JP2001102093A - 二次電池の劣化防止方法、並びにこの方法を実施するための充電器および電子機器 - Google Patents

二次電池の劣化防止方法、並びにこの方法を実施するための充電器および電子機器

Info

Publication number
JP2001102093A
JP2001102093A JP27839199A JP27839199A JP2001102093A JP 2001102093 A JP2001102093 A JP 2001102093A JP 27839199 A JP27839199 A JP 27839199A JP 27839199 A JP27839199 A JP 27839199A JP 2001102093 A JP2001102093 A JP 2001102093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
secondary battery
signal
cycle
negative electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27839199A
Other languages
English (en)
Inventor
Kensuke Yoshida
賢介 吉田
Tsutomu Miyashita
勉 宮下
Tamotsu Yamamoto
保 山本
Hiroshi Horiuchi
博志 堀内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP27839199A priority Critical patent/JP2001102093A/ja
Publication of JP2001102093A publication Critical patent/JP2001102093A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次電池を放置した場合に起こる放置劣化を
抑制することのできる二次電池の劣化防止方法を提供す
る。 【解決手段】 負極2にリチウムが用いられる二次電池
Bの劣化防止方法であって、二次電池Bの充放電が行わ
れていない休止時間trに、二次電池Bに対して交流信
号を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ノート型パーソ
ナルコンピュータや携帯用電子機器などの駆動用電源と
して用いられる二次電池の劣化防止方法、並びにこの方
法を実施するための充電器および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ノート型パーソナルコンピュ
ータや携帯型電話器などに収容され、それらの駆動用電
源として、充放電可能な二次電池が普及している。二次
電池の中には、負極にリチウム金属あるいはリチウム合
金を用いた非水電解液二次電池があり、これは比較的高
容量のため、小型軽量化に適した電池として活発に研究
がなされている。
【0003】リチウム二次電池は、放電時には、負極の
リチウムがリチウムイオンとなって電解液中を正極側に
移動する。また、充電時には、逆に正極からリチウムイ
オンが抜けてリチウムとして負極に析出する。このよう
に、リチウム二次電池では、負極のリチウムが溶解、析
出して、負極と正極との間でリチウムイオンのやりとり
が行われることにより電流が取り出される。
【0004】リチウムは、非常に活性なため、充電時に
負極表面においてデンドライトと呼称される樹枝状の析
出物が析出されることがよく知られている。このデンド
ライトによって、負極の表面積が大となり、リチウムと
電解液とが反応し易くなる。そのため、負極の表面が不
均一に溶解され、析出されたリチウムが完全に溶解する
ことができない場合がある。この現象は、リチウムの可
逆性を低くする要因となるものであり、上記リチウム二
次電池では、リチウムの可逆性の低さに起因して、サイ
クル寿命の低下や特性劣化を招いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−36803
号公報および特開平7−263031号公報には、上記
デンドライトの発生を抑制する方法として、充電時にお
いてオン、オフを交互に繰り返すパルス電流を供給する
ことにより充電を行う方法が開示されている。しかしな
がら、上記公報に記載の方法では、必要な充電量を得る
ために充電時間が長くなる欠点を有する。
【0006】また、リチウム二次電池における特性劣化
が起こる原因の一つに放置劣化がある。これは、二次電
池が充放電を行っていない時間、いわゆる休止時間(放
置時間)において、リチウムと電解液とが反応すること
によって、不可逆性のリチウム化合物が形成されること
により起こる現象である。上記放置劣化は、休止時間の
長短によってリチウムと電解液との反応の進行度が異な
り、それに伴って劣化の程度も異なる。つまり、休止時
間が長いほどリチウムと電解液との反応の進行度が大き
くなり、劣化も大きくなりリチウムのサイクル寿命の低
下をもたらす。しかしながら、上記した公報の記載の方
法では、このような放置劣化に対する処置は、何ら施さ
れておらず、上記サイクル寿命や放置劣化を十分改善す
るに至っていない。
【0007】
【発明の開示】本願発明は、上記した事情のもとで考え
出されたものであって、二次電池を放置した場合に起こ
る放置劣化を抑制することのできる二次電池の劣化防止
方法を提供することを、その課題とする。
【0008】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0009】本願発明の第1の側面によれば、負極にリ
チウムを用いる二次電池の劣化防止方法であって、二次
電池の充放電が行われていない休止時間に、二次電池に
対して交流信号を供給することを特徴とする、二次電池
の劣化防止方法が提供される。
【0010】ここで、劣化防止とは、リチウムと電解液
との反応による特性劣化の防止をいい、さらに、電池寿
命の低下を軽減することも含む概念である。
【0011】また、休止時間とは、二次電池の充放電が
行われていない時間、たとえば、充電器や充電可能な電
子機器などによる充電終了後(満充電されているか否か
は問わない)、負荷に対する電圧供給(放電)を開始す
るまでの時間をいう。
【0012】この劣化防止方法によれば、上記休止時間
において負極、正極間に交流信号を供給するようにすれ
ば、以下に述べるように、負極近傍において電解液成分
中のリチウムイオンが豊富な状態となると考えられ、そ
のため、電解液(有機溶媒)とリチウムとの反応を抑え
ることができ、放置劣化を抑制することができる。
【0013】すなわち、充放電反応中においては、負極
近傍では、負極での電気化学反応を進行させるために電
解液成分中のリチウムイオンやアニオンが豊富な状態と
なっている。そのため、リチウムと反応する有機溶媒の
占める割合が相対的に小さくなっており、有機溶媒とリ
チウムとの反応が抑制されている。そこで、本願発明で
は、二次電池の充放電が行われていない休止時間に、交
流信号を供給することによって、充電中の状態と放電中
の状態とを交互に再現させて、休止時間においても、充
放電中とほぼ同様な状態を強制的に作り出すようにして
いる。このようにすれば、有機溶媒とリチウムとの反応
を抑えることができ、放置したときに発生していたリチ
ウム化合物が形成される可能性を低くできるので、放置
劣化を抑制することができる。
【0014】なお、二次電池に対する交流信号は、間欠
的に、たとえば1分ごと、5分ごと、あるいは30分ご
とといった時間間隔をあけて、1回の供給時間を、たと
えば200msにして、供給するようにしてもよい。あ
るいは、二次電池に対して休止時間中に、交流信号を常
時、供給するようにしてもよい。
【0015】本願発明の第2の側面によれば、負極にリ
チウムが用いられる二次電池のための充電器であって、
二次電池に対して充電を行うための充電手段と、充電手
段による充電後、二次電池の充放電が行われていない休
止時間に、二次電池に対して交流信号を供給する交流信
号供給手段とを備えることを特徴とする、二次電池の充
電器が提供される。この充電器によれば、たとえば、二
次電池に対する充電が完了した時点で、即座に交流信号
を供給するようにすれば、放置劣化を未然に防止するこ
とができる。
【0016】本願発明の第3の側面によれば、負極にリ
チウムが用いられる二次電池を駆動用電源として用いる
電子機器であって、二次電池の充放電が行われていない
休止時間に、二次電池に対して交流信号を供給する交流
信号供給手段を備えることを特徴とする、電子機器が提
供される。ここで、電子機器とは、たとえばノート型の
パーソナルコンピュータや携帯型電話器などをいい、こ
のような電子機器に上記交流信号供給手段が備えられて
おれば、電子機器の使い勝手が向上され、利便性が高め
られる。
【0017】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0019】図1は、本願発明に係る劣化防止方法が適
用されるリチウム二次電池の構造を示す断面図である。
なお、同図では、いわゆるコイン型のリチウム二次電池
を示しているが、このコイン型以外に円筒形の二次電池
が用いられてもよい。
【0020】このコイン型リチウム二次電池は、たとえ
ば、LiCoO2 (コバルト酸リチウム)を活物質とす
る正極1と、たとえば、リチウム箔からなる負極2と、
これら正極1および負極2の間に介在された、たとえ
ば、ポリプロピレン製多孔質フィルムからなるセパレー
タ3とを含んでいる。
【0021】正極1は、たとえば、アルミニウム製の正
極集電体4上に形成されており、この正極集電体4は、
たとえば、ステンレス鋼製の正極缶5の内面に固着され
ている。同様に、負極2は、たとえば、ニッケル製の負
極集電体6上に形成されており、この負極集電体6は、
たとえば、ステンレス鋼製の負極缶7の内面に固着され
ている。
【0022】また、正極缶5と負極缶7との間に形成さ
れる空間内には、正極1と負極2との間でのリチウムイ
オンの移動を許容するための電解液が充填されている。
そして、正極缶5と負極缶7との間を、たとえば、ポリ
プロピレン製のパッキング8で封止して、二次電池を完
成している。なお、正極集電体4や負極集電体6を正極
缶5や負極缶7の内面に固着せず、集電体4,6と極缶
5,7との間に皿バネなどを介在させ、正極1、負極
2、セパレータ3、正極集電体4、および負極集電体6
の組を、正極缶5や負極缶7に押し付けるように構成し
てもよい。
【0023】正極1は、リチウムイオンを吸蔵および放
出可能な正極活物質と、正極の導電率を補う機能を有す
る導電剤と、正極活物質および導電剤を接着するための
結着剤とを含む合剤である。正極活物質としては、上述
したLiCoO2 の他に、LiNiO2 (ニッケル酸リ
チウム)、LiMnO2 (マンガン酸リチウム)、Li
Mn2 4 (スピネル)、V2 5 (五酸化バナジウ
ム)を例示できるが、これらに限定されるものではな
い。また、導電剤としては、アセチレンブラックやグラ
ファイトを用いることができるが、これらに限定される
ものではない。さらに、結着剤としては、たとえば、ポ
リフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、テフロン樹脂、
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体などを使用
できる。
【0024】負極2には、上述したリチウム箔以外に、
リチウム板やリチウム合金板(たとえば、リチウム−ア
ルミニウム合金、リチウム−錫合金、リチウム−鉛合
金)などを用いてもよい。
【0025】さらに、電解液としては、LiPF6 (六
フッ化リン酸リチウム)、LiBF 4 (四フッ化ホウ酸
リチウム)、LiClO4 (過塩素酸リチウム)などの
リチウムイオン導電性溶質を、プロピレンカーボネート
(PC)、テトラヒドロフラン(THF)、エチレンカ
ーボネート(EC)、1,2−ジメトキシエタン(DM
E)、ジエチルカーボネート(DEC)、2−メチル−
テトラヒドロフラン(2−MeTHF)、ジメチルカー
ボネート(DMC)などの有機溶媒に溶かして調製され
た非水電解液を用いることができる。
【0026】次に、本発明の劣化防止方法を実施するた
めの充電器の好適な実施形態について説明する。図2
は、この実施形態に係る充電器の電気的構成を示すブロ
ック図である。なお、同図では、劣化防止方法を実施す
るための構成部分を示し、充電を行う公知の構成部分に
ついては省略している。
【0027】この充電器は、交流信号を発生させる交流
信号発生部11と、電池Bに対する交流信号の供給を切
り替える切替部12と、電池Bに対する交流信号の供給
間隔を計時するためのタイマ13と、タイマ13による
計時により切替部12の動作を制御する制御部14とを
備えている。
【0028】交流信号発生部11は、たとえば、ウィー
ン・ブリッジ型発振回路などによって構成され、たとえ
ば、周波数が120Hz、電流振幅値が1mAの正弦波
信号である交流信号を発生させる。発生された正弦波信
号は、切替部12の切替状態に応じて電池Bに供給され
る。
【0029】切替部12は、電池Bに対する交流信号の
供給を遮断または許容することが可能なアナログスイッ
チからなり、制御部14からの制御信号に基づいてオ
ン、オフされる。切替部12のスイッチがオンに制御さ
れた場合、交流信号発生部11から発生された交流信号
は切替部12を介して電池に供給される。一方、スイッ
チがオフに制御された場合、交流信号は切替部12にお
いて遮断される。
【0030】タイマ13は、予め設定された交流信号の
供給間隔を計時するためのものであり、たとえば、1分
といった供給間隔を計時した場合、制御部14に対して
その旨の信号を送る。なお、このタイマ13は、たとえ
ば、制御部14による制御により、供給間隔をたとえば
5分あるいは30分といった時間に、設定変更できるも
のであることが望ましい。
【0031】制御部14は、たとえば、1チップのマイ
クロコンピュータからなり、タイマ13からの計時時間
に基づいて、切替部12がオンするタイミングを制御す
る。すなわち、タイマ13から計時信号が送られると、
制御部14は、切替部12に対してオン信号を送る。次
いで、予め定める交流信号の供給時間(たとえば200
mS)を経過した後、切替部12に対してオフ信号を送
る。そして、タイマ13から次の計時信号が送られるま
で待機する。
【0032】なお、上記充電器における他の構成とし
て、たとえば、切替部12を削除し、交流信号発生部1
1に通常与えられる電源電圧を制御部14によってオ
ン、オフすることにより、交流信号発生部11から電池
Bに供給される交流信号を制御するようにしてもよい。
【0033】本発明によれば、上記充電器によって、二
次電池の充放電が行われていない時間、いわゆる休止時
間に、電池Bに対して交流信号を供給する。好適な実施
形態では、交流信号の供給は、間欠的に行われる。すな
わち、休止時間において、上記タイマ13に設定された
時間間隔、たとえば、1分ごと、5分ごと、または30
分ごとといった時間間隔をあけて交流信号が電池Bに供
給される。交流信号を供給する時間間隔としては、上記
の値に限らず、たとえば2時間ごとでもよく、あるいは
常時供給するようにしてもよい。なお、一回の供給時間
は、たとえば200msとされ、交流信号の周波数とし
ては、10Hz〜10kHzの間の値に設定され、特
に、周波数の値が120Hzの場合、リチウムの可逆性
を向上させる上で好適である。
【0034】このように、休止時間(放置時間)に二次
電池に対して交流信号を与えるようにすれば、二次電池
の負極側の近傍では、交流信号がプラス側にある期間に
おいては、負極のリチウムがリチウムイオンとなる状
態、すなわち放電している状態とほぼ同様な状態にな
る。一方、交流信号がマイナス側にある期間において
は、負極にリチウムが析出する状態、すなわち充電して
いる状態とほぼ同様の状態になる。したがって、休止時
間に交流信号を供給すれば、負極側近傍では、電解液成
分中のリチウムイオンが豊富な状態となり、リチウムと
反応する有機溶媒の占める割合が相対的に小さくなると
考えられる。そのため、有機溶媒とリチウムとの反応を
抑えることができ、放置劣化を抑制することができるの
で、寿命の長い二次電池を提供することができる。
【0035】なお、上記劣化防止方法を実施するための
構成は、上記のように充電器に組み込まれてもよいし、
たとえばノート型のパーソナルコンピュータや携帯型電
話器などの電子機器に組み込まれるようにしてもよい。
この場合、充電器や電子機器では、これらによる二次電
池の充電が終了した時点で、交流信号の供給が自動また
は手動で開始される構成とされてもよい。これによれ
ば、二次電池の放置劣化を未然に防止することができる
とともに、充電器や電子機器の使い勝手が向上し、それ
らの利便性を高めることができる。
【0036】次に、本発明の実施例について比較例とと
もに説明する。なお、本実施例では、リチウム二次電池
の充放電効率(後述)などを試験するために、図3に示
す構成のコイン型リチウム二次電池を作成し、下記の試
験結果を得た。同図に示す構成では、正極集電体4を正
極缶5の内面に固着せず、正極集電体4と正極缶5との
間に板バネ9を介在させ、正極1(対極)、負極2(作
用極)、セパレータ3、および正極集電体4の組を、正
極缶5に押し付けるようにしている。また、図中、10
はガスケットを示す。ここでは、説明の便宜上、負極を
作用極と、正極を対極ということにする。
【0037】
【実施例1】本実施例においては、以下に特定する、作
用極2、対極1、セパレータ3および非水電解液を用い
て、図3に示す構成を有するコイン型リチウム二次電池
を作成し、後述する条件にて二次電池の放置劣化に関す
る試験を行った。
【0038】(作用極)厚さ70μmのリチウム箔を用
いた。
【0039】(対極)厚さ500μmのリチウム箔を用
いた。ここで、対極1にリチウムを用いた理由は、後述
する充放電特性において、サイクルごとの条件を同じに
するためであり、すなわち、対極1から作用極2にリチ
ウムを補給して、リチウムの析出量をサイクルごとに一
定にする必要があるためであり、本試験において特別に
採用する構成である。
【0040】(電解液)六フッ化リン酸リチウムを電解
質とし、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート
の有機溶媒を体積比1:2で混合した溶媒中に1モル/
lの割合で溶解したものを用いた。
【0041】(試験)上記の材料を用いたコインセルを
水分率100ppm以下の乾燥雰囲気下で組み立て、図
2に示す充電器に接続し、次のような条件で二次電池の
放置劣化に関する試験を行った。
【0042】まず、図4および表1に示すように、充電
時間tcとして120分の間充電を行った。この場合、
電流密度は2mA/cm2 に設定した。充電時間tc経
過後、休止時間trとして180分の間、交流信号の供
給間隔tiを1分に設定し、周波数120Hz、電流振
幅1mAの交流信号を供給した。なお、1回の供給にお
ける供給時間は、200msとした。休止時間tr経過
後、放電時間tdとして120分の間放電を行った。こ
の場合も、電流密度は2mA/cm2 に設定した。放電
時間td経過後、休止時間trとして180分の間、上
記と同じ条件で交流信号を供給した。ここまでの工程を
1サイクルとし、その後、休止時間trを挟んで、充放
電を繰り返しつつ、休止時間trにおいて交流信号を供
給し、数サイクル実施した。
【0043】
【表1】
【0044】上記の方法において、サイクルごとに作用
極2におけるリチウムの「充放電効率」および放電時の
「放電平均電圧」を測定した。ここで、「充放電効率」
とは、作用極2に析出したリチウム量に対し、どれくら
いの量が溶解したかを百分率で示したものである。具体
的な算出方法としては、周知のとおり、図5に示すよう
に、充放電サイクルにおける放電時において、全体放電
時間t1 と、放電電圧においてその電圧に挙動が生じる
までの時間t2 との割合(t2 /t1 )を算出したもの
である。また、「放電平均電圧」とは、放電時の、すな
わち、作用極2におけるリチウムが溶解するときの平均
電圧を示したものである。
【0045】上記方法において、「充放電効率」は、表
2に示すとおり、1サイクル目は92%、2サイクル目
は92%、3サイクル目は92%、4サイクル目は93
%であった。また、「放電平均電圧」は、1サイクル目
は0.06V、2サイクル目は0.06V、3サイクル
目は0.06V、4サイクル目は0.05Vであった。
【0046】
【表2】
【0047】
【実施例2】本実施例においては、実施例1と同様の構
成のコイン型リチウム二次電池を用いて、二次電池の放
置劣化に関する試験を行った。実施例1と異なる点は、
休止時間trにおける交流信号の供給間隔tiを5分と
したことである。
【0048】また、本実施例においても、実施例1と同
様に「充放電効率」および「放電平均電圧」を測定した
ところ、表2に示すように、「充放電効率」は、1サイ
クル目は92%、2サイクル目は91%、3サイクル目
は92%、4サイクル目は92%であった。また、「放
電平均電圧」は、1サイクル目は0.06V、2サイク
ル目は0.06V、3サイクル目は0.06V、4サイ
クル目は0.05Vであった。
【0049】
【実施例3】本実施例においては、実施例1と同様の構
成のコイン型リチウム二次電池を用いて、二次電池の放
置劣化に関する試験を行った。実施例1と異なる点は、
休止時間trにおける交流信号の供給間隔tiを30分
としたことである。
【0050】また、本実施例においても、実施例1と同
様に「充放電効率」および「放電平均電圧」を測定した
ところ、表1に示すように、「充放電効率」は、1サイ
クル目は89%、2サイクル目は91%、3サイクル目
は91%、4サイクル目は92%であった。また、「放
電平均電圧」は、1サイクル目は0.06V、2サイク
ル目は0.06V、3サイクル目は0.06V、4サイ
クル目は0.05Vであった。
【0051】
【比較例1】本発明の劣化防止方法を従来の方法と比較
するために、実施例1と同様の構成のコイン型リチウム
二次電池を用いて、二次電池の放置劣化に関する試験を
行った。実施例1と異なる点は、休止時間trにおける
交流信号の供給を行わないようにしたことである。
【0052】また、本比較例1においても実施例1と同
様に「充放電効率」および「放電平均電圧」を測定した
ところ、表1に示すように、「充放電効率」は、1サイ
クル目は88%、2サイクル目は88%、3サイクル目
は90%、4サイクル目は90%であった。また、「放
電平均電圧」は、1サイクル目は0.06V、2サイク
ル目は0.06V、3サイクル目は0.06V、4サイ
クル目は0.05Vであった。
【0053】本比較例1と実施例1,2,3と比較する
と、「充放電効率」は、実施例1,2,3が比較例1よ
り値が高くなっており、すなわち、作用極2におけるリ
チウムの可逆性が向上した結果となった。また、実施例
1,2,3同士で比較すると、供給間隔が30分ごとよ
り5分ごとが、5分ごとより1分ごとが、「充放電効
率」の値は全体的にわずかではあるが高くなっており、
短時間ごとに交流信号を供給した方が、リチウムの可逆
性について向上することがわかる。一方、「放電平均電
圧」は、実施例1,2,3、および比較例1とも値は変
わらなかったが、実施例1,2,3、および比較例1と
も、4サイクル目でわずかながら値が低下していた。こ
れは、作用極2におけるリチウムの表面積が増えたた
め、抵抗値が小さくなって電圧値が小さくなった(この
場合、電流は一定である)ためと推測されるが、二次電
池としての性能が落ちたことを示すものではないと考え
る。
【0054】
【実施例4】本実施例においては、実施例1と同様の構
成のコイン型リチウム二次電池を用いて、二次電池の放
置劣化に関する試験を、表3に示す条件において行っ
た。実施例1と異なる点は、有機溶媒をジメチルカーボ
ネートからジエチルカーボネートに変え、エチレンカー
ボネート、ジエチルカーボネートを体積比1:1で混合
した溶媒中に1モル/lの割合で溶解したものを用いた
ことである。
【0055】
【表3】
【0056】また、本実施例においても、実施例1と同
様に「充放電効率」および「放電平均電圧」を測定した
ところ、表4に示すように、「充放電効率」は、1サイ
クル目は94%、2サイクル目は94%、3サイクル目
は94%、4サイクル目は94%であった。また、「放
電平均電圧」は、1サイクル目は0.07V、2サイク
ル目は0.06V、3サイクル目は0.06V、4サイ
クル目は0.06Vであった。
【0057】
【表4】
【0058】
【比較例2】本発明の劣化防止方法を従来の方法と比較
するために、実施例4と同様の構成のコイン型リチウム
二次電池を用いて、二次電池の放置劣化に関する試験を
行った。実施例4と異なる点は、休止時間trにおける
交流信号の供給を行わないようにしたことである。
【0059】また、本比較例1においても実施例4と同
様に「充放電効率」および「放電平均電圧」を測定した
ところ、表4に示すように、「充放電効率」は、1サイ
クル目は92%、2サイクル目は93%、3サイクル目
は93%、4サイクル目は93%であった。また、「放
電平均電圧」は、1サイクル目は0.16V、2サイク
ル目は0.1V、3サイクル目は0.1V、4サイクル
目は0.1Vであった。
【0060】実施例4と実施例1,2,3とを比較する
と、有機溶媒にジメチルカーボネートを用いた実施例4
および比較例2の「充放電効率」は、実施例1,2,3
および比較例1のそれより高い値を示した。これは、溶
媒成分をジメチルカーボネートからジエチルカーボネー
トに変えたことで、リチウム析出時のデンドライトの形
状が変化し、リチウムの可逆性が変化したことを示して
いると思われる。一方、「放電平均電圧」は、実施例4
と比較例2とを比べると、0.04Vの差が示され、特
に1サイクル目においては、0.09Vの差が示され
た。これは、比較例2が実施例4に比べ、リチウムと電
解液との反応がより顕著であった結果によるものと思わ
れる。
【0061】もちろん、この発明の範囲は上述した実施
の形態に限定されるものではない。たとえば、交流信号
が供給される時間間隔は、上述した時間間隔に限るもの
ではない。また、交流信号の供給時間も、上述した供給
時間に限るものではない。
【0062】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明では、二
次電池の充放電が行われない休止時間における二次電池
の放置劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る劣化防止方法が適用されるリチ
ウム二次電池の構造を示す断面図である。
【図2】充電器の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】試験に用いたリチウム二次電池の構成を示す図
である。
【図4】充放電および交流信号の供給間隔と時間との関
係を示した図である。
【図5】充放電効率を算出する場合の充放電サイクルを
示した図である。
【符号の説明】
11 交流信号発生部 13 タイマ 14 制御部 B 電池 tr 休止時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 保 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 堀内 博志 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5G003 AA01 BA01 CB09 DA04 DA12 5H029 AJ04 AJ07 AK03 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ03 BJ12 BJ21 5H030 AA01 AS11 BB18 BB27 DD01 DD20 FF52

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極にリチウムが用いられる二次電池の
    劣化防止方法であって、 上記二次電池の充放電が行われていない休止時間に、上
    記二次電池に対して交流信号を供給することを特徴とす
    る、二次電池の劣化防止方法。
  2. 【請求項2】 負極にリチウムが用いられる二次電池の
    ための充電器であって、 上記二次電池に対して充電を行うための充電手段と、 上記充電手段による充電後、上記二次電池の充放電が行
    われていない休止時間に、上記二次電池に対して交流信
    号を供給する交流信号供給手段とを備えることを特徴と
    する、二次電池の充電器。
  3. 【請求項3】 負極にリチウムが用いられる二次電池を
    駆動用電源として用いる電子機器であって、 上記二次電池の充放電が行われていない休止時間に、上
    記二次電池に対して交流信号を供給する交流信号供給手
    段を備えることを特徴とする、電子機器。
JP27839199A 1999-09-30 1999-09-30 二次電池の劣化防止方法、並びにこの方法を実施するための充電器および電子機器 Withdrawn JP2001102093A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27839199A JP2001102093A (ja) 1999-09-30 1999-09-30 二次電池の劣化防止方法、並びにこの方法を実施するための充電器および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27839199A JP2001102093A (ja) 1999-09-30 1999-09-30 二次電池の劣化防止方法、並びにこの方法を実施するための充電器および電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001102093A true JP2001102093A (ja) 2001-04-13

Family

ID=17596699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27839199A Withdrawn JP2001102093A (ja) 1999-09-30 1999-09-30 二次電池の劣化防止方法、並びにこの方法を実施するための充電器および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001102093A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003518713A (ja) * 1999-12-21 2003-06-10 モルテック・コーポレーション リチウム‐硫黄バッテリーを充電する方法
JP2009181907A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Toyota Motor Corp リチウムイオン二次電池の充電方法及び充電システム
WO2015162877A1 (ja) * 2014-04-24 2015-10-29 日本電気株式会社 リチウムイオン二次電池システム及びリチウム二次電池システムの運転方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003518713A (ja) * 1999-12-21 2003-06-10 モルテック・コーポレーション リチウム‐硫黄バッテリーを充電する方法
JP4801304B2 (ja) * 1999-12-21 2011-10-26 シオン・パワー・コーポレーション リチウム‐硫黄バッテリーを充電する方法
JP2009181907A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Toyota Motor Corp リチウムイオン二次電池の充電方法及び充電システム
WO2015162877A1 (ja) * 2014-04-24 2015-10-29 日本電気株式会社 リチウムイオン二次電池システム及びリチウム二次電池システムの運転方法
JPWO2015162877A1 (ja) * 2014-04-24 2017-04-13 日本電気株式会社 リチウムイオン二次電池システム及びリチウム二次電池システムの運転方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0948075B1 (en) Method for managing charge/discharge of secondary battery
JPWO2011033700A1 (ja) 非水電解質二次電池の充電方法及び充電装置
JP4949905B2 (ja) 非水電解液二次電池
RU2330354C1 (ru) Неводный электролит, содержащий оксианион, и литиевая аккумуляторная батарея, в которой он применяется
JP2010040198A (ja) 二次電池充放電装置、電気機器、二次電池充放電方法及び二次電池充放電プログラム
CN114665169A (zh) 对锂离子电池进行活性恢复的方法以及锂离子电池
JPH11204148A (ja) 非水電解液二次電池の放電容量回復方法とそのための回路
JP3558523B2 (ja) 非水系二次電池の充電方法
JP2004213902A (ja) 電池の充電装置、及び電池の充電方法
WO2003021707A1 (en) Nonaqueous electrolyte
JPH06196169A (ja) 非水電解液二次電池
JP2000113909A (ja) リチウム二次電池の保管方法
JP2010140737A (ja) 非水電解質二次電池
JP2017188305A (ja) リチウムイオン二次電池の出力評価方法
JP5122899B2 (ja) 放電制御装置
JP2007157496A (ja) 電極及び二次電池
JP2004087226A (ja) リチウム二次電池
JP2009158142A (ja) 非水電解質二次電池の充電方法
WO2000042673A1 (en) Method for charging secondary cell and charger
JPWO2003036751A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP2001102093A (ja) 二次電池の劣化防止方法、並びにこの方法を実施するための充電器および電子機器
JPH06349524A (ja) 二次電池
JPH1140199A (ja) リチウム二次電池
JP2000133320A (ja) リチウムイオン二次電池の充電方法
JP2730641B2 (ja) リチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061205