JP2001104787A - エチレンオキシド製造用触媒及びエチレンオキシドの製造方法 - Google Patents

エチレンオキシド製造用触媒及びエチレンオキシドの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い選択率をもつエチレンオキシド製造用触
媒を提供する。 【解決手段】 多孔性担体に前処理としてアルカリ金属
の少なくとも1種と原子番号が41以上である5族元素
の少なくとも1種とを担持させ、次いで、銀とアルカリ
金属の少なくとも1種とを担持させてなるエチレンを酸
化してエチレンオキシドを製造するための触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンを分子状
酸素により気相接触酸化してエチレンオキシドを製造す
るための改良された銀触媒及びエチレンオキシドの製造
方法に関する。エチレンオキシドは活性水素化合物に付
加重合させて非イオン系界面活性剤の製造に向けられる
他、水を付加させてエチレングリコールとなし、ポリエ
ステルやポリウレタン系高分子の原料、エンジン用不凍
液等に使用される。
【0002】
【従来の技術】エチレンを分子状酸素により気相接触酸
化して工業的にエチレンオキシドを製造する際に使用さ
れる触媒は銀触媒である。エチレンオキシドを効率よく
生産するために、触媒の改良の要請が強く、より高選択
性、長寿命の触媒の出現が望まれている。このため、従
来から種々の方法が提案されているが、主活性成分であ
る銀と反応促進剤であるアルカリ金属等との組合せ、そ
の配合比の最適化、これらを担持する担体の改良等がそ
の主なものである。
【0003】例えば、特開昭50−90591号には、
促進量の銅、金、亜鉛、カドミウム、水銀、ニオブ、タ
ンタル、モリブデン、タングステン、バナジウムまたは
好ましくはクロム、カルシウム、マグネシウム、ストロ
ンチウムおよび/またはさらに好ましくはバリウム、な
らびに好ましくはさらに、アルカリ金属を含有する触媒
が開示されている。USP4,908,343号及び
5,057,481号には、反応促進剤としてセシウム
をカチオンとし3族から7族の元素のオキシアニオンを
アニオンとする種々の塩を担持させた触媒が、また、U
SP5,102,848号には、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどをカチオンと
し硫酸イオン、フッ化物イオン、3族から6族から選ば
れた原子番号が21から74である元素のオキシアニオ
ンの3成分をアニオンとする種々の塩を担持させた触媒
が開示されている。また、特開平7−820号には、助
触媒の一つとしてニオブを含有する触媒により活性およ
び選択性が向上すると述べられている。更に、USP
5,736,483号には、レニウムを含まず促進量の
アルカリ金属、ニオブもしくはタンタル、硫黄、任意に
フッ素を含む触媒により選択性及び寿命が改良されると
述べられている。他方、アルカリ金属を担体に前含浸さ
せた触媒も提案されている(特昭平55−127144
号、特開平4−346835号及び特開平8−2444
77号等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、エチレ
ンオキシド製造用触媒については、反応促進剤などに5
族元素を使用すること、また、アルカリ金属を使用する
場合でも、いろいろな提案がなされている。しかしなが
ら、未だ十分に満足すべきレベルに達しているとは言え
ず、触媒性能改善のための努力が、継続して行われてい
る状況にある。本発明の目的は、従来の触媒に比較して
より高い選択率を持つエチレンオキシド製造用触媒を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、多孔性担体に
前処理としてアルカリ金属の少なくとも1種と原子番号
が41以上である5族元素の少なくとも1種とを担持さ
せ、次いで、銀とアルカリ金属の少なくとも1種とを担
持させてなるエチレンを酸化してエチレンオキシドを製
造するための触媒、及び該触媒の存在下でのエチレンオ
キシドの製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の触媒について詳細
に説明する。 (多孔性担体)本発明の触媒は多孔性担体に触媒主成分
として銀を担持させた触媒である。多孔性担体として
は、アルミナ、炭化珪素、チタニア、ジルコニア及びマ
グネシア等の多孔性耐火物が挙げられるが、主成分がα
−アルミナであるものが特に好適である。また、多孔性
担体には通常10%程度を上限としてシリカ成分を含有
させたものであってもよい。本発明においては多孔性担
体の諸物性がその触媒活性に大きな影響を与える場合が
あり、多孔性担体の表面積は、通常0.1〜10m2
g、好ましくは0.6〜5m2 /g、更に好ましくは
0.8〜2m2 /gであるものが望ましい。また、かか
る表面積を保持して触媒成分の含浸操作を容易にすると
いう点で、担体の吸水率が好ましくは20〜50%、更
に好ましくは25〜45%であるものが望ましい。
【0007】(触媒の調製)本発明の触媒は、多孔性担
体にアルカリ金属と原子番号が41以上である5族元素
とを担持させ、次いで、銀とアルカリ金属とを担持させ
て調製されるものである。この2段の担持処理の内、初
めの多孔性担体にアルカリ金属と原子番号が41以上で
ある5族元素とを担持する工程を「前処理工程」とい
い、また、前処理後に銀とアルカリ金属とを担持する工
程を「本処理工程」と定義して説明する。
【0008】(前処理工程)前処理工程で多孔性担体に
担持する金属は、アルカリ金属と原子番号が41以上で
ある5族元素である。アルカリ金属としては、例えばリ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム
等のいずれでもよいが、セシウムが好ましい。これらは
1種又は2種以上で使用される。原子番号が41以上で
ある5族元素としては、例えばニオブ、タンタル等のい
ずれでもよいが、タンタルが好ましい。これらは1種又
は2種以上で使用される。
【0009】アルカリ金属の担持量は、全触媒重量当た
り好ましくは、50〜2000ppm、より好ましくは
100〜1000ppmである。原子番号が41以上で
ある5族元素の担持量は、好ましくは10〜2000p
pm、より好ましくは10〜1000ppmである。前
処理工程で使用されるアルカリ金属化合物の種類は特に
限定はなく、例えば硝酸塩、水酸化物、ハロゲン化物、
炭酸塩、重炭酸塩、シュウ酸塩、カルボン酸塩等が挙げ
られる。また、原子番号が41以上である5族元素化合
物の種類も特に限定はなく、例えばオキシ塩化物、ハロ
ゲン化物、シュウ酸塩、ハロゲン化5族酸アンモニウム
塩等が挙げられる。前処理工程において、アルカリ金属
と原子番号が41以上である5族元素とを担持させる方
法は、従来公知の方法が採用できるが、例えば、多孔性
担体にアルカリ金属を含有する溶液と原子番号が41以
上である5族元素を含有する溶液とを含浸後、乾燥処理
することにより担持することができる。
【0010】含浸させる方法としてはアルカリ金属化合
物を含有する溶液中、および原子番号が41以上である
5族元素化合物を含有する溶液中に多孔性担体を浸漬す
る方法、または多孔性担体にアルカリ金属化合物を含有
する溶液および原子番号が41以上である5族元素化合
物を含有する溶液を噴霧する方法が挙げられる。なお、
該処理は、アルカリ金属化合物を含有する溶液での処理
と原子番号が41以上である5族元素化合物を含有する
溶液での処理とを別々に行ってもよいし、アルカリ金属
化合物を含有する溶液と原子番号が41以上である5族
元素化合物を含有する溶液との両方を含有する溶液で行
ってもよい。
【0011】前処理工程で、担体にアルカリ金属化合物
と原子番号が41以上である5族元素化合物とを担持す
るために使用する溶液の溶媒としては、使用するアルカ
リ金属化合物及び原子番号が41以上である5族元素化
合物に対して溶解性があれば、特に限定なく使用でき、
水、低沸点の有機溶媒、および水と低沸点の有機溶媒の
混合物等が使用できる。乾燥処理としては、含浸処理
後、多孔性担体と余剰のアルカリ金属化合物と原子番号
が41以上である5族元素化合物の含有溶液を分離後、
減圧乾燥または加熱処理による乾燥等が挙げられる。該
加熱処理としては、好ましくは100〜300℃、更に
好ましくは130〜270℃での空気、窒素等の不活性
ガス、過熱水蒸気を利用する方法が好ましい。特に好ま
しいのは過熱水蒸気を利用する方法である。
【0012】(本処理工程)本発明の本処理工程とは、
前記の前処理工程でアルカリ金属と原子番号が41以上
である5族元素とを担持させた多孔性担体に、銀とアル
カリ金属とを担持させる処理である。本処理工程に用い
るアルカリ金属も前処理と同様、例えばリチウム、ナト
リウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のいずれで
もよい。これらは1種又は2種以上で担持されうる。銀
の担持量は、全触媒重量当たり好ましくは、5〜30重
量%、より好ましくは8〜20重量%である。担持され
た銀は担体上で通常、金属銀の形態で存在する。また、
アルカリ金属の担持量は、全触媒重量当たり好ましくは
10〜10000ppm、より好ましくは50〜500
0ppmである。アルカリ金属がセシウムである場合に
は、特に200〜2000ppmが好ましい。本発明の
触媒に含まれるアルカリ金属の総量は、前処理工程で担
持された量と本処理工程で担持された量との和となる。
【0013】本処理工程で、銀を担体に担持させるため
に有利に使用される銀化合物としては、酸化銀、硝酸
銀、炭酸銀、あるいは、酢酸銀、シュウ酸銀などの各種
カルボン酸銀を挙げられ、例えば、アミン化合物と溶媒
中で可溶な錯体を形成し、そして500℃以下、好まし
くは300℃以下、より好ましくは260℃以下の温度
で分解して銀を析出するものである。この内、シュウ酸
銀が特に好ましい。錯体形成剤としてのアミン化合物
は、上記銀化合物を溶媒中で可溶化し得るものが用いら
れる。かかるアミン化合物としては、例えばピリジン、
アンモニア、1〜6個の炭素を有するアミン類などが挙
げられる。中でもアンモニア、ピリジン、ブチルアミン
などのモノアミン、エタノールアミンなどのアルカノー
ルアミン、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミ
ンの如きポリアミンが好ましい。特にエチレンジアミン
及び/又は1,3−プロパンジアミンの使用、特にその
混合使用が最適である。
【0014】また、本処理工程で使用されるアルカリ金
属化合物の種類は特に限定はなく、例えば硝酸塩、水酸
化物、ハロゲン化物、炭酸塩、重炭酸塩、シュウ酸塩、
カルボン酸塩等が挙げられる。本処理工程で、銀化合物
及びアルカリ金属化合物を担持させる方法は、従来公知
の方法が採用でき、例えば、前処理を施した多孔性担体
に銀化合物及びアルカリ金属化合物を含有する溶液を含
浸させ、次いで加熱処理することにより、担持すること
ができる。銀化合物の含浸方法としては、銀化合物をア
ミン化合物との水溶液の形として用いることが最も現実
的であるが、アルコールなどを加えた水溶液としても用
い得る。最終的には触媒成分として5〜30重量%の銀
が担持されるように含浸液中の銀濃度は決定される。ま
た、含浸の後、要すれば減圧、加熱、スプレー吹き付け
などを併せて行うこともできる。アミン化合物は銀化合
物を錯化するに必要な量(通常アミノ基2個が銀1原子
に対応する)で加えられる。この場合アミン化合物は、
上記必要量より5〜30%過剰に加えるのが、反応性の
面から好ましい。
【0015】また、アルカリ金属化合物は銀化合物水溶
液中に溶解し、銀と同時に担体上に担持すればよい。含
浸後の加熱処理は、銀が担体上に析出するのに必要な温
度と時間を測定して実施する。担体上に銀ができるだけ
均一に、微細な粒子で存在するように析出する条件を選
ぶことが最も好ましい。一般的に加熱処理は、高温、長
時間となるほど、析出した銀粒子の凝集を促進するので
好ましくない。好ましい加熱処理は、130℃〜300
℃で、加熱した空気(又は窒素などの不活性ガス)又
は、過熱水蒸気を使用して、5分から30分の短時間行
われる。好ましい上記熱処理は、触媒調製工程の時間短
縮という観点からも望ましく、他に過熱水蒸気を使用す
ると、担体上の銀の分布が均一になり触媒性能も向上す
るので特に好ましい。
【0016】(反応方法)本発明の触媒を用いてエチレ
ンをエチレンオキシドに転換する反応は、慣用操作で実
施できる。反応圧力は通常0.1〜3.6MPa(0〜
35kg/cm2G)であり、反応温度は通常180〜
350℃、好ましくは200〜300℃である。反応原
料ガスの組成は、一般に、エチレンが1〜40容量%、
分子状酸素が1〜20容量%の混合ガスが用いられ、ま
た、一般に希釈剤、例えばメタンや窒素等の不活性ガス
を一定割合、例えば1〜70容量%で存在させることが
できる。分子状酸素含有ガスとしては、通常、空気ある
いは工業用酸素が用いられる。更に、反応改変剤とし
て、例えばハロゲン化炭化水素を0.1〜50ppm程
度、反応原料ガスに加えることにより触媒中のホットス
ポットの形成を防止でき、且つ触媒の性能、殊に触媒選
択性を大幅に改善させることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。 実施例1 (1)前処理工程 担体としてα−アルミナ担体(表面積1.04m2
g、吸水率32.3%、平均細孔径1.4μm、シリカ
3%、8φ×3φ×8mmのリング状)30gを炭酸セ
シウム(Cs2 CO3 )0.043gが溶解した水溶液
50mlに浸漬させ、余分な液を切り、次いでこれを1
50℃の過熱水蒸気にて15分間、2m/秒の流速で加
熱し、セシウムを含浸させた担体を調製した。次いで、
フッ化タンタル酸アンモニウム((NH4 2 Ta
7 )0.003gが溶解した水溶液9.7mlをセシ
ウムが含浸されたα−アルミナ担体30gにエバポレー
ター中で減圧下、40℃の加温中で含浸した。この含浸
担体を200℃の過熱水蒸気にて15分間、2m/秒の
流速で加熱し、セシウムとタンタルを含浸させた担体を
調製した。
【0018】(2)シュウ酸銀の調製 硝酸銀(AgNO3 )228gとシュウ酸カリウム(K
2 2 4 ・H2 O)135gを各々1リットルの水に
溶解した後、水溶液中で60℃に加温しながら徐々に混
合し、シュウ酸銀の白色沈殿を得た。濾過後蒸留水によ
り沈殿を洗浄して、沈殿物中のカリウムを除いた。
【0019】(3)銀アミン錯体溶液の調製 (2)で得られたシュウ酸銀(Ag2 2 4 、含水率
17.09%)の一部(6.95g)をエチレンジアミ
ン2.05g、プロパンジアミン0.56g、及び水
2.65gよりなるアミン混合水溶液に徐々に溶解し
て、銀アミン錯体溶液を調製した。この銀アミン錯体溶
液に、水0.72mlを添加し、更に、攪拌しながら塩
化セシウム(CsCl)1.14重量%と硝酸セシウム
(CsNO3)1.98重量%を含有する混合水溶液
0.6mlを添加した。
【0020】(4)本処理工程 セシウムを含有するこの銀アミン錯体溶液を(1)で調
製したセシウムとタンタルが含浸されたα−アルミナ担
体30gにエバポレーター中で減圧下、40℃の加温中
で含浸した。この含浸担体を200℃の過熱水蒸気にて
15分間、2m/秒の流速で加熱し、触媒を得た。該触
媒における銀(Ag)、セシウム(Cs)およびタンタ
ル(Ta)の担持量は12%、595ppm、50pp
mであった。
【0021】(5)エチレンオキシドの製造 上記方法で調製した触媒を、6〜10メッシュに砕き、
その3mlを内径7.5mmのSUS製反応管に充填
し、反応ガス(エチレン30%、酸素8.5%、塩化ビ
ニル1.5ppm、二酸化炭素6.0%、残り窒素)
を、GHSV4300h-1、圧力0.8MPa(7kg
/cm2 G)で流し、反応を行った。酸素転化率が40
%となるときのエチレン基準の酸化エチレンの選択率S
40(%)を表1に示す。
【0022】実施例2 実施例1において、前処理工程のタンタルの担持量が4
00ppmとなるように溶液の濃度を代え、また本処理
工程で担持させるセシウムの量が632ppmとなるよ
うに溶液の濃度を代えた他は実施例1と同様の方法で触
媒を調製し反応を行った。反応結果を表1に示す。
【0023】実施例3 実施例1において、前処理工程のフッ化タンタル酸アン
モニウムをフッ化ニオブ酸アンモニウム(NH4 NbF
6 )に代え、ニオブ(Nb)の担持量が50ppmとな
るように溶液の濃度を代えた他は実施例1と同様の方法
で触媒を調製し反応を行った。反応結果を表1に示す。 実施例4 実施例3において、前処理工程のニオブの担持量が20
0ppmとなるように溶液の濃度を代え、また本処理工
程で担持させるセシウムの量が632ppmとなるよう
に溶液の濃度を代えた他は実施例3と同様の方法で触媒
を調製し反応を行った。反応結果を表1に示す。
【0024】比較例1 実施例1において、前処理工程で担体にタンタルを担持
しない他は実施例1と同様の方法で触媒を調製し反応を
行った。反応結果を表1に示す。 比較例2 実施例1において、前処理工程で担体にセシウムとタン
タルを担持せず、本処理工程で担持させるセシウムの量
が832ppmとなるように溶液の濃度を代え、また本
処理工程でフッ化タンタル酸アンモニウムの4.4重量
%水溶液0.6mlをタンタルの担持量が400ppm
となるようにセシウムを含有する銀アミン錯体溶液に更
に添加した溶液を担体に含浸させた他は実施例1と同様
の方法で触媒を調製し反応を行った。反応結果を表1に
示す。
【0025】比較例3 比較例2において、本処理工程でフッ化タンタル酸アン
モニウムをフッ化ニオブ酸アンモニウムに代え、フッ化
ニオブ酸アンモニウムの5.5重量%水溶液0.3ml
をニオブの担持量が200ppmとなるようにセシウム
を含有する銀アミン錯体溶液に更に添加した溶液を担体
に含浸させた他は比較例2と同様の方法で触媒を調製し
反応を行った。反応結果を表1に示す。 比較例4 実施例3において、前処理工程で担体にセシウムを担持
せず、本処理工程で担持させるセシウムの量が595p
pmとなるように溶液の濃度を代えた他は実施例3と同
様の方法で触媒を調製し反応を行った。反応結果を表1
に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、多孔性担体にアルカリ
金属の少なくとも1種と原子番号が41以上である5族
元素の少なくとも1種とを担持させ、次いで、銀とアル
カリ金属の少なくとも1種とを担持させてなる触媒を用
いることにより、従来の触媒と比較して高い選択率でエ
チレンオキシドを製造することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C048 AA01 BB01 CC01 UU03 XX02 XX05 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BA02B BB02A BB02B BC01A BC01B BC06A BC06B BC32B BC53A BC56A BC56B BD01A BD01B BD02A BD02B CB08 DA05 FB14 FC04 4H039 CA63 CF10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性担体に前処理としてアルカリ金属
    の少なくとも1種と原子番号が41以上である5族元素
    の少なくとも1種とを担持させ、次いで、銀とアルカリ
    金属の少なくとも1種とを担持させてなることを特徴と
    するエチレンを酸化してエチレンオキシドを製造するた
    めの触媒。
  2. 【請求項2】 多孔性担体に前処理として担持するアル
    カリ金属がセシウムである請求項1に記載の触媒。
  3. 【請求項3】 原子番号が41以上である5族元素がタ
    ンタルである請求項1または2に記載の触媒。
  4. 【請求項4】 多孔性担体に前処理として担持させるア
    ルカリ金属が全触媒重量当たり50〜2000ppm、
    また、原子番号が41以上である5族元素が10〜20
    00ppmである請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の触媒。
  5. 【請求項5】 前処理としてアルカリ金属の少なくとも
    1種と原子番号が41以上である5族元素の少なくとも
    1種とを担持させた多孔性担体に、担持させる銀が全触
    媒重量当たり5〜30重量%、また、アルカリ金属が1
    0〜10000ppmである請求項1ないし4のいずれ
    か1項に記載の触媒。
  6. 【請求項6】 多孔性担体の表面積が0.6〜5m2
    gである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の触
    媒。
  7. 【請求項7】 多孔性担体の主成分がα−アルミナであ
    る請求項1ないし6のいずれか1項に記載の触媒。
  8. 【請求項8】 前処理が、多孔性担体にアルカリ金属化
    合物を含有する溶液と原子番号が41以上である5族元
    素の化合物を含有する溶液とで含浸後、加熱処理して担
    持させてなることを特徴とする請求項1ないし7のいず
    れか1項に記載の触媒。
  9. 【請求項9】 前処理の加熱処理の際に過熱水蒸気を用
    いることを特徴とする請求項8に記載の触媒。
  10. 【請求項10】 前処理としてアルカリ金属の少なくと
    も1種と原子番号が41以上である5族元素の少なくと
    も1種とを担持させた多孔性担体に、銀化合物、アルカ
    リ金属化合物の少なくとも1種及び錯体形成剤としての
    アミン化合物を含有する溶液を含浸後、加熱処理して銀
    とアルカリ金属とを担持させてなることを特徴とする請
    求項1ないし9のいずれか1項に記載の触媒。
  11. 【請求項11】 銀とアルカリ金属とを担持させる加熱
    処理の際に、過熱水蒸気を用いることを特徴とする請求
    項10に記載の触媒。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    記載の触媒の存在下、エチレンを分子状酸素により気相
    接触酸化することを特徴とするエチレンオキシドの製造
    方法。
JP28389699A 1999-10-05 1999-10-05 エチレンオキシド製造用触媒及びエチレンオキシドの製造方法 Expired - Fee Related JP3767279B2 (ja)

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