JP2002062772A - 放電生成物除去装置 - Google Patents

放電生成物除去装置

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JP2002062772A
JP2002062772A JP2000246267A JP2000246267A JP2002062772A JP 2002062772 A JP2002062772 A JP 2002062772A JP 2000246267 A JP2000246267 A JP 2000246267A JP 2000246267 A JP2000246267 A JP 2000246267A JP 2002062772 A JP2002062772 A JP 2002062772A
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discharge product
photocatalyst
light
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JP2000246267A
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Kenji Sugiura
健治 杉浦
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置の帯電装置等で発生する放電生
成物を効率的かつ確実に分解する装置を提供する。 【解決手段】 帯電部3としてコロトロンが用いられて
いる時に、ケーシング21の放電ワイヤ22に対向する
部分全面あるいは一部、放電ワイヤ22の一部あるいは
全面に光触媒物質40を配置する。光触媒物質40に
は、酸化チタン等のn型半導体を用い、酸化還元作用で
放電生成物を分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コピー、プリン
タ、ファックシミリ等の電子写真方式の画像記録装置に
おける作像プロセスの帯電工程、帯電、除電を必要とす
る装置、IC基板の除電等のイオンの発生装置等で発生
する放電生成物を効率的かつ確実に分解する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子写
真方式の画像形成装置等では、感光体を一様に帯電させ
る帯電部、感光体上に形成されたトナー画像を画像形成
部材に転写する転写部、及び感光体残留電荷を除電する
除電部等を備えており、これらの各部でコロナ放電を利
用する場合が多いが、このコロナ放電により放電生成物
が生成される。例えばオゾン、NOxがある。
【0003】オゾンが高濃度で画像形成装置内に滞留す
ると、感光体表面を酸化し、感光体光感度の低下や帯電
能の劣化を生じさせ、画像品質が悪化する。また感光体
以外の部材の劣化が促進され、部品寿命が低下する等の
不具合もあげられる。また、高濃度のオゾンが画像形成
装置外に排出されると、オゾン臭気により周囲の人に不
快感を与えたり、人によってはアレルギー症状を発症す
る等の人体への悪影響が懸念される。画像形成装置外に
排出されるオゾン濃度は規定されており、例えばドイツ
のブルーエンジェルマーク審査基準(RAL−UZ6
2)では、機外排出濃度が0.02mg/m3以下に規
制されている。
【0004】そこで従来の画像形成装置においては、フ
ァンにより感光体周辺のエアを吸引し、オゾンフィルタ
を通してオゾンを除去してから画像形成装置外に排出す
ることが行われている。ところがこのような従来のオゾ
ン処理方法にあっては、オゾンフィルタがオゾン吸着に
より徐々に劣化し、長期間の使用によって適切にオゾン
を除去することができなくなるという問題があった。ま
た、フィルタによるオゾン除去率を向上させるために、
フィルタのメッシュを細かくしたり、フィルタの厚みを
厚くして、フィルタの表面積を増大させると、フィルタ
での圧力損失が増大して、容量の大きいファンを取り付
ける必要があり、画像形成装置のコストが高くなるとと
もに消費電力が増大したり、騒音が大きくなるという問
題があった。
【0005】もう一つの主要な放電生成物であるNOx
の場合には、機外排出規制は現在のところなされていな
いが、やはり画像形成装置内部の部材に悪影響を与え
る。放電が発生すると、NOxが形成されることが知ら
れているが、このNOxが空気中の水分と反応して硝酸
が、また、金属と反応して金属硝酸塩が生成される。こ
れらの生成物は低湿環境下では高抵抗であり、これら生
成物が放電ワイヤ等に付着することで、放電が不安定と
なり帯電ムラが生じるといった不具合が発生する。ま
た、感光体表面に硝酸または硝酸塩による薄い膜が形成
されると、高湿環境下では画像が流れたような異常画像
が発生する。これは硝酸・硝酸塩が吸湿することで低抵
抗となり、感光体表面の静電潜像が壊れてしまうためで
ある。
【0006】ワイヤ表面に付着した付着物は、ワイヤク
リーニング部材を設けることで除去可能であり、また感
光体表面の付着物は、クリーニング時に感光体を少しず
つ削りとることで除去するといった方法が取られてい
る。しかしながら、コスト上昇や経時による劣化問題が
起こり、上記対策は本質的な解決策とはなっていない。
【0007】そこで特開平11−282318号公報に
開示の技術では、光触媒物質による放電生成物分解作用
を利用して画像形成装置内でオゾン、NOxを分解する
方法を提案している。その他には、特開平5−3032
44号公報(定着部の排熱を利用し、NOxが硝酸塩に
なるのを防ぐ)、特開平6−167857号公報(定着
部の排熱を利用し、放電部材のオゾンの分解を行い感光
体の劣化を防ぐ)、特開平6−317974号公報(触
媒を放電が生じている付近に配置することで、オゾンの
発生を抑える)、特開平7−134473号公報(触
媒、熱を利用し、オゾンの発生を抑える)、特開平9−
114191号公報(帯電器の表面で、感光体の帯電用
とは別に沿面グロー放電を起こし、NOxを分解す
る)、特開平9−138619号公報(オゾン吸引用の
ダクト内でのオゾンを、光を照射することで分解し、分
解効率をよくすることでオゾン分解フィルタの長寿命化
を図る)、特開平10−301364号公報(放電部分
にオゾン非発生ガスを流すことで、オゾンの発生を防
ぐ)、特公平8−23715号公報(触媒を放電器の内
側に被覆することで、NOxを中和し感光体の劣化を防
ぐ)等に開示されている技術が提案されている。
【0008】これらの従来の放電生成物低減方法にあっ
ては、いずれも放電生成物が帯電器、除電器等から外に
流出しる可能性があるため、なお改良の余地があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】放電生成物は、帯電装置
の放電部分に最も高濃度で存在している。そして、帯電
装置の放電部近傍には、感光体など放電生成物の影響を
受けやすいものがある。したがって、放電場所近傍に配
置された光触媒には、放電生成物を確実に分解すること
が要求される。ところで光触媒は、放電生成物を光触媒
物質表面に接触させることで、初めて分解作用を発揮す
る。光触媒物質は、放電生成物をその表面に吸着しやす
い構造をしていることを、放電生成物の分解率向上の面
で必要とされている。そこで本発明の請求項1に係る放
電生成物除去装置は、放電場所近傍に、放電生成物を分
解するための光触媒物質を配置してなる放電生成物除去
装置において、上記光触媒物質が放電生成物を吸着しや
すい構造を有するものであることを特徴とし、光触媒物
質へ放電生成物が吸着しやすい構造を光触媒物質表面に
持たせることで、分解の効率を向上させる。例えば、コ
ロナ帯電器に吸着性の高い光触媒を用いた場合、コロナ
帯電器で発生する放電生成物をコロナ放電による光で光
触媒を活性化させて、効率よく分解する。
【0010】多孔質構造は表面積が非常に大きいので、
吸着性が非常に良い。光触媒の表面を多孔質すること
で、放電生成物を吸着する確率が非常に高くなる。そこ
で本発明の請求項2に係る放電生成物除去装置は、上記
放電生成物の吸着構造が多孔質構造であることを特徴と
し、光触媒物質の表面を多孔質構造にすることで、放電
生成物の分解効率を向上させる。
【0011】多孔質構造は、その複雑な表面構造のた
め、光触媒反応を起こすために必要な光が届かない部分
が生じてしまう。このため、光が届かない部分では、分
解反応が微弱になってしまう。これでは、多孔質構造に
しても、光触媒の反応効率が良くならない可能性があ
る。しかし、光触媒が活性化する光の波長に対して透過
率を高くすることで、多孔質構造の外から見える面だけ
でなく、外から見えない面にも光が届くようになる。そ
こで本発明の請求項3に係る放電生成物除去装置は、上
記光触媒物質が、活性化する光の波長に対して透過率が
高いものであることを特徴とし、多孔質構造のどの表面
に放電生成物が接触しても、放電生成物の分解が確実に
生じるようにする。
【0012】光触媒物質は、光が照射されると急激に活
性化され、反応が進む。そこで本発明の請求項4に係る
放電生成物除去装置は、上記光触媒物質と発光体が近接
配置してあることを特徴とする。そして照射する紫外光
の波長を適当に選び、光触媒物質がより活性化しやすい
状態をつくれば、放電生成物の分解効率が非常に高いも
のとすることができる。さらに、コロナ帯電装置が光を
発していないときでも、発光体の紫外光により光触媒物
質を活性化し、放電生成物を効率よく分解する。またラ
ンプの紫外光により、光触媒物質をより強力に活性化で
きるので、効率よく放電生成物を分解できるが、放電生
成物により発光体表面が汚れ、紫外光の強度が低下し、
放電生成物の分解効率が低下してしまう可能性がある。
そこで、発光体表面に光触媒物質を配置することで、発
光体の表面が放電生成物の付着により汚れるのを防ぐこ
とができる。
【0013】本発明の請求項5に係る放電生成物除去装
置は、光触媒物質としての効率が高いn型半導体からな
る光触媒物質を用いることで、効率よく放電生成物を分
解する。
【0014】本発明の請求項6に係る放電生成物除去装
置は、上記n型半導体光触媒物質が少なくとも酸化チタ
ンを含むことを特徴とする。酸化チタンは、n型半導体
の光触媒物質で、現在、一番安定し、効率がよいと言わ
れている。酸化チタンを光触媒に用いることで、効率よ
く放電生成物を分解する。結晶構造にアナターゼ型構造
を含む酸化チタンは光触媒としての効果が最も高い。こ
れを光触媒として用いることができる。また光触媒物質
はあるエネルギー以上の光が照射されると急激に活性化
され、反応が進む。酸化チタンのそのしきい値の大きさ
は、光の波長で380nmである。よって、照射する紫
外光の波長を適当に選び、光触媒物質がより活性化しや
すい状態をつくり、分解効率を非常に高める。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は画像形成装置の画像形成部
を模式的に示す図である。図1において、画像形成部1
は、図1中で時計方向に回転駆動される感光体2を有
し、感光体2の周囲に、帯電部3、書込部4、現像部
5、転写部6、紙分離部14、クリーニング部7及び感
光体除電部8等が配設されている。
【0016】この画像形成部1では、感光体2を図1中
で時計方向に回転駆動して、感光体2を帯電部3で一様
に帯電した後、書き込み部4で感光体2に静電潜像を形
成し、静電潜像の形成された感光体2に現像部5でトナ
ーを付着させて現像する。現像部5でトナーを付着させ
てトナー画像を形成した感光体2は、転写部6で感光体
2と転写部6との間に搬送されてきた記録紙にトナー画
像を転写し、トナー画像の転写された記録紙を定着部1
0に搬送する。定着部10は、定着ローラ11と加圧ロ
ーラ12とにより、転写部6から搬送されてきた記録紙
を加熱・加圧して、記録紙上のトナー画像を記録紙に定
着する。また、転写後の感光体は、クリーニング部7で
感光体表面に残留するトナーをブレード13により掻き
落として除去し、感光体除電部8で除電する。
【0017】ここで、上述の帯電部3、転写部6、紙分
離部14及び感光体除電部8は、コロナ放電を利用して
おり、図2に示すコロトロンあるいは図3に示すスコロ
トロン等を用いる。その他の方式も存在する。例えば、
針電極、くし歯電極などがある。コロトロンは、感光体
2側が開口した方形あるいは円筒形状に形成されたケー
シング21内に、放電ワイヤ22が張られている。そし
て、高圧電源23より高電圧が印加された放電ワイヤ2
2で、コロナ放電を生じる。このケーシング21は、ア
ルミニウムあるいはステンレス等の金属で形成されてお
り、感光体2側以外の部分をシールドして放電安定性を
向上させている。また、放電ワイヤ22は、タングステ
ン等を用いる。またスコロトロンは、ケーシング31内
に、タングステン等で形成された放電ワイヤ32があ
り、感光体2側の開口部にグリッド35が配設されてい
る。放電ワイヤ32には、高圧電源33から所定の高電
圧が付与され、グリッド35には、電源34から所定の
電圧が印加される。スコロトロンは、放電ワイヤ32か
らのコロナ放電のイオン流をグリッド35で制御して、
放電ムラをなくすとともに、感光体2表面の電位を制御
する。
【0018】帯電部3としてコロトロンが用いられてい
る時には、ケーシング21の放電ワイヤ22に対向する
部分全面あるいは一部、放電ワイヤ22の一部あるいは
全面に光触媒物質40を配置し、また帯電部3としてス
コロトロンが用いられている時には、ケーシング31及
びグリッド35の放電ワイヤ32に対向する部分全面あ
るいは一部、放電ワイヤ32の全面あるいは一部に光触
媒物質を配置する。また放電ワイヤ22、32そのもの
にも光触媒物質を設ける。転写部6、紙分離部14、感
光体除電部8にも帯電部3と同様に光触媒物質を設けて
もよい。
【0019】この光触媒物質40には、酸化チタン等の
n型半導体を用いる。n型半導体は、光が照射された状
態で、放電生成物を分解する作用を有している。すなわ
ち、酸化チタン等のn型半導体は、バンドギャップに相
当する波長の光が照射されると、伝導帯に励起され、価
電子帯に正孔が生成される、酸化還元作用を有し、放電
生成物を分解することができる。その他の光触媒物質4
0としは、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化カドミウ
ム、酸化錫、酸化インジウム、酸化銀、酸化マンガン、
酸化銅、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化カ
ドミウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛等がある。ただ
し、酸化チタンが、反応効率、耐久性、安全性及び利用
できる波長域の点から好適である。さらに、酸化チタン
は結晶構造によって、ルチル型、アナターゼ型、ブルッ
カイト型の3つに分類されるが、アナターゼ型構造が最
適である。
【0020】これらの光触媒物質40は、上記のものを
2種類以上混合してもよく、またPt、Pd、Rh及び
Nb等を混合すると、光触媒作用をさらに促進させるこ
とができる。
【0021】光触媒物質40は、化学的蒸着法、無機金
属塩の中和や加水分解、金属アルコキシドの加水分解及
び、ゾルゲル法等によりケーシング21、31やグリッ
ド35、放電ワイヤ22、32上の一部に直接形成する
ことにより、取り付けることができる。ことのき、光触
媒が分散している溶液にバブリング処理を施すことで、
光触媒層を多孔質にすることができる。この光触媒層は
非常に薄いので、光の透過率は非常に高い。さらに、別
の基板に形成した膜をケーシング21、31やグリッド
33に接着することで貼り付けることも可能である。市
販の光触媒微粉末を、ケーシング21、31やグリッド
35、放電ワイヤ22、32上に接着することでも取り
付けることができる。また、ケーシング21、31、グ
リッド35、放電ワイヤ22、32を構成する材料に、
光触媒物質を混合して、各部材を形成することによっ
て、各部材そのものに光触媒作用を持たせることも可能
である。
【0022】ところで、コロナ放電は、紫色に近い発光
を伴い、紫外線が放射されていることが知られており、
この紫外線によって光触媒物質40が励起され、光触媒
物質によって放電生成物を分解することができる。した
がって、コロナ放電により帯電部3のケーシング21、
31内で発生した放電生成物は、ケーシング21、31
から外部に流出する前に、ケーシング21、31内で光
触媒物質40により効率的に分解される。その結果、例
えばオゾンが感光体2表面を酸化して、画像を悪化させ
ることを防止することができ、また、画像形成部1の外
部にオゾンが流出して、環境を悪化させることを防止す
ることができる。またNOxによる硝酸、硝酸塩が感光
体2表面に付着することを防止することができ、高湿環
境での画像流れを防止することができる。さらには、経
時での硝酸や硝酸塩による放電ワイヤ付着が発生しにく
くなり、低湿環境での放電ムラを防止することが可能と
なる。
【0023】本発明の第2の実施形態を図面を参照して
説明する。図4は、紫外線を照射するランプを取り付け
た例を示す。図4では、感光体側にガード51を設け、
紫外線が感光体に当たらないようにしている。帯電部
3、転写部6、紙分離部14及び感光体除電部8のケー
シング内にランプ50を設けた場合には、画像形成処理
を行っている際にもランプ50を点灯して、光照射を行
っても良い。帯電部3のケーシング内にランプ50を設
けた場合には、ランプ50の光照射により感光体が帯電
しなくなることが考えられる。このようなことから、画
像形成処理を行っていない、待機時のみ、帯電部3のラ
ンプ50を点灯させて、光り照射し、オゾンの分解を行
う。
【0024】ただし、ランプ50から照射した光が感光
体に届かないような配置にあるならば、どのタイミング
でランプ50を点灯しても良い。画像形成処理を行って
いる間、すなわち、帯電部3で放電が起きている時、放
電生成物がもっとも多く生成される。よって、画像形成
処理を行っている際にも帯電部3のランプ50を点灯し
て、光照射を行えるようにするのが良い。
【0025】ランプ50はケーシング内部に配置されて
いるが、かならずしもケーシング内部である必要はな
く、光触媒物質40に十分な光が照射されるならば、ケ
ーシングの外に配置してもかまわない。ケーシング外部
に配置することで、ランプによってケーシング内部の電
界分布が乱されることがなくなり、放電ワイヤからの放
電が安定化する。またランプサイズの制限がなくなり、
コスト低減にもつながる。
【0026】次に本発明との比較実験を2例説明する。 <比較実験1>本発明による光触媒を用いていないスコ
ロトロン方式の帯電装置単体でのオゾン濃度を測定した
ところ約8ppmであった。この帯電装置のケーシング
及びグリッドの放電ワイヤに面する部分、さらに放電ワ
イヤに、酸化チタン触媒を多孔質でコーティングした。
多孔質にするために、バブリング処理を施した溶液用い
た。そして、380nmの光が含まれる紫外線ランプを
配置した。紫外線ランプの表面は、酸化チタンの薄膜を
表面コーティングした。まず、ランプを照射せずに放電
時のオゾン濃度を測定すると、約1ppmであった。次
に、ランプ照射を行うと、0.2ppmになった。
【0027】<比較実験2>高温、高湿度環境下に設置
した、本発明による光触媒を用いていないスコロトロン
方式の帯電装置を使用した複写機((株)リコー製 商
品名:imagioMF−200の改造機を使用)で、
約10,000枚のコピーを作成した。作成後、複写機
を停止し、高温、高湿度環境下で一晩休止させ、翌朝動
作を再開したところ、コピー画像に像流れと言われるが
観察された。これは、機内のNOxが感光体上に降り積
もり、そのNOxが感光体上で高湿度な空気中の水分と
反応し、硝酸または硝酸塩の化合物に変化したためだと
考えられる。この化合物は感光体表面の抵抗を低下させ
る。すなわち、感光体表面に電荷を与えても、感光体表
面が電荷をその場所に維持できないため、静電潜像が壊
されてしまい、像流れが生じると考えられる。これに対
し上記比較実験1の帯電装置を複写機に使用した場合、
同様の実験を行っても像流れ現象は現れなかった。これ
は、放電部近傍でNOxが分解されるため、感光体表面
に硝酸・硝酸塩の化合物が生成されなかっためだと考え
られる。
【0028】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る放電生成物除去
装置は、以上説明してきたように、放電により像担持体
上に電荷を付与する放電場所近傍に、放電生成物を分解
するための光触媒物質を配置してなる放電生成物除去装
置において、光触媒物質が放電生成物を吸着しやすい構
造を有するものとし、放電生成物の光触媒物質へ吸着性
を向上させることで、光触媒の反応効率が上がるという
効果があり、画像形成装置に用いれば、帯電部で発生し
た放電生成物を、放電生成物の発生部で効率よく分解す
ることができ、放電ワイヤに光触媒を配置することで、
オゾン、NOx生成場所に非常に近いところで分解でき
るため、非常に効率がよい。また紫外線は放電ワイヤか
らも発生しているので、分解効率がよくなる。放電生成
物の一つである硝酸、硝酸塩によるワイヤ汚れ、感光体
表面への付着が抑制され、これにより帯電ムラ、感光体
上での画像流れが防止できる。感光体クリーニングブレ
ードの押し当圧低減によるブレード寿命長期化、劣化防
止が可能となる。押し当て圧が強いことによる、トナー
の感光体への固着がなくなる。経時による感光体厚さの
低下がなくなり、プロセスコントロール負荷の低減、感
光体寿命の長期化が可能となる。さらに画像形成装置等
のケーシング内部に光触媒物質を配置した場合、コロナ
放電の発光により、ケーシング内に設けられた光触媒物
質が活性化し、高濃度のオゾンと反応するので、感光体
の帯電時に発生する放電生成物を効率的に分解できる。
グリッドに光触媒物質を配置した場合、帯電部で発生し
た放電生成物を、ケーシング外へ拡散する前に分解除去
でき、放電ワイヤに光触媒物質を配置した場合、帯電部
で発生した放電生成物を、もっとも放電生成物の濃度が
高い発生部で効率よく分解することができる。したがっ
て、放電生成物がケーシングから流出する前に分解する
ことができ、感光体等に及ぼす悪影響を防止できるとと
もに、環境への悪影響を抑制することができる。
【0029】本発明の請求項2に係る放電生成物除去装
置は、以上説明してきたように、放電生成物の吸着構造
を多孔質構造のものとしたので、表面積が非常に大きい
ため、放電生成物の吸着性が非常に良く、したがって、
光光触媒物質により確実に放電生成物を分解可能とな
る。
【0030】本発明の請求項3に係る放電生成物除去装
置は、以上説明してきたように、光触媒物質が、活性化
する光の波長に対して透過率が高いものであるので、多
孔質構造を持つ光触媒物質の外から見えない面にも光が
届くようになり、放電生成物が光触媒物質のどの部分に
接触しても分解反応が起き、光触媒の分解効率が非常に
高いものとなる。
【0031】本発明の請求項4に係る放電生成物除去装
置は、以上説明してきたように、上記光触媒物質と発光
体が近接配置してあるので、ランプの紫外光により、光
触媒物質をより強力に活性化でき、効率よく放電生成物
を分解できる。また、画像形成装置で用いた場合、放電
ワイヤが光を発していないときでも、発光体の紫外光に
より光触媒を活性化することが可能となる。したがっ
て、放電生成物が放電後に滞留していたとしても、ケー
シングから流出する前に確実に分解することができ、感
光体等に及ぼす悪影響を防止できるとともに、環境への
悪影響を抑制することができる。さらに発光体表面に光
触媒物質が配置されていれば、発光体の表面が放電生成
物の付着により汚れるのを防ぐことができ、したがっ
て、長期に渡り、効率よく紫外光を照射しつづけること
ができる。
【0032】本発明の請求項5に係る放電生成物除去装
置は、以上説明してきたように、光触媒としての効率が
高いn型半導体からなる光触媒物質を用いることで、効
率よく放電生成物を分解することができる。
【0033】本発明の請求項6に係る放電生成物除去装
置は、以上説明してきたように、n型半導体光触媒物質
が少なくとも酸化チタンを含むが、酸化チタン光触媒は
現在、一番安定し、効率がよく、安全性の面で問題が無
いので、コストの面で有利である。酸化チタン光触媒を
用いるとき、反応力が一番強いアナターゼ型構造を含む
ものを用いることで、効率よく放電生成物を分解するこ
とができる。さらに発光体から照射される光の波長に3
00nm〜400nmの光を含むことで、酸化チタン光
触媒を強力に活性化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の画像形成部を模式的に示す図で
ある。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の他の例を示す断面図
である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 画像形成部 2 感光体 3 帯電部 4 書込部 5 現像部 6 転写部 7 クリーニング部 8 感光体除電部 10 定着部 11 定着ローラ 12 加圧ローラ 13 ブレード 14 紙分離部 21 ケーシング 22 放電ワイヤ 23 高圧電源 31 ケーシング 32 放電ワイヤ 33 高圧電源 34 電源 35 グリッド 40 光触媒物質 50 ランプ 51 ガード
フロントページの続き Fターム(参考) 2H003 AA18 BB11 BB14 CC01 2H027 JA02 JB05 JB06 2H035 AA01 AA22 AZ05 4D048 AA12 AB03 BA07X BA16X BA17X BA21X BA23X BA24X BA27X BA28X BA34X BA35X BA36X BA41X BB02 CD01 EA01 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA04C BA48A BB04B BC18B BC22B BC31B BC32B BC35B BC36B BC54B BC55B BC60B BC62B BC66B CA01 CA07 CA10 CA16 DA06 EC22Y FB02 FB23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電場所近傍に、放電生成物を分解する
    ための光触媒物質を配置してなる放電生成物除去装置に
    おいて、上記光触媒物質が放電生成物を吸着しやすい構
    造を有するものであることを特徴とする放電生成物除去
    装置。
  2. 【請求項2】 上記放電生成物の吸着構造が多孔質構造
    であることを特徴とする請求項1の放電生成物除去装
    置。
  3. 【請求項3】 上記光触媒物質が、活性化する光の波長
    に対して透過率が高いものであることを特徴とする請求
    項1または2の放電生成物除去装置。
  4. 【請求項4】 上記光触媒物質と発光体が近接配置して
    あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの放
    電生成物除去装置。
  5. 【請求項5】 光触媒がn型半導体物質からなることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかの放電生成物除
    去装置。
  6. 【請求項6】 上記n型半導体光触媒物質が少なくとも
    酸化チタンを含むことを特徴とする請求項5の放電生成
    物除去装置。
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