JP2020053857A - 圧電振動素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性を高めることができる圧電振動素子及びその製造方法を提供する。【解決手段】圧電振動素子の製造方法は、圧電基板(水晶基板)170を準備する工程と、大気圧環境下においてプラズマ照射によりラディカル化された処理ガス941を用いて、圧電基板170の一方面側の同一平面上に複数の突起部を形成するように、圧電基板170の一方面側の一部を除去加工する工程と、圧電基板170の一部を薄肉化して、励振部と、接続部と、少なくとも一部が励振部と接続部との間に配置され且つ励振部よりも薄い周辺部と、を形成する工程と、圧電基板170の一方面側において、励振部及び接続部の同一平面上に形成された複数の突起部の少なくとも一部を覆う電極を形成する工程と、を含む。【選択図】図5
Description
本発明は、圧電振動素子及びその製造方法に関する。
モバイルコンピュータ、携帯ゲーム機、スマートフォン、ICカード、通信基地局などの電子機器には、例えばタイミングデバイスとして、圧電振動素子が組み込まれている。このような圧電振動素子は、例えば、圧電体である水晶片と、水晶片を挟んで設けられた一対の励振電極と、一対の励振電極のそれぞれに電気的に接続された一対の接続電極と、を備えている。
例えば、特許文献1には、水晶片と、水晶片の両面に形成される一対の励振電極とを備え、水晶片が励振電極に被覆された複数個の突起部を備える領域を有する、水晶振動素子が開示されている。
また、特許文献2には、水晶片と、励振電極と、励振電極に電気的に接続された接続電極と、を備え、水晶片の接続電極が設けられた領域には、接続電極に接合される導電性保持部材の導電性粒子の外径よりも大きな開口部を有する複数の凹部がウェットエッチングによって形成される、水晶振動素子が開示されている。
電子機器の高機能化に伴い、圧電振動素子も、小型化や高周波数化などの高機能化が求められている。しかしながら、小型化や高周波数化した圧電振動素子では、励振電極、接続電極などの各種電極の表面積の減少や負荷の増大により、圧電振動素子内部での電極剥離による動作不良や、圧電振動素子の搭載された基板からの脱落など、信頼性に問題が生じる場合がある。
例えば、特許文献1に記載の水晶振動素子では、水晶片の励振電極との密着強度を高められるが、励振電極よりも大きな応力の作用する接続電極との密着性は考慮されておらず、充分な信頼性を得られない場合がある。また、特許文献2に記載の水晶振動素子では、水晶片が小型化すると水晶の結晶異方性に起因するエッチング速度の異方性により、凹部の形成が困難になる場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、信頼性を高められる圧電振動素子及びその製造方法の提供である。
本発明の一態様に係る圧電振動素子の製造方法は、圧電基板を準備する工程と、大気圧環境下においてプラズマ照射によりラディカル化された処理ガスを用いて、圧電基板の一方面側の同一平面上に複数の突起部を形成するように、圧電基板の一方面側の一部を除去加工する工程と、圧電基板の一部を薄肉化して、励振部と、接続部と、少なくとも一部が励振部と接続部との間に配置され且つ励振部よりも薄い周辺部と、を形成する工程と、圧電基板の一方面側において、励振部及び接続部の同一平面上に形成された複数の突起部の少なくとも一部を覆う電極を形成する工程と、を含む。
本発明の他の一態様に係る圧電振動素子は、励振部と、接続部と、少なくとも一部が励振部と接続部との間に配置され且つ励振部よりも薄い周辺部と、を含む圧電片と、圧電片の表面側において励振部に設けられた第1励振電極と、圧電片の裏面側において励振部に設けられ第1励振電極と対向する第2励振電極と、接続部に設けられ、第1励振電極に電気的に接続された第1接続電極と、接続部に設けられ、第2励振電極に電気的に接続された第2接続電極と、を備え、圧電片の裏面側において、励振部と接続部とは同一平面を有し、同一平面上に複数の突起部が形成され、第2励振電極及び第2接続電極が複数の突起部の少なくとも一部を覆っている。
本発明によれば、信頼性を高められる圧電振動素子及びその製造方法が提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の構成要素は同一又は類似の符号で表している。図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
各々の図面には、各々の図面相互の関係を明確にし、各部材の位置関係を理解する助けとするために、便宜的に第1方向D1、第2方向D2、及び第3方向D3からなる直交座標系を付すことがある。第1方向D1、第2方向D2、及び第3方向D3とは、図1に示す3つの基準となる方向を意味し、それぞれ矢印の方向(正方向)及び矢印とは反対の方向(負方向)を含む。なお、第1方向D1、第2方向D2、及び第3方向D3は、互いに90°以外の角度で交差する方向であってもよい。
以下の説明において、圧電振動子(Piezoelctric Resonator Unit)の一例として、水晶振動素子(Quartz Crystal Resonator)を備えた水晶振動子(Quartz Crystal Resonator Unit)を例に挙げて説明する。水晶振動素子は、印加電圧に応じて振動する圧電体として水晶片(Quartz Crystal Element)を利用する。水晶振動子は圧電振動子の一例に相当し、水晶振動素子は圧電振動素子の一例に相当し、水晶片は圧電片の一例に相当し、水晶基板は圧電基板の一例に相当する。
なお、本発明の実施形態に係る圧電片は水晶片に限定されるものではない。圧電片は、圧電単結晶、圧電セラミック、圧電薄膜、圧電高分子膜などの任意の圧電材料によって形成されてもよい。一例として、圧電単結晶は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)を挙げることができる。同様に、圧電セラミックは、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZrxTi1-x)O3;PZT)、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、メタニオブ酸リチウム(LiNb2O6)、チタン酸ビスマス(Bi4Ti3O12)タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、五酸化タンタル(Ta2O5)などを挙げることができる。圧電薄膜は、石英、サファイアなどの基板上に上記の圧電セラミックをスパッタリング法などによって成膜したものを挙げることができる。圧電高分子膜は、ポリ乳酸(PLA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン/三フッ化エチレン共重合体(P(VDF/TrFE))などを挙げることができる。上記の各種圧電材料は、互いに積層して用いられてもよく、圧電材料以外の部材に積層されてもよい。
<第1実施形態>
まず、図1〜図3を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る水晶振動子1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る水晶振動子の構成を概略的に示す分解斜視図である。図2は、図1に示した水晶振動子のII−II線に沿った断面の構成を概略的に示す断面図である。図3は、図2に示した水晶振動素子についての拡大断面図である。
まず、図1〜図3を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る水晶振動子1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る水晶振動子の構成を概略的に示す分解斜視図である。図2は、図1に示した水晶振動子のII−II線に沿った断面の構成を概略的に示す断面図である。図3は、図2に示した水晶振動素子についての拡大断面図である。
(水晶振動子1)
水晶振動子1は、水晶振動素子10と、蓋部材20と、ベース部材30と、接合部材40と、を備えている。ベース部材30及び蓋部材20は、水晶振動素子10を収容するための保持器である。図1及び図2で示した例では、蓋部材20は凹状、具体的には開口部を有する箱状、をなしており、ベース部材30は平板状をなしている。蓋部材20及びベース部材30の形状は上記に限定されるものではなく、例えば蓋部材20の形状が平板状であり、ベース部材30の形状が蓋部材20側に開口部を有する凹状であってもよい。また、蓋部材20及びベース部材30の形状が互いに対向する側に開口部を有する凹状であってもよい。
水晶振動子1は、水晶振動素子10と、蓋部材20と、ベース部材30と、接合部材40と、を備えている。ベース部材30及び蓋部材20は、水晶振動素子10を収容するための保持器である。図1及び図2で示した例では、蓋部材20は凹状、具体的には開口部を有する箱状、をなしており、ベース部材30は平板状をなしている。蓋部材20及びベース部材30の形状は上記に限定されるものではなく、例えば蓋部材20の形状が平板状であり、ベース部材30の形状が蓋部材20側に開口部を有する凹状であってもよい。また、蓋部材20及びベース部材30の形状が互いに対向する側に開口部を有する凹状であってもよい。
(水晶振動素子10)
水晶振動素子10は、圧電効果により水晶を振動させ、電気エネルギーと機械エネルギーとを変換する素子である。水晶振動素子10は、薄片状の水晶片11と、一対の第1励振電極14a及び第2励振電極14bと、一対の第1引出電極15a及び第2引出電極15bと、一対の第1接続電極16a及び第2接続電極16bと、を備えている。
水晶振動素子10は、圧電効果により水晶を振動させ、電気エネルギーと機械エネルギーとを変換する素子である。水晶振動素子10は、薄片状の水晶片11と、一対の第1励振電極14a及び第2励振電極14bと、一対の第1引出電極15a及び第2引出電極15bと、一対の第1接続電極16a及び第2接続電極16bと、を備えている。
(水晶片11)
水晶片11は、互いに対向する表面11A及び裏面11Bを有している。表面11Aは、ベース部材30と対向する側とは反対側、すなわち後述する蓋部材20の天面部21に対向する側に位置している。裏面11Bは、ベース部材30と対向する側に位置している。
水晶片11は、互いに対向する表面11A及び裏面11Bを有している。表面11Aは、ベース部材30と対向する側とは反対側、すなわち後述する蓋部材20の天面部21に対向する側に位置している。裏面11Bは、ベース部材30と対向する側に位置している。
水晶片11は、例えば、ATカット型の水晶片である。ATカット型の水晶片11は、互いに交差するX軸、Y´軸、及びZ´軸からなる直交座標系において、X軸及びZ´軸によって特定される面と平行な面(以下、「XZ´面」と呼ぶ。他の軸又は他の方向によって特定される面についても同様である。)が主面となり、Y´軸と平行な方向が厚さとなるように、人工水晶(Synthetic Quartz Crystal)から切り出した水晶基板を加工したものである。Y´軸及びZ´軸は、それぞれ、Y軸及びZ軸をX軸の周りにY軸からZ軸の方向に35度15分±1分30秒回転させた軸である。なお、X軸、Y軸、Z軸は、水晶の結晶軸(Crystallographic Axes)である。X軸が電気軸(極性軸)に相当し、Y軸が機械軸に相当し、Z軸が光学軸に相当する。
ATカット型の水晶片11を用いた水晶振動素子10は、広い温度範囲で高い周波数安定性を有する。ATカット型の水晶振動素子10では、厚みすべり振動モード(Thickness Shear Vibration Mode)が主要振動として用いられる。なお、ATカット型の水晶片11におけるY´軸及びZ´軸の回転角度は、35度15分から−5度以上15度以下の範囲で傾いてもよい。水晶片11のカット角度は、ATカット以外の異なるカット(例えばBTカットなど)を適用してもよい。
本発明の実施形態において、水晶振動素子10は、X軸が第1方向D1と平行であり、Z´軸が第2方向D2と平行であり、Y´軸が第3方向D3と平行となるように配置されている。以下において、X軸、Y´軸、及びZ´軸と平行な方向を、それぞれ、X軸方向、Y´軸方向、及びZ´軸方向と呼称する。さらに、X軸方向においては、+X軸方向を第1方向D1の正方向とし、−X軸方向を第1方向D1の負方向とする。同様に、Y´軸方向においては、+Y´軸方向を第3方向D3の正方向とし、−Y´軸方向を第3方向D3の負方向とする。Z´軸方向においては、+Z´軸方向を第2方向D2の正方向とし、−Z´軸方向を第2方向D2の負方向とする。つまり、X軸方向は第1方向D1に相当し、Z´軸方向は第2方向D2に相当し、Y´軸は第3方向D3に相当する。このため、ATカット型の水晶片11の主面は、第1方向D1及び第2方向D2によって特定されるD1D2面と平行である。
(励振部17、周辺部18a,18b、接続部19)
ATカット型の水晶片11は、X軸方向に平行な長辺が延在する長辺方向と、Z´軸方向に平行な短辺が延在する短辺方向と、Y´軸方向に平行な厚さが延在する厚さ方向を有する板状である。水晶片11は、表面11Aを平面視したときに矩形状をなしており、中央に位置し励振に寄与する励振部17と、励振部17に隣接する周辺部18a,18bと、周辺部18aに隣接する接続部19と、を含んでいる。励振部17、周辺部18a,18b、及び接続部19は、それぞれ、水晶片11のZ´軸方向において互いに対向する一端から他端に亘る帯状に形成されている。周辺部18aは励振部17から視て−X軸方向側に位置し、周辺部18bは励振部17から視て+X軸方向側に位置している。接続部19は周辺部18aの−X軸方向側に位置し、周辺部18aがX軸方向において励振部17と接続部19との間に配置されている。
ATカット型の水晶片11は、X軸方向に平行な長辺が延在する長辺方向と、Z´軸方向に平行な短辺が延在する短辺方向と、Y´軸方向に平行な厚さが延在する厚さ方向を有する板状である。水晶片11は、表面11Aを平面視したときに矩形状をなしており、中央に位置し励振に寄与する励振部17と、励振部17に隣接する周辺部18a,18bと、周辺部18aに隣接する接続部19と、を含んでいる。励振部17、周辺部18a,18b、及び接続部19は、それぞれ、水晶片11のZ´軸方向において互いに対向する一端から他端に亘る帯状に形成されている。周辺部18aは励振部17から視て−X軸方向側に位置し、周辺部18bは励振部17から視て+X軸方向側に位置している。接続部19は周辺部18aの−X軸方向側に位置し、周辺部18aがX軸方向において励振部17と接続部19との間に配置されている。
なお、水晶片11の表面11Aを平面視したとき、励振部17の形状は、Z´軸方向において対向する一端から他端に亘る全幅に形成される帯状に限定されない。励振部17は、Z´軸方向においても周辺部と隣接し、全周を周辺部に囲まれる島状であってもよい。また、接続部19の形状も、Z´軸方向において対向する一端から他端に亘る全幅に形成される帯状に限定されない。Z´軸方向における一端の角部と、他端の角部とに、2つの接続部が互いに離れて形成されてもよい。
図3に示すように、水晶片11の表面11A側において、励振部17は主面17Aを有し、周辺部18a,18bは主面18Aを有し、接続部19は主面19Aを有している。水晶片11の裏面11B側において、励振部17は主面17Bを有し、周辺部18a,18bは主面18Bを有し、接続部19は主面19Bを有している。
励振部17は、周辺部18a,18bよりも厚い。励振部17からの振動漏れを抑制する観点から、水晶片11は、両面メサ型構造を有する。具体的には、水晶片11の表面11A側及び裏面11B側の両面側において、励振部17がY´軸方向に沿って周辺部18a,18bから突出している。励振部17の主面17Aと周辺部18a,18bの主面18Aとの境界に段差が形成され、励振部17の主面17Bと周辺部18a,18bの主面18Bとの境界にも段差が形成されている。励振部17と周辺部18a,18bの境界の段差の形状は、例えば直角状であるが、テーパ状や多段状であってもよい。
接続部19は、励振部17と同様に、周辺部18a,18bよりも厚く、両面側において周辺部18aから突出している。接続部19は、励振部17と同等の厚みを有している。接続部19の主面19Aと周辺部18aの主面18Aとの境界には段差が形成され、接続部19の主面19Bと周辺部18aの主面18Bとの境界にも段差が形成されている。水晶片11の表面11A側において、励振部17と周辺部18aとの境界における段差のY´軸方向に沿った高さ(以下、単に「高さ」ともいう。)は、接続部19と周辺部18bとの境界における段差の高さと略同等である。水晶片11の裏面11B側についても同様である。したがって、励振部17の主面17Aと接続部19の主面19Aは、表面11A側におけるXZ´面と平行な同一平面に含まれ、励振部17の主面17Bと接続部19の主面19Bも、裏面11B側におけるXZ´面と平行な同一平面に含まれている。言い換えると、励振部17及び接続部19は、水晶片11の表面11A側と裏面11B側のそれぞれにおいて、同一平面を有している。
水晶片11の表面11A側において、周辺部18a,18bの主面18Aの平面度が、励振部17の主面17Aの平面度よりも大きく、接続部19の主面19Aの平面度よりも大きい。また、励振部17の主面17Aの平面度は、接続部19の主面19Aの平面度と略同等の大きさである。なお、このような主面の平面度に関する大小関係は、水晶片11の裏面側についても同様である。
(突起部11P)
水晶片11は、裏面11B側の同一平面に形成された複数の突起部11Pを有している。具体的には、複数の突起部11Pが、励振部17の主面17Bと、接続部19の主面19Bと、に点在している。複数の突起部11Pにより、励振部17の主面17B側の表面積、及び接続部19の主面19B側の表面積が増加する。また、励振部17の主面17B側、及び接続部19の主面19B側にアンカー効果が生じる。突起部11Pの高さは、励振部17の主面17Bの平面度及び接続部19の主面19Bの平面度よりも大きい。しかし、突起部11Pの高さは、水晶振動素子10の共振周波数に対して影響を与えにくい程度に小さい。具体的には、突起部11Pの高さは、励振部17の厚みの0.1%以下とするのが望ましい。
水晶片11は、裏面11B側の同一平面に形成された複数の突起部11Pを有している。具体的には、複数の突起部11Pが、励振部17の主面17Bと、接続部19の主面19Bと、に点在している。複数の突起部11Pにより、励振部17の主面17B側の表面積、及び接続部19の主面19B側の表面積が増加する。また、励振部17の主面17B側、及び接続部19の主面19B側にアンカー効果が生じる。突起部11Pの高さは、励振部17の主面17Bの平面度及び接続部19の主面19Bの平面度よりも大きい。しかし、突起部11Pの高さは、水晶振動素子10の共振周波数に対して影響を与えにくい程度に小さい。具体的には、突起部11Pの高さは、励振部17の厚みの0.1%以下とするのが望ましい。
突起部11Pの形状は、半球状、半楕円体状、多面体状、又はこれらの組合せである。突起部11Pの底面の径は、高さよりも大きくてもよい。高さの寸法に対する底面の径の比率を大きくすることで、突起部11Pの表面積が増加する。具体的は、突起部11Pの底面に対する高さの寸法の比率を1/2以下としてもよい。但し、突起部11Pの表面積を増加させる観点から、突起部11Pの底面に対する高さの寸法の比率を1/20以上とすることが望ましい。なお、突起部11Pの底面の径は、高さよりも小さくてもよい。例えば、突起部11Pの表面と励振部17の主面17Bとでなす角度(以下、「接触角」という。)、及び突起部11Pの表面と接続部19の主面19Bとでなす接触角が、垂直又は鋭角であってもよい。高さの寸法に対する底面の径の比率を小さくすることで、アンカー効果が向上する。
突起部11P同士の間隔は特に限定されないが、例えば、100nm〜200nm程度である。第2励振電極14b及び第2接続電極16bを蒸着法やスパッタリング法などのドライプロセスにより成膜する場合、堆積する金属粒子径は一例として50nm〜100nm程度である。したがって、個々の金属粒子が突起部11P間にトラップされ、金属粒子間の隙間が突起部11Pによる埋められる。言い換えると、水晶片11と電極との間に、剥離の起点となり得る隙間が形成され難い。
このような突起部11Pの具体的な例として、例えば、励振部17及び接続部19の厚み変動を5nm程度の精度で加工したとき、突起部11Pの高さは50nm以下、底面の径は100nm以下、密度は100個/μm2以下である。
複数の突起部11Pの存在を考慮したとしても、周辺部18a,18bの厚み変動は、励振部17の厚み変動よりも大きく、接続部19の厚み変動よりも大きい。これは、周辺部18aにおいて発生する不要振動の周波数を分散させることを目的としている。また、励振部17の厚み変動は、接続部19の厚み変動と略同等の大きさである。水晶片11の裏面11B側において、周辺部18a,18bの主面18Bの平面度は、励振部17の主面17B及び突起部11Pの平面度よりも大きく、接続部19の主面19B及び突起部11Pの平面度よりも大きい。また、励振部17の主面17B及び突起部11Pの平面度は、接続部19の主面19B及び突起部11Pの平面度と略同等の大きさである。
(励振電極14a,14b)
第1励振電極14aは、励振部17の主面17Aに設けられている。また、第2励振電極14bは、励振部17の主面17Bに設けられている。第1励振電極14aと第2励振電極14bは、第3方向D3において、水晶片11を挟んで互いに対向している。第1励振電極14aと第2励振電極14bとは、XZ´面において略全体が重なり合うように配置されている。第1励振電極14aおよび第2励振電極14bは、それぞれ、X軸方向に平行な長辺と、Z´軸方向に平行な短辺と、Y´軸方向に平行な厚さとを有している。
第1励振電極14aは、励振部17の主面17Aに設けられている。また、第2励振電極14bは、励振部17の主面17Bに設けられている。第1励振電極14aと第2励振電極14bは、第3方向D3において、水晶片11を挟んで互いに対向している。第1励振電極14aと第2励振電極14bとは、XZ´面において略全体が重なり合うように配置されている。第1励振電極14aおよび第2励振電極14bは、それぞれ、X軸方向に平行な長辺と、Z´軸方向に平行な短辺と、Y´軸方向に平行な厚さとを有している。
図3に示すように、第2励振電極14bは、複数の突起部11Pのうち励振部17に形成された一群の突起部11Pを覆っている。第2励振電極14bは励振部17の主面17B及び突起部11Pに沿って形成されるため、第2励振電極14bの励振部17とは反対側には、一群の突起部11Pの形状を反映した複数の凸部が形成されている。
(引出電極15a,15b)
第1引出電極15aは、周辺部18aの主面18Aに設けられ、第1励振電極14aと第1接続電極16aとを電気的に接続している。第2引出電極15bは、周辺部18aの主面18Bに設けられ、第2励振電極14bと第2接続電極16bとを電気的に接続している。第1引出電極15a及び第2引出電極15bは、それぞれ、周辺部18aと励振部17との境界の段差、及び周辺部18aと接続部19との境界の段差にも形成されている。水晶片11の表面11Aを平面視したとき、第1引出電極15a及び第2引出電極15bは、互いに離れている。
第1引出電極15aは、周辺部18aの主面18Aに設けられ、第1励振電極14aと第1接続電極16aとを電気的に接続している。第2引出電極15bは、周辺部18aの主面18Bに設けられ、第2励振電極14bと第2接続電極16bとを電気的に接続している。第1引出電極15a及び第2引出電極15bは、それぞれ、周辺部18aと励振部17との境界の段差、及び周辺部18aと接続部19との境界の段差にも形成されている。水晶片11の表面11Aを平面視したとき、第1引出電極15a及び第2引出電極15bは、互いに離れている。
(接続電極16a,16b)
第1接続電極16aは、接続部19の+Z´軸方向側の角部に設けられている。第2接続電極16bは、接続部19の−Z´軸方向側の角部に設けられている。第1接続電極16a及び第2接続電極16bは、それぞれ、接続部19の主面19Bと主面19Aとを繋ぐ側面に延在し、接続部19の主面19Bから主面19Aに亘り設けられている。水晶片11の表面11Aを平面視したとき、第1接続電極16a及び第2接続電極16bは、互いに離れている。例えば、第1接続電極16aは、第1励振電極14a及び第1引出電極15aと一体的に形成され、第2接続電極16bは、第2励振電極14b及び第2引出電極15bと一体的に形成されている。一例として、これらの電極は多層構造であり、水晶片11との密着性を向上させる観点からクロム(Cr)を含む層を有し、導電性を向上させ酸化による劣化を抑制する観点から金(Au)を含む層を有している。但し、電極の層構造は上記に限定されるものではなく、単層構造や、3層以上の多層構造であってもよい。また、電極は、クロム及び金以外の材料によって形成された層を有してもよい。
第1接続電極16aは、接続部19の+Z´軸方向側の角部に設けられている。第2接続電極16bは、接続部19の−Z´軸方向側の角部に設けられている。第1接続電極16a及び第2接続電極16bは、それぞれ、接続部19の主面19Bと主面19Aとを繋ぐ側面に延在し、接続部19の主面19Bから主面19Aに亘り設けられている。水晶片11の表面11Aを平面視したとき、第1接続電極16a及び第2接続電極16bは、互いに離れている。例えば、第1接続電極16aは、第1励振電極14a及び第1引出電極15aと一体的に形成され、第2接続電極16bは、第2励振電極14b及び第2引出電極15bと一体的に形成されている。一例として、これらの電極は多層構造であり、水晶片11との密着性を向上させる観点からクロム(Cr)を含む層を有し、導電性を向上させ酸化による劣化を抑制する観点から金(Au)を含む層を有している。但し、電極の層構造は上記に限定されるものではなく、単層構造や、3層以上の多層構造であってもよい。また、電極は、クロム及び金以外の材料によって形成された層を有してもよい。
図3に示すように、第2接続電極16bは、複数の突起部11Pのうち接続部19に形成された一群の突起部11Pの一部を覆っている。第2接続電極16bは接続部19の主面19B及び突起部11Pに沿って形成されるため、第2接続電極16bの接続部19とは反対側には、一群の突起部11Pの形状を反映した複数の凸部が形成されている。これにより、第2接続電極16bの表面積は増加する。また、第2接続電極16bの接続部19とは反対側にアンカー効果が生じる。同様に、第1接続電極16aも、複数の突起部11Pのうち接続部19に形成された一群の突起部11Pの一部を覆っている。
(蓋部材20)
蓋部材20は、凹状をなしており、ベース部材30の主面32Aに向かって開口した箱状である。蓋部材20は、ベース部材30に接合されて蓋部材20およびベース部材30に囲まれた内部空間26を形成し、この内部空間26に水晶振動素子10を収容する。蓋部材20は、水晶振動素子10を収容することができればその形状は特に限定されるものではなく、一例では、天面部21の主面の法線方向から平面視したときに矩形状をなしている。蓋部材20は、例えば、第1方向D1に平行な長辺と、第2方向D2に平行な短辺と、第3方向D3に平行な高さとを有する。蓋部材20の材質は特に限定されるものではないが、例えば金属などの導電材料で構成されている。蓋部材20が導電体材料で構成されることによって、内部空間26への電磁波の出入りを低減する電磁シールド機能が蓋部材20に付与される。
蓋部材20は、凹状をなしており、ベース部材30の主面32Aに向かって開口した箱状である。蓋部材20は、ベース部材30に接合されて蓋部材20およびベース部材30に囲まれた内部空間26を形成し、この内部空間26に水晶振動素子10を収容する。蓋部材20は、水晶振動素子10を収容することができればその形状は特に限定されるものではなく、一例では、天面部21の主面の法線方向から平面視したときに矩形状をなしている。蓋部材20は、例えば、第1方向D1に平行な長辺と、第2方向D2に平行な短辺と、第3方向D3に平行な高さとを有する。蓋部材20の材質は特に限定されるものではないが、例えば金属などの導電材料で構成されている。蓋部材20が導電体材料で構成されることによって、内部空間26への電磁波の出入りを低減する電磁シールド機能が蓋部材20に付与される。
図2に示すように、蓋部材20は、内面24および外面25を有している。内面24は、内部空間26側の面であり、外面25は、内面24とは反対側の面である。蓋部材20は、平板状の天面部21と、天面部21の外縁に接続されており且つ天面部21の主面に対して交差する方向に延在する側壁部22と、を有している。側壁部22の先端部は、水晶振動素子10の周囲を囲むように枠状に延在している。
(ベース部材30)
ベース部材30は、水晶振動素子10を励振可能に保持するものである。ベース部材30は平板状をなしている。ベース部材30は、第1方向D1方向に平行な長辺と、第2方向D2に平行な短辺と、第3方向D3に平行な厚さとを有する。ベース部材30は基体31を有する。基体31は、互いに対向する主面32A(表面)及び主面32B(裏面)を有する。基体31は、例えば絶縁性セラミック(アルミナ)などの焼結材である。基体31は耐熱性材料から構成されることが好ましい。
ベース部材30は、水晶振動素子10を励振可能に保持するものである。ベース部材30は平板状をなしている。ベース部材30は、第1方向D1方向に平行な長辺と、第2方向D2に平行な短辺と、第3方向D3に平行な厚さとを有する。ベース部材30は基体31を有する。基体31は、互いに対向する主面32A(表面)及び主面32B(裏面)を有する。基体31は、例えば絶縁性セラミック(アルミナ)などの焼結材である。基体31は耐熱性材料から構成されることが好ましい。
ベース部材30の主面32Aには、一対の第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bが設けられている。ベース部材30の主面32Bには、第1外部電極35a、第2外部電極35b、第3外部電極35c、及び第4外部電極35dが設けられている。第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、ベース部材30と水晶振動素子10とを電気的に接続するための端子である。また、第1外部電極35a及び第2外部電極35bは、図示しない回路基板と水晶振動子1とを電気的に接続するための端子である。第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、第2方向D2に沿って並んでいる。第1外部電極35a及び第4外部電極35dは、第1方向D1に沿って並んでいる。第2外部電極35b及び第3外部電極35cは、第1方向D1に沿って並んでいる。第1電極パッド33aは、第3方向D3に延在する第1ビア電極34aを介して、第1外部電極35aに電気的に接続されている。第2電極パッド33bは、第3方向D3に延在する第2ビア電極34bを介して、第2外部電極35bに電気的に接続されている。第1ビア電極34a及び第2ビア電極34bは、基体31を第3方向D3に貫通するビアホール内に形成される。第3外部電極35c及び第4外部電極35dは、電気信号等が入出力されないダミー電極だが、蓋部材20に接地電位を供給して蓋部材20の電磁シールド機能を向上させる接地電極であってもよい。第3外部電極35c及び第4外部電極35dは、省略されてもよい。
(導電性保持部材36a,36b)
ベース部材30の主面32A側、具体的には第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bの上に、それぞれ、一対の第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bが設けられている。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、水晶振動素子10をベース部材30に搭載し、水晶振動素子10とベース部材30とを電気的に接続するものである。第1導電性保持部材36aは、水晶振動素子10の第1接続電極16aに接合され、第1電極パッド33aと第1接続電極16aとを電気的に接続している。第2導電性保持部材36bは、水晶振動素子10の第2接続電極16bに接合され、第2電極パッド33bと第2接続電極16bとを電気的に接続している。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、励振部17が励振可能となるように、ベース部材30から間隔を空けて水晶振動素子10を保持している。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、例えば、エポキシ系樹脂あるいはシリコーン系樹脂を主剤とする熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等を含む導電性接着剤によって構成されており、接着剤に導電性を与えるための導電性粒子などの添加剤を含んでいる。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、前駆体である導電性接着剤ペーストが塗布された後に、加熱、紫外線照射などによって引き起こされる化学反応によって導電性接着剤ペーストを硬化させて設けられる。さらに、強度を増加させる目的、あるいはベース部材30と水晶振動素子10との間隔を保つ目的で、フィラーが接着剤に添加されてもよい。なお、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、半田によって設けられてもよい。
ベース部材30の主面32A側、具体的には第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bの上に、それぞれ、一対の第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bが設けられている。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、水晶振動素子10をベース部材30に搭載し、水晶振動素子10とベース部材30とを電気的に接続するものである。第1導電性保持部材36aは、水晶振動素子10の第1接続電極16aに接合され、第1電極パッド33aと第1接続電極16aとを電気的に接続している。第2導電性保持部材36bは、水晶振動素子10の第2接続電極16bに接合され、第2電極パッド33bと第2接続電極16bとを電気的に接続している。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、励振部17が励振可能となるように、ベース部材30から間隔を空けて水晶振動素子10を保持している。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、例えば、エポキシ系樹脂あるいはシリコーン系樹脂を主剤とする熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等を含む導電性接着剤によって構成されており、接着剤に導電性を与えるための導電性粒子などの添加剤を含んでいる。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、前駆体である導電性接着剤ペーストが塗布された後に、加熱、紫外線照射などによって引き起こされる化学反応によって導電性接着剤ペーストを硬化させて設けられる。さらに、強度を増加させる目的、あるいはベース部材30と水晶振動素子10との間隔を保つ目的で、フィラーが接着剤に添加されてもよい。なお、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、半田によって設けられてもよい。
(封止部材37及び接合部材40)
ベース部材30の主面32Aには、封止部材37が設けられている。図1に示す例では、封止部材37は、主面32Aを平面視したときに矩形の枠状をなしている。また、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、封止部材37の内側に配置されており、封止部材37は水晶振動素子10を囲むように設けられている。封止部材37は導電体材料により構成されている。例えば、封止部材37を第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bと同じ材料で構成することで、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bを設ける工程で同時に封止部材37を設けることができ、製造工程が簡略化できる。
ベース部材30の主面32Aには、封止部材37が設けられている。図1に示す例では、封止部材37は、主面32Aを平面視したときに矩形の枠状をなしている。また、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、封止部材37の内側に配置されており、封止部材37は水晶振動素子10を囲むように設けられている。封止部材37は導電体材料により構成されている。例えば、封止部材37を第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bと同じ材料で構成することで、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bを設ける工程で同時に封止部材37を設けることができ、製造工程が簡略化できる。
接合部材40は、蓋部材20及びベース部材30の各全周に亘って設けられている。具体的には、接合部材40は封止部材37上に設けられ、矩形の枠状に形成されている。封止部材37及び接合部材40は、蓋部材20の側壁部22の先端と、ベース部材30との間に挟まれている。接合部材40は、例えば、Au−Sn合金系の半田によって設けられる。
蓋部材20及びベース部材30の両者が接合部材40を挟んで接合されることによって、水晶振動素子10が、蓋部材20とベース部材30とによって囲まれた内部空間(キャビティ)26に封止される。内部空間26は、好ましくは、大気圧よりも低圧な真空状態である。これによれば、内部空間26に暴露された導電体材料(例えば、水晶振動素子10の各種電極)の酸化が抑制できる。したがって、導電体材料の劣化に起因する水晶振動子1の動作不良や、周波数特性の経時的な変動などが低減できる。
なお、接合部材40は、基体31との密着性よりも、封止部材37との密着性の方が良好である。このため、枠状の封止部材37を設けることによって、蓋部材20とベース部材30との密着性が向上し、内部空間26の気密性が向上する。但し、封止部材37は不連続な枠状に設けられていてもよく、接合部材40は不連続な枠状に設けられていてもよい。封止部材37は省略されてもよい。接合部材40は、樹脂系の接着剤、ガラス系の接着剤、などによって設けられてもよい。
(動作)
水晶振動子1は、ベース部材30の第1外部電極35a及び第2外部電極35bを介して、第1励振電極14a及び第2励振電極14bに、交流の外部電源が電気的に接続される。第1励振電極14aと第2励振電極14bとの間に形成される交番電界によって、水晶片11の励振部17が励振される。このとき、厚みすべり振動モード(Thickness Shear Vibration Mode)を主要振動とする振動特性が得られる。
水晶振動子1は、ベース部材30の第1外部電極35a及び第2外部電極35bを介して、第1励振電極14a及び第2励振電極14bに、交流の外部電源が電気的に接続される。第1励振電極14aと第2励振電極14bとの間に形成される交番電界によって、水晶片11の励振部17が励振される。このとき、厚みすべり振動モード(Thickness Shear Vibration Mode)を主要振動とする振動特性が得られる。
以上のように、本実施形態では、複数の突起部11Pに起因した水晶片11の裏面11B側における接続部19の表面積の増加によって、接続部19と第2接続電極16bとの密着性が向上する。また、第2接続電極16bの表面積の増加によって、第2接続電極16bと第2導電性保持部材36bとの密着性が向上する。同様に、複数の突起部11Pに起因して、接続部16と第1接続電極16aとの密着性、及び第1接続電極16aと第1導電性保持部材36aとの密着性が向上する。これらの効果によって、励振時や落下による衝撃を受けた時などに、応力が集中する水晶振動素子10とベース部材30との接続部分における損傷が抑制できる。また、水晶片11の裏面11B側における励振部17の表面積の増加によって、励振部17と第2励振電極14bとの密着性が向上し、第2励振電極14bの剥離が抑制できる。
(製造方法)
次に、図4〜図6を参照しつつ、第1実施形態にかかる水晶振動素子110の製造方法について説明する。図4は、第1実施形態にかかる水晶振動素子の製造方法を示すフローチャートである。図5は、大気開放型プラズマCVM装置での処理の様子を示す図である。図6は、大気開放型プラズマCVM装置での加工工程における水晶基板を示す断面図である。
次に、図4〜図6を参照しつつ、第1実施形態にかかる水晶振動素子110の製造方法について説明する。図4は、第1実施形態にかかる水晶振動素子の製造方法を示すフローチャートである。図5は、大気開放型プラズマCVM装置での処理の様子を示す図である。図6は、大気開放型プラズマCVM装置での加工工程における水晶基板を示す断面図である。
まず、水晶基板を準備する(S11)。水晶基板170は、人工水晶のインゴットからXZ´面が主面170A,170Bとなるように切り出された平板状の部材であり、例えば水晶ウェハに相当する。水晶基板170の主面170A,170Bは、例えば化学機械研磨等の研磨処理によって平坦化されてもよい。
次に、大気開放型プラズマCVM装置を準備する(S12)。大気開放型プラズマCVM(Chemical Vaporization Machining)装置900は、プラズマによって被加工物の表面を除去加工するドライエッチング装置の一種であり、被加工物を大気中に開放した状態で動作する。大気開放型プラズマCVM工法は、ウェットエッチング工法よりも高い精度で加工できる。また、真空プラズマエッチング工法よりも省エネルギー且つ高スルートップで加工できる。
図5に示すように、大気開放型プラズマCVM装置900は、ステージ上に固定された第1電極910、第2電極920、駆動部930、供給部940、及びカバー950を備えている。第1電極910はステージ上に設けられた板状の電極であり、下部電極に相当する。第2電極920は、第1電極910と対を成し、加工電極として機能する。第2電極920は、第1電極910に対向する対向面920Aと、カバー950に囲まれた内部空間951に対向する内向面920Bと、を有している。第2電極920には、対向面920Aから内向面920Bまでを貫通する複数の貫通孔Hが形成されている。駆動部930は、第2電極920の第1電極910に対する相対位置を変化させる。供給部940は処理ガス941を供給する。カバー950は、第2電極920を保持し、駆動部930に接続されている。カバー950は、第2電極920と共に内部空間951を形成している。
大気開放型プラズマCVM装置900の動作時には、第1電極910の上に水晶基板170が配置される。このとき、水晶基板170の主面170Bが、図示を省略したエアチャックによって吸引され、水晶基板170が第1電極910に対して固定される。供給部940から供給された処理ガス941は、内部空間951に貯留される。内部空間951の圧力の上昇に伴い、処理ガス941が複数の貫通孔Hを通して水晶基板170に向けて放出される。高周波電源に接続された第1電極910と第2電極920は、処理ガス941から高周波プラズマを発生させる。プラズマ942中に生成された中性のラジカルを水晶基板170の主面170Bと反応させることによって、水晶基板170の一部を除去加工する。なお、大気開放型プラズマCVM装置900は、第1電極910と第2電極920との間に形成される高周波電界によって水晶基板170を励振し、水晶基板170の厚みを測定してもよい。
水晶基板170をエッチングする処理ガスとしては、一例として、四フッ化炭素(CF4)及び酸素(O2)からなるプロセスガスに、アルゴン(Ar)などのキャリアガスを混合したものが挙げられる。供給部940は、プロセスガスとキャリアガスとの混合比や、処理ガスの供給量を調整することで、加工速度を調整することができる。供給部940は、処理ガスにさらにH2ガスを混合してもよく、これによれば加工速度を低下させることができるため、水晶基板170の加工量がさらに細かく調整できる。
次に、一方面側の平面度の値を低減する(S13)。図6に示すように、大気開放型プラズマCVM装置900によって、水晶基板170の主面170B側にプラズマ942を照射し、水晶基板170の一部を除去加工する。大気開放型プラズマCVM装置900は、水晶基板170の厚みマッピングに従って、加工量を局所的に変化させる。これにより、水晶基板170の主面170Bが除去加工され、主面170Bよりも平面度の値が低減された主面171Bが形成される。加工量制御の難易度を考慮して、加工量は、処理ガス941の流量によって調整される。加工量の制御方法は上記に限定されず、例えば第2電極920の掃引速度によって調整されてもよい。なお、大気開放型プラズマCVM装置900は、水晶基板170の主面170AをCVMにより除去加工して、加工前の主面170Aよりも平面度の値が低減された主面を形成してもよい。
次に、一方面側の同一平面上に突起部を形成する(S14)。図6に示すように、大気開放型プラズマCVM装置900によって、水晶基板170の主面171B側にプラズマ942を照射し、水晶基板170の一部を除去加工する。このとき、主面171Bは除去加工され、同一平面に相当する主面172Bと、主面172B上の複数の突起部172Pと、が形成される。例えば、工程S14において水晶基板170の主面171Bに吐出される処理ガス941の流速をV1(m/min)、工程S13において水晶基板170の主面170Bに吐出される処理ガス941の流速をV2(m/min)としたとき、V1<V2とすることで、水晶基板170の主面172B側に突起部172Pが形成される。望ましくは35%≦{(V1−V2)/V1}×100≦80%を満たすことで、好適な高さ、底面の寸法、及び密度の突起部172Pが形成される。なお、好適な高さ、底面の寸法、及び密度の突起部172Pを形成するには、50m/min≦V1≦200m/minを満たすことが望ましく、80m/min≦V1≦170m/minを満たすことがさらに望ましい。
次に、ウェットエッチング装置を準備する(S15)。そして、励振部と、接続部と、周辺部とを形成する(S16)。図7に示すように、水晶基板170の主面170A側及び主面172B側の両方からウェットエッチングを実施し、水晶基板170の一部を除去加工する。このとき、励振部117となる部分、及び接続部119となる部分にはフォトレジストを設け、周辺部118a,118bとなる部分を露出させて除去加工する。ウェットエッチング装置の加工精度は、大気開放型プラズマCVM装置900の加工精度よりも低い為、周辺部118a,118bの厚み変動は、励振部117や接続部119の厚み変動よりも大きくなる。なお、水晶基板170の主面170B側において、周辺部118aとなる部分の一部をフォトレジストで覆ってもよい。すなわち、周辺部118aの一部において、主面170A側が除去加工され、主面170B側において励振部117及び接続部119の同一平面に含まれる平面が残されてもよい。
次に、スパッタリング装置を準備する(S17)。そして、電極を形成する(S18)。図7に示すように、励振部117に第1励振電極114a及び第2励振電極114bを設け、接続部19に図示しない第1接続電極及び第2接続電極116bを設け、周辺部118aに図示しない第1引出電極及び第2引出電極115bを設ける。第2励振電極114b及び第2接続電極116bは、同一平面に相当する水晶基板170の主面172Bを覆い、主面172B上に形成された複数の突起部172Pの少なくとも一部を覆う。このような各種電極は、例えば、水晶片111を包む導電体層を設け、当該導電体層の一部をフォトリソ工法によって除去加工することによって形成される。なお、周辺部118aの一部が同一平面及び複数の突起部172Pを有する場合には、第2引出電極115bは、周辺部118aに形成された複数の突起部172Pの少なくとも一部を覆うように形成される。
次に、個片化する(S19)。例えば、水晶振動素子110を水晶基板170から折り取って個片化する。
なお、上記の製造工程において、一部の工程の順番が入れ替わってもよく、一部の工程が省略されてもよい。例えば、平面度の値を低減する工程S13は、突起部を形成する工程S14の後に実施されてもよい。また、突起部を形成する工程S14は、周辺部を形成する工程S16の後に実施されてもよい。また、平面度の値を低減する工程S13は省略されてもよい。
以上のように、本実施形態にかかる水晶振動素子110の製造方法では、大気圧環境下でのプラズマエッチングによって水晶基板170の同一平面に相当する主面172B上に複数の突起部172Pを形成する工程を含み、主面172Bの一部及び複数の突起部172Pの少なくとも一部を覆う第2励振電極114b及び第2接続電極116bを形成する工程と、を含む。これによれば、励振部117に形成された一群の突起部172Pと、接続部119に形成された一群の突起部172Pと、を水晶基板170の状態で同時に形成できる。したがって、製造時間が短縮でき、水晶振動素子110間での電気特性の変動が抑制できる。
以下に、本発明の他の実施形態に係る共振子の構成について説明する。なお、下記の実施形態では、上記の第1実施形態と共通の事柄については記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しない。
<第2実施形態>
次に、図8を参照しつつ、第2実施形態に係る水晶振動素子210について説明する。図8は、第2実施形態にかかる水晶振動素子についての拡大断面図である。第2実施形態にかかる水晶振動素子210は、第1実施形態にかかる水晶振動素子110と同様に、第2接続電極216bと、第2引出電極215bと、を備えている。水晶片211の裏面211B側には複数の突起部211Pが形成されている。水晶片211の表面211A側において、周辺部218aと励振部217との境界、及び周辺部218aと接続部219との境界には段差が形成されている。
次に、図8を参照しつつ、第2実施形態に係る水晶振動素子210について説明する。図8は、第2実施形態にかかる水晶振動素子についての拡大断面図である。第2実施形態にかかる水晶振動素子210は、第1実施形態にかかる水晶振動素子110と同様に、第2接続電極216bと、第2引出電極215bと、を備えている。水晶片211の裏面211B側には複数の突起部211Pが形成されている。水晶片211の表面211A側において、周辺部218aと励振部217との境界、及び周辺部218aと接続部219との境界には段差が形成されている。
第1実施形態との相違点は、周辺部218a、励振部217、及び接続部219が水晶片211の裏面211B側において同一平面を有する点である。すなわち、図8に示す断面において、水晶片211は片面メサ型構造を有する。励振部217の主面217Bと、周辺部218aの主面218Bと、接続部219の主面219Bとが同一平面に含まれている。したがって、周辺部218aの主面218B側にも突起部211Pが形成されている。これによれば、周辺部218aの主面218B側の表面積が増加し、周辺部218aと第2引出電極215bとの密着性が向上する。
<まとめ>
以下に、本発明の実施形態の一部又は全部を付記する。なお、本発明は以下の構成に限定されるものではない。
以下に、本発明の実施形態の一部又は全部を付記する。なお、本発明は以下の構成に限定されるものではない。
本発明の一態様によれば、水晶基板を準備する工程と、大気圧環境下においてプラズマ照射によりラディカル化された処理ガスを用いて、圧電基板の一方面側の同一平面上に複数の突起部を形成するように、水晶基板の一方面側のお一部を除去加工する工程と、水晶基板の一部を薄肉化して、励振部と、接続部と、少なくとも一部が励振部と接続部との間に配置され且つ励振部よりも薄い周辺部と、を形成する工程と、水晶基板の一方面側において、励振部及び接続部の同一平面上に形成された複数の突起部の少なくとも一部を覆う電極を形成する工程と、を含む、水晶振動素子の製造方法が提供される。
これによれば、水晶基板の一方面側における接続部の表面積が増加し、接続部と電極との密着性が向上する。また、電極の表面積の増加によって、当該電極と導電性保持部材との密着性が向上する。これらの効果によって、励振時や落下による衝撃を受けた時などに、応力が集中する水晶振動素子とベース部材との接続部分における損傷が抑制できる。また、水晶片の一方面側における励振部の表面積の増加によって、励振部と電極との密着性が向上し、励振部における当該電極の剥離が抑制できる。
また、複数の突起部のうち励振部に形成された一群の突起部と、接続部に形成された一群の突起部と、を水晶基板の状態で同時に形成できる。また、水晶基板の状態で複数の水晶振動素子となる領域に一括して複数の突起部が形成できる。
これによれば、水晶基板の一方面側における接続部の表面積が増加し、接続部と電極との密着性が向上する。また、電極の表面積の増加によって、当該電極と導電性保持部材との密着性が向上する。これらの効果によって、励振時や落下による衝撃を受けた時などに、応力が集中する水晶振動素子とベース部材との接続部分における損傷が抑制できる。また、水晶片の一方面側における励振部の表面積の増加によって、励振部と電極との密着性が向上し、励振部における当該電極の剥離が抑制できる。
また、複数の突起部のうち励振部に形成された一群の突起部と、接続部に形成された一群の突起部と、を水晶基板の状態で同時に形成できる。また、水晶基板の状態で複数の水晶振動素子となる領域に一括して複数の突起部が形成できる。
一態様として、周辺部を形成する工程において、励振部よりも周辺部の厚み変動が大きくなるように、水晶基板のうち周辺部となる部分を除去加工する。
これによれば、周辺部において発生する不要振動の周波数が分散する。
これによれば、周辺部において発生する不要振動の周波数が分散する。
一態様として、大気圧環境下においてプラズマ照射によりラディカル化された処理ガスを用いて、水晶基板の一部を除去加工し、水晶基板の一方面側の平面度の値を低減する工程をさらに含み、複数の突起部を形成する工程において水晶基板に向かって吐出される処理ガスの流速をV1、平面度の値を低減する工程において水晶基板に向かって吐出される処理ガスの流速をV2としたとき、V1<V2の関係が満たされる。
これによれば、水晶基板の一方面側の平面度を向上させつつ、水晶基板に対する電極の密着性を向上させるうえで、好適な高さ、底面の寸法、及び密度の突起部が形成できる。
これによれば、水晶基板の一方面側の平面度を向上させつつ、水晶基板に対する電極の密着性を向上させるうえで、好適な高さ、底面の寸法、及び密度の突起部が形成できる。
一態様として、35%≦{(V1−V2)/V1}×100≦80%の関係が満たされる。
これによれば、水晶片に対する電極の密着性を向上させるうえで、さらに好適な高さ、底面の寸法、及び密度の突起部が形成できる。
これによれば、水晶片に対する電極の密着性を向上させるうえで、さらに好適な高さ、底面の寸法、及び密度の突起部が形成できる。
一態様として、50m/min≦V1≦200m/minの関係が満たされる。
一態様として、80m/min≦V1≦170m/minの関係が満たされる。
一態様として、周辺部を形成する工程において、水晶基板の他方面側の少なくとも一部を除去加工して周辺部を形成し、周辺部の少なくとも一部が、同一平面に含まれる平面を有する。
これによれば、水晶片の一方面側における周辺部の表面積が増加する。
これによれば、水晶片の一方面側における周辺部の表面積が増加する。
一態様として、電極を形成する工程において、電極は、さらに、周辺部の同一平面上に形成された複数の突起部の少なくとも一部を覆う。
これによれば、周辺部と電極との密着性が向上する。
これによれば、周辺部と電極との密着性が向上する。
一態様として、水晶基板は水晶基板であり、圧電振動素子は水晶振動素子である。
本発明にかかる他の一態様として、励振部と、接続部と、少なくとも一部が励振部と接続部との間に配置され且つ励振部よりも薄い周辺部と、を含む水晶片と、水晶片の表面側において励振部に設けられた第1励振電極と、水晶片の裏面側において励振部に設けられ第1励振電極と対向する第2励振電極と、接続部に設けられ、第1励振電極に電気的に接続された第1接続電極と、接続部に設けられ、第2励振電極に電気的に接続された第2接続電極と、を備え、水晶片の裏面側において、励振部と接続部とは同一平面を有し、同一平面上に複数の突起部が形成され、第2励振電極及び第2接続電極が複数の突起部の少なくとも一部を覆っている、圧電振動素子が提供される。
これによれば、水晶片の裏面側における接続部の表面積が増加し、接続部と第2接続電極との密着性が向上する。また、第2接続電極の表面積の増加によって、第2接続電極と第2導電性保持部材との密着性が向上する。これらの効果によって、励振時や落下による衝撃を受けた時などに、応力が集中する水晶振動素子とベース部材との接続部分における損傷が抑制できる。また、水晶片の裏面側における励振部の表面積の増加によって、励振部と第2励振電極との密着性が向上し、第2励振電極の剥離が抑制できる。
これによれば、水晶片の裏面側における接続部の表面積が増加し、接続部と第2接続電極との密着性が向上する。また、第2接続電極の表面積の増加によって、第2接続電極と第2導電性保持部材との密着性が向上する。これらの効果によって、励振時や落下による衝撃を受けた時などに、応力が集中する水晶振動素子とベース部材との接続部分における損傷が抑制できる。また、水晶片の裏面側における励振部の表面積の増加によって、励振部と第2励振電極との密着性が向上し、第2励振電極の剥離が抑制できる。
一態様として、第1接続電極が複数の突起部の少なくとも一部を覆っている。
これによれば、接続部と第1接続電極との密着性、及び第1接続電極と第1導電性保持部材との密着性が向上する。
これによれば、接続部と第1接続電極との密着性、及び第1接続電極と第1導電性保持部材との密着性が向上する。
一態様として、周辺部の厚み変動が、励振部の厚み変動よりも大きい。
これによれば、周辺部において発生する不要振動の周波数が分散する。
これによれば、周辺部において発生する不要振動の周波数が分散する。
一態様として、水晶片の表面側において第1励振電極と第1接続電極とを電気的に接続する第1引出電極と、水晶片の裏面側において第2励振電極と第2接続電極とを電気的に接続する第2引出電極と、をさらに備え、水晶片の裏面側において、周辺部の少なくとも一部が、同一平面に含まれる平面を有し、第2引出電極が複数の突起部の少なくとも一部を覆っている。
これによれば、水晶片の裏面側における周辺部の表面積の増加によって、周辺部と第2引出電極との密着性が向上する。
これによれば、水晶片の裏面側における周辺部の表面積の増加によって、周辺部と第2引出電極との密着性が向上する。
一態様として、水晶片は水晶片であり、圧電振動素子は水晶振動素子である。
以上説明したように、本発明の一態様によれば、信頼性を高められる圧電振動素子及びその製造方法が提供できる。
なお、前述の通り、本発明の実施形態は、水晶基板及び水晶片に限定されず、他の圧電材料によって形成された圧電基板及び圧電片であってもよい。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1…水晶振動子
10…水晶振動素子
11…水晶片 11A…表面 11B…裏面 11P…突起部
14a…第1励振電極 14b…第2励振電極
15a…第1引出電極 15b…第2引出電極
16a…第1接続電極 16b…第2接続電極
17…励振部 17A,17B…主面
18a,18b…周辺部 18A,18B…主面
19…接続部 19A,19B…主面
20…蓋部材
30…ベース部材
10…水晶振動素子
11…水晶片 11A…表面 11B…裏面 11P…突起部
14a…第1励振電極 14b…第2励振電極
15a…第1引出電極 15b…第2引出電極
16a…第1接続電極 16b…第2接続電極
17…励振部 17A,17B…主面
18a,18b…周辺部 18A,18B…主面
19…接続部 19A,19B…主面
20…蓋部材
30…ベース部材
Claims (14)
- 圧電基板を準備する工程と、
大気圧環境下においてプラズマ照射によりラディカル化された処理ガスを用いて、前記圧電基板の一方面側の同一平面上に複数の突起部を形成するように、前記圧電基板の前記一方面側の一部を除去加工する工程と、
前記圧電基板の一部を薄肉化して、励振部と、接続部と、少なくとも一部が前記励振部と前記接続部との間に配置され且つ前記励振部よりも薄い周辺部と、を形成する工程と、
前記圧電基板の前記一方面側において、前記励振部及び前記接続部の同一平面上に形成された複数の突起部の少なくとも一部を覆う電極を形成する工程と、
を含む、圧電振動素子の製造方法。 - 前記周辺部を形成する工程において、前記励振部よりも前記周辺部の厚み変動が大きくなるように、前記圧電基板のうち前記周辺部となる部分を除去加工する、
請求項1に記載の圧電振動素子の製造方法。 - 大気圧環境下においてプラズマ照射によりラディカル化された前記処理ガスを用いて、前記圧電基板の一部を除去加工し、前記圧電基板の前記一方面側の平面度の値を低減する工程をさらに含み、
前記複数の突起部を形成する工程において前記圧電基板に向かって吐出される処理ガスの流速をV1、前記平面度の値を低減する工程において前記圧電基板に向かって吐出される処理ガスの流速をV2としたとき、
V1<V2
の関係が満たされる、
請求項1又は2に記載の圧電振動素子の製造方法。 - 35%≦{(V1−V2)/V1}×100≦80%
の関係が満たされる、
請求項3に記載の圧電振動素子の製造方法。 - 50m/min≦V1≦200m/min
の関係が満たされる、
請求項4に記載の圧電振動素子の製造方法。 - 80m/min≦V1≦170m/min
の関係が満たされる、
請求項5に記載の圧電振動素子の製造方法。 - 前記周辺部を形成する工程において、前記圧電基板の他方面側の少なくとも一部を除去加工して前記周辺部を形成し、
前記周辺部の少なくとも一部が、前記同一平面に含まれる平面を有する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の圧電振動素子の製造方法。 - 前記電極を形成する工程において、前記電極は、さらに、前記周辺部の同一平面上に形成された複数の突起部の少なくとも一部を覆う、
請求項7に記載の圧電振動素子の製造方法。 - 前記圧電基板は水晶基板であり、
前記圧電振動素子は水晶振動素子である、
請求項1から8のいずれか1項に記載の圧電振動素子の製造方法。 - 励振部と、接続部と、少なくとも一部が前記励振部と前記接続部との間に配置され且つ前記励振部よりも薄い周辺部と、を含む圧電片と、
前記圧電片の表面側において前記励振部に設けられた第1励振電極と、
前記圧電片の裏面側において前記励振部に設けられ前記第1励振電極と対向する第2励振電極と、
前記接続部に設けられ、前記第1励振電極に電気的に接続された第1接続電極と、
前記接続部に設けられ、前記第2励振電極に電気的に接続された第2接続電極と、
を備え、
前記圧電片の裏面側において、前記励振部と前記接続部とは同一平面を有し、
前記同一平面上に複数の突起部が形成され、
前記第2励振電極及び前記第2接続電極が前記複数の突起部の少なくとも一部を覆っている、圧電振動素子。 - 前記第1接続電極が前記複数の突起部の少なくとも一部を覆っている、
請求項10に記載の圧電振動素子。 - 前記周辺部の厚み変動が、前記励振部の厚み変動よりも大きい、
請求項10又は11に記載の圧電振動素子。 - 前記圧電片の表面側において前記第1励振電極と前記第1接続電極とを電気的に接続する第1引出電極と、
前記圧電片の裏面側において前記第2励振電極と前記第2接続電極とを電気的に接続する第2引出電極と、
をさらに備え、
前記圧電片の裏面側において、前記周辺部の少なくとも一部が、前記同一平面に含まれる平面を有し、
前記第2引出電極が前記複数の突起部の少なくとも一部を覆っている、
請求項10から12のいずれか1項に記載の圧電振動素子。 - 前記圧電片は水晶片であり、
前記圧電振動素子は水晶振動素子である、
請求項10から13のいずれか1項に記載の圧電振動素子。
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- 2018-09-27 JP JP2018181754A patent/JP2020053857A/ja active Pending
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