JP2000356892A - 画像形成装置及び放電装置 - Google Patents

画像形成装置及び放電装置

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JP2000356892A
JP2000356892A JP11167719A JP16771999A JP2000356892A JP 2000356892 A JP2000356892 A JP 2000356892A JP 11167719 A JP11167719 A JP 11167719A JP 16771999 A JP16771999 A JP 16771999A JP 2000356892 A JP2000356892 A JP 2000356892A
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forming apparatus
image forming
image
toner
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JP11167719A
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English (en)
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Hisafumi Shoji
尚史 庄司
Satohiko Baba
聡彦 馬場
Hiroshi Yasutomi
啓 安富
Masahiko Akafuji
昌彦 赤藤
Hirokatsu Suzuki
宏克 鈴木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電により生成される放電生成物を除去する
ことができる新規な放電装置、及び画像品質の向上及び
像担持体の長寿命化を図ることができる新規な画像形成
装置を提案することである。 【解決手段】 感光体ドラムに対して放電を行う帯電装
置30のケーシング31に、放電により生成されたオゾ
ンやNOxなどの放電生成物を分解可能な光触媒物質5
0を付与する。そして、放電した際に発する光により、
上記光触媒物質を励起させて上記放電生成物を除去す
る。この結果、NOxによる硝酸又は硝酸塩の膜が引き
起こす画像流れを防止し、また、該膜を除去するために
従来行っていた感光体ドラム表面を機械的に摺擦する必
要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電対象に対して
放電を行う放電手段を備えた複写機、ファクシミリ、プ
リンター等の画像形成装置、及び放電対象に対して放電
を行う放電装置に関するものである。尚、本発明の放電
装置は、画像形成装置に使用されるものに限らず、放電
を発生させる装置や放電を伴う装置を備えたものに使用
されるものも含む。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の放電装置としては、光導
電性物質を有する潜像担持体である感光体を帯電装置に
より均一帯電させるものが知られている。また、このよ
うな放電装置を利用して一様に帯電された感光体上を像
露光して静電潜像を形成し、それを現像剤で現像して最
終的に紙などの記録材に転写した後に、熱や圧力などを
用いて紙上に転写されたトナー画像を定着することによ
り、画像形成を行う画像形成装置が知られている。この
ような画像形成装置においては、上記感光体を一様に帯
電する一様帯電手段として、コロナ放電等の放電を利用
した非接触式の放電手段を用いるものがある。また、潜
像担持体や中間転写体等の像担持体上に形成されたトナ
ー像を紙や中間転写体等の転写材に転写する転写手段と
しても、上記非接触式放電手段を用いるものがある。こ
のような非接触式放電手段によって行われる放電では、
窒素酸化物(以下、「NOx」という。)やオゾンなど
の放電生成物が発生する。
【0003】この放電生成物のうち、NOxは、空気中
等の水分と反応して硝酸を生成し、また金属と反応して
金属硝酸塩を生成する。このように生成された硝酸又は
硝酸塩が上記像担持体表面に薄い膜となって形成される
と、これら硝酸又は硝酸塩の吸湿作用によって、該像担
持体表面の抵抗値が低くなる。これにより、像担持体で
ある感光体ドラム上に形成された静電潜像が破壊され、
形成画像の品質が低下してしまうという問題がある。特
に、高湿環境下では、画像が流れたような異常画像が発
生してしまう。
【0004】一方、上記放電生成物のうちオゾンは、放
電の安定性を著しく低下させるという問題がある。ま
た、このオゾンは、相手の物質を酸化させる能力が強
く、像担持体に付着して静電特性を劣化させ、形成画像
の品質を低下させる原因にもなるという問題もある。
【0005】特に、潜像担持体上に形成されたトナー像
を転写材に1色ずつ重ねながら転写するカラー画像形成
装置では、この転写材にトナーを重ねて転写していくと
きに、該転写材上に存在するトナー像のクーロン反発力
に打ち勝つ必要があるため、その転写電界を段々と大き
くしていく必要がある。このため、その転写電界を形成
する放電手段による転写電流が次第に大きくなり、その
放電生成物の発生量はモノクロ画像形成装置よりも多く
なる。すなわち、このようなカラー画像形成装置におい
ては、モノクロ画像形成装置よりも放電生成物による不
具合が大きいものとなる。
【0006】また、各色のトナー像を形成するための潜
像担持体をそれぞれ備え、記録材を搬送する搬送部材で
ある転写ベルトで該記録材を搬送しながら該記録材に各
潜像担持体上のトナー像を順次転写するカラー画像形成
装置では、各潜像担持体を帯電させる一様帯電手段が複
数存在する。また、各潜像担持体から上記記録材にトナ
ー像を転写する転写手段も複数存在する。更には、転写
後に上記搬送ベルト上から上記記録材を分離させるため
の分離手段や、該搬送ベルトを除電する搬送部材除電手
段などを存在する。従って、これらの手段にコロナチャ
ージャ等の非接触式放電手段を用いた場合には、より多
くの放電生成物が発生するため、その放電生成物による
不具合がより大きいものとなる。
【0007】従来、上記放電生成物のうちNOxに関し
ては、像担持体上に形成された硝酸又は硝酸塩の膜を、
該像担持体上に残留した転写残トナーを回収するための
クリーニング手段を構成するブレードやブラシ等のクリ
ーニング部材によって該像担持体を機械的に摺擦して削
り取っていた。これにより、NOxによる異常画像の発
生をある程度抑制することができていた。しかし、この
ようにクリーニング部材で像担持体表面上の膜を削り取
る場合、該像担持体の寿命を低下させるという不具合が
ある。また、感光体のように表面に光導電層を有する像
担持体においては、その光導電層の層厚が厚すぎると、
像露光時に生じる光キャリアの拡散が多くなり、解像力
が低下するという問題がある。この場合、高画質化を維
持しつつ、像担持体の長寿命化を図ることができないと
いう不具合も生じる。
【0008】一方で、このようなクリーニング手段を設
けず、潜像担持体上に残留した転写残トナーを現像装置
等を用いて回収するクリーナーレスシステムが提案され
ている。このクリーナーレスシステムでは、クリーニン
グ装置を省いた分だけ装置を簡略化し、装置の小型化を
図ることができる。また、このクリーナーレスシステム
では、ブレードやブラシ等のクリーニング部材で潜像担
持体表面を削ってしまうこともないため、高画質化を維
持しつつ、該潜像担持体の長寿命化を図ることもでき
る。このようなクリーナーレスシステムを適用した画像
形成装置は、特開平11−30898号公報に開示され
ている。
【0009】しかし、このクリーナーレスシステムを適
用した画像形成装置においては、従来硝酸又は硝酸塩の
膜を削り取る機能も有していたクリーニング部材が存在
しない。従って、このような硝酸又は硝酸塩の膜を他の
方法により除去する必要性が生じる。その方法として
は、上記潜像担持体周囲に配置された帯電装置、現像装
置、転写装置のいずれかの装置に、硝酸又は硝酸塩の膜
を削り取る機能を持たせる方法が考えられる。しかし、
帯電装置及び転写装置の場合は、硝酸又は硝酸塩の膜を
削るために該潜像担持体をかなり強い押圧力で押圧する
接触式の帯電装置又は転写装置を使用しなければならな
い。このため、潜像担持体と接触する接触部材のトナー
による汚れや装置の寿命が短くなるという問題が生じ
る。また、現像装置の場合には、一成分現像剤又は二成
分現像剤のいずれを用いるときであっても、現像機能、
転写残トナーの回収機能、像担持体上の膜を削り取る機
能をすべて満足させる成立条件が必要となる。しかし、
この成立条件の設定は非常に困難であるという問題があ
る。また、この現像装置の場合においても装置の寿命が
短くなるという問題が生じる。
【0010】また、硝酸又は硝酸塩の膜を除去する方法
としては、上記潜像担持体上の硝酸又は硝酸塩の膜を削
り取る新たな装置を設ける方法が考えられる。しかし、
この方法では、その装置自体の機構、耐久性が新たな課
題になり、かつ、その分のスペースが必要となる。従っ
て、クリーナーレスシステムの本来の目的である装置の
簡略化に反する結果になる。また、カラー画像形成装置
においては、像担持体表面に形成された硝酸又は硝酸塩
の膜を削り取ることがモノクロ画像形成装置以上に重要
となるが、回収したトナーが混色してしまうという問題
が生じるため、事実上、クリーナーレスシステムを採用
することができない。
【0011】ところで、上述のように潜像担持体表面を
削り取る方法ではない他の方法により、上記放電生成物
による不具合を解決する方法が種々提案されている。例
えば、放電により生成されたオゾンを排気手段によって
機外に排気する方法を用いて、オゾンによる帯電特性の
低下を防止する画像形成装置が特開平10−34003
0号公報に開示されている。また、特開平5−3032
44号公報には、感光体上に結露が生じるのを防止する
結露防止用加熱手段を設ける方法を用いて、放電により
生じたNOxが硝酸になるのを防ぐ画像形成装置が開示
されている。更に、特開平9−114191号公報に
は、帯電用の放電電極の同一基板上に沿面グロー放電装
置を並設させる方法を用いて、放電により生成したNO
xを分解する帯電装置が開示されている。更にまた、特
公平8−23715号公報には、コロナ発生装置の構成
部材であるシールド等にNOxを中和するアルカリ性皮
膜を被覆する方法を用いて、NOxを吸収するコロナ発
生装置が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、放電生
成物であるオゾンは像担持体を酸化させて形成画像の品
質を低下させる不具合を生じさせ、またNOxは像担持
体上に硝酸又は硝酸塩の膜を形成して形成画像の品質を
低下させるという不具合を生じさせる。従来、これらの
不具合を解決する種々の方法は提案されてきたが、上記
特開平10−340030号公報の方法では、放電によ
り生成された放電生成物であるオゾンを完全には排出し
きれず、その一部は装置内に拡散してしまうため、オゾ
ンによる問題を解決するための十分な効果が得られなか
った。
【0013】また、NOxによる問題を解決する従来の
方法において、上記特開平5−303244号公報の方
法では、放電により生成された放電生成物が装置内に拡
散してしまうため、硝酸又は硝酸塩の膜が像担持体上に
形成されるのを防ぐための十分な効果が得られないとい
う不具合がある。更に、この公報には、定着部のヒータ
による暖気を利用する構成が開示されているが、この構
成ではその暖気による熱によって現像装置内のトナーが
凝集しやすくなり、このトナーが現像剤担持体に固着し
てしまうおそれがある。また、上記特開平9−1141
91号公報の方法では、放電装置の構造が複雑化してし
まうという不具合がある。また、上記特公平8−237
15号公報の方法では、上記アルカリ性皮膜がNOxを
中和するときに消耗されてしまうため、十分な寿命が得
られないという不具合がある。
【0014】一方で、従来では、NOxにより像担持体
上に形成される硝酸又は硝酸塩の膜をクリーニング部材
によって削り取ることで、該NOxによる問題を解決し
ていたが、この方法では像担持体の寿命を低下させてし
まうという不具合がある。
【0015】本発明は、以上の背景に鑑みなされたもの
であり、第1の目的は、放電により生成される放電生成
物を除去して、画像品質の向上及び像担持体の長寿命化
を図ることができる新規な画像形成装置を提案すること
である。第2の目的は、簡易な構成で、放電により生成
される放電生成物を除去することができる画像形成装置
を提案することである。第3の目的は、放電により生成
される放電生成物を除去することができる新規な放電装
置を提案することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1乃至18の発明は、放電対象に対し
て放電を行う放電手段とを備えた画像形成装置におい
て、上記放電手段の放電により生成された放電生成物を
分解可能な光触媒物質を有する放電生成物分解手段と、
該放電の際に、該光触媒物質を励起させる波長成分を有
する光を該放電生成物分解手段に対して照射する光照射
手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0017】この画像形成装置においては、放電におい
て発生する放電生成物を光触媒物質の作用によって分解
することができる。すなわち、その放電生成物であるN
Oxが、空気中等の水分と反応して硝酸を生成する前あ
るいは金属と反応して金属硝酸塩を生成する前に、また
オゾンが像担持体と接触して酸化させる前に、該NOx
及びオゾンを除去することができる。従って、像担持体
上に硝酸又は硝酸塩の膜が形成されたり、該像担持体が
酸化したりするのを事前に防止することができる。
【0018】また、このように像担持体上に硝酸又は硝
酸塩の膜が形成されるのを防止することができるので、
この膜を従来のように像担持体表面を機械的に摺擦して
削り取る方法で除去する必要がなくなる。
【0019】特に、請求項2の発明は、潜像担持体上に
形成された潜像を現像する現像手段を備えた請求項1の
画像形成装置において、上記現像手段に、上記潜像担持
体上に残留した転写残トナーをクリーニングするクリー
ニング手段としての機能を付加したことを特徴とするも
のである。
【0020】この画像形成装置においては、いわゆるク
リーナーレスシステムを採用しているので、クリーニン
グ手段としてのクリーニング装置を省いた分だけ装置を
簡略化し、装置の小型化を図ることができる。また、こ
のクリーナーレスシステムの場合、クリーニング部材に
よって潜像担持体表面を削ってしまうことがないため、
該潜像担持体の表面劣化の心配はなくなる。尚、放電生
成物であるNOxは、上述のように光触媒物質によって
事前に除去されるため、従来クリーナーレスシステムが
有していた該NOxによる硝酸又は硝酸塩に関する問題
を解消することができる。
【0021】特に、請求項3の発明は、現像剤を担持す
る現像剤担持体を上記潜像担持体に対向させて現像を行
う現像手段を備えた請求項1又は2の画像形成装置にお
いて、上記現像剤担持体の線速度を、上記潜像担持体の
線速度よりも大きくしたことを特徴とするものである。
この画像形成装置においては、上記現像剤担持体の線速
度が上記潜像担持体の線速度よりも大きいので、該現像
剤担持体が該潜像担持体に直接接触する現像手段や、現
像剤担持体上に担持された現像剤が該潜像担持体に接触
する現像手段において、該潜像担持体の面方向における
摺擦力が大きくなる。このように摺擦力が大きくなった
結果、上記潜像担持体上に硝酸又は硝酸塩の膜が形成さ
れてもその膜を削り取ることが可能となり、硝酸又は硝
酸塩に関する問題の解消に貢献することができる。尚、
この摺擦力は、上記膜をクリーニング部材によって削り
取っていた従来の装置に比べれば小さいため、上記潜像
担持体の表面劣化の心配は少ない。また、このように摺
擦力が大きくなった結果、転写残トナーの回収率に作用
する摺擦力による機械的作用が大きくなり、潜像担持体
上の転写残トナーの回収率も向上させることができる。
【0022】また、請求項4の発明は、上記現像手段に
設けられた現像剤担持体の内部に磁界発生手段を有し、
磁性キャリアを有する二成分現像剤を用いた請求項2又
は3の画像形成装置において、上記現像剤担持体上に形
成される磁気ブラシを上記潜像担持体表面に摺擦させる
ことにより現像を行うと同時にトナーを回収することを
特徴とするものである。この画像形成装置においては、
二成分現像剤を用いて現像する際に形成される磁気ブラ
シを潜像担持体表面に対向させて現像を行う際に摺擦さ
せ、その摺擦力を利用して、該潜像担持体上に硝酸又は
硝酸塩の膜を削り取り、また、該潜像担持体上の転写残
トナーの回収率を向上させる。また、現像の際には上記
現像剤担持体上のトナーを潜像担持体上に移動させるた
めに該現像剤担持体に現像バイアスを印加するが、この
ときの現像剤担持体と潜像担持体との電位ポテンシャル
の差を利用することにより該転写残トナーを回収するこ
とができる。
【0023】また、請求項5の発明は、一成分現像剤を
用いて現像を行う請求項2又は3の画像形成装置におい
て、上記現像手段に設けられた現像剤担持体上に形成さ
れるトナー層を上記潜像担持体表面に摺擦させることに
より現像を行うと同時にトナーを回収することを特徴と
するものである。この画像形成装置においては、一成分
現像剤を用いて現像する際に形成されるトナーを潜像担
持体表面に対向させて現像を行う際に摺擦させ、その摺
擦力を利用して、該潜像担持体上に硝酸又は硝酸塩の膜
を削り取り、また、該潜像担持体上の転写残トナーの回
収率を向上させる。また、現像の際には上記現像剤担持
体上のトナーを潜像担持体上に移動させるために該現像
剤担持体に現像バイアスを印加するが、このときの現像
剤担持体と潜像担持体との電位ポテンシャルの差を利用
することにより該転写残トナーを回収することができ
る。
【0024】また、請求項6の発明は、上記現像剤担持
体の内部に磁界発生手段を有する請求項3、4又は5の
画像形成装置において、上記トナーに磁性成分を有する
ことを特徴とするものである。この画像形成装置におい
ては、上記現像剤担持体の内部に磁界発生手段を設けて
トナーに磁性成分を含ませることにより、該トナーと現
像剤担持体との間に発生する磁界の作用を利用して潜像
担持体上の転写残トナーの回収率を向上させることがで
きる。
【0025】また、請求項7の発明は、請求項1、2、
3、4、5又は6の画像形成装置において、上記光照射
手段として発光体を用いたことを特徴とするものであ
る。この画像形成装置においては、発光体によって上記
光触媒物質中の電子を励起させるのに必要な光を該光触
媒物質に照射する。従って、使用する光触媒物質に最も
適した波長の光を選択することが可能となり、該光触媒
物質に照射することができ、該光触媒物質に放電生成物
を効率よく分解させることができる。
【0026】上記第2の目的を達成するために、請求項
8の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の画像形
成装置において、上記放電手段として発光を伴って放電
を行う放電手段を用い、該放電手段を上記光照射手段と
して用いたことを特徴とするものである。この画像形成
装置においては、上記光触媒物質中の電子を励起させる
光を照射する部材や装置を設ける必要がなくなる。
【0027】上記第2の目的を達成するために、請求項
9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8
の画像形成装置において、上記放電手段を構成する構成
部材に該放電手段の放電により生成された放電生成物を
分解可能な光触媒物質を付与し、該構成部材を上記放電
生成物分解手段として用いたことを特徴とするものであ
る。この画像形成装置においては、上記放電生成物分解
手段として新たな部材や装置を設ける必要がない。ま
た、上記放電手段を構成する構成部材を放電生成物分解
手段として利用することで、その放電生成物を迅速に効
率よく除去することが可能となる。
【0028】特に、請求項10の発明は、上記放電手段
が、放電電極と、該放電電極を包囲して該放電を放電対
象に対して行うための開口部を有するケーシングとを備
えた非接触式放電装置である請求項9の画像形成装置に
おいて、上記構成部材が該ケーシングであることを特徴
とするものである。この画像形成装置においては、コロ
ナ放電器のような非接触式放電装置におけるケーシング
に光触媒物質を有しているので、その放電生成物を該ケ
ーシング内において迅速に除去することが可能となる。
従って、その放電生成物がそのケーシングの外部に流出
する前に該放電生成物を除去することができ、該放電生
成物が上記非接触式放電装置の外部にある装置や部材等
に及ぼす影響を更に低減することができる。
【0029】また、請求項11の発明は、上記放電手段
が、放電電極と、該放電電極を包囲して該放電を放電対
象に対して行うための開口部を有するケーシングとを備
えた非接触式放電装置である請求項9又は10の画像形
成装置において、上記構成部材が該放電電極であること
を特徴とするものである。この画像形成装置において
は、非接触式放電装置の放電電極が光触媒物質を有して
いるので、その放電生成物を迅速に効率よく除去するこ
とが可能となる。従って、その放電生成物がそのケーシ
ングの外部に流出する前に該放電生成物を除去すること
ができ、該放電生成物が上記非接触式放電装置の外部に
ある装置や部材等に及ぼす影響を更に低減することがで
きる。
【0030】また、請求項12の発明は、上記放電手段
が、放電電極と、該放電電極を包囲して該放電を放電対
象に対して行うための開口部を有し、該開口部にグリッ
ドが形成されたケーシングとを備えた非接触式放電装置
である請求項9、10又は11の画像形成装置におい
て、上記構成部材が該グリッドであることを特徴とする
ものである。この画像形成装置においては、スコロトロ
ン式放電装置のような開口部にグリッドを有する非接触
式放電装置を用い、そのグリッドに光触媒物質を有して
いるので、その放電生成物を迅速に効率よく除去するこ
とが可能となる。従って、その放電生成物がそのケーシ
ングの外部に流出する前に該放電生成物を効率よく除去
することができ、該放電生成物が上記非接触式放電装置
の外部にある装置や部材等に及ぼす影響を更に低減する
ことができる。
【0031】また、請求項13の発明は、上記潜像担持
体を一様に帯電する一様帯電手段を備えた請求項9、1
0、11又は12の画像形成装置において、上記放電手
段が上記一様帯電手段がであることを特徴とするもので
ある。上述のように、放電生成物は、像担持体に対して
悪影響を及ぼし、形成画像の品質の低下の原因となる。
従って、この像担持体に近接した放電を伴う装置が、該
像担持体に最も悪影響を及ぼし、画像形成の品質を低下
させることになる。そこで、本請求項に係る画像形成装
置においては、像担持体である感光体等の潜像担持体に
対向する一様帯電手段を構成する構成部材に光触媒物質
を与え、該像担持体に最も悪影響を及ぼす可能性が高い
部分の放電生成物を除去して、その悪影響を効率よく軽
減することができる。
【0032】また、請求項14の発明は、像担持体上の
トナー像を転写した後に該像担持体を除電する除電手段
を備えた請求項9、10、11、12又は13の画像形
成装置において、上記放電手段が上記除電手段がである
ことを特徴とするものである。この画像形成装置におい
ては、感光体や中間転写体等の像担持体に対向する除電
手段を構成する構成部材に光触媒物質を与え、該像担持
体に最も悪影響を及ぼす可能性が高い部分の放電生成物
を除去して、その悪影響を効率よく軽減することができ
る。
【0033】また、請求項15の発明は、像担持体上に
形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段を備え
た請求項9、10、11、12、13又は14の画像形
成装置において、上記放電手段が上記転写手段であるこ
とを特徴とするものである。像担持体に近接した放電を
伴う装置だけでなく、該像担持体から離れた放電を伴う
装置であっても、その放電により生成された放電生成物
が機内に分散して、該像担持体に悪影響を及ぼすことに
なる。そこで、本請求項に係る画像形成装置において
は、転写手段を構成する構成部材に光触媒物質を与え、
該像担持体に悪影響を及ぼす可能性がある部分の放電生
成物を除去して、その悪影響を軽減することができる。
【0034】また、請求項16の発明は、像担持体上に
形成されたトナー像を記録材上に転写した後に、該記録
材を搬送する搬送部材から該記録材を分離させる分離手
段を備えた請求項9、10、11、12、13、14又
は15の画像形成装置において、上記放電手段が上記転
写手段であることを特徴とするものである。この画像形
成装置においては、分離手段を構成する構成部材に光触
媒物質を与え、該像担持体に悪影響を及ぼす可能性があ
る部分の放電生成物を除去して、その悪影響を軽減する
ことができる。
【0035】また、請求項17の発明は、像担持体上に
形成されたトナー像を、搬送部材によって搬送されてき
た記録材上に転写した後に、該搬送部材を除電する搬送
部材除電手段を備えた請求項9、10、11、12、1
3、14、15又は16の画像形成装置において、上記
放電手段が上記搬送部材除電手段であることを特徴とす
るものである。この画像形成装置においては、搬送部材
除電手段を構成する構成部材に光触媒物質を与え、該像
担持体に悪影響を及ぼす可能性がある部分の放電生成物
を除去して、その悪影響を軽減することができる。
【0036】また、請求項18の発明は、請求項1、
2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、15、16又は17の画像形成装置におい
て、上記光触媒物質が酸化チタンであることを特徴とす
るものである。この画像形成装置においては、放電生成
物との反応効率、安全性及び利用可能波長帯域の点から
好適である酸化チタンを光触媒物質として用いることに
より、該放電生成物を迅速に効率よく除去することがで
きる。
【0037】上記第3の目的を達成するために、請求項
19の発明は、放電対象に対して放電を行う放電装置に
おいて、放電により生成された放電生成物を分解可能な
光触媒物質を有する放電生成物分解手段と、該放電の際
に、該光触媒物質を励起させる波長成分を有する光を該
放電生成物分解手段に対して照射する光照射手段とを設
けたことを特徴とするものである。この放電装置におい
ては、放電において発生する放電生成物を光触媒物質の
作用によって分解することができる。すなわち、その放
電生成物であるNOxが、空気中等の水分と反応して硝
酸を生成する前あるいは金属と反応して金属硝酸塩を生
成する前に、またオゾンが部材や装置と接触してこれら
を酸化させる前に、該NOx及びオゾンを除去すること
ができる。
【0038】特に、請求項20の発明は、請求項19の
放電装置において、上記光触媒物質を有する構成部材を
備え、該構成部材を上記放電生成物分解手段として用い
たことを特徴とするものである。この放電装置において
は、上記放電生成物分解手段として新たな部材や装置を
設ける必要がない。また、当該放電装置の構成部材を放
電生成物分解手段として利用することで、その放電生成
物を迅速に効率よく除去することが可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕以下、本発明を画
像形成装置である電子写真複写機(以下、単に「複写
機」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形
態を「実施形態1」という。)について説明する。ま
ず、本実施形態に係る複写機全体の構成について説明す
る。図1は、本実施形態に係る複写機の要部を示す概略
構成図である。この複写機は、単一色の複写を行うもの
であり、図示しないプリンタ部で得られた画像データに
基づいてモノクロ画像形成を行う。この複写機には、潜
像担持体としての感光体ドラム10が設けられている。
この感光体ドラム10は、一様帯電手段としての帯電装
置11によりその表面を負極性に均一に帯電され、その
後、光書込ユニット12によって上記プリンタ部で得ら
れた画像データに基づいて光書込が行われる。これによ
り、上記感光体ドラム10上に形成された静電潜像は、
現像手段としての現像装置13によって、負極性に帯電
されたトナーにより反転現像される。
【0040】このように現像されて上記感光体ドラム1
0上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部からレ
ジストローラを経て、該感光体ドラムと転写手段として
の転写装置20との間に形成される各転写領域に給紙さ
れる転写材としての記録材である記録紙100に転写さ
れる。そして、上記トナー像が転写された記録紙100
は、定着手段としての定着装置26に入り込み、該記録
紙上のトナー画像が定着されることによりモノクロ画像
が得られる。
【0041】また、転写後に上記感光体ドラム10上に
残留した転写残トナーは、クリーニング手段としてのク
リーニング装置14により除去される。このクリーニン
グ装置には、クリーニング部材としてのクリーニングブ
レードが設けられており、該クリーニングブレードは上
記感光体ドラム上の転写残トナーを削り取ることによ
り、該感光体ドラム表面をクリーニングする。そして、
クリーニングされた感光体ドラム10は、上記帯電装置
11によってその表面を再び均一に帯電され、次の画像
形成工程に移行する。
【0042】次に、本発明の特徴部分である帯電装置1
1及び転写装置20として用いられる放電手段としての
放電装置の構成について説明する。これらの装置として
は、コロトロン方式やスコロトロン方式の放電装置など
を利用することができる。
【0043】図2は、コロトロン式放電装置の概略構成
図である。このコロトロン式放電装置30は、放電対象
に向けて開口する方形又は円筒形状の開口部を有するケ
ーシング31と、該ケーシング内部の中央付近に配置さ
れた放電電極としての放電ワイヤ32と、該放電ワイヤ
に所定の高電圧を印加する高圧電源33とから構成され
ている。このコロトロン式放電装置30は、上記高圧電
源33が上記放電ワイヤ32に電圧を印加することによ
り、該放電ワイヤでコロナ放電を発生させる。上記ケー
シング31は、アルミニウムやステンレスなどの金属で
形成されており、放電対象に向かう開口部以外の部分を
シールドしている。これにより、上記コロトロン式放電
装置30の放電安定性を向上させている。尚、上記放電
ワイヤ32としては、例えばタングステンを使用するこ
とができる。
【0044】図3は、スコロトロン式放電装置の概略構
成図である。このスコロトロン式放電装置40も、上記
コロトロン式放電装置30と同様に、放電対象に向けて
開口する方形又は円筒形状の開口部を有するケーシング
41と、該ケーシング内部の中央付近に配置された放電
ワイヤ42と、該放電ワイヤに所定の高電圧を印加する
高圧電源43とから構成されている。しかし、このスコ
ロトロン式放電装置40の開口部には、グリッド44が
設けられている点で上記コロトロン式放電装置30と異
なる。このグリッド44には、バリスタ45から所定の
電圧が印加されている。尚、ケーシング41及び放電ワ
イヤ42の材質などは上記コロトロン式放電装置30の
場合と同様である。このスコロトロン式放電装置40
は、上記放電ワイヤ42で発生するコロナ放電によるイ
オン流を上記グリッド44で制御することができ、放電
ムラを防止することができるとともに、放電対象の電位
を制御することができる。
【0045】本実施形態において使用されるこのような
放電装置は、その構成部材のうちの少なくとも1つに、
その放電により生成されるオゾンやNOxなどの放電生
成物を分解可能な光触媒物質50が与えられている。こ
の光触媒物質50は、光が照射された状態において、上
記放電により生成される放電生成物であるオゾン又はN
Oxに接触するとこれらを分解する作用を有している。
この光触媒物質50としては、TiO等の半導体物質
を用いることができる。
【0046】上記光触媒物質50は、上述した放電装置
の放電電極で発生する放電により生成される放電生成物
を分解するためにあるので、この放電電極に近接した領
域に配置するのが好ましい。具体的には、上記放電装置
としてコロトロン式放電装置30を適用する場合、上記
光触媒物質を少なくとも放電ワイヤ32に対向するケー
シング31面に与えるのがよい。また、上記放電装置と
して上記スコロトロン式放電装置40を適用する場合に
は、上記光触媒物質を少なくとも放電ワイヤ42に対向
するケーシング41面及びグリッド44面に与えるのが
よい。また、放電を発生させる放電ワイヤ(32,4
2)の材料中にも上記光触媒物質を混入してもよい。こ
の構成によれば、その放電生成物を更に効率よく除去す
ることが可能となる。
【0047】尚、本実施形態では、上記帯電装置11及
び転写装置22として、上記コロトロン式放電装置30
又はスコロトロン式放電装置40を用い、これらのうち
の少なくとも1つの装置の構成部材を放電生成物除去手
段として使用する。尚、本発明は、これら放電装置に限
定されるものではない。
【0048】次に、上記光触媒物質の作用について説明
する。本実施形態で使用するTiO等の半導体物質
は、その物質のもつバンドギャップに相当する波長の光
が照射されると、価電子帯に存在していた電子が伝導帯
に励起され、該価電子帯に正孔が生成される。この半導
体物質中の励起電子は、自由電子となって移動可能な状
態となり、例えば該半導体物質が金属と接触している場
合にはその励起電子が価電子帯から金属中に流れるの
で、その金属に対して還元作用を奏する。これと同様
に、上記半導体物質に適当な波長の光を照射することに
より、励起電子は、その還元作用によりオゾンやNOx
を還元分解する。
【0049】このようにオゾンやNOxを還元分解する
光触媒物質50としては、上記TiOの他に、W
、ZnO、CdSなども用いることができる。この
中でも特に、アナターゼ型TiOは、反応効率、安全
性及び利用可能波長帯域の点から好適である。また、こ
れらの光触媒物質50は、上記に例示した物質を単体で
用いてもよいが、これらの物質を2種類以上混合したも
のや、これら物質とPt、Pd、Rh、Nbなどとを混
合したものを用いることで、光触媒作用をさらに促進さ
せることも可能である。
【0050】このような光触媒物質50を、上述した放
電装置の構成部材に与える方法としては、化学的蒸着
法、無機金属塩の中和や加水分解、金属アルコキシドの
加水分解及びゾルゲル法などを用いることができる。こ
れらの方法を用いることにより、上記構成部材である、
ケーシング(31,41)や放電ワイヤ(32,4
2)、スコロトロン式放電装置の場合にはグリッド44
の表面上の一部又は全部に直接形成することができる。
【0051】また、これら構成部材とは別体の基板上に
光触媒物質50からなる膜が形成し、その基板を上記ケ
ーシング(31,41)や上記グリッド44に接着する
ようにしてもよい。更に、市販されている光触媒微粉末
を、上記ケーシング(31,41)、上記放電ワイヤ
(32,42)、上記グリッド44に接着するようにし
てもよい。更にまた、上記構成部材として、その材料中
に上記光触媒物質が混合されたものを使用することによ
り、その構成部材そのものに光触媒物質のもつ還元作用
を持たせることも可能である。
【0052】本実施形態のように放電装置の構成部材に
光触媒物質を与えた構成の場合、ケーシング(31,4
1)の内部でその放電生成物を分解することができる。
従って、この放電生成物がその放電装置外にある感光体
ドラム10等の部材や他の装置に接触する前に該放電生
成物を除去することができる。これにより、この放電生
成物がこれら部材や装置に及ぼす悪影響を、未然に防止
することができる。尚、本実施形態では、このように放
電を行う放電装置の構成部材に光触媒物質を与えた構成
について説明したが、このような構成部材に与えるので
はなく、光触媒物質が与えられた他の部材を別途設ける
ようにしてもよい。尚、このような部材は、放電を行う
装置に近接して配置するのが好ましい。
【0053】このような光触媒物質は、上述したよう
に、該光触媒物質中における価電子帯の電子が伝導帯に
励起される波長成分を有する光が照射されないと放電生
成物を分解することはできない。そこで、上記光触媒物
質が与えられた構成部材に光を照射するための光照射手
段が必要となる。本実施形態では、紫色に近い発光を伴
ってコロナ放電を行う放電装置を使用しており、このコ
ロナ放電では紫外線も放射される。そこで、本実施形態
では、この紫外線を光照射手段として使用している。こ
の構成により、上記放電装置でコロナ放電が発生する
と、その放電により紫外線が放射されて該放電装置の構
成部材に与えられた光触媒物質50中の電子が励起す
る。そして、その励起した電子の作用により放電生成物
が分解される。
【0054】本実施形態では、上記光照射手段としてコ
ロナ放電の際に放射される紫外線を利用したが、他の構
成例として、図4に示すように、当該光触媒物質に適用
可能な光を放射する光照射手段としての発光体であるラ
ンプ34を別途設けてもよい。尚、図4では、上記ラン
プ34をケーシング31の内部に配置した構成とした
が、該ランプは必ずしも該ケーシング内部にある必要は
なく、該ケーシングの外部に配置してもよい。この場
合、上記ランプ34によって上記ケーシング31内部の
電界分布が乱されることがないので、上記放電ワイヤ3
2からの放電を安定させることができる。更に、このよ
うにランプ34をケーシング31外部に配置すれば、該
ランプの大きさや形状に関する制限が緩和され、低コス
ト化を図ることができる。
【0055】上記ランプ34としては、例えば光触媒物
質としてn型半導体のTiO2を使用している場合に
は、400nm以下の波長を有する光を照射するものを
利用することができる。このようなランプ34として
は、通常の蛍光灯、ハロゲンランプ、紫外線ランプなど
を用いることができる。特に、紫外線ランプを用いると
より高い効果を得ることができる。また、上記発光体の
表面にn型半導体の光触媒物質をコーティングすると、
該発光体にコーティングされた光触媒物質によって、該
発光体に接触した放電生成物を分解することもできる。
このような発光体を利用した場合、使用する発光体を適
宜選択することにより、光触媒物質に照射する光の波長
を選択することが可能となるので、光触媒物質の材料特
性などの条件によって最適な波長の光を選択することが
できる。
【0056】以上、本実施形態においては、放電装置の
構成部材に与えられた光触媒物質50が該放電装置で発
生したコロナ放電により光が照射されると、該光触媒物
質が活性化して還元作用を発揮し、オゾンやNOx等の
放電生成物を分解することができる。従って、このよう
な放電装置を適用した帯電装置11及び転写装置20の
ケーシング(31,41)内で発生した放電生成物は、
該ケーシング内部からその外部に流出する前に、該ケー
シング内で上記光触媒物質50によって効率的に分解さ
れる。
【0057】この結果、放電生成物であるオゾンが、例
えば、上記感光体ドラム10表面を酸化して形成画像の
画質を悪化させたり、当該複写機の外部に流出して環境
を悪化させる等の問題を防止することができる。また、
放電生成物であるNOxによる硝酸又は硝酸塩が、上記
感光体ドラム10表面に付着し、高湿環境下での画像流
れ等の異常画像の発生を防止することができる。また、
低湿環境化の場合、上記放電ワイヤ(32,42)の表
面抵抗が大きくなり、偶発的に大きい放電が発生してし
まうおそれがあるが、上述のようにNOxを除去するこ
とで、その放電ムラも防止することもできる。
【0058】また、本実施形態では、上記感光体ドラム
10表面に硝酸又は硝酸塩が付着する量を、従来に比べ
て少なくすることができるか、あるいはほとんどなくす
ことができる。従って、その感光体ドラム表面をクリー
ニングするクリーニング装置14は、硝酸又は硝酸塩の
膜を削り取る必要があった従来のクリーニング装置に比
べて、そのクリーニングブレードの押圧力を低下させる
ことができ、上記感光体ドラムの寿命を長くすることが
可能となる。
【0059】〔実施形態2〕次に、本発明を上記実施形
態1と同様の複写機に適用した他の実施形態(以下、本
実施形態を「実施形態2」という。)について説明す
る。尚本実施形態では、現像剤として磁性キャリア及び
トナーからなる二成分現像剤を用いた場合について説明
する。上記実施形態の構成では、感光体ドラム10上に
残留した転写残トナー及びキャリアを、クリーニング装
置14のクリーニングブレードによって削り取ってい
た。この場合、従来よりも感光体ドラムの寿命を長くす
ることができるが、それでも該感光体ドラムに対して転
写残トナーを削り取る分の押圧力を加えなければならな
い。そこで、実施形態2では、上記クリーニング装置を
設けずに、上記感光体ドラム上の転写残トナー及びキャ
リアを回収するクリーナーレスシステムを適用した複写
機について説明する。
【0060】図5は、本実施形態に係る複写機の要部を
示す概略構成図である。この複写機は、上記感光体ドラ
ム10の周囲にクリーニング装置が設けられていない点
を除いて、上記実施形態1に係る複写機とほぼ同様の構
成である。この複写機は、転写後に上記感光体ドラム1
0上に残留した転写残トナーをそのまま該感光体ドラム
の回転に従って移動させ、現像手段としての現像装置2
00で回収される。そして、その現像装置200で回収
された転写残トナーは、再び現像に寄与する。
【0061】ここで、クリーナーレスシステムにおい
て、上記残留トナーが受ける物理的作用について説明す
る。図6は、上記転写残トナーに与えられる物理的作用
を説明する説明図である。上記現像装置200の現像に
より形成された上記感光体ドラム10上のトナー像60
aは、上記転写装置20によってそのトナーと逆極性の
電荷が付与された記録紙100上にクーロン力により転
写される。また、記録紙100上に転写されなかったト
ナーは、上記感光体ドラム10上に転写残トナー60b
として残留する。この転写の際、例えば、上記記録材1
00に付与された電荷の一部がトナーに注入されること
がある。従って、このようなキャリアを含む転写残トナ
ー60bの中には、正規の電荷を有するトナーと、その
転写によって極性が転換したトナーとを含むことにな
る。尚、キャリアの膜が削れてしまってキャリア表面に
トナーかすが固着してしまうなどが原因で帯電極性が逆
になってしまったキャリアも、上記感光体ドラム10上
に転写残トナー60bと同様に残留する場合がある。
【0062】上記転写後、上記転写残トナー60bは感
光体ドラム10の回転に伴って搬送されて、該感光体ド
ラム表面を均一な電位に揃えるための帯電装置11によ
り電荷が与えられる。これにより、正負の両極性を有し
ていた転写残トナー60bの極性が同じ極性に揃えられ
る。このとき、本実施形態におけるクリーナーレスシス
テムでは、感光体ドラム10表面の帯電極性と、トナー
の正規帯電極性とが同じ極性となっている。
【0063】本実施形態では、上記感光体ドラム10表
面が上記帯電装置11により負極性に帯電され、上記現
像装置200中のトナーは負極性に帯電されている。こ
のとき、記録紙100は、上記転写装置20によって正
極性の電荷が付与される。従って、転写の際に極性が正
極性に反転した転写残トナー60bは、上記帯電装置1
1の帯電領域を通過することにより正規極性である負極
性に戻される。
【0064】このようにして上記感光体ドラム10を1
周して上記現像装置200に達した転写残トナー60c
は、該感光体ドラムの表面電位と該現像装置により与え
られた現像バイアスとの差に従って、該現像装置に回収
されるか或いはそのまま該感光体ドラム上に残留する。
この感光体ドラム10上に残留したトナーは、トナー像
の一部となって次の画像形成工程の画像形成に寄与す
る。
【0065】図7は、上記現像装置200の現像領域に
おける電位ポテンシャルを説明する図である。この図に
おいて、現像領域中の感光体ドラム10の表面における
静電潜像が形成されない非露光部の電位をV、静電潜
像が形成される露光部の電位をV、上記現像装置20
0により与えられる現像バイアスをVで示している。
【0066】例えば、上記Vを−500Vとし、V
を−100Vとし、Vを−350Vとした場合につい
て説明すると、上記転写残トナー60cのうち図7中A
で示す非露光部にあるトナーAは、上記帯電装置11に
よってVと同じ−500Vに帯電している。従って、
このトナーAには、|V−V|=150Vだけ、ポテ
ンシャルの低い現像装置200側に移動しようとするク
ーロン力が働き、該現像装置に回収される。一方、上記
転写残トナー60cのうち図7中Bで示す露光部にある
トナーBも、上記トナーAと同様に−500Vに帯電さ
れているが、このトナーBには、|V−V|=250
Vだけ、ポテンシャルの低い感光体ドラム10側に留ま
ろうとするクーロン力が働き、上記現像装置200から
現像されるトナーCとともにトナー像を形成する。
【0067】以上のようにして、実施形態2では、クリ
ーナーレスシステムを採用することによりクリーニング
装置を設ける必要がなくなるので、そのクリーニングブ
レードによって感光体ドラム表面を劣化させることがな
くなる。従って、上記感光体ドラムの寿命を大幅に延ば
すことが可能となる。また、クリーニング装置を省いた
分だけ、低コスト化、作像エンジン又はカートリッジの
小型化を実現することができる。
【0068】以下、上記現像装置200の構成について
説明する。図8は、二成分現像剤を用いた本実施形態の
現像装置の概略構成図である。この現像装置200に
は、現像剤担持体としての現像スリーブ201が設けら
れている。この現像スリーブ201は、アルミニウムや
ステンレスなどの非磁性導電性部材で形成されており、
その表面はサンドブラストなどで適度な凹凸が設けられ
ている。また、この現像スリーブ201の内部には、磁
界発生手段としての複数の固定磁石203が設けられて
いる。この現像スリーブ201には、図示しない電源か
ら現像バイアスが印加されるようになっている。この現
像装置200の内部に形成された現像剤溜りAには、現
像剤を互いに逆方向に移動させながら撹拌する2本の撹
拌部材204が設けられている。また、上記現像スリー
ブ201に担持された現像剤を規制するためのドクター
ブレード202も設けられている。
【0069】この現像装置200において、現像により
トナーが消費されると、それに相当する量のトナーがト
ナーボトル205から補給される。補給されたトナーは
上記撹拌部材204によって上記現像剤溜りA内の現像
剤と混合される。そして、2本の撹拌部材204によっ
て撹拌・搬送された現像剤が上記現像スリーブ201近
傍に到達したら、その現像剤は上記固定磁石203の作
用により該現像スリーブに汲み上げられる。この汲み上
げられた現像剤は、上記ドクターブレード202の下流
側で対流して、そのトナーとキャリアとが混合し、該ト
ナーは十分かつ均一に帯電される。
【0070】上記ドクターブレード202により規制さ
れた現像剤は、上記感光体ドラム10と対向する現像領
域で固定磁石203により穂立ち状態となって磁気ブラ
シを形成する。そして、その穂が該感光体ドラム10に
接触し、該感光体ドラム表面を摺擦する。このとき、上
記現像スリーブ201上のトナーは、該現像スリーブと
上記感光体ドラム10上に形成された静電潜像との間の
電界によって、該静電潜像側に移動し、現像が行われ
る。
【0071】この現像の際、上記感光体ドラム10上の
転写残トナーは、上述した物理的作用により回収される
か、あるいはそのまま次の画像形成に寄与する。尚、本
実施形態では、上記現像スリーブ201上の磁気ブラシ
を上記感光体ドラム10表面に摺擦させ、その摺擦力を
利用して転写残トナーの回収率を向上させている。
【0072】ここで、上記転写残トナーの回収率を更に
高めるため、上記現像領域における現像スリーブ201
及び上記感光体ドラム10の線速度と、上記転写残トナ
ーの回収率との関係について実験を行った。本実験で
は、上記感光体ドラム10の回転速度Vを一定とし、
上記現像スリーブ201の回転速度Vを変化させて転
写残トナーの回収率の評価を行った。この評価は、図9
に示すように、上記感光体ドラム10の一周分の画像を
有する原稿を記録紙100上にコピーし、該画像が形成
されていない部分を測定領域として、該測定領域上に付
着したトナー量を測定して行った。表1に本実験の実験
結果を示す。
【0073】
【表1】
【0074】上記表1は、上記感光体ドラム10一周分
の画像領域の画像形成中に使用したトナーが転写残トナ
ーとなって次の一周で記録紙100上に転写されたとき
の該記録紙上のトナーを観察した結果である。この結
果、上記現像スリーブ201の回転速度Vを上記感光
体ドラム10の回転速度Vよりも遅くした場合すなわ
ちV>Vの場合には、上記記録紙100上の測定領
域にはトナーが付着していた。従って、上記感光体ドラ
ム10上に付着していた転写残トナーも存在していたこ
とが分かる。また、V=Vの場合には、V>V
の場合に比べればかなり少なくなったが、上記記録紙1
00上の測定領域には僅かにトナーが付着していた。従
って、上記感光体ドラム10上に付着していた転写残ト
ナーも僅かに存在していたことが分かる。
【0075】一方、V<Vの場合には、V=V
の場合にわずかに付着していたトナーをなくなり、上記
記録紙100上の測定領域にはトナーが付着しなかっ
た。従って、上記感光体ドラム10上にも転写残トナー
が存在していないことが分かる。
【0076】以上の実験結果から、上記現像スリーブ2
01の回転速度Vを上記感光体ドラム10の回転速度
よりも速くした場合には、転写残トナーの回収率が
良好であることが分かった。
【0077】尚、本実施形態で使用する二成分現像剤と
しては、例えば、粒径50μmのフェライト粒子を芯材
とし、その表面をシリコン樹脂でコートしたキャリア
と、質量平均粒径が7.5μmであってカーボンブラッ
クで着色されている熱可塑性樹脂を主成分とするトナー
とを、トナー濃度5wt%で混合したものを用いること
ができる。
【0078】〔変形例〕また、本実施形態では、二成分
現像剤を用いて現像を行う現像装置について説明した
が、本発明は一成分現像剤を用いて現像を行う現像装置
であっても適用することができる。そこで、次に、一成
分現像剤を用いて現像を行う上記実施形態2の変形例に
ついて説明する。
【0079】図10は、一成分現像剤を用いた現像装置
の一例を示す概略構成図である。この現像装置300に
は、現像スリーブ301が設けられている。この現像ス
リーブ301は、適度な弾性を有するゴムなどの導電性
部材で形成されている。また、この現像スリーブには、
図示しない電源から現像バイアスが印加されるようにな
っている。この現像スリーブ301に接触するようにト
ナー供給ローラ304が配置されている。この接触部分
において、トナーと上記現像スリーブ301との接触帯
電や電荷注入により、該トナーに電荷が付与される。そ
して、このトナーと現像スリーブ301との間にクーロ
ン力が発生し、該トナーが該現像スリーブ上に担持され
る。このとき、必要に応じて、上記トナー供給ローラ3
04にもバイアスを印加してもよい。
【0080】また、上記現像スリーブ301に担持され
たトナーは、トナー層形成ブレード302により規制さ
れ、該現像スリーブ上に薄層化されてトナー層を形成
し、上記感光体ドラム10と対向する現像領域に搬送さ
れる。そして、この現像領域において、上記トナー層が
上記感光体ドラム10表面に接触し、該現像スリーブと
該感光体ドラム上に形成された静電潜像との間の電界に
よって、そのトナーが該静電潜像側に移動し、現像が行
われる。
【0081】この現像の際、上記感光体ドラム10上の
転写残トナーは、上述した物理的作用により回収される
か、あるいはそのまま次の画像形成に寄与する。尚、本
変形例では、上記現像スリーブ301上のトナー層を上
記感光体ドラム10表面に摺擦させ、その摺擦力を利用
して転写残トナーの回収率を向上させている。また、本
変形例においても、上記現像領域における現像スリーブ
301の線速度を上記感光体ドラム10の線速度よりも
大きく設定することにより上記摺擦力を更に高め、転写
残トナーの回収率を向上させることができる。
【0082】上記一成分現像剤としては、例えば、質量
平均粒径が7.5μmであってカーボンブラックで着色
されている熱可塑性樹脂を主成分とするトナーを利用い
ることができる。尚、トナーに磁性体を含有させ、上記
現像スリーブに磁石を内包させてた構成とし、磁気力を
利用してトナー層の形成・搬送するものも利用すること
ができる。
【0083】尚、上述した実施形態2及びその変形例の
ようにクリーナーレスシステムを採用した複写機では、
一成分現像又は二成分現像のいずれの場合でも、上記感
光体ドラム10上の転写残トナーを現像装置200で回
収する際にクーロン力を利用するが、その効果を高める
ために、その現像剤あるいはトナーを該感光体ドラム表
面に接触させながら現像を行う接触現像方式を採用する
のが好ましい。この現像の際には、DC成分だけでな
く、様々な波形を有するAC成分を含む現像バイアスを
印加してもよい。
【0084】上述した2つの実施形態では、放電ワイヤ
を放電電極とするコロトロン式あるいはスコロトロン式
の放電装置について説明したが、これに限らず、放電対
象に端部が向いた構造の針状電極を有する放電装置や、
微細構造で構成された電極を有する放電装置、あるいは
放電対象に近接したローラ状、板状、ブラシ状等の電極
を有する装置なども適用することができる。尚、ローラ
状電極を有する放電装置を上記帯電装置に適用したもの
を図11に例示する。この帯電装置111は、上記放電
対象である感光体ドラム10に近接して配された帯電ロ
ーラにより、該帯電ローラと該感光体ドラムとの間の微
小間隙において放電を発生して該感光体ドラムを帯電す
る。また、これら放電装置は、電極にDC成分のみを印
加して放電させるものでもよいが、DC成分だけではな
くAC成分をも含むバイアスを印加してもよい。
【0085】また、上述した実施形態では、単色の現像
剤を用いてモノクロ画像形成を行う複写機について説明
したが、本発明は、多色の現像剤を用いてカラー画像形
成を行うカラー画像形成装置についても適用することが
できる。この場合、複数の潜像担持体である感光体ドラ
ムを設けて各感光体ドラムで形成された各色トナー像を
記録材である記録紙に直接転写するものや、単一の潜像
担持体を用いて該潜像担持体上に順次形成される各色ト
ナー像を転写材としての中間転写体に重ねて転写して最
終的に記録材に転写するものなどを適用することができ
る。
【0086】また、上述した実施形態では、帯電装置や
転写装置のみについて説明したが、本発明の具体的構成
によっては、潜像担持体や中間転写体等の像担持体の除
電手段や、像担持体上に形成されたトナー像を記録材上
に転写した後に該記録材を搬送する搬送部材から該記録
材を分離させる分離手段や、像担持体上に形成されたト
ナー像を搬送部材によって搬送されてきた記録材上に転
写した後に該搬送部材を除電する搬送部材除電手段など
に、放電を伴う放電手段を用いたものについても適用す
ることができる。
【0087】〔実施例〕次に、本発明に係る光触媒物質
を用いた複写機と、該光触媒物質を用いない従来の複写
機とについて行った比較実験について説明する。また、
本発明に係る複写機では、現像スリーブの回転速度を感
光体ドラムの回転速度よりも速く設定している。尚、双
方の複写機は、光触媒物質を有するか否か及び現像スリ
ーブの線速度以外は同じ構成となっている。また、双方
の一様帯電手段としてはコロトロン帯電装置が使用さ
れ、転写手段としてはコロトロン転写装置が使用されて
いる。
【0088】本実験においては、これら複写機を、高
温、高湿環境下に設置して約1万枚のコピーを行い、コ
ピー後にこれら複写機を停止させてその環境下に一晩置
いた。そして、翌朝、これら複写機を動作を再開して、
そのコピー画像について観察した。
【0089】この観察の結果、従来の複写機においては
画像が流れたような状態のコピー画像が得られた。これ
は、機内のNOxが感光体ドラム上に降り積もり、その
NOxが空気中の水分と反応して、HNOや、NH
NOなどの硝酸又は硝酸塩の化合物に変化したためと
考えられる。このように感光体ドラム表面に硝酸又は硝
酸塩の化合物が形成されると、該感光体ドラム表面の抵
抗を低下させてしまう。この結果、上記感光体ドラム表
面に電荷が与えられても、その電荷を該感光体ドラム上
の所定位置に維持することができず、その電荷により形
成される静電潜像が壊されてしまうことによるものと推
測される。また、このような異常画像が形成されたの
は、上記感光体ドラム上の転写残トナーを十分に回収で
きず、前の画像形成工程で形成されたトナー像を形成し
ていた転写残トナーが次の画像形成工程において記録紙
上に転写されてしまったことも要因であると考えられ
る。
【0090】一方、これに対して光触媒物質を用いた本
発明に係る複写機においては、画像が流れたような状態
のコピー画像は現れず、高品質の画像が得られた。これ
は、光触媒物質により放電生成物が除去された結果であ
るとともに、転写残トナーも十分に回収できた結果であ
るとも考えられる。
【0091】
【発明の効果】請求項1乃至18の発明によれば、光触
媒物質の還元作用により放電生成物を除去することがで
きるので、画像が流れたような異常画像は発生せず、画
像品質を向上させることができる新規な画像形成装置を
提供することができるという優れた効果がある。更に、
NOxによる硝酸又は硝酸塩の膜を従来のように機械的
に摺擦して削り取る必要がなくなり、像担持体の長寿命
化を図ることができるという優れた効果もある。
【0092】特に、請求項3乃至5の発明によれば、潜
像担持体に対する現像剤担持体の摺擦力を利用して、該
潜像担持体上に形成されたNOxによる硝酸又は硝酸塩
の膜を削り取り、更に画像品質の向上を図ることができ
るという優れた効果がある。
【0093】また、請求項2の発明によれば、クリーニ
ング部材によって潜像担持体表面を劣化させることがな
いので、潜像担持体の寿命をより長くすることができる
という優れた効果がある。
【0094】特に、請求項3乃至6の発明によれば、転
写残トナーを現像手段で回収する際のトナー回収率を向
上させることができるという優れた効果がある。
【0095】また、請求項7の発明によれば、使用する
光触媒物質に最適な波長の光を照射することができるの
で、該光触媒物質による放電生成物の分解効率を向上さ
せ、より高い画像品質をえることができるという優れた
効果がある。
【0096】請求項8乃至17の発明によれば、新たな
部材や装置を設けることなく、放電により生成される放
電生成物を除去することができるので、簡易な構成の画
像形成装置を提供することができるという優れた効果が
ある。更には、このように構成を簡易化することができ
るので、そのメンテナンス作業も軽減することができる
という優れた効果もある。
【0097】特に、請求項8の発明によれば、光触媒物
質に光を照射するための新たな部材や装置を設ける必要
がなく、簡易な構成の画像形成装置を提供することがで
きるという優れた効果がある。
【0098】また、請求項9の発明によれば、放電発生
箇所に最も近接した位置で放電生成物を除去することが
できるので、該放電生成物を効率よく分解でき、より高
い画像品質をえることができるという優れた効果があ
る。
【0099】特に、請求項10乃至12の発明によれ
ば、放電生成物を放電手段のケーシング外部に流出する
前に該放電生成物を除去することができるので、より高
い画像品質をえることができるという優れた効果があ
る。
【0100】また、請求項13乃至18の発明によれ
ば、より効率よく放電生成物を除去することができるの
で、より高い画像品質をえることができるという優れた
効果がある。
【0101】請求項19及び20の発明によれば、放電
により生成される放電生成物を除去することができる新
規な放電装置を提供することができるという優れた効果
がある。
【0102】特に、請求項20の発明によれば、簡易な
構成で放電生成物を除去することができる。また、放電
生成物を迅速に効率よく除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る複写機全体の概略構成図。
【図2】コロトロン式放電装置の概略構成図。
【図3】スコロトロン式放電装置の概略構成図。
【図4】同コロトロン式放電装置の他の構成例を示す概
略構成図。
【図5】実施形態2に係る複写機の要部を示す概略構成
図。
【図6】クリーナーレスシステムにおいて転写残トナー
に与えられる物理的作用を説明する説明図。
【図7】クリーナーレスシステムにおいて現像領域の電
位ポテンシャルを示す説明図。
【図8】二成分現像装置の概略構成図。
【図9】実験方法を示す説明図。
【図10】一成分現像装置の概略構成図。
【図11】帯電装置の他の構成例を示す概略構成図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11,111 帯電装置 12 光書込ユニット 13,200,300 現像装置 201,301 現像スリーブ 14 クリーニング装置 20 転写装置 30 コロトロン式放電装置 40 スコロトロン式放電装置 31,41 ケーシング 32,42 放電ワイヤ 33,43 高圧電源 34 ランプ 44 グリッド 50 光触媒物質 60 トナー 100 記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 342 (72)発明者 安富 啓 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 赤藤 昌彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴木 宏克 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H003 AA18 BB11 CC01 DD01 EE03 EE08 EE11 2H027 JA02 JB05 JB06 JC02 JC03 ZA07 2H035 AA01 AZ05 2H077 AA37 AD02 AD06 AD13 AD36 AE04 DB14 EA01 EA11

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電対象に対して放電を行う放電手段とを
    備えた画像形成装置において、上記放電手段の放電によ
    り生成された放電生成物を分解可能な光触媒物質を有す
    る放電生成物分解手段と、該放電の際に、該光触媒物質
    を励起させる波長成分を有する光を該放電生成物分解手
    段に対して照射する光照射手段とを設けたことを特徴と
    する画像形成装置。
  2. 【請求項2】潜像担持体上に形成された潜像を現像する
    現像手段を備えた請求項1の画像形成装置において、上
    記現像手段に、上記潜像担持体上に残留した転写残トナ
    ーをクリーニングするクリーニング手段としての機能を
    付加したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】現像剤を担持する現像剤担持体を上記潜像
    担持体に対向させて現像を行う現像手段を備えた請求項
    1又は2の画像形成装置において、上記現像剤担持体の
    線速度を、上記潜像担持体の線速度よりも大きくしたこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】上記現像手段に設けられた現像剤担持体の
    内部に磁界発生手段を有し、磁性キャリアを有する二成
    分現像剤を用いた請求項2又は3の画像形成装置におい
    て、上記現像剤担持体上に形成される磁気ブラシを上記
    潜像担持体表面に摺擦させることにより現像を行うと同
    時にトナーを回収することを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】一成分現像剤を用いて現像を行う請求項2
    又は3の画像形成装置において、上記現像手段に設けら
    れた現像剤担持体上に形成されるトナー層を上記潜像担
    持体表面に摺擦させることにより現像を行うと同時にト
    ナーを回収することを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】上記現像剤担持体の内部に磁界発生手段を
    有する請求項3、4又は5の画像形成装置において、上
    記トナーに磁性成分を有することを特徴とする画像形成
    装置。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5又は6の画像形
    成装置において、上記光照射手段として発光体を用いた
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5又は6の画像形
    成装置において、上記放電手段として発光を伴って放電
    を行う放電手段を用い、該放電手段を上記光照射手段と
    して用いたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】請求項1、2、3、4、5、6、7又は8
    の画像形成装置において、上記放電手段を構成する構成
    部材に該放電手段の放電により生成された放電生成物を
    分解可能な光触媒物質を付与し、該構成部材を上記放電
    生成物分解手段として用いたことを特徴とする画像形成
    装置。
  10. 【請求項10】上記放電手段が、放電電極と、該放電電
    極を包囲して該放電を放電対象に対して行うための開口
    部を有するケーシングとを備えた非接触式放電装置であ
    る請求項9の画像形成装置において、上記構成部材が該
    ケーシングであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】上記放電手段が、放電電極と、該放電電
    極を包囲して該放電を放電対象に対して行うための開口
    部を有するケーシングとを備えた非接触式放電装置であ
    る請求項9又は10の画像形成装置において、上記構成
    部材が該放電電極であることを特徴とする画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】上記放電手段が、放電電極と、該放電電
    極を包囲して該放電を放電対象に対して行うための開口
    部を有し、該開口部にグリッドが形成されたケーシング
    とを備えた非接触式放電装置である請求項9、10又は
    11の画像形成装置において、上記構成部材が該グリッ
    ドであることを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】上記潜像担持体を一様に帯電する一様帯
    電手段を備えた請求項9、10、11又は12の画像形
    成装置において、上記放電手段が上記一様帯電手段であ
    ることを特徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】像担持体上のトナー像を転写した後に該
    像担持体を除電する除電手段を備えた請求項9、10、
    11、12又は13の画像形成装置において、上記放電
    手段が上記除電手段がであることを特徴とする画像形成
    装置。
  15. 【請求項15】像担持体上に形成されたトナー像を転写
    材に転写する転写手段を備えた請求項9、10、11、
    12、13又は14の画像形成装置において、上記放電
    手段が上記転写手段であることを特徴とする画像形成装
    置。
  16. 【請求項16】像担持体上に形成されたトナー像を記録
    材上に転写した後に、該記録材を搬送する搬送部材から
    該記録材を分離させる分離手段を備えた請求項9、1
    0、11、12、13、14又は15の画像形成装置に
    おいて、上記放電手段が上記転写手段であることを特徴
    とする画像形成装置。
  17. 【請求項17】像担持体上に形成されたトナー像を、搬
    送部材によって搬送されてきた記録材上に転写した後
    に、該搬送部材を除電する搬送部材除電手段を備えた請
    求項9、10、11、12、13、14、15又は16
    の画像形成装置において、上記放電手段が上記搬送部材
    除電手段であることを特徴とする画像形成装置。
  18. 【請求項18】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16又
    は17の画像形成装置において、上記光触媒物質が酸化
    チタンであることを特徴とする画像形成装置。
  19. 【請求項19】放電対象に対して放電を行う放電装置に
    おいて、放電により生成された放電生成物を分解可能な
    光触媒物質を有する放電生成物分解手段と、該放電の際
    に、該光触媒物質を励起させる波長成分を有する光を該
    放電生成物分解手段に対して照射する光照射手段とを設
    けたことを特徴とする放電装置。
  20. 【請求項20】請求項19の放電装置において、上記光
    触媒物質を有する構成部材を備え、該構成部材を上記放
    電生成物分解手段として用いたことを特徴とする放電装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004117446A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Ricoh Co Ltd 帯電ローラ及び該帯電ローラを有する画像形成装置
JP2008191576A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Canon Inc 画像形成装置

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JP2004117446A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Ricoh Co Ltd 帯電ローラ及び該帯電ローラを有する画像形成装置
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