JP2001102521A - 絶縁回路基板およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
絶縁回路基板およびそれを用いた半導体装置Info
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Abstract
絶縁型半導体装置の絶縁耐量向上を図る。 【解決手段】絶縁回路基板の導電体終端の厚さを10μ
m以上とする。また、接合材と絶縁基板接触角を90度
以上にするか、先端を半径5μm以上の球状とする。平
面上は終端辺の突起の幅を10μm以上にする。 【効果】本発明によれば絶縁回路基板の電界集中を抑え
ることができるので絶縁耐量を向上させることができ
る。
Description
ュール等のパッケージ内部で絶縁を確保する絶縁回路基
板、およびそれを用いた半導体装置に関する。
O,トランジスタ等の半導体素子を絶縁容器内に密封し
て構成した半導体モジュールが知られている。これらの
素子はその耐圧や電流容量に応じて各種インバータ装置
などに応用されている。モジュールの内部と外部はモジ
ュール内部にアルミナ(Al2O3)や窒化アルミ(Al
N)などの絶縁基板を介しベースと電気回路を絶縁する
構造として実装の容易性を向上させるている。これらの
素子の中でもIGBTは電圧制御型の素子であるので制
御が容易であり、大電流の高周波動作が可能であるなど
の利点を有している素子である。近年IGBT素子の大
容量化が進み、従来のGTOがカバーしていた領域まで
性能が向上して来ている。モジュールの大電流化に伴
い、モジュール内部で使用する半導体素子の大型化や多
チップ化のためモジュール内部で使用する絶縁板の大面
積化が進んでいる。大面積化の問題を解決するため、特
開平5− 152461号に示す様にモジュール絶縁基板に接
合した導体電極の終端を段部を介して薄肉とする方法
や、特公平7−77989 号に示す様に導体電極板と絶縁基
板を接合する接合材の端部を導体電極板より外側にする
方法などで導体電極、あるいは接合材と絶縁基板界面で
極大になる応力を低減させ、絶縁板の熱サイクルによる
割れの発生を抑える方法が取られていた。また、モジュ
ールの高耐圧化に伴い、モジュール内部の絶縁耐量を高
くする必要がある。特にベースと電気回路との絶縁では
10kVクラスの耐量も要求されてきている。この問題
を解決するため、一般的に絶縁基板を厚くして電界強度
を緩和する方法や、回路パターンから絶縁基板端部まで
の沿面距離を長くする方法で平均電界強度を下げて対策
していた。
量の向上のためには絶縁劣化の起点となる局部電界強度
を下げる必要がある。絶縁回路基板を半導体装置で使用
する多くの場合は、絶縁回路基板全体をシリコーンゲル
などの有機樹脂で被服する。樹脂で被服した構造では絶
縁破壊の前駆現象として局部的に電界強度が大きい電界
集中部でコロナ放電が発生し、樹脂中にボイドや電気ト
リーを発生させる。電圧が連続して課電される場合は、
放電も連続して発生し、トリーが成長して絶縁劣化に至
る。これらの現象は平成5年の電気学会(予稿集第3分
冊,80項)などで報告されている。このことからも半
導体装置内部の電界集中をなくすことが必須であること
が判る。半導体装置内部で電圧が課電された場合、電界
が集中場所は絶縁回路基板の沿面部分、より詳細には絶
縁基板の沿面部分に接した導体電極の終端部分になる。
しかし、上記従来技術の絶縁基板の割れに対して対策し
た導体電極終端部の形状を薄肉化する方法や接合材を導
体電極の外側に配置する方法では導体電極間(回路側の
電極間に電圧を課電した場合)や、導体電極と絶縁基板
裏面の電極間(電気回路とベース間に電圧を課電した場
合)の導体電極の終端部形状が薄く鋭角になるため電界
を集中させ絶縁耐量を低下させる問題がある。また、絶
縁基板上の導電体終端で最も絶縁基板に近く、薄い層で
ある接合材の終端形状に関しては局部電界を抑える検討
がされていなかった。
厚くする方法では絶縁基板の熱伝導が導体電極より小さ
い(例えば、導体電極として一般的に使用される銅の熱
伝導率は398W/mKに対し絶縁基板のアルミナは3
6W/mK、AlNは175W/mKと1/2以下とな
る)ためモジュールの熱抵抗を上昇させてしまう問題が
ある。また、沿面距離を大きくして絶縁耐量を向上させ
る方法ではモジュールが大型になる問題がある。
終端部への電界集中を抑制することで、絶縁基板の厚さ
や沿面距離を大きくしないで絶縁耐量の高い絶縁回路基
板を提供し、この絶縁回路基板を使用することで絶縁耐
量の高い半導体モジュールを提供することにある。
は電界の集中をなくし平均的に電界をかける必要があ
る。特に絶縁基板の沿面部分の電界集中を抑える必要が
ある。そのために導体電極を含む導電体終端の厚さを1
0μm以上とした。導電体終端厚さが10μm以上の場
合、最大電界強度はほとんど変化せず、最大電界強度を
抑えるためには絶縁基板の厚さを厚くする必要がある。
つまり、最大電界強度を決める主要因が絶縁基板厚さと
なる。一方、導電体終端の厚さが10μmより小さくな
ると電界強度が急激に大きくなり絶縁基板の厚さより導
電体終端の厚さが最大電界強度を決める主要因となる。
この結果より導電体の終端の厚さを10μm以上にすれ
ば、絶縁基板厚さや導体電極、接合材などの導電体の厚
さによって最大電界強度が決まり、沿面部分の平均電界
強度とほぼ同じ値とすることができる。これにより絶縁
基板端部での電界集中による絶縁耐量の低下を防ぐこと
ができる。
るためには接合材と絶縁基板の接触角θが90度以上に
する必要がある。また、接触角が90度より小さい場合
は、接合材の終端をエッチング等で10μm以下の薄い
部分を除去するか、半径が5μm以上の球状とした。こ
の構造においても電界集中による絶縁耐量の低下を防ぐ
ことができる。
中を抑えることができる原理は平面形状にもそのまま適
用できる。つまり、絶縁基板の沿面部分の導体電極終端
辺を上面から見た時の突起形状の幅を10μm以上とす
ることで電界集中による絶縁耐量の低下を防ぐことがで
きる。
るいは導体電極の一部を絶縁基板内に埋込む構造として
も電界強度の集中を抑えることができる。これは絶縁基
板中では電界の集中が起こりずらい性質を利用したもの
で、電界集中による絶縁耐量の低下を防止できる。ま
た、この構造ではあらかじめ絶縁基板に凹形状を設け、
凹部分に接合材を印刷するので熱処理時に接合材の流れ
出しがない。これにより、接合層と絶縁基板の反応層が
ろう材以外の場所に形成されるのを防ぐこともでき、め
っき等の後処理で絶縁基板表面に薄い導電体領域を作る
ことで電界強度を集中させるようなことがない。
が極部電界でなく平均電界強度で決まる構造では、導体
電極の終端形状で電界強度が決まる。そこで、導体電極
終端形状を半径が5μm以上の球状として平均電界強度
の低減を図った。球の形状により電界強度は変わるが、
導体電極の厚さの1/2の半径で球状にした時に最も電
界強度を下げることができる。
等により表面をコーティングする場合は、導電体のコー
ティング材が直接絶縁基板沿面部分に形成されないよう
にした。また、絶縁基板と接合材の反応層にはめっきが
付着しやすいため完全に除去する構造とした。めっきに
よりコーティングする場合は、薄すぎると凹凸をカバー
できないこと、逆に厚すぎると剥離が生じるなどの問題
があるため厚さを4〜6μm程度にする。この厚さの導
電体層が絶縁基板表面に直接付着して4〜6μmの導電
体層を形成すると電界集中によりコロナ放電が発生し、
連続電圧課電により絶縁破壊が生じる。特に絶縁基板と
接合材の反応層にはめっきが付着されやすいため完全に
除去するか、めっき工程時にコーティングして付着を防
止することで絶縁耐量の低下を防ぐ必要がある。これに
よって電界集中による絶縁耐量の低下を防ぐことができ
る。
に使用すると電界集中によるコロナ放電の発生電圧を高
くすることができる。半導体モジュール内部の絶縁封止
は多くの場合半導体素子と導体電極間を配線したワイヤ
の劣化を防止するため弾性係数の小さなシリコーンゲル
を使用する。しかし、シリコーンゲルはコロナ放電によ
りボイドなどの欠陥が生じやすい。本発明絶縁回路基板
を使用すれば電界集中によるコロナ放電の発生電圧を高
くすることができるので、ワイヤーに悪影響を与えない
シリコーンゲル封止構造でも絶縁耐量の高い半導体モジ
ュールを製造することができる。
て説明する。
断面図を示す。(a)は絶縁回路基板の全体図、(b)
は絶縁基板101と導体電極103との接合端部の拡大
断面図を示す。絶縁回路基板はAlN基板からなる絶縁
基板101の上下にCu−Ag−Ti合金ろう材からな
る接合材102を介して無酸素銅からなる導体電極10
3を接合して形成する。半導体モジュールに組込んだ
時、図面の上面はチップを搭載する面で導体電極103
をパターニングして電気回路を形成する下面はベースに
接合するために全面に導体電極を形成した構成となる。
電気的に絶縁耐量を必要とする場所は、電気回路内での
絶縁(上面の導体電極パターン間のA部)と、モジュール
内部と外部(上下面導体電極間のB部)になる。各導体
電極間に課電した場合、電界が最も集中する場所は導体
電極各パターン端のC部になる。(b)にC部の拡大断面
図を示す。接合材102にCu−Ag−Ti合金ろう材
を使用すると接合のため約800℃の高温で熱処理して
接合する。熱処理時に絶縁基板に使用したAlN基板の
Nとろう材のTiが反応してTiNの層104を形成す
る。この層により導体電極板103と絶縁基板101は
強く接合される。熱処理後、導体電極と接合材の露出部
分は耐腐食性向上等の目的でNiめっき105によってコ
ーティングする。この構造で絶縁基板上にある導電体の
終端(本実施例ではろう材とNiめっきを合わせた厚
さ)の厚さを10μm以上にすることで電界集中を抑え
た。
(a)は半導体装置に組み込む時の実装形態、(b)は
電界が最も集中しやすい導体電極端のC部を拡大した平
面図を示す。絶縁基板101上には電気回路を構成する
導体電極板を接合する。実施例ではエミッタ電極20
1,コレクタ電極202,ゲート電極203の回路を形
成する。コレクタ電極上にはIGBTチップ204とダ
イオードチップ205を配置し、各チップをAlワイヤ
206によって配線する。この基板の回路側と基板の裏
面側(モジュールのベース側)の絶縁耐量を向上させる
ためには各導体電極の終端部(C部)の平面形状も検討
する必要がある。(b)にC部の拡大平面図を示す。エ
ミッタ電極201より接合材102を広い面積とするこ
とで、絶縁基板101にかかる熱応力を低減させている
が、接合材の終端辺に幅10μm以下の突起207があ
ると急激にその部分の電界が大きくなる。そのため化学
エッチングやスパッタエッチングにより突起部先端20
7を除去し、突起の幅を10μm以上として電界集中に
よる絶縁耐量の低下を防いだ。
接合方法を示す。AlN絶縁基板である絶縁基板101
の上にCu−Ag−Ti合金ろう材102をパターン印
刷した後、無酸素銅電極である導体電極板103をセッ
トし、約800℃で熱処理する。熱処理時にAlN基板
101中のNとCu−Ag−Ti合金ろう材102中の
Tiが反応してTiN層104ができる。熱処理時中、
Cu−Ag−Ti合金ろう材102は最初に印刷した場
所以外にも溶解して流れ出し201が起こる。従来、ろ
う材102の流れ出しが少ない基板ではこのままNiめ
っき105をしていた(従来方法−1)ため、ろう材1
02の終端がテーパ状になり10μm以下の厚さになる
部分があった。本発明では耐ヒートサイクル性向上のた
めに必要な導電体層部分にエッチング用マスク302を
し、エッチングすることで流れ出したろう材であるろう
材流出領域301を除去する。この時Cu−Ag−Ti
合金ろう材102と反応層(TiN)104のエッチング
速度が違うため反応層が残る。絶縁基板101中に形成
されたTiN層104には電界が集中しないため従来は
このままNiめっき105をする方法が取られていた
(従来方法−2)。しかし、TiN層104上にもNiめ
っき105が部分的に付着し、導電体としての終端部分
の厚さが10μm以下になる部分があった。本方法では
例えばTiN層104を接合材とは別のエッチング液を
用い、別途除去した後Niめっき105することで導電
体としての終端部分の厚さを10μm以上とすることで
電界集中を抑えた。
を示す。導電体終端厚さが10μm以上の場合、最大電
界強度はほとんど変化せず、最大電界強度を抑えるため
には絶縁基板の厚さを厚くする必要がある。つまり、最
大電界強度を決める主要因が絶縁基板厚さとなる。一
方、厚さが10μmより小さくなると電界強度が急激に
大きくなり絶縁基板の厚さより終端の厚さが最大電界強
度を決める主要因となる。図1の実施例構造ではAlN
基板の厚さを0.635mm ,導体電極の厚さを0.3mm
,接合材の厚さを0.02mm ,Niめっきの厚さを0.
005mm として、導電体終端に配置する材料を変えた
試験をした。その結果、導体電極を終端に配置した場合
と接合材を終端に配置した場合で絶縁耐量は変わらなか
ったが、0.005mm のNiめっきの層を終端に配置す
ると絶縁耐量は低下した。この結果から導体電極の終端
の厚さを平均電界強度が電界の支配的要因になる10μ
m以上とすることで絶縁性を向上させる。また、この傾
向は絶縁基板の厚さを変えても変わらない。
電界強度を示す。導体電極膜の終端の厚さが同じでも絶
縁基板を厚くすると最大電界強度が低下し、1mm以下で
ほぼ安定する。しかし、絶縁基板の熱伝導率は銅が39
8W/mKに対しAlNが175W/mK、アルミナは
36W/mKと1/2以下と低いため、モジュールに内
蔵した時の熱抵抗を考慮すると絶縁基板を厚くするのは
極力避け、導体終端の厚さを制御し最大電界強度を下げ
ることで絶縁耐量を向上させる方が望ましい。
う材をエッチングによって除去し、Niめっきをした構
造を示す。(a)は本発明の方法でろう材の10μm以
下の領域をエッチングしNiめっきをした構造、(b)
は従来方法で流れたろう材上にそのままNiメッキをし
た構造を示す。ろう材の流出の少ない材料や条件を選定
してもろう材終端はテーパーの付く構造となることが多
い。そのためエッチング等の加工を加えなければ10μ
m以上の形状にすることは難しい。
合材102と導体電極103の終端を同じ位置にする構
造、図8は接合材102が導体電極103より内側に配
置された構造を示す。いずれも流出したろう材と、ろう
材と絶縁基板の反応層を除去することで導電体終端を1
0μm以上にし、電界集中を抑えられる。
ベリリア(BeO),窒化ケイ素(Si3N4)等901
を使用した例を示す。(a)は本発明の方法でろう材の
10μm以下の領域をエッチングしNiめっきをした構
造、(b)は従来方法で流れたろう材上にそのままNi
メッキをした構造を示す。これらの絶縁基板では接合材
102との反応層が形成されない。しかし、接合材の流
れ出し部分で同様な問題が生じるため本発明により絶縁
耐量を向上することができる。
示す。(a)は本発明の方法でろう材の10μm以下の
領域をエッチングした構造、(b)は従来方法で流れた
ろう材上にそのままにした構造を示す。ろう材の終端が
テーパー状になっていれば同様な問題が生じるため本発
明により絶縁耐量を向上することができる。
熱処理による接合では接合材と絶縁基板の接触角はほと
んどの場合90度より小さいテーパー形状になる。この
場合では必ず導電体厚さが10μm以下の領域ができ
る。本発明では(a)に示すような接触角θを化学エッ
チングにより90度以上とした。また、接触角度が90
度より小さい(b)の場合でも接合材102の先端を化
学エッチングやスパッタエッチングにより半径5μm以
上の球状にした。これにより最大電界強度を下げること
で絶縁耐量を向上させる方が望ましい。
01中に埋込んだ実施例を示す。接合層102を埋込む
ため絶縁基板101はあらかじめ凹構造にしておき、そ
の部分に接合材102をパターン印刷する。次に導体電
極103を重ね熱処理することで複合材を形成する。形
成された複合材の表裏の電極に電圧を課電した場合の最
大電界強度を100%とした電界強度分布模式図を図中
に示す。比較のため(b)は接合材を埋込まない場合
(c)は接合材を埋込まず、10μm以下の導電体領域
がある従来構造の例を示す。絶縁基板中は電界がほぼ均
等に分割されるので接合材の下部ではどの構造でも裏面
電極までの絶縁基板の厚さ方向で電界がほぼ均等にな
る。沿面部分では導体部分が絶縁材に埋込まれていれば
絶縁基板の端部までの間でほぼ均等に電界が分割され
る。絶縁基板から出ると導電体膜の形状によって電界分
布が影響を受ける。接合材が埋込まれていない構造では
より絶縁基板を出た直後に影響を受けるため導体電極側
に電界が集中し、電界強度が高くなる傾向にある。10
μm以下の導電体領域があるとその分布はより顕著に先
端に集中する。これらの結果から判るように接合材に導
電体層の一部を絶縁基板に埋込むことで絶縁耐圧をより
向上させることができる。図12では接合材102だけを
埋込んだ実施例を示したが、導体電極103を10μm
以上絶縁基板101から突出させその一部を埋込むか、完
全に埋込んでも同じ効果がある。但し、この方法では絶
縁基板101が厚くなるため熱抵抗との相関で最適条件
を選ぶ必要がある。また、この方法では接合材領域をあ
らかじめ凹構造にしているので熱処理中の接合材流れ出
しも抑えることができ、接合材102を印刷した場所以
外の反応層104もできないのでエッチング工程を省略
しても絶縁耐量を低下させることがない利点もある。
の反応層をエッチングしないでそのまま残した実施例を
示す。前述したように絶縁基板中では電界がほぼ均等に
分割されるので絶縁基板101中に反応層104があっ
ても電界集中に対して影響が少ない。問題はNiめっき
等の後処理で反応層104上、つまり絶縁基板表面より
上面に導電体膜が形成されることで電界が集中すること
にある。そこで、めっき処理中に反応層上部をコーティ
ングしめっきの生成を抑えることで電界集中をさせない
構造とした。また、熱サイクル時に応力が最も集中する
接合材と絶縁基板界面部分をエッチングすることがない
の耐ヒートサイクル性が向上する利点もある。
応層上に別の導電体層を形成した実施例を示す。絶縁基
板上の導電体層終端が10μm以上あれば電界集中を抑
えられるので反応層上に例えば反応層を形成しないろう
材1401を塗布するなどして先に形成された反応層を
厚くすることで導電体終端を10μm以上にし、電界集
中を抑えた。
した実施例を示す。接合材の先端の電界集中を緩和でき
れば次に導電体層の終端形状によって平均電界強度が変
わる。機械加工時のばりのような厚さ10μm以下の鋭
角な突起があると接合材先端と同様に電界集中による絶
縁劣化が起こる。導体膜先端の形状を加工する方法とし
接合前の銅板の終端を半径5μm以上の球状にしたり図
16に示すように銅板の終端を折り返して球状の半径を
より大きくする方法がある。
を示す。絶縁基板101と導電体層103を接合した界
面の耐熱サイクル向上のために導電体層として使用する
銅板と絶縁基板との間に干渉層1301を設ける構造が
ある。この場合も導電体層103と干渉層1701の界
面や接合層102の先端が10μm以下の鋭角な部分が
あると接合材先端と同様に電界集中による絶縁劣化が起
こる。図15にも示したように積層構造の先端を球状に
すると電界集中を抑えることができる。
例を示す。絶縁基板101に接合材102をパターン印
刷した後複数の穴のある導体電極1801をセットして
熱処理する。熱処理時に接合材102は導体電極180
1の穴1802に溶け出して絶縁基板101に固定され
る。この実施例では接合材のほとんどの量を導体電極中
に吸収するため接合材の厚さを薄く、かつ印刷した領域
以外への流出を抑えることができる。これによりエッチ
ングなどの処理を行わなくても接合材の先端形状を制御
できる。
置に使用した実施例を示す。絶縁基板101に導体電極
103を図示して接合材で絶縁基板上下に接合した絶縁
回路基板上に半導体素子1901を半田1902によっ
て接続する。次にAlワイヤ1903によって絶縁基板
上の電気回路を形成する。次に半田1904によって金
属ベース1905に絶縁基板を接合、端子1907と樹
脂製のケース蓋1908が一体になった端子ブロック190
9を半田1906によって絶縁基板上の電気回路に接続
する。次に樹脂製のケース1910を取付け、ケース内
をシリコーンゲル1911とエポキシ樹脂1912で封
止して半導体装置を作製する。完成した半導体装置の絶
縁は、端子1907とベース1905間に電圧1914
をかけて試験する。この時の絶縁は絶縁基板の厚さ,絶
縁基板の沿面,シリコーンゲルのバルクの3箇所で保持
される。シリコーンゲルの絶縁耐量は約15kV/mm、
絶縁基板で例えばAlN板バルクの絶縁耐量は約20k
V/mm。それぞれの厚さやベースまでの距離を1mm以上
確保すれば10kV程度の絶縁は十分確保できる。しか
し、絶縁基板沿面の導体電極の終端構造が10μm以下
の厚さ、あるいは10μm以下の鋭角な突起があるとそ
の部分の局部電界強度が大きく、5kV程度でもコロナ
放電が発生、連続して電圧を課電すると絶縁破壊に至
る。本発明の終端構造をとれば局部電界の集中がないの
で10kVでもコロナ放電の発生がなく、絶縁劣化を起
こすことはない。
の裏面側(ベース側)に導体電極がない場合の基板を半
導体装置に使用した実施例を示す。装置の内部構成は図
19とほぼ同じであるが、絶縁基板101に導体電極1
03を図示して接合材で絶縁基板上面だけに接合し、裏
面側は絶縁基板を露出させた半導体装置の構成になる。
この構造では絶縁基板を直接冷却できるので熱抵抗を下
げられる利点がある。しかし、絶縁基板の強度が弱いた
め比較的小型の装置にしか適用できない。完成した半導
体装置の絶縁は、端子1907と取付けフィン2001
間に電圧1914をかけて試験する。この時の絶縁耐量も図
19と同じで絶縁基板の厚さ,絶縁基板の沿面,シリコ
ーンゲルのバルクの3箇所で保持される。すなわち、本
発明の絶縁回路基板の導体電極終端構造をとれば局部電
界の集中がなく絶縁耐量の高い装置を提供することがで
きる。
を抑えることができるので絶縁耐量を向上させることが
できる。
図。
図。
ス。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
導体装置の断面構造。
導体装置の断面構造。
板、104…反応層(TiN)、105…Niめっき、
201…エミッタ電極、202…コレクタ電極、203
…ゲート電極、204…IGBTチップ、205…ダイ
オードチップ、206,1903…Alワイヤ、207
…接合材の鋭角部分、301…ろう材流出領域、302
…エッチング用マスク、901…AlN以外の絶縁基
板、1401…ろう材、1701…干渉層、1801…穴付
き導体電極板、1802…導体電極板穴、1901…半
導体素子、1902,1904,1906…半田、1905
…ベース、1907…端子、1908…蓋、1909…
端子ブロック、1910…ケース、1911…シリコー
ンゲル、1912…エポキシ樹脂、2001…冷却フィ
ン。
Claims (10)
- 【請求項1】絶縁基板の片面、あるいは両面に導体電極
板を接合材によって接合した絶縁回路基板において、絶
縁基板上にある導体電極、あるいは接合材の終端厚さが
10μm以上であることを特徴とする絶縁回路基板。 - 【請求項2】絶縁基板の片面、あるいは両面に導体電極
板を接合材によって接合した絶縁回路基板において、絶
縁基板上にある導体電極、あるいは接合材が絶縁基板に
接触する角度が90度以上であることを特徴とする絶縁
回路基板。 - 【請求項3】請求項2において、導体電極、あるいは接
合材の先端が半径5μm以上の球状になっていることを
特徴とする絶縁回路基板。 - 【請求項4】絶縁基板の片面、あるいは両面に導体電極
板を接合材によって接合した絶縁回路基板において、絶
縁基板上にある導体電極、あるいは接合材の終端辺にあ
る突起の幅が10μm以上であることを特徴とする絶縁
回路基板。 - 【請求項5】絶縁基板の片面、あるいは両面に導体電極
板を接合材によって接合した絶縁回路基板において、接
合材、あるいは導体電極の一部を絶縁基板の最上面より
内側に配置したことを特徴とする絶縁回路基板。 - 【請求項6】絶縁基板の片面、あるいは両面に導体電極
板を接合材によって接合した絶縁回路基板において、導
体電極板の終端形状の半径が5μm以上の球状であるこ
とを特徴とする絶縁回路基板。 - 【請求項7】請求項6において、導体電極板の終端が折
りかえされていることを特徴とする絶縁回路基板。 - 【請求項8】絶縁基板の片面、あるいは両面に導体電極
板を接合材によって接合した絶縁回路基板において、導
体電極板と接合材の表面に導電体のコーティングを施
し、導電体のコーティングが絶縁基板および絶縁基板と
接合材の反応層に接合されていないことを特徴とする絶
縁回路基板。 - 【請求項9】絶縁基板の片面、あるいは両面に導体電極
板を接合材によって接合した絶縁回路基板において、絶
縁基板露出部分上面に絶縁基板と接合材の反応層が除去
されていることを特徴とする絶縁回路基板。 - 【請求項10】請求項1〜9に記載の絶縁回路基板をモ
ジュールの内部絶縁に使用した半導体装置。
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