JP2001098273A - 難燃剤組成物および難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃剤組成物および難燃性樹脂組成物

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JP2001098273A
JP2001098273A JP28047899A JP28047899A JP2001098273A JP 2001098273 A JP2001098273 A JP 2001098273A JP 28047899 A JP28047899 A JP 28047899A JP 28047899 A JP28047899 A JP 28047899A JP 2001098273 A JP2001098273 A JP 2001098273A
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melamine
salt
methylene
nitrilotris
acid
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JP28047899A
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Yoshifusa Hara
原  義房
Takashi Nishimura
孝 西村
Nobuo Matsumoto
信夫 松本
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂に対して優れた難燃性を付与することが
できる難燃剤組成物を提供する。 【解決手段】 ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸
金属塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸メラミ
ン塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホ
ン酸金属塩及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−
ジホスホン酸メラミン塩から得らばれた1種又は2種以
上のホスホン酸塩と、メラミンおよびメラミン誘導体か
ら選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する難燃剤組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種樹脂に対して
優れた難燃性を付与することができる低発煙性のノンハ
ロゲン系難燃剤組成物および難燃性樹脂組成物に関し、
更に詳しくは、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸
金属塩又はメラミン塩、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸金属塩又はメラミン塩から選ば
れた1種又は2種以上のホスホン酸塩と、メラミンおよ
びメラミン誘導体から選ばれた少なくとも1種を含有す
る難燃剤組成物およびそれを含有する難燃性樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの難燃剤として、塩素、臭
素などのハロゲン化物、リン系化合物、チッソ系化合
物、あるいはアンチモン、ホウ素系の無機化合物が使用
されてきた。
【0003】しかしながら、近年、あらゆる分野で、難
燃性のレベルが厳しくなり、高い難燃性能が要求される
と共に、特に臭素、塩素を含む難燃剤は、燃焼の際に微
量ながら人体に有毒なダイオキシン類が発生する可能性
が指摘されたことから、ノンハロゲン系の難燃剤への要
望が高まっている。
【0004】ノンハロゲン系の難燃剤としては、例え
ば、硬化性樹脂に対して赤りんを配合した樹脂組成物
(特公昭59−49942号公報)、エポキシ樹脂の難
燃剤として水和アルミナ(特開平05−25369号公
報)、表面処理した赤りん、水和アルミナ、シリカ粉末
(特開昭58−198521号公報)、改質赤りん(特
開昭63−156860号公報)、フェノール樹脂に対
してホウ酸カルシウムと水酸化アルミニウムまたは水酸
化マグネシウム(特開平05−43774号公報)、フ
ェノール樹脂に対してホウ酸と三酸化アンチモン(特開
昭60−81244号公報)、ポリウレタン樹脂に対し
て分子内に3つのトリアジン構造を有する化合物(特開
昭53−21241号公報)等が提案されている。
【0005】一方、熱可塑性樹脂に対しては、ポリアミ
ド樹脂用として水酸化マグネシウム(特開昭54−83
952号公報及び特開昭54−131645号公報)、
及びメラミンシアヌレート(特開昭53−31759号
公報、特開昭54−91558号公報)、ポリカーボネ
ート用として有機スルホン酸塩(特開昭50−9853
9号公報、特開昭50−98540号)、スルフィド酸
塩(特公平01−22304号公報)、ポリフェニレン
オキシド用としてホスホネート化合物とポリリン酸アン
モニウム(特開昭52−86449号公報)、ホスフェ
ート化合物と三酸化アンチモン(特開昭49−3294
7号公報)、ポリエステル用としてポリホスホネート
(米国特許第3719727号)等の難燃剤が提案され
ている。
【0006】しかしながら、赤りんは、赤褐色であるた
め、赤りんによって樹脂が着色してしまいカラーリング
が不可能となる。また、樹脂の熱加工あるいは焼却の際
にホスフィンガスの発生のため作業環境を悪化させ、ま
た、これを抑制するために赤りんを被覆剤により被覆し
たりしているが、ホスフィンガスの発生を完全には抑制
することができない。
【0007】また、その他の難燃剤においても、樹脂の
色調や機械的物性や色調を損なうことなく優れた難燃性
を各種樹脂に付与することは困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】有機りん系難燃剤は、
ノンハロゲン系の難燃剤として、特に注目されている。
その難燃機構は、揮発性が高いものは、加熱によって気
化したリン化合物が気相における燃焼の抑制剤として、
酸素ガスの希釈効果、揮発による燃焼系の冷却効果、燃
焼の化学反応の抑制効果などによってプラスチックの燃
焼を抑制する。一方、揮発性が低いものは、加熱により
熱分解してリン酸を生成し、これが、メタリン酸、ポリ
メタリン酸となって、焼成するプラスチックの固相また
は溶融層面に不揮発性のリン酸ポリマーを形成する。ま
た、りん酸の脱水反応によりプラスチックを炭化させ、
炭化層を形成し、それによって空気の進入を遮断し、外
部からの熱エネルギーの供給を遮断して燃焼を抑制す
る。
【0009】現在、有機りん系難燃剤は、リン酸エステ
ル、ホスファイト系が各種提案されているものの、その
多くの化合物は水溶性のため樹脂に対する親和性が低
く、また化合物中のP含有量が低いため難燃効果を高め
るため多量に樹脂中に含有させなければならず、機械的
物性が損なわれる。
【0010】ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸及
びその誘導体は、スケール防止剤、防食剤、金属表面処
理剤、キレート剤として各種分野で用いられ、また、特
開平05−86081号公報および特開平05−499
7号公報には、それぞれ1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸の4メラミン塩およびニトリロ
トリス(メチレン)ホスホン酸の6メラミン塩が優れた
難燃性化合物であることが開示されている。しかしなが
ら、該化合物を難燃剤として配合した樹脂は、ある程度
の難燃効果は得られるものの、未だ実用的な難燃効果は
不十分であり、樹脂の機械的物性も低下すると言う欠点
がある。
【0011】本発明者らは、先に、ノンハロゲン系の難
燃剤として、P含有量の高いニトリロトリス(メチレ
ン)ホスホン酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,
1′−ジホスホン酸に着目し、その2価金属塩及びメラ
ミン塩が優れた難燃効果を有することを見出した(特願
平10−251778号、特願平10−251779
号、特願平251780号、特願平10−251781
号)。
【0012】更に、本発明者らは、該ホスホン酸塩を有
効成分として含有する難燃剤について、鋭意研究を重ね
た結果、該ホスホン酸塩と、メラミンまたはメラミン誘
導体を含有するものが、各種樹脂に対して優れた難燃性
を付与することが出来ることを知見し、本発明を完成す
るに至った。
【0013】即ち、本発明は各種樹脂に対して優れた難
燃性を付与することができる低発煙性の難燃剤組成物お
よびそれを含有する難燃性樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明が提供しようとす
る難燃剤組成物は、ニトリロトリス(メチレン)ホスホ
ン酸金属塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸メ
ラミン塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホ
スホン酸金属塩及び1−ヒドロキシエチリデン−1,
1′−ジホスホン酸メラミン塩から得らばれた1種又は
2種以上のホスホン酸塩と、メラミンおよびメラミン誘
導体から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するこ
とを構成上の特徴とする。
【0015】また、本発明が提供しようとする難燃性樹
脂組成物は、該難燃剤組成物を含有することを構成上の
特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の難燃剤組成物は、ニトリロトリス(メチレン)
ホスホン酸金属塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホ
ン酸メラミン塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1′
−ジホスホン酸金属塩、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸メラミン塩から選ばれた1種又
は2種以上のホスホン酸塩と、メラミンおよびメラミン
誘導体から選ばれた少なくとも1種の化合物(以下、
「メラミン及びメラミン誘導体」と略記する)との混合
粉末を含有することを特徴とする。
【0017】(ホスホン酸塩)本発明で用いられるホス
ホン酸塩は、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸金
属塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸メラミン
塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン
酸金属塩および1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−
ジホスホン酸メラミン塩が挙げられ、これらは、いずれ
も水難溶性で2価金属塩およびメラミン塩である。
【0018】 ニトリロトリス(メチレン)ホスホン
酸金属塩としては、下記一般式(1)
【0019】
【化5】
【0020】(式中、M1及びM2は水素原子またはアル
カリ金属を表す。)で示されるニトリロトリス(メチレ
ン)ホスホン酸及びその塩と、2価金属化合物とを反応
させて得られるホスホン酸塩である。
【0021】前記一般式(1)で表されるニトリロトリ
ス(メチレン)ホスホン酸及びその塩の式中、M1及び
2は水素原子、又はK、Na、Li等のアルカリ金属
であり、アルカリ金属としては、Li、Na、Kが好ま
しい。
【0022】前記一般式(1)で示されるニトリロトリ
ス(メチレン)ホスホン酸及びその塩と2価金属化合物
とを反応させニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸金
属塩を得る方法としては、特に限定はなく、公知の方法
を用いることができ、例えば一般式(1)で示されるニ
トリロトリス(メチレン)ホスホン酸及びその塩と2価
金属化合物とを、水、水−アセトンの混合溶媒、水−ア
ルコール等の水系溶媒中で反応させる方法により行われ
る。
【0023】2価金属化合物には、2価金属のオキシ酸
塩、水酸化物、酸化物、ハロゲン化物等が挙げられ、2
価金属のオキシ酸塩としては、硫酸塩、炭酸塩、リン酸
塩、硝酸塩、亜硝酸塩等が挙げられる。また、2価金属
としては、例えばMg、Ca、Ba、SrおよびZn等
が挙げられる。
【0024】上記の反応の目的物のニトリロトリス(メ
チレン)ホスホン酸金属塩を得る反応において、原料の
一般式(1)で示されるニトリロトリス(メチレン)ホ
スホン酸及びその塩と2価金属化合物との割合は、通常
一般式(1)のホスホン酸及びその塩1モルに対して2
価金属化合物1〜3モルの範囲であり、その範囲内にお
いて目的物に導入される2価金属の量、例えば1〜3個
の2価金属量により、2価金属化合物の使用量を適宜調
整すればよい。
【0025】その具体例を示すと、ニトリロトリス(メ
チレン)ホスホン酸・マグネシウム塩、ニトリロトリス
(メチレン)ホスホン酸・2マグネシウム塩、ニトリロ
トリス(メチレン)ホスホン酸・3マグネシウム塩、ニ
トリロトリス(メチレン)ホスホン酸・カルシウム塩、
ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸・2カルシウム
塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸・3カルシ
ウム塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸・バリ
ウム塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸・2バ
リウム塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸・3
バリウム塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸・
ストロンチウム塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホ
ン酸・2ストロンチウム塩、ニトリロトリス(メチレ
ン)ホスホン酸・3ストロンチウム塩、ニトリロトリス
(メチレン)ホスホン酸・亜鉛塩、ニトリロトリス(メ
チレン)ホスホン酸・2亜鉛塩、ニトリロトリス(メチ
レン)ホスホン酸・3亜鉛塩等が挙げられる。
【0026】 ニトリロトリス(メチレン)ホスホン
酸メラミン塩としては、下記一般式(2)
【0027】
【化6】
【0028】(式中、Mはメラミンを表し、nは1〜6
の整数を表す。)で表わされるホスホン酸塩である。
【0029】かかるニトリロトリス(メチレン)ホスホ
ン酸メラミン塩の製造方法としては、特に限定はなく、
公知の方法を用いることができ、例えば、下記一般式
(5)
【0030】
【化7】
【0031】で示されるニトリロトリス(メチレン)ホ
スホン酸とメラミンとを水、水−アセトンの混合溶媒、
水−アルコール等の水系溶媒中で反応させればよい。
【0032】上記の反応の目的物のニトリロトリス(メ
チレン)ホスホン酸メラミン塩を得る反応において、原
料の一般式(5)で示されるニトリロトリス(メチレ
ン)ホスホン酸とメラミンとの配合割合は、通常一般式
(5)のホスホン酸1モルに対してメラミン1〜6モル
の範囲であり、その範囲内において目的物に導入される
メラミンの量、例えば1〜6個のメラミン量により、メ
ラミン量の使用量を適宜調整すればよい。
【0033】具体的な化合物例としては、ニトリロトリ
ス(メチレン)ホスホン酸・6メラミン塩、ニトリロト
リス(メチレン)ホスホン酸・5メラミン塩、ニトリロ
トリス(メチレン)ホスホン酸・4メラミン塩、ニトリ
ロトリス(メチレン)ホスホン酸・3メラミン塩、ニト
リロトリス(メチレン)ホスホン酸・2メラミン塩、ニ
トリロトリス(メチレン)ホスホン酸・メラミン塩等が
挙げられる。 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン
酸塩の2価金属塩としては、下記一般式(3)
【0034】
【化8】
【0035】(式中、M1及びM2は水素原子またはアル
カリ金属を表す。)で示される1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1′−ジホスホン酸及びその塩と、2価金属化
合物とを反応させて得られるホスホン酸塩である。
【0036】前記一般式(3)で表される1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1′−ジホスホン酸及びその塩の式
中、M1及びM2は水素原子、又はK、Na、Li等のア
ルカリ金属であり、アルカリ金属としては、Li、N
a、Kが好ましい。
【0037】前記一般式(3)で示される1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1′−ジホスホン酸及びその塩と2
価金属化合物とを反応させ1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸金属塩を得る方法としては、特
に限定はなく、公知の方法を用いることができ、例えば
一般式(3)で示される1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸及びその塩と2価金属化合物と
を、水、水−アセトンの混合溶媒、水−アルコール等の
水系溶媒中で反応させる方法により行われる。
【0038】2価金属化合物には、2価金属のオキシ酸
塩、水酸化物、酸化物、ハロゲン化物等が挙げられ、2
価金属のオキシ酸塩としては、硫酸塩、炭酸塩、リン酸
塩、硝酸塩、亜硝酸塩等が挙げられる。また、2価金属
としては、例えばMg、Ca、Ba、SrおよびZn等
が挙げられる。
【0039】上記の反応の目的物の1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1′−ジホスホン酸金属塩を得る反応にお
いて、原料の一般式(3)で示される1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1′−ジホスホン酸及びその塩と2価金
属化合物との割合は、通常一般式(3)のホスホン酸及
びその塩1モルに対して2価金属化合物1〜2モルの範
囲であり、その範囲内において目的物に導入される2価
金属の量、例えば1〜2個の2価金属量により、2価金
属化合物の使用量を適宜調整すればよい。
【0040】具体的な化合物例を示すと、1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1′−ジホスホン酸・マグネシウム
塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン
酸・2マグネシウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸・カルシウム塩、1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1′−ジホスホン酸・2カルシウム
塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン
酸・バリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1′
−ジホスホン酸・2バリウム塩、1−ヒドロキシエチリ
デン−1,1′−ジホスホン酸・ストロンチウム塩、1
−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸・2
ストロンチウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1′−ジホスホン酸・亜鉛塩、1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1′−ジホスホン酸・2亜鉛塩、等が挙げられ
る。
【0041】 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′
−ジホスホン酸メラミン塩としては、下記一般式(4)
【0042】
【化9】
【0043】(式中、Mはメラミンを表し、nは1〜4
の整数を表す。)で表わされるホスホン酸塩である。
【0044】本発明に係る前記一般式(4)で示される
1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸メ
ラミン塩の製造方法としては、特に限定はなく、公知の
方法を用いることができ、例えば、下記一般式(6)
【0045】
【化10】
【0046】で示される1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸とメラミンとを水、水−アセト
ンの混合溶媒、水−アルコール等の水系溶媒中で反応さ
せればよい。
【0047】上記の反応の目的物の1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1′−ジホスホン酸メラミン塩を得る反応
において、原料の一般式(6)で示される1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1′−ジホスホン酸とメラミンとの
配合割合は、通常一般式(6)のホスホン酸1モルに対
してメラミン1〜4モルの範囲であり、その範囲内にお
いて目的物に導入されるメラミンの量、例えば1〜4個
のメラミン量により、メラミン量の使用量を適宜調整す
ればよい。
【0048】その具体的な化合物例を示すと、 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸・
メラミン 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸・
2メラミン 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸・
3メラミン 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸・
4メラミン が挙げられ、これらの化合物は1種又は2種以上で用い
られる。
【0049】前記したホスホン酸塩は、1種又は2種以
上で用いられ、これらの化合物は含水物であっても無水
物であってもよい。
【0050】(メラミン及びメラミン誘導体)本発明の
難燃剤組成物に含有されるもう一方の成分であるメラミ
ン及びメラミン誘導体としては、メラミンと、メラミン
誘導体としてメラミンシアヌレート、リン酸メラミン、
メラム、メレム、メロン、サクシノグアンミン、硫酸メ
ラミン、硫酸アセトグアナミン、硫酸メラム、硫酸グア
ニルメラミン、メラミン樹脂、BTレジン、シアヌール
酸、イソシアヌール酸誘導体、メラミンイソシアヌレー
ト、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等が挙げられ
る。これらは1種又は2種以上で用いられる。
【0051】本発明の難燃剤組成物におけるホスホン酸
塩とメラミン及びメラミン誘導体の配合割合は、ホスホ
ン酸塩100重量部に対してメラミン及びメラミン誘導
体が通常1〜300重量部、好ましくは2〜200重量
部の範囲である。1重量部未満では、前記したホスホン
酸塩との相乗効果が低くなる傾向があるので好ましくな
く、300重量部を越えても難燃効果が飽和し、前記し
たホスホン酸塩との相乗効果が低くなる傾向があるので
好ましくない。
【0052】本発明のホスホン酸塩とメラミン及びメラ
ミン誘導体とを含有する難燃剤組成物は、予め、上記割
合の均一な組成配合となるように、湿式法或いは乾式法
による強力な剪断力が作用する機械的手段にて混合粉末
として調製してもよいし、別々に粉末として樹脂に配合
してもよい。混合粉末の平均粒子径は、通常20μm以
下、好ましくは1〜10μmのものが樹脂に対する分散
性の点で好ましい。一方、前記したホスホン酸塩とメラ
ミン及びメラミン誘導体とを別々に配合する場合であっ
ても、ホスホン酸塩とメラミン及びメラミン誘導体は平
均粒子径を、通常20μm以下、好ましくは1〜10μ
mと調製したものを用いることが樹脂に対する分散性の
面で好ましい。
【0053】本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の難
燃剤組成物を含有するものである。用いることができる
樹脂としては、特に限定はなく、例えば、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹
脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、フラン樹脂、アルキド
樹脂、キシレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリ
ールフタレート樹脂等の硬化性樹脂、ポリブチレンテレ
フタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニ
レンエーテル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
2、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブタジエン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンオキシ
ド、ポリテトラメチレンオキシド、熱可塑性ポリウレタ
ン、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチレン/プロピレ
ン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン
/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アク
リル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシ
ジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グ
リシジル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マ
レイン酸共重合体、ポリエステルポリエーテルエラスト
マー、ポリテトラフルオロエチレン及びこれらの変性物
等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これら樹脂は、ホモポ
リマーであってもコポリマーであってもよく、2種類以
上の混合物であってもよい。
【0054】ここで、硬化性樹脂とは、熱、触媒、ある
いは紫外線などの作用により化学変化をおこして架橋構
造が発達し、分子量が増大して三次元網状構造を有し
て、硬化して半永久的に不溶性・不融性となる合成樹脂
を示す。また、熱可塑性樹脂とは、加熱により流動性を
示し、これにより賦形が可能である樹脂のことを表す。
前記した難燃剤組成物の各種樹脂に対する配合割合は、
樹脂100重量部に対して、Pとして、0.5〜30重
量部、好ましくは1〜10重量部である。この理由は、
配合割合が0.5重量部より小さくなると、十分な難燃
効果が得られにくく、一方、30重量部より大きくなる
と難燃効果は大きくなるが成型品の機械物性が低下する
傾向があるため好ましくない。
【0055】本発明の難燃性樹脂組成物において、更
に、水和金属酸化物と併用することにより更に難燃効果
を高めることができる。水和金属化合物としては、吸熱
反応による燃焼抑制作用のあるMmn・XH2O(Mは
金属、m、nは金属の原子価によって定まる1以上の整
数、Xは含有結晶水を示す。)で表わされる化合物また
は該化合物を含む複塩であり、具体的には、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコ
ニウム、ドーソナイト、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ホウ
酸アルミニウム、五酸化アンチモン、塩基性炭酸亜鉛、
酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アル
ミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、珪酸カルシ
ウム、ホウ砂、モリブデン酸亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸
マグネシウム、ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイ
ト、カオリン、タルク、セリサイト、パイロフィライ
ト、ベントナイト、カオリナイト、硫酸カルシウム、硫
酸亜鉛等の1種又は2種以上が挙げられる。また、これ
らの水和金属化合物は、表面処理されていてもよく、こ
れらの水和金属化合物の平均粒子径は、通常20μm以
下、好ましくは、1〜10μmの範囲のものが好まし
い。
【0056】水和金属化合物の配合割合は、樹脂100
重量部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは1
0〜100重量部である。
【0057】また、本発明の難燃性樹脂組成物におい
て、更に、難燃助剤を併用するができる。難燃助剤とし
ては、例えば、三酸化アンチモン、酸化銅、酸化マグネ
シウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化マン
ガン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化
ニッケル等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム等の炭酸塩、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム等
のメタホウ酸塩、メラミン、メラミンシアヌレート、、
メチロール化メラミン、(イソ)シアヌール酸、メラ
ム、メレム、メロン、サクシノグアミン、硫酸メラミ
ン、硫酸アセトグアナミン、硫酸メラム、硫酸グアニル
メラミン、メラミン樹脂、BTレジン、シアヌール酸、
イソシアネール酸、イソシアヌール酸誘導体、メラミン
イソシアヌレート、ベンゾグアナミン、アセトグアナミ
ン等のメラミン誘導体、グアニジン系化合物、シリコー
ン系化合物、リン系難燃剤から選ばれた1種又は2種以
上が挙げられ、これらの中、特に好ましくはリン系難燃
剤である。
【0058】リン系難燃剤としては、例えば、リン酸ト
リエチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、
リン酸クレジルフェニル、リン酸オクチルジフェニル、
ジエチレンリン酸エチルエステル、ジヒドロキシプロピ
レンリン酸ブチルエステル、エチレンリン酸ジナトリウ
ムエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメ
チル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、
プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチル―
プロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−
ジメチルブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェ
ニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジ
メチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチ
ルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオ
クチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチル
フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス
(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸、赤燐、リン酸
アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミ
ン、リン酸グアニル尿素、ポリリン酸メラミン、リン酸
グアニジン、エチレンジアミンリン酸塩、ホスファゼ
ン、メチルホスホン酸メラミン塩から選ばれた1種又は
2種以上が挙げられる。これらの中、赤燐、リン酸アン
モニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、
リン酸グアニル尿素、ポリリン酸メラミン、リン酸グア
ニジンが好ましく用いられる。
【0059】赤燐は、有機物又は/及び無機物で表面を
改質したものが好ましく、例えば、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、メラミン
−ホルムアルデヒド重縮合物、Mg、Ca、Ti、A
l、Co及びZrの水酸化物及びこれらの酸化物から選
ばれた1種又は2種以上で表面処理されたものが、挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0060】これら難燃助剤の配合割合は、樹脂100
重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは
0.5〜5重量部である。
【0061】また、樹脂に配合するその他の成分とし
て、りん系、イオン系、ヒンダードフェノール系などの
酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離剤、染
料、顔料を含む着色剤、架橋剤、軟化剤、分散剤等の通
常の添加剤と併用することができる。
【0062】また、必要に応じて、繊維状、および/ま
たは粒状の充填剤を添加して、樹脂の剛性を大幅に向上
させることができる。このような充填剤としては、例え
ば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド樹脂、
アスベスト、チタン酸カリウムウイスカ、ワラステナイ
ト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、
クレー、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、溶融シリカ、結晶性シリカ、マグネシ
ア、酸化アルミニウムが挙げられる。
【0063】本発明の難燃剤組成物は、通常公知の方法
で各種樹脂に含有させることができる。例えば、硬化性
樹脂であれば、本発明の難燃剤組成物を硬化性樹脂およ
びその他の配合物と同時に混入する方法、樹脂成分の1
種に予め本発明の難燃剤組成物を混合しておき、これを
硬化性樹脂と混合する方法、熱可塑性樹脂であれば、本
発明の難燃剤組成物をエクストルーダーで溶融混合する
方法、あるいは粒子状物どうしを均一に機械的に混合し
た後、射出成形機で混合と同時に成形する方法等が挙げ
られる。
【0064】本発明の難燃性樹脂組成物は、安全なプラ
スチック材料として、半導体封止用材料、積層板、コネ
クター、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部
材、コイルボビン等の電気部品、建築材料、自動車等の
輸送機器、包装材料、家庭日用品等の難燃性を要求され
る分野への適用が可能である。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが本発明は、これらに限定されるものではない。
【0066】<ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸
メラミン塩の調製> ・試料A;ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸・6
メラミン 18L(リットル)ステンレス製容器に水道水13L、
ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸(以下、NTP
と略記する)(50%水溶液)807.43g(1.3
5mol)を加え攪拌した。これを80℃に昇温した
後、メラミン969.48g(7.68mol)を徐々
に加え攪拌した。メラミン添加終了後、反応溶液のpH
pHが一定(約4.5)になるまで80℃で攪拌を続け
た。その後、遠心濾過をおこない、白色結晶を得た。こ
の結晶を100℃で24時間乾燥し、ミキサーで粉砕す
ることにより平均粒子径4μmの目的物1144.53
gを得た。収率84.3%(v.s.NTP(NTPに
対する収率を示す))。
【0067】次いで、元素分析によりC、H、Nを測定
した結果、C;23.41%、H;4.53%、N;4
6.63%であった。
【0068】・試料B;ニトリロトリス(メチレン)ホ
スホン酸・2メラミン 18Lステンレス製容器に水道水10L、NTP(50
%水溶液)1802.0g(3.00mol)を加え攪
拌した。これを80℃に昇温した後、メラミン762.
0g(6.00mol)を徐々に加え攪拌した。メラミ
ン添加終了後、反応溶液のpHが一定(約1.5)にな
るまで80℃で攪拌を続けた。その後、遠心濾過をおこ
ない、白色結晶を得た。この結晶を100℃で24時間
乾燥し、ミキサーで粉砕することにより平均粒子径4μ
mの目的物1494.5gを得た。収率90.3%
(v.s.NTP)。
【0069】次いで、元素分析によりC、H、Nを測定
した結果、C;19.79%、H;4.38%、N;3
2.02%であった。
【0070】・試料C;ニトリロトリス(メチレン)ホ
スホン酸・3メラミン 18Lステンレス製容器に水道水15L、NTP(50
%水溶液)1802.0g(3.01mol)を加え攪
拌した。これを80℃に昇温した後、メラミン114
0.0g(9.03mol)を徐々に加え攪拌した。メ
ラミン添加終了後、反応溶液のpHが一定(約1.5)
になるまで80℃で攪拌を続けた。その後、遠心濾過を
おこない、白色結晶を得た。この結晶を100℃で24
時間乾燥し、ミキサーで粉砕することにより平均粒子径
4μmの目的物1909.66gを得た。収率93.9
%(v.s.NTP)。
【0071】次いで、元素分析によりC、H、Nを測定
した結果、C;20.84%、H;4.41%、N;3
8.49%であった。
【0072】・試料D;ニトリロトリス(メチレン)ホ
スホン酸・4メラミン 18Lステンレス製容器に水道水15L、NTP(50
%水溶液)897.0g(1.49mol)を加え攪拌
した。これを80℃に昇温した後、メラミン751.6
g(5.96mol)を徐々に加え攪拌した。メラミン
添加終了後、反応溶液のpHが一定(約4.2)になる
まで80℃で攪拌を続けた。その後、遠心濾過をおこな
い、白色結晶を得た。この結晶を100℃で24時間乾
燥し、ミキサーで粉砕することにより平均粒子径4μm
の目的物1144.06gを得た。収率95.2%
(v.s.NTP)。
【0073】次いで、元素分析によりC、H、Nを測定
した結果、C;21.52%、H;4.41%、N;4
1.82%であった。
【0074】・試料E;ニトリロトリス(メチレン)ホ
スホン酸・3Mg・1水塩 15Lステンレス製容器に水11L、炭酸マグネシウム
1304.6g(13.50mol)を加え攪拌した
(スラリー状態)。これを80℃に昇温した後、NTP
(50%水溶液)2720.9g(4.55mol)を
滴下した。滴下終了後、反応溶液のpHが6になるまで
80℃で攪拌を続けた。その後、遠心濾過をおこない、
白色結晶を得た。この結晶を110℃で24時間、さら
に、250℃で24時間乾燥し、ミキサーで粉砕するこ
とにより平均粒子径4μmの目的物1598.4gを得
た。収率92.3%(v.s.NTP)。
【0075】得られた白色結晶を塩酸に溶かし、ICP
でPとMgの濃度を測定した結果、P;23.62%、
Mg;19.24%であった。
【0076】・試料F;ニトリロトリス(メチレン)ホ
スホン酸・3Ca・4水塩 15Lステンレス製容器に水11L、炭酸カルシウム1
373.0g(13.64mol)を加え攪拌した(ス
ラリー状態)。これを80℃に昇温した後、NTP(5
0%水溶液)2720.9g(4.55mol)を滴下
した。滴下終了後、反応溶液のpHが一定(約2.2)
になるまで80℃で攪拌を続けた。その後、遠心濾過を
おこない、白色結晶を得た。この結晶を110℃で24
時間、さらに、250℃で24時間乾燥し、ミキサーで
粉砕することにより平均粒子径4μmの目的物198
3.3gを得た。収率94.3%(v.s.NTP)。
【0077】得られた白色結晶を塩酸に溶かし、ICP
でPとCaの濃度を測定した結果、P;19.76%、
Ca;26.93%であった。
【0078】・試料G;ニトリロトリス(メチレン)ホ
スホン酸・3Zn・8水塩 15Lステンレス製容器に水5L、水酸化カリウム82
6.85g(12.60mol)を加え攪拌する。これ
に、NTP(50%水溶液)1256.19g(2.1
0mol)を滴下することにより、NTP−K塩の水溶
液を得る。また、別に、18Lステンレス製容器に水7
L、硫酸亜鉛7水和物1823.64g(6.3mo
l)を加え攪拌した。ここに、先のNTP−K塩の水溶
液を滴下した。滴下終了後、反応溶液のpHが一定(約
6.2)になるまで室温で攪拌を続けた。その後、遠心
濾過をおこない、白色結晶を得た。この結晶を110℃
で24時間、さらに、250℃で24時間乾燥し、ミキ
サーで粉砕することにより平均粒子径4μmの目的物1
153.8gを得た。収率86.7%(v.s.NT
P)。
【0079】得られた白色結晶を塩酸に溶かし、ICP
でPとZnの濃度を測定した結果、P;15.18%、
Zn;27.65%であった。
【0080】<1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−
ジホスホン酸塩の調製> ・試料H;1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホ
スホン酸・2Ca15Lステンレス製容器に水道水15
L、炭酸カルシウム1000.9g(10.00mo
l)を加え攪拌した(スラリー状態)。これを80℃に
昇温した後、1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジ
ホスホン酸(以下、HEDPと略記する。)(60%水
溶液)1716.8g(5.00mol)を滴下した。
滴下終了後、反応溶液のpHが一定(約3.4)になる
まで80℃で攪拌を続け、その後、遠心濾過をおこな
い、白色結晶を得た。この結晶を200℃で24時間乾
燥し、ミキサーで粉砕することにより平均粒子径4μm
の目的物1442.0gを得た。収率95.4%(v.
s.HEDP)。
【0081】得られた白色結晶を塩酸に溶かし、ICP
でPとCaの濃度を測定した結果、P;20.8%、C
a;25.8%であった。
【0082】・試料I;1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸・2Mg 15Lステンレス製容器に水道水15L、炭酸マグネシ
ウム966.4g(10.00mol)を加え攪拌した
(スラリー状態)。これを80℃に昇温した後、HED
P(60%水溶液)1716.8g(5.00mol)
を滴下した。滴下終了後、反応溶液のpHが一定(約
3.4)になるまで80℃で攪拌を続け、その後、遠心
濾過をおこない、白色結晶を得た。この結晶を200℃
で24時間乾燥し、ミキサーで粉砕することにより平均
粒子径4μmの目的物1200gを得た。収率96.0
%(v.s.HEDP)。
【0083】得られた白色結晶を塩酸に溶かし、ICP
でPとMgの濃度を測定した結果、P;23.6%、M
g;17.3%であった。
【0084】・試料J;1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸・2メラミン塩 18Lステンレス製容器に水道水15L、HEDP(6
0%水溶液)1030.0g(2.99mol)を加え
攪拌した。これを80℃に昇温した後、メラミン75
6.0g(5.99mol)を徐々に加え攪拌した。メ
ラミン添加終了後、反応溶液のpHが一定(約1.3)
になるまで80℃で攪拌を続ける。その後、遠心濾過を
おこない、白色結晶を得た。この結晶を100℃で24
時間乾燥し、ミキサーで粉砕することにより平均粒子径
4μmの目的物1301.5gを得た。収率95.0%
(v.s.HEDP)。
【0085】次いで、元素分析によりC、H、Nを測定
した結果、C;19.9%、H;4.2%、N;34.
8%であった。
【0086】・試料K;1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸・4メラミン塩 18Lステンレス製容器に水道水15L、HEDP(6
0%水溶液)833.3g(2.42mol)を加え攪
拌した。これを80℃に昇温した後、メラミン122
3.2g(9.69mol)を徐々に加え攪拌した。メ
ラミン添加終了後、反応溶液のpHが一定(約5.2)
になるまで80℃で攪拌を続けた。その後、遠心濾過を
おこない、白色結晶を得た。この結晶を100℃で24
時間乾燥し、ミキサーで粉砕することにより平均粒子径
4μmの目的物1709.7gを得た。収率99.4%
(v.s.HEDP)。
【0087】次いで、元素分析によりC、H、Nを測定
した結果、C;22.5%、H;4.2%、N;44.
8%であった。
【0088】<難燃性試験> 実施例1〜6及び比較例1〜2 エチレンエチルアクリレート樹脂に、表1に示した配合
割合で、各種の添加剤を添加し、120〜130℃に設
定した熱ロールにて、5〜10分間混練した。加熱プレ
スを用いて成形圧力150kg/cm2、加圧時間5分
間、金型温度115℃で、厚さ3mmのシートを作成
し、更に、長さ125mm、幅13mmの試験片を作成
した。
【0089】難燃性試験は、上記で調製した長さ125
mm×幅13mm×厚さ3mmに加工した樹脂をUL9
4に分類した材料の垂直燃焼試験(94V−0、94V
−1及び94V−2)に従って試験し、また、成形時の
ホスフィンガス発生の有無を試験した。その結果を表1
に示した。なお、UL94の可否条件は表2のとおりで
ある。
【0090】メラミン(日産化学工業社製)は、粉砕処
理して平均粒子径が4μmのものを用いた。
【0091】
【表1】
【0092】(注);ホスフィンガスの発生は、検知管
法により測定した。 無:0.15ppm未満 有:0.15ppm以上
【0093】
【表2】
【0094】実施例7〜12および比較例3〜4 エチレンエチルアクリレート樹脂に、表3に示した配合
割合で、各種の添加剤を添加し、120〜130℃に設
定した熱ロールにて、5〜10分間混練した。加熱プレ
スを用いて成形圧力150kg/cm2、加圧時間5分
間、金型温度115℃で、厚さ3mmのシートを作成
し、更に、長さ125mm、幅13mmの試験片を作成
した。
【0095】難燃性試験は、上記で調製した長さ125
mm×幅13mm×厚さ3mmに加工した樹脂をUL9
4に分類した材料の垂直燃焼試験(94V−0、94V
−1及び94V−2)に従って試験した。その結果を表
3に示した。なお、UL94の可否条件は表3のとおり
である。
【0096】なお、メラミン(日産化学工業社製)は粉
砕処理して、平均粒子径が4μmのものを用いた。水酸
化マグネシウムは(商品名キスマ54A、協和化学工業
(株)社製)のものを用いた。
【0097】
【表3】
【0098】実施例13〜17及び比較例5〜6 ホルムアルデヒド/フェノール=0.9のモル比で調製
したノボラック樹脂に対して、表4に示した配合割合
で、各種の添加剤を配合し、80〜90℃に設定された
熱ロールにて5分間混練した。粉砕後、万能プレスを用
いて成形圧力250kg/cm2、加圧時間60秒、金
型温度150℃で所定形状を有する成形品を作成した。
【0099】難燃性試験は、実施例1〜6と同様な操作
方法で評価した。
【0100】
【表4】
【0101】実施例18〜22 ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
に、表5に示す配合割合で、各種添加剤を配合し、これ
を所定形状の型枠に流し込み、105℃で10時間硬化
させた。各サンプルのUL94に基づく燃焼性を測定
し、その結果を表5に示した。
【0102】メラミンシアヌレート(商品名MC61
0、日産化学工業社製)は粉砕処理して平均粒子径が4
μmのものを使用した。
【0103】
【表5】
【0104】(注)TMHPA;テトラメチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸を表す。
【0105】実施例23〜30 各種樹脂に表6に示した各種の添加剤を添加し、30m
mΦ軸押出機を用いて射出成形によりASTM D−6
38に規定されている引張試験片を作成した。また、同
様にUL94に基づく難燃性評価用試験片を作成した。
【0106】なお、表6中の各種ホスホン酸塩とメラミ
ンは、ハイスピードミキサーにて、10000rpmで
5分間乾式混合して混合粉末を調製し、更に粉砕処理し
て平均粒子径が4μmのものを用いた。また、各樹脂毎
の溶融押出、ペレット乾燥、射出成形条件を下記に示し
た。
【0107】・ポリブチレンテレフタレート(以下、P
BTと略記する) 押出;250〜290℃/150rpm 乾燥;110℃/12時間 成形;250〜290℃/金型80℃
【0108】・ナイロン6 押出;250〜300℃/150rpm 乾燥;100℃/24時間 成形;250〜300℃/金型80℃
【0109】・ポリカーボネート 押出;260〜320℃/75rpm 乾燥;120℃/12時間 成形;260〜320℃/金型110℃
【0110】・ポリフェニレンオキシドとポリスチレン
の混合物(以下、PPOと略記する。) 押出;240〜310℃/70rpm 乾燥;110℃/4時間 成形;240〜320℃/金型90℃
【0111】<機械的特性>機械的特性(強度および伸
度)の評価は、ASTM D−638に規定されている
引張試験片を作成し、強度と伸度をJIS K7113
の試験方法に基づいて測定した。
【0112】
【表6】
【0113】
【表7】
【0114】
【発明の効果】上記したとおり、本発明の難燃剤組成物
は、樹脂本来の機械的特性を維持しながら優れた難燃効
果を付与することができることから低発煙性のノンハロ
ゲン系難燃剤として利用価値は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 信夫 東京都江東区亀戸9丁目11番1号 日本化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4H028 AA35 AA38 AA40 AA42 BA06 4J002 AC021 BB031 BB051 BB061 BB071 BB121 BB151 BC031 BF051 BG061 BG101 BH021 CB001 CC031 CC181 CC182 CD001 CE001 CF061 CF071 CF211 CG001 CH001 CH021 CH071 CK011 CK021 CL001 CL011 CL031 CM011 EU187 EU197 EW047 EW126 FD010 FD130 FD136 FD137 GC00 GF00 GG00 GL00 GN00 GQ00 GQ01 GQ05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸
    金属塩、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸メラミ
    ン塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホ
    ン酸金属塩及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−
    ジホスホン酸メラミン塩から得らばれた1種又は2種以
    上のホスホン酸塩と、メラミンおよびメラミン誘導体か
    ら選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することを特
    徴とする難燃剤組成物。
  2. 【請求項2】 ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸
    金属塩が、下記一般式(1) 【化1】 (式中、M1及びM2は水素原子またはアルカリ金属を表
    す。)で示されるニトリロトリス(メチレン)ホスホン
    酸及びその塩と、2価金属化合物とを反応させて得られ
    るホスホン酸塩である請求項1記載の難燃剤組成物。
  3. 【請求項3】 ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸
    メラミン塩が、下記一般式(2) 【化2】 (式中、Mはメラミンを表し、nは1〜6の整数を表
    す。)で示されるホスホン酸塩である請求項1記載の難
    燃剤組成物。
  4. 【請求項4】 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−
    ジホスホン酸金属塩が下記一般式(3) 【化3】 (式中、M1及びM2は水素原子またはアルカリ金属を表
    す。)で示される1−ヒドロキシエチリデン−1,1′
    −ジホスホン酸及びその塩と、2価金属化合物とを反応
    させて得られるホスホン酸塩である請求項1記載の難燃
    剤組成物。
  5. 【請求項5】 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−
    ジホスホン酸メラミン塩が、下記一般式(4) 【化4】 (式中、Mはメラミンを表し、nは1〜4の整数を表
    す。)で示されるホスホン酸塩である請求項1記載の難
    燃剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の難燃
    剤組成物を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成
    物。
JP28047899A 1999-09-30 1999-09-30 難燃剤組成物および難燃性樹脂組成物 Pending JP2001098273A (ja)

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