JP3919091B2 - 圧電振動片の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動片の製造方法に係り、特に逆メサ型の圧電振動片を形成するのに好適な圧電振動片の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水晶振動子に代表される高周波対応の圧電振動子では、逆メサ型の振動片形状が用いられることが知られている。
そしてこの逆メサ型の振動片を形成する場合には、まずウェハの表面を機械加工によって研磨した後、前記ウェハの平面上に複数の励振部のもととなる凹陥部をエッチングによって形成するようにしている。
【0003】
しかしながら凹陥部を形成する場合には、前記ウェハの研磨による板厚のばらつき、あるいはドライエッチングまたはウェットエッチングのばらつきにより、凹陥部の底部となる励振部の厚さが微妙に異なっている。ウェハの研磨精度は、例えば、30mm角ウェハでは、板厚が100±0.5μm程度であり、ウェハとしての板厚のばらつきが1%程度であるが、このウェハにおける凹陥部の底部(励振部)の厚さが10μm程度となるようにエッチングすると、エッチングのばらつきがない場合でも、凹陥部における板厚のばらつきは10±0.5μmとなり、各凹陥部間における励振部の厚みのばらつきは10%にも達する。
【0004】
このばらつきを修正するために、特開平6−21740号公報に示すように、ウェハ表面に形成された凹陥部の厚みを測定するとともに、前記凹陥部の開口部分に対応する位置に、孔が形成されたベークライトの厚板を接着剤にて接着し、凹陥部の厚みがあらかじめ設定された範囲内に収まるよう、個々の凹陥部にエッチング液を供給する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述した方法では、ウェハの表面に多孔厚板を接着剤で貼り合わせる必要があるため、貼り付けの工程が別途必要となる。さらに前記ウェハの厚みは概ね80μm〜100μmと極めて薄く、しかも局部的に深さ60μm〜70μmの凹陥部が随所にあるため、厚板の貼り合わせや、厚板を剥がす最中にウェハが破損するおそれがある。
【0006】
また厚板を介してのエッチング液の供給となるので、多くのエッチング液を必要とし、さらにエッチング液を供給しても凹陥部内の気泡が抜けず、前記エッチング液が凹陥部の底(励振部)に達しないおそれもある(エッチング不可のおそれ)。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、従来の製造工程の途中でウェハへの貼り付け工程等を追加せずに、さらに初回のエッチングで生じた各凹陥部の厚みのばらつきを確実に且つ短時間で、あらかじめ設定された範囲内に収めることのできる圧電振動片の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧電振動片の製造工程の途中でウェハ表面に形成されるレジスト膜からなるマスクを厚板の代わりに用いることとすれば、従来の製造工程に大幅な変更を加えることなく、各凹陥部の厚みのばらつきを、あらかじめ設定された範囲内に収めることができるという知見に基づいてなされたものである。
【0009】
すなわち本発明に係る第1の圧電振動片の製造方法は、ウェハの表面にレジスト膜からなるマスクを形成した後、前記マスクの開口より露出する前記ウェハの表面をエッチングして励振部を形成する圧電振動片の製造方法であって、前記エッチングを第1エッチング工程と第2エッチング工程とに分割し、前記第1エッチング工程にて前記マスクから露出する前記ウェハの表面を一括にエッチングして複数の励振部を形成した後、前記ウェハの表面に形成されている導電材料からなる耐食膜を接地して前記各励振部の周波数を測定し、これら励振部の周波数が設定範囲内に収まるよう算出された前記各励振部のエッチング時間をもとに、エッチング終点が一致するように前記各励振部のエッチング開始時刻をずらして前記第2エッチング工程を前記励振部ごとに行なうこととした。
【0010】
このようになっている本発明の第1は、第1エッチング工程においてマスクを形成したウェハをエッチング液に浸し、ウェハのマスクから露出している部分をエッチングして窪み(凹陥部)を設けることにより、複数の励振部を一括して形成する。そして、第2エッチング工程においては、レジスト膜からなるマスクを従来の厚板の代わりに利用する。すなわち、有機物であるレジスト膜により形成したマスクは、大きな撥液性を有するため、各励振部にエッチング液を供給した場合に、エッチング液がマスクの有する撥液性によって容易に凹陥部内に保持され、第2エッチング工程を行なうことができる。したがって、従来の製造工程の途中でウェハに厚板を貼り付け等の工程を追加する必要がなく、さらに初回のエッチングである第1エッチング工程によって形成した励振部の厚みのばらつきを確実に且つ短時間で、あらかじめ設定された範囲内に収めることができる。
【0011】
この場合、第2エッチング工程に用いるエッチング液の供給量は、前記レジスト膜の開口からはみ出ない量、すなわち最大でもレジスト膜の開口から表面張力によって盛り上がった状態までと設定すれば、励振部の厚みの調整に充分な量のエッチング液を確保できるとともに、前記エッチング液の使用量は、微量なものとなりエッチング液の使用量の低減を図ることが可能になる。
【0012】
また本発明に係る第2の圧電振動片の製造方法は、ウェハの表面にレジスト膜からなるマスクを形成した後、前記マスクの開口より露出するウェハの表面をエッチングして複数の励振部を一括して形成する第1エッチング工程と、前記ウェハの表面からマスクを除去するマスク除去工程と、このマスク除去工程の前または後に、前記ウェハの表面に形成されている導電材料からなる耐食膜を接地して前記各励振部の周波数を測定し、それぞれの励振部の周波数を設定範囲内に収めるためのエッチング時間を求める時間算出工程と、この時間算出工程において求めた前記各励振部のエッチング時間に基づいて、エッチング終点が一致するように前記各励振部のエッチング開始時刻をずらして前記励振部をエッチングする第2エッチング工程と、を有するようにした。
【0013】
第2の本発明によれば、第2エッチング工程の前にレジスト膜からなるマスクを除去するため、マスクから発生したガスが励振部に付着することがない。このため、励振部に供給したエッチング液が、励振部に付着したガスによって妨げられることなく励振部を容易に濡らし、各励振部におけるエッチング液を供給してからエッチングが開始されるまでの時間が一定となって、励振部の膜厚の調整を高精度で行なうことができる。
【0014】
本願発明者らの研究によると、理由は定かでないが、第2エッチング工程における励振部へのエッチング液の供給量は、少ないほうがエッチングを安定して行なえ、励振部の厚さの調整をより高精度に行うことができる。このため、第2エッチング工程における励振部へのエッチング液の供給量は、少なくとも励振部全体を濡らして覆うことができる量であって、できるだけ少ない量が望ましく、エッチング液の液位をウェハの表面以下とするのがよい。
【0015】
ウェハをエッチングする場合、通常、ウェハの表面にAu/Crなどの導電性の金属からなる耐食膜を形成している。そこで、励振部の周波数を測定する場合、導電性の耐食膜を接地するとよい。励振部の周波数測定時に耐食膜を接地すると、励振部周囲の耐食膜がアース電位となり、周波数の測定時に外来ノイズ等の影響をうけることなく、確実に周波数測定を行なうことが可能になる。
【0016】
そして、第2エッチング工程は、励振部を洗浄したのちに行なうことが望ましい。励振部を洗浄して励振部に付着している有機物を除去することにより、励振部の濡れ性が向上してエッチング液が容易に励振部を濡らすため、エッチング液の供給と同時にエッチングが開始され、エッチングのばらつきが小さくなってより高精度の膜厚調整が可能となる。また、エッチング液に界面活性剤を添加すると、エッチング液の吸着性が向上して励振部を容易に濡らし、エッチングのばらつきを小さくして高精度の膜厚調整を行なえる。
【0017】
第2エッチング工程は、濃度の異なる複数のエッチング液を用いて行なうことができる。第2エッチング工程は、各励振部ごとにエッチング液を供給して行なうため、エッチング時間の長い励振部に対しては濃度の高いエッチング液を供給することにより、エッチング時間を短縮することができる。
【0018】
第2エッチング工程において励振部にエッチング液を供給する場合、励振部を形成する窪み内に供給管先端を挿入した後、前記供給管先端に前記エッチング液からなる液滴を成長させ、当該液滴を前記励振部に接触させるとよい。このようにしてエッチング液を励振部に供給すると、エッチング液が他の部分に飛び散ったりするのを防止できるとともに、エッチング液が窪みの底部である励振部に広がった後、窪みの上方へと液面が移動するため、窪み内部の気体を排出することができ、励振部に気泡が生ずるのを防げ、励振部をエッチング液で容易、確実に濡らすことができる。また、供給管の先端を励振部の中央に位置させることにより、励振部に対するエッチング液の広がりを均一にすることができ、気泡の発生などによってエッチング不良が生ずるのを防ぐことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る圧電振動片の製造方法に好適な具体的実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1実施の形態に係る圧電振動片の製造装置の構造を示す説明図である。同図に示すように本実施の形態に係る圧電振動片となる水晶振動片の製造装置10(以下、製造装置10と称す)は、水晶振動片の製造工程の途中に設けられている。
【0023】
前記製造装置10は、水晶ウェハ12の表面に形成された励振部14の周波数を測定する周波数測定手段となる周波数測定部16と、この周波数測定部16の値をもとに、個々の励振部14にエッチング液18を供給するためのエッチング液供給手段となる液供給部20とで構成されている。なお前記周波数測定部16と、液供給部20との間には図示しないコンベア装置が設けられており、矢印22に示す方向に水晶ウェハ12を移送可能にしている。
【0024】
周波数測定部16は、水晶ウェハ12を設置するためのステージ24が設けられており、このステージ24の上方には、水晶ウェハ12に形成された複数の励振部14の周波数を測定するためのネットワークアナライザ26と、そのプローブ28とが設けられている。そして前記プローブ28はロボットアーム30に取り付けられており、前記ステージ24の範囲を自在に移動可能としているとともに、図示しない昇降装置によって、前記プローブ28の先端を励振部14の近傍に接近可能とし個々の励振部14の周波数測定を可能にしている。
【0025】
ところでステージ24の端部側には、シリンダ装置32が設けられており、当該シリンダ装置32を稼働させることで、シリンダロッドの先端を水晶ウェハ12の表面に形成される耐食膜34に接触させ、当該耐食膜34を接地してアース電位にするようにしている。このシリンダロッドを接触させる耐食膜34の部分は、レジスト膜62が剥離してある。これにより励振部14周囲の耐食膜34の電位が一定となり、ネットワークアナライザ26を用いた周波数測定の際に、前記耐食膜34がシールドの役割を果たし、プローブ28に外来ノイズが侵入するのを防止することができるようになっている。なお上述した耐食膜34は、本工程においては、導通性を有していればよく、通常は、下層にCrを10〜100nm、上層にAuを50〜300nmの厚さの薄膜を蒸着やスパッタリングで形成する2層構造のものが一般的である。
【0026】
またロボットアーム30には水晶ウェハ12の表面に形成される励振部14の座標があらかじめ記憶されており、ネットワークアナライザ26の測定に連動してプローブ28を移動させ、個々の励振部14を連続測定できるようにしている。
【0027】
励振部14にエッチング液18を供給するための液供給部20も、前記周波数測定部16と同様に、ステージ36が設けられており、このステージ36の上方には、ディスペンサを構成するシリンジ38が設けられている。当該シリンジ38は、エッチング液18を供給するためのポンプ本体40に接続されており、後述する制御演算部から信号を受信することで前記シリンジ38のノズル先端からエッチング液18を吐出可能にしている。
またシリンジ38も、周波数測定部16におけるプローブ28と同様、ロボットアーム42に取り付けられており、当該ロボットアーム42の稼働にてシリンジ38をステージ36内で移動可能にしている。
【0028】
ところで周波数測定部16におけるネットワークアナライザ26と、液供給部20におけるポンプ本体40およびロボットアーム42を有する移送装置44との間には、制御演算部46が設けられており、この制御演算部46がネットワークアナライザ26の出力信号に基づいて、ポンプ本体40と移送装置44とを制御する。
【0029】
図2は、制御演算部の処理手順を示すフローチャートと、各ステップにおけるテーブル演算の状態(処理項目と処理結果)を示したものである。
同図に示すように、制御演算部46では、ネットワークアナライザ26より周波数が入力されると(ステップ100)、水晶ウェハ12の表面に形成される励振部(凹陥部)14(14A、14B、14C、………)の位置に紐付けされて前記周波数がメモリに記録されデータファイルが作成される(ステップ110)。このように水晶ウェハ12の表面に形成される励振部14の全ての周波数が取り込まれると、前記データファイルを読み込み(ステップ120)、これらの値を周波数から励振部14における板厚に換算する(ステップ130)。なお励振部14における周波数を板厚に換算するためには、下記の式を用いて演算を行なえばよい。
【数1】
ただし、数式1の右辺の係数1670は周波数定数(単位:kHz・mm)であり、励振部の板厚の単位はmm、周波数の単位はkHzである。
【0030】
そして上記数式によって励振部14の板厚を算出した後は、あらかじめ設定された目標板厚を入力し、個々の励振部14の板厚がどの程度厚くなっているか差分、すなわちエッチングすべき量を算出する(ステップ140)。なお目標板厚は、あらかじめ制御演算部46に記憶させておいてもよい。
【0031】
次いで目標板厚に対する差分を算出した後は、エッチング液18によるエッチング速度を入力し、前記差分についてエッチングを行なう際の時間を算出する(ステップ150)。なおエッチング速度は、目標板厚と同様、あらかじめ制御演算部46に記憶させておいてもよい。
【0032】
このように個々の励振部14におけるエッチング時間を算出した後は、エッチングの終点が同時となるよう、個々の励振部14の間でエッチング時間の差を算出するとともに、励振部14におけるエッチング液18の滴下順と滴下開始時刻とを設定する(ステップ160)。
【0033】
図3は、個々の励振部におけるエッチング液の滴下順および滴下時刻の設定方法を示す説明図である。同図(1)に示すように、水晶ウェハ12の表面には複数の励振部14(14A〜14Eのみを番号表示)が形成されている。そしてこれら励振部14A〜14Eの周波数a0〜e0を測定すると、前述したように前記値より目標板厚に達するまでのエッチング時間が算出される。ここで同図(2)に示すように、エッチングの終点が一致するように個々の励振部14においてエッチング液18の滴下順位を設定する。
【0034】
例えば、励振部14A〜14Eの算出されたエッチング時間がそれぞれta、tb、tc、td、teで、ta>tc>te>td>tbであるとした場合、一番エッチング時間の長い励振部14Aのエッチング時間taを基準にし、励振部14Aへのエッチング液の滴下開始時刻(エッチング開始時刻)を0とする。そして、他の励振部14B〜14Eに対しては、(ta−tb)、(ta−tc)、(ta−td)、(ta−te)の時間差をもって、各励振部14A〜14Eにエッチング液18を滴下すればよい。すなわち、励振部14Aにエッチング液の滴下を開始してから(ta−tc)秒経過した時刻に励振部14Cへのエッチング液の滴下を開始し、励振部14Aにエッチング液の滴下を開始してから(ta−te)秒経過した時刻に励振部14Eへのエッチング液の滴下を開始するように設定する。以下、同様にエッチング時間の長い順にエッチング液の滴下開始時刻を設定する。これにより、各励振部14のエッチング終点(終了時刻)をtaに揃えることができる。
【0035】
そして図2に示すように個々の励振部14へのエッチング液18の滴下順、滴下開始時刻を設定した後は、制御演算部46は、移送装置44およびポンプ本体40にテーブルデータを送信する(ステップ170)。移送装置44が前記制御演算部46から値を受け取ると、ロボットアーム42を特定の励振部14の位置まで移動させ(ステップ180)、シリンジ38のノズル先端を、励振部14を形成する凹陥部(窪み)の内部まで降下させるとともに、その後ポンプ本体40の稼働により、エッチング液18を励振部14に供給する(ステップ190)。
【0036】
そしてエッチング時間が終了した後は(ステップ200)、水晶ウェハ12の表面に洗浄水を加え、水洗により励振部14に供給されたエッチング液18を除去し、エッチング工程を終了させる(ステップ210)。
【0037】
図4は、ネットワークアナライザの測定原理を示す説明図であり、同図(1)は、励振部におけるピーク値検出波形であり、同図(2)はネットワークアナライザを用いた測定回路図を示す。
【0038】
同図(2)に示すZxが測定対象となる励振部となるが、この励振部Zxに対して、基準信号源Vsから任意の周波数範囲(基準周波数が155MHzの場合、例えば155±1MHz)をスィープさせながら、その信号を励振部に印加する。そして前記励振部への印加とともにネットワークアナライザ内の発信部から受信部に直接、参照信号Vrを送信する。
【0039】
発信部から参照信号Vrを受けた受信部は、励振部からの出力信号Vxを前記参照信号Vrと比較し、励振部による電圧低下分からインピーダンスを算出する。そしてこのインピーダンスは、同図(1)に示すように共振周波数付近では小さくなり、その後の反共振周波数付近では大きくなる。そして前記共振周波数の値をピークホールドすることにより、測定対象となる励振部の主振動数を測定することができるのである。またネットワークアナライザでは、スペクトラムアナライザと異なり、励振部からの出力信号Vxを前記参照信号Vrと比較することから、位相についても測定ができるのはいうまでもない。なお同図(1)に示すように、励振部の主振動より高次に検出されるピークは、スプリアス振動であり、主に励振部の機械的共振が原因となっている。
【0040】
図5は、本実施の形態に係るポンプ本体の構造を示す要部拡大図であり、図6は図5に代わるポンプ本体の構造を示す断面拡大図である。
図5に示すように、ポンプ本体40は、チューブ押え40Aとチューブ40Bとチューブガイド40Cとを主な構成要素としている。チューブ押え40Aは、矢印40Dのように回転自在となっていて、周縁部に複数のカム凸部40Eが中心に対して等間隔に設けてある。そして、チューブガイド40Cは、チューブ押え40Aの周面と対向する面が、カム凸部40Eの先端の回転軌跡に沿った円弧状のガイド面40Fとなっている。また、チューブ40Bは、チューブ押え40Aとチューブガイド40Cとの間に配置されている。このチューブ40Bは、エッチング液を輸送するためのもので、変形自在な柔軟性を有する部材から形成してある。
【0041】
このポンプ本体40は、チューブ押え40Aが矢印40Dのように回転すると、カム凸部40Eがチューブ40Bをチューブガイド40Cのガイド面40Fに押圧し、隣接するカム凸部40E間に、エッチング液が充填されているチューブ40Bの微小空間40Gを形成する。そして、チューブ押え40Aの回転に伴って微小空間40Gが図5の左方向に移動し、微小空間40Gを満たしている一定量のエッチング液が矢印40Hのようにポンプ本体40から送り出され、シリンジ38から吐出される。これにより、微量で且つ正確な一定量のエッチング液をシリンジ38に送り出すことができる。
【0042】
このように、ポンプ本体40によるエッチング液の微量送りを可能としたことにより、レジスト膜からなるマスクが表面に形成された水晶ウェハ12の励振部(凹陥部)14に、シリンジ38からエッチング液18を吐出してエッチング液を供給する場合、励振部14からあふれ出ないように供給することができる。
【0043】
また図6に示すように、ポンプ本体40をピエゾ素子等に代表される圧電素子56にて構成するようにしてもよい。圧電素子56を用いた場合には、当該圧電素子56に制御演算部46を接続しておき、当該制御演算部46から吐出用のパルス信号を送出すればよい。このように制御演算部46からパルス信号を送出すれば、前記圧電素子56に電歪が生じて薄板部58を図中破線で示すように変形する。そしてこの薄板部58の変形によって図中D寸法を変化させれば、流入側の逆止弁の封止部材57bが破線で示した位置57cまで移動し、流入側の逆止弁と流出側の逆止弁との間にあるエッチング液18の逆流を防ぎ、流出側の逆止弁(57a)がエッチング液18を通過させるため、矢印60に示す方向にエッチング液18を輸送することができ、シリンジ38側へとエッチング液を送り出すことができる。
【0044】
図7は、ディスペンサから吐出されるエッチング液の状態を示す説明図である。同図(1)に示すように、任意の励振部14に対しロボットアーム42(図1参照)を移動させ、励振部14に対するシリンジ38の位置合わせを行なった後は、当該シリンジ38のノズル先端を、水晶ウェハ12の表面より下側の位置まで降下させ、励振部14を形成している窪みに挿入する。なお気泡を発生させずにエッチング液18を供給させる目的から、励振部14の中心に対して、シリンジ38の中心を一致させることが望ましい。
【0045】
このようにシリンジ38を励振部14に対し位置合わせを行なった後は、ポンプ本体40を稼働させ、シリンジ38のノズル先端からエッチング液18を吐出させる。そしてシリンジ38のノズル先端で成長するエッチング液18が励振部14に接すると、当該エッチング液18はシリンジ38から励振部14全域に広がる。この状態を同図(2)に示す。そして同図(3)に示すようにシリンジ38からエッチング液18を連続して供給すれば、エッチング液18は窪み(凹陥部)内の気体を追い出しつつ液位が上昇し、励振部14の上方にエッチング液18による液溜まりを形成し、励振部14のエッチングを進行させることができる。
【0046】
なお励振部14につながる開口縁部には、レジスト膜からなるマスクがあらかじめ形成されているので、シリンジ38を引き上げた後は、マスクの持つ撥液性によりエッチング液18がはじかれ、図1に示したように、当該エッチング液18を凹陥部内で半球状に保持させることが可能になり、隣接する励振部14にエッチング液18が流れ込むのを防止することができる。
【0047】
このように構成された製造装置10を用いて、水晶振動片を製造する手順を説明する。
図8と図9は、水晶振動片の製造プロセスを示した工程説明図である。
図8(1)に示すような水晶ウェハ12の両面にフッ酸の耐食膜34として、Crを50nm、Auを100nm、蒸着あるいはスパッタリングで成膜する。この状態を同図(2)に示す。
【0048】
そして同図(3)に示すようにAu/Crの耐食膜34の上に、フォトレジストを塗布し、乾燥させ、レジスト膜62を形成する。次いで同図(4)に示すように逆メサ部のパターンを描画したフォトマスク64をウェハ表面にあて、紫外線で露光し、フォトマスク64のパターンをレジスト膜62に転写する。そして感光したレジスト膜62を現像液で現像してマスクを形成し、同図(5)に示すように励振部14と対応した部分のAu/Crの耐食膜34を露出させる。
【0049】
このように耐食膜34を露出させた後は、図9(1)に示すようにレジスト膜62から露出した耐食膜34をエッチングで除去し、水晶ウェハ12の表面を露出させる。次いで同図(2)に示すように、水晶ウェハ12をフッ酸系のエッチング液で第1エッチング工程となるハーフエッチングを行ない、水晶ウェハ12に窪み(凹陥部)を設けて複数の励振部14を一括して形成する。
【0050】
そして前記工程にて励振部14を形成した後は、製造装置10を用い、図2に示す工程を行ない、個々の励振部14における周波数を測定して板厚に換算する。そして目標周波数から算出された板厚との差とエッチングレートからエッチングが完了するまでの時間を算出し、算出された時間だけ第2エッチング工程によって励振部14のエッチングを行なう。ついで個々の励振部14のエッチングが終了した後は、図9(3)に示すように水晶ウェハ12の表面に残ったレジスト膜62を剥離するとともに、同図(4)に示すようにAu/Crからなる耐食膜34を剥離すればよい。
このように上述した製造装置10を用いれば従来の製造工程を大きく変動させることなく励振部14の厚みの微調整を容易に行なうことが可能になる。
【0051】
図10は、上記のようにして励振部14の厚みを調整した結果を示す図である。同図(1)は、第1エッチング工程を終了した時点において各励振部14の周波数をネットワークアナライザによって測定し、その測定周波数が目標厚みに対応した基準周波数(この場合、175.5MHz)からどの程度ずれているかを表したものである。また、同図(2)は、第2エッチング工程によって各励振部14の厚さを個別に調整した後、同様にして各励振部14の周波数を測定し、基準周波数とのずれ量を求めたものである。いずれも横軸が励振部14の個数を示し、縦軸がMHzで表した周波数のずれ量を示している。
【0052】
用いた試料は、励振部14を形成している窪み(凹陥部)の大きさが長さ3.4mm、幅1.8mm、深さ0.046mmであって、凹陥部の容積は2.82×10-4mLである。そして、第2エッチング工程において使用したエッチング液は、フッ酸とフッ化アンモニウム水溶液との混合溶液であって、励振部14に供給したエッチング液の量は、3.26×10-4mLであって凹陥部から盛り上がるようにした。また、第2エッチング工程は、室温において行なった。
【0053】
図10の(1)と(2)とを比較すると、第2エッチング工程を行なうことによって周波数のずれ量を小さくすることができる。すなわち、同図(1)に示した第1エッチング工程終了時における励振部14の基準周波数からのずれ量の標準偏差はσ=1.837であったが、同図(2)の第2エッチング工程後では、基準周波数からのずれ量の標準偏差はσ=1.360となった。
【0054】
ところで、本願発明者らは、上記した第2エッチング工程についてさらに研究し、検討を加えた結果、励振部14に供給するエッチング液18の量を少なくすることによって、厚さのばらつきをさらに小さくできることを見いだした。すなわち、励振部14へのエッチング液18の供給量は、凹陥部の底部となっている励振部14の全体を濡らすことができる量であって、できるだけ少ないほうが望ましいことを見いだした。具体的には、エッチング液18の液位を水晶ウェハ12の表面以下にすることが望ましい。
【0055】
この場合、水晶ウェハ12の表面にレジスト膜62(図1参照)からなるマスクが存在していると、少量のエッチング液18で励振部14の全体を濡らすことが困難となるので、レジスト膜(マスク)は除去する。これは、レジスト膜62から発生したガスが励振部14に付着し、エッチング液をはじくためと考えられる。また、励振部14にレジスト膜62から生じたガスが付着すると、エッチング液18の濡れ性に影響を与えるため、励振部14のエッチング液18を滴下してからエッチングが開始されるまでの時間がまちまちとなり、エッチング量にばらつきを生ずることを見いだした。このため、励振部14の厚みの調整をさらに精密に行なう場合には、水晶ウェハ12の表面からレジスト膜62を除去してから第2エッチング工程を行なうことが望ましい。さらに、少量のエッチング液18で励振部14の全体が容易に濡れるように、第2エッチング工程の直前に励振部14の洗浄を行ない、励振部14に付着している有機物を除去するとよい。この励振部14の洗浄は、紫外線の照射や酸素プラズマ洗浄、イオン衝撃などの乾式洗浄であってもよく、硫酸−過酸化水素水洗浄などの洗浄液を用いた湿式洗浄であってもよい。
【0056】
また、エッチング液に少量の界面活性剤を添加してエッチング液の表面張力を小さくし、エッチング液の吸着性を高めて濡れ性を改善するようにしてもよい。界面活性剤の添加量は、エッチング液18に影響を与えない程度が望ましく、例えば炭化水素系の界面活性剤を数百ppm添加する。これにより、エッチング液18を励振部14に滴下したときに、エッチング液18が容易に拡がるようになる。しかも、エッチング液18は、励振部14の細かな凹部までも入り込むため、励振部14の表面が均一にエッチングされてエッチング速度(エッチングレート)が安定する。なお、界面活性剤は、通常、アニオン系(陰イオン系)を単独または複数を混合して添加するが、同様の作用を有するものであれば両性界面活性剤や非イオン性界面活性剤を使用してもよい。
【0057】
図11は、第2実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する製造工程の概略を示すフローチャートである。まず、図11のステップ71に示したように、水晶ウェハ12の表面にAu/Crなどからなる耐食膜を蒸着やスパッタリングによって形成する。次に、耐食膜の上にフォトレジストを塗布して乾燥させてレジスト膜を形成する。さらに、レジスト膜を露光、現像して励振部と対応した部分のレジスト膜を除去し、励振部に対応した部分の耐食膜を露出させたレジスト膜からなるマスクを形成する(ステップ72)。
【0058】
その後、マスクから露出している部分をエッチングする第1エッチング工程を行なう(ステップ73)。この第1エッチング工程は、耐食膜のエッチングと水晶ウェハのエッチングからなっている。第1エッチング工程においては、まず、マスクから露出している耐食膜のエッチングを行ない(ステップ73A)、励振部に対応した部分の水晶ウェハを露出させる。次に、フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合溶液などのエッチング液を用いて露出させた水晶ウェハをハーフエッチングし、複数の励振部を一括して形成する(ステップ73B)。ステップ73の第1エッチング工程が終了したならば、水晶ウェハ表面のマスクを除去するマスク除去工程を行なう(ステップ74)。その後、第2エッチング工程における各励振部のエッチング時間を求める時間算出工程を行なう(ステップ75)。なお、ステップ75の時間算出工程は、ステップ74のマスク除去工程の前に行なってもよい。
【0059】
時間算出工程においては、まず、各励振部の周波数を測定する(ステップ75A)。この周波数測定は、前記実施形態と同様に、ネットワークアナライザを用いて行なう。各励振部の周波数を測定する際には、前記と同様に水晶ウェハの表面に設けた耐食膜を接地してアース電位にする。ネットワークアナライザによって測定した各励振部の周波数は、制御演算部に入力される。制御演算部は、入力された周波数を数式1によって励振部の膜厚に変換する(ステップ75B)。さらに、制御演算部は、入力されたまたは記憶している目標膜厚と測定周波数から求めた各励振部の膜厚とを比較し、両者の偏差を求める。そして、制御演算部は、入力されたまたは記憶しているエッチング液による水晶ウェハのエッチング速度に基づいて、求めた偏差に相当する厚さをエッチングするのに必要なエッチング時間を算出する(ステップ75C)。
【0060】
このようにして時間算出工程が終了すると、制御演算部は、ステップ76に示したように、各励振部についてエッチング液の滴下順と滴下時刻とを決定する。エッチング液の滴下順は、前記したようにエッチング時間の長い順、すなわち目標膜厚との偏差が大きい順に決定される。また、エッチング液の滴下開始時刻は、一番エッチング時間の長い励振部へのエッチング液の滴下開始時刻を基準とし、図3(2)に示したと同様にして、各励振部のエッチング終了時刻が一致するように決定される。
【0061】
その後、励振部の洗浄を行なって励振部に付着している有機物を除去する(ステップ77)。この励振部の洗浄は、紫外線の照射や酸素プラズマ洗浄、イオン衝撃などの乾式洗浄でもよいし、硫酸−過酸化水素水洗浄などの湿式洗浄であってもよい。また、励振部の洗浄は、ステップ78に示した第2エッチング工程の直前に行なうことが望ましい。これは、励振部を洗浄後、長時間放置しておくと、空気中に浮遊している塵埃などが付着して第2エッチング工程に影響を与えるおそれがあるためである。そして、例えばステップ74のマスク除去工程を酸素プラズマやイオン衝撃などによって行なう場合、マスク除去工程とステップ77の励振部の洗浄とを同時に行なってもよい。
【0062】
励振部の洗浄が終了したならば、ステップ76において求めた各励振部へのエッチング液の滴下順、滴下開始時刻に基づいて、各励振部にエッチング液をシリンジによって供給し、各励振部のエッチング開始時刻をずらして第2エッチング工程を行なう(ステップ78)。この第2実施形態においける励振部へのエッチング液の供給量は、少なくとも励振部の全体が濡れて覆われる量であって、なるべく少ない量に制御される。図12は、第2実施形態における第2エッチング工程の状態を模式的に示したものである。
【0063】
図12に示したように、水晶ウェハ12は、表面にAu/Crからなる耐食膜34が設けてある。そして、水晶ウェハ12は、耐食膜34上のレジスト膜からなすマスクが除去されていて、さらに励振部14が洗浄されて有機物が除去され、励振部14の濡れ性が改善されている。励振部14には、エッチング液18が本図に図示しないシリンジによって供給される。エッチング液18の供給量は、励振部14の全体を濡らして覆うことができる量であって、なるべく少ないほうがよく、多くともエッチング液18の液位が水晶ウェハ12の表面以下であることが望ましい。なお、エッチング液18には、界面活性剤を添加して表面張力を低下させ、吸着性を向上させてもよい。
上記のようにして各励振部14に対する第2エッチング工程が終了したならば、水晶ウェハの励振部を純水によって洗浄し(ステップ79)、乾燥させて次の工程に送る。
【0064】
図13は、第2実施形態に係る圧電振動片の製造方法により励振部の膜厚を調整した結果を示す図である。用いた試料は、図10の場合と同様であって、励振部14を形成している凹陥部の大きさが長さ3.4mm、幅1.8mm、深さ0.046mmであって、凹陥部の容積は2.82×10-4mLである。また、図13(2)の場合、水晶ウェハは、表面のレジストを剥離した後、第2エッチング工程の前に紫外線の照射によって励振部14を洗浄して有機物の除去を行なっている。ただし、エッチング液には、界面活性剤が添加されていない。
【0065】
図13(1)は、第1エッチング工程を終了した時点において各励振部14の周波数をネットワークアナライザによって測定し、その測定周波数が175.5MHzの基準周波数からどの程度ずれているかを表したものである。また、同図(2)は、レジスト膜の除去、励振部の洗浄をし、さらに第2エッチング工程を行なって各励振部14の厚さを個別に調整した後、同様にして各励振部14の周波数を測定し、基準周波数とのずれ量を求めたものである。いずれも横軸が励振部14の個数を示し、縦軸がMHzで表した周波数のずれ量を示している。第2エッチング工程において各励振部14に供給したエッチング液の量は、1.74×10-4mLであって、エッチング液の液位は約28μmである。
【0066】
図13(2)に示されているように、この第2実施形態に係る圧電振動片の製造方法においては、非常に精度の高い膜厚調整が可能となっている。すなわち、第1エッチング工程を終了した時点においては、基準周波数からのずれ量の標準偏差はσ=1.810であったが、第2実施形態の第2エッチング工程において励振部14の膜厚調整を行なうと、基準周波数からのずれ量の標準偏差はσ=0.166となり、精密な膜厚調整をすることができる。
【0067】
なお、各実施の形態では、製造装置10に用いられるエッチング液18の濃度を一種類としたが、この形態に限定されることもなく、例えば濃度の異なる複数のエッチング液18を用意しておき、ネットワークアナライザ26で計測された励振部14の板厚が目標値に対して非常に厚い場合は、高濃度のエッチング液18を用いることとし、エッチング時間の短縮化を図るようにすることが望ましい。このように励振部14の厚みに対してエッチング液18の濃度選定を行なえば、ウェハ全体のエッチング時間を短縮させることができる。
【0068】
ところで各実施の形態に係る製造装置10は、温度管理が確実に行なえる恒温槽あるいは恒温室内に設置されることが望ましい。このように同装置を恒温槽あるいは恒温室内に設置すれば、エッチング液の液温管理が確実に行なえ、励振部の主振動のばらつきを最小限に抑えることが可能になる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第2エッチング工程においては、レジスト膜からなるマスクを利用することにより、エッチング液がマスクの有する撥液性によって容易に凹陥部内に保持され、従来の製造工程の途中でウェハに厚板を貼り付け等の工程を追加する必要がなく、さらに初回のエッチングである第1エッチング工程によって形成した励振部の厚みのばらつきを確実に且つ短時間で、あらかじめ設定された範囲内に収めることができる。
また、本発明によれば、レジスト膜からなるマスクを除去して第2エッチング工程を行なうことにより、極めて少量のエッチング液によって、励振部の厚みの調整を非常に高い精度で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係る圧電振動片の製造装置の構造を示す説明図である。
【図2】 実施の形態に係る制御演算部の処理手順を示すフローチャートと、各ステップにおけるテーブル演算の状態を示した表である。
【図3】 実施の形態に係る個々の励振部におけるエッチング液の滴下順および滴下時刻の設定方法を示す説明図である。
【図4】 ネットワークアナライザの測定原理を示す説明図である。
【図5】 本実施の形態に係るポンプ本体の構造を示す要部拡大図である。
【図6】 図5に代わるポンプ本体の構造を示す断面拡大図である。
【図7】 ディスペンサから吐出されるエッチング液の状態を示す説明図である。
【図8】 実施の形態に係る水晶振動片の製造プロセスを示した工程説明図である。
【図9】 実施の形態に係る水晶振動片の製造プロセスを示した工程説明図であって、図8に続く工程を説明する図である。
【図10】 実施の形態に係る圧電振動片の製造方法により励振部の厚みを調整した結果の説明図である。
【図11】 本発明の第2実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明するフローチャートである。
【図12】 第2実施形態における第2エッチング工程の説明図である。
【図13】 第2実施形態に係る圧電振動片の製造方法により励振部の厚みを調整した結果の説明図である。
【符号の説明】
10………圧電振動片の製造装置、12………水晶ウェハ、14………励振部、16………周波数測定部、18………エッチング液、20………液供給部、22………矢印、24………ステージ、26………ネットワークアナライザ、28………プローブ、30………ロボットアーム、32………シリンダ装置、34………耐食膜、36………ステージ、38………シリンジ、40………ポンプ本体、40A………チューブ押え、40B………チューブ、40C………チューブガイド、40E………カム凸部、40F………ガイド面、42………ロボットアーム、44………移送装置、46………制御演算部、56………圧電素子、58………薄板部、60………矢印、62………レジスト膜、64………フォトマスク。
Claims (2)
- ウェハの表面にレジスト膜からなるマスクを形成した後、前記マスクの開口より露出する前記ウェハの表面をエッチングして励振部を形成する圧電振動片の製造方法であって、前記エッチングを第1エッチング工程と第2エッチング工程とに分割し、前記第1エッチング工程にて前記マスクから露出する前記ウェハの表面を一括にエッチングして複数の励振部を形成した後、前記ウェハの表面に形成されている導電材料からなる耐食膜を接地して前記各励振部の周波数を測定し、これら励振部の周波数が設定範囲内に収まるよう算出された前記各励振部のエッチング時間をもとに、エッチング終点が一致するように前記各励振部のエッチング開始時刻をずらして前記第2エッチング工程を前記励振部ごとに行なうことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
- ウェハの表面にレジスト膜からなるマスクを形成した後、前記マスクの開口より露出するウェハの表面をエッチングして複数の励振部を一括して形成する第1エッチング工程と、
前記ウェハの表面からマスクを除去するマスク除去工程と、
このマスク除去工程の前または後に、前記ウェハの表面に形成されている導電材料からなる耐食膜を接地して前記各励振部の周波数を測定し、それぞれの励振部の周波数を設定範囲内に収めるためのエッチング時間を求める時間算出工程と、
この時間算出工程において求めた前記各励振部のエッチング時間に基づいて、エッチング終点が一致するように前記各励振部のエッチング開始時刻をずらして前記励振部をエッチングする第2エッチング工程と、
を有することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
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