JP2001526279A - 二酸化炭素で処理した担体付き銀触媒を使用するエポキシ化法 - Google Patents

二酸化炭素で処理した担体付き銀触媒を使用するエポキシ化法

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Abstract

(57)【要約】 プロピレンエポキシ化法における担体付き銀触媒の触媒性能を、まず該触媒を高温で、二酸化炭素を含む処理流に接触させることにより、向上させる。そのあと、この二酸化炭素処理触媒を、プロピレンオキシドの生成に有効な条件下で、プロピレン、分子酸素を含むが事実上二酸化炭素を含まない供給原料流に接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、塩化物供給源の存在下で、分子酸素を用いて、気相において、プロ
ピレンをプロピレンオキシドに直接酸化する方法に関する。より詳しくは、本発
明は、エポキシドの生成を選択的に触媒するための、不活性の耐火性固体上に支
持された銀から成る組成物の使用に関する。この触媒の性能は、気相の、二酸化
炭素を含む処理流に暴露することによって改良される。このように触媒を処理す
ることにより、追加二酸化炭素の実質的非存在下で、長時間にわたって、割合に
高い選択率で、エポキシ化工程を実施することができる。
【0002】 分子酸素によるエチレンのエチレンオキシドへの直接酸化は周知であり、実際
、これは、現在エチレンオキシドの商業生産に使用されている方法である。この
目的のための代表的触媒は、各種の促進剤および活性剤で随意に改質された、金
属またはイオン銀を含む。大部分のそのような触媒は、多孔質の不活性担体また
はキャリヤーたとえばアルファアルミナを含み、該担体上に銀および促進剤が付
着させられる。担体付き銀触媒の存在下でのエチレンの直接酸化に関する総説は
、Sachtlerほかにより、Catalyst Reviews:Scie
nce and Engineering、23(1&2)、127−149(
1981)に与えられている。
【0003】 しかし、やはり周知のように、エチレンオキシドの生産にもっとと適した触媒
と反応条件は、より高級なオレフィンたとえばプロピレンの直接酸化においては
比較しうる結果を与えない。したがって、現在達成しうるものよりも高い収率で
気相直接酸化によりプロピレンオキシドを生成しうる方法の発見は、非常に望ま
しいことであろう。
【0004】 担体付き銀触媒によって触媒されるエチレンの直接エポキシ化法における供給
原料流に二酸化炭素を含ませることの利点は、この分野の研究者一般によってず
っと前から認識されている。たとえば、Lefortの米国特許第1,998,
878号明細書では、エチレンの二酸化炭素への完全な酸化の速度を制限するた
めに、反応器に二酸化炭素を導入することができる、ということが述べられてい
る。米国特許第2,615,900号明細書には、エチレンオキシドの製法が開
示されており、該方法においては、二酸化炭素を供給原料気体に添加して“抑制
剤”または“抗触媒(ant−catalytic)物質”として作用させ、そ
うすることによって、エチレンオキシド選択率を高める。また、米国特許第4,
007,135号明細書をも参照されたい。同明細書には、反応の選択率を高め
るために二酸化炭素が使用できるということが示されている。
【0005】 従来、担体付き銀触媒は、担体に可溶性銀化合物を含浸させ、次に含浸担体を
高温で“還元”またはか焼することによって銀化合物を金属銀に添加させること
により製造されている。米国特許第3,943,069号明細書は、か焼が、少
なくとも1Vol%の二酸化炭素を含む気相雰囲気で実施されるそのような方法
を教示している。このようにして製造される触媒は、改良された機械的性質とと
もに、エチレンのエチレンオキシドへの酸化における高い活性と選択率を有する
と言われている。米国特許第4,212.772号明細書には、二酸化炭素含有
雰囲気における、銀硝酸アミン錯体含有触媒前駆物質の分解が示されている。分
解ステップにおいて二酸化炭素を使用する関連触媒製造法は、米国特許第4,0
66,575号および第4,400,308号明細書に提示されている。
【0006】 アルカリ金属炭酸塩上に支持され、カリウムおよびモリブデンの化合物の両方
によって促進される銀触媒が、分子酸素を用いる、プロピレンのプロピレンオキ
シドへの直接転化のために、提案されている(米国特許第5,625,084号
明細書参照)。同特許によれば、二酸化炭素を供給原料流に含ませることにより
、プロピレンオキシド選択率が向上する。しかし、この触媒を二酸化炭素によっ
て状態調節することにより、二酸化炭素を含まない供給原料流を後続使用したと
きに高い触媒性能が持続する、という示唆はなされていない。
【0007】 ここでの予想外の発見によれば、特定タイプの金属銀含有担体付き触媒を使用
し、該触媒をまず高温で二酸化炭素含有気相流に暴露することにより、プロピレ
ンの直接酸化法を改良することが可能である。これまで、当業者は、含有銀化合
物の金属銀への転化のあと、前記触媒を二酸化炭素処理することにより、該触媒
の高い選択率を、反応器への二酸化炭素供給を停止したあとも長時間にわたって
維持しうる、ということを認識していなかった。すなわち、ここでの発見によれ
ば、この触媒を割合に短時間二酸化炭素に暴露することにより、二酸化炭素の非
存在下でも存続する、触媒選択率に対する有益な持続的効果が得られる。この触
媒にタングスタン促進剤を添加した場合、一般に活性の向上も見られる。
【0008】 従って、本発明は、プロピレンエポキシ化法を実施する方法であって、 (a)担体付き銀触媒を、気相の、二酸化炭素を含む処理流と、150〜35
0℃の温度で、前記担体付き銀触媒の触媒性能を改善するのに有効な時間にわた
って、接触させ、このとき、前記担体付き銀触媒が、(i)不活性の耐火性固体
担体、(ii)触媒作用的に有効な量の金属銀、および(iii)カリウム陽イ
オンと窒素オキシアニオンからなるカリウム塩、またはその前駆物質から誘導さ
れる、促進量のカリウム促進剤、から成り、 (b)前記担体付き銀触媒を、プロピレンと分子酸素とから成り、事実上二酸
化炭素を含まない供給原料流と、塩化物供給源の存在下で、プロピレンオキシド
の生成に有効な時間と温度において、接触させる ことから成る、方法を提供する。
【0009】 本発明は、プロピレンをプロピレンオキシドに気相酸化する方法、すなわち酸
素含有気体と、二酸化炭素で前処理された、特定種類の担体付き銀触媒との存在
下で実施されるエポキシ化法、に関する。本発明の方法が、本明細書の“背景技
術”に関する部分で述べた、二酸化炭素を使用する従来公知のオレフィン酸化法
と異なる点は、触媒に含浸させた銀化合物の触媒中の金属銀への転化のあと、且
つ、プロピレンと分子酸素とを含むが事実上二酸化炭素を含まない供給原料流の
導入の前に、触媒を二酸化炭素処理流に暴露する、ということである。
【0010】 銀含有オレフィン酸化触媒の有効な担体であることが当業者に知られている、
任意の不活性耐火性固体物質が使用でき、たとえば、アルミナ(たとえば、アル
ファアルミナ)、炭化ケイ素、シリカ、ジルコニア、チタニア、その他が使用で
きる。しかし、本発明での使用にもっとも好ましい担体物質は、アルカリ土類金
属炭酸塩である。使用に適する炭酸塩は、たとえば、アルカリ土類金属イオンで
ある陽イオンを有する無機炭酸塩である。このアルカリ土類金属は特にカルシウ
ム、ストロンチウム、マグネシウム、またはバリウムである。この無機炭酸塩と
しては、炭酸カルシウムがもっとも好ましい。アルカリ土類金属炭酸塩担体は、
たとえば、カナダ特許第1,282,772号明細書に記載されている。
【0011】 前記担体物質は非常に大きなプロピレンオキシド選択率を与えることができ、
またこの点に関して、他の担体物質に比して意外なほどすぐれていることがわか
った。本発明の担体はいろいろな形で存在することができる。一つの実施態様に
おいて、この担体は、アルカリ土類金属化合物が該担体の主要な(すなわち、少
なくとも50Wt%)成分であるか、又は好ましくは、実質的に該担体の唯一の
成分である(すなわち、担体が実質的に一つ以上のアルカリ土類金属化合物のみ
から成る)ようなものである。本発明の他の実施態様においては、このアルカリ
土類金属炭酸塩は、固体支持体、すなわちもっと普通の担体物質たとえばアルミ
ナ(好ましくは、アルファーアルミナ)から成る副担体または副構造物、と共に
使用される。しかし、アルカリ土類金属化合物担体物質が、通常、完成触媒の少
なくとも25Wt%(大部分の実施態様においては、少なくとも35Wt%)を
占める。
【0012】 この担体物質の表面積は、一般に、少なくとも0.6m/g好ましくは少な
くとも1.5m/gである。しかし、割合に大きな表面積(たとえば、50〜
100m/g)を有するアルカリ土類金属化合物担体物質も、本発明の目的に
有効である。この結果は、直接オレフィン酸化の分野で一般に小さな表面積の担
体(通常、0.03〜10m/g)が好ましいと述べられていることを考える
と意外なものである。表面積は、Brunauer、Emmett、およびTe
llerが、J.Am.Chem.Soc.60、309−16(1938)に
延べている、窒素またはクリプトンを用いる通常のBET法によって測定する。
【0013】 本発明で使用する担体物質は、一般に、多孔質または微孔質と表現することが
でき、通常、約0.05〜0.80cc/gの水孔容積(water pore
volume)を有する。
【0014】 本発明で使用する担体付き触媒は、銀および/または促進剤を可溶性の形で担
体に導入する、任意の公知の方法で製造することができる。適当な方法は、たと
えば、カナダ特許第1,282,772号および米国特許第5,625,084
号明細書に記載されている。これらの明細書を参照されたい。銀を担体に導入す
る好ましい方法は、含浸法によるものであり、その際、銀化合物(銀の塩または
錯体とすることができる)の溶液を、担体上に所望量の銀が付着するのに十分な
量だけ適当な溶剤または“錯生成/可溶化”剤に溶解させる。得られる溶液は、
担体をこの銀含有含浸溶液に浸漬してペースト状混合物またはスラリーを生成さ
せることによって、担体の含浸に使用することができる。次に、このスラリーを
乾燥させてから、得られる混合物を約100〜約120℃のオーブンまたは炉内
に入れることにより、0.5〜6時間か焼し、この混合物を、約250〜約60
0℃の温度でさらに1〜6時間加熱する。この手順により、担体/銀混合物の乾
燥が完了し、揮発成分が除去され、存在する銀が元素の形に還元される。
【0015】 カリウム塩および随意の金属促進剤化合物は、独立の一つまたは複数の含浸ス
テップにおいて、含浸溶液として、同時または別々に、触媒に導入することがで
きる。この場合も、多孔質物質含浸のための任意の公知の方法によって実施する
ことができる。これは、触媒物質を容器に入れ、容器を排気し、そのあと溶液を
導入することによって、簡便に実施することができる。あるいは、含浸溶液を、
担体に噴霧または振りかけることができる。そのあと、過剰な溶液は排出するこ
とができ、あるいは溶剤を、減圧下の適当な温度で蒸発によって除去することが
できる。次に、触媒は、オーブン内で中程度の温度(たとえば、120℃)にお
いて乾燥させることができる(一般に、1/2〜5時間で十分である)。このよ
うな手順は、“順次”または“連続”製造法と呼ばれている。この担体付き触媒
は、また、“同時”または“一時”製造法によっても製造することができる。こ
の方法においては、カリウム塩および随意の金属促進剤化合物が、担体の含浸に
使用される銀化合物含有溶液に加えられる。本発明の別の実施態様においては、
担体に、銀化合物(および随意の一つ以上の金属促進剤化合物)を含浸させ、か
焼してから、カリウム塩を含浸させ、それからか焼
【0016】 溶剤または錯生成/可溶化剤による銀含有含浸溶液の生成に使用する銀化合物
の選択は、特に臨界的というわけではなく、溶剤または錯生成/可溶化剤に可溶
で、しかも溶剤または錯生成/可溶化剤と反応して望ましくない生成物を生じる
ことのない、当業者に一般に知られている任意の銀化合物が使用できる。たとえ
ば、銀は、溶剤または錯生成/可溶化剤に、酸化物、または塩たとえば硝酸塩、
炭酸塩、もしくはカルボン酸塩(たとえば、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、
シュウ酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、フ
タル酸塩)、脂肪酸エステル、その他、またはこれらの混合物として、導入する
ことができる。一つの実施態様においては、酸化銀(I)が使用される。
【0017】 多数の溶剤または錯生成/可溶化剤を、銀含有含浸溶液の生成に首尾よく使用
することができる。適当な溶剤または錯生成/可溶化剤は、銀化合物を適当に溶
かすか、または銀化合物を可溶な形に転化させることのほか、後続のステップに
おいて、洗浄、蒸発、酸化法、またはその他の方法によって容易に除去できるも
のでなければならない。さらに、錯生成/可溶化剤は、好ましくは、完成触媒に
該触媒の総重量に対して好ましくは約2〜約70%銀の程度の銀を与える溶液を
生成するものでなければならない。また、一般に好ましくは、溶剤または錯生成
/可溶化剤は水と容易に混和するものとすべきである。水溶液は使用に便利であ
りうるからである。銀含有含溶液の製造のための溶剤または錯生成/可溶化剤と
して適当であることがわかっている物質の例としては、アルコール(たとえば、
グリコールたとえばエチレングリコール)、アミン(たとえば、アルカノールア
ミンたとえばエタノールアミン、およびアルキルジアミンたとえばエチレンジア
ミン)、およびカルボン酸(たとえば、乳酸およびシュウ酸)、ならびにこれら
の物質の水性混合物がある。
【0018】 一般に、銀化合物含有溶液は、銀化合物を、適当な溶剤または錯生成/可溶化
剤、たとえば、水、エチレンジアミン、シュウ酸、酸化銀、またはモノエタノー
ルアミンの混合物、に溶解させることによって製造される。次に、この溶液を担
体粒子と混合して、液体を排出する。そのあと、粒子を適当に乾燥させる。
【0019】 前述のように、含浸のあと、銀化合物含浸担体粒子は、銀化合物を金属銀に転
化し、それによって担体表面上に銀が付着するように、処理される。ここで担体
に関して使用する“表面”という言葉は、担体の外表面ばかりでなく、内表面す
なわち担体粒子の気孔または内部部分を定める表面、をも含む。前記処理は、含
浸粒子を、高温で、還元剤たとえば水素またはヒドラジンで処理し、かつ/また
はばい焼(か焼)して、銀化合物を分解させ、銀を遊離金属状態に還元すること
によって、実施することができる。ある種の可溶化剤たとえばアルカノールアミ
ン、アルキルジアミン、その他は、還元剤としても使用しうる。
【0020】 少なくとも触媒作用的に有効な量(すなわち、プロピレンのプロピレンオキシ
ドへの有意の転化を生じる量)の銀触媒が完成触媒中に存在しなければならない
が、好ましくは、金属銀濃度は、触媒総重量に対して約2〜70Wt%である。
より好ましくは、金属銀濃度は約10〜60Wt%の範囲にある。
【0021】 ここでの予想外の発見によれば、この担体付き銀触媒中にカリウムが存在する
ことにより、該触媒のプロピレンエポキシ化触媒としての効率が有為に高められ
る。意外なことに、他のアルカリ金属、たとえばエチレンオキシド製造の分野で
周知の促進剤であるセシウムは、この触媒の性能を認めうるほど改善しない。カ
リウムはカリウム塩によって導入されるが、カリウム陽イオンに対する対イオン
としての特定陰イオンの選択が、最適触媒性能の実現に臨界的である、というこ
とがわかっている。この陰イオンは、窒素オキシアニオン(すなわち、窒素およ
び酸素原子の両方を含む陰イオンまたは負イオン、たとえば硝酸塩または亜硝酸
塩)またはその前駆物質でなければならない。したがって、触媒製造またはエポ
キシ化条件下で窒素オキシアニオンに転化しうる種を含むカリウム化合物(すな
わち、窒素オキシアニオン前駆物質)の使用も適当である。たとえば、炭酸オキ
シアニオン例えば炭酸塩および重炭酸塩が使用できる。そのような炭酸オキシア
ニオンの窒素オキシアニオンへの転化は、例えば、高温(例えば、180〜32
0℃)で、気相の酸化窒素種例えばNOを含む流れにより、触媒を処理すること
によって実現することができる。
【0022】 効率向上のためのカリウム塩は、任意の公知のやり方で触媒に導入することが
できる。例えば、銀とカリウム塩との含浸と付着を、同時または順次に実施する
ことができる。例えば、担体に、カリウム塩と銀化合物の一つの溶液または複数
の溶液を含浸させ、乾燥してから、か焼して、銀化合物を還元して、活性な担体
付き銀触媒を生成させることができる。あるいは、担体に銀化合物を含浸させ、
乾燥、か焼してから、カリウム塩を含浸させることができる。
【0023】 同時含浸を実施するためには、カリウム塩は、銀含浸溶液に使用する溶剤また
は錯生成/可溶化剤に可溶でなければならない。銀化合物が最初に添加される順
次手順の場合、銀と反応せず、また担体から銀を浸出しない、塩を溶解させうる
任意の溶剤が適当である。一般に、水溶液が好ましいが、有機液体例えばアルコ
ールも使用できる。固体担体にカリウム塩を導入するための適当な手順は、当業
者に周知である。
【0024】 カリウム塩は、カリウム促進剤を含まない触媒に比して、この担体付き銀触媒
の一つ以上の触媒特性(例えば、選択率、活性、転化率、安定性、収率)の改良
をもたらすカリウム促進剤濃度を与えるのに十分な量を使用する。正確な量は、
供給原料流の組成、触媒に含まれる銀の量、担体の表面積、操業条件例えば空間
速度と温度、および担体の形態のような変数に依存して変わる。しかし、ここで
の観察によれば、カリウム促進剤を含まない類似の触媒に対してこの触媒が有意
の利点を示すためには、触媒の総重量に対して、陽イオンとして計算して、最小
限少なくとも0.5Wt%のカリウム促進剤が存在しなければならない。10W
t%もの大きなカリウム濃度が使用できるが、一般に、濃度が5Wt%を越える
と、さらなる利点が加わるということはほとんどない。より好ましくは、カリウ
ム促進剤濃度は、約1〜約3Wt%Kに対応する量である。
【0025】 本発明で使用する担体付き銀触媒の随意成分は、促進量の一つ以上の金属促進
剤である。好ましい金属促進剤としては、たとえばRe、Mo、W、その他があ
り、単独または他の金属促進剤との組合せで使用する。このような促進剤を含む
触媒は、本発明によって二酸化炭素で処理した場合、そのような促進剤を含まな
い類似の触媒に比して、より大きな性能向上を示す傾向がある。“促進量”とい
う言葉は、金属促進剤を含まない触媒に比して、触媒の一つ以上の触媒特性の改
良をもたらすのに有効に作用する量を意味する。エポキシ化操業条件下での金属
促進剤の正確な形は未知である。金属促進剤は、触媒上に元素の形では存在しな
い、と考えられる。なぜならば、これらの促進剤は化合物の形(例えばイオン、
塩、および/または錯体)の形で触媒に転化され、銀を金属銀に還元するのに普
通に使用される還元条件は通常金属促進剤化合物を元素の形に還元するのに十分
ではないからである。
【0026】 担体上に付着、または触媒上に存在する金属促進剤は化合物の形であると考え
られ、酸素含有または酸化物化合物の形であるというのがもっともありそうなこ
とである。本発明の好ましい実施態様の場合、金属促進剤は、オキシアニオンの
形、すなわち酸素を含む陰イオンまたは負イオンの形で、触媒に導入される。使
用に適当でありうる金属オキシアニオンの例としては、モリブデン酸塩、タング
ステン酸塩、および過レニウム酸塩(perrhenate)がある。この陰イ
オンは、各種の非陰イオン性金属化合物たとえば酸化物(たとえば、MoO
WO、Re)、および他の物質、たとえば金属の酸、炭酸塩、硫酸塩、
ハロゲン化物、オキシハリド、ヒドロキシハリド、水酸化物、硫化物、その他の
反応性溶解によって生成させることができる。金属促進剤化合物において陰イオ
ンに対する対イオンを形成する陽イオンは、アンモニウムとするのがもっとも適
当であるが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属陽イオンも使用できる。無機
塩化化合物を触媒に導入することによって塩化物供給源を添加する、本発明の実
施態様においては、Mo、Re、およびWの塩化物を有効に使用することができ
る。
【0027】 担体には、随意に一つ以上の金属促進剤化合物を含浸させることができる。こ
れは、触媒の他の成分を添加するとき、またはこの添加の前および/もしくは後
に、実施することができる。本発明の有利かつ便利な一つの実施態様においては
、随意の金属促進剤化合物、カリウム塩、および銀が、同時に触媒に導入される
。しかし、別の実施態様においては、銀化合物を金属銀に転化させたあと、カリ
ウム塩を含浸により導入する。
【0028】 臨界的ではないが、一般に観察されるところでは、触媒性能の有意の向上に必
要な、担体または触媒中に存在、または担体または触媒上に付着している金属促
進剤の最小量は、金属がW、Mo、Re、およびこれらの組合せから成るグルー
プから選択される担体付き銀触媒の総重量に対して、約0.1Wt%金属(その
促進剤が存在する形に関わりなく、元素として測定)である。一般的に言えば、
金属促進剤の最大量は10Wt%である。0.2〜2.5Wt%の範囲の金属促
進剤での実施が特に有利である。
【0029】 上で定めた限界内で得られる利益の程度は、それぞれの性質と特性、たとえば
反応条件、触媒製造法、使用担体の表面積、気孔構造、および表面の化学的性質
、触媒の銀含有率、ならびに触媒のカリウム含有率によって変わる。
【0030】 本明細書および特許請求の範囲に示し、特許請求する量の随意の金属促進剤の
存在は、他の活性剤、促進剤、エンハンサー、安定剤、向上剤、その他の使用を
排除するものではない。
【0031】 本発明の触媒の製造に随意に使用する金属促進剤化合物は、適当な溶剤に溶解
させることのできる化合物とすることができる。好ましくは、この溶剤は水含有
溶剤である。より好ましくは、この溶剤は銀化合物およびカリウム塩の付着に使
用する溶剤である。あるいは、一般に不溶の金属促進剤化合物たとえばMoCl
を使用することができる。
【0032】 前述のようにして製造した担体付き銀触媒を、少なくとも150℃(好ましく
は少なくとも200℃)、しかし350℃(好ましくは、300℃)以下の温度
で、二酸化炭素を含む気相流に暴露することによって前処理することが必須であ
る。ここで特許請求する方法のこの前処理ステップは、エポキシ化ステップが実
施される装置または反応器内で、プロピレンオキシドプラントの始動の一部とし
て簡便に実施することができ、あるいは必要であれば、適当な構造の別の容器で
実施することができる。一般に、未処理触媒を固定層の形に配置して二酸化炭素
を含む気相流をこの固定触媒層に実質的に連続的なやり方で通すのが有利である
。一般に、約100〜10,000hr−1のガス空間速度が好ましい。この接
触は、触媒の触媒性能を、未処理触媒に比して改善するのに十分な時間続ける。
理論に束縛されることなく言えば、二酸化炭素による処理により触媒中の金属銀
の一部が炭素銀に転化し、この炭素銀が所望のエポキシ化反応に関与する活性銀
種の前駆物質となる、と考えられる。
【0033】 処理流に含まれる二酸化炭素の濃度は、通常空気中に存在する濃度(約300
ppm)よりも大きくすべきであり、少なくとも1Vol%の濃度とするのが好
ましい。一つの好ましい実施態様の場合、少なくとも5Vol%COを含む処
理流が使用される。もっと大きな、処理流の二酸化炭素濃度も使用に適する。た
とえば、二酸化炭素は50Vol%以上(たとえば、100%二酸化炭素まで)
とすることができる。一般に、処理時間は約1〜100時間の範囲にある。前処
理ステップは、割合に低い、または割合に高い圧力で実施することができ、一般
に約1.05〜35.0kg/cmゲージ圧(約15〜500psig)の範
囲が適当である。最適の処理時間および圧力は、他の反応変数たとえば温度およ
び二酸化炭素濃度、ならびに触媒組成によって影響されるが、実験により容易に
決定することができる。
【0034】 場合によっては、処理流中に分子酸素を含ませることにより、さらに触媒性能
が向上することがわかっている。たとえば、処理流には適当に少なくとも1Vo
l%Oを含ませることができる。非常に大きな、処理流の分子酸素濃度は、一
般に、安全性と経済的な理由から望ましくない。一般に、約10Vol%以下の
を使用する。処理流の残りは不活性ガスたとえば窒素その他とすることがで
きるが、炭化水素たとえばプロピレン、メタン、その他も存在することができる
。しかし、本発明の一つの実施態様においては、事実上プロピレンその他の反応
性オレフィンを含まない処理流が使用される。プロピレンその他の反応性オレフ
ィンを使用しない場合、処理流に水を含ませるのが有効でありうる。この実施態
様の場合、たとえば、処理流は事実上二酸化炭素、不活性のバラスト気体、なら
びに随意の分子酸素および/または水のみから成ることができる。もう一つの実
施態様の場合、処理流は、二酸化炭素および分子酸素のほかにプロピレン(たと
えば、50Vol%まで)を含み、従ってエポキシ化が触媒状態調節と同時に実
施される。
【0035】 この担体付き銀触媒は、さらに、二酸化炭素による前処理ステップの前、前処
理時、または前処理後に、二酸化炭素とは別の物質によって処理して、触媒特性
がさらに改善または最適化されるようにすることができる。たとえば、この触媒
を水(水そのもの、または処理条件下で水を生成しうる化合物の形で)および/
または有機塩化物および/または酸化窒素種と接触させることができる。使用に
適する酸化窒素種の例としては、NO、NO、N、N、またはこ
れらの混合物があり、NOがもっとも好ましい酸化窒素種である。一般に、担体
付き銀触媒の処理に使用する気相流の酸化窒素種濃度は、約10〜2000pp
mの範囲とする。通常、この目的のためには、150〜350℃の温度が十分で
ある。
【0036】 最適な触媒生産性を実現するためには、本発明のエポキシ化法を、二酸化炭素
前処理された担体付き銀触媒が供給原料流に接触している間、塩化物供給源が存
在するように、実施するのが非常に望ましい。
【0037】 本発明の一つの実施態様においては、塩化物供給源を、供給原料中に塩化物化
合物を含ませることによって供給する。好ましくは、この塩化物化合物は有機性
のものである。より好ましくは、この有機塩化物は、1〜10個の炭素原子(よ
り好ましくは、1〜4個の炭素原子)と少なくとも一つの塩素原子を含む有機化
合物から選択する。他の元素たとえば水素、酸素、窒素、硫黄、および塩素と異
なるハロゲンも存在することができるが、好ましくはこの有機塩化物は水素、酸
素、および塩素原子のみ、または炭素および塩素原子のみから成る。一般に、飽
和有機塩化物の使用が好ましい。有機塩化物の非限定例としては、塩化メチル、
塩化エチル(特に好ましい有機塩化物)、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化メチ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化エチレン、塩化ビニル、クロロシクロ
ヘキサン、クロロベンゼン、その他がある。供給原料中の適当な塩化物化合物濃
度には、1〜2000ppmの範囲が含まれる。
【0038】 もう一つの実施態様の場合、米国特許出願第08/880,896号明細書(
1997年6月23日提出、代理人の整理番号01−2442A)に述べられて
いるように、エポキシ化に先立って、担体付き銀触媒を、気相の、塩化物化合物
(好ましくは、前記の化合物から選択する)と酸素とによって、高温(たとえば
180〜320℃)で前処理する。同明細書を参照されたい。このようにして前
処理された触媒は、塩化物、おそらく無機塩化物化合物たとえば塩化銀の形の塩
化物を含み、この塩化物はエポキシ化時の触媒性能の向上に寄与する。あるいは
、米国特許出願第08/880905号明細書(1997年6月23日提出、代
理人の整理番号01−2454A)に述べられているように、無機塩化物化合物
たとえば塩化銀その他の遷移金属塩化物を、製造時に直接触媒に導入する。同明
細書を参照されたい。本発明のこれら二つの実施態様の場合、この触媒は0.1
〜2Wt%Clを含むのが好ましい。当然のことながら、別の塩化物供給源も一
緒に使用できる。
【0039】 本発明の後続ステップにおいては、プロピレンと分子酸素とから成る(しかし
、事実上二酸化炭素を含まない)供給原料流が、反応器内で、少なくともプロピ
レンの、対応するエポキシドへの部分酸化が実現されるのに有効な条件下で、前
記の二酸化炭素処理触媒に接触させられる。代表的なエポキシ化条件には、約1
80〜350℃(より好ましくは、200〜300℃)の程度の反応器の反応帯
域内の温度、および約1〜約60atmの圧力が含まれる。供給原料流は、事実
上二酸化炭素を含まない。ここで、“事実上含まない”というのは、この方法で
使用する分子酸素供給源、プロピレン、または不活性バラスト気体にもとから不
純物として存在しうる量(一般に、500ppm以下)に加えて二酸化炭素を供
給原料流に添加することはない、ということである。当然のことながら、ある程
度の二酸化炭素は、プロピレンの過度の酸化の結果としてエポキシ化中に生成さ
れうるので、反応器内に存在しうる。
【0040】 気相の酸化窒素種も、該種を、プロピレン(新鮮および/または再循環)と分
子酸素から成る供給原料流に導入することによって、反応器内の反応帯域に供給
することができる。気相の酸化窒素種の導入は、必須というわけではないが、エ
ポキシ化性能に対して非常に有益である。酸化窒素種は、プロピレンオキシド選
択率を犠牲にすることなく触媒活性を高いレベルに保つのに寄与するからである
。最適量は、一部は、使用する特定のカリウム塩および金属促進剤化合物(存在
する場合)およびこれらの濃度、ならびにカリウム塩および金属促進剤の再適量
に影響する前記の他の要因、によって決定される。一般に、プロピレンのエポキ
シ化のために適当な酸化窒素種の濃度は、約0.1〜2000Volppmであ
る。
【0041】 この反応に使用する“酸素”は、純粋の分子酸素、原子酸素、エポキシ化条件
下で存在しうる原子または分子酸素から誘導される任意の過度ラジカル種、以上
のものの少なくとも一つと他の気体物質との混合物、およびエポキシ化条件下で
以上のものの一つを生成しうる物質、を含むと定義することができる。一般に、
酸素は空気、市販の純酸素、またはエポキシ化条件下で気体の状態で存在してい
てしかも分子酸素を生成する他の物質として、反応器に導入する。供給原料中の
酸素濃度は約2〜15Vol%とするのが適当でありうる。
【0042】 反応帯域、または反応物と触媒がエポキシ化条件下で一緒にされる反応器領域
に供給する気体成分は、一般に反応器に導入する前に混合される。しかし、必要
であれば、別々にまたはいろいろな組合せで導入することもできる。たとえば、
前記の特定組成を有する供給原料流は、個々の成分が反応帯域にはいる前または
はいるときに、生成させることができる。供給原料流は反応器からの再循環流を
使用または含有することができる。したがって、ここでの“供給原料流”という
言葉の使用は、本発明の方法を、すべての気体成分が該成分の反応帯域内への導
入に先立って混合される実施態様に限定することを意図するものではない。本発
明の方法と触媒を使用する反応器は、当業者に公知の任意のタイプのものとする
ことができる。
【0043】 供給原料流はバラストまたは稀釈剤たとえば窒素または他の不活性気体をも含
むことができる。酸素供給源として空気を使用する場合は特にそうである。いろ
いろな量の水蒸気も存在することができる。
【0044】 供給原料流の成分は下記の表に示す量だけ存在するのがもっとも適当である。
【0045】 本発明は、任意の寸法およびタイプの気相エポキシ化反応器、たとえば当業者
に公知の固定層および流動層反応器、において使用することができるが、本発明
は、標準的な固定層の多管式反応器、たとえば現在エチレンオキシド反応器とし
て使用されているもの、でもっとも広範な用途を見出すと予想される。これらの
反応器には、一般に、壁冷却および断熱または非壁冷却反応器が含まれる。状態
調節およびエポキシ化のステップは、同一の反応器で簡便に実施することができ
る。一般に各ステップに対して別々の装置を使用する必要はないからである。し
たがって、エポキシ化装置の始動と運転に要する時間が最小限に抑えられる。管
の長さは、一般に、約152〜約1830cm(約5〜約60フィート)の範囲
とすることができるが、しばしば約457〜約1372cm(約15〜約45フ
ィート)の範囲とされる。管は内径約1.27〜約6.35cm(約0.5〜約
2.5インチ)を有することができるが、一般に、約2.0〜約3.81cm(
約0.8〜約1.5インチ)を有すると予想される。適当な外殻内に並列配置さ
れた、触媒装填された複数の管を、使用することができる。ガス空間速度(GH
SV)は一般に約500〜約10,000hr−1の範囲にある。代表的なGH
SVの値は、約1〜約60atm、通常約1.1〜約30atmの圧力において
、約200〜約3000hr−1の範囲にある。接触時間は、プロピレンの0.
5〜70%好ましくは5〜30%が転化されるのに十分な時間とすべきである。
【0046】 触媒の二酸化炭素処理によって得られる効果は非常に長続きするが、使用済み
の触媒を、初期処理ステップに関して前述した条件下で、適当な時間にわたって
二酸化炭素に再接触させることにより、触媒を定期的に再生または再活性化させ
るのが望ましいと考えられる。触媒性能が必要な程度までに回復したならば、二
酸化炭素の供給を停止する。
【0047】 例1 この例は、炭酸カルシウム上に支持されたタングステン/硝酸カリウム促進銀
触媒を使用する、本発明はの方法を示す。
【0048】 触媒製造のために、5個のセラミックストーンを収容した16オンス(473
ml)のジャーに、エチレンジアミン(20.7g)、蒸留水(20.4g)、
シュウ酸二水和物(15.0g)、酸化銀(I)(26.0g)、エタノールア
ミン(7.2g)、蒸留水(5.0g)に溶かしたタングステン酸カリウム(5
.32g)溶液、および炭酸カルシウム(34.0g)を、装入した。このジャ
ーを密閉し、4時間ボールミルにかけた。次に、得られる混合物を110℃で1
時間乾燥し、300℃で3時間か焼した。元素分析によれば、この担体付き銀触
媒は、40Wt%Ag、2Wt%K、および4.7Wt%Wを含む。エポキシ化
における使用に先立って、この触媒を圧縮し、14/30メッシュのふるいにか
けた。
【0049】 この新たに製造した触媒を、10Vol%プロピレン、5Vol%O、20
0ppmNO、および50ppm塩化エチル(残りN、GHSVは1200h
−1)を含む供給原料流を使用するプロピレンエポキシ化により評価した。2
58℃、2.8kg/cmゲージ圧(40psig)で41.7時間経過した
あと、プロピレンオキシド選択率は36%、プロピレン転化率は12%、プロピ
レンオキシド生産性は13.9kg/cm・hr(0.871b/ft・h
r)であった。
【0050】 そのあと、下記の表に示すように、供給原料流中の二酸化炭素の量を、増大さ
せ、それからふたたびゼロに減少させた。他のすべての反応条件は一定のままと
した。
【0051】 供給原料流に二酸化炭素を含ませないようにしてから得られた結果を、最初に
二酸化炭素の非存在下で得られた結果と比較すると、この担体付き銀触媒を二酸
化炭素で処理することにより、プロピレンオキシド選択率の5ポイントの向上と
プロピレンオキシド生産性の14%の増大とが実現された、ということが確認さ
れる。従来、先行技術においては、この触媒の二酸化炭素処理によって二酸化炭
素供給が停止されたあとも有利な効果が持続するということは認識されていなか
った。
【0052】 例2 炭酸カルシウム上に支持された硝酸カリウム促進銀触媒を、米国特許第5,6
25,084号明細書に記載されている方法にしたがって(Mo促進剤は不使用
)、前記のようにして製造し、触媒に、カリウム塩と銀化合物とを同時に含浸さ
せた。この触媒の元素組成は、大体、40Wt%Ag、2Wt%Kであった。こ
の触媒の性能を、工程条件、10Vol%プロピレン、5Vol%酸素、50p
pm塩化エチル、200ppmNO、260℃、2.8kg/cmゲージ圧(
40psig)、1200hr−1GHSV、2cc触媒で、評価した。この触
媒を、はじめに、二酸化炭素を含まない前記組成の供給原料流によって、約1日
間評価した。そのあと、処理流中のCO量を徐々に50Vol%まで増大させ
た(約3日間5Vol%CO、それぞれ1日間10および25Vol%CO
とした)。50Vol%COで1日経過したあと、初期供給原料流組成(0V
olCO)に戻した。初期の条件に戻すまえに、反応温度を少し下げた。プロ
ピレンオキシド選択率も生産性も、初期評価性能に比して、向上し、プロピレン
転化率はわずかに低下した。
【0053】 例3 例2を繰返した。ただし、初期条件に戻す前に反応温度を下げることはせず、
また処理流のCO含有率は、約2日間0Vol%、1日間5Vol%、1日間
10Vol%、3日間25Vol%、1日間50Vol%CO、のように制御
して増大させた。この条件のもとで、触媒性能は最小限の変化しか示さなかった
【0054】 例4 例3を繰返した。ただし、米国特許第5,625,084号明細書に記載され
ている方法にしたがって製造した。炭酸カルシウム上に支持されたモリブデン促
進銀触媒(か焼後に、50Wt%Ag、0.5Wt%Mo、2Wt%Kを順次に
添加した)を使用した。二酸化炭素処理(約4日間0Vol%CO、それぞれ
1日間5、10、25、50Vol%CO)のあと、PO選択率と生産性とに
よって測定した触媒性能は有意に向上した。活性の低下は見られなかった。
【0055】 例5 例3を繰返した。ただし、KNOと(NH101241・5H
との同時含浸によって製造した。炭酸カルシウム上に支持されたタングステン促
進銀触媒を使用した。この触媒は、40Wt%Ag、0.5Wt%W、および2
Wt%Kを含む。この触媒の生産性は、250℃、約1日間の、50Vol%C
処理により、改善された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ジウソン ジェニファー ディー アメリカ合衆国 19512 ペンシルベニア 州 ボイヤータウン ジヨニカ ドライブ 42 (72)発明者 カーン アンドゥルー ピー アメリカ合衆国 19403 ペンシルベニア 州 イーグルビル ブランディワイン ド ライブ 5109 (72)発明者 クーカー バーナード アメリカ合衆国 19382 ペンシルベニア 州 マルバーン グラブ ロード 108 Fターム(参考) 4C048 AA01 BB02 CC01 UU03 XX02 XX05 4G069 AA03 AA08 BA01A BA02A BA04A BA05A BB02A BB02B BB04A BB04B BB08A BB12A BB12B BB15A BB16A BB16B BC03A BC03B BC08A BC09A BC09B BC10A BC12A BC13A BC32A BC32B BC59A BC59B BC60A BC60B BC64A BD05A BD12A CB09 ED05 FA01 FB14 FB43 FB44 FB45 FB46 4H039 CA63

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンエポキシ化法を実施する方法であって、 (a)担体付き銀触媒を、気相の、二酸化炭素を含む処理流と、150〜35
    0℃の温度で、前記担体付き銀触媒の触媒性能を改善するのに有効な時間にわた
    って、接触させ、このとき、前記担体付き銀触媒が、(i)不活性の耐火性固体
    担体、(ii)触媒作用的に有効な量の金属銀、および(iii)カリウム陽イ
    オンと窒素オキシアニオンからなるカリウム塩、またはその前駆物質から誘導さ
    れる、促進量のカリウム促進剤、から成り、 (b)前記担体付き銀触媒を、プロピレンと分子酸素とから成り、事実上二酸
    化炭素を含まない供給原料流と、塩化物供給源の存在下で、プロピレンオキシド
    の生成に有効な時間と温度において、接触させる ことから成る、ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 不活性の耐火性固体担体がアルカリ土類金属炭酸塩から成る
    請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 処理流が、少なくとも5Vol%の二酸化炭素を含む請求項
    1の方法。
  4. 【請求項4】 担体付き銀触媒が、さらに、モリブデン、レニウム、タング
    ステン、およびこれらの混合物から成るグループから選択される、促進量の金属
    を含む請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 処理流が事実上プロピレンを含まない請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 供給原料流がさらに酸化窒素種を含む請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 塩化物供給源が供給原料流に含まれるC〜C10有機塩化
    物である請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 処理流が、さらに、分子酸素、プロピレン、水、またはこれ
    らの混合物から選択される化合物を含む請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 カリウム塩が、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、硝酸カリウ
    ム、亜硝酸カリウム、およびこれらの混合物から成るグループから選択される請
    求項1の方法。
  10. 【請求項10】 塩化物供給源が担体付き銀触媒に含まれる無機塩化物化合
    物である請求項1の方法。
  11. 【請求項11】プロピレンエポキシ化法を実施する方法であって、 (a)担体付き銀触媒を、気相の、少なくとも5Vol%の二酸化炭素を含む
    処理流と、200〜300℃の温度で、前記担体付き銀触媒の触媒性能を改善す
    るのに有効な時間にわたって、接触させ、このとき、前記担体付き銀触媒が、(
    i)アルカリ土類金属炭酸塩から成る不活性の耐火性固体担体、(ii)10〜
    60Wt%の金属、および(iii)硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、炭酸カリ
    ウム、重炭酸カリウム、およびこれらの混合物から成るグループから選択される
    カリウム塩から誘導される促進量のカリウム促進剤、から成り、 (b)前記担体付き銀触媒を、プロピレンと分子酸素とから成り、事実上二
    酸化炭素を含まない供給原料流と、C〜C10有機塩化物化合物、無機塩化物
    化合物、およびこれらの組合せから成るグループから選択される塩化物供給源の
    存在下で、プロピレンオキシドの生成に有効な時間にわたって、200〜300
    ℃の温度において、接触させる、 ことから成る、ことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 処理流が事実上プロピレンを含まない請求項11の方法。
  13. 【請求項13】 担体付き銀触媒が、さらに、モリブデン、レニウム、タン
    グステン、およびこれらの混合物から成るグループから選択される、0.2〜2
    .5Wt%の金属促進剤を含む請求項11の方法。
  14. 【請求項14】 処理流が、さらに、分子酸素、プロピレン、水、またはこ
    れらの混合物から選択される化合物を含む請求項11の方法。
  15. 【請求項15】 供給原料流が、さらに、1〜2000ppmのC〜C
    有機塩化物を含む請求項11の方法。
  16. 【請求項16】 担体付き銀触媒が、さらに、無機塩化物化合物を含む請求
    項11の方法。
  17. 【請求項17】 アルカリ土類金属炭酸塩が炭酸カルシウムである請求項1
    1の方法。
  18. 【請求項18】 供給原料流が、さらに、0.1〜2000ppmの酸化窒
    素種を含む請求項11の方法。
  19. 【請求項19】 前記ステップ(a)が、定期的に繰返される請求項11の
    方法。
  20. 【請求項20】 担体付き銀触媒が、不活性の耐火性固体担体に銀化合物を
    含浸させるステップ、および前記銀化合物を金属銀に転化させるステップから成
    る方法によって得られる請求項11の方法。
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