JP5278787B2 - コロナ帯電器及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
コロナ放電は、不均一な電界中で行われる局所的な空気の絶縁破壊によって生じる持続的な放電である。一般には、微小径のワイヤをアルミなどのシールドケース中に張り、そのシールドケースの一部を削除したような構造をしている。その削除された領域からコロナイオンが放出される構成となっている。コロナワイヤに印加する電圧を増加していくと、ワイヤの周囲に局所的な強い電場が形成され、部分的な空気の絶縁破壊が起こり、放電が持続する。これがコロナ放電である。
(1)コロトロン型コロナ帯電器
コロトロン型コロナ帯電器とそれを用いた帯電法の構成を図1(a)に示す。コロトロン型コロナ帯電器は直径50〜100umのタングステンワイヤを1cm程度離して金属でシールドした構成である。開口面を被帯電体に対向して配置した状態で、コロナワイヤに5〜10kVの高電圧を印加し、これによって発生した正または負イオンを被帯電体表面に移動させて帯電する。図2(a)に示すようにコロトロン型コロナ帯電器は一定量の電荷発生を行うので、被帯電体表面を均一に一定電位に帯電することは必ずしも得意ではない。一定電荷を記録紙に与えることを目的とする転写用の帯電器としては特に有効である。
スコロトロン型コロナ帯電器は、被帯電体表面の帯電電位のムラを少なくするために考案されたものである。図1(b)に示すようにコロトロンの開口面に数本のワイヤ或いはメッシュをグリッド電極として配置した構成である。このスコロトロン型帯電器の開口面を被帯電体に対向させ、グリッド電極にバイアス電圧を印加する。
スコロトロン型コロナ帯電器の帯電特性を図2(b)に示す。スコロトロン型コロナ帯電器の特徴は帯電時間が長くなってもグリッド電極に印加された電圧によって帯電電位が規制され、表面電位が飽和することである。この飽和値はグリッド印加電圧により制御できる。スコロトロン型コロナ帯電器は、コロトロン型に比べて構造が複雑で帯電効率も劣るが、帯電電位の均一性に優れ、広く使用される。電子写真方式の画像形成装置におけるグリッド電極は帯電グリッドと呼ばれる。
特許文献1ではコロナ帯電器のSUS材質の帯電グリッドにグラファイト粒子、ニッケル粒子、アルミニウム化合物粒子と有機樹脂バインダを含有する導電性塗料を塗布したもので構成され、制御電極の放電生成物による腐食を抑止し、生成された放電生成物を導電性皮膜が吸収することで被帯電体の汚染を抑制している。皮膜中の微粒子が放電生成物を吸収する作用を利用しているが、吸収可能な量は粒子の吸着サイトの数で決まってしまうため、経時での使用においては吸着サイトが埋もれるのが早く、効果が薄れてしまうことが予想される。
特許文献4では放電ワイヤに加熱することにより、放電を安定させたり、NOxやオゾンを分解しやすくする方法が上げられているが、作像中に加熱することにより、感光体やトナーが高温となり、安定した作像が出来なくなることが予想される。
<環境への影響>
負のコロナ放電を行うコロナ帯電器を用いた場合、放電により空気中の物質が反応し放電生成物と呼ばれる物質が生成されることが知られている。その中には酸素が酸化されたオゾン(O3)や、オゾンによって窒素が酸化された一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物(NOx)が含まれている。オゾンは0.1ppm程度で臭気を感じ、呼吸器系に悪影響を与える物質である。窒素酸化物はその中でも二酸化窒素(NO2)が人の呼吸器に悪影響を与えるため、環境基準で一時間値の一日平均値が0.04〜0.06ppm以下と定められているのに加え、窒素酸化物は紫外線による光化学反応で光化学オキシダント(Ox)という物質に変化し、この物質も0.06ppm以下と環境基準が定められている。放電によるそれぞれの発生量はオゾンが数10ppm、窒素酸化物が数ppmであり、現状コピー機においては活性炭等のフィルターを用いて機外への排出量を削減している。
(帯電器直下濃度ムラ)
コロナ帯電器から発生する放電生成物により起こる課題としてはまず長時間放電後の放置による帯電器直下濃度ムラがある。これは作像動作中の放電時に発生し、帯電器の内壁に付着した放電生成物が、装置が停止している間に徐々に感光体を汚染し、帯電器直下部とそれ以外の部分での表面電位に差が生じ、結果として画像濃度ムラが発生するという課題である。この課題は20%RH程度の低湿環境下でより顕著に発生し、常温常湿環境下に置かれることで次第に回復する。感光体表面が放電生成物と可逆的に反応し、静電容量が増大または抵抗が低下しているために電位差が生じることが確認されている。
図3(a)はコロナ帯電器直下濃度ムラが生じた場合の画像の様子を示す図であり、図3(b)は該画像に対応する感光体表面電位を示す図である。
[1]コロナ放電電極と帯電グリッドとを有するコロナ帯電器において、帯電グリッドが金属からなり、表面にゼオライトと導電剤とバインダ樹脂とを含む層を有し、かつ帯電グリッドを非作像時に加熱する手段をもつことを特徴とするコロナ帯電器。
[2]前記導電剤が活性炭であることを特徴とする[1]に記載のコロナ帯電器。
[3]前記導電剤が金属酸化物であることを特徴とする[1]に記載のコロナ帯電器。
[4]前記金属酸化物が酸化スズであることを特徴とする[3]に記載のコロナ帯電器。
[5]前記金属酸化物がアンチモン酸亜鉛であることを特徴とする[3]に記載のコロナ帯電器。
[6]前記バインダ樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする[1]〜[5]に記載のコロナ帯電器。
[7]前記バインダ樹脂がアルキド・メラミン樹脂であることを特徴とする[6]に記載のコロナ帯電器。
[8][1]〜[7]に記載のコロナ帯電器を用いることを特徴とする画像形成装置。
[9]前記帯電グリッドの加熱温度が150℃以上であることを特徴とする[8]に記載の画像形成装置。
[10][1]〜[7]に記載のコロナ帯電器、および、電子写真感光体と、像露光手段、現像手段、転写または分離手段、クリーニング手段の少なくとも何れか1つ以上とを組み合わせて造られ、装置本体に脱着可能に設置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
[11]前記帯電グリッドの加熱温度が150℃以上であることを特徴とする[10]に記載のプロセスカートリッジ。
まず、本発明におけるコロナ帯電器について説明する。本発明のコロナ発生装置を用いる事により従来課題とされてきた放電生成物が感光体に付着し、発生する課題を抑制することが出来る。本発明では帯電グリッドにゼオライトに付着させることにより、放電生成物を吸着し、感光体への付着を防ぐ機能を持たせている。また、その保持のためにバインダ樹脂を用いる。バインダ樹脂としては繰り返し使用に耐えうる樹脂が好ましく、好ましくは熱硬化樹脂、より好ましくはアルキド・メラミン樹脂である。またゼオライトとバインダ樹脂のみでは帯電グリッドの体積抵抗が高くなり、安定した高画質の画像形成が困難となるため、導電剤を用いる。
次に、電子写真感光体の部分について図面に基づいて説明する。
図4は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図である。図4(a)は導電性支持体(31)上に、電荷発生機能を有する電荷発生層(32)と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層(33)が積層された積層構造の感光体である。図4(b)はさらに電荷輸送層上に保護層(34)が積層された感光体である。
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭58−86547号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。
(電荷発生層)
電荷発生層(32)は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
また、後者の具体例としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
電荷発生層(32)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層(33)は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(32)上に塗布、乾燥することにより形成させる。 電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(32)で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。
電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層(33)の形成には電荷発生層(32)と同様な塗工法が可能である。
電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
電荷輸送層上に保護層(34)を設けることで耐磨耗性を向上させることができる。保護層は無機微粒子をバインダ樹脂に分散させたものや、架橋性の電荷輸送物質と樹脂を重合反応させることにより硬化膜としたものがある。この樹脂の例としてはフェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、硬化性アクリル樹脂、シロキサン系樹脂等が好ましい。更に保護層にはその電気特性を向上させるために、電荷輸送材料を含有させることが好ましい。尚、電荷輸送材料としては、例えば上記電荷輸送層の構成材料として挙げられたものを使用できる。
<帯電グリッド基材>
コロナ帯電器の制御電極である帯電グリッドの基材としては従来使用されているものを用いることができる。帯電グリッドの材質としては、電極として機能するため導電体である金属が用いられる。電極としての機能としては金属であるアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属のほとんどが使用できるが、帯電器はコロナ放電により発生するオゾンやNOx等に曝露されるため、耐蝕性の高い金属が好ましく、クロムやニッケルを含んだステンレス等が用いられている。形状としてはコロナ放電で発生した電荷を感光体上へ移動させ、かつ制御電極としての機能を有する必要性から金属薄板にパンチング、エッチング等により開口部を設けたもの、または金属ワイヤを並べたものが通常用いられる。
今回用いた制御電極用の基材としては、厚さ0.1mm、長さ285mm、幅40mmのSUS304製板を用い、開口部長さ250mm、幅36mm部分に0.1mmの格子を45度の角度で0.5mm間隔で配したものを用いた。
実施例で用いた帯電グリッドの外観形状を図6に示す。
(ゼオライト)
本発明では放電生成物除去にゼオライトを利用している。ゼオライトは水晶のような結晶で、主にアルミニウムとケイ素から構成されている。結晶は非常に小さく、目視では形や大きさを見ることはできない。拡大して見ると、スポンジのように小さな孔がたくさんあることが確認できる。この独自の構造を持つゼオライトは、今まで自然界に40種類以上発見されている。
吸着・分解機能に代表されるゼオライトの特徴をさらに活かすため、化学の知識・技術を駆使して人間が作り出したものを合成ゼオライトと呼ぶ。工業的につくられた合成ゼオライトは、能力が高く天然ゼオライトにはない種類のものが多数存在するが、コストが高いことが欠点である。
第3のゼオライトとして登場したのが人工ゼオライトである。石炭灰などの廃棄物と考えられていた物質を処理することで、地球と人類に有益なゼオライトに変える。しかも低コストであるため、現在、大きな注目を集めている材料である。
人工ゼオライトはいろいろなものを吸着する働きがあり、そのメカニズムは脱臭剤や乾燥剤と類似している。この機能を活かすことで、有害物質の吸着や悪臭の除去が可能である。
・陽イオン交換機能
人工ゼオライトは天然ゼオライトの約2〜3倍という高い陽イオン交換機能を持っており、この機能を活かすことで、酸性を中和する土壌改良や汚水・排水中のアンモニウムイオンの除去などが可能である。
・触媒機能
人工ゼオライトには触媒としての機能があり、この機能を利用して、窒素酸化物(NOx)の分解等が研究されている。
本発明はゼオライトを帯電グリッドに保持させるために、バインダ樹脂を用いている。使用するバインダ樹脂はポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。また場合によっては上記樹脂を2種類以上混合して使用することも可能である。
バインダ樹脂がゼオライトを覆ってしまうことによる放電生成物除去機能の低下が起きないとされるバインダ比は通常10wt%程度とされていたが、評価によりバインダ樹脂比が30wt%付近でも放電生成物除去機能は低下しておらず、密着性との両立が可能であることが確認されている。
ワイヤ又は金属板の加工品からなる帯電グリッド基材は本来導電性を有するが、ゼオライトとバインダ樹脂に覆われるため電気抵抗が大きくなり、表面電位制御の役割を果たさない。そのため導電性を付与させる目的で、導電剤をバインダ樹脂中に分散させている。ここで導電剤にはグラファイト、ニッケル、銅、銀等の金属微粒子の類やアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、アンチモン酸亜鉛等の金属酸化物の類や活性炭といった導電性の粒子を用いることができる。帯電グリッドは使用中常に放電下に置かれるため、用いる材料は放電に対する耐久性が求められ、グラファイトやニッケル等の金属、および酸化スズ、アンチモン酸亜鉛のような非ドーピング型金属酸化物が経時使用および環境変動に対して安定しており好ましい。また、導電剤は含有率が少ないほど、他の機能である膜の密着性や放電生成物除去機能を阻害しないため、粒子自体の導電性は高く、粒径は小さいほうが好ましい。本発明では粒径0.01mm〜15mmの範囲の導電性微粒子を使用した。また導電性を示すバインダ樹脂も導電剤として用いることができる。場合により2種類の導電剤を用いることもできる。
帯電グリッドの加熱はゼオライトの効果を再生するために行う。この際に高温であるほどよりその効果は大きく、150℃以上であることが好ましい。加熱手段としては加熱電源により直接帯電グリッドを加熱してもよいし、加熱用部材例えばワイヤなどをグリッドに近接させ加熱させてもよい。また、これら加熱電源と非加熱部材の間に必要に応じて抵抗を挟んでもよい。また、ヒータにて加熱させても良いが、加熱効率より加熱電源により直接帯電グリッドを加熱することが最も好ましい。加熱効果の大きいニクロムやステンレスなどが帯電グリッドの材料として適している。図5に加熱手段の一例を挙げる。
塗工液はまずバインダ樹脂を溶媒に対して比率5〜10wt%程度となるように作成し、攪拌している中にゼオライト粒子および導電剤を加えることにより作成した。スプレー塗工の際には塗工液固形分濃度は30wt%以下とした。
作成した液を帯電グリッドへ塗工する方法としては、ディッピング方式、ローラ塗工、電気泳動電着法等があるが、今回最も塗工ムラの少ないスプレー方式を用いた。
帯電グリッドを長軸方向両端からテンションを張り直径30mmの円筒状の基盤の円筒軸方向に設置し、円筒軸を水平方向に設置した状態で周方向に120rpmの速度で回転させているところを水平方向にスプレーを10mm/sec.の速度で走査させることにより塗工を行った。両面を塗工するために3mm程度基盤から浮かせてグリッドを設置した。片面の塗工が済み10分放置させた後塗工液を交換し、もう片面を塗工した。スプレー塗工後乾燥機によって130℃で30分加熱し、乾燥することで膜を固定した。
塗工膜としてはグリッドの表裏面にそれぞれ30μm厚の塗工膜を形成した。
また、帯電グリッドの基材がワイヤである場合には、ワイヤの周囲に均一な塗膜を形成する。
上記の例では導電剤を含む塗膜形成材料を用いて塗膜を形成したが、バインダ樹脂とゼオライトからなる塗膜形成材量を用いて塗膜を形成した後に導電剤を後から塗布するか打ち込むことによって塗膜を形成しても良い。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、像担持体を内蔵し、他に帯電装置、現像装置、転写手段、クリーニング手段、除電手段の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成し、電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分乾燥を加え5.2μmの架橋型電荷輸送層を作製し、感光体1を得た。
アルキド樹脂 5部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 5部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 60部
メチルエチルケトン 60部
Y型チタニルフタロシアニン 6部
シリコーン樹脂溶液 70部
(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)
2−ブタノン 200部
電荷輸送物質(下記構造式A) 20部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 20部
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
1,2−ジクロロエタン 200部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 (下記構造式B) 10部
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
帯電グリッドは前記作製方法により作製した。ゼオライト(β型ゼオライト[980HOA 東ソー製])/導電剤/バインダ=30/30/40(wt)の比率とした。なお、その際溶剤としてメチルエチルケトンを用い、液固形分は30%とした。それ以外の作成条件は以下表1に示す。
帯電グリッドを10℃15%RH環境下に置いたImagio Neo 1350proに取り付けた。A4を2万枚コピー後にコピー機の電源を切り12時間放置した。再度機械の電源を入れ10分間表1に記載の手段及び温度で帯電グリッドを加熱後、帯電器直下部の感光体表面電位の落ち込み量を測定および中間調(ハーフトーン)画像出力により帯電器直下の濃度ムラの発生有無を確認した。また、同環境にてA4を50万枚コピー後にも同様に電源をきり12時間放置後同様な測定を行った。
◎・・・帯電器直下濃度ムラ発生せず
○・・・僅かに発生したが問題にならないレベル
×・・・帯電器直下濃度ムラ発生
2 ケーシング
3 エンドブロック(絶縁性)
4 エンドブロック(絶縁性)
6 帯電グリッド
8 グリッドを張るための爪
9 グリッドバイアス印加電極
9a グリッドを張るための爪(バイアス印加電極とグリッドとを導通させている)
31 導電性支持体
32 電荷発生層
33 電荷輸送層
34 保護層
Claims (11)
- コロナ放電電極と帯電グリッドとを有するコロナ帯電器において、帯電グリッドが金属からなり、表面にゼオライトと導電剤とバインダ樹脂とを含む層を有し、かつ帯電グリッドを非作像時に加熱する手段をもつことを特徴とするコロナ帯電器。
- 前記導電剤が活性炭であることを特徴とする請求項1記載のコロナ帯電器。
- 前記導電剤が金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載のコロナ帯電器。
- 前記金属酸化物が酸化スズであることを特徴とする請求項3記載のコロナ帯電器。
- 前記金属酸化物がアンチモン酸亜鉛であることを特徴とする請求項3記載のコロナ帯電器。
- 前記バインダ樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコロナ帯電器。
- 前記バインダ樹脂がアルキド・メラミン樹脂であることを特徴とする請求項6記載のコロナ帯電器。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のコロナ帯電器を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 帯電グリッドの加熱温度が150℃以上であることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のコロナ帯電器、および、電子写真感光体と、像露光手段、現像手段、転写または分離手段、クリーニング手段の少なくとも何れか1つ以上とを組み合わせて造られ、装置本体に脱着可能に設置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 帯電グリッドの加熱温度が150℃以上であることを特徴とする請求項10記載のプロセスカートリッジ。
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