定しながら、
天板表面が、その材料である樹脂の熱変形温度に到達し
ないように、レーザのエネルギー密度、周波数、パルス
数、待機時間等天板の温度上昇や温度変化に関係する要
因を制御することで、約8μmあるいはそれ以下の幅の
非溝部を損傷させることなくインク流路溝を加工するも
のである。
【0041】図2に示すようにレーザ光に対し、マスク
35とポリサルフォンからなる天板30aを設置し、図
4の制御系で制御することで、レーザエネルギー密度を
700mJ/cm2 ・pulsとし、先ず、周波数100H
zのレーザ光を照射し、同時に温度測定系で天板の表面
温度を測定する。天板がポリサルフォンの熱変形温度1
74℃まで昇温しないように表面温度測定値が150℃
に到達した時点で制御系によりレーザ光の照射を止め、
待機時間とする。この間も温度測定は続け、表面温度が
50℃に低下したのを温度測定系が検知した後再び制御
系により周波数100Hzのレーザ光を照射する。レー
ザ光の照射パルス数の合計が250パルスに達するまで
この工程を繰り返すことで、図1の(b)および図3に
示すような溝の深さd:40μm、溝の幅w:34μ
m、非溝部の幅wo:8μmのインク流路溝をピッチ4
2.375μmで336本配列することができる。
【0042】また、図4の制御系で制御することで、レ
ーザエネルギー密度を700mJ/cm2 ・pulsとし、
先ず、周波数200Hzのレーザ光を照射し、同時に温
度測定系で天板の表面温度を測定する。天板がポリサル
フォンの熱変形温度174℃まで昇温しないように表面
温度測定値が150℃に到達した時点で制御系によりレ
ーザ光の照射を止め、待機時間とする。この間も温度測
定は続け、表面温度が50℃に低下したのを温度測定系
が検知した後再び制御系により前の周波数より低い周波
数150Hzのレーザ光を照射する。レーザ光の照射パ
ルス数の合計が250パルスに達するまで周波数を徐々
に低くしてこの工程を繰り返すことで天板にかかる負荷
を減らし、図1の(b)および図3に示すような溝の深
さd:40μm、溝の幅w:34μm、非溝部の幅w
o:8μmのインク流路溝をピッチ42.375μmで
336本配列することができる。
【0043】このように、温度測定値と連動して制御す
るパラメータは、レーザ光のエネルギー密度、周波数、
パルス数、待機時間等、天板の温度上昇や温度変化に関
係するものであればよい。また、パラメータの変化は増
加、減少とも可能で、これらのパラメータを複数組み合
わせて制御することでも効果がある。
【0044】温度測定には放射温度計等を用いればワー
クに対して非接触で行なえるが、接触、非接触どちらで
もよい。
【0045】また、加工時間も周波数10Hzで250
パルス連続照射する場合よりも減らすことができ、さら
に天板の個体差による温度上昇の違いにも対応できる。
【0046】なお、本発明は、特に液体噴射記録方式の
中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行なう、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッ
ド、記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0047】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。
【0048】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0049】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0050】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0051】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0052】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0053】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記
録を行なうために有効である。
【0054】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0055】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸
発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いる
かして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクの使用も可能である。このような場合
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。上述した各インクに対して最も有効な
ものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0056】さらに加えて、インクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るものであってもよい。
【0057】
【発明の効果】本発明は、上述したように構成されてい
るので、レーザ光の照射によるインク流路溝の加工にお
いて、その加工時間を分割し、レーザ光の周波数、エネ
ルギー密度および待機時間のうち少なくとも一つを変化
させて、少なくとも2回にわたりそして全体として溝の
深さに必要なパルス数のレーザ光を照射することによ
り、ノズルの高密度化に伴なって影響が大きくなる加工
中の熱等のレーザによる天板の負荷を減少させて、イン
ク流路溝の損傷を防ぐことができる。よって、高密度の
ノズルをもつ液体噴射記録ヘッドにおける高密度の複数
のインク流路溝のレーザ加工を可能とすることができ
る。
【0058】また、加工時間も大幅に短縮できること
で、生産性も著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、本発明の液体噴射記録
ヘッドを構成する天板の溝加工前および溝加工後の状態
をそれぞれ示す模式的斜視図である。
【図2】天板の溝加工に際しマスクを介して照射するエ
キシマレーザによる天板の除去加工態様を示す模式図で
ある。
【図3】図2に示した加工の結果得られた溝の形状の特
徴を表す模式図である。
【図4】本発明の液体噴射記録ヘッドを構成する天板の
加工に適用するエキシマレーザ加工機の一例を示す概略
的な構成図である。
【符号の説明】
1 エキシマレーザ発振器 2 ワークステーション 4 光学系 9 マスク 10 投影光学系 11 照明光学系 13 測定系 14 画像処理系 15 制御系 16 移動手段 22 温度測定系 30 天板 30a 溝加工前の天板 31 インク流路溝 32 共通液室 35 マスク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインク吐出口の各々に対応して設
    けられるインク流路を構成するために溝を有した天板
    と、前記インク流路の一部に配設される吐出エネルギー
    発生素子を有した基板とを接合することによって構成さ
    れる液体噴射記録ヘッドの製造方法において、前記天板
    が有する溝をレーザ加工する際に、レーザ光の照射によ
    る加工時間を分割し、レーザの周波数、エネルギー密度
    および待機時間のうち少なくとも一つを変化させて少な
    くとも2回にわたりレーザ光を照射し、高密度の溝を加
    工することを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 天板が有する溝をレーザ加工する間に、
    前記天板の温度測定を行ない、その測定値と連動してレ
    ーザの周波数、エネルギー密度および待機時間のうち少
    なくとも一つを変化させて、レーザ光を照射し、高密度
    の溝を加工することを特徴とする請求項1記載の液体噴
    射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 天板が樹脂材料により形成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の液体噴射記録ヘ
    ッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 天板はインク流路に供給されるインクを
    貯留する共通液室を有して射出成形によって形成された
    部材に溝加工されるものであることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1項記載の液体噴射記録ヘッドの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 レーザ光にエキシマレーザを用いること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の液
    体噴射記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項記載の
    液体噴射記録ヘッドの製造方法によって製造されたこと
    を特徴とする液体噴射記録ヘッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001105796A (ja) * 1999-07-30 2001-04-17 Sukegawa Electric Co Ltd 金属装飾板とその製造方法
JP2003151921A (ja) * 2001-11-09 2003-05-23 Sanyo Electric Co Ltd 化合物半導体とその製造方法

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