JP2001102654A - 超薄圧電共振子素板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

超薄圧電共振子素板の製造方法及び製造装置

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JP2001102654A
JP2001102654A JP28214499A JP28214499A JP2001102654A JP 2001102654 A JP2001102654 A JP 2001102654A JP 28214499 A JP28214499 A JP 28214499A JP 28214499 A JP28214499 A JP 28214499A JP 2001102654 A JP2001102654 A JP 2001102654A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エッチングの進行を停止させる作業を個別、
かつ効率的に行うことにより、微調整精度を高めて、製
品の品質低下を防止する。 【解決手段】 超薄圧電共振子素板を、大面積圧電ウェ
ハを用いて複数個一括製造する方法であって、圧電ウェ
ハ1の面上にエッチングにより複数の凹陥部2を所定の
配列で形成することにより、各凹陥部2底面に超薄振動
部3を形成する凹陥部形成工程及び、圧電ウェハ1上に
形成した各超薄振動部3の肉厚のバラツキを測定する肉
厚測定工程を実施した後、肉厚測定工程にて検出された
個々の超薄振動部3の肉厚についてのバラツキを修正し
て規定肉厚にまで減少させるために、個々の凹陥部2内
にエッチング液16を滴下し、エッチング液16の滴下
後所定時間経過後に、エッチング液16を中和する中和
液21を各凹陥部内に滴下し、肉厚を微調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超薄振動部の全周縁
に厚肉環状囲繞部を一体化した構成の超薄圧電共振子素
板の製造方法及び製造装置に関し、特に大面積の圧電ウ
ェハ上にエッチングにより凹陥部を形成した後で、各凹
陥部底面に形成された超薄振動部の肉厚を微調整して規
定肉厚とするための製造方法及び製造装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近では、各種通信機器や電子機器に対
して超小型化、超薄型化、更には高周波化が強く求めら
れているが、これらの機器に使用する圧電振動子、フィ
ルタの如き圧電デバイスに対しても超小型化が求められ
ると共に、温度特性の向上や、オーバートーン発振回路
の如きIC化の困難な回路素子を含む付属回路の除去が
強く求められている。かかる趨勢に鑑み、本願発明者ら
は、例えばATカット水晶板を用い、15μm程度の肉
厚を有した振動部の全周縁に厚肉の環状囲繞部を一体化
した構成の超薄圧電共振子素板の製造方法を提案した。
この超薄圧電共振子素板は、超薄肉の振動部の機械的形
状を維持しつつ、基本周波数にて100Mppmを越え
る共振を得ることができる利点を有する。大面積圧電ウ
ェハ上に複数の超薄圧電共振子素板を形成する場合に
は、圧電ウェハ上面に予めフォトレジストを均一に塗布
してから、形成しようとする凹陥部の開口面積に見合っ
た形状、配置の開口部を複数備えたマスクを用いてフォ
トレジストを露光し、露光後に現像液によって露光部を
除去する。続いて、残ったフォトレジストをマスクとし
て、残留フォトレジストにより被覆されていない圧電ウ
ェハ面をエッチング液により所定のエッチングレートに
てエッチングすることにより凹陥部を形成する。凹陥部
形成後には、レジスト剥離液にて残留フォトレジストを
除去することにより、粗加工の半製品としての共振子素
板を製造する。このようにして圧電ウェハ上に形成され
た各凹陥部底面の超薄振動部の肉厚にはバラツキがある
ため、各凹陥部内の超薄振動部の肉厚を規定値にするた
めの微調整加工作業がさらに必要となる。超薄振動部の
肉厚を微調整加工する作業に先立って図4(a) に示した
如き手法によって各凹陥部内の超薄振動部の肉厚を測定
する工程が実施される。即ち、上面に複数の凹陥部2を
有した圧電ウェハ1を、凹陥部2底面の超薄振動部3の
外側面が電極となる金属板5上面に接触するように載置
し、接地された金属板5に対しては周波数測定装置6か
ら延びる一方のリード端子6aを接続するとともに、他
方の端子6b(プローブ)を凹陥部側から超薄振動部3
の適所に当接させ、この状態で各端子に通電することに
より超薄振動部3を強制励振させ、その共振周波数を測
定する。この共振周波数を振動部肉厚に換算して肉厚調
整量を決定する。具体的には、各超薄振動部について測
定された共振周波数が目標とする周波数、例えば30M
Hz,100MHz等に対してどの程度ずれているかを
算出し、このずれ量を振動部肉厚のずれ量に換算する。
なお、後述する微調整工程では超薄振動部の肉厚を減少
させることにより微調整を行うため、前記エッチングに
よる凹陥部形成工程では、全ての超薄振動部3の肉厚が
規定値よりも厚めになるように配慮する。
【0003】図4(b) は各超薄振動部3の周波数測定を
終了した圧電ウェハ1の平面図であり、この例では一つ
の圧電ウェハ上に縦横7個づつ、合計49個の凹陥部2
が形成されているものとする。図中に示した+5、+
6、・・・+10、・・・+14、+15という数字
は、各凹陥部2内の超薄振動部3の共振周波数が目標と
する共振周波数に対して有しているプラス方向へのずれ
量(ppm)を示している。従来のエッチング方法によ
って凹陥部を形成した場合には、エッチング精度が低い
為、例えば共振周波数が+10ppmとなる肉厚の超薄
振動部3を最多として、おおむね+5ppm〜+15p
pmまでの大きな広がりで異なった肉厚の超薄振動部が
分布していることとなる。具体的には、例えば、10p
pmのずれを有した超薄振動部が7個あり、9ppm,
11ppmのずれを有した超薄振動部が夫々6個づつ、
8ppm,12ppmのずれを有した超薄振動部が夫々
5個づつ、7ppm,13ppmのずれを有した超薄振
動部が夫々4個づつ、6ppm,14ppmのずれを有
した超薄振動部が夫々3個、6ppm,14ppmのず
れを有した超薄振動部が夫々2個づつ、5ppm,15
ppmのずれを有した超薄振動部が夫々1個づつあると
する。このように広い範囲で肉厚がばらついた多数の超
薄振動部を、規定の共振周波数を出力可能な規定の肉厚
にまで減ずる微調整を行うためには、各超薄振動部を夫
々所要時間だけエッチング液に浸し、所要時間経過後に
純水等によりエッチング液を一括洗浄してエッチングを
終了させる作業を行う必要がある。例えば、エッチング
液を超薄振動部上に滴下して1秒間浸すことにより1p
pm分に相当する肉厚を減ずることができるようにエッ
チングレートを設定した場合、最初に、エッチングに最
も長時間を要する超薄振動部、即ち共振周波数が+15
ppmと測定された超薄振動部(群)に対して図示しな
いディスペンサから一定量のエッチング液を滴下し、該
滴下開始から1秒後にずれ量が+14ppmの超薄振動
部(群)に対して一定量のエッチング液を滴下し、順次
各振動部群に対する滴下開始から1秒の時間間隔にてエ
ッチング液の滴下を行う。最後に、+5ppmの超薄振
動部(群)に対してエッチング液の滴下を行って所要時
間(+15秒の超薄振動部に対する滴下を開始してから
15秒)経過した時点で全ての凹陥部内のエッチング液
が除去されるように純水等によりウェハを一括洗浄す
る。
【0004】一つのディスペンサにて上記滴下作業を行
う場合に、ディスペンサが一つの超薄振動部に滴下する
のに要する時間が個々の移動時間を含めて0.1秒であ
るとすれば、49個全ての超薄振動部に対する滴下作業
を遅滞なく連続して行った場合の全所要時間は4.9秒
となり、また+5〜+15ppmの各ばらつき範囲に属
する超薄振動部の個数は最多で7個(+10ppmの場
合)、最少で1個(+5ppm、15ppmの各場合)
に過ぎない。従って、例えば、共振周波数のばらつきが
+10ppmである7個の超薄振動部に対する連続した
エッチング液滴下開始から15秒後に一括洗浄を行うと
7個目の超薄振動部に対するエッチング時間は15秒よ
りも0.6秒短くなる。仮に、0.6秒短いエッチング
時間により得られた超薄振動部の共振周波数が目的とす
る共振周波数との関係で許容し難いずれをもたらす場合
には、当該超薄振動部を有した共振子素板は不良品とな
るが、許容範囲と判定される場合には十分に使用するこ
とが可能である。つまり、共振周波数にして1Mzのず
れの範囲内に属する超薄振動部の個数が多ければ多いほ
ど、一括洗浄時にエッチング不足となる超振動部の個数
が増大するが、従来のようにばらつきの範囲が広い場合
には、各1Mzのずれの範囲内に属する超薄振動部の個
数が比較的少ない為、不足するエッチング時間が許容範
囲内となることが多い。なお、圧電ウェハ1は一辺が約
1インチ程度の正方形の板材であり、各凹陥部は3mm
角程度の開口寸法を有している。このように狭面積の圧
電ウェハ上に多数(例えば、縦横7個づつ、合計49
個)近接配置した微小寸法の凹陥部内にエッチング液を
個別に滴下するためのディスペンサ装置は、先端のノズ
ルからエッチング液を滴下するが、圧電ウェハ上の狭い
スペース内に多数近接配置された各凹陥部内に不規則な
順序でエッチング液を滴下する必要があることから複数
のディスペンサを用いることは困難であり、通常一つの
ディスペンサにより滴下作業を行っている。コストの面
でも、複数のディスペンサを使用することは不利であ
る。仮に複数のディスペンサを用いてエッチング液の滴
下を行おうとしても、同じ肉厚寸法を有した超薄振動部
が一定の順序で隣接して整列配置されている訳ではない
ため、各凹陥部に対する滴下順序は配置順列とは関係の
ない不規則な順序となり、ディスペンサ装置の制御プロ
グラムを如何に改良したとしても複数のディスペンサを
用いて複雑な順序の滴下作業を低コストで行うことは困
難である。このため、一つのディスペンサを用いた作業
が行われる。また、上記のように超薄振動部の肉厚のば
らつきが+5〜+15ppmの広い範囲に分布している
限り、個々の+1Mzの範囲内に属する超薄振動部の個
数が少なくなる為、肉厚ばらつきが最大の超薄振動部か
ら最小の超薄振動部まで連続してエッチング液の滴下作
業を順次行ってから15秒後に一括して洗浄したとして
も、個々の超薄振動部に対するエッチング時間の不足は
さほど深刻な問題とはならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、年々エッチン
グ液の質、及びエッチング関連技術の質が向上するのに
伴って、凹陥部形成工程において形成される各凹陥部内
の超薄振動部の肉厚がばらつく範囲が狭くなっている。
即ち、例えば、一つの圧電ウェハ上に形成された各凹陥
部内の超薄振動部の肉厚ばらつきが、例えば共振周波数
にして+10ppm±1ppm程度の狭い範囲での周波
数ばらつきとなるに過ぎない為、1ppmという共振周
波数のずれ量が狭い範囲内に多数の超薄振動部が属して
いる状況が出現する。従って、周波数微調整の為のエッ
チング時間に長時間を要する超薄振動部からエッチング
液の滴下を開始し、最後に一括洗浄を行うという従来の
方法では、エッチング時間が不足した超薄振動部を有し
た圧電共振子素板が多数製造されるという不具合があ
る。即ち、上記例でいえば、+9ppm(10個)、+
10ppm(29個)、+11ppm(10個)といっ
た3ppmの範囲内に全ての超薄振動部(49個)が該
当して含まれており、このため連続したエッチング及び
一括洗浄作業を行う場合にはずれ量が+11ppmであ
る超薄振動部から一個づつ滴下作業を開始し、ずれ量が
+9ppmである超薄振動部中の10個目に対する滴下
作業により全滴下作業を終了し、ずれ量が+11ppm
である超薄振動部に対する滴下開始から11秒後に一括
して洗浄を行うこととなる。しかし、この場合、ずれ量
が+10ppmである超薄振動部の29個目に対して洗
浄が行われるタイミングは、当該29個目の振動部に対
するエッチング液の滴下から7.2秒後となり、必要な
エッチング時間である10秒に対して2.8秒も不足す
ることとなる。また、ずれ量が+9ppmの超薄振動部
に対する洗浄開始は、ずれ量が+11ppmの超薄振動
部に対する滴下開始から3.8秒遅れて開始されること
となり、ずれ量が+9ppmの超薄振動部のうちの最後
の振動部(10個目)に対するエッチング時間は当該振
動部に対して本来必要とされる9秒よりも2.8秒短く
なる。従って、+9ppm、+10ppm、+11pp
mといった3ppmの範囲内に属する超薄振動部を有し
た共振子素板の内の多くが振動部のエッチング不足によ
り不良品となる可能性がでてくる。本発明は上記に鑑み
てなされたものであり、大面積の圧電ウェハを用いて複
数の超薄圧電共振子を製造する為に、圧電ウェハ面にエ
ッチングにより多数の凹陥部を形成してから行われる振
動部肉厚の微調整作業において、各凹陥部底面の超薄振
動部の肉厚を規定肉厚に微調整するためのエッチング液
の個別滴下作業に続いて行われるエッチングの進行を停
止させる作業を個別かつ効率的に行うことにより、微調
整精度を高めて製品の品質低下を防止した超薄圧電共振
子素板の製造方法及び製造装置を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、超薄振動部と、該超薄振動部の
全周縁に一体化した厚肉環状囲繞部とから成る超薄圧電
共振子素板を、大面積圧電ウェハを用いて複数個一括製
造する方法であって、前記圧電ウェハの面上にエッチン
グにより複数の凹陥部を所定の配列で形成することによ
り各凹陥部底面に前記超薄振動部を形成する凹陥部形成
工程と、前記圧電ウェハ上に形成した各超薄振動部の肉
厚のバラツキを測定する肉厚測定工程と、前記肉厚測定
工程にて検出された個々の超薄振動部の肉厚についての
バラツキを修正して規定肉厚にまで減少させるために個
々の凹陥部内にエッチング液を滴下し、エッチング液の
滴下後所定時間経過後にエッチング液を中和する中和液
を各凹陥部内に滴下する肉厚微調整工程と、から成るこ
とを特徴とする。請求項2の発明は、底面に超薄振動部
を備えた複数の凹陥部を所定の配列で面上に有した大面
積圧電ウェハを用いて複数の超薄板圧電共振素板を製造
する装置であって、各凹陥部内に個別に肉厚微調整用の
エッチング液を滴下するエッチング液用ディスペンサ
と、該エッチング液によるエッチング時間が所定時間に
達した時に該凹陥部内にエッチングの進行を停止させる
中和液を滴下する中和液用ディスペンサと、両ディスペ
ンサの動作を個別に制御する制御部と、を備え、前記制
御部は、肉厚のばらつき量が同じ複数の超薄振動部に対
して順次連続してエッチング液を滴下するようにエッチ
ング液用ディスペンサを制御する一方で、上記複数の超
薄振動部に対するエッチング時間が所定時間に達した時
に順次連続して中和液を滴下するように中和液用ディス
ペンサを制御することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
の形態により詳細に説明する。図1(a) 及び(b) は凹陥
部を形成した圧電ウェハと仕切板を示す斜視図、及び振
動部肉厚を微調整するためのエッチング工程を示す断面
図である。また、図2は微調整のためにエッチングの進
行を停止させる中和液滴下工程を示す断面図である。こ
の圧電ウェハ1はその上面に複数の凹陥部2を備え、各
凹陥部2の底面には超薄振動部3が位置している。この
凹陥部2は前記のごとき凹陥部形成の為の第1のエッチ
ング工程(或は機械的な凹陥部形成工程)によって形成
されている為、超薄振動部3の肉厚は均一でなく、規定
肉厚よりも厚い方向にばらついている。この肉厚のばら
つきは、共振周波数にして例えば+10ppm±1pp
mの範囲(+9〜+11ppm)に納まっている為、僅
か+3ppmのばらつきの範囲内に全ての超薄振動部
(例えば、49個)のばらつき量が該当していることに
なる。エッチングに先立って、隣接する凹陥部内にエッ
チング液が流入することを阻止する為の仕切板10を圧
電ウェハ1上に接着剤12を用いて接着固定する。この
仕切板10は、圧電ウェハ上の凹陥部2と整合する形状
の貫通穴11及び仕切壁11aを有し、図1(b) に示し
た如き状態で各凹陥部2は隣接する凹陥部から離隔され
る。この状態で、同じエッチング時間を必要とする超薄
振動部3(群)に対して図示のように一つのディスペン
サ15のノズルから貫通穴11を介して凹陥部2内に所
要量のエッチング液16を順次滴下し(肉厚微調整のた
めのエッチング工程)、所定のエッチング時間の到来と
同時に図2に示すようにディスペンサ20から各超薄振
動部3に対して中和液21を順次滴下してエッチングの
進行を停止させる(中和液滴下工程)。中和液21とし
ては、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カ
リウム(KOH)、或は水酸化バリウム(Ba(OH)
2)等を用いることができる。なお、肉厚微調整のため
のエッチング工程と、中和液滴下工程は、一つの肉厚微
調整工程を構成している。
【0008】本発明では、圧電ウェハ1上の各薄超振動
部3の共振周波数を図4(a) に示した如き測定装置によ
り測定することにより得た結果を肉厚に換算して肉厚調
整量を決定し、同等の肉厚調整量を有した超薄振動部
群、例えば共振周波数にして+11ppmのずれを有し
た超薄振動部群(例えば、10個)に対して連続して順
次肉厚微調整用のエッチング液16を滴下した後、所定
のエッチング時間(例えば、11秒)経過時に順次個別
にエッチング液を中和する溶液(中和液)21を滴下し
てエッチングの進行を停止させる。次いで、目標とする
共振周波数に対して+10ppmのずれを有した超薄振
動部群(例えば、29個)に対して、連続して順次肉厚
微調整用のエッチング液16を滴下した後、各振動部に
ついての所定エッチング時間(例えば、10秒)経過時
に順次エッチング液を中和する溶液21を他のディスペ
ンサ20から滴下してエッチングの進行を停止させる。
この作業を残りの全ての超薄振動部3(+9ppmのず
れを有した超薄振動部、10個)に対して行うことによ
り、無理なく、全ての超薄振動部について肉厚のずれを
解消して規定肉厚にまで減少させる作業を正確に行うこ
とが可能となる。
【0009】中和溶液21を滴下するディスペンサ20
と、エッチング液16を滴下するディスペンサ15とを
別個に動作するように制御することにより、連続、かつ
効率的な作業性が保証される。つまり、先行して動作を
開始するエッチング液滴下用ディスペンサの動作とは関
係なく、中和液滴下用のディスペンサを動作させること
により、個々の超薄振動部に対して求められているエッ
チング時間が到来するジャストのタイミングで中和液2
1を個別に滴下できるので、エッチング不足が発生する
ことが皆無となり、規定の肉厚にてエッチングを停止す
ることができる。作業性を高めて加工時間を短縮する為
には、上記のように微調整の為のエッチング時間が最も
長い超薄振動部群からエッチング液の滴下を開始し、各
超薄振動部について中和液を滴下する時間が到来した時
に順次中和液の滴下を行う。この際、エッチング液滴下
用のディスペンサ15は作動を停止せずに連続して次の
超薄振動部群に対するエッチング液の滴下を行い続け、
中和液用のディスペンサ20も連続して順次中和液の滴
下作業を実行する。また、同一の肉厚を有した超薄振動
部群に対するエッチング液滴下と、中和液滴下を一連の
工程として実施完了したあとで、次の超薄振動部群に対
するエッチング液滴下、中和液滴下を実施するようにし
てもよい。例えば、ずれ量が+11ppmである超薄振
動部10個に対して順次0.1秒間隔でエッチング液の
滴下を行った後で、エッチング液の滴下開始から11秒
経過時に中和液の滴下作業を開始することにより、10
個全ての超薄振動部に対して11秒間の正確なエッチン
グを行う。続いて、ずれ量が+10ppmの超薄振動部
29個に対する微調整作業と、ずれ量が+9ppmの超
薄振動部10個に対する微調整作業を順次行う。なお、
この場合には、必ずしもエッチング時間が長い方の超薄
振動部群から微調整作業を開始する必要はなく、任意の
肉厚の超薄振動部群から開始することができる。なお、
上記振動部肉厚微調整工程を終了した後の工程として
は、まず仕切板10を接着剤剥離用の溶剤を用いて圧電
ウェハ1から剥離し、圧電ウェハの凹陥部2側には例え
ばアルミニウムや金を全面蒸着して全面電極25(図
3)を成膜し、超薄振動部3の外側面のほぼ中央部に部
分電極26(図3)をマスク蒸着又はフォトエッチング
にて形成し、然る後に圧電ウェハを凹陥部相互の境界線
に沿って縦横に切断分割し、図3(a) (b) に示した如き
超薄圧電共振子エレメントを得る。この超薄圧電共振子
エレメントは、図示しないセラミックパッケージ内に組
み込まれ、所要の配線を行った後で電極に対する付加蒸
着による最終的な共振周波数の合わせ込みを施され、パ
ッケージを封止して完成される。なお、上記肉厚微調整
工程を実施するための製造装置(肉厚微調整装置)は、
各凹陥部2内に個別に肉厚微調整用のエッチング液16
を滴下するエッチング液用ディスペンサ15と、該エッ
チング液によるエッチング時間が所定時間に達した時に
該凹陥部内にエッチングの進行を停止させる中和液21
を滴下する中和液用ディスペンサ20と、両ディスペン
サの動作を個別に制御する図示しない制御部と、を備え
ている。
【0010】前記制御部は、肉厚のばらつき量が同等な
複数の超薄振動部3に対して順次連続してエッチング液
を滴下するようにエッチング液用ディスペンサ15を所
要のの経路にて移動させて滴下作業を行うように制御す
る一方で、エッチング液の滴下を受けた各超薄振動部3
がエッチング液に浸っている時間(エッチング時間)が
所定に達した時に所定の順序で順次連続して中和液21
を滴下するように中和液用ディスペンサ20の移動経路
及び滴下タイミングを制御する。また、肉厚微調整工程
を可能な限り短時間で実施する場合には、一つの圧電ウ
ェハ上の全ての超薄振動部に対して連続して中断するこ
となく両滴下作業を一部並行して行う必要がある。即
ち、エッチング時間が最長となる超薄振動部(群)に対
するエッチング液滴下動作(順序)及び当該超薄振動部
(群)に対する中和液の滴下動作(順序)と、次にエッ
チング時間が長い超薄振動部(群)に対するエッチング
液滴下動作(順序)及び当該超薄振動部(群)に対する
中和液の滴下動作(順序)というように、順次、作業手
順と動作タイミングを入力設定した上で、中断すること
なく連続したエッチング液滴下、中和液滴下、といった
作業を並行して実施する。中和液の滴下動作は、既に先
行して開始されているエッチング液の滴下動作により超
薄振動部がエッチング液に浸されている時間が規定時
間、例えば9秒に達した時に開始され、同じ肉厚を有す
る超薄振動部群に対して一つづつ所定の時差を以て中和
液の滴下が行われる。従って、例えば、一つの超薄振動
部に対する中和液の滴下に要する時間が0.1秒である
とすれば、10個の超薄振動部に対する滴下終了には1
秒を要することとなる。しかし、10個の超薄振動部の
個々の振動部に着目して見れば、エッチング液の滴下か
ら正確に9秒後に中和液が滴下されたことになるので、
全ての超薄振動部に対して均一な時間のエッチングが実
施されたことになり、エッチング作業の歩留が向上す
る。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、大面積の
圧電ウェハを用いて複数の超薄圧電共振子素板を製造す
る為に、圧電ウェハ面にエッチングにより多数の凹陥部
を形成してから行われる振動部肉厚の微調整作業におい
て、各凹陥部底面の超薄振動部の肉厚を規定肉厚に微調
整するためのエッチング液の個別滴下作業に続いて行わ
れるエッチングの進行を停止させる作業を個別かつ効率
的に並行して行うことにより、微調整精度を高めて製品
の品質低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 及び(b) は本発明の一実施形態の製造方法
及び製造装置に使用する仕切板の説明図、及びエッチン
グ液滴下状態を示す断面図。
【図2】中和液滴下状態を示す断面図。
【図3】(a) 及び(b) は本発明により製造される超薄圧
電共振子素板の平面図、及び断面図。
【図4】(a) は凹陥部内の超薄振動部の肉厚を測定する
方法を説明する図、(b) は測定後の圧電ウェハの平面
図。
【符号の説明】
1 圧電ウェハ、2 凹陥部、3 超薄振動部、5 金
属板、6 周波数測定装置、10 仕切板、11 貫通
穴、12 接着剤、15 ディスペンサ、16エッチン
グ液、20 ディスペンサ、21 中和液。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超薄振動部と、該超薄振動部の全周縁に
    一体化した厚肉環状囲繞部とから成る超薄圧電共振子素
    板を、大面積圧電ウェハを用いて複数個一括製造する方
    法であって、 前記圧電ウェハの面上にエッチングにより複数の凹陥部
    を所定の配列で形成することにより各凹陥部底面に前記
    超薄振動部を形成する凹陥部形成工程と、 前記圧電ウェハ上に形成した各超薄振動部の肉厚のバラ
    ツキを測定する肉厚測定工程と、 前記肉厚測定工程にて検出された個々の超薄振動部の肉
    厚についてのバラツキを修正して規定肉厚にまで減少さ
    せるために個々の凹陥部内にエッチング液を滴下し、エ
    ッチング液の滴下後所定時間経過後にエッチング液を中
    和する中和液を各凹陥部内に滴下する肉厚微調整工程
    と、 から成ることを特徴とする超薄圧電共振子素板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 底面に超薄振動部を備えた複数の凹陥部
    を所定の配列で面上に有した大面積圧電ウェハを用いて
    複数の超薄板圧電共振素板を製造する装置であって、 各凹陥部内に個別に肉厚微調整用のエッチング液を滴下
    するエッチング液用ディスペンサと、該エッチング液に
    よるエッチング時間が所定時間に達した時に該凹陥部内
    にエッチングの進行を停止させる中和液を滴下する中和
    液用ディスペンサと、両ディスペンサの動作を個別に制
    御する制御部と、を備え、 前記制御部は、複数の超薄振動部に対して順次エッチン
    グ液を滴下するようにエッチング液用ディスペンサを制
    御する一方で、上記複数の超薄振動部に対するエッチン
    グ時間が所定時間に達した時に順次中和液を滴下するよ
    うに中和液用ディスペンサを制御することを特徴とする
    超薄圧電共振子素板の製造装置。
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