JP5196229B2 - コロナ帯電器および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明はコロナ帯電器、特に電子写真方式を利用した画像形成装置に利用されるコロナ帯電器、特にグリッド電極を有するコロナ帯電器およびそれを利用した画像形成装置に関する。
一般に電子写真装置は、一様に帯電された感光体上に画像データにより変調された書込光を照射して、感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像の形成された感光体に現像部によりトナーを供給してトナー画像を感光体上に形成して現像する。画像形成装置はこの感光体上のトナー画像を転写部で転写紙或いは中間転写体に転写した後、定着部で転写紙上に転写したトナーを加熱・加圧して定着させ、感光体表面に残留したトナーをクリーニング部でクリーニングブレードにより掻き取る等の方法により回収する。以上のような画像形成プロセスが取られる。
上記画像形成プロセスの最初の段階である感光体を帯電する手段としてはコロナ帯電器が利用できることが知られている。
コロナ放電は、不均一な電界中で行われる局所的な空気の絶縁破壊によって生じる持続的な放電である。一般には、微小径のワイヤをアルミなどのシールドケース中に張り、そのシールドケースの一部を削除したような構造をしている。その削除された領域からコロナイオンが放出される構成となっている。コロナワイヤに印加する電圧を増加していくと、ワイヤの周囲に局所的な強い電場が形成され、部分的な空気の絶縁破壊が起こり、放電が持続する。これがコロナ放電である。
コロナ放電の放電形態は、印加電圧の極性により大きく左右される。正コロナ放電の場合は、コロナワイヤ面に均一な放電が形成される。負コロナ放電の場合は、ストリーマ放電が点在する形の放電形態となる。このため正コロナ放電は帯電の均一性がかなり良いが、負コロナでは放電ムラが発生するため、正コロナより劣る。また、放電による発生するオゾンの量は負コロナのほうが正コロナよりも一桁程度多く、環境に対する負荷も大きいことが知られている。以下に、コロナ帯電器とその特徴を記す。
<コロナ帯電器とその特徴>
(1)コロトロン型コロナ帯電器
コロトロン型コロナ帯電器とそれを用いた帯電法の構成を図1(a)に示す。コロトロン型コロナ帯電器は直径50〜100umのタングステンワイヤを1cm程度離して金属でシールドした構成である。開口面を被帯電体(感光体)に対向して配置した状態で、コロナワイヤに5〜10kVの高電圧を印加し、これによって発生した正または負イオンを被帯電体表面に移動させて帯電する。図2(a)に示すようにコロトロン型コロナ帯電器は一定量の電荷発生を行うので、例えば膜厚偏差を有する被帯電体表面を均一に一定電位に帯電することは必ずしも得意ではない。
(2)スコロトロン型コロナ帯電器
スコロトロン型コロナ帯電器は、被帯電体表面の帯電電位のムラを少なくするために考案されたものである。図1(b)に示すようにコロトロンの開口面に数本のワイヤ或いはメッシュをグリッド電極として配置した構成である。このスコロトロン型帯電器の開口面を被帯電体に対向させ、グリッド電極にバイアス電圧を印加する。
スコロトロン型コロナ帯電器の帯電特性を図2(b)に示す。スコロトロン型コロナ帯電器の特徴は帯電時間が長くなってもグリッド電極に印加された電圧によって帯電電位が規制され、表面電位が飽和することである。この飽和値はグリッド印加電圧により制御できる。スコロトロン型コロナ帯電器は、コロトロン型に比べて構造が複雑で帯電効率も劣るが、帯電電位の均一性に優れ、広く使用される。
コロトロン型、スコロトロン型、何れコロナ帯電器であっても、コロナ帯電器は大気中で5〜10KVもの高圧による放電を利用した帯電器であるため、大気中の酸素原子、窒素原子などからOやNOx、更には硝酸イオン、アンモニウムイオン等の放電生成物を生成、放出することが知られている。これらの放電生成物は被帯電体である感光体に付着、更には浸透し、画像上に白抜け、黒帯、画像ボケ等の不具合を発生させることがある。コロナ帯電器を用いた場合、放電生成物による感光体の劣化を防ぐ技術が時として必要となり、様々な検討が行われている。
特許文献1ではコロナ帯電器のSUS材質の帯電グリッドにグラファイト粒子、ニッケル粒子、アルミニウム化合物粒子と有機樹脂バインダを含有する導電性塗料を塗布したもので構成され、制御電極の放電生成物による腐食を抑止し、生成された放電生成物を導電性皮膜が吸収することで被帯電体の汚染を抑制している。皮膜中の微粒子が放電生成物を吸収する作用を利用しているが、吸収可能な量は粒子の吸着サイトの数で決まってしまうため、経時での使用においては吸着サイトが埋もれるのが早く、効果が薄れてしまうことが予想される。
特許文献2ではコロナ帯電器に開口部を設け、そこに設置した微細に区画された連通開口にオゾン吸着粒子層を形成することによりオゾンの拡散を抑制している。オゾン吸着粒子にはゼオライトおよび活性炭が用いられている。この発明によるとオゾンの拡散を抑制は可能であるが、被帯電体側に拡散するオゾンによる被帯電体汚染は抑制できないため、画像に影響する課題は効果が期待できない。
また、特許文献3では被帯電体表面に付着した放電生成物を吸着する生成物除去手段に加え、被帯電体表面に放電生成物を付着させ難くする生成物付着防止手段と、被帯電体表面に付着した放電生成物が低抵抗化するのを防止する低抵抗化防止手段と、被帯電体表面近傍での放電生成物の発生量を少なくする生成物発生防止手段のうちの少なくとも1つを設けた構成となっており、ゼオライト等の吸着剤を被帯電体とコロナ帯電器の間に配置させる例もあるが、もう1つ別の放電生成物吸着手段を被帯電体に接触させることが必須となっており、複数の部材が必要となる。また、吸着剤を被帯電体とコロナ帯電器との間に配置させると被帯電体の帯電が不安定となることが予想される。
特開2005−227470号公報 実開昭62−089660号公報 特開2003−43894号公報
本発明は上記の事情に鑑み、検討された発明であって、大気中の高圧を利用したコロナ放電により発生する放電生成物量を低減することにより、環境および被帯電体の表面・内部汚染を持続的に防止することができるコロナ帯電器を提供することを最大の目的としている。
本発明者らは前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、(1)コロナ放電による放電生成物除去にはゼオライトが有効であること、(2)コロナ帯電器内の部材の中ではグリッド電極部にゼオライトを保持する事が放電生成物の除去に最も有効であること、(3)グリッドにゼオライトを保持する場合、帯電制御電極としての機能を確保するために所定の電極抵抗にする必要があること、さらには(4)放電時に随時生成する放電生成物に対しては光触媒が有効である事、(5)光触媒はコロナ放電光で活性化され大きな効果を発生することを見出した。
そして、上記の知見に基づいて、コロナ帯電器から発生する放電生成物を減少させることで、大気汚染を防ぐとともに電子写真方式の電子写真装置に用いた際には感光体の変質を防ぎ、帯電器直下濃度ムラや像流れの発生の抑制が可能となり、電子写真装置の信頼性が飛躍的に向上することを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明は以下に記載するとおりのコロナ帯電器および画像形成装置である。
(1)コロナ放電電極と帯電グリッドとを有するコロナ帯電器において、該帯電グリッドが表面にゼオライトと導電剤とバインダ樹脂とを含む層を有し、該層中に光触媒を含有することを特徴とするコロナ帯電器。
(2)光触媒が酸化チタンである(1)記載のコロナ帯電器
(3)コロナ帯電器のコロナワイヤで発生する放電光によって光触媒を活性化することを特徴とする(1)又は(2)項記載のコロナ帯電器。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のコロナ帯電器と少なくとも電子写真感光体とを組み合わせて一体構成としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載のコロナ帯電器或いは(4)に記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成装置。
被帯電体の表面電位の制御が容易な帯電グリッドを有するスコロトロン型のコロナ帯電器において、グリッド電極にゼオライト、導電剤、光触媒を保持させることで、コロナ帯電器から発生するガス、放電生成物量を効率的かつ継続的に低減し、感光体等被帯電体の汚染・変質を抑制することで安定した画像を維持することができる。
図3は電子写真装置の模式図である。帯電装置101により像担持体100に(±)600〜1400Vが帯電される。電荷の付与(荷電)が行われた後、画像露光系102により潜像形成が行われる。アナログ複写機の場合、露光ランプで照射された原稿像がミラーにより逆像の形で感光体に可視光投影され結像されるが、デジタル複写機の場合にはCCD(電荷結合素子)で読み取られた原稿像は波長400〜780nmのLDやLEDのデジタル信号に変換されて、感光体上に結像される。従って、アナログとデジタルの波長域は異なる。結像によって感光層では電荷分離が行われ、感光体に潜像形成が行われる。原稿に応じた潜像形成が行われた像担持体100は、現像装置103で現像剤により現像が行われ、原稿像は顕像化(トナー像)される。
次に、感光体上のトナー像は転写装置104に電圧を印加することによりコピー用紙109に転写される。転写で印加する電圧は感光体に流れる電流が一定となるよう定電流制御となっている。一方、像担持体100は転写後、クリーニング装置105(クリーニングブラシ106及び弾性ゴムクリーニングブレード107で構成)でトナー像が清掃され清浄化される。クリーニング後の感光体にはトナー像を形成されたあとの潜像(原稿像)が多少なりとも保持されているため、消去し均一化するために除電装置(一般に赤色光が使用される)108で除電され、次の潜像形成の準備を終え一連の複写プロセスが終了する。
上記、画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであっても良い。
本発明に係る画像形成装置用のプロセスカートリッジとは、少なくとも像担持体と帯電装置を備え必要に応じ、現像装置、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を一体型ユニットとして、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
[コロナ帯電器の構成について]
<帯電グリッド>
本発明に係るスコロトロン型帯電器は図1(b)に示した構成であり、少なくともシールドケース、帯電ワイヤ、グリッド電極を必須の構成要素としている。図4にスコロトロン型コロナ帯電器の帯電方法を示す。図4は帯電器と感光体が対向して設置されており、帯電ワイヤにVc:−5〜−8KV、グリッド電極にVg:−500〜−1500voltを印加し、感光体をVg近傍の帯電電位で均一帯電を指向するものである。前述の通り、コロナ帯電ではO、NOx、アンモニウムイオン、硝酸イオン等の放電生成物が高圧放電により生成され、帯電器内(シールドケース内)にそれらが蓄積する。
本発明はこのシールドケース内に蓄積した放電生成物を低減すること、放電時に発生する放電生成物を随時低減することを主たる目的としており、帯電器にゼオライトを保持させる構成とすることで放電生成物の低減を図っている。ゼオライトの保持位置は種種の検討の結果、グリッド電極に保持させることが放電生成物による感光体表面の劣化、異常画像を抑制し得る事が判明したため、グリッド電極にゼオライトを保持させる構成とする。グリッド電極は前述の通り、コロナ放電による感光体の帯電電位を均一にするための制御電極であるため、帯電ワイヤからグリッド電極に対しても放電が起こる必要があり、グリッド電極の表面抵抗は1×1010Ωcm以下である必要がある。そのため、本発明に係るグリッド電極は導電性のメッシュ状或いはワイヤー状の金属グリッドの上にゼオライト、導電剤を保持した構成となる。さらに、本発明は帯電動作・放電中の放電生成物や放電中に画像形成装置外から進入する感光体に対しての有害物質の除去に注目したものであり、特に、NOx、SOx、アンモニア、アセトアルデヒド、硫化水素、メチルメルカプタンを分解することを目的として、ゼオライト、導電剤に加えて光触媒を金属グリッド上に併せ持つ構成としている。
コロナ帯電器の制御電極である帯電グリッドの基材としては従来使用されているものを用いることができる。帯電グリッドの材質としては、電極として機能するため導電体である金属が用いられる。電極としての機能としては金属であるアルミニウム、タングステン、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属のほとんどが使用できるが、帯電器はコロナ放電により発生するオゾンやNOx等に曝露されるため、耐蝕性の高い金属が好ましく、クロムやニッケルを含んだステンレス等が用いられている。形状としてはコロナ放電で発生した電荷を感光体上へ移動させ、かつ制御電極としての機能を有する必要性から金属薄板にパンチング、エッチング等により開口部を設けたもの、または金属ワイヤを並べたものが通常用いられる。特に金属板を0.5〜3mm間隔の網目状にエッチングしたエッチンググリッドが好ましい。
実施例では、帯電グリッドの基材として厚さ0.1mm、長さ285mm、幅40mmのSUS304製板を用い、開口部長さ250mm、幅36mmの部分に0.1mmの格子を45度の角度で0.5mm間隔で配したものを用いた。この基材に塗工液を裏と表の両面のそれぞれに乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布し、100℃/30分間乾燥させ導電性被膜を形成させてグリッドを作製し、コロナ帯電器に装着した。
また、帯電グリッドの基材がワイヤである場合には、ワイヤの周囲に均一な塗膜を形成する。
前記では導電剤を含む塗膜形成材料を用いて塗膜を形成したが、バインダ樹脂、ゼオライト及び光触媒からなる塗膜形成材料を用いて塗膜を形成した後に導電剤を後から塗布するか打ち込むことによって塗膜を形成しても良い。
実施例で用いた帯電グリッドの外観形状を図6に示す。
(光触媒)
本発明に係る光触媒は光を照射することにより触媒作用を示す物質であり、特に酸化チタン(TiO)が好ましい。純粋な酸化チタンは無色透明な物質であり、吸収する光の波長は380nm以下の紫外領域に限られている。そのため、白熱灯や蛍光灯等の通常の光ではそのごく一部しか触媒反応に寄与しない。このことは本発明の光触媒を保持したグリッドが利用できる放電光においても同様であり、光触媒反応に対する寄与が少ない。そこで、本発明では光触媒である酸化チタンに少量の不純物をドーピングし可視光を吸収できるように可視光応答化した酸化チタンも利用することができる。本発明のグリッドに置いては主たる放電生成物の分解除去はゼオライトで行い、NOx、SOx、或いは外部からのアンモニア等を光触媒で分解するため、光触媒の量は電極グリッドに保持させるコート層全量の2〜20wt%が好適である。
(ゼオライト)
次に本発明に係るゼオライトについて説明する。ゼオライトは結晶性の多孔質アルミノケイ酸塩の総称であり、組成式
(Mn+2/nO・Al・xSiO・yH
n: 陽イオンMの価数
x: 2以上の数
y: 0以上の数
で表される物質である。
骨格構造中ではアルミニウム(+3価)とケイ素(+4価)が酸素(−2価)を互いに共有するため、ケイ素の周りは電気的に中性となり、アルミニウムの周りは−1価となる。この負電荷を補償するために骨格中に陽イオン(例えばNa+)が必要になる。この陽イオンは他の金属イオン(例えばH、K、Ca2+など)と容易に交換することが出来、この陽イオンの種類によってゼオライトに様々な機能をもたせることができる。また、ゼオライトの骨格はSi−O−AL−O−Siの構造が3次元的に組み合わさることによって形成され、この3次元的な組み合わせにより様々な規則的な形態の骨格が存在する。また、骨格中には珪素、アルミニウム、酸素からなる骨格由来の均一な細孔を有しており、水や各種ガスや有機分子を選択的に骨格中に取り込むこともできる。
ゼオライトは結晶形と陽イオンの種類により細孔の大きさが変化するため吸着できる分子が異なる。そのため結晶形と陽イオン種を選択すると効果的な除去が可能である。結晶形にはA型・X型・Y型・L型・モルデナイト型・フェリエライト型・ZSM−5型・ベータ型などがあり、陽イオン種にはカリウム・ナトリウム・カルシウム・アンモニウム・水素などがある。また、ゼオライトを構成するアルミニウムとケイ素の比率により吸着能や触媒能は変化し、最適な比率とすることで目的物質の除去が効率的に行うことができる。
ゼオライトには天然ゼオライトの他、工業的に作られたものを合成ゼオライト、石炭灰などの廃棄物を処理して得られる人工ゼオライトがある。
本発明に用いられるゼオライトの種類は特に限定はされないが、結晶型はA型またはX型が、陽イオン種では鉄、アルミ、カルシウム、マグネシウムなどの原子価の高いイオン、一価ではカリウムなどの原子化の大きいイオンが本発明の目的とする放電生成物の吸着・イオン交換・分解に適している。
(バインダ樹脂)
ゼオライトを帯電グリッドに保持する目的でバインダ樹脂を用いる。バインダ樹脂は天然樹脂、合成樹脂を問わず使用でき、合成樹脂の例では、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。塗工膜は放電に対する耐久性とバインダ樹脂での密着性が求められるが、ゼオライト表面を覆うことによる放電生成物除去効果の阻害が起こらない範囲のバインダ樹脂比が望ましい。そのため、熱による重合反応で網目構造を形成する熱硬化性樹脂が少ないバインダ樹脂比で密着性が良いため好ましい。また、場合により2種類のバインダ樹脂を用いることもできる。
バインダ樹脂がゼオライトを覆ってしまうことによる放電生成物除去機能の低下が起きないとされるバインダ比は通常10wt%程度とされていたが、評価によりバインダ樹脂比が30wt%付近でも放電生成物除去機能は低下しておらず、密着性との両立が可能であることが確認されている。
(導電剤)
ゼオライトをグリッド電極に保持させるためにはバインダ樹脂にゼオライトを分散させて帯電グリッドに塗布することでグリッド上にゼオライトを保持できる。通常、帯電グリッドは導電性であるが、バインダ樹脂およびゼオライトに覆われると電気抵抗が大きくなり、表面電位制御の機能を果たせなくなる。そのためゼオライト・バインダーの樹脂膜に導電性を付与させる目的で、導電剤を混合する必要がある。導電剤としては酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズといった導電性の金属酸化物微粒子や、導電性の活性炭粒子などを用いることができる。場合により2種類の導電剤を用いることもできる。
<帯電グリッドへの塗工法>
本発明に係る帯電グリッドを形成するには、少なくともゼオライト、バインダー樹脂、導電剤、光触媒からなる塗膜形成液を、従来から用いられているグリッド電極に塗布・乾燥を施せばよい。前記のSUS304製基材グリッド電極に対して、上述の塗膜形成液をスプレー塗布、浸漬塗布、スクリーン印刷等の方法で塗布し、必要に応じ加熱乾燥を施せばよい。ゼオライト、光触媒、導電剤は粒子状であるので、塗膜形成液の作成にあたっては、ボールミル、振動ミル、超音波、サンドミル等の従来の各種分散方法が利用可能である。
また、帯電グリッドの基材がワイヤである場合には、ワイヤの周囲に均一な塗膜を形成する。
前記では導電剤を含む塗膜形成材料を用いて塗膜を形成したが、バインダ樹脂とゼオライトからなる塗膜形成材料を用いて塗膜を形成した後に導電剤を後から塗布するか打ち込むことによって塗膜を形成しても良い。
ゼオライト・光触媒・導電剤・バインダ樹脂の配合比はゼオライトは30〜50部、光触媒は1〜10部、導電剤は10〜30部、バインダ樹脂は10〜30部が好ましい。
ゼオライト・光触媒・導電剤・バインダ樹脂からなる層の膜厚は10〜200μmが好ましいく、10μm未満では放電生成物の吸収、分解能力の持続性が不十分であり、200μm以上ではグリッドとしての機能である帯電電位の制御が難しくなり、感光体を一定の帯電電位に帯電することが出来なくなる。
塗工液はまずバインダ樹脂を溶媒に対して比率5〜10wt%程度となるように作成し、攪拌している中にゼオライト粒子および導電剤を加えることにより作成した。スプレー塗工の際には塗工液固形分濃度は30wt%以下とした。
作成した液を帯電グリッドへ塗工する方法としては、ディッピング方式、ローラ塗工、電気泳動電着法等があるが、今回最も塗工ムラの少ないスプレー方式を用いた。帯電グリッドを長軸方向両端からテンションを張り直径30mmの円筒状の基盤の長手方向に設置し、円筒を周方向に170rpmの速度で回転させているところを水平方向にスプレーを10mm/sec.の速度で走査させることにより塗工を行った。両面を塗工するために3mm程度基盤から浮かせて帯電グリッドを設置した。スプレー塗工後乾燥機によって130℃で30分加熱し、乾燥することで膜を固定した。塗工膜厚は30μmとした。
[感光体の構成]
本発明においては従来から知られている感光体を用いることができる。
電子写真感光体について図面に基づいて説明する。
図5は、本発明に用いる電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体(31)上に、中間層(33)、電荷発生機能を有する電荷発生層(35)と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層(37)が積層された積層構造の感光体である。
<導電性支持体について>
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭58−86547号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明に用いる導電性支持体(31)として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
<中間層について>
導電性支持体(31)上から感光層への電荷注入の防止や、干渉縞防止の目的のために設けることができる中間層(33)の構成は、結着樹脂や結着樹脂中に粒子を分散したものが用いられ、結着樹脂としてはポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン、アルキッド−メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂などを利用することができる。中間層に分散させる粒子としては酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、シリカ及びそれらの表面処理品が用いられ、酸化チタンが分散性、電気的特性においてより好ましく、ルチル型とアナターゼ型いずれのものも用いることが可能である。
中間層を形成するには、例えば上述の結着樹脂を有機溶剤中に溶解し、その溶液中に上述の粒子をボールミル、サンドミル等の手段で分散し、支持体上に塗布、乾燥すれば良い。中間層の厚みは10μm以下、好ましくは0.1〜6μmである。
<感光層について>
(電荷発生層)
電荷発生層(35)は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(35)に必要に応じて用いられるバインダ樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダ樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダ樹脂として上述のバインダ樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
また、電荷発生層(35)には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。
電荷発生層(35)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(35)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが主に挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
(電荷輸送層)
電荷輸送層(37)は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(35)上に塗布、乾燥することにより形成させる。 電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(35)で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層(37)の形成には電荷発生層(35)と同様な塗工法が可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
(保護層)
電荷輸送層上に保護層を設けることで耐磨耗性を向上させることができる。保護層は無機微粒子をバインダ樹脂に分散させたものや、架橋性の電荷輸送物質と樹脂を重合反応させることにより硬化膜としたものがある。この樹脂の例としてはフェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、硬化性アクリル樹脂、シロキサン系樹脂等が好ましい。更に保護層にはその電気特性を向上させるために、電荷輸送材料を含有させることが好ましい。尚、電荷輸送材料としては、例えば上記電荷輸送層の構成材料として挙げられたものを使用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、感光体作製例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
<感光体作製例>
φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、32μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
Y型チタニルフタロシアニン 6部
シリコーン樹脂溶液 70部
(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)
2−ブタノン 200部
〔電荷輸送層用塗工液〕
電荷輸送物質(下記構造式A) 25部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 30部
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
テトラヒドロフラン 200部
Figure 0005196229
[実施例1]
以下に示す材料を用いて塗工液を作成した。ゼオライト/光触媒TiO/導電剤/バインダ樹脂の重量比は5/1/2/2とした。液の固形分濃度は30wt%となるよう調整した。
ゼオライト ・・・β型ゼオライト(980HOA 東ソー製)
光触媒 ・・・TiO(アナターゼ型 平均粒径0.6μm 純正化学製)
導電剤 ・・・活性炭:(RP−20 クラレケミカル製)
バインダ樹脂 ・・・ブチラール樹脂:(BM−5 積水化学製)
分散媒 ・・・メタノール
上記混合液をボールミルで48時間分散し塗工液を得、塗工液をステンレス製エッチンググリッドにスプレーにより塗工した後、コロナ帯電器に装着し、ゼオライト・光触媒・導電剤・バインダ樹脂が塗布されたグリッドを有するスコロトロン型コロナ帯電器を得た。塗布膜厚は50μmとした。ついで、以下に示す評価を行った。
[評価方法]
(1)帯電制御性評価
実施例1で得たコロナ帯電器を10℃15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するimagio Neo 1050proに取り付けた。帯電ワイヤに一定電流が流れるように電圧を印加することでコロナ放電を行い、帯電グリッドに−900Vを印加した際の被帯電体である感光体の表面電位を測定した。
(2)放電生成物除去機能評価
実施例1で得たコロナ帯電器を32℃90%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するimagio Neo 1050proに取り付けた。作像動作を行うことでコロナ帯電器を3時間放電後機械の電源を切り15時間放置した。その後機械の電源を入れ、中間調(ハーフトーン)画像出力、および全面文字画像の出力によりコロナ帯電器直下部の白抜け、像流れの発生有無を確認した。また耐久性評価として500時間コロナ帯電器を放電させた後にも、濃度ムラ、像流れの有無を確認した。
◎・・・コロナ帯電器直下濃度ムラ発生せず
○・・・コロナ帯電器直下濃度ムラが若干発生しているが許容レベル
×・・・コロナ帯電器直下濃度ムラがくっきり発生し、許容できないレベル
(3)NOx発生量測定
帯電グリッドを10℃15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するimagio Neo 1050proに取り付けた。長手方向中央部に6mmの穴を開け、そこにチューブを取り付けた感光体と同じサイズのアルミ素管を用意し、帯電チャージャ直下に穴がくるように機内に配置する。3時間放電後機械の電源を切り15時間放置している際に発生するNOxの量をチューブにつないだNOx濃度測定器(サーモエレクトロン製 MODEL42C)にて測定した。
[実施例2]
光触媒をTiO(アナターゼ型 平均粒径0.39μm 富士チタン工業製)に変更した以外は実施例1と同様にしてステンレス製エッチンググリッドにコーティングを施し、グリッド電極を形成し、スコロトロン型コロナ帯電器を得た。ついで、実施例1と同様にコロナ帯電器の評価を行った。
[実施例3]
以下に示す材料を用いて塗工液を作成した。ゼオライト/光触媒TiO/導電剤/バインダ樹脂の重量比は5/1/2/2とした。液の固形分濃度は30wt%となるよう調整した。
ゼオライト ・・・β型ゼオライト(HSZ900 Type940NHA 粉末タイプ 東ソー製)
光触媒 ・・・TiO(白金を有する有機金属錯体コロイド溶液を噴霧、焼成し、酸化チタン微粒子表面上にナノスケールの金属超微粒子を格子整合に近い状態で担持させた可視光域で触媒作用を有するルチル型酸化チタン微粒子 平均粒径3.0μm )
導電剤 ・・・SnO(S−1 三菱金属製)
バインダ樹脂 ・・・ポリウレタン樹脂(ニッポラン5033 日本ポリウレタン製)
分散媒 ・・・酢酸エチル/トルエン
上記混合液をボールミルで48時間分散し塗工液を得、塗工液をステンレス製エッチンググリッドにスプレーにより塗工した後、コロナ帯電器に装着し、ゼオライト・光触媒・導電剤・バインダー樹脂が塗布されたグリッドを有するスコロトロン型コロナ帯電器を得た。塗布膜厚は50μmとした。ついで、実施例1と同様にコロナ帯電器の評価を行った。
[比較例1]
ステンレス製エッチンググリッドにコート層を設けない他は実施例1と同様にしてスコロトロン型コロナ帯電器を得た。ついで、実施例1と同様にコロナ帯電器の評価を行った。
[比較例2]
光触媒をゼオライト(A型ゼオライト A−3 粉末タイプ 東ソー製)1部に置き換えた他は実施例1と同様にしてスコロトロン型コロナ帯電器を得た。ついで、実施例1と同様にコロナ帯電器の評価を行った。
[比較例3]
光触媒をゼオライト(ベータ型ゼオライト HSZ900 Type940NHA 粉末タイプ 東ソー製)1部に置き換えた他は実施例3と同様にしてスコロトロン型コロナ帯電器を得た。ついで、実施例1と同様にコロナ帯電器の評価を行った。
Figure 0005196229
ゼオライトを含む形成液を塗布した帯電グリッドを用いる(実施例1,2,3、比較例2,3)ことによりNOxの発生量が削減され、帯電器内での放電生成物の除去効果のあることが確認できる。また画像上の課題である像流れの発生においても、その抑制効果が確認できる。しかしながら、比較例2,3においてはコロナ帯電器の放電時間が200時間を越える辺りから徐々に放電生成物の蓄積量が増大し、画像上に軽微な濃度ムラを生じさせ始める。このことは、放電生成物の吸収・分解能力がゼオライト単独の吸収・分解効果では放電200時間辺りから不足し始めていると考えることができる。それに対し、本発明に係る光触媒を有する実施例1,2,3のコロナ帯電機は200時間の放電では全く画像上に問題を与えず、500時間程度まで実使用上問題の無いものである。さらに、光触媒として可視光で触媒機能を有するものを用いた場合は500時間の放電履歴にもなんら問題なく耐え得る物であることが分かった。このことは実施例3においてはコロナ放電光の利用により光触媒が放電中常に活性に作用してNOx等の有害ガスを分解しつつけるためと考えられる。
本発明のコロナ帯電器は、放電生成物量の発生量を削減することができるので、画像形成装置等に用いることにより、感光体等の被帯電体の変質を抑制し、安定した画像を維持することができる。
コロトロン型コロナ帯電器及びスコロトロン型コロナ帯電器の構成を示す模式図である。 コロトロン型コロナ帯電器及びスコロトロン型コロナ帯電器の帯電特性を示す図である。 本発明の画像形成装置の構成を示す図である。 スコロトロン型コロナ帯電器の帯電方法を示す図である。 電子写真感光体の断面を示す模式図である。 帯電グリッドの構造の一例を示す図である。
符号の説明
1 帯電器
2 ケーシング
3 エンドブロック(絶縁性)
4 エンドブロック(絶縁性)
6 帯電グリッド
8 グリッドを張るための爪
9グリッドバイアス印加電極
9a グリッドを張るための爪(バイアス印加電極とグリッドとを導通させている)
31 導電性支持体
33 中間層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
100 感光体
101 帯電装置
102 画像露光系
103 現像装置
104 転写装置
105 クリーニング装置
106 クリーニングブラシ
107 弾性ゴムクリーニングブレード
108 除電装置
109 コピー用紙

Claims (5)

  1. コロナ放電電極と帯電グリッドとを有するコロナ帯電器において、該帯電グリッドが表面にゼオライトと導電剤とバインダ樹脂とを含む層を有し、該層中に光触媒を含有することを特徴とするコロナ帯電器。
  2. 光触媒が酸化チタンである請求項1記載のコロナ帯電器。
  3. コロナ帯電器のコロナワイヤで発生する放電光によって光触媒を活性化することを特徴とする請求項1又は2項記載のコロナ帯電器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のコロナ帯電器と少なくとも電子写真感光体とを組み合わせて一体構成としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のコロナ帯電器または請求項4に記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成装置。
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