JP2001099308A - 無段変速機付車両の制御装置 - Google Patents
無段変速機付車両の制御装置Info
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Abstract
続された車両において、車両の減速感の向上を図るとと
もに流体継手の直結解除に伴う違和感を防止可能な無段
変速機付車両の制御装置を提供する。 【解決手段】 直結クラッチが直結状態にあるとき、車
速の減少に対し内燃機関の回転速度を所定回転速度以上
に保持するよう第1の制御手段により無段変速機の変速
比が徐々に大きく制御される(S26)。そして、このよう
に無段変速機の変速比が大きく制御されると車両の減速
力が増加するが、当該減速力が所定値を越え、且つ、車
速が規定値以下になると(S34)、第2の制御手段により
無段変速機の変速比が一時的に小さく変更され(S36)、
このとき、直結解除手段により直結クラッチの直結が解
除される(S22)。
Description
の制御装置に係り、詳しくは、内燃機関の駆動軸に直結
可能な流体継手を介して無段変速機が接続される車両の
減速時における無段変速機及び流体継手の制御技術に関
する。
な無段変速機(CVT)を備えた車両が開発され、実用
化されている。ところが、このような車両では、エンジ
ンの駆動軸に流体継手(トルクコンバータ)を介して変
速機、駆動輪が接続されている場合、車両の減速時に
は、車速の低下に伴ってトルクコンバータが滑りを生
じ、車両の減速感が低下するとともに、減速中に燃料供
給を停止(フューエルカット)するものでは、エンジン
の回転自体が停止する所謂エンジンストールを引き起こ
す可能性がある。従って、このようなエンジンと無段変
速機とがトルクコンバータを介して接続される車両で
は、トルクコンバータを直結クラッチ(ロックアップク
ラッチ)により直結し、エンジンと駆動輪を直結状態と
することにより減速感を向上させている。そして、その
後、車速が所定の車速にまで低下した時点でロックアッ
プクラッチを解除することでエンジンストールを防止し
ている。
速を要求している場合には、できる限り長期に亘って減
速感を維持することは好ましいことである一方、急減速
を行って車速が急激に低速にまで減少した場合のように
車速が低速になり過ぎるような場合には、ロックアップ
クラッチを解除しても、もはやエンジン回転を維持でき
ず、エンジンストールを引き起こすおそれがある。
停止するものでは、燃料供給の再開に伴い発生する振動
が駆動輪に伝達されるの防止するため、燃料供給を再開
する前にロックアップクラッチを解除する必要があるの
であるが、この場合には、ロックアップクラッチを解除
して燃料供給を再開しても、上述したようにトルクコン
バータが滑り、もはやエンジンを再始動するのに十分な
エンジン回転を維持できず、やはりエンジンストールを
引き起こすおそれがある。
ジンストールを防止する技術として、例えば特開昭57
−161358号公報等に開示の技術がある。しかしな
がら、この技術は、ロックアップクラッチの解除の遅れ
を回避してエンジンストールを防止するものであり、減
速感を維持しつつエンジンストールを防止したいという
場合には有効な手段とはいえない。
まりエンジンの出力軸にトルクコンバータとともに当該
CVTを接続するようにし、車速が低速になるにつれて
当該CVTの変速比を大きくしてエンジン回転の低下を
防止することが考えられている。これにより、車速が極
力低速になるまで長期に亘り減速感を維持しながらロッ
クアップクラッチを解除した際のエンジンストールを防
止することが可能とされる。
くと、駆動輪に伝達されるエンジンフリクション、オル
タネータ負荷等の抵抗、即ちエンジンブレーキの効果が
大きくなり、車両の減速力が増大することになる。この
ように車両の減速力が増大した状態でロックアップクラ
ッチを解除すると、車両の乗員は減速力の解放により車
両が前方に押し出されるような違和感、即ち空走感を感
じることになり好ましいことではない。
になされたもので、その目的とするところは、内燃機関
の駆動軸に直結可能な流体継手の接続された車両におい
て、車両の減速感の向上を図るとともに流体継手の直結
解除に伴う違和感を防止可能な無段変速機付車両の制御
装置を提供することにある。
ために、請求項1の発明では、直結クラッチが直結状態
にあり且つ内燃機関への加速指示がないときには、車速
検出手段により検出される車速の減少に対し、内燃機関
の回転速度を所定回転速度または所定回転速度以上に保
持するよう第1の制御手段により無段変速機の変速比が
徐々に大きく制御される。そして、このように無段変速
機の変速比が大きく制御されると車両の減速力が増加す
ることとなり、当該減速力が所定値を越え、且つ、車速
が規定値以下になると、第2の制御手段により無段変速
機の変速比が一時的に小さく変更され、このとき、直結
解除手段により直結クラッチの直結が解除される。
く制御されて車両の減速感が向上するとともに、さら
に、当該無段変速機の変速比の増加に伴い増大するエン
ジンフリクション、オルタネータ負荷等のエンジンブレ
ーキによる減速力が所定値を越え且つ車速が規定値以下
になり無段変速機の変速比が小さく変更されると、内燃
機関の回転速度が一時的に減少し、内燃機関の慣性トル
クが放出されて減速力が低下することになり、このよう
に減速力が小さくなった状態のときに流体継手の直結ク
ラッチ(ロックアップクラッチ)の直結が解除されるこ
とで、車両の乗員の感じる空走感、即ち違和感が好適に
防止される。
カット)を行い且つロックアップクラッチ解除後に燃料
供給を再開するものにおいては、変速比が徐々に大きく
制御されてエンジン回転速度が所定回転速度以上に保持
されると、燃料供給の停止を長期に亘って継続すること
が可能となり、上記減速感に加えて燃費の向上も図られ
る。
面に基づき説明する。図1を参照すると、本発明に係る
無段変速機付車両の制御装置の概略構成図が示されてお
り、以下当該無段変速機付車両の制御装置の構成を説明
する。エンジン(内燃機関)1の駆動軸2には流体継手
4、クラッチ6、入力軸(プライマリ軸)8を介して無
段変速機(CVT)10が接続されており、CVT10
の出力軸(セカンダリ軸)30には、ギヤ32、デファ
レンシャルギヤユニット34、車軸36を介して一対の
車輪38,38が接続されている。
ジンである。また、流体継手4は、トルクコンバータと
して公知のものであり、ロックアップクラッチ(直結ク
ラッチ)5を有し、車両の運転状況に応じて直結(ロッ
クアップ)と非直結との切換えが可能とされている。そ
して、クラッチ6は摩擦クラッチであり、始動時等エン
ジン1をニュートラル状態にする場合に切断可能とされ
ている。
ーン等の伝達部材40を介して高圧の油圧を発生可能な
オイルポンプ42が接続されており、該オイルポンプ4
2には、油路46が接続されている。つまり、エンジン
1が駆動されオイルポンプ42が作動すると、オイルポ
ンプ42はオイルパン44に溜められたオイル(作動
油)を高圧の油圧、即ちライン圧にして油路46に吐出
する。
12とセカンダリプーリユニット20に無端状のVベル
ト27が掛け回されて構成されており、上記駆動軸2は
プライマリプーリユニット12に接続されている。詳し
くは、プライマリプーリユニット12、セカンダリプー
リユニット20は、それぞれVベルト27のV字状の両
側面との当接面が当該V字状の両側面に沿うようテーパ
状に形成された固定プーリ14及び可動プーリ16、固
定プーリ22及び可動プーリ24からなっている。そし
て、プライマリ側の可動プーリ16には油圧アクチュエ
ータ18が、セカンダリ側の可動プーリ24には油圧ア
クチュエータ26が設けられており、これら油圧アクチ
ュエータ18、油圧アクチュエータ26によって可動プ
ーリ16、可動プーリ24がそれぞれ入力軸8、出力軸
30に沿い摺動させられると、プライマリプーリユニッ
ト12、セカンダリプーリユニット20の溝幅、即ちV
ベルト27の掛かる有効径が変化することになり、これ
により、CVT10の変速比が変化して変速が行われ
る。
ュエータ26には上記油路46が接続されており、プラ
イマリ側の油圧アクチュエータ18には上記油路46か
ら分岐してソレノイド51で駆動される電磁式のスプー
ル弁50の介装された油路48が接続されている。つま
り、プライマリ側の油圧アクチュエータ18には変速比
制御用のスプール弁50で減圧調整された油圧が作用す
るようようにされている。
レノイド53で駆動される電磁式のスプール弁52が介
装されている。このスプール弁52は、セカンダリ側の
油圧アクチュエータ26に供給されるライン圧の大きさ
を調整するものであり、当該スプール弁52から排出さ
れるオイルは潤滑の必要な他の各部へ送られるようにさ
れている。
るため、ここではその詳細については説明を省略する。
また、エンジン1の駆動軸2近傍には、駆動軸2の回転
によりエンジン回転速度Neを検出するエンジン回転セ
ンサ60が設けられており、プライマリプーリユニット
12の近傍には、CVT10の入力軸8の回転速度、即
ちプライマリ回転速度Npを検出するプライマリ回転セ
ンサ62が設けられており、出力軸30に接続されたギ
ヤ32の近傍には、CVT10のセカンダリプーリユニ
ット20の回転速度、即ちセカンダリ回転速度Nsを検
出し車速Vを検出する車速センサ(車速検出手段)64
が設けられている。さらに、油路46の油圧アクチュエ
ータ26近傍には、油路46内の油圧を検出する油圧セ
ンサ66も設けられている。
は、中央処理装置(CPU)等からなり、エンジン1等
の車両の各種制御を司る主制御装置であり、その入力側
には、上述のエンジン回転センサ60、プライマリ回転
センサ62、車速センサ64、油圧センサ66等の各種
センサ類が接続されており、さらに、エンジン1の出力
調節を行うアクセルペダル72の操作量、即ちアクセル
開度(加速指示)θaccを検出するアクセルポジション
センサ(APS)74や、車両の制動操作、即ちサービ
スブレーキ(図示せず)の作動操作を行うブレーキペダ
ル76の操作(ONまたはOFF)を検出するブレーキ
スイッチ(ブレーキSW)78が接続されている。
1の電磁スロットルバルブや点火コイル(共に図示せ
ず)や上記電磁式のスプール弁50,52のソレノイド
51,53等が接続されている。以下、このように構成
された本発明に係る無段変速機付車両の制御装置の作用
について説明する。
行しているような場合にはロックアップクラッチ5が直
結状態とされ、さらに、この直結状態の下、APS74
からのアクセル開度情報θaccに基づいて加速指示がな
く車両が減速走行状態にあると判定されると、エンジン
1への燃料供給が停止、即ちフューエルカットされるよ
うにされている。これにより、燃料消費が節減され、燃
費の向上及び排ガスの低減が図られている。
が減速してエンジン回転速度Neがある程度まで低下し
た時点で解除され、つまり燃料供給が再開されるように
されており、この際、当該燃料供給の再開時に発生する
振動が車輪38,38にまで伝達するのを防止するた
め、直結していたロックアップクラッチ5については直
結を解除するようにしている。
減速を要求している場合には、減速感をできるだけ長期
に亘って維持するのがよく、また、燃費の向上という点
では、車速Vが極めて低速になるまでフューエルカット
をできるだけ長期に亘って継続するのがよく、さらに、
ロックアップクラッチ5を解除する際にはできるだけ乗
員に違和感を与えないのがよい。
を考慮してロックアップクラッチ5の解除制御を行うよ
うにしている。以下、本発明に係るロックアップクラッ
チ解除制御について説明する。図2を参照すると、EC
U70が実行する本発明に係るロックアップクラッチ解
除制御の制御ルーチンがフローチャートで示されてお
り、また、図3を参照すると、当該フローチャートに沿
い制御した場合の車速V、エンジン回転速度Ne、CV
T10の変速比、及び車両に働く減速力FBの時間変化
がタイムチャートで示されており、以下、図3のタイム
チャートを参照しながら図2のフローチャートに沿い説
明する。
において、APS74により検出されるアクセル開度情
報θacc、車速センサ64により検出される車速情報
V、プライマリ回転センサ62により検出されるプライ
マリ回転速度情報Np及びエンジン回転センサ60によ
り検出されるエンジン回転速度情報Neをそれぞれ読込
む。
ト中か否かを判別する。つまり、ロックアップクラッチ
5が直結状態とされ且つAPS74により検出されるア
クセル開度θaccがゼロ値で車両が減速走行状態にあ
り、エンジン1への燃料供給が停止されている状態であ
るか否かを判別する。ステップS12の判別結果が偽
(No)で、フューエルカットが行われていないと判定
された場合には、何もせず当該ルーチン抜ける。一方、
ステップS12の判別結果が真(Yes)で、現在フュ
ーエルカット中と判定された場合には、次にステップS
14に進む。
ON状態であるか否かを判別する。つまり、車両の運転
者に積極的な制動要求があるか否かを判別する。判別結
果が偽(No)、即ちブレーキSW78がOFF状態で
あるような場合には、車両が例えば緩い降坂路を走行中
であって、運転者に車両を減速させるという積極的な意
志がないと判定できる。
い場合には、ステップS16において、通常通りアクセ
ル開度情報θaccと車速情報V(セカンダリ回転速度情
報Ns)とに基づいて目標Npを演算する。つまり、目標
となる変速比(変速比=プライマリ回転速度Np/セカ
ンダリ回転速度Ns)を演算する。実際には、変速比に
対応する当該目標Npは、実験等に基づきアクセル開度
θaccと車速Vとに応じて予めその適正値が設定されて
マップ化されており、当該目標Npマップから読みとら
れ、これにより変速比が設定される。
定されたら、ステップS18において、当該変速比に基
づいて変速制御を行う。つまり、変速比に応じてスプー
ル弁50及びスプール弁52の開度調整を行い、CVT
10の油圧アクチュエータ18及び油圧アクチュエータ
26に供給するライン圧をそれぞれ調圧する。ところ
で、フューエルカット中、目標Npマップに基づいて変
速比が設定されるときには、図3中に二点鎖線で示すよ
うに、車速Vが低速になるにつれてエンジン回転速度N
eも減少する。このようにエンジン回転速度Neが減少す
ると、ブレーキSW78がOFF状態であれば本来は運
転者に積極的な制動要求がないために車両が大きく減速
することはないのであるが、何らかの要因によって車速
Vが大きく低下してエンジン回転速度Neが極めて小さ
くなることもあり得る。このようにエンジン回転速度N
eが極めて小さくなると、ロックアップクラッチ5を解
放してフューエルカットを解除しようとしたときに、流
体継手4に滑りが発生するために、エンジン回転速度N
eがさらに低下して燃料供給を再開しても完爆に至らず
にエンジンストールしてしまうおそれがある。
に、ここでは、車速Vがそれほど低速とならないうちに
ロックアップクラッチ5を解放してフューエルカットを
解除するようにしており、故に、次のステップS20に
おいて、車速センサ64により検出される車速Vがそれ
ほど低速でない所定車速V1以下になったか否かの判別
を行う。
で、車速Vがそれほど低速ではなく、未だフューエルカ
ットを解除する必要がないと判定された場合には、その
まま当該ルーチンを繰り返す。一方、ステップS20の
判別結果が真(Yes)で、車速Vが所定車速V1以下
になったと判定された場合には、次にステップS22に
進む。
解除すべく、先ずロックアップクラッチ5の解除を行う
(直結解除手段)。そして、ステップS24において、
フューエルカットの解除を行う。このようにフューエル
カットが解除されると、燃料供給が再開されることにな
る。そして、燃料供給が再開された後は、図3に示すよ
うに、エンジン回転速度Neは安定してアイドル回転速
度に保持される。また、このように燃料供給が再開され
ると、もはやフューエルカット中ではないため、次回ス
テップS12が実行されたときには、当該ステップS1
2の判別結果は偽(No)と判定される。
(Yes)で、ブレーキSW78がON状態であって運
転者に積極的な制動要求があると判定された場合には、
次にステップS26に進む。ステップS26では、CV
T10の変速比を徐々に増大させる変速比増大制御を行
う(第1の制御手段)。
合には、車両が確実に大きく減速すると予測でき、この
ような場合には、十分に減速感を得るとともに、燃費向
上のため、減速期間中においてできるだけ長くフューエ
ルカットを継続するのがよい。そこで、当該ステップS
26では、車速Vが低下してもエンジン回転速度Neが
低下せず、急減速中のロックアップクラッチ5解除でも
エンジンストールに至らない比較的高回転の所定回転速
度Ne1を維持するよう、変速比増大制御、即ち、CVT
10の変速比を図3中に実線で示すように増大側に徐々
に変化させるような制御を行うようにする。
のときにはエンジン回転速度Neとプライマリ回転速度
Npとは同一であって所定回転速度Ne1は即ち目標Npで
あり、一方車速Vは即ちセカンダリ回転速度Nsである
ため、ここでは、これら所定回転速度Ne1と車速Vとに
基づいて変速比を上記変速比の式から求めるようにす
る。
が決定されたら、ステップS28において、当該変速比
に基づいて変速制御を行う。つまり、上記ステップS1
8の場合と同様に、変速比に応じてスプール弁50及び
スプール弁52の開度調整を行い、CVT10の油圧ア
クチュエータ18及び油圧アクチュエータ26に供給す
るライン圧をそれぞれ調圧する。
回転速度Ne1に保持され、十分な減速感が得られるとと
もに、フューエルカットが長期間に亘って継続可能とさ
れ、さらなる燃費の向上が図られる。ステップS30で
は、車両の減速力FBを演算する。この減速力FBは、つ
まりフューエルカットにより燃焼が実施されていない状
態でのエンジン1のエンジンブレーキ、即ちエンジンフ
リクション(ポンピングロスを含む)やオルタネータ負
荷等による抵抗の大きさを意味し、これらの抵抗値はエ
ンジン1の個体(仕様等)に依存する。従って、減速力
FBは、エンジン1に固有の値としてCVT10の変速
比とエンジン回転速度Neとから容易に演算されること
になり、エンジン回転速度Neが所定回転速度Ne1で一
定の場合には、図3中に二点鎖線で示すように、変速比
の増加に応じて増大する。
ブ(図示せず)の開度やオルタネータ(図示せず)のG
端子デューティを調節し、エンジンブレーキの要素とな
るエンジンフリクションやオルタネータ負荷等を減少さ
せるようにする。つまり、減速力FBを図3中に実線で
示すように減少させる。詳しくは、上記のように求めた
減速力FBが所定値F1以下になるようにスロットルバル
ブの開度やオルタネータのG端子デューティを調節する
のがよい。所定値F1は、後にロックアップクラッチ5
を解除したときに、減速力FBが急に抜けることにより
運転者が空走感のような違和感を覚えることのない程度
の減速力FBの上限値を示しており、例えば、上記変速
比増大制御を実施せずに所定車速V1でロックアップク
ラッチ5を解除する際の減速力FBに等しいものとされ
ている。
の開度やオルタネータのG端子デューティとの関係は予
め実験等に基づいてマップ化されており、これらスロッ
トルバルブの開度やオルタネータのG端子デューティの
調節量は当該マップに基づいて設定される。ステップS
34では、減速力FBが所定値F1以上となり且つ車速V
が所定車速(規定値)V2(V1>V2)以下となったか
否かを判別する。
ルブの開度やオルタネータのG端子デューティの調節に
より減速力FBが所定値F1以下になるようにしている
が、これらの調節には限界があり、実際には、図3に示
すように、車速Vの減少とともに変速比は増加し、これ
に伴い減速力FBは所定値F1を越えるようになる。従っ
て、ここでは、先ず減速力FBが所定値F1以上、即ちロ
ックアップクラッチ5の解除により運転者が空走感のよ
うな違和感を覚える程度の減速力FB以上であるか否か
を判別する。
下、即ちエンジン回転速度Ne一定の下、変速比が最大
変速比(フル・ロー)となるまでにある程度余裕のある
車速Vとなったか否かを判別する。ステップS34の判
別結果が真(Yes)で、減速力FBが所定値F1以上で
且つ車速Vが所定車速V2以下と判定された場合には、
ステップS36に進む。
う。つまり、上記変速比増大制御により徐々に増大させ
ている変速比を一時的に小さく変更する(第2の制御手
段)。このように、変速比を一時的に小さく変更する
と、これに応じて所定回転速度Ne1で一定に保持してい
たエンジン回転速度Neが減少することになり、これに
より、本来ならば図3中に破線で示す如くさらに増加す
る減速力FBが、エンジン1の慣性トルクの放出によ
り、同図中実線で示すように急減し、所定値F1よりも
小さく抑制されることになる。
制御の実施により低下するエンジン回転速度Neがアイ
ドル回転速度の所定の近傍値にまで低下し、車速Vが、
当該所定の近傍値に対応した所定車速V3(V2>V3)
以下になったか否かを判別する。判別結果が偽(No)
で、車速Vが未だ所定車速V3にまで低下していないと
判定される場合には、当該ルーチンの実行を繰り返し、
減速力FBを減少させ続ける。
es)で、車速Vが所定車速V3にまで低下したと判定
された場合には、ステップS22に進み、上述したと同
様に、ロックアップクラッチ5の解除を行い(直結解除
手段)、ステップS24において、フューエルカットの
解除を行うことになる。これにより、燃料供給が再開さ
れ、図3に示すように、やはりエンジン回転速度Neが
安定してアイドル回転速度に保持される。
3にまで低下した時点でロックアップクラッチ5の解除
を行うと、この時点では、減速力FBは、図3にFbで示
すように、最終的に所定値F1よりも十分に小さい値と
なっている。つまり、減速力FBは、ロックアップクラ
ッチ5の解除により運転者が空走感のような違和感を覚
える程度の減速力FBよりも十分に小さな値に抑制され
ている。
い、減速感を向上させ、フューエルカットを長期間に亘
り継続するようにした場合であっても、当該変速比急変
制御を実施することにより、ロックアップクラッチ5の
解除時に発生する空走感のような違和感を好適に防止す
ることができることとなる。つまり、本発明の無段変速
機付車両の制御装置では、当該ロックアップクラッチ解
除制御を実施することで、車速Vが極めて低速になるま
でロックアップクラッチ5を接続状態に保持して減速感
を向上させ、さらにフューエルカットを長期に亘り継続
して燃費の向上を図りながら、ロックアップクラッチ5
を解除する際において乗員に空走感のような違和感を与
えないようにすることが可能とされている。
エルカットを解除した後は、車両がさらに減速して停止
に至った際の発進に備えるため、変速比は、図3に示す
ように最大変速比(フル・ロー)にまで移行制御され
る。尚、図3を参照すると、ロックアップクラッチ5が
解除されてエンジン1がアイドル状態とされ、エンジン
フリクションやオルタネータ負荷等の抵抗が車輪38,
38に伝達されなくなってからも減速力FBが生じてい
るが、この減速力FBは主に潜在的に車輪38,38周
りで発生する車両の走行抵抗を示している。
求項1の無段変速機付車両の制御装置によれば、無段変
速機の変速比を徐々に大きく制御することで車両の減速
感を向上させることができ、また、燃料供給の停止(フ
ューエルカット)を長期に亘って継続し、燃費の向上を
図ることができ、さらに、当該無段変速機の変速比の増
加とともに増大するエンジンフリクション、オルタネー
タ負荷等のエンジンブレーキによる減速力が所定値を越
え且つ車速が規定値以下になり無段変速機の変速比が小
さく変更されると、内燃機関の回転速度が一時的に減少
させられ、故に内燃機関の慣性トルクが放出されて減速
力が低下することになり、このように減速力が小さくな
った状態のときに流体継手の直結クラッチ(ロックアッ
プクラッチ)の直結を解除することで、車両の乗員の感
じる空走感、即ち違和感を好適に防止することができ
る。
す概略構成図である。
制御ルーチンを示すフローチャートである。
速V、エンジン回転速度Ne、CVTの変速比、及び車
両に働く減速力FBの時間変化を示すタイムチャートで
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関の駆動軸に流体継手を介して無
段変速機の接続された車両の制御装置において、 前記流体継手を直結可能な直結クラッチと、 車速を検出する車速検出手段と、 前記直結クラッチが直結状態にあり且つ前記内燃機関へ
の加速指示がないとき、前記車速検出手段により検出さ
れる車速の減少に対し前記内燃機関の回転速度が所定回
転速度に保持されるよう前記無段変速機の変速比を徐々
に大きく制御する第1の制御手段と、 前記第1の制御手段により前記無段変速機の変速比が徐
々に大きく制御されることに伴い増加する車両の減速力
が所定値を越え、且つ、前記車速検出手段により検出さ
れる車速が規定値以下になったとき、前記無段変速機の
変速比を一時的に小さく変更する第2の制御手段と、 前記第2の制御手段により前記無段変速機の変速比が小
さく変更されたとき、前記直結クラッチの直結を解除す
る直結解除手段と、 を備えたことを特徴とする無段変速機付車両の制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27681899A JP3656721B2 (ja) | 1999-09-29 | 1999-09-29 | 無段変速機付車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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