JP2001100605A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2001100605A
JP2001100605A JP27589799A JP27589799A JP2001100605A JP 2001100605 A JP2001100605 A JP 2001100605A JP 27589799 A JP27589799 A JP 27589799A JP 27589799 A JP27589799 A JP 27589799A JP 2001100605 A JP2001100605 A JP 2001100605A
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ion
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雅史 門永
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貴彦 徳増
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コロナチャージャよりも小電圧で放電可能な
イオン発生装置を像担持体上の残留電荷除電用の像担持
体除電装置に用いた場合でも生じ得るオゾン、NOX
の放電生成物の濃度を効率良く低減させる。 【解決手段】 誘電体23を挟んで形成された誘導電極
22とイオン発生電極24からなり、誘導電極22とイ
オン発生電極24との間に交流電圧を印加することによ
り、気中放電を起こしイオンを発生するイオン発生装置
20を残留電荷除電用の像担持体除電装置8に用いた場
合、その放電箇所近傍に放電生成物の分解を目的とした
光触媒物質40を有することで、放電箇所近傍で発生す
る放電生成物であるオゾン、NOXを効率よく分解し、
その濃度を低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン発生装置を
像担持体除電装置に用いる画像形成装置に関し、詳細に
は、電子写真方式の作像プロセスでイオン発生装置によ
り発生する放電生成物を効率的かつ確実に分解し得る画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の作像プロセスを利用した
複写機、プリンタ及びファクシミリ装置等の画像形成装
置においては、コロナ放電等を利用したものが多い。例
えば、像担持体としての感光体を一様に帯電させる帯電
部、感光体上に形成されたトナー画像を画像形成部材と
しての記録紙に転写する転写部及び感光体残留電荷や残
トナー電荷を除電する除電部等を備えている。これらの
各部には、気中放電を利用する場合が多いが、この気中
放電により放電生成物が生成される。例えばオゾン、N
xがある。オゾンは、高濃度で画像形成装置内に滞留
すると、感光体表面を酸化し、感光体光感度の低下や帯
電能力の劣化を生じさせ、形成画像が悪化する。また、
感光体以外の部材の劣化が促進され、部品寿命が低下す
る等の不具合もある。
【0003】高濃度のオゾンが画像形成装置外に排出さ
れると、オゾン臭気により周囲の人に不快感を与えた
り、人によってはアレルギー症状を受ける等の人体への
悪影響が懸念される。画像形成装置外に排出されるオゾ
ン濃度は規定されており、例えばドイツのブルーエンジ
ェルマーク審査基準(RAL−UZ62)では、機外排
出濃度が0.01ppm以下に規制されている。
【0004】従来、画像形成装置においては、ファンに
より感光体周辺のオゾンを吸引して、オゾンフィルタを
通して画像形成装置外に排出することが行われている。
【0005】ところが、このような従来のオゾン処理方
法にあっては、フィルタがオゾン吸着により徐々に劣化
し、長期間の使用によって適切にオゾンを除去すること
ができなくなるという問題があった。また、フィルタに
よるオゾン除去率を向上させるために、フィルタのメッ
シュを細かくしたり、フィルタの厚みを厚くして、フィ
ルタの表面積を増大させると、フィルタでの圧力損失が
増大して、容量の大きいファンを取り付ける必要があ
り、画像形成装置のコストが高くなるとともに消費電力
が増大したり、騒音が大きくなるという問題があった。
【0006】もう一つの主要な放電生成物であるNOx
の場合には、現在のところ機外排出規制はされていない
が、やはり画像形成装置内部の部材に悪影響を与える。
放電が発生すると、NOxが形成されることが知られて
いるが、空気中の水分と反応して硝酸が、また、金属と
反応して金属硝酸塩が生成される。これらの生成物は低
湿環境下では高抵抗であり、イオン発生ヘッド等に付着
することで、放電が不安定となり帯電ムラが生じるとい
った不具合が発生する。また、感光体表面に硝酸又は硝
酸塩による薄い膜が形成されると、高湿環境下では画像
が流れたような異常画像が発生する。これは硝酸・硝酸
塩が吸湿することで低抵抗となり、感光体表面の静電潜
像が壊れてしまうためである。
【0007】感光体表面の付着物は、クリーニング時に
感光体を少しずつ削りとることで除去するといった方法
が取られている。しかしながら、コスト上昇や経時によ
る劣化問題が起こり、本質的な解決策とはなっていな
い。
【0008】この点、従来技術では、光触媒物質による
放電生成物分解作用を利用して、画像形成装置内でオゾ
ン、NOxを分解する方法を種々提案している。例え
ば、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナー中又
は外添剤として金属を担持した半導体粒子を含有させる
ことにより、気中放電で発生する放電生成物を低減させ
る電子写真用現像剤(特開平5−134445号公報参
照)、像担持体の周辺部に設けたイレーサランプ、転写
前除電ランプ又は除電ランプの光を受ける部分の少なく
とも一つの部分に、金属を担持した半導体微粒子を塗布
する(特開平6−59551公報参照)等の提案がなさ
れている(特開平6−124003号公報、特開平7−
92788号公報など)。
【0009】即ち、これらの提案例は、何れも、画像形
成装置内でオゾンを分解されやすくすることで、帯電器
等から外に流出したオゾン濃度を低減させ、オゾンフィ
ルタへの負荷を少なくすることができる。
【0010】この他の従来例を列挙すると、以下のよう
なものがある。例えば、特開平5−303244号公報
によれば、定着部の排熱を利用し、NOX が硝酸塩にな
るのを防ぐようにしている。特開平6−167857号
公報によれば、定着部の排熱を利用し、放電部材のオゾ
ンの分解を行うことで感光体の劣化を防ぐようにしてい
る。特開平6−317974号公報によれば、触媒を放
電が生じている付近に配置することで、オゾンの発生を
抑えるようにしている。特開平7−134473号公報
によれば、触媒、熱を利用することで、オゾンの発生を
抑えるようにしている。特開平9−114191号公報
によれば、帯電器の表面で、感光体の帯電用とは別に沿
面グロー放電を起こすことで、NOX を分解するように
している。特開平9−138619号公報によれば、オ
ゾン吸引用のダクト内でのオゾンを、光を照射すること
で分解し、分解効率をよくすることでオゾン分解フィル
タの長寿命化を図るようにしている。特開平10−90
974号公報によれば、触媒を鋸歯電極に設けること
で、オゾンを分解するようにしている。特開平10−3
01364号公報によれば、放電部分にオゾン非発生ガ
スを流すことで、オゾンの発生を防ぐようにしている。
さらに、特公平8−23715号公報によれば、中和物
質を放電器の内側に被覆することで、NOX を中和し感
光体の劣化を防ぐようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の画像形成装置や放電生成物低減方法にあって
は、何れもフィルタへの負荷を少なくするようになって
いたため、なお改良の余地がある。
【0012】即ち、帯電器等から外に流出した放電生成
物濃度を低減させるようになっていたため、帯電器等か
ら流出した放電生成物は、画像形成装置内に拡散し、触
媒物質と反応する確率が低下し、放電生成物濃度の低減
効率が低く、効率的な放電生成物濃度の低減が要望され
ている。
【0013】また、誘電体を挟んで形成された誘導電極
とイオン発生電極からなり、誘導電極とイオン発生電極
の間に交流電圧を印加することにより、気中放電を起こ
しイオンを発生するイオン発生装置を用いた帯電装置、
転写装置、除電装置では、一般的なコロナチャージャに
比べて小さな電圧で放電を生じることが可能である。こ
のため放電生成物の量は、一般的なコロナチャージャに
比べて少ない。
【0014】このような誘電体層を介して気中放電をさ
せるイオン発生装置を用いる場合の問題点として、放電
により硝酸塩ができ、この硝酸塩が誘電体層の表面に付
着することにより放電が発生しなくなることがある。こ
れを防ぐために、イオン発生器自体を加熱するなどして
対処している。
【0015】また、イオン発生装置で発生されるイオン
の量も、この加熱温度に影響を受ける。イオン発生量は
温度変動の影響を受け易いために、温度調節装置が必要
となる(米国特許第4155093号明細書、特開平5
−278258号公報、特開平5−281834号公
報、特開平6−75457号公報、特開平8−8298
0号公報、特開平10−21395号公報参照)。
【0016】しかし、イオン発生装置においても放電生
成物の発生量が完全に無くなると言う訳ではない。イオ
ン発生装置においても、効率的な放電生成物濃度の低減
が要望されている。
【0017】そこで、本発明は、コロナチャージャに比
べて放電生成物の生成量が比較的少ないイオン発生装置
を感光体上に残留した電荷を除去するための感光体除電
装置に用いた場合でも、気中放電による放電生成物であ
るオゾン及びNOXが流出する前にその濃度低下を効率
よく行え、環境への悪影響を抑制することのできる画像
形成装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
少なくとも誘電体を挟んで形成された誘導電極とイオン
発生電極からなり、前記誘導電極と前記イオン発生電極
との間に交流電圧を印加することにより、気中放電を起
こしイオンを発生するイオン発生装置を像担持体除電装
置として備え、電子写真プロセスに従い像担持体上に形
成されたトナー像を画像形成部材に転写した後、前記像
担持体表面の残留電荷に対して前記イオン発生装置によ
り電荷を付与して除電する画像形成装置において、前記
イオン発生装置の放電箇所近傍にその放電生成物を分解
するための光触媒物質を設けた。
【0019】従って、放電の発光により、光触媒物質が
活性化し、放電生成物と反応するので、残留電荷除電用
の感光体除電装置としてのイオン発生装置で発生する放
電生成物、特にオゾンとNOxを効率的に分解できる。
これにより、放電生成物がイオン発生装置から流出する
前に分解することができ、周囲の部材への悪影響を防止
できるとともに、環境への悪影響を抑制することができ
る。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1記載の画
像形成装置において、少なくとも前記イオン発生電極側
の前記誘電体表面に、前記光触媒物質を有する。
【0021】従って、放電の発光により、イオン発生部
近傍にある光触媒物質が活性化し、高濃度の放電生成物
と反応するので、感光体上の残留電荷除電用の放電時に
発生する放電生成物、特にオゾンとNOxを効率的に分
解できる。これにより、放電生成物がケーシングから流
出する前に分解することができ、感光体等に及ぼす悪影
響を防止できるとともに、環境への悪影響を抑制するこ
とができる。
【0022】請求項3記載の発明は、請求項1記載の画
像形成装置において、少なくとも前記イオン発生電極が
前記光触媒物質を含む。
【0023】従って、残留電荷除電用の感光体除電装置
で発生した放電生成物を、最も放電生成物の濃度が高い
発生部で効率よく分解することができる。これにより、
放電生成物がケーシングから流出する前に分解すること
ができ、感光体等に及ぼす悪影響を防止できるととも
に、環境への悪影響を抑制することができる。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項1記載の画
像形成装置において、前記イオン発生電極は誘電体によ
ってコーティングされており、少なくともこのコーティ
ング層の表面上に光触媒物質を有する。
【0025】従って、残留電荷除電用の感光体除電装置
で発生した放電生成物を、最も放電生成物の濃度が高い
発生部で効率よく分解することができる。また、コーテ
ィング層の表面に光触媒物質を設けるので、コーティン
グ層の機能を損なうことがない。これにより、放電生成
物がケーシングから流出する前に分解することができ、
感光体等に及ぼす悪影響を防止できるとともに、環境へ
の悪影響を抑制することができる。
【0026】請求項5記載の発明は、請求項1記載の画
像形成装置において、前記イオン発生電極は誘電体によ
ってコーティングされており、少なくともこのコーティ
ング層が光触媒物質を含む物質からなる。
【0027】従って、光触媒物質がコーティング層に含
まれることにより、光触媒物質のコート層を新たに設け
る必要がなくなる。これによりコーティングが簡単とな
り、生産、コストの点で有利となる。光触媒物質がコー
ティング層の表面にしかない場合は、光触媒物質のコー
ト層が剥がれてしまうと機能がなくなってしまう。これ
に対し、光触媒物質がコーティング層内に含まれると、
コーティング層が放電などで多少摩耗したとしても、コ
ーティング層内部にも含まれているため、光触媒効果を
維持できる。また、紙分離装置で発生した放電生成物
を、最も放電生成物の濃度が高い発生部で効率よく分解
することができる。これにより、放電生成物がケーシン
グから流出する前に分解することができ、感光体等に及
ぼす悪影響を防止できるとともに、環境への悪影響を抑
制することができる。
【0028】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5
の何れか一に記載の画像形成装置において、少なくとも
紫外線を含む光を照射可能な発光体を放電箇所近傍に設
けた。
【0029】従って、ランプ等の発光体の紫外光によ
り、光触媒物質をより強力に活性化できるので、効率よ
く放電生成物を分解できる。また、イオン発生装置が光
を発していないときでも、発光体の紫外光により光触媒
物質を活性化することが可能となるため、放電生成物が
残留していた場合でも分解できる。これにより、放電生
成物がケーシングから流出する前により確実に分解する
ことができ、感光体等に及ぼす悪影響を防止できるとと
もに、環境への悪影響を抑制することができる。
【0030】請求項7記載の発明は、請求項6記載の画
像形成装置において、前記発光体は、少なくともその発
光表面に光触媒物質を有する。
【0031】従って、ランプ等の発光体の紫外光によ
り、光触媒物質をより強力に活性化できるので、効率よ
く放電生成物を分解できる。さらに、発光体表面に光触
媒物質が配置されているので、発光体の表面が放電生成
物の付着により汚れるのを防ぐことができる。また、発
光体表面以外にも光触媒物質が配置されていた場合、イ
オン発生装置が光を発していないときでも、発光体の紫
外光により光触媒物質を活性化することが可能となるた
め、放電生成物を効率よく分解できる。また、発光体表
面は汚れが付着しないので、発光体表面の光の透過率が
低下しない。よって、長期にわたり光触媒へ光を照射す
ることができ、光触媒を活性化させることができる。こ
れにより、放電生成物がケーシングから流出する前によ
り確実に分解することができ、感光体等に及ぼす悪影響
を防止できるとともに、環境への悪影響を抑制すること
ができる。
【0032】請求項8記載の発明は、請求項6又は7記
載の画像形成装置において、前記発光体から照射される
光の波長に300nm〜400nmの光が含まれてい
る。
【0033】光触媒物質は或るエネルギー以上の光が照
射されると急激に活性化され、反応が進む。例えば、酸
化チタンでは、その閾値となる光の波長は380nmで
ある。よって、照射する紫外光の波長を適当にし光触媒
物質がより活性化しやすい状態をつくれば、放電生成物
の分解効率が非常に高いものとなる。これにより、放電
生成物がケーシングから流出する前により確実に分解す
ることができ、感光体等に及ぼす悪影響を防止できると
ともに、環境への悪影響を抑制することができる。
【0034】請求項9記載の発明は、請求項1ないし8
の何れか一に記載の画像形成装置において、前記光触媒
物質がn型半導体である。
【0035】従って、光触媒物質としての効率が高いn
型半導体からなる光触媒物質を用いることで、効率よく
放電生成物を分解することができる。これにより、放電
生成物がケーシングから流出する前に分解することがで
き、感光体等に及ぼす悪影響を防止できるとともに、環
境への悪影響を抑制することができる。
【0036】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
画像形成装置において、前記n型半導体が酸化チタンで
ある。
【0037】従って、酸化チタンは、n型半導体の光触
媒物質で、現在、一番安定し、効率がよいと言われてい
る。酸化チタンを光触媒に用いることで、効率よく放電
生成物を分解することができる。これにより、放電生成
物がケーシングから流出する前に分解することができ、
感光体等に及ぼす悪影響を防止できるとともに、環境へ
の悪影響を抑制することができる。
【0038】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の画像形成装置において、前記酸化チタンは、結晶構造
が少なくともアナターゼ型構造のものを含む。
【0039】従って、結晶構造にアナターゼ型構造を含
む酸化チタンは光触媒としての効果が最も高いので、効
率よく放電生成物を分解することができる。これによ
り、放電生成物がケーシングから流出する前に分解する
ことができ、感光体等に及ぼす悪影響を防止できるとと
もに、環境への悪影響を抑制することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0041】図1ないし図7は、本発明の画像形成装置
の一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の画像
形成装置の一実施の形態を適用した画像形成装置1の要
部構成図である。
【0042】図1において、画像形成装置1は、図示し
ない本体筐体内に、図1中時計方向に回転駆動される像
担持体としての感光体2が収納されており、感光体2の
周囲に、帯電部3、書込部4、現像部5、転写部6、紙
分離部14、クリーニング部7及び残留電荷除電用の像
担持体除電装置としての感光体除電部8等が電子写真プ
ロセスに従い順に配設されているとともに、クリーニン
グ部7の手前にトナー除電部9が配設されている。
【0043】また、本実施の形態の画像形成装置1は、
複数枚の画像形成部材としての記録紙Pを収納する給紙
カセット(図示せず)を備えており、給紙カセット内の
記録紙Pは、給紙ローラ(図示せず)により1枚ずつ給
紙されレジストローラ対15でタイミング調整された
後、転写部6と感光体2との間に送り出される。
【0044】このような構成の画像形成装置1において
は、まず、感光体2を図1中時計方向に回転駆動して、
感光体2を帯電部3で一様に帯電した後、書込部4によ
り画像データで変調されたレーザを照射して感光体2に
静電潜像を形成し、静電潜像の形成された感光体2に現
像部5でトナーを付着させて現像する。ついで、現像部
5でトナーを付着してトナー画像を形成した感光体2
を、転写部6で感光体2と転写部6との間に搬送されて
きた記録紙Pに転写させ、トナー画像の転写された記録
紙Pを定着部10に搬送する。
【0045】ここに、定着部10は、内蔵ヒータにより
所定の定着温度に加熱される定着ローラ11と、定着ロ
ーラ11に所定圧力で押圧される加圧ローラ12とを備
え、転写部6から搬送されてきた記録紙Pを加熱・加圧
して、記録紙P上のトナー画像を記録紙Pに定着させた
後、排紙トレイ(図示せず)上に排出する。
【0046】一方、転写部6でトナー画像を記録紙Pに
転写した感光体2をさらに回転して、トナー除電部9で
感光体2上に残留している残留トナーの電荷を除去し、
クリーニング部7で感光体表面に残留するトナーをブレ
ード13により掻き落として除去した後、感光体除電部
8で除電する。そして、感光体除電部8で除電した感光
体2を帯電部3で一様に帯電させた後、上記同様に、次
の画像形成を行なう。なお、クリーニング部7は、ブレ
ード13で感光体2上の残留トナーを掻き落とすものに
限るものではなく、例えばファーブラシで感光体2上の
残留トナーを掻き落とすものであってもよい。
【0047】このような画像形成装置1において、本実
施の形態では、感光体2上の残留電荷除電用の感光体除
電部8に、例えば図2に示すようなイオン発生装置が用
いられている。帯電部3、転写部6、紙分離部14及び
トナー除電部9にもイオン発生装置を用いてもよい。
【0048】ここで、イオン発生装置について図2を参
照して説明する。図2(a)は断面構造図、(b)はイ
オン発生電極側から見た平面図である。
【0049】このイオン発生装置(イオン発生ヘッド2
0)はセラミック等からなる基板21の上に誘導電極2
2が形成され、この誘導電極22を覆うようにガラス等
からなる誘電体である誘電体層23が形成され、この誘
電体層23上にイオン発生電極24が形成された構造を
有している。なお、誘導電極22、誘電体層23及びイ
オン発生電極24は厚膜印刷によって作成することが可
能である。例えば、誘導電極22の膜厚は1〜5μm、
誘電体層23の膜厚は20〜50μm、イオン発生電極
24の膜厚は1〜30μmであるように形成するのがよ
い。誘電体層23は、できるだけ誘電率の高いものがよ
い。誘電率が高いほうが誘電体層の静電容量が大きくな
り、電界の歪みが大きくなるからである。
【0050】このような構造のイオン発生ヘッド20の
誘導電極22とイオン発生電極24との間に周波数が数
百Hz〜数十kHz、波高値が1〜4kVの高周波高電
圧を電源26により印加するとともにイオン発生電極2
3にバイアス電圧をバイアス電源27により与えると、
イオン発生電極24の付近(以下、イオン発生空間29
という)の空気がイオン化され、正と負のイオンが発生
する。ここで、図示のごとく、バイアス電源27による
バイアス電圧として負の電圧が印加されている場合は、
イオン部からは負のイオンだけが取り出される。仮にバ
イアス電圧が正の場合は正のイオンが取り出される。こ
のイオン発生ヘッド20は一般的なコロナチャージャに
比べて小さな電圧で放電を生じることが可能である。
【0051】イオン発生電極24の表面にはSiO2
コーティング層30を施してもよい。これによりイオン
によるスパッタや酸化によるイオン発生電極24の劣化
を防ぐことができることはもちろん、イオン発生電極2
4における沿面放電を防ぐことができる。例えば、コー
ティング層30の厚さは1〜5μmであるように形成す
る。このコーティング層30が厚すぎるとイオンの生成
効率が低下する。コーティングには、窒化物、窒化シリ
コン、酸化マグネシウム、酸化チタン、ガラスなどでも
よい。
【0052】また、誘電体層23は抵抗体層25がサン
ドイッチされた形で形成してもよい。
【0053】抵抗体層25には電源28が接続されてお
り、抵抗体層25を流れる電流によるジュール熱を発生
させることができる。電源28からの電圧は、直流若し
くは交流電圧である。このジュール熱は誘電体層23と
イオン発生空間29を加熱する。これにより、後述する
光触媒物質による放電生成物の分解効果をより一層高い
ものとすることができる。
【0054】抵抗体層25を形成する導電膜の形成は、
クロム、銅、タングステン、アルミニウム、白金、チタ
ン等をスパッタリングなどの手法により形成し、それら
をフォトリソエッチングによりパターン化してもよい。
【0055】なお、イオン発生ヘッド20には、例えば
図3(a)又は(b)に示すようにサーミスタ31など
の温度センサを適宜箇所に設置し、加熱温度を常にモニ
タできるようにしてもよい。このセンサの値を温度制御
装置にフィードバックすることにより、環境変動や発熱
体に異常が生じ加熱温度が正常な範囲(例えば50〜7
0℃)からずれたとしても、補正をすることができる。
【0056】抵抗体層25は、自己発熱制御性のある発
熱抵抗体を用いてもよい。
【0057】このようなイオン発生ヘッド20を用いた
場合も、オゾンやNOXのような放電生成物の発生が完
全になくなるわけではないので、本実施の形態では、そ
の放電箇所近傍に光触媒物質40が付加されている。こ
の光触媒物質40を配置させる箇所は、適宜であり、そ
の数例を図4ないし図6を参照して説明する。
【0058】まず、イオン発生ヘッド20においてコー
ティング層30を設けていないときには、誘電体層2
3、イオン発生電極24のうち、少なくとも一部に光触
媒物質40が塗布され、若しくは、含有される。図4
(a)は誘電体層23の一部に光触媒物質40を塗布し
た例を示し、図4(b)は誘電体層23の一部に光触媒
物質40を含有させた例を示し、図4(c)は誘電体層
23の全てに光触媒物質40を含有させた例を示し、図
4(d)はイオン発生電極24の一部に光触媒物質40
を塗布した例を示している。
【0059】イオン発生ヘッド20においてコーティン
グ層30を設けているときには、図5(a)に示すよう
にコーティング層30の表面に光触媒物質40が塗布さ
れる。若しくは、図5(b)に示すようにコーティング
層30に光触媒物質40が含有され、又は、コーティン
グ層30自身が光触媒物質40からなる。
【0060】また、図6に示すように少なくともイオン
発生ヘッド20の筐体32の、イオン発生ヘッド20の
イオン発生部に面する部分に、光触媒物質40を配置し
てもよい。
【0061】もちろん、これらの方法を組み合わせて最
も放電生成物分解の効果が現れるようにしてもよい。
【0062】このような光触媒物質40には、酸化チタ
ン等のn型半導体が用いられている。n型半導体は、光
が照射された状態で、放電生成物、例えばオゾンが接触
すると、オゾンを分解する作用を有している。即ち、酸
化チタン等のn型半導体は、バンドギャップに相当する
波長の光が照射されると、電子が伝導帯に励起され、価
電子帯に正孔が生成される。このn型半導体の励起され
た電子は、還元作用を及ぼし、金属を担持している場合
には、価電子帯から金属に電子が流れて、そこで還元作
用を及ぼす。このように、n型半導体に適当な波長の光
を照射することにより、励起された電子の還元作用によ
り、放電生成物が還元分解される。
【0063】光触媒物質40として用いる物質として
は、上述の酸化チタンの他に、酸化タングステン、酸化
亜鉛、酸化カドミウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化
銀、酸化マンガン、酸化銅、酸化鉄、酸化バナジウム、
酸化ニオブ、酸化カドミウム、水酸化チタン及び水酸化
亜鉛等を用いることができるが、特に、酸化チタンが、
反応効率、耐久性、安全性及び利用できる波長域の点か
ら好適である。さらに、酸化チタンには結晶構造によっ
て、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の3つに
分類されるが、アナターゼ型構造が光触媒としての効果
が高いので最適である。
【0064】これらの光触媒物質40は、上述のものを
2種類以上混合してもよく、またPt、Pd、Rh及び
Nb等を混合すると、光触媒作用をさらに促進させるこ
とができる。
【0065】光触媒物質40は、化学的蒸着法、無機金
属塩の中和や加水分解、金属アルコキシドの加水分解及
びゾルゲル法等によりコーティング層の上に直接形成す
ることにより取り付けることができる。市販の光触媒微
粉末を、コーティング層の上に接着することでも取り付
けることができる。さらには、コーティング層を構成す
る材料に、光触媒物質40を混合して、各部材を形成す
ることによって、各部材そのものに光触媒作用を持たせ
ることも可能である。
【0066】気中放電は、紫色に近い発光を伴ってい
る。この紫の発光の波長領域には、紫外線が含まれてい
ることが知られており、この紫外線によって光触媒物質
40が励起され、光触媒物質40によって放電生成物を
分解することができる。
【0067】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。画像形成装置1は、イオン発生ヘッド20を用いた
帯電部3に光触媒物質40を有しており、この光触媒物
質40により、帯電部3の放電箇所近傍で放電生成物を
分解するところにその特徴がある。
【0068】即ち、図1中時計方向に回転駆動される感
光体2を帯電部3で気中放電により一様に帯電した後、
書き込み部4により画像データで変調されたレーザを照
射して感光体2に静電潜像を形成し、静電潜像の形成さ
れた感光体2に現像部5でトナーを付着させて現像す
る。そして、現像部5でトナーを付着してトナー画像を
形成した感光体2を、転写部6で気中放電により感光体
2と転写部6の間に搬送されてきた記録紙Pに転写させ
る。転写部6で記録紙Pにはトナーと逆電荷が付与され
るため、感光体2との間に静電引力が働く。転写後に紙
分離部14で気中放電により記録紙P裏面の電荷を除電
して紙を感光体2から分離させる。
【0069】トナー画像の転写された記録紙Pを定着部
10に搬送して、定着部10で記録紙P上のトナー画像
を記録紙Pに定着させた後、排紙トレイ上に排出する。
そして、転写部6でトナー画像を記録紙Pに転写した感
光体2を、さらに回転して、トナー除電部9で気中放電
により感光体2上に残留している残留トナーの電荷を除
去し、クリーニング部7で感光体2表面に残留するトナ
ーをブレード13により掻き落として除去した後、感光
体除電部8で除電する。
【0070】このような作像プロセスにおいて、気中放
電を利用する場合には、オゾン、NOx等の放電生成物
が発生する。
【0071】この光触媒物質40は、上述のように気中
放電で発光される光が照射されると、活性化して還元作
用を発揮し、オゾンやNOx等の放電生成物を分解す
る。
【0072】従って、気中放電によりイオン発生ヘッド
20で発生した放電生成物は、イオン発生ヘッド20付
近で光触媒物質40により効率的に分解される。その結
果、例えばオゾンが感光体2表面を酸化して、画像を悪
化させることを防止することができ、また、画像形成装
置1の外部にオゾンが流出して、環境を悪化させること
を防止することができる。また、NOxによる硝酸、硝
酸塩が感光体2表面に付着することを防止することがで
き、高湿環境での画像流れを防止することができる。さ
らには、経時での硝酸や硝酸塩の付着が発生しにくくな
り、低湿環境での放電ムラを防止することが可能とな
る。
【0073】このように、本実施の形態によれば、イオ
ン発生ヘッド20に光触媒物質40を配置することで、
オゾン、NOx生成場所に非常に近いところで分解が起
こるため、非常に効率がよい。また、紫外線はイオン発
生ヘッド20からも発生しているので、分解効率がよく
なる。これにより、放電生成物がケーシング32から流
出する前に分解することができ、感光体2等に及ぼす悪
影響を防止できるとともに、環境への悪影響を抑制する
ことができる。また、放電生成物の一つである硝酸、硝
酸塩によるイオン発生ヘッド20の汚れ、感光体2表面
への付着が抑制され、これにより帯電ムラ、感光体2上
での画像流れが防止できる。さらに、イオン発生ヘッド
20のクリーニング装置が不要となり、大幅なコスト削
減並びにメンテナンス低減が可能となる。部品点数が減
る。また、感光体クリーニングブレードによる感光体表
面の削り取りが不要となり、押し当圧低減によるブレー
ド寿命長期化、劣化防止、押し当て圧が強いことによ
る、トナーの感光体2への固着がなくなる。経時による
感光体2厚さの低下がなくなり、プロセスコントロール
負荷の低減、感光体2寿命の長期化が可能となる。さら
には、イオン発生ヘッド20上に珪素などの化合物が積
層し、放電の強度が不均一になるため、イオン発生ヘッ
ド20は長時間使用していると、放電にむらが生じ帯電
が不均一になるが、光触媒物質40を配置することで、
イオン発生ヘッド20上に形成される珪酸化合物の生成
を抑制でき、これによりイオン発生ヘッド20の長寿命
化を図ることもできる。
【0074】なお、本実施の形態においては、放電部で
発生する光を利用して光触媒物質40を活性化させて、
放電生成物を分解しているが、光触媒物質40による放
電生成物の分解効率を向上させるために、図7に示すよ
うに光触媒物質40を励起させる波長を含む光を放射す
る発光体としてのランプ50を設けてもよい。
【0075】このランプ50としては、例えば、光触媒
物質40としてのn型半導体がTiO2であるときに
は、400nm以下の波長が含まれていればよく、通常
の蛍光灯やハロゲンランプ等を用いることができ、紫外
線ランプを用いると、さらに効果を向上させることがで
きる。
【0076】また、ランプ50の表面にn型半導体の光
触媒物質40をコーティングすると、このランプ50に
コーティングされた光触媒物質40が励起され、ランプ
50に接触した放電生成物をも分解することができる。
【0077】このようにランプ50を設けると、放電に
よる発光がない場合にも、ランプ50の光で部材に取り
付けられた光触媒物質40を活性化して、放電生成物を
分解することができ、放電生成物の分解効率を向上させ
ることができる。
【0078】ここに、上述したような光触媒物質40の
効果を検証するために、以下のような比較実験を行っ
た。まず、酸化チタンを塗布したイオン発生装置と塗布
していないものを準備した。装置単体を実験室環境にセ
ットし、誘導電極とイオン発生電極の間に交流電圧
(3.0kV、5kHz)を印加し、イオン発生電極で
放電を起こした。そして、放電生成物が最も存在してい
るイオン発生電極から5mm前方の空気を吸引した。吸
引した空気に含まれるオゾンとNOxの濃度を測定した
(オゾン測定器:ダイレック社製DY1500、NOx
測定器:堀場製作所製、APNA300)。測定は、放
電が安定した状態になってから、10分間連続で行い値
の平均値を求めた。
【0079】まず、酸化チタンを塗布していないイオン
発生装置単体でのオゾンとNOxの濃度を測定したとこ
ろ、6.8ppmと0.43ppmであった。
【0080】これに対して、酸化チタンを塗布したイオ
ン発生装置で、オゾンとNOxの濃度を測定した。酸化
チタンは、イオン発生装置の誘電体層と筐体の内側に塗
布した。そして、先ほどと同じように電圧を印加し濃度
を測定した。測定した結果、オゾン濃度は0.75pp
m、NOxは0.080ppmとなった。
【0081】さらに、酸化チタンを塗布したイオン発生
装置に、紫外線ランプでイオン発生ヘッドを照射した場
合についても、オゾンとNOxの濃度の測定を行った。
このとき、オゾン濃度は0.40ppm、NOxは0.
019ppmとなった。
【0082】像流れ現象についての検証実験も行った。
まず、本発明による光触媒物質を用いていないイオン発
生装置を感光体除電部に使用した当社製の複写機(imagi
o MF-4550改造機)を、高温、高湿度環境下に設置した。
そして約10,000枚のコピーを作成した。作成後、複写機
を停止し、高温、高湿度環境下で一晩休止させ、翌朝動
作を再開したところ、コピー画像に像流れと言われる現
象が観察された。これは、機内のNOxが空気中の水分
と反応し、硝酸又は硝酸塩の化合物(HNO3、NH4NO3
ど)に変化し、感光体上に降り積もったためだと考えら
れる。この硝酸・硝酸塩の化合物は低湿では絶縁体だ
が、高湿になると感光体表面の抵抗を低下させる。即
ち、感光体表面に電荷を与えても、感光体表面が電荷を
その場所に維持できないため、静電潜像が壊されてしま
う。このため像流れが生じると考えられる。
【0083】これに対し、本発明による光触媒物質を用
いたイオン発生装置を感光体除電部に使用した当社製の
上記複写機に使用した場合、同様の実験を行っても像流
れ現象は現れなかったものである。
【0084】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、放電の発
光により、光触媒物質が活性化し、放電生成物と反応す
るので、残留電荷除電用の像担持体除電装置としてのイ
オン発生装置で発生する放電生成物、特にオゾンとNO
xを効率的に分解でき、これにより、放電生成物がイオ
ン発生装置から流出する前に分解することができ、周囲
の部材への悪影響を防止できるとともに、環境への悪影
響を抑制することができる。
【0085】請求項2記載の発明によれば、放電の発光
により、イオン発生部近傍にある光触媒物質が活性化
し、高濃度の放電生成物と反応するので、像担持体上の
残留電荷除電用の帯電時に発生する放電生成物、特にオ
ゾンとNOxを効率的に分解でき、これにより、放電生
成物がケーシングから流出する前に分解することがで
き、感光体等に及ぼす悪影響を防止できるとともに、環
境への悪影響を抑制することができる。
【0086】請求項3記載の発明によれば、残留電荷除
電用の像担持体除電装置で発生した放電生成物を、最も
放電生成物の濃度が高い発生部で効率よく分解すること
ができ、これにより、放電生成物がケーシングから流出
する前に分解することができ、感光体等に及ぼす悪影響
を防止できるとともに、環境への悪影響を抑制すること
ができる。
【0087】請求項4記載の発明によれば、残留電荷除
電用の像担持体除電装置で発生した放電生成物を、最も
放電生成物の濃度が高い発生部で効率よく分解すること
ができ、また、コーティング層の表面に光触媒物質を設
けるので、コーティング層の機能を損なうことがなく、
これにより、放電生成物がケーシングから流出する前に
分解することができ、感光体等に及ぼす悪影響を防止で
きるとともに、環境への悪影響を抑制することができ
る。
【0088】請求項5記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加え、光触媒物質がコーティング層に
含まれることにより、光触媒物質のコート層を新たに設
ける必要がなくなり、これによりコーティングが簡単と
なり、生産、コストの点で有利となる。また、光触媒物
質がコーティング層の表面にしかない場合は、光触媒物
質のコート層が剥がれてしまうと機能がなくなってしま
うが、光触媒物質がコーティング層内に含まれると、コ
ーティング層が放電などで多少摩耗したとしても、コー
ティング層内部にも含まれているため、光触媒効果を維
持できる。
【0089】請求項6記載の発明によれば、ランプ等の
発光体の紫外光により、光触媒物質をより強力に活性化
できるので、効率よく放電生成物を分解でき、また、イ
オン発生装置が光を発していないときでも、発光体の紫
外光により光触媒物質を活性化することが可能となるた
め、放電生成物が残留していた場合でも分解でき、これ
により、放電生成物がケーシングから流出する前により
確実に分解することができ、感光体等に及ぼす悪影響を
防止できるとともに、環境への悪影響を抑制することが
できる。
【0090】請求項7記載の発明によれば、ランプ等の
発光体の紫外光により、光触媒物質をより強力に活性化
できるので、効率よく放電生成物を分解でき、さらに、
発光体表面に光触媒物質が配置されているので、発光体
の表面が放電生成物の付着により汚れるのを防ぐことが
できる。また、発光体表面以外にも光触媒物質が配置さ
れていた場合、イオン発生装置が光を発していないとき
でも、発光体の紫外光により光触媒物質を活性化するこ
とが可能となるため、放電生成物を効率よく分解でき
る。また、発光体表面は汚れが付着しないので、発光体
表面の光の透過率が低下しない。よって、長期にわたり
光触媒へ光を照射することができ、光触媒を活性化させ
ることができる。これにより、放電生成物がケーシング
から流出する前により確実に分解することができ、感光
体等に及ぼす悪影響を防止できるとともに、環境への悪
影響を抑制することができる。
【0091】請求項8記載の発明によれば、光触媒物質
は或るエネルギー以上の光が照射されると急激に活性化
され、反応が進み、例えば、酸化チタンでは、その閾値
となる光の波長は380nmであることから、照射する
紫外光の波長を適当にし光触媒物質がより活性化しやす
い状態をつくれば、放電生成物の分解効率が非常に高い
ものとなる。これにより、放電生成物がケーシングから
流出する前により確実に分解することができ、感光体等
に及ぼす悪影響を防止できるとともに、環境への悪影響
を抑制することができる。
【0092】請求項9記載の発明によれば、光触媒物質
としての効率が高いn型半導体からなる光触媒物質を用
いることで、効率よく放電生成物を分解することができ
る。これにより、放電生成物がケーシングから流出する
前に分解することができ、感光体等に及ぼす悪影響を防
止できるとともに、環境への悪影響を抑制することがで
きる。
【0093】請求項10記載の発明によれば、酸化チタ
ンは、n型半導体の光触媒物質で、現在、一番安定し、
効率がよいと言われていることから、この酸化チタンを
光触媒に用いることで、効率よく放電生成物を分解する
ことができる。これにより、放電生成物がケーシングか
ら流出する前に分解することができ、感光体等に及ぼす
悪影響を防止できるとともに、環境への悪影響を抑制す
ることができる。
【0094】請求項11記載の発明によれば、結晶構造
にアナターゼ型構造を含む酸化チタンは光触媒としての
効果が最も高いので、効率よく放電生成物を分解するこ
とができる。これにより、放電生成物がケーシングから
流出する前に分解することができ、感光体等に及ぼす悪
影響を防止できるとともに、環境への悪影響を抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の概
略構成図である。
【図2】イオン発生ヘッドの構成例を示し、(a)は断
面構造図、(b)はその平面図である。
【図3】サーミスタ付加例を示すイオン発生ヘッドの断
面構造図である。
【図4】コーティング層のない場合の光触媒物質の付加
例を示すイオン発生ヘッドの断面構造図である。
【図5】コーティング層のある場合の光触媒物質の付加
例を示すイオン発生ヘッドの断面構造図である。
【図6】ケーシングへの光触媒物質の付加例を示すイオ
ン発生ヘッドの断面構造図である。
【図7】ランプを設けた場合を示す構成図である。
【符号の説明】
2 像担持体 8 感光体除電装置 22 誘導電極 23 誘電体 24 イオン発生電極 30 コーティング層 40 光触媒物質 50 発光体 P 画像形成部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳増 貴彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小夫 真 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H027 JA01 JA02 JB05 JB06 JC02 JC03 2H035 AA05 AA22 AB03 5G067 AA65 DA01 DA19

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも誘電体を挟んで形成された誘
    導電極とイオン発生電極からなり、前記誘導電極と前記
    イオン発生電極との間に交流電圧を印加することによ
    り、気中放電を起こしイオンを発生するイオン発生装置
    を像担持体除電装置として備え、電子写真プロセスに従
    い像担持体上に形成されたトナー像を画像形成部材に転
    写した後、前記像担持体表面の残留電荷に対して前記イ
    オン発生装置により電荷を付与して除電する画像形成装
    置において、前記イオン発生装置の放電箇所近傍にその
    放電生成物を分解するための光触媒物質を設けたことを
    特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記イオン発生電極側の前記
    誘電体表面に、前記光触媒物質を有することを特徴とす
    る請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも前記イオン発生電極が前記光
    触媒物質を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 前記イオン発生電極は誘電体によってコ
    ーティングされており、少なくともこのコーティング層
    の表面上に光触媒物質を有することを特徴とする請求項
    1記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記イオン発生電極は誘電体によってコ
    ーティングされており、少なくともこのコーティング層
    が光触媒物質を含む物質からなることを特徴とする請求
    項1記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも紫外線を含む光を照射可能な
    発光体を放電箇所近傍に設けたことを特徴とする請求項
    1ないし5の何れか一に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記発光体は、少なくともその発光表面
    に光触媒物質を有することを特徴とする請求項6記載の
    画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記発光体から照射される光の波長に3
    00nm〜400nmの光が含まれていることを特徴と
    する請求項6又は7記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記光触媒物質がn型半導体であること
    を特徴とする請求項1ないし8の何れか一に記載の画像
    形成装置。
  10. 【請求項10】 前記n型半導体が酸化チタンであるこ
    とを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記酸化チタンは、結晶構造が少なく
    ともアナターゼ型構造のものを含むことを特徴とする請
    求項10記載の画像形成装置。
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JP2013057937A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Xerox Corp 能動型オゾンスクラバ

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