JP2001104869A - 光輝性塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

光輝性塗膜形成方法および塗装物

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JP2001104869A
JP2001104869A JP28406999A JP28406999A JP2001104869A JP 2001104869 A JP2001104869 A JP 2001104869A JP 28406999 A JP28406999 A JP 28406999A JP 28406999 A JP28406999 A JP 28406999A JP 2001104869 A JP2001104869 A JP 2001104869A
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clear
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pigment
coating
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JP28406999A
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Nobuhiko Momose
信彦 百瀬
Katsumi Kunugi
克己 椚
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホログラム顔料が塗膜から突出することのな
い、塗膜外観が良好な、さらに見る角度によって虹色に
変化し、基材を塗膜を通して視認可能な、いわゆるスケ
ルトン仕上げを兼ね備えた光輝感と、かつホログラム顔
料含有光輝性クリヤー塗膜層の下層である溶剤型塗料か
ら形成されるカラークリヤーベース塗膜層との複合色に
よる意匠を発現することが可能な光輝性塗膜形成方法お
よびこの方法により得られる塗装物を提供すること。 【解決手段】基材の上に、溶剤型塗料を用いてカラーク
リヤーベース塗膜層を形成後、前記カラークリヤーベー
ス塗膜層の上に、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗
膜層を形成し、さらに前記光輝性クリヤー塗膜層の上に
トップクリヤー塗膜層を形成する光輝性塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホログラム顔料を
含有した光輝性塗膜の形成方法およびこれらにより塗装
された塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】特表平9−506379号公報には、ホ
ログラム・フレーク顔料を含有する塗料およびその塗料
によって得られた塗膜が記載されている。上記公報記載
の塗料が、比較的粒径が大きいホログラム顔料を含有す
る場合、それから得られた塗膜は、ホログラム顔料が塗
膜から突出し、塗膜外観が十分に得られないことがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、ホログラム顔料が塗膜から突出することのない、塗
膜外観が良好な、さらに見る角度によって虹色に変化
し、基材を塗膜を通して視認可能な、いわゆるスケルト
ン仕上げを兼ね備えた光輝感と、かつホログラム顔料含
有光輝性クリヤー塗膜層の下層である溶剤型塗料から形
成されるカラークリヤーベース塗膜層との複合色による
意匠を発現することが可能な光輝性塗膜形成方法および
この方法により得られる塗装物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1. 基材の上に、溶剤型塗料を用いてカラークリヤー
ベース塗膜層を形成後、上記カラークリヤーベース塗膜
層の上に、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層を
形成し、さらに上記光輝性クリヤー塗膜層の上にトップ
クリヤー塗膜層を形成する光輝性塗膜形成方法。 2.上記ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層が、
ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜とクリヤー塗膜
とからなる2層構造であり、上記2層の塗膜を、ウェッ
トオンウェットの2コート1ベークで形成する上記の光
輝性塗膜形成方法。 3.上記基材が高反射性基材である上記の光輝性塗膜形
成方法。 4.上記の光輝性塗膜形成方法により得られる塗装物。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0006】光輝性塗膜形成方法 本発明の光輝性塗膜形成方法は、基材の上に、溶剤型塗
料を用いてカラークリヤーベース塗膜層を形成後、上記
カラークリヤーベース塗膜層の上に、ホログラム顔料含
有光輝性クリヤー塗膜層を形成し、さらにホログラム顔
料含有光輝性クリヤー塗膜層の上にトップクリヤー塗膜
層を形成するものである。
【0007】本発明の光輝性塗膜形成方法に用いられる
基材としては、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合
金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等の無
機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アク
リル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種
のFRP等のプラスチック材料;木材、紙、布等の繊維
材料等の天然または合成材料等並びにこれらの加工品が
挙げられる。これらは、不透明であっても、透明であっ
てもよい。また予め上記基材に脱脂や化成の処理を施し
ておくのが好ましい。スケルトン仕上げ効果を強調する
ためには、上記基材が高反射性のものが好ましい。高反
射性基材とは、60度鏡面反射率測定での反射率が90
%以上のもので、具体的には基材に対して、めっき処
理、金属蒸着処理、めっき調塗装処理または金属研磨処
理等を施したものが挙げられる。
【0008】カラークリヤーベース塗膜層の形成 本発明の光輝性塗膜形成方法においては、上記基材に溶
剤型塗料を用いてカラークリヤーベース塗膜層を形成す
る。ただし塗膜外観および塗膜耐久性の点より、かつカ
ラークリヤーベース塗膜層を形成する前に、予め溶剤型
塗料から形成されるクリヤープライマー塗膜層を形成し
てもよい。その場合は、クリヤープライマー塗膜層の上
にウェットオンウェット、またはウェットオンドライに
より溶剤型塗料から形成されるカラークリヤーベース塗
膜層を形成することができる。本発明で好ましく用いら
れる高反射性基材は、基材自体の平滑性が高いため、カ
ラークリヤーベース塗膜層を溶剤型塗料から形成して
も、より平滑な塗膜を形成することが可能となる。
【0009】上記カラークリヤーベース塗膜層を形成す
るのに使用する塗料は、以下で説明するホログラム顔料
含有光輝性クリヤー塗料で使用するビヒクル、光輝性顔
料および/または着色顔料を利用できる。上記カラーク
リヤーベース塗膜層は、下地を隠蔽しない塗膜層であ
り、その乾燥膜厚は、30〜100μmが好ましい。3
0μm未満では、カラーベースとしての着色効果が不十
分で、100μmを超えると塗膜外観不良を生じる恐れ
がある。より好ましくは40〜60μmである。上記カ
ラークリヤーベース塗膜層を形成する溶剤型塗料は、有
機溶剤型塗料または水性塗料であってもよく、また一液
型塗料であっても、二液型ウレタン樹脂塗料等のような
二液型塗料であってもよい。
【0010】ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層
の形成 本発明の光輝性塗膜形成方法におけるホログラム顔料含
有光輝性クリヤー塗膜層は、溶剤型塗料から形成される
カラークリヤーベース塗膜層の上に、ホログラム顔料、
ビヒクルおよび必要に応じて光輝性顔料および/または
着色顔料を含有するホログラム顔料含有光輝性クリヤー
塗料(以下、光輝性塗料組成物ともいう)を用いて形成
されるクリヤー塗膜層である。
【0011】上記光輝性塗料組成物は、物体からの光の
波面に相当する干渉縞がホログラム像として形成される
ホログラム顔料を含む。これらのホログラム顔料を製造
するには、まず基板となる支持フィルムの表面に熱可塑
性樹脂層を形成し、その表面に2500Å程度の凹凸を
有するホログラム面を形成すること、また薄層のフィル
ムを積層することや、および基板の表面に紫外線または
電子線硬化型樹脂層に対しレリーフ型ホログラムが形成
されたホログラム原板を圧接し、圧接後に紫外線または
電子線硬化型樹脂層を硬化させることによりホログラム
層を得る。また必要に応じて、さらに上記ホログラム面
の上に、各種金属を蒸着させて用いたり、表面に保護フ
ィルムをラミネートして用いてもよい。またホログラム
層および支持フィルムは、公知の方法で着色してもよ
い。
【0012】上記ホログラム顔料は、上記基板およびそ
こに形成されたホログラム層を、使用目的に応じて、任
意のサイズのフレーク状にグリッター加工する等により
得られる。サイズは、用途に応じて10〜1000μm
程度に加工する。塗膜外観からは、10〜500μmが
好ましい。フレーク形状については、目的に応じて円形
状、楕円状、四角形状等のものを用いることができる。
【0013】これら市販のホログラム顔料として、ダイ
ヤホログラムHG-タイプ、HG−Sタイプ、HG−E
Pタイプ、ダイヤクリスタルカラー(いずれもダイヤ工
業社製)、GEOMETRIC PIGMENTS(ス
ペクトラテック社製)等が挙げられる。
【0014】上記ホログラム顔料の塗料固形分100重
量部に対する固形分重量割合(PWC)は、0.01〜
30%が好ましく、1〜15%がより好ましい。0.0
1%を下回るとホログラム顔料による光輝感が低下し、
30%を超えると塗膜外観が低下する恐れがある。
【0015】上記光輝性塗料組成物に含まれるビヒクル
は、ホログラム顔料、光輝性顔料および/または着色顔
料を分散するものであって、塗膜形成用樹脂と必要に応
じて架橋剤とから構成される。上記ビヒクルを構成する
上記塗膜形成用樹脂としては、例えば、(a)アクリル
樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、
(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウ
レタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、こ
れらは、2種以上を組合わせて使用することができる。
特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく
用いられる。
【0016】上記(a)アクリル樹脂としては、アクリ
ル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るア
クリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリ
ル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フ
ェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメ
タクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開
環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−
メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)
アクリル酸エステルなどがある。これらと共重合可能な
上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢
酸ビニルなどがある。
【0017】上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽
和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げ
られ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合し
て得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、飽
和多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基酸
としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハ
ク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられ
る。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコー
ル、三価アルコール等が挙げられ、二価アルコールとし
ては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール等が挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、
グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0018】また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を
有するタイプとラッカータイプがあるが、通常硬化性を
有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイ
プの場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシア
ネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン
酸等の架橋剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬
化反応を進行させることができる。また、硬化性を有し
ないラッカータイプの塗膜形成用樹脂と硬化性を有する
タイプとを併用することも可能である。
【0019】上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形
成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜
形成用樹脂が90〜50重量%、架橋剤が10〜50重
量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60重
量%であり、架橋剤が15〜40重量%である。架橋剤
が10重量%未満では(塗膜形成用樹脂が90重量%を
超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤
が50重量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50重量%
未満では)、光輝性塗料組成物の貯蔵安定性が低下する
とともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くな
る。
【0020】上記光輝性塗料組成物は、上記ホログラム
顔料以外のその他の光輝性顔料として、従来から塗料用
として常用されている、例えば、アルミニウムフレーク
顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、アルミナフレー
ク顔料、グラファイト顔料、マイカ顔料、金属チタンフ
レーク、ステンレスフレーク、板状酸化鉄、フタロシア
ニンフレークまたは金属めっきガラスフレーク等を含有
することができる。
【0021】上記光輝性塗料組成物においては、着色顔
料を含有することもできる。このようなものとして、従
来から塗料用として常用されているものが用いられる。
有機顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロ
シアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キ
ノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン
系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙
げられ、また、無機顔料としては、例えば、黄鉛、黄色
酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等
が挙げられる。光輝性顔料および/または着色顔料を含
む場合の添加量は、得られる塗膜の透明性を損なわない
範囲の量を含有することができる。また各種体質顔料を
併用することができる。
【0022】上記光輝性塗料組成物は、上記成分の他
に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワック
スや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体で
あるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや
有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡
剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加して
含有することができる。これらの添加剤は、通常、上記
ビヒクル100重量部(固形分基準)に対して例えば、
それぞれ15重量部以下の割合で配合することにより、
塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0023】上記光輝性塗料組成物は、上記構成成分
を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供され
る。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するもの
であればよく、有機溶剤および/または水を使用し得
る。有機溶剤としては、塗料用として常用されているも
のを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン
等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセ
ロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示でき
る。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている
場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量
の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0024】ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層
は、溶剤型塗料または粉体型塗料により形成してもよ
い。溶剤型塗料としては、一液型塗料を用いてもよい
し、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型塗料を用
いてもよい。塗膜平滑性の点からは、溶剤型塗料が好ま
しい。
【0025】ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層
の乾燥膜厚は、10〜100μmが好ましく、10μm
未満ではホログラム顔料による光輝感が、十分に発現で
きず、100μmを超えると塗膜外観が、不充分となる
恐れがある。より好ましくは20〜50μmである。
【0026】本発明の光輝性塗膜形成方法における好ま
しい態様は、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層
が、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜とホログラ
ム顔料を含んでいないクリヤー塗膜とからなる2層構造
からなるものであり、この2層の塗膜が、ウェットオン
ウェットの2コート1ベークで形成されることが好まし
い。この2層構造からなる場合には、光輝感および塗膜
外観を一層向上させることができるため、平滑性の高
い、深み感のある上記光輝性塗膜を得ることができる。
この場合のホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜の膜
厚は、上記ホログラムクリヤー塗膜層を一層で形成する
場合と同じであり、クリヤー塗膜は、20〜100μm
が好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が不充分とな
る恐れがある。
【0027】このとき、上記ホログラム顔料を含んでい
ないクリヤー塗膜を得るために用いるクリヤー塗料は、
以下で説明するトップクリヤー塗膜層の形成に用いる塗
料と同じ塗料を使用できるが、塗膜外観向上のために
は、上記ホログラムクリヤー塗膜で用いる樹脂系を適用
することが好ましい。
【0028】トップクリヤー塗膜層の形成 本発明の光輝性塗膜形成方法においては、上記ホログラ
ム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層を形成した後、その上
にトップクリヤー塗膜層を形成する。上記ホログラム顔
料含有光輝性クリヤー塗膜層の上に、トップクリヤー塗
膜層としてトップクリヤー塗料を用いて形成することに
より、光沢向上およびホログラム顔料の突出を防止する
ことができる。このトップクリヤー塗膜層としては、無
色透明なクリヤー塗膜層を用いることができ、さらには
半透明感を付与した、いわゆる濁りクリヤー塗膜層を用
いてもよい。
【0029】上記トップクリヤー塗料としては、上塗り
用として常用されているものを用いることができ、上記
光輝性塗料組成物のビヒクルを塗料として用いることが
できる。また特公平8−19315号公報に記載された
カルボシキル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマー
とを含有するクリヤー塗料が、耐酸性雨対策およびウェ
ットオンウェットでホログラム顔料含有光輝性クリヤー
塗膜層を塗装した際に、ホログラム顔料の配向を乱さな
いという観点から好ましく用いられる。また、これらの
トップクリヤー塗料は、必要に応じて、その透明性を損
なわない範囲で、上記の着色顔料、体質顔料、改質剤、
紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加
剤を配合することが可能である。また、トップクリヤー
塗膜層は、溶剤型塗料または粉体型塗料から形成しても
よい。溶剤型塗料としては、一液型塗料を用いてもよい
し、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型塗料を用
いてもよい。ホログラム顔料の塗膜からの突出を防ぐ点
からは、粉体型塗料が好ましい。
【0030】なお上記トップクリヤー塗膜層は、トップ
クリヤー塗料を2層以上塗装したものであってよい。上
記光輝性クリヤー塗膜層中にホログラム顔料が多くまた
は粒径の大きいホログラム顔料が含まれる場合に、トッ
プクリヤー塗料を2層以上塗装すると、表面の光輝感を
向上させることができる。トップクリヤー塗料を2層以
上塗装する場合、最表層は、上記カルボシキル基含有ポ
リマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー
塗料を用いて、トップクリヤー塗膜層を形成すること
が、上記と同じ理由で好ましい。
【0031】本発明の光輝性塗膜形成方法におけるトッ
プクリヤー塗料の塗装は、上記ホログラム顔料含有光輝
性クリヤー塗膜層を硬化させてから行うことができる
が、未硬化状態または半硬化状態の上記ホログラム顔料
含有光輝性クリヤー塗膜層に対して行う、ウェットオン
ウェットにより形成してもよい。また、トップクリヤー
塗料を複数回塗装する場合には、最終のクリヤー塗料を
塗装した後で同時に焼き付ければよく、初期にクリヤー
塗料を塗装した段階では完全に硬化させなくてもよい。
トップクリヤー塗膜層の乾燥膜厚は、30〜400μm
が好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が不充分とな
る恐れがある。より好ましくは50〜200μmであ
る。
【0032】塗装方法 各塗膜層を形成する塗装方法は特に限定されないが、溶
剤型塗料ではスプレー法、ロールコーター法等が、また
粉体型塗料の塗装は静電塗装が好ましい。乾燥条件は、
80〜160℃で所定時間行われ、これによって各塗膜
層を得ることができる。
【0033】光輝性塗料組成物 本発明の光輝性塗料組成物は、上記ホログラム顔料含有
光輝性クリヤー塗膜層の形成のところで記載したもので
ある。
【0034】塗装物 本発明の塗膜形成方法によって得られる塗装物は、基材
上にカラークリヤーベース塗膜層、ホログラム顔料含有
光輝性クリヤー塗膜層、次いでトップクリヤー塗膜層の
順で、上記の塗膜形成方法により形成された積層塗膜が
形成されている。
【0035】各塗膜層の好ましい乾燥膜厚は、カラーク
リヤーベース塗膜層が、30〜100μmで、ホログラ
ム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層が、10〜100μm
であり、ただしホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜
層を、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜とホログ
ラム顔料を含んでいないクリヤー塗膜とからなる2層構
造により形成する場合は、ホログラム顔料含有光輝性ク
リヤー塗膜が、10〜100μmで、クリヤー塗膜は、
20〜100μmであり、最表層のトップクリヤー塗膜
層が、30〜400μmである。
【0036】本発明の塗装物は、例えば自動車・二輪車
等の部品、容器外面、コイルコーティングされた建材
等、家電、通信関連の電気機器等を挙げることができ
る。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり重量部を表す。
【0038】実施例1〜21,比較例1〜3 基材の調製 基材として、以下に示す処理を行った。 基材1/めっき処理:湿式クロムめっき 基材2/金属蒸着処理:アルミ蒸着処理 基材3/めっき調塗装処理:蒸着アルミを粉砕したアル
ミ箔含有塗料を塗装 基材4/金属研磨処理:アルミ鋳物材をバフ研磨カラークリヤーベース塗膜層の形成 上記各基材に対して、商品名「オルガS−90シーラー
グリーンクリヤー」(カラークリヤーベース塗料、日本
ペイント社製)を乾燥膜厚が40μmとなるようにエア
ースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付け、カラ
ークリヤーベース塗膜層を形成した。
【0039】ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗料組
成物の調製 アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチ
ルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/
メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、
水酸基価45、酸価15、固形分50重量%)と、商品
名「ユーバン20SE」(メラミン樹脂、三井化学社
製、固形分60重量%)とを80:20の固形分重量比
で配合して得たビヒクルに対し、ホログラム顔料A(商
品名「ダイヤホログラムHG−S5EP」、平均粒径1
00μm、ダイヤ工業社製)、ホログラム顔料B(商品
名「375GEOMETRIC PIGMENTS」、
平均粒径50μm、スペクトラテック社製)を表1に示
す割合で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キシ
レン/酢酸エチル/酢酸ブチルの重量比=70/15/
10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるよ
うに攪拌混合し、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗
料組成物を調製した。ただし比較例は、ホログラム顔料
の代わりに、表1において、Cで示した商品名「イリオ
ジン103WII」(ホワイトマイカ顔料、メルク社
製)を用いた。
【0040】ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層
およびトップクリヤー塗膜層の形成 カラークリヤーベース塗膜層を形成した基材1〜4に、
表1に示す塗料の組み合わせで塗膜形成を行った。実施
例1〜16では、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗
膜層を乾燥膜厚30μmになるように形成した。次いで
以下のトップクリヤー塗料A〜Dを使用し、溶剤型塗料
では、乾燥膜厚が50μm、粉体型塗料では、乾燥膜厚
が100μmとなるようにウェットオンウェット(表1
中:W/Wと記載)または、140℃で20分間焼き付
け、トップクリヤー塗膜層を形成した。トップクリヤー
塗膜層の焼き付け条件は、表1に示す温度で、20分間
行った。なお実施例17〜21は、ホログラム顔料含有
光輝性クリヤー塗膜層をホログラム顔料含有光輝性クリ
ヤー塗膜とクリヤー塗膜とからなる2層構造を、ウェッ
トオンウェットで形成した場合で、ホログラム顔料含有
光輝性クリヤー塗膜を乾燥膜厚30μmとなるよう形成
後、ウェットオンウェットで表1に示すクリヤー塗膜を
50μmとなるよう形成し、140℃で20分間焼き付
け、その後トップコートクリヤー塗膜を乾燥膜厚が50
μmとなるよう形成し、140℃で20分間焼き付け
た。これらの得られた塗膜の光輝感および塗膜外観を、
下記評価方法で評価した。結果を表1に示した。 A…商品名「スーパーラックO−130クリヤー」(溶
剤型アクリル樹脂クリヤー塗料、日本ペイント社製)、 B…商品名「マックフローO−520クリヤー」(カル
ボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーのブ
レンドからなる溶剤型クリヤー塗料、日本ペイント社
製)、 C…商品名「パウダックスA400」(粉体型クリヤー
塗料アクリル樹脂系クリヤー塗料、日本ペイント社
製)、 D…商品名「naxスぺリオクリヤー」(2液型ウレタ
ン系溶剤型クリヤー塗料、日本ペイント社製)、 E…商品名「スーパーラック5000AW−2クリヤ
ー」(溶剤型アクリル樹脂クリヤー塗料、日本ペイント
社製)の5種類である。
【0041】評価方法 光輝感:塗膜のプリズム効果の大きく、ホログラム顔料
の一つ一つが見る角度によって虹色に変化し、基材を透
視するスケルトン感を併せた光輝感を目視で評価した。 5…上記光輝感が顕著に認められ、深み感もある 4…上記光輝感が顕著に認められる 3…上記光輝感が認められる 2…上記光輝感が多少認められる 1…上記光輝感が認められない 塗膜外観:目視および指触でホログラム顔料の塗膜から
の突出のない平滑感を評価した。 3…上記平滑感が、顕著に認められる 2…上記平滑感が、認められる 1…上記平滑感が、認められない
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果から明らかのように、本実施例
1〜21は、本発明の塗膜形成方法により塗膜層を形成
したものであり、見る角度によって虹色に変化し、さら
に基材を塗膜層を通して視認可能なスケルトン仕上げを
兼ね備えた光輝感を発現し、塗膜外観が良好な塗装物が
得られた。特に、実施例17〜21は、ホログラム顔料
含有光輝性クリヤー塗膜層をホログラム顔料含有光輝性
クリヤー塗膜とクリヤー塗膜とからなる2層構造を、ウ
ェットオンウェットで形成したことにより、光輝性およ
び塗膜外観とも極めて良好な塗装物が得られた。一方、
比較例1〜3では、ホワイトマイカを用いた光輝性塗料
により塗膜形成を行ったため、見る角度によって虹色に
変化する光輝感は発現しない結果となった。
【0044】
【発明の効果】本発明は、基材の上に、カラークリヤー
ベース塗膜層を形成後、上記カラークリヤーベース塗膜
層の上に、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層を
形成し、さらに上記光輝性クリヤー塗膜層の上にトップ
クリヤー塗膜層を形成することにより、得られた塗膜層
は、プリズム効果が大きく、ホログラム顔料の一つ一つ
が見る角度によって虹色に変化し、基材を塗膜層を通し
て視認可能なるスケルトン仕上げを兼ね備えた光輝感を
呈する塗装物を得ることができた。
【0045】また上記ホログラム顔料含有光輝性クリヤ
ー塗膜層を、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜と
クリヤー塗膜とからなる2層構造とし、かつ上記2層の
塗膜を、ウェットオンウェットの2コート1ベークで形
成することで光輝性および塗膜外観ともに格段と向上す
ることが確認された。
【0046】本発明の方法により得られる塗装物は、上
記光輝感を呈する塗膜を有しているため、自動車・二輪
車等の部品、容器外面、コイルコーティング、家電・通
信業界等の光輝性が要求される分野において好ましく使
用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/38 C09D 5/38 7/12 7/12 Z G03H 1/04 G03H 1/04 Fターム(参考) 2K008 AA00 AA14 4D075 AE03 AE10 CB04 CB08 CB36 EA07 EA43 EC11 4J038 CD091 CG141 DB001 DD001 DD121 DF001 DG001 KA08 MA07 NA01 PA07 PA19 PB04 PB05 PB07 PB09 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08 PC10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の上に、溶剤型塗料を用いてカラーク
    リヤーベース塗膜層を形成後、前記カラークリヤーベー
    ス塗膜層の上に、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗
    膜層を形成し、さらに前記光輝性クリヤー塗膜層の上に
    トップクリヤー塗膜層を形成する光輝性塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】前記ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗
    膜層が、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜とクリ
    ヤー塗膜とからなる2層構造であり、前記2層の塗膜
    を、ウェットオンウェットの2コート1ベークで形成す
    る請求項1記載の光輝性塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】前記基材が高反射性基材である請求項1ま
    たは2記載の光輝性塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3いずれか1項記載の光輝性
    塗膜形成方法により得られる塗装物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003038688A (ja) * 2001-08-01 2003-02-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフクラブヘッド
JP2003041168A (ja) * 2001-07-30 2003-02-13 Toppan Forms Co Ltd 有色ホログラムインクおよびそれを用いたシート
JP2003043902A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Toppan Forms Co Ltd ホログラムシート

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