JP2009181907A - リチウムイオン二次電池の充電方法及び充電システム - Google Patents

リチウムイオン二次電池の充電方法及び充電システム Download PDF

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Abstract

【課題】所定の電流値以上の大電流で急速充電を行っても、負極電位をリチウム析出電位以下に低下させずに充電可能なリチウムイオン二次電池の充電方法と充電システムを提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池の充電処理を5C以上の充電レートで行う際、該充電処理開始前に一時的なフラッシュ放電処理を行って該電池の負極電位を一旦上昇させておき、前記充電レートでの充電処理中の前記負極電位を、常にリチウムの析出する電位を上回った状態に維持する。このような充電方法は、例えば、5C以上の充電レートでリチウムイオン二次電池10を充電する充電装置20と、前記リチウムイオン二次電池10を放電させ得る放電回路30と、該充電装置20及び放電回路30のそれぞれに電気的に接続される制御装置40とを備えたシステム1によって実施することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池を比較的大電流(すなわちハイ充電レート)で急速充電する方法、及び充電システムに関する。
近年、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池その他の二次電池は、車両搭載用電源、或いはパソコン及び携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく利用できるものとして期待されている。
リチウムイオン二次電池では、正極活物質からなる正極と負極活物質からなる負極との間で、リチウムイオンを授受することで充放電が行われる。すなわち、充電時にはリチウムが正極活物質から引き抜かれ、リチウムイオンとして電解液(電解質)中に放出される。充電時には該リチウムイオンは負極側に設けられた負極活物質の構造内に入り、ここで正極活物質から外部回路を通ってきた電子を得て、吸蔵される。したがって、充電時の負極電位は、カソード分極されて低下していく。放電時はこの逆であって、負極活物質からリチウムがリチウムイオンとして電解液中に放出され、正極活物質の構造内に入る。したがって、放電時の負極電位は、アノード分極されて上昇していく。充電及び放電の終了は、正極及び負極の電位差(すなわち、該電池の電圧)が所定値に到達した時点で決まる。この所定値の電位差を、それぞれ充電終止電圧、放電終止電圧という。
リチウムイオン二次電池を高出力電源として、自動車等の車両に搭載した場合、該リチウムイオン二次電池の充放電は、例えば数十アンペア(A)以上の大電流(すなわち5C程度以上のハイ充電レート)でかつ急速に実施されることが望ましい。例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の車両では、典型的には回生ブレーキが採用されており、停止時(ブレーキを踏むとき)の短時間(例えば10秒間以下)に電池の充電が行われる。したがって、これらの車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、大電流かつ急速充電可能であることが特に望ましい。
従来のリチウムイオン二次電池では、大電流での充電を行うと充電容量が低下する虞がある。この解決策として、例えば特許文献1では、所定の充電レート以上で充電する際、通電と休止を繰り返して間欠的な通電を行い、実効容量を増加させる方法が開示されている。
特開2004−171864号公報
従来のリチウムイオン二次電池を大電流で充電する(急速充電する)際に充電容量が低下するのは、IRドロップによる負極電位の低下に加えて、リチウムイオンが負極活物質表面に集中して吸蔵される結果、負極活物質表面近傍の電位で決定される負極電位が該負極活物質の平均電位よりも低下して、通常の充電よりも早く充電終止電圧に到達することが原因と考えられる。
負極電位の低下を考えるならば、該負極電位が低下してリチウム析出電位(リチウムの酸化還元電位)を下回り、リチウムイオンの一部が負極でリチウムとして析出した結果、正負極間で授受されるリチウムイオンが減少することも、上記充電容量の低下の一因であると考えられる。しかし、特許文献1では、負極電位の低下に伴うリチウムの析出については考慮されていない。
そこで本発明は、上記リチウムイオン二次電池の問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、所定の充電レート以上で急速充電を行っても、負極電位をリチウム析出電位以下に低下させずに充電可能なリチウムイオン二次電池の充電方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、このような充電方法を実施できるシステムを提供することである。
上記目的を実現するべく本発明によってリチウムイオン二次電池の充電方法が提供される。このリチウムイオン二次電池の充電方法では、該リチウムイオン二次電池の充電処理を5C以上の充電レートで行う際、該充電処理開始前に一時的なフラッシュ放電処理(典型的には10s以下、好ましくは1s以下のような極短時間の放電処理をいう。)を行って該電池の負極電位を一旦上昇させておき、前記充電レートでの充電処理中の前記負極電位を、常にリチウムの析出する電位を上回った状態に維持する。
なお、充電(放電)レートに関して「C」とは、電池の全容量を充電(放電)する際の速さ、すなわち充(放)電率をいう。例えば充電レートに関して1Cとは電池を1時間で満充電状態(SOC100%)とする電流値で表すことができる。
リチウムイオン二次電池における充電時の負極電位は、カソード分極されて充電処理の進行に伴って低下していく。低速充電では、充電処理により正極から放出されたリチウムイオンは、負極活物質(例えば層状の黒鉛)の構造内部にまで挿入されて吸蔵されていく。しかし、例えば充電時間が10秒間(10s)以下のような短時間で急速充電を実施する際には、上記リチウムイオンは、上記負極活物質の表面近傍に一気に集中して吸蔵される可能性が高い。これにより、負極電位が急降下してリチウムの析出する電位以下にまで達し、上記リチウムイオンの一部が負極(負極活物質)表面でリチウムとして析出する虞がある。
かかるハイ充電レートでの充電方法では、充電処理開始前に上記フラッシュ放電処理を行って、負極電位を該放電処理前の負極電位よりも一旦上昇させておく。このことによって、上記充電処理が進行して上記負極電位が低下しても、該負極電位はリチウムの析出する電位を常に上回った状態に維持できるので、正負極間で授受されるリチウムイオンの一部が負極表面で析出するのを防止し得る。この結果、リチウムイオン二次電池を大電流で急速充電しても、正負極間で授受されるリチウムイオンの減少による充電容量の低下を防止し得る。
ここに開示される充電方法の好ましい一態様では、前記充電処理は10C以上30C以下の充電レートで行われる。特に好ましくは15C〜20Cで行われる。
このような高電流値(ハイ充電レート)でリチウムイオン二次電池を充電すると、該電池の負極電位がリチウム析出電位以下に達する可能性が高くなるところ、本発明に係る充電方法を用いることにより、該電池の負極電位がリチウム析出電位以下に達するのを防止し、好適な充電を行うことができる。
ここに開示される充電方法の別の好ましい一態様では、前記充電処理開始前のフラッシュ放電処理は、前記充電処理における充電レートと同じかそれ以上のレートで少なくとも0.1秒間(0.1s)行われる。
かかる場合には、リチウムイオン二次電池を充電しても、負極電位がリチウム析出電位以下に低下せず、負極表面へのリチウム析出を防止し得る効果が高まる。これに加えて、かかる放電処理を0.1秒間(0.1s)以上実施することによって、リチウムイオン二次電池の充放電サイクル後の容量低下が軽減されて、該リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
また、本発明は上記目的を実現するべく、リチウムイオン二次電池を充電するシステムを提供する。
この充電システムは、前記リチウムイオン二次電池を充電する充電装置と、前記充電レートと同じかそれ以上のハイレートで前記リチウムイオン二次電池を放電させ得る放電回路と、前記充電装置、及び前記放電回路のそれぞれに電気的に接続される制御装置と、を備える。そして、かかる制御装置は、前記充電装置により前記リチウムイオン二次電池の前記充電処理が行われる際、該充電処理開始前に当該リチウムイオン二次電池について前記放電回路による一時的なフラッシュ放電処理を行って該電池の負極電位を一旦上昇させるように構成されている。
ここに開示される充電システムは、上記構成の制御装置を充電装置(例えば電気自動車やハイブリッド自動車のような車両における回生ブレーキを包含する充電装置)、及び前記放電回路のそれぞれに電気的に接続した状態で設けることによって、前記リチウムイオン二次電池における充電処理開始前のフラッシュ放電処理を好適に行うことができる。かかる構成のシステムは、比較的満充電に近い(例えばSOC70%以上の)リチウムイオン二次電池に対して特に好適に採用され、該リチウムイオン二次電池に対して適切な通電処理(所定電流値以上での充電処理、及び該充電処理前の短時間のフラッシュ放電処理)を実施することができる。したがって、このようなシステムは、例えば上述したいずれかの充電方法を実施するためのシステムとして好適に採用され得る。
好ましくは、前記充電処理は10C以上30C以下の充電レートで行われ得るように構成されている。
また、好ましくは、前記制御装置は、前記充電処理開始前に、前記充電レートと同じかそれ以上のハイレートで少なくとも0.1秒間のフラッシュ放電処理が行われ得るように構成されている。
さらに好ましくは、前記制御装置は、前記リチウムイオン二次電池の負極電位を測定する電位測定手段と、測定される負極電位を判定する電位判定手段と、測定される負極電位を判定する電位判定手段と、を備えている。
かかる構成のシステムによると、対象とするリチウムイオン二次電池の負極電位を適切に測定し、フラッシュ放電処理の効果をより良く奏することができる。すなわち、所定のハイ充電レートで充電する際に負極電位がリチウム析出電位を下回ることをより確実に防止することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の充電方法は、対象とするリチウムイオン二次電池に対して、例えば5C以上、好ましくは10C以上、30C以下のハイ充電レートで、10s程度又はそれ以下の短時間のうちに充電処理を行う際に、この充電レートと同じか又はそれ以上のハイレート条件で、例えば0.1s以上10s以下の一時的なフラッシュ放電処理を上記充電処理前に行うものである。
上記のようなハイ充電レートで急速充電を実施すると、対象とするリチウムイオン二次電池の充電容量が低下する虞がある。該充電容量低下の原因として、上記電池の負極電位がリチウム析出電位を下回り、負極表面に金属リチウムが析出することが挙げられる。
かかる方法によれば、充電処理前にフラッシュ放電処理を実施することで、上記リチウムイオン二次電池における充電処理開始時の負極電位が、上記フラッシュ放電処理の分だけ上昇する。このため、上記充電処理を行って上記負極電位が低下しても、該負極電位がリチウム析出電位を上回り、負極表面への金属リチウムの析出は防止され得る。好ましくは、フラッシュ放電処理の放電レートを少なくとも充電レートと同じであるか或いはそれ以上のハイレートに設定する。このようなレート設定により、負極電位を瞬時のフラッシュ放電処理によって容易に上昇させることができる。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池の充電方法は、5C以上の充電レートで上記リチウムイオン二次電池を充電し得る充電装置(充電回路)と、当該リチウムイオン二次電池を放電させ得る放電回路と、上記充電装置及び上記放電回路のそれぞれに電気的に接続される制御装置とを備えるシステムによって実施することができる。
このような方法に使用できる充電装置(充電回路)としては、従来の二次電池のハイレート充電を実施し得る装置であれば特に限定はなく、種々の回路構成をとることができる。例えば、車載用二次電池を走行中にハイレート充電する回生ブレーキ機構は、本システムを構築するための充電装置として好ましい。
また、放電回路は、目的のリチウムイオン二次電池と必要時に接続され、ハイレートで短時間に放電が行える高負荷を備えた回路が望ましい。
また、制御装置は、一般的な制御システムにおいて構成(典型的にはCPU等からなる演算部やHDD等からなる記憶部を備えるコントロールユニット)され得る制御装置でよく、所定のプログラムにより所望する制御を行うことができる。好ましくは上記リチウムイオン二次電池の負極電位を測定する電位測定手段と、測定される負極電位を判定する電位判定手段とを備える。
ここに開示される充電方法及び/又は充電システムの適用対象となり得るリチウムイオン二次電池は、車載用電池のようなハイ充電レートで急速充電され得るリチウムイオン二次電池であれば良く、特に、充電時に負極電位が低下してリチウム析出電位を下回り得るリチウムイオン二次電池が充電対象として好ましい。さらに、満充電に近い電池容量(例えばSOC70%以上)の状態であって、負極電位が既にリチウム析出電位に近い状態のリチウムイオン二次電池をハイレート充電する目的に好適である。このような使用形態のリチウムイオン二次電池としては、例えば車両搭載用バッテリーが挙げられるが、これらの用途に限定されるものではない。携帯電話用電池、ノートパソコン等の携帯端末電源用電池にも適用し得る。特に好ましくは、回生ブレーキ機構を充電装置とするハイブリッド自動車や電気自動車のような車両搭載用バッテリーとして用いられ得るリチウムイオン二次電池である。このような車両搭載用リチウムイオン二次電池はブレーキを踏むことで充電され、該充電が不定期かつ瞬時に行われるため、本発明の充電方法が好適に適用される。
適用対象となり得る上記リチウムイオン二次電池の形状(コイン型、円筒型、角型等)、電極構造(捲回型、積層型等)、大きさ等は特に制限されない。
また、上記リチウムイオン二次電池として、典型的には、正極活物質としてリチウムと遷移金属を構成元素とするリチウム複合酸化物を内在し、リチウムイオンの挿脱が比較的スムーズに行われる炭素材料が負極活物質に用いられる構成のリチウムイオン二次電池が好適に適用され得る。
リチウムイオン二次電池における正極活物質として、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる化合物の1種、又は2種以上を特に限定なく使用することができる。好適例として、コバルト酸リチウム(LiCoO)等のリチウム−コバルト系複合酸化物、ニッケル酸リチウム(LiNiO)等のリチウム−ニッケル系複合酸化物、又はマンガン酸リチウム(LiMn)等のリチウム‐マンガン系複合酸化物が挙げられる。また、ニッケルの一部がコバルト等の少なくとも1種以上の金属元素で置換されたリチウム−ニッケル系複合酸化物でもよい。
上記正極活物質には、上記のリチウム複合酸化物に加え、電子伝導性を向上させるための導電材(例えばアセチレンブラック)、結着材或いは増粘材としてのポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース等のバインダが含まれる。これらの混合物に溶剤又は水が溶媒として加えられ、混練されて正極ペーストが調製される。得られた正極ペーストが正極集電体の表面に均一に塗布されて、正極集電体表面上に正極活物質層が形成された正極の電極体(正極シート)が作られる。なお、この正極シートの正極集電体には、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属からなるシート材(好ましくはアルミニウム箔)が使用される。
一方、負極の電極体については、正極と同様にして、負極活物質がペースト状に調製され、得られた負極ペーストが負極集電体の表面に均一に塗布されることで、負極集電体表面上に負極活物質層が形成された負極の電極体(負極シート)が作製される。
ここで、負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の1種又は2種を特に限定なく使用することができる。グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料が好ましい。上記負極活物質には、上記の炭素系材料等の主成分に加え、スチレンブタジエンラバー、カルボキシメチルセルロース等のバインダが含まれる。これらの混合物も溶剤又は水が添加されて、上記負極ペーストに調製される。また、負極集電体には、銅等の金属からなるシート材(銅箔)が使用される。
上記リチウムイオン二次電池の構築(組立て)方法は、従来の構築方法と同様でよく、特に制限はない。一例を示せば、正極シート及び負極シートを、シート状のセパレータ(例えば多孔質ポリオレフィン系樹脂製)を間に挟みながら、積層状に重ね合わせ、これを捲回することによって捲回電極体を作製する。正極シートにおいて活物質層が塗布されずに正極集電体が露出している部分(典型的には上記捲回電極体の軸方向に沿った一方の端部)に、正極集電体と同一素材(アルミニウム)からなる正極集電端子を付設する。負極シートも同様にして負極集電体と同一素材(銅)からなる負極集電端子を付設する。
正極及び負極の各集電端子が付設された捲回電極体を、少なくとも一方が開口した金属製(例えばアルミニウム)の電池容器に収容する。上記電池容器内に電解液を注ぎ入れる。最後に電池容器の開口部を蓋体で溶接等により閉塞する。上記電解液の注入については、例えば、上記蓋体が注液孔を備えた構成であれば、該蓋体の閉塞後に注液し、注液孔を封じてもよい。
上記リチウムイオン二次電池が備える電解液については、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水系電解液等であればよく、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート等の非水溶媒に、フッ素を構成元素とする各種リチウム塩(例えば六フッ化リン酸リチウム;LiPF)の電解質を溶解した電解液が挙げられる。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池の充電方法の好ましい一態様では、適用対象のリチウムイオン二次電池を、典型的には5C以上の充電レートで充電される。車載搭載用リチウムイオン二次電池の場合は、好ましくは10C以上、30C以下の充電レートで充電する。すなわち、電池容量が例えば5アンペアアワー(Ah)のリチウムイオン二次電池の場合には、25A以上、好ましくは50A以上、150A以下の大電流で充電することが好ましい。また、上記充電処理は、上記充電レートで10s程度又はそれ以下、好ましくは0.1s以上1.0s以下という短い充電時間で行うことも可能である。
ここに開示される方法では、上記リチウムイオン二次電池に対して、上記充電処理開始前に、好ましくは上記充電レートと同じかそれ以上のハイレートの放電レート条件でフラッシュ放電処理を行う。フラッシュ放電処理とは、典型的には10s以下の極短時間の一時的な放電処理をいう。該フラッシュ放電処理の好ましい実施時間(放電時間)は、例えば20Cの充電レートで10s程度の充電時間で上記充電処理を行った際には、上記フラッシュ放電処理を20Cの放電レートで少なくとも0.1sの実施時間であればよい。これにより、上記リチウムイオン二次電池の充放電サイクル(例えば、100サイクル)後の容量低下が軽減されて、該リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
次に、本発明の充電方法を効果的に実施し得る充電システムの好ましい一例について、図1を参照しつつ説明する。図1は、リチウムイオン二次電池の充電システム1の概略構成を示す説明図である。
ここでは、上記充電システムの好適な一実施形態として、駆動輪の回転を利用してモーターで電力を発生させるいわゆる回生ブレーキ機構をバッテリーの充電装置として包含する車両(ハイブリッド自動車等)に搭載された車両搭載用バッテリー用リチウムイオン二次電池における充電システムを例示する。
図1に示されるように、上記リチウムイオン二次電池の充電システム1は、充電処理の対象となるリチウムイオン二次電池10と、該リチウムイオン二次電池10を充電する充電装置20と、フラッシュ放電処理を行う放電回路30と、該放電回路30及び上記充電装置20のそれぞれに電気的に接続されている制御装置(電子制御ユニット;ECU)40とから構成されている。
リチウムイオン二次電池10は、充電装置20及び放電回路30のそれぞれに電気的に接続されており、充電処理及びフラッシュ放電処理が行われる。
充電装置20は、回生時に発電機として作動するモーターを包含する回生ブレーキ機構を包含する。これにより、減速時のブレーキ操作によって車輪の駆動力(運動エネルギー)の一部が電気エネルギーに変換されてバッテリーに回収される。すなわち、リチウムイオン二次電池10が充電される。
放電回路30は、ハイレートなフラッシュ放電処理を実施可能とするため、高い電気抵抗を包含して高負荷放電できるような構成であり得る。
ECU40は、上記リチウムイオン二次電池10の負極電位を電位測定手段41と、充電装置20から充電開始前(ブレーキ開始)の信号を受信する信号受信手段と、充電装置20からの信号を受信した際に上記リチウムイオン二次電池10の負極電位が所定最低値(閾値)を下回っているか否かを判定する電位判定手段42と、フラッシュ放電処理を行う信号を放電回路30へ発信する信号発信手段とを備えている。なお、上記電位測定手段41は、サイクリックボルタンメトリー等の測定法によって電極電位を測定する市販装置でよい。
上記電位判定手段42が判定基準とする所定最低値とは、充電装置20により5C以上のハイ充電レートの充電処理(例えばブレーキング)を所定時間行って上記負極電位が低下しても、該負極電位がリチウム析出電位を下回ることはないとされる電位であって、好ましくは、金属リチウムを基準電位として0.01Vである。
上記充電処理開始前の時点で、上記リチウムイオン二次電池10のSOCが高い状態(例えば70%以上)にあって(すなわち、残存容量が大きく)、上記負極電位が上記最低値よりも低下しているときに上記充電処理を開始すれば、さらに負極電位が低下してリチウム析出電位を下回ってリチウムが負極表面に析出し得る。このような場合に充電処理開始前のフラッシュ放電処理が特に効果的である。
一方、リチウムイオン二次電池10のSOCが低く、上記負極電位が上記最低値よりも高電位である状態では、上記負極電位がリチウム析出電位を下回ることは殆どあり得ない。したがって、本発明の他の形態として、上記電位判定手段42によって、電位測定手段41で測定された負極電位の値が上記最低値に比べて高いか否かを判別し、上記最低値に比べて測定負極電位値が高い場合には、フラッシュ放電処理を行わずにただちに充電処理を開始するように制御してもよい。
本発明によって提供される充電システムは、走行時の車載用バッテリーのようなSOCの高い状態が維持され易いリチウムイオン二次電池に対して、特に好ましく適用される。そして、該リチウムイオン二次電池にハイ充電レートで充電する前にフラッシュ放電処理を行うことにより、負極電位がリチウム析出電位を下回ることを確実に防止することができる。この結果、一般的なリチウムイオン二次電池では、SOCの高い状態で充放電サイクルを繰り返すと電池容量が低下し易く、サイクル特性が比較的低いとされているが、このような充電システムを採用することにより、上記電池容量の低下を効果的に軽減し得るので、サイクル特性の向上に効果的である。
かかる構成の充電システム1の作動について、図2に示したフローチャートを参照にしつつ説明する。
まず、充電装置20から、充電開始前を告げる信号が発信され(S1)、ECU40の信号受信手段に受信される(S2)。次いで、かかる信号を受信したECU40からフラッシュ放電処理を行う信号が発信され、該発信信号を受けてリチウムイオン二次電池10から放電回路30に電流が一時的に流れ、該リチウムイオン二次電池10が放電(フラッシュ放電処理)される(S5)。このときの放電レートは、例えば5C以上であり、好ましくは10C以上、30C以下である。
該フラッシュ放電処理の処理時間については予め設定しておけばよく、例えば0.1sと設定しておく。この設定処理時間経過後、リチウムイオン二次電池10から放電回路30への電流が停止する(S6)。その後、ECU40はリチウムイオン二次電池10と放電回路30との接続を遮断し、リチウムイオン二次電池10と充電装置(充電回路)20との接続を行う。これにより、充電装置20から該リチウムイオン二次電池10に向けて、回生により得られた電気エネルギーが供給され、該リチウムイオン二次電池10の充電処理が開始される(S7)。このときの充電レートは、例えば例えば5C以上であり、好ましくは10C以上、30C以下である。
また、他の形態の充電システムの作動について、図3に示したフローチャートを参照にしつつ説明する。
まず、充電装置20から、充電開始前を告げる信号が発信され(S1)、ECU40の信号受信手段に受信される(S2)。受信後、電位測定手段41によりリチウムイオン二次電池10の負極電位が測定され(S3)、電位判定手段42により上記負極電位の値が所定最低値(例えば、金属リチウム基準で0.01V)に照らし合わされて、フラッシュ放電処理の要否が決定される(S4)。
上記負極電位の値が上記最低値よりも下回り、電位判定手段42によりフラッシュ放電処理が必要であると決定されたとき(Yes判定)には、ECU40の信号発信手段からフラッシュ放電処理を行う信号が発信される。この発信信号を受けて、リチウムイオン二次電池10から放電回路30に電流が一時的に流れ、該リチウムイオン二次電池10が放電(フラッシュ放電処理)される(S5)。このときの放電レートは、例えば5C以上であり、好ましくは10C以上、30C以下である。
該フラッシュ放電処理の処理時間については予め設定しておけばよく、例えば0.1sと設定しておく。この設定処理時間経過後、リチウムイオン二次電池10から放電回路30への電流が停止する(S6)。その後、ECU40はリチウムイオン二次電池10と放電回路30との接続を遮断し、リチウムイオン二次電池10と充電装置(充電回路)20との接続を行う。これにより、充電装置20から該リチウムイオン二次電池10に向けて、回生により得られた電気エネルギーが供給され、該リチウムイオン二次電池10の充電処理が開始される(S7)。このときの充電レートは、例えば5C以上であり、好ましくは10C以上、30C以下である。
他方、上記測定した負極電位の値が上記最低値よりも上回り、電位判定手段42によりフラッシュ放電処理が不要であると決定されたとき(No判定)には、ECU40の信号発信手段からは発信されず、直ちに充電装置20から上記リチウムイオン二次電池10へ電気エネルギーが供給されて、該リチウムイオン二次電池10の充電処理が開始される(S7)。
なお、本発明によって提供されるリチウムイオン二次電池の充電システムは、充電処理開始前にフラッシュ放電処理を行うことのできるシステムであればよく、その他の構成によって限定されるものではない。また、上記の説明では、該充電システムを構成する主要部分のみを説明したが、その他付属の設備の存在を否定するものではない。
以下、本発明を実施例(実験例)に基づいて詳細に説明する。
<実験例1>
本実施例に使用したリチウムイオン二次電池を以下のようにして作製した。
まず、正極活物質としてのニッケル酸リチウム(LiNiO)に、導電材としてのアセチレンブラックを、結着材としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)とともにイオン交換水と混合して正極ペーストを調製した。この正極ペーストに含まれる各材料の質量比は、LiNiOが90質量%、導電材が7質量%、結着材が3質量%である。この正極ペーストを、正極集電体としての長尺状のアルミニウム箔の両面に塗布して、正極集電体の両面に正極活物質層を備える正極シートを作製した。
一方、負極活物質としての炭素材料(ここでは平均粒径約10μmの人造黒鉛粉末を使用した。)を、結着材及び増粘材としてのCMC及びスチレンブタジエンラバー(SBR)とともにイオン交換水と混合して、負極ペーストを調製した。この負極ペーストに含まれる各材料の質量比は、上記炭素材料が98質量%、結着材が1質量%、増粘材が1質量%である。この負極ペーストを、負極集電体としての長尺状の銅箔の両面に塗布して、負極集電体の両面に負極活物質層を備える負極シートを作製した。
セパレータとしては、厚さ約25μmの長尺状の多孔質ポリプロピレン(PP)シートを用いた。このセパレータシートを介して正極シートと負極シートとが対向するように積層状に重ね合わせ、これを長尺方向に捲回して捲回型電極体を作製した。ここで、円筒状の該捲回電極体において、その軸方向に沿った一方の端部には正極シートの正極集電体が露出している部分のみが現れ、もう一方の端部には負極シートの負極集電体が露出している部分のみが現れるように、正負極各シートをずらして重ね合わせてから捲回した。捲回電極体の正極集電体が露出した側の端部に正極集電端子を付設し、負極集電体が露出した側のもう一方の端部に負極集電端子を付設した。得られた電極体を扁平に押し潰し、箱型状のアルミニウム製電池容器に収容した後、該容器の開口部にアルミニウム製の蓋体を溶接して閉塞した。ここで、正負極の各集電端子は、いずれもその一部が蓋体から突出している。
電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを1:3(体積比)の割合で混合した非水系混合溶媒に、1mol/Lの濃度でLiPFを溶解させたものを用いた。この電解液を、上記蓋体に設けられた注液孔から電池容器に注入した後、該容器を密閉した。このようにして組み立てたリチウムイオン二次電池を数日間エージングした後、数サイクル充放電(コンディショニング処理)させた。かかるエージング及びコンディショニング処理を行った後の電池を、実験用のリチウムイオン二次電池として使用した。
以下に説明する実験例2及び3は、以下の実験方法I〜IIIの条件で行われた。
I.容量測定
(1)3時間(h)休止(放置)した。
(2)電流5.0A、電圧4.1Vの定電流定電圧充電(CC/CV充電)を2h実施した。(電圧値が4.1Vに到達後は、該電圧値を維持して電流を減衰させている。)
(3)30分間(m)休止した。
(4)終止電圧が3.0Vになるまで、1Aの電流値で定電流放電を実施した。終止電圧が3.0Vになるまでに要した放電時間をその電池の「電池容量[Ah]」とした。
なお、上記操作(1)〜(4)は全て25℃の温度条件下で行われた。
II.SOC調整
(1)3h休止した。
(2)終止電圧が3.7Vになるまで、5Aの電流値で1hの定電流充電を実施した。
これにより上記電池のSOCを所定状態になるよう調整した。なお、上記SOC調整の操作(1)〜(2)は25℃の温度条件下で行われた。
III.サイクル試験
(1)3h休止した。(1サイクル目のみ実施した。)
(2)100.0Aの電流値で所定時間の定電流放電を実施した(フラッシュ放電処理)。
(3)300秒間(s)休止した。
(4)100.0Aの電流値で10sの定電流充電を実施した。
(5)300s休止した。
(6)100.0Aの電流値で所定時間の定電流放電を実施した。
(7)300s休止した。
(8)2サイクル目以降は、上記(2)〜(7)を繰り返し、所定サイクル数を実施した。
なお、上記の一連の操作は0℃の温度条件下で行われた。また、上記サイクル試験の操作(6)は、各サイクル開始時のSOCが等しくなるように、各サイクル終了の時点で放電容量と充電容量とをバランスさせる操作である。
上記サイクル試験の操作(2)及び(6)の各放電時間については、表1に示す。
Figure 2009181907
<実験例2>
ハイ充放電レートで短時間の急速充放電を繰り返し実施した際に起こる電池容量の低下が、負極電位の過度な低下に伴って発生するリチウムの析出に起因するかどうかを確認するため、上記容量低下とリチウム析出の相関性について調べた。
まず、実験対象のリチウムイオン二次電池の「サイクル試験前の電池容量」を調べるために、上述した実験方法I(容量測定)を実施した。
次に、上記実験方法II(SOC調整)と実験方法III(サイクル試験)を順に行った。このとき、該実験方法IIIにおいて、フラッシュ放電処理は実施しなかった。したがって、操作(2)の放電時間は0s、操作(6)の放電時間は10sとしてサイクル試験を実施した。実施したサイクル数については、表2に示す。
所定のサイクル数でのサイクル試験(実験方法III)をそれぞれ実施した後、再び上記実験方法I(容量測定)を実施した。これにより「サイクル試験後の電池容量[Ah]」を得た。
上記サイクル試験前の電池容量とサイクル試験後の電池容量とから、サイクル試験前後での容量の低下量を百分率で算出した(これを「容量低下率」とする)。該容量低下率[%]は、「サイクル試験前の電池容量」と「サイクル試験後の電池容量」との差を「サイクル試験前の電池容量」で割って得られた値を百分率で示したものである。
所定のサイクル数でサイクル試験(実験方法III)を実施した後、上記リチウムイオン二次電池を解体し、電極体の負極表面に付着している析出物を回収した。この回収された析出物中に含まれる金属リチウムの含有量(金属リチウムの析出量)をICP発光分析等によって求めた。得られた金属リチウムの析出量[g]が寄与し得る電池容量(すなわち該析出量に相当する容量)を算出した。この容量[Ah]の算出方法は、上記析出量[g]から「析出により消費された電子のモル数[mol]」を求め、これにファラデー定数を乗じて上記電子の電気量[C(クーロン)]を求め、これを1hに流れた電流[A]として換算すればよい。
上記リチウム析出量から算出した容量[Ah]における、上記サイクル試験前の電池容量[Ah]に対する割合を求めた。この割合をリチウム析出量から算出した容量[%]とした。
所定のサイクル数でサイクル試験を実施した際の容量低下率[%]と、金属リチウムの析出量から算出した容量[%]との関係を表2、及び図4に示す。
Figure 2009181907
上記表2及び図4から明らかなように、フラッシュ放電処理を行わずにサイクル試験を実施した際に生じる容量低下率(容量の低下量)は、金属リチウムの析出量から算出した容量とほぼ一致した。また、サイクル数の増加に対しても両者ともに正比例して増加した。したがって、ハイ充放電レートで短時間の急速充放電を繰り返し実施した際に起こる電池容量の低下の原因は、ほぼ金属リチウムの析出にあると確認できた。
<実験例3>
次に、フラッシュ放電処理を行いながらサイクル試験を実施した場合における容量低下率について求めた。
まず、実験例2と同様にして、実験対象のリチウムイオン二次電池の「サイクル試験前の電池容量」を調べるために、上述した実験方法I(容量測定)を実施した。
次に、上記実験方法II(SOC調整)と実験方法III(サイクル試験)を順に行った。このとき、該実験方法IIIの操作(2)の放電時間(フラッシュ放電処理時間)、及び操作(6)の放電時間を表1に示される通りに設定し、各フラッシュ放電処理時間でのサイクル試験をそれぞれ実施した。
100サイクルで上記サイクル試験を実施した後、再び上記実験方法I(容量測定)を実施した。これにより「サイクル試験後の電池容量[Ah]」を得た。
上記サイクル試験前の電池容量とサイクル試験後の電池容量とから、実験例2と同様にしてサイクル試験前後での容量低下率[%]を求めた。この結果を表3及び図5に示す。
Figure 2009181907
上記表3及び図5から明らかなように、フラッシュ放電処理を実施しなければ、100サイクル後の容量低下率は20%である。しかし、フラッシュ放電処理を行いながらサイクル試験を実施すると上記容量低下率は減少した。また、10sの急速充電(実験方法IIIの操作(4)の定電流充電)に対して、少なくとも0.1sのフラッシュ放電処理を上記充電前に行うことによって、上記容量低下率は一桁まで減少して、サイクル試験前後における容量低下は確実に軽減され得ることが確認された。
なお、実験用のリチウムイオン二次電池において、サイクル試験実施前の電池容量は、平均5Ahであった。したがって、上記サイクル試験における定電流充電及びフラッシュ放電処理は20Cのハイレートで実施されていたことになる。
以上、本発明を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
リチウムイオン二次電池の充電システムの概略構成を示す説明図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の充電システムの一形態を例示したフローチャートである。 本発明のリチウムイオン二次電池の充電システムの他の一形態を例示したフローチャートである。 サイクル試験実施前後における容量低下率と、サイクル試験後に析出した金属リチウムの析出量から算出した容量との相関性を示したグラフである。 フラッシュ放電処理の実施時間と、該フラッシュ放電処理を行うサイクル試験前後における容量低下率との相関性を示したグラフである。
符号の説明
1 リチウムイオン二次電池の充電システム
10 リチウムイオン二次電池
20 充電装置
30 放電回路
40 制御装置(ECU)
41 電位測定手段
42 電位判定手段

Claims (7)

  1. リチウムイオン二次電池を充電する方法であって、
    該リチウムイオン二次電池の充電処理を5C以上の充電レートで行う際、該充電処理開始前に一時的なフラッシュ放電処理を行って該電池の負極電位を一旦上昇させておき、
    前記充電レートでの充電処理中の前記負極電位を、常にリチウムの析出する電位を上回った状態に維持する、リチウムイオン二次電池の充電方法。
  2. 前記充電処理は10C以上30C以下の充電レートで行われる、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法。
  3. 前記フラッシュ放電処理は、前記充電処理の充電レートと同じかそれ以上のハイレートで少なくとも0.1秒間行われる、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法。
  4. リチウムイオン二次電池を充電するシステムであって、
    5C以上の充電レートで前記リチウムイオン二次電池を充電する充電装置と、
    前記リチウムイオン二次電池を放電させ得る放電回路と、
    前記充電装置及び前記放電回路のそれぞれに電気的に接続される制御装置であって、該充電装置により前記リチウムイオン二次電池の前記充電処理が行われる際、該充電処理開始前に前記リチウムイオン二次電池について前記放電回路による一時的なフラッシュ放電処理を行って該電池の負極電位を一旦上昇させるように構成されている制御装置と、
    を備えた充電システム。
  5. 前記制御装置は、前記リチウムイオン二次電池の負極電位を測定する電位測定手段と、測定される負極電位を判定する電位判定手段と、を備えている、請求項4に記載の充電システム。
  6. 前記充電処理は10C以上30C以下の充電レートで行われるように構成されている、請求項4又は5に記載の充電システム。
  7. 前記制御装置は、前記充電処理開始前に、前記充電レートと同じかそれ以上のハイレートで少なくとも0.1秒間の前記フラッシュ放電処理が行われるように構成されている、請求項4〜6のいずれか一つに記載の充電システム。
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