JPH07820A - 酸化エチレン製造用銀担持触媒 - Google Patents

酸化エチレン製造用銀担持触媒

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JPH07820A
JPH07820A JP5303137A JP30313793A JPH07820A JP H07820 A JPH07820 A JP H07820A JP 5303137 A JP5303137 A JP 5303137A JP 30313793 A JP30313793 A JP 30313793A JP H07820 A JPH07820 A JP H07820A
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JP
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silver
catalyst
carrier
niobium
ethylene oxide
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JP5303137A
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English (en)
Inventor
Young-Chol Kim
英▲ちゆる▼ 金
Eun-Hee Jin
▲うん▼希 陳
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SANSEI SOGO KAGAKU KK
Hanwha Impact Corp
Original Assignee
SANSEI SOGO KAGAKU KK
Samsung General Chemicals Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エチレンと酸素又は酸素含有気体との気相接
触部分酸化反応により酸化エチレンを製造するのに使用
される銀担持つ触媒を、より高い選択率でその活性を増
加させ、寿命を延長させた新しい酸化エチレン製造用銀
担持触媒として提供することである。 【構成】 主触媒である銀と助触媒であるアルカリ金
属、アルカリ土類金属、塩素適当量及びニオブとを担体
に同時に又は別々に担持させることによって製造された
酸化エチレン製造用銀担持触媒である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレンと酸素又は酸素
含有気体との気相接触部分酸化反応により酸化エチレン
を製造するのに使用される銀担持触媒をより高い選択率
でその活性を増加させ寿命を延長させた新しい酸化エチ
レン製造用銀担持触媒に関するもので、詳しくはエチレ
ンの酸化エチレンへの酸化工程に使用するのに適合した
銀担持触媒の組成及び担体を改良して高い選択率を維持
し、その活性を増加させ寿命を延長させた酸化エチレン
製造用銀担持触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エチレンの直接酸化により酸化エチレン
を製造する反応において優れた性能を有する銀担持触媒
は、適宜な反応条件下でエチレン転換率が低い場合、性
能が高い触媒は80%以上の選択率を表すこともある。
選択率はエチレンが反応して酸化エチレンになるモル%
を意味し、主に生成される副産物は二酸化炭素である。
商業的に酸化エチレンは200〜300℃の温度、15
0〜300psigの圧力で生産される。一般的に選択
率はエチレン転換率が増加するほど減少し商業的工程で
の選択率は運転条件に応じて70〜83%程度の範囲を
有する。
【0003】エチレンの酸化エチレンへの部分酸化反応
が銀触媒の存在下のみに起こるが、触媒の物理的形状又
は触媒内の微量不純物の存在有無が選択率と活性に重要
な影響を及ぼす。銀触媒の研究が始まった初期には銀が
薄膜、粉末、フォイル又は合金等のバルク形態で使用さ
れた。このような形態の銀の使用は発熱反応から生成さ
れる熱の迅速な除去を可能にすることにより副反応を抑
えるのに有利な点があるが、このようなバルク形態の触
媒は比活性が低くて商業的規模では多量の金属を必要と
するので経済的ではない。
【0004】従って、銀の分散度を高めることにより高
価な銀をより効率的に使用するために銀を多孔性無機質
担体に担持した触媒を使用してきた。担体としては孔隙
率40〜60%、比表面積0.1〜5m2 /gの適宜な
機械的強度を有するものが多く使用される。使用可能な
担体物質としてはアルファアルミナ、シリカ、シリコン
カーバイド、ジルコニア等があるが、アルミナ又は少量
のシリカを含むアルミナが最も多く使用される。
【0005】触媒作用にあっては担体は不活性で触媒性
能に影響を及ぼさないと見做され、大部分の特許又は文
献上にも担体の不活性が強調されてきた。しかし、担体
に含まれている少量の不純物が触媒性能に影響を及ぼす
可能性があるという点から担体の不活性に関しては議論
の余地があった。事実上エチレン酸化反応触媒の製造時
に助触媒として銀とともに担体に担持される色々な金属
の中には本来既に担体内に存在しているものが多い。代
表的な例はアルカリ又はアルカリ土類金属系の助触媒で
ある。触媒内の助触媒の役割は明確に解明されなかった
が、細かく一様に分散された銀粒子の凝集を防ぎ、副反
応を抑えるか、または活性に影響を及ぼすものと考えら
れる。しかし、本来から担体に存在している助触媒は大
部分が反応物の接近が容易な担体表面よりは担体内部の
バルク上に化学的に結合している。銀を担体に担持させ
る技術としては噴霧担持法、含浸法、沈殿法、蒸発乾燥
法等があり、担持後に銀触媒の活性化のため酸化又は還
元条件で焼成過程を経る。今までの大部分の触媒製造技
術では担体は触媒作用に全然関与しないで、単に不活性
の担体表面に担持される成分の種類及び量等の変化が触
媒の性能を変化させるものと知られている。
【0006】今日に至るまでエチレン酸化による酸化エ
チレンの接触合成反応において、工業的に使用される触
媒としては銀を多孔性無機質担体に担持した触媒が唯一
のものであることが知られている。銀はエチレンを酸化
エチレンに酸化させるのに使用される主触媒として広く
知られている。ここで、助触媒の成分としてアルカリ金
属類、アルカリ土金属類、鉄、銅、マンガン、カドミウ
ム、ジルコニウム、アルミニウム等が単独で又は二種以
上の組合せて使用され、最近では微量の反応促進剤を添
加する提案があった。
【0007】そのうち、促進剤としてアルカリ金属を使
用する方法がある。アルカリ金属が性能のよい触媒とし
て知られているが、そのなかでもK、Li、Cs等が最
も適当な助触媒として推薦される。例えば、米国特許第
3,962,136号;第4,010,115号;第
4,419,276号;第4,455,392号;第
4,916,243号ではCsとLi、CsとK等を銀
触媒に助触媒として担持させた時の触媒性能向上効果を
強調している。
【0008】より最近の特許ではアルカリ金属以外の遷
移金属又はS、F等を添加した時に触媒性能向上効果が
あると記載している。米国特許第4,808,738
号;第4,820,675号ではCsと一種以上のアル
カリ金属をRe、W、S、Cr等とともに銀触媒に添加
した場合に82〜85%の高い選択率が得られ、Csを
硫酸塩形態で又はCsとともにSをP- トルエンスルホ
ン酸形態で、MoをCo- 促進剤として(NH4)2 Mo
2 7 形態で同時に添加した場合に大変優れた効果が得
られると提案している。
【0009】又、米国特許第4,908,434号では
モリブテン酸セシウムと硫酸カリウムを用いてCs、K
を銀触媒に添加した時に87.9%の高い選択率が得ら
れたと記載されている。
【0010】その外に米国特許第5,057,481
号;第5,099,041号等にもCr、Mo、W、R
e、S等の効果が記載され、同第5,102,848号
ではLi、Na、K、Rb、Cs、Baとともに原子番
号21〜74であるオキシアニオン(Oxyanion)、例えば
硫酸塩、弗化物等の形態で添加した時に弗化物等が酸化
エチレンの燃焼を抑えるので触媒性能向上効果を招くと
記載している。
【0011】銀及び助触媒金属を担持させるために使用
される担体としては一般に高純度のアルミナ又は少量の
シリカーを含むアルミナが使用され、担体の比表面積、
物理的並びに化学的性質、細孔容積(Pore Volume) 等が
触媒の性能に影響を及ぼす。米国特許第3,172,8
93号;第3,305,492号では担体の比表面積が
触媒の性能に及ぼす影響についてが記載されており、同
第4,207,210号では担体の比表面積増加時に助
触媒として添加されるアルカリ金属の最適添加量も増加
すると主張している。
【0012】又、米国特許第4,410,453号では
銀担持触媒の担体において担体の主成分であるアルミナ
以外にZnO、La2 3 、MaO等を担体全体重量の
7〜40%で添加した時に触媒性能が改善されるという
効果が記載されている。
【0013】米国特許第4,186,106号;第4,
094,899号では既存触媒又は使用していた触媒を
適宜な方法で処理して性能を改善させる方法が記載され
ている。前記米国第4,186,106号では使用して
いた触媒を沸点が15〜250℃である有機溶剤で処理
することにより触媒の活性及び選択率が異なると記載し
ており、同第4,094,899号では触媒を適宜な条
件で水溶液で処理することにより選択度及び安全性を補
強し得ると記載している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の触媒は銀のみを担持した触媒に比べて活性又は選択率
が改良されるが十分ではない。又、アルカリ金属を添加
した触媒は一般に銀のみを担持した触媒に比べて活性低
下速度が早くて触媒の寿命が短くなるか、アルカリ金属
を添加するにつれて銀のみを担持した時よりも触媒の活
性が低下するため高い反応温度を必要とすることもあ
る。そして、アルカリ金属を触媒に担持するときに複雑
な工程を取るため工業的規模で生産する時の再現性の問
題が生ずる等の改善すべき点が多い。従って、触媒の活
性減少を克服しプラントの生産性を一定に維持するため
には反応温度を上昇させなければならない。これは生産
費の増加と触媒寿命の短縮を招来する重大な欠点とな
る。
【0015】又、担持された銀触媒の選択率は銀を多孔
性無機質担体に担持させる方法及び触媒に含有された助
触媒の種類に応じて影響を受けやすくて、多孔性無機質
担体に銀を担持させる方法が適合しなくなるかまたは助
触媒の成分及びその量が不適当であると触媒の選択性が
低くなって二酸化炭素が多く生成され、目的生成物であ
る酸化エチレンは少ししか生成されない。従って、高い
効率で酸化エチレンを製造するための触媒の性能として
高選択率、高活性及び触媒寿命の耐久性が要求されるた
め、今日まで多くの試みがあり、多数の方法が提案され
た。即ち、主要な活性成分である銀と促進剤又は活性付
与剤としてのアルカリ金属等の添加物との組合せ及び配
合比の最適化、これらを担持する無機質担体の改良等が
主な内容であった。特に、担体の改良は表面積を増大す
ることにより銀の分散を良好にして低温での使用を可能
にし、長い寿命、高い選択率を有するようにすることで
あった。しかし、単に表面積を大きくするだけでは反応
物と生成物の拡散の影響、担体表面での副反応等により
所定の効果が得られなかった。
【0016】従って、本発明はこのような従来の問題点
を解決するためになされたもので、エチレンを酸化して
酸化エチレンを製造する触媒として銀を主成分とし、助
触媒の一つとして所定量のニオブを含有した銀担持触媒
を製造することにより触媒の活性を大きく向上させると
ともに酸化エチレンの選択率を向上させることをその目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明によりニオブを触媒に含有させる方法
には3通りの方法がある。本発明の一番目の方法は触媒
として銀を主成分とし、セシウム、ルビジウム、リチウ
ム及び塩素等の助触媒成分と同時に又は別個にニオブを
担体に担持させて触媒を製造する方法である。
【0018】本発明の二番目の方法は酸化ニオブをアル
ファアルミナ等の担体物質と混合して比表面積が2M2
/g以下の多孔性物質形態に成形して担体を製造する
か、または予め成形されたアルファアルミナ等の担体に
蓚酸ニオブを添加して製造された担体に銀及び助触媒を
担持させて触媒を製造する方法である。
【0019】本発明の三番目の方法はアルミナ等の担体
上に主触媒として銀と助触媒としてのアルカリ金属又は
アルカリ土類金属のうち一つ以上の化合物が担持され
て、工業的に使用可能な触媒に所定量のニオブを含浸し
て触媒を製造する方法である。このように製造された触
媒は高い選択率を維持しながら触媒の活性が飛躍的に増
加し、触媒の寿命が延長される効果を有する。
【0020】即ち、ニオブ化合物として蓚酸ニオブ、溶
剤として飽和脂肪族低級アルコール及び0〜20重量%
の水よりなる溶液を含浸処理溶液として使用し、そして
高温で銀担持触媒を後処理(含浸処理)することにより
銀担持触媒の性能が改善される。
【0021】銀担持触媒の性能は実質的に活性及び選択
率により決定される。選択率はエチレンが反応して酸化
エチレンになるモル%である。原料の値段が高く、原料
が足りない時に、選択率は特に経済的に重要なものであ
る。活性は所定条件下で(例えば、温度、圧力、気体量
及び触媒量)反応器出口の酸化エチレンの濃度で表示さ
れ、酸化エチレンの濃度が高ければ高いほど活性も高く
なる。換言すれば、所定の酸化エチレンの濃度を達成す
るのに必要な温度が低ければ低いほど活性が高くなる。
活性が低下すると、所定生産量を維持するために、より
高い温度で反応させて同一活性を維持させることにな
る。このため選択率が低下し、寿命短縮を招来する。従
って、銀担持触媒は時間の経過につれて活性及び選択性
が低下するため、数年後には新しい触媒と交換しなけれ
ばならない。大規模の装置で活性が低下した触媒を交換
することは長時間の作業が要求され、また集中的な作業
を必要とするため生産性の低下及び原価上昇の要因とな
る。
【0022】本発明は、酸化エチレンを製造する担持形
触媒として主触媒である銀と助触媒としてアルカリ金
属、アルカリ土類金属、塩素適当量及びニオブを含有し
ており、担体に主触媒である銀と助触媒を同時に又は別
々に担持させて製造された銀担持触媒を提供する。
【0023】本発明により製造された触媒は活性、選択
率が高く、触媒の寿命も長かった。一般的に触媒の性能
を向上させるために、ナトリウム(Na)、リチウム
(Li)、ルビジウム(Rb)、カリウム(K)、セシ
ウム(Cs)のようなアルカリ金属と、マグネシウム
(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(S
r)、バリウム(Ba)のようなアルカリ土類金属と、
銅(Cu)、金(Au)、マグネシウム(Mg)、亜鉛
(Zn)、水銀(Hg)、タリウム(Tl)、錫(S
n)等の金属のうち、一つ又はそれ以上を選択して促進
剤又は活性付与剤として添加する。
【0024】一般にアルカリ金属が効果的な促進剤と知
られており、近来はアルカリ金属およびアルカリ土類金
属の中でもセシウム、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、ルビジウム、カルシウム及びバリウムが最も効果的
な促進剤と知られている。
【0025】最近ではこのようなアルカリ金属の混用に
より相乗効果(Synergistic Effect)を得る技術が強調さ
れてきた。アルカリ金属の添加量は一般に原子量が高い
ほど少なく、通常銀1モルに対して0.05〜1モル、
カリウムは0.02〜0.2モル、ルビジウムは0.0
01〜0.008モル、セシウムは0.0005〜0.
005モルを添加する。銅、金、マグネシウム、亜鉛、
カドミウム、水銀等の添加量は銀1モルに対して0.0
01〜1モル、カルシウム、バリウムは0.001〜
0.1モル、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングス
テン、クロム、バナジウム等は銀1モルに対して0.0
0001〜0.005モルを添加し、0.0001〜
0.002モルを添加することが最も効果的である。
【0026】上に挙げた金属の添加範囲は反応条件、触
媒の製造方法、担体の比表面積、気孔構造と表面の化学
的性質、銀担持量、アルカリ金属以外に存在する他の陰
イオン、陽イオン、化合物等、例えば、アルカリ金属と
ともに添加されるイオンと担持溶液中に除去されないで
残っている化合物等に応じて変化し得る。これらの反応
促進剤又は活性付与剤は可溶性化合物形態で水又は低沸
点有機溶剤に溶かして銀とともに又は銀を担持させる前
又は後に多孔性無機質担体に担持して使用し得る。これ
らの反応促進剤又は活性付与剤金属と結合されている陰
イオン部分の種類は触媒の性能に重大な影響を及ぼさな
いことが知られており、銀化合物のような類似種類の陰
イオンの使用が可能である。例えば、水酸化物(hydroxi
de) 、炭酸塩(carbonate) 、重炭酸塩(bicarbonate) 、
硝酸塩(nitrate) 、亜硝酸塩(nitrite) 、ギ酸塩(forma
te) 、酢酸塩(acetate) 、蓚酸塩(oxalate) 、枸櫞塩酸
(citrate) 、乳酸塩(lactate) 等があり、ハライド(hal
ides) 、硫酸塩(sulfate) 等を使用した例もある。
【0027】担体に含有される微量成分が触媒作用にお
いてどんな形態でも影響を及ぼす点とニオブが銀担持触
媒での反応活性性と選択率に大変大きい影響を及ぼす事
実に着眼して綿密に検討し、通常の担体に特定物質を添
加して触媒を製造して性能を試験した結果、触媒の活性
及び選択率が向上することを発見した。即ち、酸化ニオ
ブをアルファアルミナと混合して比表面積2M2 /g以
下の多孔性物質形態に成形して担体を製造するか、予め
成形されたアルファアルミナに蓚酸ニオブを添加し特別
な方法で処理した担体に銀を担持した触媒を製造してエ
チレンの部分酸化反応により酸化エチレンを製造するの
に使用した時に、活性及び選択率が既存触媒に比べて大
変優れた銀担持触媒の製造方法を提供する。本発明はア
ルファアルミナに適当量の酸化ニオブを添加して担体を
成形した後、銀を担持させて酸化エチレン製造反応に使
用した結果、酸化ニオブを添加しなかった担体を使用し
た触媒よりも活性及び選択率が向上した。
【0028】本発明では次のような三段階の過程により
担持銀触媒が効率的に製造される。 a)所定量の窒素含有化合物溶液を担体に吸収させる。
この過程では担体の微細気孔まで溶液が吸収されるよう
に特定圧力及び温度条件下で担体に溶液を噴霧するか又
は溶液に担体を含浸させる。
【0029】b)このように所定量の窒素含有化合物を
吸収した担体に銀化合物及び助触媒成分を溶媒で溶液化
した溶液を噴霧するか又は溶液に担体を含浸させる。こ
の過程で過剰分の溶液を除去するか又は溶媒を蒸留する
か又は直ぐに溶媒が除去される圧力及び温度条件を維持
させる。
【0030】c)このように得られた銀化合物が担持さ
れた担体を、担体内の銀化合物が金属銀として析出され
るように加熱処理する。 前記a)過程は担体上に銀がよく分散されるようにする
方法で、金属銀の粒子が所定の大きさと形状を有するよ
うにすることにより高活性及び高選択率を有する触媒の
製造法である。活性及び選択率が向上される大きさと形
状を有する金属銀粒子によりなる銀触媒を得るために
は、担体に窒素含有化合物を吸収させた後、銀化合物及
び/又は窒素化合物とともに含浸させ、窒素含有化合物
と金属銀の原子とが配位結合し得る銀化合物が適当であ
る。このような例は金属銀と配位結合を形成し得る一つ
又はそれ以上の錯化合物を分子内に保有している物質と
無機銀塩、又は有機銀塩によりなるものが挙げられる。
即ち、蓚酸銀塩又は炭酸銀塩とエチレンジアミン及びエ
タノールアミンとの混合物を水溶液又はアンモニア性水
溶液の形態で窒素含有化合物を一部吸収した担体に吸収
させることである。
【0031】銀化合物と溶媒との相関的性質は大変重要
であり、その理由は銀化合物と溶媒との相関的性質は担
体の構造的特性及び金属銀の析出過程に相互に密接に関
連しているので銀担持触媒の活性及び選択率に大変重要
な影響を及ぼすためである。
【0032】前記a)過程中の窒素含有化合物による担
体の処理は一般の方法を使用し得る。例えば、担体の外
面に噴霧によるか又は浸漬により窒素化合物を吸収させ
ることもでき、複雑な多孔性構造を有する担体の内面ま
で窒素含有化合物を吸収させるべきであるので、この場
合は真空状態を用いることができる。窒素含有化合物と
してはピリジン、アセトニトリル、アンモニア、1〜6
個の炭素を含有するアミン類がその例で、そのうちでは
アンモニア、ピリジン又はブチルアミン等のモノアミ
ン、エタノールアミン等のアルカノールアミン、ポリア
ミン等がある。アンモニア自体は蓚酸銀を含有して、水
に対した溶解性の悪い塩よりも水に良く溶解し得る錯体
を形成するが、有機アミンの存在なしに本発明の方法を
使用することは適当ではない。エチレンアミンを使用す
る時は銀1モル当たり1〜3モルのエチレンジアミンを
使用することが効果的であり、エチレンジアミンとエタ
ノールアミンとをともに使用する時は銀1モル当たり
0.5〜2モルのエチレンジアミンと0.5〜1モルの
エタノールアミンを使用することが効果的である。エチ
レンジアミン又はエタノールアミンをアンモニアととも
に使用する場合は銀1モル当たり少なくとも2モルのア
ンモニアを使用し、エチレンジアミン又はエタノールア
ミンの量は銀1モル当たり0.2〜1モルが適当であ
る。前記a)過程を省略しても本発明の目的を達成し得
る。
【0033】又、前記b)過程において、助触媒の添加
は銀と同時に又は銀とは別に担持させ得る。そして、溶
液は以下に記載される化合物を少なくとも1種以上含有
するのがよい。このようにすると窒素含有化合物と銀の
原子が配位結合し得るため、活性及び選択率が向上され
た大きさと形状を有する粒子よりなる担持銀触媒を得る
のに適する。このような例としては金属銀と配位結合を
形成し得る一又はそれ以上の醋化合物を分子内に保有し
ている物質と無機銀塩、又は有機銀塩によりなったもの
が挙げられる。即ち、蓚酸銀塩、又は炭酸銀塩とエチレ
ンジアミン及びエタノールアミンの混合物を水溶液又は
アンモニア性水溶液形態で担体に又は窒素含有化合物を
一部吸収した担体に吸収させることである。銀化合物と
溶媒の相関的性質は大変重要であり、その理由は銀化合
物と溶媒の相関的性質は担体の構造的特性及び金属銀の
析出過程に密接に関連しているので銀担持触媒の活性及
び選択率に大変重要な影響を及ぼすためである。窒素含
有化合物としてはピリジン、アセトニトリル、アンモニ
ア、1〜6個の炭素を含有するアミン類がその例で、そ
のうちにはアンモニア、ピリジン又はブチルアミン等の
モノアミン、エタノールアミン等のアルカノールアミ
ン、ポリアミン等がある。アンモニア自体はオキサル酸
銀を含有して、水に対する溶解性が悪い銀塩よりも水に
良く溶解し得る醋体を形成するが、有機アミンの存在な
しに使用することは適当でない。エチレンアミンを使用
する時は銀1モル当たり1〜3モルのエチレンジアミン
を使用するのが効果的であり、エチレンジアミンとエタ
ノールアミンとを同時に使用する時は銀1モル当たり
0.5〜2モルのエチレンジアミンと0.5〜1モルの
エタノールアミンを使用することが効果的である。エチ
レンジアミン又はエタノールアミンをアンモニアととも
に使用する場合は銀1モル当たり少なくとも2モルのア
ンモニアを使用し、エチレンジアミン又はエタノールア
ミンの量は銀1モル当たり0.2〜1モルが適当であ
る。
【0034】本発明によると、担体の成形時にアルミナ
に混合する酸化ニオブの量が触媒の性能に最も重要な影
響を及ぼす。担体に混合する酸化ニオブの量は5〜40
%が適しており、10〜30%が最も適している。又、
酸化ニオブを担体に添加させる方法も触媒の性能に影響
を及ぼすので重要である。本発明において、酸化ニオブ
の添加は、担体の成形時に酸化ニオブを添加することも
でき、既に成形された担体に蓚酸ニオブをドーピングし
て担体を特別な方法で処理して担体上にニオブが酸化ニ
オブ形態で存在するようにしても類似の効果が得られ
る。酸化ニオブの代わりに酸化亜鉛、酸化ランタン及び
酸化マグネシウムを類似の方法で添加した場合も類似す
る結果が得られたが、その効果は酸化ニオブを添加した
場合よりも落ち、酸化チタン又は酸化マンガンを使用し
た場合は触媒の性能が低下した。
【0035】本発明の触媒を製造する他の方法は1kg
の触媒当たり1〜1000mgのニオブを担持させるた
めに醋酸ニオブ及び飽和脂肪酸低級アルコールを溶剤と
した溶液を触媒に含浸させた後、含浸処理された触媒か
ら過剰の含浸処理溶液を分離する方法である。本発明で
はニオブ化合物として蓚酸ニオブ、溶剤として飽和脂肪
族低級アルコール及び0〜20重量%の水より含浸処理
溶液を使用することを特徴とする。本発明において、ニ
オブ化合物としては蓚酸ニオブ、含浸処理用溶剤は飽和
脂肪族低級アルコールで炭素原子数1〜5、特に1〜3
のアルコール、つまりメタノール、フロパノール又はイ
ソフロパノールと0〜20重量%、特に0〜5重量%の
水により構成される。本発明による方法の場合に含浸処
理温度は常温から200℃、特に50〜150℃程度で
ある。含浸処理溶液の量は通常含浸処理すべきである銀
担持触媒に対して容積基準で過剰となるようにする。一
般に含浸処理すべきである触媒の容積を基準として0.
5〜3倍、特に1〜2倍の容積の含浸処理用溶液を使用
する。含浸処理用において、ニオブ化合物の濃度は広範
囲に変化させ得る。本発明の含浸処理において、処理さ
れる銀担持触媒上に触媒1kg当たり1〜1000m
g、特に10〜500mgのニオブを沈殿析出させるこ
とが重要である。特に有利な含浸処理溶液はメタノー
ル、エタノール、フロパノール又はイソフロパノール、
0〜20重量%の水及び所定量の蓚酸ニオブによりな
る。含浸処理時間、つまり触媒が含浸処理溶液と接触し
ている時間は必要とするニオブ(ニオブ化合物)が触媒
に付着されるように選択すべきである。これは特に含浸
処理用溶液のニオブ(ニオブ化合物)濃度及び処理すべ
きである触媒の担体物質に依存し、0.5〜15時間、
特に1〜10時間程度である。
【0036】本発明の実施において、有用な方法は含浸
処理方法とフラッデイング(Flooding)による方法であ
る。含浸処理方法は含浸処理用溶液を圧力釜(Autoclav
e) 又は回転蒸発器等に入れて注入し、場合によっては
撹拌する方法である。フラッデイング方法は一つ以上の
管中に固定状態で充填されている触媒に対して含浸処理
することである。この方法は処理すべきである触媒が反
応器の管中に存在している大規模の装置に特に適する。
フラッデイングによる方法は一回又は数回を連続的に又
は不連続的に実施し得、担持溶液と触媒との所定接触時
間を維持しながら含浸処理溶液を循環することもでき
る。含浸処理された溶液は空気、窒素及び/又は二酸化
炭素等の不活性気体で乾燥させる。乾燥温度は20〜1
50℃、特に50〜120℃が適するが、普通溶剤の沸
点に応じて異なる。本発明による方法はどんな種類の銀
担持触媒に対しても実施可能である。エチレンと酸素又
は空気との部分酸化反応により酸化エチレンを製造する
銀担持触媒に対しては本発明の実施が可能である。本発
明は新しく製造されて工業的に使用可能な触媒に対して
特に有用であるが、所定時間使用した触媒にしても有用
である。
【0037】本発明の方法により製造された銀担持触媒
の活性及び選択率が向上する。本発明により処理した触
媒の場合は、他の触媒を使用する時に同じか又は少し高
い転化率を生じさせるための反応温度を低下させること
ができる。このような低い反応温度は副反応の誘発を抑
えて副生成物、例えば二酸化炭素、ホルムアルデヒド及
びアセトアルデヒドの形成を減少させることができるの
で重要である。
【0038】本発明の適用において、酸化エチレン製造
用銀担持触媒はエチレンを分子状酸素と気相接触酸化し
て酸化エチレンを製造するための触媒であって、主触媒
である銀及び助触媒としてのアルカリ金属、アルカリ土
類金属及び塩素適当量を含有し、そして担体に主触媒で
ある銀と助触媒を同時に又は別々に担持させて製造され
ることを特徴とし、本発明により製造されるこの触媒は
活性、選択率が高く、触媒の寿命も長かった。
【0039】本発明による触媒は銀が2μm以下の直径
を有して、おおよそ半球状の粒子が不連続に存在してい
る多孔性担体物質によりなっており、その微粒子は担体
物質の表面と担体物質の細孔の内面に均一に分散されて
堅固に付着されている。半球状の銀微粒子の直径は2μ
m以下である。既に知られた触媒に存在する銀微粒子は
不規則的であり、平均直径は2μm以下である。本発明
の触媒は触媒の重量を基準として、銀含有量が4〜15
%、銀微粒子は平均直径が1μm以下であることが望ま
しい。銀の含量があまり少ないか又は過多になると触媒
性能の向上は期待し得ない。銀化合物としては、硝酸
銀、亜硝酸銀、炭酸等の無機酸塩類又は蓚酸銀、醋酸
銀、乳酸銀等のカルボン酸銀等を使用し得る。
【0040】含浸後の熱処理(焼成)は銀が担体の表面
に析出するのに必要な温度及び時間を選択して実施する
とよいが、銀が担体上に出来るだけ少なく均一に存在す
るように条件を設定すべきである。一般に高温度及び長
時間の処理は、析出した銀粒子の凝集を招来し得るため
望ましくない。従って、150〜300℃で加熱処理
し、加熱時間は通常0.5〜10時間程度とする。場合
に応じては多段階の温度と時間に分けて加熱処理するこ
ともできる。加熱温度が50℃以下では硝酸銀の分解が
十分でないため適しない。加熱処理するときの雰囲気ガ
スとしては、通常空気、窒素、炭酸ガス、水蒸気及び水
素等の雰囲気を用いることができる。
【0041】本発明の触媒は温度140〜300℃で使
用可能であり、160〜250℃で使用するのが最も適
している。反応圧力は0〜4kg/cm2 Gの範囲で使
用し得、0〜30kg/cm2 Gの範囲で使用すること
が最も望ましい。ガス流量は1000〜10000cc
/hrの範囲で使用可能であり、3000〜7000c
c/hrの範囲で使用することが最も望ましい。本発明
の触媒を使用してエチレンを分子状酸素と気相接触部分
酸化反応を起こさせて酸化エチレンを製造することにあ
って、原料ガスの組成は通常1〜40モル%、酸素3〜
20モル%、残りは二酸化炭素、メタン、エタン等の低
級炭化水素と窒素又はアルゴン等の不活性ガスである。
又、この原料ガス中に燃焼反応抑制剤として二塩化エチ
レン又は塩化ビニル等の塩素化合物を0.1〜20pp
m程度添加してよい結果を得ることができる。
【0042】下記の実施例は本発明を理解しやすく説明
するためのもので、本発明を限定するものではない。
【0043】
【実施例】
実施例1 触媒の製造 回転蒸発器の中に比表面積0.4m2 /g、細孔容積が
0.27cc/gであるアルファアルミナ100gを入
れ、90℃、100mmHgの条件で回転させながらエ
チレンアミン13mlとエタノールアミン5mlとの混
合溶液を加えるとともに圧力を大気圧に上昇させ温度は
室温まで冷却させる。窒酸セシウム0.29gと塩化ア
ンモニウム0.08g及びオキサル酸ニオブ(NbO
(HC2 4)3 ・4H2 O)0.67gを溶かし、ここ
にエチレンジアミン36mlとエタノールアミン13m
lを加えた後、再び蓚酸銀111gを加え、蓚酸銀を溶
かして前記アルミナ担体を含浸させ、30分間放置して
から引き出して125℃で10時間乾燥し250℃で4
時間空気中で焼成した。 酸化エチレンの製造 内径が16mmである石英製反応器に前記触媒3gと石
英砂5gを混合して充填し、酸素6.8モル%、エチレ
ン18モル%及び窒素によりなる反応混合ガスを480
0cc/hrの速度で供給し、反応温度が210℃でエ
チレンの転化率12%、酸化エチレンの選択率77.5
%を得た。 実施例2 触媒の製造 回転蒸発器の中に比表面積0.4m2 /g、細孔容積が
0.27cc/gであるアルファアルミナ100gを入
れ、90℃、100mmHgの条件で回転させながらエ
チレンアミン13mlとエタノールアミン5mlとの混
合溶液を加えるとともに圧力を大気圧に上昇させ、温度
を室温まで冷却させる。硝酸セシウム0.29gとオキ
サル酸ニオブ0.67gを溶かし、ここにエチレンジア
ミン36mlとエタノールアミン13mlを加えた後、
再び蓚酸銀111gを加え、蓚酸銀を溶かして前記アル
ミナ担体を含浸させ、30分間放置してから引き出して
125℃で10時間乾燥し250℃で4時間空気中で焼
成した。前記触媒を使用して実施例1と同一方法で反応
させた結果、反応温度が200℃でエチレンの転化率1
0%、酸化エチレンの選択率60.2%を得た。 比較例1 触媒の製造 回転蒸発器の中に比表面積0.4m2 /g、細孔容積が
0.27cc/gであるアルファアルミナ100gを入
れ、90℃、100mmHgの条件で回転させながらエ
チレンアミン30mlと蒸留水20mlによりなった溶
液を加えるとともに圧力を大気圧に上昇させ、温度を室
温まで冷却させる。次に蓚酸銀107.8gをエチレン
ジアミン130mlと蒸留水80mlに溶かした溶液に
前記アルミナ担体を含浸させ、30分間放置してから引
き出して125℃で10時間乾燥し250℃で4時間空
気中で焼成した。前記触媒を使用して実施例1と同一方
法で反応させた結果、反応温度が230℃でエチレンの
転化率12%、酸化エチレンの選択率64.2%を得
た。 比較例2 触媒の製造 回転蒸発器の中に比表面積0.4m2 /g、細孔容積が
0.27cc/gであるアルファアルミナ100gを入
れ、90℃、100mmHgの条件で回転させながらエ
チレンジアミン13mlとエタノールアミン5mlとの
混合溶液を加えるとともに圧力を大気圧に上昇させ、温
度を室温まで冷却させる。硝酸セシウム0.29gと塩
化アンモニウム0.08gを蒸留水10mlに溶かし、
ここにエチレンジアミン36mlとエタノールアミン1
3mlを加えた後、再び蓚酸銀111gを加え、蓚酸銀
を溶かして前記アルミナ担体を含浸させ、30分間放置
してから引き出して125℃で10時間乾燥し250℃
で4時間空気中で焼成した。前記触媒を使用して実施例
1と同一方法で反応させた結果、反応温度が240℃で
エチレンの転化率10%、酸化エチレンの選択率72.
7%を得た。 実施例3 担体の製造 銀担持触媒の製造に必要なアルミナを製造するにあたっ
て、先ずアルファアルミナ100gと細孔調節剤及び成
形剤をそれぞれ11g及び1gを混合する。ここに担体
の機械的強度を増加させ得る粘土質接着剤1〜2gを添
加し、ワセリンのような潤滑剤と水を十分に添加して、
所望の形状の成形が可能であるように固練りの練った物
を作る。この練ったものを成形器を用いてリング形状に
成形し、常温の空気中で乾燥させた後、電気炉で焼成し
た。このように製造された担体の表面積は1m2 /g以
下であった。 触媒の製造 前記のように製造されたアルミナ担体を使用して触媒を
製造した。触媒性能のテストに使用された触媒は次のよ
うに製造した。先ず、蒸留水33mlに硝酸0.072
gと塩化アンモニウム0.02g及び蓚酸ニオブ0.0
96gを入れて撹拌しながら溶かす。この溶液に蓚酸銀
27.9gとともにエチレンアミン15mlとエタノー
ルアミン5mlとの混合溶液を入れてよく撹拌しながら
蓚酸銀を溶かした。この時に発熱反応が起こって温度が
急激に上昇するため、氷を添加した水で冷やす必要があ
る。ここにリング形状のアルミナ25gを添加して30
分間放置した後、銀が担持されたアルミナを濾過して1
10℃で2時間乾燥した後、再び270℃で4時間焼成
して触媒を製造した。 酸化エチレンの製造 内径が16mmである石英製反応器に前記触媒3gと石
英砂5gとを混合して充填し、酸素8.0モル%、エチ
レン24モル%及び窒素よりなる反応混合ガスを480
0cc/hrの速度で供給し、反応温度が240℃でエ
チレンの転化率9%、酸化エチレンの選択率69.0%
を得た。 実施例4 実施例1と同一方法で担体を製造したが、ただ酸化ニオ
ブを30g添加し、アルミナの量を70gとした。触媒
の製造及び反応も実施例1と同一方法で反応させた結
果、反応温度が230℃でエチレン転化率10%、酸化
エチレンの選択率62.5%を得た。 実施例5 実施例1と同一方法で担体を製造したが、ただ酸化ニオ
ブを20g転化し、アルミナの量を90gとした。触媒
の製造及び反応も実施例3と同一方法で反応させた結
果、反応温度が233℃でエチレン転化率9.8%、酸
化エチレンの選択率63.8%を得た。 実施例6 実施例3と同一方法で担体を製造したが、ただ酸化ニオ
ブを10g添加し、アルミナの量を90gとした。触媒
の製造及び反応を実施例3と同一方法で反応させた結
果、反応温度が233℃でエチレン転化率9.8%、酸
化エチレンの選択率63.8%を得た。 実施例7 実施例3と同一方法で製造された担体に蓚酸ニオブ水溶
液を使用して、担体全体重量に対してニオブを300p
pm担持させた後、担体として使用した。触媒の製造及
び反応も実施例3と同一方法で反応させた結果、反応温
度が231℃でエチレン転化率9.63%、酸化エチレ
ンの選択率64.2%を得た。 実施例8 実施例3と同一方法で製造された担体に蓚酸ニオブ水溶
液を使用して、担体全体重量に対してニオブを700p
pm担持させた後、担体として使用した。触媒の製造及
び反応も実施例3と同一方法で反応させた結果、反応温
度が232℃でエチレン転化率9.7%、酸化エチレン
の選択率64.5%を得た。 実施例9 実施例3と同一方法で製造された担体に蓚酸ニオブ水溶
液を使用して、担体全体重量に対してニオブを1500
ppm担持させた後、担体として使用した。触媒の製造
及び反応も実施例3と同一で行った結果、反応温度が2
32℃でエチレン転化率9.8%、酸化エチレンの選択
率64.0%を得た。 実施例10 エチレンを酸素又は空気との直接酸化により酸化エチレ
ンを製造するにあって、市販の触媒80gを回転蒸発器
に入れ、圧力を50mmHgに低めて10分間維持した
後、溶媒として使用されるアルコール50mlと蒸留水
20mlに蓚酸ニオブ1gを入れた溶液を含浸温度90
℃で加える。1時間後、残余の液を排出し、110℃で
1時間乾燥させる。
【0044】内径が16mmである石英製反応器に前記
触媒3gと石英砂5gを混合して充填し、酸素6.8モ
ル%、エチレン18モル%及び窒素よりなる反応混合ガ
スを4800cc/hrの速度で供給して、表1に示し
た結果を得た。 実施例11〜19 実施例1と同一方法でニオブの担持量及び溶媒を異なる
ようにして製造された触媒を使用して実施例1と同一方
法で反応させた結果を次の表1に示した。 比較例3 市販の触媒を用いて実施例10は同一方法で反応させた
結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、エチレ
ンを酸化して酸化エチレンを製造するための触媒とし
て、銀を主成分とし、助触媒の一つとして所定量のニオ
ブを含有する銀担持触媒を提供することにより、触媒の
活性を大きく向上させるとともに酸化エチレンの選択率
を向上させ得るという効果が得られる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと酸素との気相反応時に使用さ
    れる酸化エチレン製造用銀担持触媒において、助触媒の
    一つとしてニオブを含有することを特徴とする酸化エチ
    レン製造用銀担持触媒。
  2. 【請求項2】 助触媒としてアルカリ金属化合物、アル
    カリ土類金属化合物、窒素化合物、ハロゲン及びハロゲ
    ン化合物とともにニオブを含有することを特徴とする請
    求項1記載の酸化エチレン製造用銀担持触媒。
  3. 【請求項3】 銀担持触媒全体重量に対してニオブ化合
    物を10〜10,000ppm含有することを特徴とす
    る請求項1記載の酸化エチレン製造用銀担持触媒。
  4. 【請求項4】 ニオブ化合物を蓚酸ニオブ、酸化ニオブ
    形態で添加することを特徴とする請求項1記載の酸化エ
    チレン製造用銀担持触媒。
  5. 【請求項5】 触媒製造用担体の製造時に酸化ニオブを
    添加してなる担体を使用することを特徴とする請求項1
    記載の酸化エチレン製造用銀担持触媒。
  6. 【請求項6】 酸化ニオブが担体全体重量に対して5〜
    40重量%であることを特徴とする請求項5記載の酸化
    エチレン製造用銀担持触媒。
  7. 【請求項7】 担体物質としてアルファアルミナ、シリ
    カ、シリコンカーバイド、ジルコニアを使用することを
    特徴とする請求項5記載の酸化エチレン製造用銀担持触
    媒。
  8. 【請求項8】 成形された担体に蓚酸ニオブをドーピン
    グすることにより担体上にニオブが酸化ニオブ形態で含
    有されることを特徴とする請求項5記載の酸化エチレン
    製造用銀担持触媒。
  9. 【請求項9】 ニオブの含量が担体全体重量に対して1
    00〜5000ppmであることを特徴とする請求項8
    記載の酸化エチレン製造用銀担持触媒。
JP5303137A 1992-12-03 1993-12-02 酸化エチレン製造用銀担持触媒 Pending JPH07820A (ja)

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