JP5326466B2 - コロナ帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
(1)コロトロン型コロナ帯電装置
コロトロン型コロナ帯電装置2Aの概略構成とそれを用いた場合の帯電状態について図9に示す。図9(a)は、コロトロン型コロナ帯電装置の概略構成を示し、帯電装置2Aは直径50〜100umのコロナワイヤ(タングステンワイヤ)2aを1cm程度離して金属シールドケース2bでシールドした構成である。シールドケース2bの開口面2cを感光体1に対向して配置した状態で、コロナワイヤ2aに5〜10kVの高電圧を印加し、これによって発生した正または負イオンを感光体1の表面1aに移動させて帯電する。図9(b)は、帯電装置2Aの帯電時間と感光体1の表面電位との関係を示すグラフで、図9(b)に示すようにコロトロン型コロナ帯電装置2Aは一定量の電荷発生を行うので、感光体1の表面1aを均一に一定電位に帯電するまでに比較的長時間を要する。従って、感光体1の表面を短時間で一定電位にする帯電装置としては必ずしも得意ではない。しかし、構造が簡単であり、安価であるという利点がある。そのため、一定電荷を転写紙に与えることを目的とする転写用の帯電装置としては特に有効である。
スコロトロン型コロナ帯電装置2Bは、感光体表面1aの帯電電位のムラを少なくするために考案されたものである。図10(a)は、コロトロン型コロナ帯電装置の概略構成を示し、帯電装置2は直径50〜100umのタングステンワイヤ2aを1cm程度離して金属シールドケース2bでシールドしている。さらに、図10(a)に示すように、コロトロンの開口面2cに数本〜30本程度のワイヤ或いはメッシュをグリッド電極2dとして配置した構成である。このスコロトロン型帯電装置の開口面2cを感光体1に対向させ、グリッド電極2dにバイアス電圧を印加する。
しかしながら、一度像担持体表面に付着した放電生成物は容易に脱離することは困難であることから、効果は不十分であった。
前記帯電グリッドの表面にゼオライト粉体を付着するゼオライト粉体付着手段を備、
該ゼオライト粉体付着手段は、前記画像形成装置の画像形成プロセス終了後に動作するように制御されていることを特徴とする。
前記ゼオライト粉体付着手段は、前記帯電グリッドの表面に摺動する前記ゼオライト粉体が保持された摺接部材であることを特徴とする。
前記帯電グリッドの表面に付着されたゼオライト粉体を、当該帯電グリッドの表面から除去するゼオライト粉体除去手段を更に備えたことを特徴とする。
前記ゼオライト粉体除去手段は、前記帯電グリッドの表面と摺接して当該帯電グリッド表面に付着されたゼオライト粉体を除去する摺接部材であることを特徴とする。
前記ゼオライト粉体除去手段は、前記シールドケースの一端から他端に亘って当該シールドケース内に送風される気流によって前記帯電グリッド表面からゼオライト粉体を除去する送風手段であることを特徴とする。
前記コロナ帯電装置は、請求項1乃至7のいずれか1項記載のコロナ帯電装置であることを特徴とする。
前記像担持体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋表面保護層を有する感光体であることを特徴とする。
前記架橋表面保護層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物からなることを特徴とする。
前記コロナ帯電装置は、請求項1乃至7のいずれか1項記載のコロナ帯電装置であることを特徴とする。
(コロナ帯電装置直下濃度ムラ)
コロナ帯電装置から発生する放電生成物により起こる課題としては、まず長時間放電後の放置によるコロナ帯電装置直下濃度ムラがある。これは作像動作中の放電時に発生し、コロナ帯電装置の内壁に付着した放電生成物が、画像形成装置が停止している間に徐々に被帯電体である感光体を汚染し、コロナ帯電装置直下部とそれ以外の部分での表面電位に差が生じ、結果として画像濃度ムラが発生するという課題である。このような現象は、前述の帯電グリッドを有するスコロトロン型コロナ帯電装置において顕著である。そして、この課題は20%RH程度の低湿環境下でより顕著に発生し、常温常湿環境下に置かれることで次第に回復する。感光体表面が放電生成物と可逆的に反応し、静電容量が増大または抵抗が低下しているために電位差が生じることが確認されている。いずれの感光体においても発生が確認されているが、特に保護層として表面に架橋性の硬化膜を設けた感光体での発生が顕著である。
機外に排出する放電生成物を削減するには排出までの経路にフィルター等に担持させた形態で効果を発揮するが、放電生成物により最も汚染されるのはコロナ帯電装置直下にある被帯電体(感光体)であり、コロナ帯電装置と被帯電体間は安定した帯電が行われるために1〜2mm程度の一定間隔を設けて固定されていることが多い。そのため放電生成物による被帯電体の汚染を抑制するためには、放電後コロナ帯電装置と被帯電体間に遮蔽物を入れる、またはコロナ帯電装置および被帯電体を移動させるといった複雑な機構が必要である。本発明においては、前述の図3で示したように、ゼオライト粉体Zをコロナ帯電装置2の帯電グリッド2dの内表面(2d1)に付着することで被帯電体汚染の抑制を可能とすると共に、帯電グリッド2dの内表面(2d1)に付着されたゼオライト粉体Zを容易に適宜除去して新たなゼオライト粉体Zを帯電グリッド2dの内表面(2d1)に適宜付着することによって長期の使用においても被帯電体汚染の抑制の持続効果を維持することを可能としている。
本発明では、放電生成物除去にゼオライト粉体を利用している。ゼオライトは水晶のような結晶で、主にアルミニウムとケイ素から構成されている。結晶は非常に小さく、目視では形や大きさを見ることはできない。拡大して見ると、細孔と呼ばれる孔が多く存在することが確認できる。この独自の構造を持つゼオライトは、今まで自然界に40種類以上発見されている。下記に示すような吸着・分解機能に代表されるゼオライトの特徴をさらに活かすため、工業的に作られたものを合成ゼオライトと呼ぶ。合成ゼオライトは、能力が高く天然ゼオライトにはない種類のものが多数存在するが、コストが高いことが欠点である。第3のゼオライトとして登場したのが人工ゼオライトである。石炭灰などの廃棄物と考えられていた物質を処理することで、地球と人類に有益なゼオライトに変える。しかも低コストであるため、現在、大きな注目を集めている材料である。
ゼオライトは様々なものを吸着する働きがあり、そのメカニズムは脱臭剤や乾燥剤と類似している。この機能を活かすことで、有害物質の吸着や悪臭の除去が可能である。
・陽イオン交換機能
ゼオライトは天然ゼオライトの約2〜3倍という高い陽イオン交換機能を持っており、この機能を活かすことで、酸性を中和する土壌改良や汚水・排水中のアンモニウムイオンの除去などが可能である。
・触媒機能
ゼオライトには触媒としての機能があり、この機能を利用して、窒素酸化物(NOx)の分解等が研究されている。
10〜50mm幅のコロナ帯電装置2の帯電グリッド2dにゼオライト粉体Zを付着する方法としては、前述のように感光体停止後に、例えば、ブラシ、パッド、織布状からなる、ゼオライト粉体を含むゼオライト粉体付着手段10によって、帯電グリッド2dの内表面2d1上にゼオライト粉体Zを付与する。また、帯電装置2内の放電生成物を長期に亘って除去することで、ゼオライト粉体の吸着能力の劣化も発生することから、適宜、付着したゼオライト粉体を除去することが望ましく、ブラシ、スポンジ、ゴム等を用いた接触式の摺擦部材を用いて帯電グリッド上のゼオライト粉体を除去する、あるいは送風ファンを用いて帯電グリッド上の粉体ゼオライトを回収する手段を設けることで、適宜新しいゼオライト粉体を付着することを可能にする。
次に、本発明で使用される電子写真感光体の部分について図面に基づいて説明する。
図7は、本発明に用いる一実施形態に係る電子写真感光体を表わす断面図である。図7は、導電性支持体31上に、中間層33、電荷発生機能を有する電荷発生層35と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層37が積層された積層構造の感光体の断面構造を示している。図8は、本発明に用いる他の実施形態に係る電子写真感光体を表わす断面図である。図8は図7で示す感光体の電荷輸送層37上に保護層39が積層された感光体の断面構造を示している。
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭58−86547号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、導電性支持体31として用いることができる。
導電性支持体31上から感光層への電荷注入の防止や、干渉縞防止の目的のために設けることができる中間層33の構成は、結着樹脂や結着樹脂中に粒子を分散したものが用いられ、結着樹脂としてはポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン、アルキッド−メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂などを利用することができる。中間層に分散させる粒子としては酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、シリカ及びそれらの表面処理品が用いられ、酸化チタンが分散性、電気的特性においてより好ましく、ルチル型とアナターゼ型いずれのものも用いることが可能である。中間層を形成するには、例えば上述の結着樹脂を有機溶剤中に溶解し、その溶液中に上述の粒子をボールミル、サンドミル等の手段で分散し、支持体上に塗布、乾燥すれば良い。中間層の厚みは10μm以下、好ましくは0.1〜6μmである。
(電荷発生層)
電荷発生層35は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
電荷輸送層37は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層35上に塗布、乾燥することにより形成させる。 電荷輸送物質としては、前記電荷発生層35で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。
本発明で使用できる電荷発生層35、電荷輸送層37などの感光層上に形成される架橋表面層39としては、少なくとも重合性化合物を重合することにより形成されることが望ましい。機械的耐久性の観点から重合性官能基の数は分子内に3つ以上有している重合性化合物が好ましく用いられる。つまり3官能以上の重合性化合物を重合することで3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度且つ高弾性な表面層が得られ、かつ均一で平滑性も高く、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。架橋表面層39は、1μm以上、15μm以下の膜厚、より好ましくは2μm以上、10μm以下の膜厚を設けることで、クラックや膜剥がれが発生せず、且つ非常に高い耐摩耗性が達成される。
本発明に用いられる重合性化合物のうち、電荷輸送性構造を有しない重合性化合物としては、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つ重合性官能基を有するモノマーを指す。この重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、重合可能な基であれば何れでもよい。これら重合性官能基としては、例えば、下記(10)式に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
CH2=CH−X1− ・・・・(10)
(ただし、(10)式中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表す。)
CH2=C(Y)−X2− ・・・・(11)
(ただし、(11)式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR12R13(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は上記式10のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y、X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの官能基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
これらの重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、アクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中にある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、メタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、重合性官能基を2個以上有する単量体中の重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)下記式(12)で示す基が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
ビニレン基は、下記式(13)及び(14)が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン2価変性基が挙げられる。
また、本発明の電荷輸送性構造を有する重合性化合物として更に好ましくは、下記一般式(3)の構造の化合物が挙げられる。
本発明で用いる上記一般式(1)及び(2)特に(6)の重合性官能基を有する電荷輸送性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、電荷輸送性構造を有しない重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造をとりうるものと推測される。
一般式(4)のアクリル酸エステル化合物においてより好ましい構造として下記一般式(5)の化合物を挙げることができる。
φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。
アルキド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン 40部
(CR−EL、石原産業社製)
メチルエチルケトン 50部
Y型チタニルフタロシアニン 6部
シリコーン樹脂溶液 70部
(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)
2−ブタノン 200部
電荷輸送物質(下記構造式A) 20部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 30部
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
1,2−ジクロロエタン 200部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(下記構造式B) 10部
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
テトラヒドロフラン 100部
10℃、15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するリコー社製の画像形成装置(imagio Neo 1050pro)を改造し、画像形成終了後にゼオライト粉体として平均粒径6μmの粒子サイズを有するY型ゼオライト(HSZ−320NAA、東ソー社製)を塗布ブラシを用いて帯電グリッド上に付着するゼオライト粉体付着手段を8時間毎に実施するようにした。次にこの画像形成装置を用いて繰返し画像形成を行うことでコロナ帯電器を24時間放電させ、その後画像形成終了後に15時間放置した。その後、中間調(ハーフトーン)画像出力によりコロナ帯電器直下の濃度ムラの発生有無を確認し、下記基準で評価を行った。
◎・・・コロナ帯電器直下濃度ムラ発生せず
○・・・コロナ帯電器直下濃度ムラが僅かに発生するが、許容レベル
●・・・コロナ帯電器直下濃度ムラが発生するが、許容レベル
×・・・コロナ帯電器直下濃度ムラがくっきり発生し、許容できないレベル
ゼオライト粉体として、平均粒径6μmの粒子サイズを有するY型ゼオライト(HSZ−320HOA、東ソー社製)を用いた以外は実施例1と同様に評価を実施した。
ゼオライト粉体として、平均粒径4μmの粒子サイズを有するY型ゼオライト(HSZ−385HUA、東ソー社製)を用いた以外は実施例1と同様に評価を実施した。
ゼオライト粉体として、平均粒径6μmの粒子サイズを有するベータ型ゼオライト(HSZ−940NHA、東ソー社製)を用いた以外は実施例1と同様に評価を実施した。
ゼオライト粉体として、平均粒径10μmの粒子サイズを有するZSM−5型ゼオライト(HSZ−840NHA、東ソー社製)を用いた以外は実施例1と同様に評価を実施した。
ゼオライト粉体として、平均粒径13μmの粒子サイズを有するモルデナイト型ゼオライト(HSZ−690HOA、東ソー社製)を用いた以外は実施例1と同様に評価を実施した。
ゼオライト粉体として、平均粒径18μmの粒子サイズを有するフェリエライト型ゼオライト(HSZ−720KOA、東ソー社製)を用いた以外は実施例1と同様に評価を実施した。
ゼオライト粉体として、平均粒径10μmの粒子サイズを有するZSM−5型ゼオライト(HSZ−840NHA、東ソー社製)を用い、感光体の架橋型表面保護層用塗工液として、以下のものを用いた以外は同様にして、実施例1と同様に評価を実施した。
3官能アクリル樹脂(日本化薬社製、KAYARAD TMPTA) :5部
5.5官能アクリル樹脂(日本化薬社製、KAYARAD DPHA):5部
電荷輸送性構造を有する重合性化合物(前記構造式B) :10部
重合開始剤(東京化成社製、2,4‐ジエチルチオキサントン :1部
テトラヒドロフラン :50部
ゼオライト粉体として、平均粒径10μmの粒子サイズを有するZSM−5型ゼオライト(HSZ−840NHA、東ソー社製)を用い、感光体に架橋型表面保護層を設けないものを用いた以外は実施例8と同様に評価を実施した。
ゼオライト粉体を帯電グリッドに付着するゼオライト粉体付着手段を取り除き、帯電器グリッド上にゼオライト粉体がない状態にした以外は実施例1と同様に、評価を行った。
ゼオライト粉体を帯電グリッドに付着するゼオライト粉体付着手段を取り除き、帯電器グリッド上にゼオライト粉体がない状態にした以外は実施例8と同様に、評価を行った。
ゼオライト粉体を帯電グリッドに付着するゼオライト付着手段を取り除き、帯電器グリッド上にゼオライト粉体がない状態にした以外は実施例9と同様に、評価を行った。
10℃、15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するimagio Neo 1050proを改造し、画像形成終了後にゼオライト粉体として平均粒径6μmの粒子サイズを有するY型ゼオライト(HSZ−320NAA、東ソー社製)を、塗布ブラシを用いて帯電グリッド上に付着させる機構を8時間毎に実施するようにした。次に、この画像形成装置を用いて繰返し画像形成を行うことでコロナ帯電器を240時間放電させ、その後画像形成終了後に15時間放置した。その後、中間調(ハーフトーン)画像出力によりコロナ帯電器直下の濃度ムラの発生有無を実施例1と同様に確認した。
10℃、15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するimagio Neo 1050proを改造し、画像形成終了後にゼオライト粉体として6μmの粒子サイズを有するY型ゼオライト(HSZ−320NAA、東ソー社製)を塗布ブラシを用いて帯電グリッド上に付着させる機構を8時間毎に実施するようにし、更に24時間毎に帯電グリッド上に付着した粉体ゼオライトを除去ブラシで除去するようにした。次に、この画像形成装置を用いて繰返し画像形成を行うことでコロナ帯電器を240時間放電させ、その後画像形成終了後に15時間放置した。その後、中間調(ハーフトーン)画像出力によりコロナ帯電器直下の濃度ムラの発生有無を実施例1と同様に確認した。
10℃、15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するimagio Neo 1050proを改造し、画像形成終了後にゼオライト粉体として平均粒径6μmの粒子サイズを有するY型ゼオライト(HSZ−320NAA、東ソー社製)を塗布ブラシを用いて帯電グリッド上に付着させる機構を8時間毎に実施するようにし、更に24時間毎に帯電グリッド上に付着した粉体ゼオライトをファンで回収するようにした。次に、この画像形成装置を用いて繰返し画像形成を行うことでコロナ帯電器を240時間放電させ、その後画像形成終了後に15時間放置した。その後、中間調(ハーフトーン)画像出力によりコロナ帯電器直下の濃度ムラの発生有無を実施例1と同様に確認した。以下、その結果を表14に示す。
1a 表面
1b 回転軸
2 コロナ帯電装置
2a コロナワイヤ
2b シールドケース
2b1 導入孔
2b2 排出孔
2c 開口面
2d グリッド電極
2d1 内表面
2d2 孔部
2d3 接続部
2A コロトロン型コロナ帯電装置
2B スコロトロン型コロナ帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
6a クリーニングブラシ
6b 弾性ゴムクリーニングブレード
7 除電装置
8 レジストローラ
9 定着装置
10 ゼオライト粉体付着手段
10a ゼオライト粉体収容皿部
10b パッド部材
10c 回収部
11 送風手段
11a 送風ファン
31 導電性支持体
33 中間層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 架橋表面保護層
L 書き込み光
P 転写紙
AP 異常画像
X 凹部
Z ゼオライト粉体
Claims (11)
- 開口部を有するシールドケースと、当該シールドケース内に配設されたコロナ放電電極と、当該コロナ放電電極と前記開口部との間に配設される帯電グリッドとを有し、画像形成装置に用いられるコロナ帯電装置において、
前記帯電グリッドの表面にゼオライト粉体を付着するゼオライト粉体付着手段を備え、
該ゼオライト粉体付着手段は、前記画像形成装置の画像形成プロセス終了後に動作するように制御されていることを特徴とするコロナ帯電装置。 - 請求項1記載のコロナ帯電装置において、
前記ゼオライト粉体付着手段は、前記帯電グリッドの表面に摺動する前記ゼオライト粉体が保持された摺接部材であることを特徴とするコロナ帯電装置。 - 請求項1または2記載のコロナ帯電装置において、
更に、前記帯電グリッドの表面に付着されたゼオライト粉体を当該帯電グリッドの表面から除去するゼオライト粉体除去手段を備えたことを特徴とするコロナ帯電装置。 - 請求項3記載のコロナ帯電装置において、
前記ゼオライト粉体除去手段は、前記帯電グリッドの表面と摺接して当該帯電グリッド表面に付着されたゼオライト粉体を除去する摺接部材であることを特徴とするコロナ帯電装置。 - 請求項3記載のコロナ帯電装置において、
前記ゼオライト粉体除去手段は、前記シールドケースの一端から他端に亘って当該シールドケース内に送風される気流によって前記帯電グリッド表面からゼオライト粉体を除去する送風手段であることを特徴とするコロナ帯電装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項記載のコロナ帯電装置において、
前記ゼオライト粉体は、平均粒径が10μm以下であることを特徴とするコロナ帯電装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項記載のコロナ帯電装置において、
前記ゼオライト粉体が、Y型の結晶型を有することを特徴とするコロナ帯電装置。 - 表面に静電潜像が形成される像担持体と、少なくとも当該像担持体の表面を一様に帯電させるコロナ帯電装置とを備えた画像形成装置において、
前記コロナ帯電装置は、請求項1乃至7のいずれか1項記載のコロナ帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8記載の画像形成装置において、
前記像担持体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋表面保護層を有する感光体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9記載の画像形成装置において、
前記架橋表面保護層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物からなることを特徴とする画像形成装置。 - 表面に静電潜像が形成される像担持体と、少なくとも当該像担持体の表面を一様に帯電させるコロナ帯電装置とを一体に連結して画像形成装置本体に脱着可能に設置されるプロセスカートリッジにおいて、
前記コロナ帯電装置は、請求項1乃至7のいずれか1項記載のコロナ帯電装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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