JP4107535B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置、詳細には、電子写真方式の作像プロセスで発生する放電生成物を効率的かつ確実に分解し得る画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の作像プロセスを利用した複写機、プリンタ及びファクシミリ装置等の画像形成装置においては、コロナ放電を利用したものが多い。例えば感光体と呼ばれる第1の像担持体上のトナー画像を、第2の像担持体、例えば転写紙上に転写した後、帯電した転写紙の裏面に転写時とは逆極性の電荷を付与して、転写紙を除電し、感光体から剥離しやすくするための電荷付与装置として利用される。これは、通常、分離チャージャと称されている。
【0003】
分離チャージャでは、コロナ放電を利用するため、放電生成物が生成される。例えば、オゾン、NOX が挙げられる。オゾンは、高濃度で画像形成装置内に滞留すると、感光体表面を酸化し、感光体の光感度の低下や帯電能力の劣化を生じさせ、形成画像が悪化する。また、感光体以外の部材の劣化が促進され、部品寿命が低下する等の不具合も挙げられる。
【0004】
高濃度のオゾンが画像形成装置外に排出されると、オゾン臭気により周囲の人に不快感を与えたり、人によってはアレルギー症状を受ける等、人体への悪影響が懸念される。画像形成装置外に排出されるオゾン濃度は規定されている。具体的には、ドイツの複写機に対するブルーエンジェルマーク審査基準によると、機外排出濃度は0.04ppm以下に規制されている。
【0005】
従来、画像形成装置においては、ファンにより感光体周辺のオゾンを吸引して、オゾンフィルタを通して画像形成装置外に排出することが行われている。
【0006】
ところが、このような従来のオゾン処理方法にあっては、フィルタがオゾン吸着により徐々に劣化し、長期間の使用によって適切にオゾンを除去することができなくなるという問題があった。また、フィルタによるオゾン除去率を向上させるために、フィルタのメッシュを細かくしたり、フィルタの厚みを厚くして、フィルタの表面積を増大させると、フィルタでの圧力損失が増大して、容量の大きいファンを取り付ける必要があり、画像形成装置のコストが高くなるとともに消費電力が増大したり、騒音が大きくなるという問題があった。
【0007】
もう一つの主要な放電生成物であるNOX の場合には、機外排出規制は現在のところなされていないが、やはり画像形成装置内部の部材に悪影響を与える。放電が発生すると、NOX が形成されることが知られているが、空気中の水分と反応して硝酸が、また、金属と反応して金属硝酸塩が生成される。これらの生成物は低湿環境下では高抵抗であり、放電ワイヤ等に付着することで、放電が不安定となり帯電むらが生じるといった不具合が発生する。また、感光体表面に硝酸又は硝酸塩による薄い膜が形成されると、高湿環境下では画像が流れたような異常画像が発生する。これは硝酸・硝酸塩が吸湿することで低抵抗となり、感光体表面の静電潜像が壊れてしまうためである。
【0008】
放電ワイヤ表面に付着した付着物は、ワイヤクリーニング部材を設けることで除去可能である。また、感光体表面の付着物は、クリーニング時に感光体を少しずつ削りとることで除去するといった方法が取られている。しかしながら、コスト上昇や経時による劣化問題が起こり、本質的な解決策とはなっていない。
【0009】
この点、本出願人は、光触媒による放電生成物分解作用を利用して、画像形成装置内でオゾンを分解する方法を種々提案している。例えば、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナー中に又は外添剤として金属を担持した半導体粒子を含有させることにより、コロナ放電で発生する放電生成物を低減させる電子写真用現像剤(特開平5−134445号公報参照)や、像担持体の周辺部に設けたイレーサランプ、転写前除電ランプ又は除電ランプの光を受ける部分の少なくとも一つの部分に、金属を担持した半導体微粒子を塗布する等の提案がなされている。
【0010】
これらの提案例によれば、何れも画像形成装置内でオゾンを分解されやすくすることで、帯電器等から外に流出したオゾン濃度を低減させ、オゾンフィルタへの負荷を少なくすることができる。
【0011】
この他の従来例を列挙すると、以下のようなものがある。例えば、特開平5−303244号公報によれば、定着部の排熱を利用し、NOX が硝酸塩になるのを防ぐようにしている。特開平6−167857号公報によれば、定着部の排熱を利用し、放電部材のオゾンの分解を行うことで感光体の劣化を防ぐようにしている。特開平6−317974号公報によれば、触媒を放電が生じている付近に配置することで、オゾンの発生を抑えるようにしている。特開平7−134473号公報によれば、触媒、熱を利用することで、オゾンの発生を抑えるようにしている。特開平9−114191号公報によれば、帯電器の表面で、感光体の帯電用とは別に沿面グロー放電を起こすことで、NOX を分解するようにしている。特開平9−138619号公報によれば、オゾン吸引用のダクト内でのオゾンを、光を照射することで分解し、分解効率をよくすることでオゾン分解フィルタの長寿命化を図るようにしている。特開平10−90974号公報によれば、触媒を鋸歯電極に設けることで、オゾンを分解するようにしている。特開平10−301364号公報によれば、放電部分にオゾン非発生ガスを流すことで、オゾンの発生を防ぐようにしている。さらに、特開平8−23715号公報によれば、触媒を放電器の内側に被覆することで、NOX を中和し感光体の劣化を防ぐようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の画像形成装置や放電生成物低減方法にあっては、何れも帯電器等から外に流出した放電生成物濃度を低減させて、フィルタへの負荷を少なくするようにしているに過ぎないものであり、なお改良の余地がある。
【0013】
即ち、帯電器等から外に流出した放電生成物濃度を低減させるようにしているため、帯電器等から流出した放電生成物は、少なからず画像形成装置内に拡散し、光触媒と反応する確率が低下するので、放電生成物濃度の低減効率が低く、効率的な放電生成物濃度の低減が要望されている。
【0014】
そこで、本発明は、いわゆる分離チャージャ付近で発生する放電生成物であるオゾン及びNOX の濃度低下を効率よく行える画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、電子写真プロセスに従い像担持体上に形成された画像を転写紙に転写した後、帯電装置により前記転写紙の裏面に電荷を付与してこの転写紙を前記像担持体から剥離しやすくする画像形成装置において、前記帯電装置が放電ワイヤを有するコロナ帯電器であり、同コロナ帯電器のケーシング内部の前記放電ワイヤに対向する面及び前記放電ワイヤが放電生成物を分解するための光触媒物質を有することを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記放電ワイヤに対向する面がグリッドであることを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記コロナ帯電器は、そのケーシング内部に紫外線を照射する発光体を有し、該発光体はその発光表面に光触媒物質を含むことを特徴とする
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記紫外線の波長が300nm〜400nmであることを特徴とする
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記光触媒物質が半導体であることを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像形成装置において、前記半導体が酸化チタンであることを特徴とする。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、前記酸化チタンの結晶構造がアナターゼ型であることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0036】
図1ないし図4は、本発明の画像形成装置の一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態を適用した画像形成装置1の要部構成である。
【0037】
図1において、画像形成装置1は、図示しない本体筐体内に、時計方向に回転駆動される第1の像担持体としての感光体2が収納されている。この感光体2の周囲には、電子写真プロセスに従い、帯電装置3、光書込装置4、現像装置5、転写装置6、紙分離装置14、クリーニング装置7及び感光体除電装置8等が配設されているとともに、クリーニング装置7の手前にトナー除電装置9が配設されている。
【0038】
画像形成装置1は、第2の像担持体である複数枚の転写紙Pを収納する給紙カセット(図示せず)を備えており、給紙カセット内の転写紙Pは、給紙ローラ(図示せず)により1枚ずつレジストローラ対(図示せず)でタイミング調整された後、転写装置6と感光体2の間に送り出される。
【0039】
画像形成装置1は、感光体2を図1中時計方向に回転駆動して、感光体2を帯電装置3で一様に帯電した後、光書込装置4により画像データで変調されたレーザを照射して感光体2に静電潜像を形成し、静電潜像の形成された感光体2に現像装置5でトナーを付着させて現像する。画像形成装置1は、現像装置5でトナーを付着してトナー画像を形成した感光体2を、転写装置6で感光体2と転写装置6との間に搬送されてきた転写紙Pに転写させ、トナー画像の転写された転写紙Pを定着装置10に搬送する。
【0040】
定着装置10は、内蔵ヒータにより所定の定着温度に加熱される定着ローラ11と、定着ローラ11に所定圧力で押圧される加圧ローラ12とを備え、転写装置6から搬送されてきた転写紙Pを加熱・加圧して、転写紙P上のトナー画像を転写紙Pに定着させた後、図示しない排紙トレイ上に排出する。
【0041】
一方、画像形成装置1は、転写装置6でトナー画像を転写紙Pに転写した感光体2をさらに回転して、トナー除電装置9で感光体2上に残留している残留トナーの電荷を除去し、クリーニング装置7で感光体2表面に残留するトナーをブレード13により掻き落として除去した後、感光体除電装置8で除電する。画像形成装置1は、感光体除電装置8で除電した感光体2を帯電装置3で一様に帯電させた後、上述の場合と同様に、次の画像形成を行う。なお、クリーニング装置7は、ブレード13で感光体2上の残留トナーを掻き落とすものに限らず、例えば、ファーブラシで感光体2上の残留トナーを掻き落とすものであってもよい。
【0042】
これらの帯電装置3、転写装置6、紙分離装置14及びトナー除電装置9は、何れもコロナ放電を利用したコロナ帯電器であり、図2に示すようなコロトロン或いは図3に示すようなスコロトロンが用いられている。
【0043】
コロトロンは、図2に示すように、転写紙P側が開口した矩形或いは円筒形状に形成されたケーシング21内の略中央部に放電ワイヤ22が収納されており、放電ワイヤ22に高圧電源23から所定の高電圧が付与されることにより、コロナ放電する。このケーシング21は、アルミニウム或いはステンレス等の金属で形成されており、感光体2側以外の部分をシールドして放電安定性を向上させている。また、放電ワイヤ22には、例えばタングステン等が用いられている。
【0044】
また、スコロトロンは、図3に示すように、転写紙P側が開口した矩形或いは円筒形状にアルミニウム或いはステンレス等の金属で形成されたケーシング31内の略中央部に、タングステン等で形成された放電ワイヤ32が収納されており、感光体2側の開口部にグリッド33が配設されている。放電ワイヤ32には、高圧電源34から所定の高電圧が付与され、グリッド33には、バリスタ35から所定の電圧が印加される。スコロトロンは、高圧電源34から放電ワイヤ32に所定の高電圧を印加するとともに、グリッド33にバリスタ35から所定の電圧を印加して、放電ワイヤ32からのコロナ放電のイオン流をグリッド33で制御して、放電むらをなくすとともに、感光体2表面の電位を制御する。
【0045】
本実施の形態では、特に、帯電装置である紙分離装置(いわゆる分離チャージャ)14では、コロトロン或いはスコロトロンによりコロナ放電して、転写紙P上に電荷を与え、転写装置6で転写紙Pに与えられた電荷を中和し、感光体2と転写紙Pとの間の静電付着力を弱めることで、転写紙Pを感光体2から剥離しやすくする。
【0046】
ここで、多量のオゾン並びにNOX が発生し、前述したような不具合が発生する。
【0047】
そこで、本実施の形態では、紙分離装置14が、上述したコロトロンで形成されるときには、そのケーシング21の内、少なくとも放電ワイヤ22に対向する面に、光触媒物質40を有し、また、上述したスコロトロンで形成されるときには、そのケーシング31及びグリッド33の内、少なくとも放電ワイヤ32に対向する面に、光触媒物質40を有している。また、放電ワイヤ22,32自体も光触媒物質40を有している。
【0048】
このような光触媒物質40としては、例えば、酸化チタン等のn型半導体が用いられている。この半導体は、光が照射された状態で、放電生成物、例えば、オゾンが接触すると、そのオゾンを分解する作用を有している。即ち、酸化チタン等の半導体は、バンドギャップに相当する波長の光が照射されると、伝導帯に励起され、価電子帯に正孔が生成される。この半導体の励起された電子は、還元作用を及ぼし、金属を担持している場合には、価電子帯から金属に電子が流れて、そこで還元作用を及ぼす。このように、半導体に適当な波長の光を照射することにより、励起された電子の還元作用により、放電生成物が還元分解される。
【0049】
光触媒物質40としては、上述した酸化チタンの他に、WO3 、ZnO及びCdS等を用いることができる。特に、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタンは、反応効率、安全性及び利用できる波長域の点から好適である。これらの光触媒物質40は、上述のものを2種類以上混合してもよく、また、Pt、Pd、Rh及びNb等を混合すると、光触媒作用をさらに促進させることができる。
【0050】
光触媒物質40は、化学的蒸着法、無機金属塩の中和や加水分解、金属アルコキシドの加水分解及び、ゾルゲル法等によりケーシング21,31やグリッド33、放電ワイヤ22,32上の一部に直接形成することにより、取付けることができる。また、別の基板に形成した膜をケーシング21,31やグリッド33に接着することで貼付けることも可能である。市販の光触媒微粉末を、ケーシング21,31やグリッド33、放電ワイヤ22,32上に接着することでも取付けることができる。さらには、ケーシング21,31、グリッド33、放電ワイヤ22,32を構成する材料自身に、光触媒物質40を混合して、各部材を形成することによって、各部材そのものに光触媒作用を持たせることも可能である。
【0051】
コロナ放電は、紫色に近い発光を伴い、紫外線が放射されていることが知られており、この紫外線によって光触媒物質40が励起され、励起された光触媒物質40によって放電生成物を分解することができる。
【0052】
次に、本実施の形態の作用について説明する。画像形成装置1は、紙分離装置14のコロナ放電を行う部分のケーシング21,31やグリッド33の放電ワイヤ22,32に面する部分、放電ワイヤ22,32自体に光触媒物質40を具備させており、この光触媒物質40により、ケーシング21,31内で放電生成物を分解させるところにその特徴がある。
【0053】
即ち、画像形成装置1は、図1中で時計方向に回転駆動される感光体2を帯電装置3でコロナ放電により一様に帯電した後、光書込装置4により画像データで変調されたレーザを照射して感光体2に静電潜像を形成し、静電潜像の形成された感光体2に現像装置5でトナーを付着させて現像する。画像形成装置1は、現像装置5でトナーを付着してトナー画像を形成した感光体2を、転写装置6でコロナ放電により感光体2と転写装置6の間に搬送されてきた転写紙Pに転写させる。転写装置6で転写紙Pにはトナーと逆電荷が付与されるため、感光体2との間に静電引力が働き、転写後に紙分離装置14で転写紙Pの裏面の電荷を除電する。即ち、紙分離装置14ではコロナ放電により、転写紙Pの裏面電荷を中和している。
【0054】
トナー画像が転写された転写紙Pを定着装置10に搬送し、定着装置10で転写紙P上のトナー画像をこの転写紙Pに定着させた後、排紙トレイ(図示せず)上に排出する。そして、画像形成装置1は、転写装置6でトナー画像を転写紙Pに転写した感光体2を、さらに回転して、トナー除電装置9でコロナ放電により感光体2上に残留している残留トナーの電荷を除去し、クリーニング装置7で感光体2表面に残留するトナーをブレード13により掻き落として除去した後、感光体除電装置8で除電する。
【0055】
このような電子写真方式の作像プロセスにおいて、コロナ放電を利用する場合には、オゾン、NOX 等の放電生成物が発生する。例えば、紙分離装置14部分が該当する。
【0056】
ここに、本実施の形態にあっては、画像形成装置1の紙分離装置14としてコロトロンが用いられているときには、ケーシング21の放電ワイヤ22に対向する部分全面或いは一部、放電ワイヤ22の一部或いは全面に光触媒物質40が具備されており、また、スコロトロンが用いられているときには、ケーシング31及びグリッド33の放電ワイヤ32に対向する部分全面或いは一部、放電ワイヤ32の全面或いは一部に光触媒物質40が具備されている。この光触媒物質40は、上述のようにコロナ放電で発光される光が照射されると、活性化して還元作用を発揮し、オゾンやNOX 等の放電生成物を分解する。
【0057】
従って、本実施の形態によれば、コロナ放電により紙分離装置14のケーシング21,31内で発生した放電生成物は、ケーシング21,31から外部に流出する前に、ケーシング21,31内で光触媒物質40により効率よく分解される。その結果、例えば、オゾンが感光体2表面を酸化し、画像を悪化させることを防止することができ、また、画像形成装置1の外部にオゾンが流出して、環境を悪化させることも防止できる。また、NOX による硝酸、硝酸塩が感光体2表面に付着することも防止でき、高湿環境での画像流れを防止できる。この結果、感光体クリーニングブレードによる感光体2表面の削り取りが不要となり、その押し当て圧低減によるブレードの長寿命化、劣化防止を図れ、かつ、押し当て圧が強いことによるトナーの感光体2への固着を防止し得ることにもなる。さらには、経時での硝酸や硝酸塩による放電ワイヤ付着が発生しにくくなり、低湿環境での放電ムラを防止することも可能となる。
【0058】
なお、本実施の形態では、放電ワイヤ22,32の放電により発生する光を利用して光触媒物質40を活性化させ、放電生成物を分解しているが、光触媒物質40による放電生成物の分解効率を向上させるために、図4にスコロトロンの場合について示すように、ケーシング31内に光触媒物質40を励起させる波長を含む光を照射する発光体としてのランプ50を設けてもよい。
【0059】
このランプ50としては、例えば、光触媒物質40としてのn型半導体が酸化チタンである場合には、400nm以下の波長が含まれていればよい。従って、通常の蛍光灯やハロゲンランプ等を用いることができ、特に、紫外線ランプを用いればさらに効果的となる。なお、図4では、スコロトロンにランプ50を配設させた場合の例を示しているが、図2に示したようなコロトロンの場合にも同様に適用できる。
【0060】
また、ランプ50の表面にn型半導体の光触媒物質40をコーティングすると、このランプ50にコーティングされた光触媒物質40が励起され、ランプ50に接触したオゾンを分解させることもできる。
【0061】
このようなランプ50をケーシング31内に設けることにより、放電による発光がない場合にも、ランプ50の光でケーシング31やグリッド33に具備させた光触媒物質40を活性化して、オゾンを分解させることができ、オゾンの分解効率を向上させることができる。
【0062】
なお、本実施の形態のように、紙分離装置14のケーシング21,31内にランプ50を設けた場合には、画像形成処理を行っている際にもランプ50を点灯させ、光照射を行ってもよい。
【0063】
また、上述した構成では、ランプ50はケーシング21,31の内部に配置されているが、必ずしもケーシング21,31の内部である必要はなく、光触媒物質40に十分な光が照射されるならば、ケーシング21,31の外に配置しても構わない。ケーシング21,31の外部に配置することで、ランプ50によってケーシング21,31の内部の電界分布が乱されることがなくなり、放電ワイヤ22,32からの放電が安定化する。また、ランプサイズの制限がなくなり、コスト低減にもつながる。
【0064】
ここに、上述したような光触媒物質40の効果を検証するため、電子写真方式のプリンタを用いて比較実験を行った。まず、本実施の形態による光触媒物質40を用いていないコロナ帯電器(紙分離装置14)単体でのオゾン濃度を測定したところ10ppmであった。この帯電器のケーシング31及びグリッド33の放電ワイヤ32に面する部分、さらに放電ワイヤ32に、半導体の光触媒物質40を塗付するとともに、酸化チタンの薄膜を表面コーティングした紫外線ランプ50を取り付けた。そして、放電中のオゾン濃度を測定したところ、約1/25に低下した。
【0065】
また、本実施の形態による光触媒物質40を用いていないコロナ帯電器(紙分離装置14)単体での、NO2 濃度を測定したところ0.12ppmであった。この帯電器のケーシング31及びグリッド33の放電ワイヤ32に面する部分、さらに放電ワイヤ32に、半導体の光触媒物質40を塗付するとともに、酸化チタンの薄膜を表面コーティングした紫外線ランプ50を取り付けた。そして、放電中のNO2 濃度を測定したところ、約1/10に低下した。
【0066】
このように、本実施の形態によれば、いわゆる分離チャージャである紙分離装置14付近で発生する放電生成物であるオゾン及びNOX をその発生個所に非常に近い所に具備させた光触媒物質40により効率よく分解してその濃度を低下させることができる。特に、放電ワイヤ22,32自身に光触媒物質40を具備させることで、オゾン、NOX 生成個所に非常に近い所で分解が起こるため、非常に効率がよい。また、紫外線が発生するのも放電ワイヤ22,32からであり、効率がよい。
【0067】
このようにNOX 濃度が低下することにより、まず、放電生成物の一つである硝酸、硝酸塩による放電ワイヤ22,32の汚れが抑制され、これにより帯電むらを抑制できる。また、放電ワイヤ22,32のクリーニング装置が不要となり、大幅なコスト削減並びにメンテナンス低減を図れ、部品点数が減る。さらには、コロナ帯電器は長時間使用していると、放電にむらが生じ帯電が不均一になる。これは、放電ワイヤ22,32上にSiなどの化合物が積層し、放電の強度が不均一になるためである。しかし、上述のように、光触媒物質40を具備することで、放電ワイヤ22,32上に形成されるSi化合物の生成を抑制でき、放電ワイヤ22,32の長寿命化を図ることもできる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、帯電器のコロナ放電により発生する光により放電ワイヤに対向するケーシング内部面上の光触媒物質を活性化させて、コロナ放電により発生する放電生成物であるオゾン及びNOX を帯電器のケーシングから流出する前に効率的に分解することができ、オゾンやNOX が及ぼす悪影響を防止でき、画像形成装置外に流出するオゾン及びNOX 量を低減させることができ、特に、放電ワイヤ自身が光触媒物質を有することで、オゾン、NO X 生成個所に非常に近い所で分解が起こるため、非常に効率がよく、また、紫外線が発生するのも放電ワイヤからであり、効率がよい。放電ワイヤのクリーニングも不要となり、放電むらの発生も抑制できる。
【0069】
請求項2記載の発明によれば、コロナ放電により発生する放電生成物であるオゾン及びNO X を帯電器のケーシングから流出する前に、さらに効率的に分解することができる。
【0070】
請求項3記載の発明によれば、コロナ帯電器のケーシング内部に紫外線を照射する発光体により、光触媒物質による放電生成物の分解効率を一層向上させることができ、さらに、該発光体はその発光表面に光触媒物質を含むので、発光体に接触したオゾン等の放電生成物の分解を分解させることができる。
【0071】
請求項4記載の発明によれば、発光体が照射する紫外線の波長が300nm〜400nmであるので、発光体による光触媒物質の励起効率を向上させることができる。
【0072】
請求項5記載の発明によれば、前記光触媒物質が半導体であるので、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明を容易に実現できる。
【0073】
請求項6記載の発明によれば、半導体が酸化チタンであるので、請求項5記載の発明を極めて容易に実現できる。
【0074】
請求項7記載の発明によれば、酸化チタンの結晶構造がアナターゼ型であるので、請求項6記載の発明を実現する上で、反応効率、安全性及び利用できる波長域等の点で好適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図2】紙分離装置のコロナ帯電器としてコロトロンを用いた場合を示す構成図である。
【図3】紙分離装置のコロナ帯電器としてスコロトロンを用いた場合を示す構成図である。
【図4】紙分離装置のコロナ帯電器としてスコロトロンを用いた場合の変形例を示す構成図である。
【符号の説明】
2 第1の像担持体
14 帯電装置
21,31 ケーシング
22,32 放電ワイヤ
33 グリッド
40 光触媒物質
P 第2の像担持体

Claims (7)

  1. 電子写真プロセスに従い像担持体上に形成された画像を転写紙に転写した後、帯電装置により前記転写紙の裏面に電荷を付与してこの転写紙を前記像担持体から剥離しやすくする画像形成装置において、前記帯電装置が放電ワイヤを有するコロナ帯電器であり、同コロナ帯電器のケーシング内部の前記放電ワイヤに対向する面及び前記放電ワイヤが放電生成物を分解するための光触媒物質を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記放電ワイヤに対向する面がグリッドであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記コロナ帯電器は、そのケーシング内部に紫外線を照射する発光体を有し、該発光体はその発光表面に光触媒物質を含むことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記紫外線の波長が300nm〜400nmであることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一つに記載の画像形成装置。
  5. 前記光触媒物質が半導体であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一に記載の画像形成装置。
  6. 前記半導体が酸化チタンであることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記酸化チタンの結晶構造がアナターゼ型であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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