JP2001098749A - 化粧板 - Google Patents
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Abstract
き、化粧板間に隙間が形成されるのを防止できる床材等
の化粧板を提供する。 【解決手段】 本発明は、板状の基材20と、その基材
20の表面に設けられた化粧層30と有し、外周端縁
が、隣り合う化粧板の外周端面に接触する態様に複数並
べて施工される床材10を対象とする。基材20が、合
板等の木質板からなる基材本体21の表面に、木質繊維
板からなる基材表面層22が積層された複合板をもって
構成される。施工状態において、基材表面層22におけ
る隣り合う床材10の基材表面層22に対する接触厚み
Tが、0.5mm未満に調整される。
Description
材の他、壁仕上げ材等として用いられる化粧板に関す
る。
粧板として、合板等の基材表面に化粧単板等の化粧層が
貼着された床材が周知であるが、このような床材の合板
基材を構成する単板は、その製造時に割れ(レースチェ
ック)が生じることがある。例えば、合板基材の表面に
位置する表面単板に割れが生じると、この割れが湿気の
吸収及び放出により拡大するので、化粧層が木質単板に
より構成される場合には、その木質単板に割れ(ヒワ
レ)が発生し、美観を損なう恐れがある。また合板基材
は、表面硬度が小さいため、床材表面に硬い物を落下さ
せてしまった場合には、床材表面に凹み傷が形成される
ようなこともある。
止し得る床材として、図10及び図11に示すように合
板製の基材本体(1a)の表面に、厚さ1〜3mm程度
の中比重繊維板(MDF)からなる基材表面層(1b)
が積層された複合板を基材(1)とし、この基材表面に
化粧層(2)を設けた床材(3)が使用されることがあ
る。この床材(3)は、基材表面層(1b)を構成する
MDFが、方向性がなく、均質性に優れているため、ヒ
ワレの発生を防止できるとともに、表面硬度も大きく、
凹み傷の発生も防止することができる。
な床材(3)は、通常、外周端面に本ざね等の接合用加
工が施されており、周囲4辺のうち隣り合う2辺に雄ざ
ね(3a)が形成されるとともに、残り2辺に雌ざね
(3b)が形成されている。そして隣り合う床材間にお
いて、一方の床材(3)の雄ざね(3a)を他方の床材
(3)の雌ざね(3b)に嵌合しつつ、図12に示すよ
うに、複数の床材(3)を、根太組等の床下地(5)
に、接着剤と釘との併用により施工するものである。
う床材間において、雄ざね(3a)及び雌ざね(3b)
の接合部よりも上方位置で接触しているが、この接触部
(4)は、施工時のばらつき等により、強く接触してい
る箇所と、弱く接触している箇所とが混在している。従
って、施工後に、湿度が高い状態が続いて、吸湿により
床材(3)に伸びが生じると、上記床材間の接触部
(4)において強く接触している箇所が、より一層強く
接触するようになる。
雄ざね(3a)と、雌ざね(3b)との間には、板厚方
向に0.1〜0.3mm程度の遊び(隙間S)が設けら
れている。このため、図12に示すように、床下地
(5)の根太材(5a)(5a)間における床材同士が
接合する領域(R)に、歩行等によって荷重が加わる
と、図11に示すように、荷重(F)が加わった方の床
材(3)が、同図の実線に示すように雄ざね(3a)及
び雌ざね(3b)間の隙間(S)の範囲内で下方に撓む
とともに、荷重が取り除かれると、同図の想像線に示す
ように撓みが解消されて元の状態に戻る。このとき、床
材間で接触部(4)が擦れ合い、特にその接触部(4)
が上記したように強く接触していると、踏み鳴り、床鳴
り音等の不快音が発生するという問題があった。
縮するので、例えばこの床材(3)を、床暖房用として
使用していたり、あるいは床材(3)上に電気カーペッ
トが敷設されるような場合には、床材(3)が収縮し
て、床材間に1mm程度の隙間が形成されて、美観を損
なうという問題も抱えている。
ついて説明したが、上記の床材(3)と同様な構成を有
する壁仕上げ材においても、壁面施工後に、壁仕上げ材
の一部を押し付けた際に、押し付け音等の不快音が発生
するとともに、隣り合う壁仕上げ材間に放湿により隙間
が形成される等、上記と同様な問題が発生する。
し、施工後において、踏み鳴り音や押し付け音等の不快
音が発生するのを防止できるとともに、化粧板間に隙間
が形成されるのを防止できて、良好な美観を維持するこ
とができる化粧板を提供することを目的とする。
め、本発明者は、まず始めに、化粧板として床材を用い
て、不快音の発生原因を詳細に分析した。すなわち合板
等の木質板は、MDF等の木質繊維板に比べて、吸放湿
による伸縮量が非常に小さいため、MDF等の基材表面
層が設けられない合板製基材の床材においては、吸放湿
による伸縮量が小さくて寸法変化も小さく、隣り合う床
材間において、接触部における接触圧が小さくなる。し
かも合板は外周端面が、緻密でなく凹凸が多くあり、M
DFに比べて平滑性に劣っているため、隣り合う床材間
における接触部の接触面積が小さくなる。このため、合
板基材の床材においては、床材同士が擦れ合ったとして
も、音が発生することはない。更に基材を構成する合板
は、伸縮量が小さいため、収縮時においても、隣り合う
床材間に、大きな隙間が形成されるようなこともない。
(3)のように、合板等の木質板製の基材本体(1a)
上に、木質繊維板製の基材表面層(1b)が設けられた
複合板を基材(1)とするものでは、吸湿伸長時に、基
材表面層(1b)が大きく伸長し、その表面層(1b)
の部分で、隣り合う床材同士が強く接触する。しかも、
基材表面層(1b)を構成するMDF等の木質繊維板
は、外周端面が緻密で平滑であるため、隣り合う床材間
における接触面積が大きくなる。従ってこの床材(3)
においては、隣り合う床材間で広い接触面積で強く接触
した状態で、接触部(4)が擦れ合うことにより、踏み
鳴り音等の不快音が発生するものである。
発明者は、合板製基材本体(1a)の上面に木質繊維板
(MDF)製の基材表面層(1b)が積層された複合板
を基材する床材(3)に関し、伸縮時の挙動について、
詳細な分析を行った。すなわち、図13に示すように、
基材表面層(1b)は基材本体(1a)に接着固定され
ているため、伸縮量の大きい表面層(1b)は、伸縮量
の小さい基材本体(1a)に拘束されており、吸湿伸長
時においては、同図の想像線状態から実線状態に示すよ
うな挙動をとり、基材表面層(1b)は基材本体(1
a)との接着面近傍では、伸長量が基材本体(1a)と
同調する程度で小さく、基材本体(1a)との接着面か
ら遠ざかるに従って、伸長量が基材本体(1a)に比べ
て大きくなる。また放湿収縮時においては、図14の想
像線状態から実線状態に示すような挙動をとり、基材表
面層(1b)は、基材本体(1a)との接着面近傍で
は、収縮量が基材本体(1a)と同調する程度で小さ
く、基材本体(1a)との接着面から遠ざかるに従っ
て、収縮量が基材本体(1a)に比べて大きくなる。
密な研究を繰り返し行った結果、合板等の木質板上に木
質繊維板が積層された複合板を基材とする床材におい
て、基材表面層としての木質繊維板が、基材本体として
の木質板に拘束されているため、基材表面層における外
周端面の厚みを特定することにより、基材表面層の吸放
湿による伸縮量を小さく抑制でき、床材施工後に、隣り
合う床材同士の接触圧及び接触面積を小さくできるとと
もに、放湿時における基材表面層の収縮を小さくできる
ことを見出し、本発明を成すに至った。
材の表面に設けられた化粧層とを有し、外周端面が、隣
り合う化粧板の外周端面に接触する態様に複数並べて施
工される化粧板であって、前記基材が、木質板からなる
基材本体の表面に、木質繊維板が積層された複合板をも
って構成され、施工状態において、前記基材表面層にお
ける隣り合う化粧板の基材表面層に対する接触厚みが、
0.5mm未満に調整されてなるものを要旨としてい
る。
て、基材表面層が、隣り合う化粧板の基材表面層に対
し、接触厚みが0.5mm未満に調整されるものであ
る。つまり、隣り合う化粧板間において、基材表面層同
士の接触面積が小さくなる。
吸湿による伸びが大きいものではあるが、この基材表面
層の外周端面は、基材本体との接着面から厚み方向に
0.5mm未満の範囲に設定することができるので、こ
の基材表面層は、吸湿時の伸びが小さい基材本体に拘束
されることにより、吸湿時の伸びが基材本体と同程度に
小さく抑制される。このため、施工後の吸湿によって
も、基材表面層における隣り合う化粧板の基材表面層と
の接触圧が小さくなる。このように隣り合う化粧板間に
おける基材表面層同士の接触面積が小さく、接触圧も小
さくなるので、その状態で、化粧板同士が擦れ合ったと
しても、不快音が生じることはない。
いものではあるが、上記と同様に基材本体に拘束される
ことにより、収縮量が小さく抑制される。このため、施
工後の放湿によっても、隣り合う化粧板における基材表
面層間に、大きな隙間が形成されるようなことはなく、
良好な美観を維持することができる。
詳細に説明する。
床仕上げ用の床材(10)に好適に採用することができ
る。この床材(10)は、複合板からなる板状の基材
(20)と、その基材(20)の表面に設けられた化粧
層(30)とを有している。
(21)上に、木質繊維板からなる基材表面層(22)
が接着された複合板をもって構成されている。
1)を構成する木質板としては、ラワン合板、針葉樹合
板、ラワン材等の広葉樹材の単板と針葉樹材の単板が共
に使用されている合板等を好適に使用できる他、幅方向
あるいは長さ方向における寸法変化が木質繊維板よりも
小さくて、合板とほぼ同等の木質材、例えばランバーコ
ア合板、単板積層材、配向性・方向性の高い複数のスト
ランド層がその方向性のある方向が互いに直交している
OSB(配向性ボード)等を使用することができる。
繊維板としては、中質繊維板(MDF)、硬質繊維板
(ハードファイバーボード:HDF)等を好適に使用す
ることができる。ここで、木質繊維板は、方向性がな
く、また合板用の単板と違って、裏割れがなく、平滑性
に優れて、良好な化粧性を有しており、例えば化粧層と
して木質単板を用いた場合、ヒワレを防止することがで
きる。更に木質繊維板は、硬質層が表層部にあり、耐凹
み性に効果があるとされている。なお本発明において
は、十分な耐凹み性を得るために、木質繊維板として、
硬質表面層の比重が0.70以上のものを用いるのが好
ましい。
合成樹脂含浸処理単板、化粧模様印刷紙、樹脂含浸化粧
シートからなるものの他に、着色や、塗装により形成さ
れるもの等を好適に使用することができる。
本体(21)の外周端面には、本ざね加工が施されて、
周囲4辺のうち隣り合う2辺に雄ざね(11)が形成さ
れるとともに、残り2辺に雌ざね(12)が形成され
る。
部は面取りされて、面取り部(13)が形成される。な
お後に詳述するように、面取り部(13)は、必ずしも
床材(10)の全周に設ける必要はない。
を、隣り合う床材間において、一方の床材(10)の雄
ざね(11)を他方の床材(10)の雌ざね(12)に
嵌合しつつ、図示しない根太組等の床下地上に接着剤と
釘とを併用して施工するものである。
うに、基材表面層(22)における隣り合う床材(1
0)の基材表面層(22)に対する接触厚み(T)を、
0.5mm未満に調整する必要があり、好ましくは0.
45mm以下、より好ましくは0.3mm以下に調整す
るのが良い。すなわちこの接触厚み(T)が大きくなり
過ぎる場合、隣り合う床材間において、基材表面層同士
の接触面積が大きくなり、しかも基材表面層同士の接触
部における基材本体(21)との接着面からの厚み方向
の高さが高くなり過ぎて、吸湿時における基材表面層
(22)の伸びを、基材本体(21)により十分に拘束
することが困難になり、吸湿時に、隣り合う床材間にお
いて、基材表面層同士の接触圧が過度に大きくなる恐れ
がある。その結果、歩行により床材(10)が踏み込ま
れて、隣り合う床材(10)に対し擦れ合った際に、踏
み鳴り音等の不快音が発生する恐れがある。更に放湿時
においても、基材表面層(22)の収縮を基材本体(2
1)によって十分に拘束することができず、床材間に大
きな隙間が形成される恐れがある。なお、後に詳述する
が、本発明においては、上記の接触厚みが「0」、つま
り基材表面層同士が接触しない構成も含むものである。
0.5mm程度の化粧単板を合板製の基材に貼着した床
材(化粧板)においては、接着剤は導管孔に浸透した状
態に接着されており、この床材では、吸湿により膨潤し
て伸びたとしても、床材の外周端面において、化粧単板
が基材端面に対し外方に突出するようなことはなく、合
板基材と共に膨潤してその挙動(伸び)は合板と同調し
ている。つまり、本発明においても、基材表面層(2
2)における基材本体(21)との接着面から厚み方向
に0.5mmの位置に至る多数の微細孔、微小孔が設け
られる場合には、基材本体(21)及び基材表面層(2
2)間の接着剤が、基材表面層(22)の微細孔、微小
孔に浸透し、その状態で硬化することにより、基材表面
層(22)の伸縮を基材本体(21)によって、より確
実に拘束することができる。従って本発明においては、
基材表面層(22)として、基材本体(21)との接着
面から厚み方向に0.5mmの位置に至る部分に、多数
の微細孔、微小孔が設けられるものを使用するのが好ま
しい。なお、基材表面層(22)における基材本体(2
1)との接着面から厚み方向に0.5mm以上の部分
は、面取りされているため、隣り合う床材の基材表面層
(22)とは接触していないので、床鳴り等への影響を
及ぼすようなことはない。
を形成することにより、隣り合う床材間における基材表
面層同士の接触厚み(T)を特定範囲(0mm〜0.5
mm未満)に調整するのみならず、床材間の接合部に形
成される段差を目立たなくして、美観を向上できるとと
もに、立体感を付与することも可能である。つまり本発
明においては、面取り部(13)の形成(溝付け)によ
り、多数の効果を相乗的に得ることができる。
1.5〜1mm程度、深さ1.5〜1mm程度が適当で
あるとされているが、言うまでもなく、本発明において
は、面取り部(13)の幅や深さ等の大きさが制限され
るものではなく、基材表面層同士の接触厚み(T)を特
定範囲に調整できるように、面取り部の大きさを適宜設
定すれば良い。
面の断面が直線状に形成されるが、本発明はそれだけに
限られず、曲線状、円弧状に形成するようにしても良
い。なお、本発明においては、面取り部(13)の形状
は、隣り合う床材間において対応する面取り部によっ
て、床材表面に形成される溝と同一又は類似するような
形状に形成されるよう構成するのが好ましい。
を、上記の特定範囲内に調整する手段として、上記図1
及び図2の床材(10)のように、特定範囲を越える厚
みを有する基材表面層(22)を用いて、面取り部(1
3)を形成するようにしているが、その他にも、以下の
手段を用いることもできる。
は、面取り加工を施すことなく、基材表面層(22)と
して、厚みが特定範囲内のものを用いることにより、基
材表面層(22)の外周端面(接触厚みT)を特定範囲
内に調整するものである。
(22)として厚さの薄いものを用いる場合、隣り合う
床材間における基材表面層同士の接触厚さ(T)を特定
範囲内に調整しつつ、基材表面層(22)の伸縮を、基
材本体(21)によって、より確実に拘束することがで
きる。更にこの床材において、全体の厚みを、例えば上
記図1及び図2の床材と同程度に形成する場合には、基
材表面層(22)の厚みが薄い分、基材本体(21)の
厚みを厚く形成することができる。このように、基材表
面層(22)を構成する木質繊維板よりも強度の強い木
質板製の基材本体(21)を厚く形成できるので、曲げ
強さが大きくなって、曲げたわみが小さくなり、床鳴り
音等の不快音の発生を、より確実に防止することができ
る。
みが0.5mm未満のもの、好ましくは0.45mm以
下のもの、より好ましくは0.3mm以下のものを使用
するのが良い。すなわちこの厚みが0.5mm未満のも
のは、上記したように基材表面層(22)の伸縮を拘束
できる他に、通常使用される化粧単板等の化粧層を同じ
厚さとなるので、良好な柔軟性が得られて、化粧単板と
同様に、基材(20)への貼り付け作業をスムーズに行
うことができる。更に基材表面層(22)の厚みが0.
3mm以下の場合には、より確実に基材表面層(22)
の伸縮を拘束することができる。
としては、全面に表裏間を貫通する微細孔、微小孔が多
数設けられるものを使用するのが好ましい。すなわちこ
の構成の基材表面層(22)を有する床材(10)にお
いては、基材表面層(22)の柔軟性が向上し、また接
着剤が微細孔、微小孔に浸透した状態に接着されている
ことにより基材表面層(22)の伸縮がより確実に拘束
されるため、床材(10)の反りも生じ難くなる。
マツ材等の針葉樹単板は、厚さが0.3mm程度であ
り、これは上記した厚さ0.3mm程度の基材表面層
(22)と同様な形態である。更に化粧単板として通常
利用されるナラ材等の単板は、厚さ0.3mm程度で、
導管孔を有しており、これは上記したように、多数の微
細孔、微小孔が設けられた厚さ0.3mm程度の基材表
面層(22)と同様な形態である。ここで、マツ材やナ
ラ材の化粧単板を、合板基材上に貼着した床材において
は、吸湿しても表面の化粧単板が、合板基材の外周端面
より外方に突出するように伸びるようなことはなく、ま
た合板基材上に、厚さ0.6mm程度の化粧単板を貼着
した床材においても、吸湿により、化粧単板が、合板基
材の外周端面より外方に突出するように伸びることはな
い。従ってこれらの点から、合板等の木質板製基材本体
(21)上に、薄い基材表面層(微細孔、微小孔が設け
られるものを含む)が貼着された複合板においても、吸
湿により基材表面層(22)が基材本体(21)の外周
端面より外方に突出するように伸びるようなことはな
く、更に複合板に化粧層を設けた床材(10)において
も、基材表面層(22)が基材本体(21)の外周端面
より外方に突出するようなことはなく、床鳴り音の発生
を有効に防止できることが判る。
の木質繊維板は、厚さ0.5mm未満の薄いものを使用
するのが望ましいが、通常市販されている木質繊維板
は、薄いものでも、2.7mm程度の厚さを有してお
り、これよりも薄いものを入手することは困難である。
そこで、以下の第1及び第2の方法によって、薄い木質
繊維板を入手するのが好ましい。
板をローラー等の搬送手段により移動させながら、刃物
により厚み方向に2分割、あるいは3分割以上に分割す
る。例えば2分割する際、1.35mm厚のものと1.
35mm厚のものとに均等に分割しても良いし、例えば
0.5mm未満の厚さのものと2.2mm厚のものとに
不均等に分割しても良い。厚く分割された木質繊維板
は、必要に応じて再分割すれば良い。更に均等に3分割
する場合には、まず、1/3厚みのものと、2/3厚み
のものに2分割し、2/3厚みの分割板を再度2分割す
ることにより、均等に3分割することができる。また均
等に4分割する場合には、均等に2分割した後、各分割
板をそれぞれ2分割すれば良い。以下同様にして、均等
に5分割以上することもできる。また、言うまでもな
く、3分割以上する場合であっても、元の木質繊維板
を、必ずしも均等な厚みに分割する必要はなく、不均等
な厚みで分割するようにしても良い。更に、上記の均等
厚み又は不均等厚みの各分割板から得られる最終製品
(基材表面層)としての薄い木質繊維板は、必ずしも、
同じ厚みに調整する必要はなく、異なる厚みに調整する
ようにしても良い。なお本発明においては、分割板から
最終製品を得る場合、後述するように分割面に生じる若
干の凹凸を考慮して、分割厚みの調整を行うのが望まし
い。例えば3分割以上して、同じ厚みの薄い木質繊維板
を得る場合には、両面が分割面となる分割板の厚さを、
片面のみが分割面となる分割板の厚さよりも、厚くなる
ように分割するのが良い。
の分割面をサンディングして、分割面に生じている若干
の凹凸を平坦化しつつ、所望の厚さの木質繊維板を得
る。なお、木質繊維板搬送手段としては、突刺体を有す
るものを挙示できる。例えば長さ0.25〜1mmの針
状の突刺体を全周に設けた突刺ローラーを用いても良
く、この場合には、木質繊維板に、表裏間に貫通する微
細孔、微小孔を形成することができる。また、ローラー
以外の搬送手段としては、例えば先端が鋭角で高さが1
〜3mm程度の三角形状の突刺体が外周に設けられた円
板状の突刺ロールを、その軸心を回転軸に固定するよう
にして、複数枚並列に配置したものを用いても良い。こ
の場合においても、上記と同様に、木質繊維板に微細
孔、微小孔を形成することができる。、第2の方法は、
基材本体としての合板上に木質繊維板を貼着して複合材
を形成し、複合板をローラーにより移動させながら、木
質繊維板を刃物により厚み方向に2分割して、分割され
た木質繊維板のうち、合板に貼着されている側の木質繊
維板を研削あるいは研磨することにより、本発明の複合
板として使用することができる。なお、木質繊維板を分
割する際、上記と同様に、均等に分割しても、不均等に
分割しても良い。また分割された残りの木質繊維板は、
他の床材の基材表面層として利用することもできる。
して、厚みが0.5mm未満のものを用いる上更に、面
取り部(13)を形成するようにしても良い。この場合
例えば、図5及び図6に示すように、0.5mm未満の
基材表面層(22)を用い、かつ床材表面から基材本体
(21)の表面あるいは内層にまで至る面取り部(1
3)を形成することにより、隣り合う床材間における基
材表面層同士を接触させないように、つまり接触厚みを
「0」に調整することも可能である。
て基材表面層(22)に伸びが生じたとしても、隣り合
う床材間において、基材表面層同士が接触することがな
いので、床鳴り音の発生を、確実に防止することができ
る。
2)が基材本体(21)に拘束されて基材本体(21)
と同程度にしか収縮しないので、床材間に大きな隙間が
形成されるようなことはない。
として、厚みが0.5mm未満のものを用いる場合に
は、面取り部(13)を必ずしも床材(10)の全周に
設ける必要はない。例えば図7ないし図9に示すよう
に、床材(10)の長さ方向の両端部(10a)(10
a)には面取り部(13)を形成せずに、床材(10)
の幅方向の両端部(10b)(10b)のみに、換言す
れば床材(10)の両側縁(10b)(10b)のみ
に、面取り部(13)を形成するようにしても良い。こ
の場合、幅方向に隣合う床材間においては、上記したよ
うに基材表面層同士を接触しないように、つまり接触厚
みを「0」にしておくのが好ましいが、もちろん接触厚
みを所定量(0.5mm未満)確保するようにしても良
い。
は、基材表面層(22)の厚みが0.5mm未満である
ため、長さ方向に隣り合う床材間において表面基材層同
士の接触厚みも0.5mm未満となる。このため、長さ
方向に隣り合う床材間においても、踏み鳴り音や、押し
付け音等の不快音を十分に防止することができる。
合のみに限られるものではなく、壁仕上げ材等の他の化
粧板にも適用することができる。
連のない比較例及び参考例について説明する。
0.5mmの合板からなる基材本体上に、厚さ1.3m
mの木質繊維板からなる基材表面層を貼着して基材を作
製し、その基材上に、厚さ0.3mmのナラ材単板(化
粧単板)からなる化粧層を貼着して、総厚み12.1m
mの床材基板を作製した。更にその床材基板の外周に本
ざね加工を施して、雄ざね及び雌ざねを構成するととも
に、幅1.2mm、深さ1.2mmの面取り部を形成し
て、実施例1の床材を得た。
mm間隔に複数の根太材(45mm角)を配置固定し
て、根太組による床下地を準備した。
材を、隣り合う床材間において雄ざね及び雌ざねを嵌合
させつつ、接着剤とスクリューネイルとを用いて複数固
定して床面を形成した。このとき、隣り合う床材間にお
ける基材表面層同士の接触厚みは、0.4mmであっ
た。
を行った。すなわち、床面を形成して、3日間放置した
後、温度30℃、関係湿度90%の環境下で7日間放置
した。その後、根太材間における床材同士の接合部にお
いて、雄ざね側の床材と雌ざね側の床材とを交互に踏み
込んで、体重(荷重)を加えて、そのときの床鳴り音の
発生の有無を調べた。
用上、問題となるような大きさではなく、良好な評価
(○)を得ることができた。
1.0mmの合板製基材本体上に、厚さ1.0mmの木
質繊維板製基材表面層を貼着して基材を作製し、上記と
同様に化粧層を形成して総厚み12.3mmの床材基板
を作製し、その床材基板に、上記と同様に本ざね加工を
施すとともに、幅1.0mm、深さ1.0mmの面取り
部を形成して床材を得た。
施工して、床面を形成した。このとき、隣り合う床材間
における基材表面層同士の接触厚みは、0.3mmであ
った。
鳴り試験を行ったところ、かすかに音は発生したが、実
使用上、問題となるような大きさではなく、良好な評価
(○)を得ることができた。
1.7mmの合板製基材本体上に、厚さ0.3mmの木
質繊維板製基材表面層を貼着して基材を作製し、上記と
同様に化粧層を形成して総厚み12.3mmの床材基板
を作製し、上記と同様に、本ざね加工を施して床材を得
た。なお、この床材においては、面取り部を形成しなか
った。
施工して、床面を形成した。このとき、隣り合う床材間
における基材表面層同士の接触厚みは、0.3mmであ
った。
鳴り試験を行ったところ、かすかに音は発生したが、実
使用上、問題となるような大きさではなく、良好な評価
(○)を得ることができた。
よる隙間形成の有無を確認するため、加熱試験を行っ
た。
地上に、上記と同様に床材を施工して床面を形成した。
そして、3日間放置した後、床面に電気カーペットを敷
設して、30日間連続で通電し、床材接合部における隙
間の幅(mm)を測定した。
2mmと小さくて目立たず、美観を損なうようなことは
なく、良好な評価(○)を得ることができた。
1.7mmの合板製基材本体上に、厚さ0.3mmの木
質繊維板製基材表面層を貼着して基材を作製し、上記と
同様に化粧層を形成して総厚み12.3mmの床材基板
を作製し、その床材基板に、上記と同様に本ざね加工を
施すとともに、幅1.0mm、深さ1.0mmの面取り
部を形成して床材を得た。
施工して、床面を形成した。このとき、隣り合う床材間
における基材表面層同士は接触しておらず、その接触厚
みは、0mmであった。
鳴り試験を行ったところ、音の発生は認められず、最良
の評価(◎)を得ることができた。
同様に加熱試験を行ったところ、隙間の幅は、0.30
〜0.40と非常に小さく、良好な評価(○)を得るこ
とができた。
0.5mmの合板製基材本体上に、厚さ1.3mmの木
質繊維板製基材表面層を貼着して基材を作製し、上記と
同様に化粧層を形成して総厚み12.1mmの床材基板
を作製し、その床材基板に、上記と同様に本ざね加工を
施すとともに、幅0.8mm、深さ0.5mmの面取り
部を形成して床材を得た。
施工して、床面を形成した。このとき、隣り合う床材間
における基材表面層同士の接触厚みは、1.1mmであ
った。
鳴り試験を行ったところ、不快音が発生し、評価は不良
(×)であった。
0mmの合板製基材本体上に、厚さ2.7mmの木質繊
維板製基材表面層を貼着して基材を作製し、上記と同様
に化粧層を形成して総厚み12.0mmの床材基板を作
製し、その床材基板に、上記と同様に本ざね加工を施す
とともに、幅1.0mm、深さ1.0mmの面取り部を
形成して床材を得た。
施工して、床面を形成した。このとき、隣り合う床材間
における基材表面層同士の接触厚みは、2.0mmであ
った。
鳴り試験を行ったところ、大きい不快音が発生し、評価
は劣悪(××)であった。
同様に加熱試験を行ったところ、0.7〜0.9mmと
大きい幅の隙間が形成されて、美観が損なわれてしま
い、評価は不良(×)であった。
0.5mmの合板製基材本体上に、厚さ1.4mmの木
質繊維板製基材表面層を貼着して基材を作製し、上記と
同様に化粧層を形成して総厚み12.2mmの床材基板
を作製し、その床材基板に、上記と同様に本ざね加工を
施すとともに、幅1.0mm、深さ1.0mmの面取り
部を形成して床材を得た。
施工して、床面を形成した。このとき、隣り合う床材間
における基材表面層同士の接触厚みは、0.7mmであ
った。
鳴り試験を行ったところ、不快音が発生し、評価は不良
(×)であった。
同様に加熱試験を行ったところ、0.5〜0.8mmと
大きい幅の隙間が形成されて、美観が損なわれてしま
い、評価は不良(×)であった。
されない合板基材製の床材を作製した。すなわち、同表
に示すように、厚さ12.0mmの合板基材上に、上記
と同様に化粧層を形成して総厚み12.3の床材基板を
作製し、その床材基板に、上記と同様に本ざね加工を施
すとともに、幅1.0mm、深さ1.0mmの面取り部
を形成して床材を得た。
施工して、床面を形成した。このとき、言うまでもな
く、隣り合う床材間における基材表面層(木質繊維板)
同士は接触しておらず、接触厚みは、0mmであった。
においては、共に、良好な評価を得ることはできたが、
基材表面に木質繊維板が設けられていないため、表面ヒ
ワレの発生や、凹み傷の発生が懸念されるところであ
る。
した実施例の床材は、床鳴り試験及び加熱試験に対し、
良好な評価を得ることができ、床鳴り音の発生、及び放
湿時の隙間形成を防止できることを確認できた。これに
対し、本発明の要旨を逸脱する比較例の床材は、床鳴り
試験及び加熱試験に対し、良好な評価を得ることができ
ず、床鳴り音の発生、及び放湿時の隙間形成を防止する
のが困難であると思料される。
ば、施工後において、踏み鳴り音や押し付け音等の不快
音が発生するのを防止できるとともに、化粧板間に隙間
が形成されるのを防止できて、良好な美観を維持するこ
とができるという効果がある。
り、又は表面化粧材として薄いものを使用する場合に
は、上記の効果をより確実に得ることができるという利
点がある。
部の一例を示す断面図である。
断面図である。
部の他の例を示す断面図である。
断面図である。
別の例を示す断面図である。
断面図である。
ある。
る。
面図である。
である。
を示す側面図である。
を示す側面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 板状の基材と、その基材の表面に設けら
れた化粧層とを有し、外周端面が、隣り合う化粧板の外
周端面に接触する態様に複数並べて施工される化粧板で
あって、 前記基材が、木質板からなる基材本体の表面に、木質繊
維板からなる基材表面層が積層された複合板をもって構
成され、 施工状態において、前記基材表面層における隣り合う化
粧板の基材表面層に対する接触厚みが、0.5mm未満
に調整されてなることを特徴とする化粧板。 - 【請求項2】 化粧板表面と外周端面との間のコーナー
部に面取り部が形成されてなる請求項1記載の化粧板。 - 【請求項3】 前記基材表面層が、隣り合う化粧板の基
材表面層に接触しないよう調整されてなる請求項2記載
の化粧板。 - 【請求項4】 前記基材表面層として、厚みが0.5m
m未満のものが使用されてなる請求項1記載の化粧板。 - 【請求項5】 化粧板表面と外周端面との間のコーナー
部における少なくとも化粧板幅方向の両端部に面取り部
が形成されてなる請求項4記載の化粧板。 - 【請求項6】 前記基材表面層が、少なくとも化粧板幅
方向に隣り合う化粧板の基材表面層に接触しないよう調
整されてなる請求項5記載の化粧板。
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- 2000-07-28 JP JP2000228175A patent/JP4638003B2/ja not_active Expired - Lifetime
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