以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(画像形成装置の説明)
まず、記録用紙(記録材の一例)に対する画像形成処理を行う画像形成装置100について説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一例100を示す断面図である。なお、本実施の形態においては、画像形成装置100は、本体90と本発明に係るイオン発生装置の一例71の双方を含んだ全体を意味するものとする。
この画像形成装置100は、本体90及びイオン発生装置71に加えて、原稿の画像を読み取る原稿読取装置101を備えている。
原稿読取装置101は、原稿搬送部42により搬送されている原稿画像を読み取る。原稿搬送部42では、原稿が原稿セットトレイ41にセットされると、原稿ピックアップローラ44が原稿表面に押し付けられて回転され、原稿が原稿セットトレイ41から引き出され、サバキローラ45と分離パッド46間を通過して1枚ずつに分離されてから搬送経路47へと搬送される。
この搬送経路47では、原稿の先端が原稿レジストローラ49に当接して、原稿レジストローラ49と平行に揃えられ、この後に原稿が原稿レジストローラ49により搬送されて読取ガイド51と読取ガラス52間を通過する。さらに、原稿は、搬送ローラ57により搬送され、排紙ローラ58を介して原稿排紙トレイ59に排出される。
原稿読取装置101では、原稿が読取ガイド51と読取ガラス52との間を通過するに際し、第1走査部53の光源からの光が読取ガラス52を介して原稿表面に照射され、その反射光が読取ガラス52を介して第1走査部53に入射し、この反射光が第1走査部53及び第2走査部54のミラーで反射されて結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によって原稿表面の画像がCCD(Charge Coupled Device)56上に結像される。CCD56は、原稿表面の画像を読み取り、その画像を示す画像データを出力する。
また、原稿搬送部42は、原稿読取装置101の後面側で開閉可能に枢支されており、この原稿搬送部42が開かれると、原稿台ガラス61が開放されて、原稿台ガラス61上に原稿を載置することができる。原稿が載置されて、原稿搬送部42が閉じられ、原稿読み取りの指示があると、第1走査部53及び第2走査部54が副走査方向に移動されつつ、第1走査部53によって原稿台ガラス61上の原稿表面が露光される。原稿表面からの反射光は、第1走査部53及び第2走査部54によって結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によってCCD56上に結像され、ここで原稿画像が読み取られる。このとき、第1走査部53及び第2走査部54が相互に所定の速度関係を維持しつつ移動されて、原稿表面→第1走査部53及び第2走査部54→結像レンズ55→CCD56という反射光の光路の長さが変化しないように第1走査部53及び第2走査部54の位置関係が常に維持され、これによりCCD56上での原稿表面の画像のピントが常に正確に維持される。
こうして読み取られた原稿画像全体は、画像データとして画像形成装置100の本体90の露光装置1へと送受される。
画像形成装置100の本体90は、原稿読取装置101により読み取られた原稿の画像又は外部から受信した画像を電子写真方式の画像形成プロセスによりカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成する。
詳しくは、画像形成装置100の本体90は、露光装置1、現像装置2、像担持体として作用する感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4、転写部として作用する中間転写ローラ6を含む中間転写ベルト装置8、定着装置12、給紙部として作用する給紙トレイ10及び排紙部として作用する排紙トレイ15を備えている。
画像形成装置100の本体90において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4、中間転写ローラ6は各色に応じた4種類の画像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
感光体ドラム3は、本体90の上下方向のほぼ中央に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
露光装置1は、ここでは、レーザ光源及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム3の表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K,C,M,Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去及び回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ローラ6に加えて、中間転写体として作用する中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、テンションローラ23及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22、テンションローラ23等のローラ部材は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7の表面を所定の移動方向(図中矢印C方向)に周回移動させる。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接されており、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7に転写するための転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、各感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。この転写ベルト7は、ここでは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ6は、ここでは、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われたローラである。この導電性の弾性材により、記録用紙に対して均一に高電圧を印加することができる。
画像形成装置100の本体90は、転写部として作用する転写ローラ11aを含む2次転写装置11をさらに備えている。転写ローラ11aは、中間転写ベルト7の中間転写ベルト駆動ローラ21とは反対側(外側)に接触している。
上述の様に各感光体ドラム3表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、2次転写装置11の転写ローラ11aによって記録用紙上に転写される。
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、2次転写装置11の転写ローラ11aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ21の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラや発泡性樹脂ローラ等)としている。
また、2次転写装置11によって中間転写ベルト7上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト7上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられており、このクリーニングブレードで残留トナーを除去及び回収することができる。従動ローラ22は、中間転写ベルト7を内側(裏側)から支持しており、クリーニングブレードは、外側から従動ローラ22に向けて押圧するように中間転写ベルト7に接触している。
給紙トレイ10は、記録用紙を格納しておくためのトレイであり、本体90の画像形成部の下側に設けられている。また、画像形成部の上側に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みの記録用紙をフェイスダウンで載置するためのトレイである。
また、本体90には、給紙トレイ10から供給された記録用紙を2次転写装置11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るためのSの字形状の搬送経路Sが設けられている。この搬送経路Sに沿って、用紙ピックアップローラ16、用紙レジスト前ローラ19、用紙レジストローラ14、定着装置12及び排紙ローラ17等の搬送部材が配置されている。
用紙ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の記録用紙搬送方向下流側端部に設けられ、給紙トレイ10から記録用紙を1枚ずつ搬送経路Sに供給する呼び込みローラである。用紙レジスト前ローラ19は、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラである。用紙レジスト前ローラ19は、用紙レジストローラ14の搬送方向上流側の直近に設けられており、記録用紙を用紙レジストローラ14へと搬送するようになっている。
用紙レジストローラ14は、用紙レジスト前ローラ19にて搬送されてきた記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとの間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、感光体ドラム3及び中間転写ベルト7の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
例えば、用紙レジストローラ14は、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとの間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像の先端が記録用紙における画像形成範囲の先端に合うように、記録用紙を搬送する。
定着装置12は、加熱ローラ31及び加圧ローラ32を備えている。加熱ローラ31及び加圧ローラ32は、トナー像が転写された記録用紙を受け取り、この記録用紙を加熱ローラ31及び加圧ローラ32間に挟み込んで搬送する。
加熱ローラ31は、図示しない温度検出器の検出出力に基づき、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ32と共に記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる機能を有している。
各色のトナー像の定着後での記録用紙は、排紙ローラ17によって排紙トレイ15上に排出される。
(本発明の特徴部分の説明)
さて、このような画像形成装置100においては、先に述べたような電子写真方式により記録用紙の印刷を行うに際し、排出ガスが生じることがある。この排出ガスの主成分は、記録用紙から発生すると推定されるロンギフォレン等の物質である。
このような排出ガスを放置していたのでは、画像形成装置100の利用者に不快感を与えてしまい、好ましくない。
そこで、本実施の形態に係る画像形成装置100は、この画像形成装置100の本体90の外側、ここでは、この画像形成装置100の本体90の筐体の上方に、イオンを発生して外部に放出するイオン発生装置71を備えている。
(イオン発生装置の説明)
次に、イオン発生装置71について説明する。図2は、図1に示す画像形成装置100におけるイオン発生装置71からの2つのイオン放出方向を示す斜視図である。図2(a)は、イオン放出方向を斜め下方に向けた状態を示しており、図2(b)は、イオン放出方向を上方に向けた状態を示している。なお、図2において、帯状の矢印D,Eは空気の流れる方向を示している。
本実施の形態に係る画像形成装置100では、図1及び図2に示すように画像形成装置100の本体90の上方にイオン発生装置71を設け、イオン発生装置71により正イオン及び負イオンを発生させ、正イオン及び負イオンをイオン発生装置71から図2(a)の矢印Dの斜め下方に放出することができる。これにより、エアーカーテンのように正イオン及び負イオンが画像形成装置100の本体90の前側を主に覆って、排出ガスの臭気を除去することができる。また、正イオン及び負イオンを同時に発生して放出することで、空気中の浮遊細菌を効果的に除去でき、さらに、画像形成装置100の排出ガスの臭気を効果的に低減することができる。このような正イオン及び負イオンにより、画像形成装置100の外部からでも排出ガスの影響を効果的に抑えられることが実験で確認されている。
画像形成装置100における状態は、記録用紙に対する画像形成処理を行う動作状態と、この画像形成処理を行わない待機状態とに区別できる。
画像形成装置100の待機状態においては、通常は排出ガスが発生し難い。このため、図2(b)に示すように、イオン発生装置71からの正イオン及び負イオンの放出方向を図2(b)の矢印Eの上方向に変更して、正イオン及び負イオンを室内全体に流して拡散させ、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌を除去して、空気の浄化を広い範囲で行うようにすることができる。
ここでは、図2(a)に例示するように、正イオン及び負イオンの放出方向は矢印Dの斜め下方に設定しているが、この矢印Dの方向だけに限らず、正イオン及び負イオンが画像形成装置100の本体90を覆うように該本体90側の向きに放出されれば、正イオン及び負イオンの放出方向を変更してもよい。
また、図2(b)に例示するように、正イオン及び負イオンの放出方向を矢印Eの上方向に設定しているが、この矢印Eの方向だけに限らず、正イオン及び負イオンが図2(b)の一点鎖線で示す上側の向きの範囲Xに放出されれば、正イオン及び負イオンの放出方向を変更してもよい。さらに、上側の向きの範囲Xだけに限らず、室内全体に拡散するような画像形成装置100の本体90とは逆側の向きに正イオン及び負イオンの放出方向を変更してもよい。
図1及び図2に示すように、画像形成装置100の本体90の背面片側のコーナー100aには支柱72が突設されており、この支柱72の上端でイオン発生装置71の一端側の水平方向に沿った軸71aが図2(b)の矢印Fの方向に回転可能に軸支され、イオン発生装置71の軸71aがモータ駆動ユニット73の出力軸に接続されている。
かかる構成を備えることにより、画像形成装置100では、モータ駆動ユニット73によりイオン発生装置71の軸71aが往復回転駆動されて、イオン発生装置71が矢印Fの方向の軸71a回りに往復回転される。これにより、イオン発生装置71からの正イオン及び負イオンの放出方向を矢印D及び矢印Eのいずれかの向きに変更することができる。
図1に示すようにモータ駆動ユニット73は、画像形成装置100に内蔵の制御部(制御手段の一例)74に接続されており、制御部74により駆動制御されるようになっている。
制御部74は、モータ駆動ユニット73の制御だけではなく、画像形成装置100全体の制御を司るものであり、画像形成装置100の動作状態に応じてモータ駆動ユニット73を駆動制御して、イオン発生装置71の軸71a回りの回転位置を制御し、イオン発生装置71からのイオンの放出方向を矢印D及び矢印Eのいずれかの向きに設定するようになっている。
図1及び図2に示すように、支柱72が本体90の背面片側のコーナー100aに配置され、支柱72によりイオン発生装置71が水平に片持ち支持されている。これにより、画像形成装置100の本体90の上方スペースが開放されて、画像形成装置100の使い勝手が損なわれずに済む。また、画像形成装置100の本体90は、その背面側が壁等に向けて配置されるように構成されている。このため、イオン発生装置71が画像形成装置100の本体90の背面側に設けられていることで、イオン発生装置71が壁際に配置されて邪魔にならないようにされている。
(イオン発生装置の詳細)
図3は、図1及び図2に示すイオン発生装置71の概略構成を示す断面図である。なお、図3において、線状の矢印Gは空気の流れる方向を示している。
イオン発生装置71は、イオンを発生させて外部へ放出するイオン発生素子85と、イオン発生装置71の内部の空気を加温する加温手段(ここでは面状ヒーター)86とを備えている。
本実施の形態では、イオン発生装置71は、さらに、本体筐体81と、吸入ダクト83と、吹き出しダクト84とを備えている。
吸入ダクト83は、本体筐体81の下側壁に形成された複数の吸入孔81aとイオン発生素子85との間に配置されている。吹き出しダクト84は、本体筐体81の上部に形成された吹き出し口81bとイオン発生素子85との間に配置されていている。
本実施の形態では、イオン発生装置71は、さらに、イオン発生素子85から外部へ空気を強制的に移動させる通風手段として作用する送風装置(ここではファンユニット)82を備えている。ファンユニット82は、イオン発生素子85からイオン発生装置71の外部への吹き出し口81bに向かう方向(図3中矢印G方向)において、イオン発生素子85よりも上流側に設けられている。
ファンユニット82は、本体筐体81の下部に配置されている。吸入ダクト83は、吸入孔81aとファンユニット82の吸入口82aとの間に配置されており、吹き出しダクト84は、吹き出し口81bとファンユニット82の放出口82bとの間に配置さている。そして、イオン発生素子85は、ファンユニット82の周辺に配置されている。
イオン発生素子85は、複数組(ここでは2組)のイオン発生素子85からなっている。
図4は、図3に示すイオン発生装置71における2組のイオン発生素子85を示す図である。図4(a)は、イオン発生素子85の一方の組を示しており、図4(b)は、イオン発生素子85の他方の組を示している。
各組のイオン発生素子85は、正イオンを発生する一対の正イオン発生素子85aと、負イオンを発生する一対の負イオン発生素子85bとで構成されている。
各イオン発生素子85は、ここでは、プラズマクラスターイオン(登録商標)発生素子(PCI)で構成されている。このイオン発生素子85は、図3の矢印A方向から視て、図4に示すように、イオン発生装置71の長手方向に沿って、複数組(ここでは2組)配設されており、各組のイオン発生素子85毎に、正イオンを発生する一対の正イオン発生部85aと、負イオンを発生する一対の負イオン発生部85bとが配列されている。このようなイオン発生素子85は、本願発明の出願人が先に出願した特開2002−58731号公報に詳しく開示されている。
このイオン発生素子85により発生された正イオン及び負イオンは、ファンユニット82のファン82cにより発生された空気流Gと共に吹き出しダクト84を通じて吹き出し口81bから放出される。
本実施の形態では、面状ヒーター86は、イオン発生素子85から外部への吹き出し口81bに向かう方向Gにおいて、イオン発生素子85の取り付け位置よりも下流側に設けられており、イオン発生素子85と外部との間の空気を加温するようになっている。
また、イオン発生装置71は、イオン発生素子85から外部への空気の流路87を有しており、面状ヒーター86は、流路87を構成する吹き出しダクト84の内面に沿って設けられている。
図5は、図3に示すイオン発生装置71における面状ヒーター86を上面から視た図である。図5(a)は、面状ヒーター86の配置構成の一例を示しており、図5(b)は、面状ヒーター86の配置構成の他の例を示している。
面状ヒーター86は、図5(a)に示すように、流路87を囲んで配置されていてもよいし、図5(b)に示すように、流路87を挟んで対面して配置されていてもよい。
図6、図7及び図8は、それぞれ、本発明に係る画像形成装置の他の例100Aを概略的に示す平面図、正面図及び右側面図である。図9及び図10は、それぞれ、本発明に係るイオン発生装置の他の例71Aにおける送風装置82内のファン82cとファンモータ82dとの配置関係を平面から視た断面図及び正面から視た断面図である。
なお、図6から図10並びに後述する図11及び図12において、図1から図5の構成要素と同じ要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図6から図8に示すように、イオン発生装置71Aは、画像形成装置100Aの本体90の上方に配置されており、イオンの放出方向が上側の向きに設定されている。
詳しくは、画像形成装置100Aの本体90の背面片側のコーナー100aにおいて取付部材72aによって支柱72が支持されており、この支柱72の上端でイオン発生装置71Aを吹き出し口81bが上方を向くように固定されている。
図11は、図6から図10に示すイオン発生装置71Aの概略構成を示す断面図である。図12は、図11に示すイオン発生装置71Aにおける面状ヒーター86を上面から視た図である。図12(a)は、面状ヒーター86の配置構成の一例を示しており、図12(b)は、面状ヒーター86の配置構成の他の例を示している。
図11に示すイオン発生装置71Aにおいて、イオン発生素子85は、複数組(ここでは4組)のイオン発生素子85からなっている。この複数組のイオン発生素子は、空間を存して(ここでは流路87を挟んで)半数の組(ここでは2組)ずつ互いに略対面して配置されている。
各組のイオン発生素子85は、正イオンを発生する一対の正イオン発生素子85aと、負イオンを発生する一対の負イオン発生素子85bとで構成されている。各組のイオン発生素子85が略対面する配置構成において、同一極性のイオン発生素子(85a,85a),(85b,85b)同士が略対面してもよいし、或いは、異なる極性のイオン発生素子(85a,85b),(85b,85a)同士が略対面してもよい。
本実施の形態では、イオン発生装置71Aは、イオン発生素子85と外部との間で、空間を存して互いに略対面して複数組(ここでは4組)のイオン発生素子85が配置されている一方側87aと他方側87bとで流路87を仕切る仕切部材(ここでは仕切板)88が設けられている。
面状ヒーター86は、図12(a)に示すように、流路87を囲んで配置されていてもよいし、図12(b)に示すように、流路87を挟んで対面して配置されていてもよい。
そして、面状ヒーター86は、一方側87aにおける空気と他方側87bにおける空気との双方を加温するようになっている。
図3及び図11に示すイオン発生装置71,71Aは、画像形成装置100,100Aの本体90の幅方向に長いため、本体筐体81、ファンユニット82、各吸入孔81a、放出口82b及び放出ダクト84、イオン発生装置71ではさらに吸入ダクト83も画像形成装置100,100Aの本体90の幅方向(用紙搬送方向)に長く、また、複数のイオン発生素子85を画像形成装置100,100Aの本体90の幅方向に配列している。
ファンユニット82のファン82cは、ファンモータ82dにより回転駆動されると、矢印Gに示すような空気の流れ(空気流)を発生し、空気を各吸入孔81aからファンユニット82内へと吸入し、空気を各イオン発生素子85近傍に流してから、空気を吹き出しダクト84を通じて吹き出し口81bから放出する。
ファンユニット82のファン82cもまた画像形成装置の本体90の幅方向に長く、ファン82cの軸82eの一端はイオン発生装置71,71Aの本体筐体81の一側に配置されているファンモータ82dに連結されて駆動される。ファン82cの軸82eの他端はイオン発生装置の本体筐体81の他側で軸受け82fによって支持されている。すなわち、モータ回転軸とファン82cの回転軸は同軸上に配置されている。
図13は、ファンユニット82におけるファン82cの概略構成を示す図である。図13(a)は、その縦断面図を示しており、図13(b)は、図3(a)のA−A線に沿った断面図を示している。
ファン82cとして、例えば、ファン径が40mmから60mmで、ファン部の全長が400mmから500mm程度のクロスフローファンを使用することができる。
図13に示すように、ファン82cは、全体として円筒面に多数のスリット状の開口82hを有する中空円筒形を成しており、円筒部の外周面には、径方向の内側から外側にかけてファン82cの回転方向(図中矢印B方向)に向けてカーブした小さいフィン状のファンブレード82iが配置されている。
このファン82cのファンモータ82dは、画像形成装置100,100Aに内蔵の制御部74に接続されており、制御部74により駆動制御されるようになっている。
[制御部の説明]
このような構成において、図1及び図7に示す制御部74は、画像形成装置100,100A全体の制御を司るものであり、CPU(Central Processing Unit)等の処理部と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含む記憶部と含むマイクロコンピュータからなっている。詳しくは、この制御部74は、前記処理部が前記記憶部のROMに予め格納された制御プログラムを前記記憶部のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の制御を行うようになっている。
そして、面状ヒーター86も同様に、画像形成装置100,100Aに内蔵の制御部74に接続されており、制御部74により駆動制御されるようになっている。つまり、制御部74は、画像形成装置100,100Aの動作に基づき、面状ヒーター86の温度の制御も行うようになっている。
制御部74は、電源スイッチがオンになると、予め設定された手順で画像形成装置100,100Aの各部を駆動制御して、画像形成装置100,100Aを待機状態に設定する。
この待機状態においては、操作パネル75の入力操作により原稿画像の複写を指示することができる。制御部74は、操作パネル75の入力操作に基づく複写を指示する印刷指示信号を入力すると、この印刷指示信号に応答して画像形成装置100,100Aの動作を開始して、画像形成装置100,100Aの動作状態を設定し、原稿画像を読取り、読取った原稿画像を記録用紙に複写する。この場合は、画像形成装置100,100Aが複写機として機能する。
また、画像形成装置100,100Aは、ネットワークNに接続されたインターフェース76を備えており、ネットワークNを通じてパーソナルコンピュータ等の外部端末装置(図示せず)に接続され、外部端末装置からインターフェース76へと画像及び印刷指示信号を受信する。制御部74は、この受信した画像及び印刷指示信号を入力し、この印刷指示信号に応答して画像形成装置100,100Aの動作を開始して、画像形成装置100,100Aの動作状態を設定し、この画像を記録用紙に印刷する。この場合、画像形成装置100は、プリンタとして機能する。
さらに、印刷処理が終了した後、印刷処理が実行されないまま一定時間が経過すると、画像形成装置100,100Aが再び待機状態となり、次の印刷指示信号の入力が待機される。
なお、待機状態とは、印刷処理が実行されていない状態であって、直ちに印刷処理の実行に移れる状態である。
ここでは、制御部74は、画像形成装置100,100Aの動作中は待機中よりも面状ヒーター86の温度を上げるようになっている。
以上説明した画像形成装置100,100A及びイオン発生装置71,71Aでは、ファンユニット82が作動し、ファン82cが所定の回転方向Bに回転することにより、吸入孔81aから吸入された空気がイオン発生素子85に到達する。このとき、イオン発生素子85では、正イオン発生素子85aから正イオンが発生しており、負イオン発生素子85bから正イオンが発生している。そして、イオン発生素子85に到達した空気は、イオン発生素子8で発生した正イオン、及び、負イオンが含有され、吹き出しダクト84で形成される流路87を通過する。流路87の途中には面状ヒーター86が設けられているため、流路87を通過する空気が吹き出し口81bから外部へ放出されるにあたり、面状ヒーター86によって加温される。このため、対流現象により空気が上方へ移動し、かつ、空気流の層流化が促進された状態で吹き出し口81bから外部へ放出される。
ところで、正イオンと負イオンとがぶつかり合うと、これらが消滅するため、正イオンと負イオンとがぶつかり合わずに、これらをより遠くへ飛ばすようにするためには、空気の流れが層流であることが望ましい。この層流にするためには、下記式(1)で得られるレイノルズ数Reを臨界レイノルズ数Recよりも少なくする必要がある。
Re=ρ・V・d/μ=V・d/ν … (1)
Re<Recの時に層流になり、Re>Recの時に乱流になる。
但し、ρ:密度(kg/m3)、V:速度(m/sec)、
d:代表長さ(m)(管であれば直径)、μ:粘度(Pa・sec)、
ν:動粘度(m2/sec)、
Rec:臨界レイノルズ数(遷移が起こるレイノルズ数)
※遷移とは、層流から乱流へ移行することをいう。
イオン発生装置71,71Aと吹き出し口81bとの間の空気を面状ヒーター86によって加温(低密度)にすることにより、低レイノルズ数の層流状態となり、正イオンと負イオンとを高い生存率で飛ばすことが可能となる。
このように、画像形成装置100,100A及びイオン発生装置71,71Aによれば、面状ヒーター86によってイオン発生装置71,71A内のイオンを含有する空気を加温することができるため、対流現象による空気の移動に加えて、空気の流れの層流化を促進させることができるので、イオン発生装置71,71Aの外部への空気の流れの抵抗を低減させることができ、これにより、空気の流れを円滑化することができる。
つまり、流路87において温度差が生じることにより、低温部から高温部に向かって空気が移動し、空気流が発生する。イオン発生装置71,71Aから下流側を上流側よりも高温にし、空気流を発生させることにより、ファン82c及びファンモータ82dを小型化しても必要な風量と風速とを満足し、イオン発生装置71,71Aの小型化、軽量化、コストダウン化、さらには低騒音化を図ることが可能となる。
例えば、イオン発生装置71,71A内の面状ヒーター86の加温能力を通常運転時よりも増大するとともに、ファンの送風能力を通常運転時よりも低減して使用する。そうすると、面状ヒーター86によって空気が加温されるため、対流現象による空気の上方への移動とともに、空気流の層流化が促進されるので、流路87への空気流の抵抗がさらに低減され、それだけ空気の流れが円滑化する。
空気の移動を送風装置82だけに全面的に依存することがないため、送風装置82の能力に対して比較的余裕をもってイオン発生装置71,71Aを使用することができる。イオン発生装置71,71Aのファンモータ82dの運転回転数を通常時よりも落として運転しても、面状ヒーター86がもたらす対流現象と空気流の層流化促進によって空気の移動が確実に行われ、ファンモータ82dの消費電力が抑制され、イオン発生装置71,71Aの清音運転化が可能になる。また、面状ヒーター86による加温によって流域内で温度差が発生するほど空気の移動や層流化は促進されて有利に作用するので、ファン82cの送風能力を控目に落として使用することができる。
従って、イオン発生装置71内のイオンを含有する空気流の流域での温度差を利用して空気の移動を円滑に行うことによってイオン発生装置71,71A内の空気の移動に係る装置や機器類を効率的にかつ低騒音で運転することができ、画像形成装置100,100Aからの排出ガスを効率よく浄化することが可能となり、しかも、高濃度のイオンを含有する空気を広範囲に移動させて画像形成装置100,100Aが設置された室内の空気を効率よく浄化することも可能となる。
本実施の形態では、面状ヒーター86は、イオン発生素子85からイオン発生装置71,71Aの外部への吹き出し口81bに向かう方向Gにおいて、イオン発生素子85よりも下流側に設けられていることで、該面状ヒーター86によってイオン発生装置71,71A内のイオンを含有する空気を効果的に加温することができ、イオンを含有する空気の移動の円滑化、効率化及び装置の静音化を向上させることができる。
また、本実施の形態では、流路87を囲んで面状ヒーター86が配置されている場合には(図5(a)及び図12(a)参照)、空気を周囲から一様に加温することができるので、対流現象による空気の移動に加えて、空気の流れの層流化を促進させることができ、これにより、流路87への空気の流れの抵抗を低減させることができ、それだけ、空気の流れを円滑化することができる。
また、本実施の形態では、面状ヒーター86が流路87を挟んで対面して設けられている場合には(図5(b)及び図12(b)参照)、該面状ヒーター86によってイオン発生装置71,71A内のイオンを含有する空気を確実に加温することができる。
また、本実施の形態では、イオン発生素子85は、複数組のイオン発生素子85からなっており、複数組のイオン発生素子85が空気を挟んで略対面して配置されていることで、イオン発生量を増加させることができ、これにより、高濃度のイオンを含んだ空気をイオン発生装置71,71Aの外部に放出することができる。
また、本実施の形態では、図11に示すように、イオン発生素子85とイオン発生装置71Aの吹き出し口81bとの間で、空間を存して互いに略対面して複数組のイオン発生素子85が配置されている一方側87aと他方側87bとで流路87を仕切る仕切板88が設けられていることで、イオンを含有する空気を一方側87aと他方側87bとに分散させてイオン発生装置71Aの外部に放出することができ、それだけ、イオンを室内全体に流して拡散させることができる。
また、面状ヒーター86は、一方側87aにおける空気と他方側87bにおける空気との双方を加温することで、面状ヒーター86がもたらす対流現象と空気の流れの層流化による一方側87aと他方側87bとに分散する空気の移動の促進を確実に行うことができる。
また、本実施の形態では、制御部74は、画像形成装置100,100Aの動作に基づき面状ヒーター86の温度を制御することで、画像形成装置100,100Aの動作状態に応じて面状ヒーター86の温度を昇降し、これによりイオン発生量を増減させることができる。
具体的には、制御部74は、画像形成装置100,100Aの動作中は待機中よりも面状ヒーター86の温度を上げることで、画像形成装置100,100Aが(通常は排出ガスが動作中よりも少ない)待機中は、面状ヒーター86の温度をさげることによりイオン発生量を少なくすることが可能となる。一方、画像形成装置100,100Aが(通常は排出ガスが待機中よりも多い)動作中は、面状ヒーター86の温度を上げることによりイオン発生量を多くすることが可能となる。これにより、画像形成装置100,100Aからの排気ガスの発生量に合わせてイオン発生量を変更することができる。
ここで、画像形成装置100Aでは、イオン発生装置71Aのイオンの放出方向が上側の向きに配置されている。画像形成装置100では、制御部74は、画像形成装置100を待機状態に設定すると、モータ駆動ユニット73を駆動制御して、イオン発生装置71の回転位置を制御し、図2(b)に示すようにイオン発生装置71からのイオンの放出方向を矢印Eの上方向に設定する。この待機状態において、制御部74がイオン発生装置71,71A及び面状ヒーター86を作動すると、画像形成装置100,100Aでは、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌が除去されて、空気の浄化が広い範囲で行われる。一般に、画像形成装置の待機状態の設定時間がその動作状態の設定時間よりも長いため、画像形成装置100,100Aの待機状態のときに正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散されれば、空気の浄化が効果的になされる。
このとき、画像形成装置100において、制御部74は、モータ駆動ユニット73の駆動制御によりイオン発生装置71を軸71a周りの一定角度範囲で往復回転させてもよい。すなわち、イオン発生装置71をスイング動作させる。これにより、正イオン及び負イオンの放出範囲を広げることができる。
或いは、画像形成装置100,100Aにおいて、制御部74は、ファンユニット82のファン82cのモータの駆動制御によりファン82cの回転速度を速くする。これによって、イオン発生装置71,71Aからの空気の放出速度及び放出量が増大し、正イオン及び負イオンの放出範囲がより広がる。
また、画像形成装置100において、制御部74は、画像形成装置100を動作状態に設定すると、モータ駆動ユニット73を駆動制御して、イオン発生装置71の回転位置を制御し、図2(a)に示すようにイオン発生装置71からのイオンの放出方向を矢印Dの斜め下方に設定する。これにより、正イオン及び負イオンにより画像形成装置100の本体90の前側が主に覆われて、排出ガスの臭気が除去される。通常、利用者が画像形成装置100の本体90の前側に立つので、正イオン及び負イオンを矢印Dの向きに放出して、正イオン及び負イオンにより画像形成装置100の本体90の前側を主に覆えば、利用者周辺の排出ガスの臭気を効果的に除去することができる。
このときにも、画像形成装置100において、制御部74は、モータ駆動ユニット73の駆動制御によりイオン発生装置71を軸71a周りの一定角度範囲で往復回転させ、イオン発生装置71をスイング動作させてもよい。
このように本実施形態では、画像形成装置100の待機状態及び動作状態に応じて、イオン発生装置71の向きを制御して、イオン発生装置71からの正イオン及び負イオンの放出方向を変更しているので、待機状態のときには空気の浄化を行い、動作状態のときには排出ガスの臭気を除去することができ、1台のイオン発生装置71を二役で用いることができる。
或いは、画像形成装置100,100Aにおいて、制御部74は、ファンユニット82のファン82cのモータの駆動制御によりファン82cの回転速度を遅くする。これによって、イオン発生装置71からは空気が穏やかに放出され、空気の流れが矢印Dのように徐々に下方に曲がる曲線を描き、空気が画像形成装置100,100Aの本体90の前側に立った利用者に強く吹き付けられずに済み、正イオン及び負イオンを穏やかに拡散させて、正イオン及び負イオンにより画像形成装置100,100Aの本体90の前側を確実に覆うことが可能になる。
また、エアーカーテンのようにイオンが画像形成装置100,100Aの本体90を覆えば、画像形成装置100の排出ガスの影響を効果的に抑えられることが実験で確認されている。このため、イオン発生装置71,71Aを画像形成装置100,100Aの本体90の外側に配置することができ、画像形成装置100の本体90の大型化を避けることができる。また、このイオン発生装置71,71Aにより室内の空気が浄化されるので、空気清浄機を別途設ける必要がなく、室内の空間を有効利用することができ、また設備費用を節減することができる。
図14は、図1から図12に示すイオン発生装置71,71Aを画像形成装置100,100Aの本体90の背面中央に取り付けた状態を示している。なお、図14では、画像形成装置100での空気の吹き出し例を示している。
画像形成装置100の本体90の背面中央には支柱93が突設されており、この支柱93の上端にイオン発生装置71,71Aの中央を安定的に支持している。
図2(b)及び図7に示すようにイオン発生装置71,71Aの吹き出し口81bから空気が正イオン及び負イオンと共に矢印Eの上方向(画像形成装置100の本体90とは逆側の向きもしくは上側の向き)に放出される。これにより、正イオン及び負イオンが室内全体に流れて拡散し、空気の浄化が効果的になされる。
このとき、ファン82cのモータの駆動制御によりファン82cの回転速度を速くして、イオン発生装置71,71Aからの空気の放出速度及び放出量を増大させ、正イオン及び負イオンの放出範囲をより広げてもよい。以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
例えば、本実施の形態では、画像形成装置の動作状態と待機状態を示しているが、画像形成装置の非動作状態が長く続いたときには、待機状態から消費電力の少ない省電力状態へと移り、更に省電力状態からより消費電力の少ないスリープ状態へと移り、印刷指示があったときに動作状態に戻るという節電制御を行うことがある。そのような省電力状態やスリープ状態に際しても、待機状態と同様に、排出ガスが発生しないため、イオン発生装置からのイオンの放出方向を上方に向けて、イオンを上方に放出し続けてもよい。特に、夜間等においては、スリープ状態が設定されることが多いので、イオン発生装置からイオンを上方に放出し続ければ、人が居ない間に、室内の空気を十分に浄化することができる。
また、イオン発生装置71,71Aやモータ駆動ユニット73をオプションで後付けすることができるようにしてもよい。この場合は、イオン発生装置71,71A側にイオン発生装置71,71Aの構成要素を駆動制御するための制御部を設けておき、この制御部と画像形成装置100,100Aの制御部74とをシリアル通信用のケーブル並びにコンセントを介して接続し、両者の制御部間のデータ通信により、画像形成装置100,100Aの制御部74からイオン発生装置71側の制御部へと指示を送受して、イオン発生装置71,71A側の制御部によりイオン発生装置71,71Aの構成要素を制御してもよい。
さらに、画像形成装置の構造や使用状況等に応じて、イオン発生装置71,71Aの取り付け位置を変更してもよい。上記実施形態では、画像形成装置100,100Aの背面側を壁等に向けて配置することを想定して、支柱を画像形成装置の背面側に突設し、この支柱の上端にイオン発生装置71を水平に支持しているが、画像形成装置の構造や使用状況によっては、画像形成装置の側面を壁等に向けて配置することがある。この場合は、支柱を画像形成装置の側壁に突設し、この支柱の上端にイオン発生装置71,71Aを支持すると、イオン発生装置71,71Aが壁際に配置されて、イオン発生装置71,71Aが邪魔にならずに済む。或いは、支柱を用いずに、イオン発生装置71,71Aを垂直に取り付けたり、画像形成装置本体の外壁に直接取り付けたりしてもよい。さらに、複数のイオン発生装置71,71Aを分散して取り付けても構わない。