JP2001097981A - リン含有有機化合物、潤滑剤および磁気記録媒体 - Google Patents

リン含有有機化合物、潤滑剤および磁気記録媒体

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JP2001097981A
JP2001097981A JP27212499A JP27212499A JP2001097981A JP 2001097981 A JP2001097981 A JP 2001097981A JP 27212499 A JP27212499 A JP 27212499A JP 27212499 A JP27212499 A JP 27212499A JP 2001097981 A JP2001097981 A JP 2001097981A
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compound
lubricant
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JP27212499A
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English (en)
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Kenji Kuwabara
賢次 桑原
Yukikazu Ochi
幸和 大地
Tetsuo Fuchi
鉄男 渕
Junichi Ikeda
順一 池田
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Kyoeisha Chemical Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Kyoeisha Chemical Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高荷重下においても優れた潤滑性能を呈する
潤滑剤、ならびに電磁変換特性を損なうことなく走行耐
久性およびスチル寿命等の実用信頼性を向上させた磁気
記録媒体を提供する。 【解決手段】 一般式(a): 【化1】 で示され、一分子内に少なくとも1つのリン、硫黄、フ
ッ素、およびアルキル基部分が含まれるようにX、Yお
よびZを選択した化合物を潤滑剤とし、この潤滑剤で磁
気記録媒体の潤滑剤層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた潤滑性能を
呈する潤滑剤およびその製造方法、ならびに、例えばデ
ジタルビデオテープレコーダや高精細度ビデオテープレ
コーダに最適の、磁気記録層として強磁性金属薄膜、そ
の上の炭素膜、および更にその上の潤滑剤層を有する磁
気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、記
録、再生機器のデジタル化、小型化および使用時間の長
時間化等の高性能化に伴い、それに適した高密度磁気記
録媒体の開発が活発に行なわれており、最近では塗布型
磁気記録媒体に代わって、短波長記録に極めて有利な金
属薄膜型磁気記録媒体が実用化されている。一般に、金
属薄膜型磁気記録媒体とは、非磁性基板に、記録層とし
て強磁性金属薄膜からなる磁性層を設けたテープおよび
デイスク等をいう。
【0003】しかしながら、金属薄膜型磁気記録媒体の
磁性層は、極めて良好な表面性を有する、すなわち磁性
層の面の粗度が小さいために磁気ヘッドとの接触面積が
増えるので、信号の記録・再生の過程において磁気ヘッ
ドと高速摺動する間に大きな摩擦力を受けて摩耗されや
すい。磁性層の摩耗は、磁気記録媒体の走行耐久性ある
いはスチル耐久性等に大きな影響を与えるため、これを
低減させることは金属薄膜型磁気記録媒体の研究開発に
おいて大きな課題となっている。
【0004】そこで、磁性層表面に潤滑剤層を設けるこ
とによって摩耗を低減し、走行耐久性およびスチル耐久
性を改善しようとする試みがなされている。潤滑剤層を
設ける場合、磁気記録媒体と磁気ヘッドとのスペーシン
グロスによる出力低下を極力抑えて高出力化を図るべ
く、磁性層表面の潤滑剤層は僅か数nmの厚みで潤滑特性
を発揮することが求められている。そのため、優れた潤
滑特性を示すフッ素系化合物を用いることが広く検討さ
れ、各種化合物の使用が提案されている。例えば、化学
式(x1):
【化2】C1835OCOC917 ...(x1) で示される含フッ素長鎖カルボン酸エステル(特開昭62
−46431号公報参照)や化学式(x2):
【化3】 で示されるカルボキシル基を有する含フッ素カルボン酸
モノエステル(特開昭61−107529号公報参照)等を使用
することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気記
録媒体の性能向上に関する要求は厳しく、上記した従来
の潤滑剤では十分な潤滑特性を得ることが困難であり、
走行耐久性およびスチル耐久性において一層の改善が望
まれている。
【0006】また、例えばビデオテープ等では、その使
用時に摩擦面に荷重が加えられるため、磁気ヘッド表面
で焼き付きが発生する場合がある。そこで、焼き付きを
防止するために、潤滑剤に有機リン系化合物を極圧添加
剤として添加することがある。一般に、極圧添加剤は反
応性が高く、その使用量が多いと潤滑剤の潤滑性能を低
下させるため、その使用量は少なくすることが好まし
い。従って、潤滑剤そのものの荷重に対する耐性を向上
させれば、極圧添加剤の使用量を減らす、あるいはゼロ
にすることができ、より好ましい。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、高荷重下においても潤滑性能が低下し
ない潤滑剤として有用なリン含有有機化合物およびその
製造方法、ならびに当該化合物を潤滑剤として用いるこ
とにより電磁変換特性を損なうことなく走行耐久性およ
びスチル耐久性を向上させた実用信頼性の高い磁気記録
媒体を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
(a):
【化4】 [式中、fは0〜10の整数であり、X、YおよびZ
は、以下の基: 1)−O−Cm2m+1(mは1から24の整数); 2)−S−Cm2m+1(mは1〜24の整数); 3)−O−Cq2q−COOH(qは6〜24の整
数); 4)−S−Cq2q−COOH(qは6〜24の整
数); 5)−O−(CH2a(CF2h−CF2−A(Aは水
素またはフッ素であり、aは0〜6の整数、hは0〜2
2の整数); 6)−O−[(CH2a−(CF2bO]e−(Cd2d
O)g−(CF2h−CF2−A(Aは水素またはフッ素
であり、aは0〜6の整数、bは0〜6の整数、eは0
〜23の整数、dは1〜4の整数、gは0〜23の整
数、hは0〜22の整数であって、e=0のときg≠0
でありg=0のときe≠0); 7)−S−[(CH2a−(CF2bO]e−(Cd2d
O)g−(CF2h−CF2−A(Aは水素またはフッ素
であり、aは0〜6の整数、bは0〜6の整数、eは0
〜23の整数、dは1〜4の整数、gは0〜23の整
数、hは0〜22の整数);および 8)−OHから成る群から、X、YおよびZのうち少な
くとも1つが基1)、2)、3)または4)のいずれか
であり、かつX、YおよびZの組み合わせにおいて少な
くとも1つの硫黄およびフッ素が含まれるように選択さ
れ、Eは、以下の基: 9)−O−(CH2i−O−(iは1〜22の整数); 10)−S−(CH2i−S−(iは1〜22の整数); 11)−O−(CH2i−S−(iは1〜22の整数); 12)−O−(CH2a−(CF2j−(CH2a−O−
(aは0〜6の整数、jは4〜12の整数); 13)−S−(CH2a−(CF2j−(CH2a−S−
(aは0〜6の整数、jは4〜12の整数); 14)−O−(CH2a−(CF2j−(CH2a−S−
(aは0〜6の整数、jは4〜12の整数); 15)−O−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2dO)g
(CF2)b−(CH2a−O−(aは0〜6の整数、bは
0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは1〜4の整
数、gは0〜23の整数); 16)−S−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2dO)g
(CF2)b−(CH2a−S−(aは0〜6の整数、bは
0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは1〜4の整
数、gは0〜23の整数);および 17)−O−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2dO)g
(CF2)b−(CH2a−S−(aは0〜6の整数、bは
0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは1〜4の整
数、gは0〜23の整数)から成る群から選択される]
で示される化合物を提供することを第1の要旨とする。
【0009】上記一般式から明らかなとおり、本発明の
化合物は、一の分子内に、少なくとも1個のリン原子、
硫黄原子およびフッ素原子に加え、酸素または硫黄を介
して結合しているアルキル基(−Cm2m+1)および/
またはカルボキシアルキル基(−Cq2q−COOH)
を有する構造である。この構造により、本発明の化合物
は、潤滑剤として使用した場合に優れた潤滑特性を呈
し、その特性は高荷重下においても維持される。
【0010】本発明は一般式(a)で示される化合物の
製造方法を提供することを第2の要旨とする。当該方法
は、含フッ素アルコール系化合物または含フッ素チオー
ル系化合物と塩化ホスホリルとを反応させて中間体化合
物を合成する第1反応工程;および第1反応工程で得ら
れた中間体化合物と、脂肪族アルコール系化合物、脂肪
族チオール系化合物、ジオール系化合物、ジチオール系
化合物、およびメルカプトアルコール系化合物から選択
される少なくとも1つの化合物とを反応させる第2反応
工程を含み、各反応工程を独立させることを特徴とす
る。かかる製造方法によれば、一般式(a)で示される
化合物を高い純度で得ることが可能となる。
【0011】本発明は、上記一般式(a)で示される化
合物を含んで成る潤滑剤を提供することを第2の要旨と
する。本発明の潤滑剤は、特に磁気記録媒体の潤滑剤層
を構成するのに適している。
【0012】この潤滑剤において、一般式(a)で示さ
れる本発明の化合物が奏する作用は次のとおりであると
考えられるが、これは本発明を何ら拘束するものではな
い。一般式(a)において、リンおよび硫黄は高い荷重
下においても潤滑剤の強度(油膜強度)を低下させず、
従って、潤滑剤そのものが極圧添加剤として作用するこ
とを可能にする。一般式(a)に含まれるフッ素は、潤
滑剤が膜を形成したときにその表面の低エネルギー化に
寄与して潤滑剤としての主たる性能を確保する。そして
一般式(a)に含まれるアルキル基(−Cm2m+1)お
よび/またはカルボキシアルキル基(−Cq2q−CO
OH)は、柔軟な炭素−炭素結合を有するため潤滑剤の
潤滑性をより良好なものにする。
【0013】本発明は、非磁性基板上に、強磁性金属薄
膜、炭素膜および潤滑剤層がこの順に形成されて成る磁
気記録媒体であって、潤滑剤層が一般式(a)で示され
る化合物を含んで成る潤滑剤を少なくとも1種含む磁気
記録媒体を提供することを第4の要旨とする
【0014】本発明の潤滑剤を潤滑剤層に含む本発明の
磁気記録媒体においては、潤滑剤層とその下に位置する
炭素膜との間の付着強度が向上し、かつ優れた潤滑特性
が磁気記録媒体に付与され、さらにその潤滑特性は高荷
重下においても維持される。そして、これらの相乗効果
により、本発明の磁気記録媒体はその電磁変換特性が損
なわれることなく優れた走行耐久性およびスチル耐久性
を呈するものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 本発明の化合物は一般式(a):
【化5】 で示される。
【0016】一般式(a)で示される化合物は、一分子
内にリン、硫黄、フッ素に加えて、酸素または硫黄を介
してリンに結合したアルキル基および/またはカルボキ
シアルキル基を有するものである。一般式(a)におい
ては、リンはP=Oの形態で含まれている。硫黄は、一
分子内において、スルフィド(チオエーテル)を形成す
るように含まれていてよい。フッ素は炭化水素の水素が
フッ素で置換された形態で含まれていてよい。一般式
(a)の具体的な化学構造は、X、YおよびZ、ならび
にE(fが0でない場合)の組み合わせによって決定さ
れる。
【0017】X、YおよびZの少なくとも1つは、 1)−O−Cm2m+1(mは1から24の整数); 2)−S−Cm2m+1(mは1〜24の整数); 3)−O−Cq2q−COOH(qは6〜24の整
数);および 4)−S−Cq2q−COOH(qは6〜24の整数)
から選択される。かかる選択により、一般式(a)で示
される化合物内に、−C m2m+1または−Cq2q−で示
されるアルキル基部分が含まれることを確保する。な
お、本明細書において単に「アルキル基部分」というと
きは、基1)〜4)に由来する−Cm2m+1または−Cq
2q−を指す。アルキル基部分は、直鎖状であることが
好ましいが、分岐したものであってもよい。
【0018】基1)および2)において、mは1〜24
であることが好ましく、8〜22であることがより好ま
しく、10〜18であることが最も好ましい。
【0019】基3)および4)において、qは6〜24
であることが好ましく、8〜22であることがより好ま
しく、10〜18であることが最も好ましい。基3)お
よび4)がリンに結合すると、一般式(a)で示される
化合物にはカルボキシル基が存在することなる。カルボ
キシル基を有する化合物を磁気記録媒体の潤滑剤層に使
用すると、潤滑剤層が保護膜の表面に強く付着するとい
う利点がもたらされる。
【0020】本発明においては、X、YおよびZの組み
合わせにおいて、少なくとも1つの硫黄およびフッ素が
含まれることが必要である。基1)〜4)はフッ素を含
まず、従って、X、YおよびZの少なくとも1つは以下
の基: 5)−O−(CH2a(CF2h−CF2−A(Aは水
素またはフッ素であり、aは0〜6の整数、hは0〜2
2の整数); 6)−O−[(CH2a−(CF2bO]e−(Cd2d
O)g−(CF2h−CF2−A(Aは水素またはフッ素
であり、aは0〜6の整数、bは0〜6の整数、eは0
〜23の整数、dは1〜4の整数、gは0〜23の整
数、hは0〜22の整数であって、e=0のときg≠0
でありg=0のときe≠0);および 7)−S−[(CH2a−(CF2bO]e−(Cd2d
O)g−(CF2h−CF2−A(Aは水素またはフッ素
であり、aは0〜6の整数、bは0〜6の整数、eは0
〜23の整数、dは1〜4の整数、gは0〜23の整
数、hは0〜22の整数)から選択される。
【0021】基5)、6)または7)がリンに結合して
いる場合、フッ素(F)が必然的に含まれることとな
る。基5)においてa=0であり、A=Fである場合に
は、化合物にパーフロロアルキル基が含まれることとな
る。基6)または7)がリンに結合している場合、一分
子内にはエーテル結合またはチオエーテル結合が少なく
とも1つ含まれることになる。
【0022】X、Y、Zを選択するにあたり留意すべき
ことは、その組み合わせにおいて少なくとも1つの硫黄
およびフッ素が含まれるようにすることである。従っ
て、例えば、XおよびYとしてそれぞれ基1)および基
3)を選択した場合には、Zは硫黄およびフッ素を含む
基、即ち、基7)を選択しなければならない。
【0023】また、X、YおよびZのうち、2つの基の
組み合わせが、硫黄およびフッ素に加えて、基1)〜
4)に由来するアルキル基部分を含む場合、残りの1つ
は、 8)−OH即ち、水酸基であってよい。
【0024】fが0でない場合、Eは以下に示す基: 9)−O−(CH2i−O−(iは1〜22の整数); 10)−S−(CH2i−S−(iは1〜22の整数); 11)−O−(CH2i−S−(iは1〜22の整数); 12)−O−(CH2a−(CF2j−(CH2a−O−
(aは0〜6の整数、jは4〜12の整数); 13)−S−(CH2a−(CF2j−(CH2a−S−
(aは0〜6の整数、jは4〜12の整数); 14)−O−(CH2a−(CF2j−(CH2a−S−
(aは0〜6の整数、jは4〜12の整数); 15)−O−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2dO)g
(CF2)b−(CH2a−O−(aは0〜6の整数、bは
0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは1〜4の整
数、gは0〜23の整数); 16)−S−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2dO)g
(CF2)b−(CH2a−S−(aは0〜6の整数、bは
0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは1〜4の整
数、gは0〜23の整数);および 17)−O−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2dO)g
(CF2)b−(CH2a−S−(aは0〜6の整数、bは
0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは1〜4の整
数、gは0〜23の整数)から選択される。
【0025】いずれを選択する場合においても、Eの両
端には、酸素(O)または硫黄(S)が位置することと
なる。また、−(CH2aを含む基においてaが0であ
れば、Eを構成する炭化水素はその水素がすべてフッ素
で置換されたものとなる。なお、上記の基9)〜17)に
おいては、炭素に結合している水素またはフッ素がトリ
フロロメチル基で置換されていてもよい。
【0026】上記において例示したX、YおよびZ、な
らびにEとして選択できる基の中の幾つかには共通する
添字が含まれている。これは、例えばaに関していえ
ば、すべての基において、メチレン(−CH2−)の数
がとり得る値の範囲が共通していることを意味してい
る。また、同じメチレンであっても、基によってはその
数がとり得る値の範囲が異なるため、添字として別のも
の(例えばi)を採用している場合がある。
【0027】なお、基13)のように、1つの基の中に同
じ添字が複数含まれている場合には、それらは同一の値
をとる。一方、X、YおよびZの組み合わせにおいて、
上記の基1)〜8)のうち同じ式で示される基が2つ選
択される場合、あるいは異なる式で示される基が選択さ
れたときに各式が同じ添字を有する場合には、同じ添字
であっても式間で異なる値をとってもよく、または同じ
値であってもよい。後述する実施例6で使用する潤滑剤
6は、そのような化合物に該当する。表1に示すとお
り、潤滑剤6においてYは−SCH2CH2COOHであ
り、Zは−OC1734COOHであって、それぞれ同じ
添字qを含む基3)および基4)に相当するものの、Y
においてqは2であり、Zにおいてqは17である。こ
れは選択した2つの基が同じ添字を有している場合に、
当該添字が各式において異なる値をとる例を明らかに示
している。
【0028】上記の基のいずれにおいても、aは0〜6
の整数、bは0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは
1、2、3または4の整数、gは0〜23の整数、hは
0〜22の整数、iは1〜22の整数、jは4〜12の
整数であることが好ましい。また、aは1〜6の整数で
あることがより好ましく、1〜2の整数であることが最
も好ましい。bは0〜3の整数であることがより好まし
く、1〜3の整数であることが最も好ましい。eは1〜
2の整数であることがより好ましい。dは2〜4の整数
であることがより好ましい。gは1〜9の整数であるこ
とがより好ましい。hは0〜17の整数であることがよ
り好ましく、0〜11の整数であることが最も好まし
い。iは2〜12の整数であることがより好ましく、2
〜10の整数であることが最も好ましい。jは1〜10
の整数であることがより好ましく、4〜8の整数である
ことが最も好ましい。
【0029】一般式(a)において、f=0である場合
にはEは含まれず、化合物は、
【化6】 で表される構造を有するものとなる。
【0030】一方、fが0でない場合には、一分子内に
少なくとも2以上のエーテル結合またはチオエーテル結
合が含まれ、当該化合物はオリゴマーの性質を有するも
のとなる。そのような化合物は、例えば、潤滑剤として
磁気記録媒体の潤滑剤層を形成したときに磁気記録媒体
の耐久性を向上させる。また、当該化合物は分子設計お
よび合成が容易である。fが0でない場合、fは10以
下であることが好ましく、5以下であることがより好ま
しい。
【0031】また、X、Y、ZおよびEは、一分子の分
子量が10000以下となるように選択することが好ま
しい。分子量が大きいと、溶媒に対する溶解性が低下
し、あるいは溶媒に当該化合物を溶解させて得た溶液の
粘度が上昇する傾向にある。この化合物を含む潤滑剤を
用いて磁気記録媒体の潤滑剤層を形成する場合、潤滑剤
層は潤滑剤を溶媒に溶解したものを塗布することにより
形成されるため、溶媒に対する溶解性の低下および溶液
の粘度上昇は、潤滑剤層の形成を困難にする可能性があ
る。より好ましい分子量は500〜8000、最も好ま
しい分子量は1000〜5000である。
【0032】本発明の化合物においては、一分子内にリ
ンおよび硫黄がそれぞれ2〜5重量%、フッ素が30〜
60重量%、ならびに上記の基1)〜4)に含まれるア
ルキル基部分を構成する炭素原子および水素原子が合わ
せて15〜45重量%の割合で含まれることをが好まし
い。リンおよび硫黄の割合が2重量%未満であると、高
荷重下において潤滑性能を維持できず、5重量%を超え
ると、他の成分の割合が小さくなって潤滑性能が悪くな
るおそれがある。フッ素の割合が30重量%未満である
と、潤滑性能が悪くなるおそれがあり、60重量%を超
えると、溶媒に対する溶解性が著しく低下するため、こ
れを用いて磁気記録媒体の潤滑剤層を形成する場合に
は、その形成が困難となることがある。またアルキル基
部分を構成する炭素原子および水素原子が合わせて15
重量%未満であると、溶媒に対する溶解性が著しく低下
するため、これを用いて磁気記録媒体の潤滑剤層を形成
するときに、その形成が困難となる場合があり、45重
量%を超えると極圧性能が低下するおそれがある。
【0033】具体的には、f=0の場合において、特に
好ましいX、YおよびZの組み合わせは、後述する実施
例において合成した潤滑剤1〜7におけるX、Yおよび
Zの組み合わせである。
【0034】また、fが0でない場合において、特に好
ましいX、Y、ZおよびEの組み合わせは、後述する実
施例において合成した潤滑剤8〜10におけるX、Yお
よびZの組み合わせである。
【0035】一般式(a)で示される化合物は、含フッ
素アルコール系化合物または含フッ素チオール系化合物
と塩化ホスホリルとを反応させて中間体化合物を合成す
る第1反応工程;および第1反応工程で得られた中間体
化合物と、脂肪族アルコール系化合物、脂肪族チオール
系化合物、ジオール系化合物、ジチオール系化合物、お
よびメルカプトアルコール系化合物から選択される少な
くとも1つの化合物とを反応させる第2反応工程を含む
製造方法によって製造できる。
【0036】第1反応工程においては、含フッ素アルコ
ール系化合物(Rf−OH)または含フッ素チオール系
化合物(Rf−SH)と塩化ホスホリル(OP(Cl)3
との反応により、OP(O−Rf)(Cl)2またはOP(S
−Rf)(Cl)2で示される中間体化合物を合成できる。
ここで、Rfはフッ素を含む基であって、上記の基5)
〜7)における−(CH2a(CF2h−CF2−A、
または−[(CH2a−(CF2bO]e−(Cd
2dO)g−(CF2h−CF2−Aに相当し、目的化合物
から一義的に決定される。
【0037】第1反応工程は、反応温度を−20〜5℃
に維持した状態で実施することが望ましい。反応温度が
高くなると、最終的に得られる化合物の純度が低下する
場合がある。
【0038】また、第1反応工程は、炭化水素系溶媒と
ケトン系溶媒の混合溶媒中において実施することが好ま
しい。炭化水素系溶媒としては、例えば、ヘプタン、ト
ルエンまたはベンゼンを用いることができ、ケトン系溶
媒としては、例えば、アセトンまたはメチルエチルケト
ン(MEK)を用いることができる。炭化水素系溶媒と
ケトン系溶媒は、1:2〜2:1(体積比)の割合で混
合して用いるとよい。
【0039】第2反応工程においては、第1反応工程で
得た中間体化合物と、脂肪族アルコール系化合物(R−
OH)、脂肪族チオール系化合物(R−SH)、ジオー
ル系化合物(HO−RE−OH)、ジチオール系化合物
(HS−RE−SH)、およびメルカプトアルコール系
化合物(HO−RE−SH)から選択される少なくとも
1つの化合物とを反応させる。
【0040】一般式(a)においてf=0である場合、
第2反応工程においては、第1反応工程で得た中間化合
物と脂肪族アルコール系化合物(R−OH)および/ま
たは脂肪族チオール系化合物(R−SH)とを反応させ
る。ここで、Rはアルキル基またはカルボキシアルキル
基であって、上記の基1)〜4)の−Cm2m+1または
−Cq2q−COOHに相当し、目的化合物から一義的
に決定される。なお、HO−Cq2q−COOHで示さ
れる化合物はヒドロキシカルボン酸と、HS−Cq2q
−COOHで示される化合物はメルカプトカルボン酸と
も呼べるものであるが、本発明において、これらはそれ
ぞれ脂肪族アルコール系化合物および脂肪族チオール系
化合物に含まれるものとする。
【0041】第2反応工程においては、目的化合物に応
じて、第1反応工程で得た中間体化合物と、1種または
2種の脂肪族アルコール系化合物および/または脂肪族
チオール系化合物とを反応させる。例えば、上記一般式
において、X、Y、Zのうち、YおよびZをともにmが
同じ値である−O−Cm2m+1とする場合には、第1反
応工程で得た中間体化合物と脂肪族アルコール系化合物
HO−Cm2m+1とを1:2(モル比)の割合で反応さ
せるとよい。また、例えば、YおよびZをそれぞれ、−
O−Cm2m+1および−S−Cm2m+1とする場合には、
第1反応工程で得た中間体化合物とHO−Cm2m+1
を反応させた後、当該反応により得られた化合物とHS
−Cm2m+1とを反応させればよく、あるいは逆順に反
応させてもよい。YおよびZをそれぞれmが異なる2つ
の−O−Cm2m+1(または−S−Cm2m+1)とする場
合も同様である。
【0042】X、Y、Zのうち、いずれか1つの基を−
OHとする場合、第2反応工程には水との反応が含まれ
る。具体的には、第1反応工程で得た中間体化合物と脂
肪族アルコール系化合物または脂肪族チオール系化合物
とを1:1(モル比)の割合で反応させた後、水と反応
させることにより、OH基を導入することができる。水
との反応は、脂肪族アルコール系化合物または脂肪族チ
オール系化合物との反応の後に実施することが好まし
い。
【0043】例えば、含フッ素アルコール系化合物とし
てRf−OHを用いて第1反応工程を実施し、脂肪族ア
ルコール系化合物としてR−OHを用い、これと第1反
応工程で得た中間体化合物とを反応させた後、最後に水
と反応させて第2反応工程を実施することにより得られ
る化合物は、下記化学式(a1):
【化7】 で示される化合物となる。
【0044】化合物(a1)においては、Rf−O−、
R−O−および−OHがそれぞれ、一般式(a)におけ
るX、YおよびZに相当する。但し、ここで記載した
X、YおよびZの関係は便宜的なものであり、絶対的な
関係を表すものではない。例えば、Rf−O−をYと考
えることもでき、その場合、R−O−および−OHはそ
れぞれXおよびZに相当する。含フッ素チオール系化合
物および/または脂肪族チオール系化合物を出発原料と
して用いた場合には、Rfおよび/またはRに結合して
いるO(酸素)がS(硫黄)に置き換えられた化合物を
得ることができる。
【0045】一般式(a)においてfが0でない(即
ち、一般式(a)においてEを有する)場合、第2反応
工程においては、第1反応工程で得た中間体化合物を、
ジオール系化合物、ジチオール系化合物、またはメルカ
プトアルコール系化合物と反応させる。ジオール系化合
物は分子の両末端に−OH基が結合しているものである
ことが、ジチオール系化合物は分子の両末端に−SH基
が結合しているものであることが、メルカプトアルコー
ル系化合物は分子の一端に−OH基、他端に−SH基が
結合しているものであることが好ましい。
【0046】ジオール系化合物、チオール系化合物また
はメルカプトアルコール系化合物は、一般式(a)にお
けるfの数に応じてその投入量を決定する必要がある。
例えば、fを1とする場合には、第1反応工程において
得られた中間体化合物と、ジオール系化合物、ジチオー
ル系化合物またはメルカプトアルコール系化合物とのモ
ル比は2:1とする。第1反応工程で得た中間体化合物
が1種類である場合、これをジオール系化合物、ジチオ
ール系化合物またはメルカプトアルコール系化合物と反
応させると、一般式(a)においてX=Zの化合物が得
られる。
【0047】第1反応工程で得た中間体化合物をジオー
ル系化合物(HO−RE−OH)、ジチオール系化合物
(HS−RE−SH)またはメルカプトアルコール系化
合物(HS−RE−OH)と反応させる場合には、中間
体化合物(OP(O−Rf)(Cl)2またはOP(S−Rf)
(Cl)2)における2つのClの一方が、ジオール系化
合物、ジチオール系化合物またはメルカプトアルコール
系化合物と反応し、他方が脂肪族アルコール系化合物、
脂肪族チオール系化合物または水と反応することとな
る。ここで−RE−は、上記の基9)〜17)における、
−(CH2i−、−(CH2a−(CF2j−(C
2a−、−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2 dO)g
−(CF2)b−(CH2a−に相当し、目的化合物から一
義的に決定される。なお、第2反応工程においては、第
1反応工程で得た中間体化合物と、ジオール系化合物、
ジチオール系化合物およびメルカプトアルコール系化合
物から選択されるいずれか1つの化合物とを反応させた
後、得られた化合物と脂肪族アルコール系化合物、脂肪
族チオール系化合物または水とを反応させることが好ま
しい。
【0048】例えば、含フッ素アルコール系化合物とし
てRf−OHを、脂肪族アルコールとしてR−OHを、
ジオール系化合物としてHO−RE−OHを用いて、第
1反応工程および第2反応工程を実施して得られる化合
物は、下記化学式(a2):
【化8】 で示されるものとなる。
【0049】化合物(a2)においては、Rf−O−が
XおよびZに、R−O−がYに、−O−RE−OがEに
相当する。但し、ここで記載したX、YおよびZの関係
は便宜的なものであり、絶対的な関係を表すものではな
い。例えば、Rf−O−をYと考えることもでき、その
場合、R−O−がXおよびZに相当する。チオール系化
合物を出発原料として用いた場合には、O(酸素)がS
(硫黄)に置き換えられた化合物を得ることができる。
【0050】なお、第1および第2反応工程において
は、トリエチルアミンを塩酸捕捉剤として用いることが
好ましい。トリエチルアミンの使用量は含フッ素アルコ
ール系化合物等と等モルにするとよい。
【0051】以下に、本発明の化合物を製造するために
使用する出発原料の例を記載する。含フッ素アルコール
系化合物としては:パーフロロメタノール、パーフロロ
エチルメタノール、パーフロロプロピルメタノール、パ
ーフロロブチルメタノール、パーフロロペンチルメタノ
ール、パーフロロヘキシルメタノール、パーフロロヘプ
チルメタノール、パーフロロオクチルメタノール、パー
フロロノニルメタノール、パーフロロデシルメタノー
ル、パーフロロウンデシルメタノール、パーフロロドデ
シルメタノール、パーフロロトリデシルメタノール、パ
ーフロロテトラデシルメタノール、パーフロロペンタデ
シルメタノール、パーフロロヘキサデシルメタノール、
パーフロロヘプタデシルメタノール、パーフロロオクタ
デシルメタノール、パーフロロノナデシルメタノール、
パーフロロイコシルメタノール、パーフロロヘニコシル
メタノール;
【0052】パーフロロエタノール、パーフロロメチル
エタノール、パーフロロプロピルエタノール、パーフロ
ロブチルエタノール、パーフロロペンチルエタノール、
パーフロロヘキシルエタノール、パーフロロヘプチルエ
タノール、パーフロロオクチルエタノール、パーフロロ
ノニルエタノール、パーフロロデシルエタノール、パー
フロロウンデシルエタノール、パーフロロドデシルエタ
ノール、パーフロロトリデシルエタノール、パーフロロ
テトラデシルエタノール、パーフロロペンタデシルエタ
ノール、パーフロロヘキサデシルエタノール、パーフロ
ロヘプタデシルエタノール、パーフロロオクタデシルエ
タノール、パーフロロノナデシルエタノール、パーフロ
ロイコシルエタノール、パーフロロヘニコシルエタノー
ル;
【0053】2-パーフロロメトキシ-2,2-ジフロロエタ
ノール、2-パーフロロエトキシ-2,2-ジフロロエタノー
ル、2-パーフロロブトキシ-2,2-ジフロロエタノール、2
-パーフロロオクトキシ-2,2-ジフロロエタノール、5-パ
ーフロロメトキシ-4,4,5,5-テトラフロロエトキシ-2,2-
ジフロロエタノール、5-パーフロロブトキシ-4,4,5,5-
テトラフロロエトキシ-2,2-ジフロロエタノール、5-パ
ーフロロオクトキシ-4,4,5,5-テトラフロロエトキシ-2,
2-ジフロロエタノール、8-パーフロロメトキシ-7,7,8,8
-テトラフロロエトキシ-4,4,5,5-テトラフロロエトキシ
-2,2-ジフロロエタノール、8-パーフロロオクトキシ-7,
7,8,8-テトラフロロエトキシ-4,4,5,5-テトラフロロエ
トキシ-2,2-ジフロロエタノール、11-パーフロロメトキ
シ-10,10,11,11-テトラフロロエトキシ-7,7,8,8-テトラ
フロロエトキシ-4,4,5,5-テトラフロロエトキシ-2,2-ジ
フロロエタノール、11-パーフロロオクトキシ-10,10,1
1,11-テトラフロロエトキシ-7,7,8,8-テトラフロロエト
キシ-4,4,5,5-テトラフロロエトキシ-2,2-ジフロロエタ
ノールを使用することができる。
【0054】含フッ素チオール系化合物としては、上記
のエタノールにおいて−OHを−SHとしたチオールを
使用することができる。
【0055】脂肪族アルコール系化合物としては:メチ
ルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシル
アルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコー
ル、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシル
アルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコー
ル、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコー
ル、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコー
ル、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、
イコシルアルコール、ヘニコシルアルコール、ドコシル
アルコール、シクロヘキシルアルコール、メチルシクロ
ヘキシルアルコール、シクロヘキシルメチルアルコー
ル、シクロヘキシルエチルアルコール;
【0056】ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン
酸、ヒドロキシブタン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒド
ロキシヘキサン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシ
オクタン酸、ヒドロキシノナン酸、ヒドロキシデカン
酸、ヒドロキシウンデカン酸、ヒドロキシドデカン酸、
ヒドロキシトリデカン酸、ヒドロキシテトラデカン酸、
ヒドロキシペンタデカン酸、ヒドロキシヘキサデカン
酸、ヒドロキシヘプタデカン酸、ヒドロキシオクタデカ
ン酸、ヒドロキシノナデカン酸、ヒドロキシイコサン
酸、ヒドロキシヘニコサン酸、ヒドロキシドコサン酸、
ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸を使用することが
できる。
【0057】脂肪族チオール系化合物としては:メチル
メルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプ
タン、ブチルメルカプタン、ペンチルメルカプタン、ヘ
キシルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、オクチル
メルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタ
ン、ウンデシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、
トリデシルメルカプタン、テトラデシルメルカプタン、
ペンタデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタ
ン、ヘプタデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプ
タン、ノナデシルメルカプタン、イコシルメルカプタ
ン、ヘニコシルメルカプタン、ドコシルメルカプタン、
シクロヘキシルメルカプタン、メチルシクロヘキシルメ
ルカプタン、シクロヘキシルメチルメルカプタン、シク
ロヘキシルエチルメルカプタン;
【0058】メルカプト酢酸、メルカプトグリコール
酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトブタン酸、メ
ルカプトペンタン酸、メルカプトヘキサン酸、メルカプ
トヘプタン酸、メルカプトオクタン酸、メルカプトノナ
ン酸、メルカプトデカン酸、メルカプトウンデカン酸、
メルカプトドデカン酸、メルカプトトリデカン酸、メル
カプトテトラデカン酸、メルカプトペンタデカン酸、メ
ルカプトヘキサデカン酸、メルカプトヘプタデカン酸、
メルカプトオクタデカン酸、メルカプトノナデカン酸、
メルカプトイコサン酸、メルカプトヘニコサン酸、メル
カプトドコサン酸を使用することができる。
【0059】また、ジオール系化合物としては:エチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール(、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサン
ジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオー
ル、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール;
【0060】ジエチレングリコール、4-オキサ-ヘプタ
ン-1,7-ジオール、5-オキサ-ノナン−1,9-ジオール、5,
10-オキサ-テトラデカン-1,14-ジオール、5,10,15-オキ
サ-ノナデカン-1,19-ジオール、5,10,15,20-オキサ-1,2
4-ジオール;
【0061】2,2,3,3,4,4-ヘキサフロロペンタン-1,5-
ジオール、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフロロヘキサン-1,6
-ジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフロロ-1,7-ヘプ
タンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフロロ
オクタン-1,8-ジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8
-テトラデカフロロノナン-1,9-ジオール、2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘキサデカフロロデカン-1,10-ジ
オール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10-オク
タデカフロロウンデカン-1,11-ジオール、2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11-イコサフロロドデカ
ン-1,12-ジオール;
【0062】3,3,4,4-テトラフロロヘキサン-1,6-ジオ
ール、3,3,4,4,5,5-ヘキサフロロヘプタン-1,7-ジオー
ル、3,3,4,4,5,5,6,6-オクタフロロオクタン-1,8-ジオ
ール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-デカフロロノナン-1,9-ジ
オール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8-ドデカフロロデカン
-1,10-ジオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-テトラ
デカフロロウンデカン-1,11-ジオール、3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10-ヘプタデカフロロドデカン-1,12-
ジオール;
【0063】3-オキサ-2,2,4,4-テトラフロロペンタン-
1,5-ジオール、3,6-ジオキサ-2,2,4,4,5,5,7,7-オクタ
フロロオクタン-1,8-ジオール、3,6,9-トリオキサ-2,2,
4,4,5,5,7,7,8,8,10,10-ドデカフロロウンデカン-1,11-
ジオール、3,6,9,12-テトラオキサ-2,2,4,4,5,5,7,7,8,
8,10,10,11,11,13,13-ヘキサデカフロロテトラデカン-
1,14-ジオール、3,6,9,12,15-ペンタオキサ-2,2,4,4,5,
5,7,7,8,8,10,10,11,11,13,13,14,14,16,16-イコサフロ
ロヘプタデカン-1,17-ジオール、3,6,9,12,15,18-ヘキ
サオキサ-2,2,4,4,5,5,7,7,8,8,10,10,11,11,13,13,14,
14,16,16,17,17,19,19-テトラコサフロロイコサン-1,20
-ジオール、3,6,9,12,15,18,21-ヘプタオキサ-2,2,4,4,
5,5,7,7,8,8,10,10,11,11,13,13,14,14,16,16,17,17,1
9,19,20,20,22,22-オクタコサフロロトリコサン-1,23-
ジオール、3,6,9,12,15,18,21,24-オクタオキサ-2,2,4,
4,5,5,7,7,8,8,10,10,11,11,13,13,14,14,16,16,17,17,
19,19,20,20,22,22,23,23,25,25-ドトリアコンタフロロ
ヘキサコサン-1,26-ジオール;
【0064】3-オキサ-2,4,4-トリフロロ-2,5-ジ(トリ
フロロメチル)ペンタン-1,5-ジオール、3,6-ジオキサ-
2,4,4,5,7,7-ヘキサフロロ-2,5,8-トリ(トリフロロメ
チル)オクタン-1,8-ジオール、3,6,9-トリオキサ-2,4,
4,5,7,7,8,10,10-ノナフロロ-2,5,8,11-テトラ(トリフ
ロロメチル)ウンデカン-1,11-ジオール、3,6,9,12-テ
トラオキサ-2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13-ドデカフロ
ロ-2,5,8,11,14-ペンタ(トリフロロメチル)テトラデ
カン-1,14-ジオール、3,6,9,12,15-ペンタオキサ-2,4,
4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,16,16-ペンタデカフロロ
-2,5,8,11,14,17-ヘキサ(トリフロロメチル)ヘプタデ
カン-1,17-ジオール、3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサ-2,
4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,16,16,17,19,19-オク
タデカフロロ-2,5,8,11,14,17,20-ヘプタ(トリフロロ
メチル)イコサン-1,20-ジオール、3,6,9,12,15,18,21-
ヘプタオキサ-2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,16,1
6,17,19,19,20,22,22-ヘンイコサフロロ-2,5,8,11,14,1
7,20,23-オクタ(トリフロロメチル)-トリコサン-1,23
-ジオール、3,6,9,12,15,18,21,24-オクタオキサ-2,4,
4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,16,16,17,19,19,20,22,2
2,23,25,25-テトラコサフロロ-2,5,8,11,14,17,20,23,2
6-ノナ(トリフロロメチル)ヘキサコサン-1,26-ジオー
ル;
【0065】2,2,3,3-テトラフロロブタン-1,4-ジオー
ル、5-オキサ-2,2,3,3,4,4,6,6,7,7,8,8-ドデカフロロ
ノナン-1,9-ジオール 5,10-ジオキサ-2,2,3,3,4,4,6,6,7,7,8,8,9,9,11,11,1
2,12,13,13-イコサフロロテトラデカン-1,14-ジオール 5,10,15-トリオキサ-2,2,3,3,4,4,6,6,7,7,8,8,9,9,11,
11,12,12,13,13,14,14,16,16,17,17,18,18-オクタコサ
フロロノナデカン-1,19-ジオール を使用できる。
【0066】ジチオール系化合物としては、上記のジオ
ールまたはエチレングリコールにおいて−OHを−SH
としたジチオール系化合物を使用できる。
【0067】あるいは、第2反応工程において、メルカ
プトエタノールまたはメルカプトプロパノールのよう
に、一分子内に−OHおよび−SHを有するメルカプト
アルコール系化合物を使用して、一般式(a)において
Eの両端がO(酸素)およびS(硫黄)となるようにし
てもよい。
【0068】上述の製造方法に従って製造した本発明の
化合物は、ケトン系溶剤にて精製を行うとよい。ケトン
系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンまたは
メチルイソブチルケトン等を用いることができる。
【0069】以上において説明したように、本発明の化
合物を製造するに際し、反応工程を第1および第2反応
工程の2つの工程に分け、更に第1反応工程で使用する
反応溶媒を限定し、また、第1反応工程の反応温度を所
定範囲内に維持することにより、未反応物および副生成
物を含まない高純度の化合物を得ることが可能となる。
また、得られた化合物をケトン系溶剤で精製することに
より、更に純度の高い化合物を得ることができる。
【0070】このようにして得られる本発明の化合物は
潤滑剤を構成する材料として有用である。そして、本発
明の化合物を少なくとも1種含んで成る本発明の潤滑剤
は、例えば、磁気記録媒体の潤滑剤層を構成するのに適
している。本発明の潤滑剤は、本発明の化合物を1種の
み含むもの、あるいは2種以上含む組成物であってもよ
い。
【0071】本発明の潤滑剤は、本発明の化合物のみで
構成されてもよいが、それ以外に他の潤滑剤および防錆
剤等が適宜含まれて成る組成物であってもよい。その場
合、本発明の化合物の占める割合は、組成物の全量に対
して30重量%以上であることが好ましく、50重量%
以上であることがより好ましい。本発明の化合物の占め
る割合が30重量%未満であると、例えばこの組成物で
磁気記録媒体の潤滑剤層を形成した場合、良好な潤滑特
性を磁気記録媒体に付与することができない場合があ
る。
【0072】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上
に、炭素膜および潤滑剤層がこの順に形成されて成る磁
気記録媒体であって、潤滑剤層が上記の極圧潤滑剤を含
有するものである。そこで、次に、本発明の磁気記録媒
体を構成する各層について、図面を参照しながら説明す
る。
【0073】図1は本発明の磁気記録媒体の一態様であ
る金属薄膜型磁気テープ(以下、単に磁気テープとい
う)の断面図である。この磁気テープは下から順にバツ
クコート層(5)、非磁性基板(1)、強磁性金属薄膜
(2)、炭素膜(3)および潤滑剤層(4)が積層され
た構成となっている。
【0074】これらの潤滑剤層以外の層およびその形成
方法については公知であり、常套の材料および形成方法
を採用することができる。
【0075】例えば、非磁性基板(1)として、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳
香族ポリアミドもしくは芳香族ポリイミドから成るフイ
ルム、アルミ基板またはガラス基板等を使用することが
できる。実用信頼性と良好なRF出力を両立するため
に、この非磁性基板(1)における表面、すなわち強磁
性金属薄膜と接する面には直径50nmから700nm、高
さ5nmから70nmの突起形成処理が施されていることが
好ましい。
【0076】強磁性金属薄膜(2)はイオンプレーティ
ング法、スパッタリング法もしくは電子ビーム蒸着法等
で形成することができる。薄膜材料としてはCo、F
e、およびNi等の強磁性金属、ならびにCo−Ni、
Co−Ni−O、Co−OまたはCo−Cr等の合金か
ら適宣選択される。強磁性金属薄膜(2)の厚みは50
〜300nmが一般的である。
【0077】炭素膜(3)は、ビッカース硬度が約25
00kg/mm2と高く、磁気テープのダメージを潤滑剤
層(4)と共に防止している。実用信頼性と出力とのバ
ランスを考慮すれば、その厚みは10〜20nmであるこ
とが好ましい。この炭素膜(3)は、炭化水素ガスの
み、あるいは炭化水素ガスと不活性ガスとの混合ガスを
用いたプラズマCVD法により形成される。具体的に
は、真空容器中に炭化水素ガスまたは炭化水素ガスとア
ルゴン等の不活性ガスの混合ガスを導入し、容器内の圧
力を0.001〜1Torrに保った状態で真空容器内
部で放電を発生させ、炭化水素ガスのプラズマを発生さ
せて炭素膜(3)を強磁性金属薄膜(2)上に形成させ
る。放電形式は、外部電極方式および内部電極方式のい
ずれでも良く、放電周波数は実験的に決めることができ
る。また、非磁性基板(1)側に配置される電極に0K
Vから−3KVの電圧を印加することによって、炭素膜
(3)と強磁性金属薄膜(2)との密着性を向上させる
ことができる。炭化水素ガスとしては、メタン、エタ
ン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタンまたはベンゼン等を用いることができる。
【0078】なお、硬質の炭素膜(3)を形成するため
には、可能な限り放電エネルギーを大きくすることが望
ましく、併せて非磁性基板(1)の温度を高温に維持す
ることが望ましい。例えば、放電エネルギーは交流電
流、例えば高周波電流と直流電流を重畳して実効値を6
00V以上にすることが望ましい。
【0079】潤滑剤層(4)を構成する潤滑剤は、前述
したとおり、一般式(a)で示される化合物を含む潤滑
剤である。潤滑剤層(4)は、潤滑剤を有機溶媒に溶解
して塗布液を調製し、これを炭素膜(3)に塗布するこ
とによって形成できる。
【0080】潤滑剤層(4)は、非磁性基板(1)の上
に強磁性金属薄膜(2)および炭素膜(3)を常套の材
料および手段を用いてこの順に形成した後、炭素膜
(3)上に形成する。潤滑剤層(4)の形成工程は、炭
化水素系溶媒とアルコール系溶媒との混合溶媒に本発明
の潤滑剤を溶解して調製した塗布液を炭素膜上に塗布す
る工程、ならびに混合溶媒を乾燥させる工程を含む。最
終的に混合溶媒が蒸発することにより、炭素膜上には溶
媒に溶解した潤滑剤が残って潤滑剤層を形成する。従っ
て、塗布液を厚く塗布しても、溶媒が蒸発することによ
り、炭素膜上には均一で非常に薄い潤滑剤層、すなわち
少量の潤滑剤が炭素膜を均一に被覆した潤滑剤層が形成
される。
【0081】本発明で使用できる炭化水素系溶媒は、例
えばトルエン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等で
あり、本発明で使用できるアルコール系溶媒は、例えば
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ールおよびイソプロピルアルコール等の低級アルコール
である。塗布液の濃度および塗布厚は、溶媒が蒸発した
後に炭素膜(3)上に形成される潤滑剤層(4)の厚み
が所望の厚みになるように塗布する。一般には、潤滑剤
組成物の濃度が100〜4000ppmである塗布液
を、1〜50μmの厚みとなるように塗布することが好
ましい。
【0082】潤滑剤層(4)は潤滑剤組成物に応じて最
適膜厚が決定され、その厚みは3〜5nmであることが好
ましい。塗布方法はバーコーティング法、グラビアコー
ティング法、リバースロールコーティング法、ダイコー
ティング法、ディピング法もしくはスピンコート法等の
湿式塗布法あるいは有機蒸着法のいずれを採用してもよ
い。
【0083】塗布液を塗布した後、乾燥処理して有機溶
媒を蒸発させると、炭素膜(3)上に潤滑剤組成物の層
(4)が形成される。乾燥処理は加熱することにより、
もしくは自然乾燥によって実施することができる。
【0084】バックコート層(5)は、ポリウレタン、
ニトロセルロース、ポリエステルとカーボンおよび炭酸
カルシウム等から選ばれる一つもしくは複数の材料によ
り形成される層であり、その厚みは約500nmとするこ
とが好ましい。
【0085】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
するが、いうまでもなく本発明はこの実施例に限定され
るものではない。
【0086】<潤滑剤1の製造>一般式(a)で示され
る化合物を合成し、これを潤滑剤1とした。化合物の合
成は第1反応工程および第2反応工程に分けて行った。
【0087】第1反応工程:含フッ素アルコール系化合
物として、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘ
プタデシルフロロデカノールを用意し、これを塩化ホス
ホリルと反応させた。反応は、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,9,9,10,10,10-ヘプタデシルフロロデカノール46.
4g(0.1mol)およびトリエチルアミン10.1
g(0.1mol)をn−ヘプタン/メチルエチルケト
ン(MEK)(50/50vol.%)56.5gに溶
解したものを、塩化ホスホリル15.35g(0.1m
ol)およびn−ヘプタン/MEK(50/50vo
l.)15.4gの混合溶液中に滴下して行った。滴下
は、冷却管、温度計および攪拌装置を備えた1リットル
の四ツ口フラスコ中で、反応温度を−5℃に保ち、乾燥
2を導入しながら強攪拌下で行った。滴下は2時間で
終了するように実施した。
【0088】第2反応工程:脂肪族チオール系化合物と
してステアリルメルカプタンを用意し、これを第1反応
工程で得られた中間体化合物と反応させた。反応は、上
記第1反応工程終了後、反応温度を30℃として更に2
時間熟成させた後、反応液を再度−5℃とし、これに、
ステアリルメルカプタン28.6g(0.1mol)、
トリエチルアミン10.1g(0.1mol)およびn
−ヘプタン/MEK(50/50vol.%)38.7
gの混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下時の反応条
件は上記第1工程と同様である。
【0089】次いで反応温度を30℃とし、さらに2時
間熟成させた後、反応液を再度−5℃とし、これに、イ
オン交換水1.8g(0.1mol)、トリエチルアミ
ン10.1gおよびアセトン11.9gの混合溶液を2
時間かけて滴下した。滴下条件は第1反応工程と同様で
ある。滴下終了後、反応液を30℃とし、さらに2時間
熟成させた。
【0090】その後、反応液にイオン交換水100ml
を加えて水洗し、有機層を濃縮した後、アセトンにて再
沈精製を行うことにより、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,
9,10,10,10-ヘプタデシルフロロデカニル−ステアリル
メルカプトリン酸39.1gを得た。
【0091】この合成化合物は、赤外分光分析(I
R)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
C)および有機質量分析(FD−MS)より、出発原料
および副生成物を含まない含フッ素化合物であることが
判明した。この化合物の、赤外吸収スペクトルを図2に
示す。
【0092】IR;SHの2,500cm-1付近の吸収ピ
ーク消滅、アルコールに由来するOHの3,300cm-1
付近の吸収ピーク消滅、P−Oの1220cm-1付近の吸
収ピーク出現。 GPC;目的化合物に相当する分子量の大きな化合物を
検出。アルコール系化合物およびチオール系化合物は検
出されず。 FD−MS;m/e 896に主ピーク有り。
【0093】得られた化合物におけるX、YおよびZの
化学式は表1に示すとおりであり、第1反応工程および
第2反応工程で用いた含フッ素アルコール系化合物およ
び脂肪族チオール系化合物の使用量は表2に示すとおり
である。また、得られた化合物におけるリン、硫黄およ
びフッ素の割合(重量%)、ならびにアルキル基部分の
炭素および水素を合わせた割合(重量%)は表3に示す
とおりである。
【0094】<潤滑剤2〜7の製造>第1反応工程にお
いて、表1のXの欄に記載された基のO−にHが結合し
たアルコールを含フッ素アルコール系化合物として使用
し、第2反応工程において、表1のYの欄に記載した基
の−SまたはS−にHが結合したチオールを脂肪族チオ
ール系化合物として使用し、また、潤滑剤2〜4ついて
は水を使用し、潤滑剤5〜7については表1のZ欄に記
載した基のO−にHが結合したアルコールを脂肪族アル
コール系化合物として使用して、潤滑剤1と同様にして
化合物を合成した。各化合物の使用量は表2に示すとお
りである。
【0095】潤滑剤2〜4に相当する化合物は、脂肪族
チオール系化合物との反応終了後に、潤滑剤1と同様に
してイオン交換水を更に反応させて得たものである。潤
滑剤5〜7に相当する化合物は、脂肪族チオール系化合
物との反応終了後に、それぞれ脂肪族アルコール系化合
物を、脂肪族チオール系化合物と反応させた条件と同じ
条件にて反応させて得たものである。いずれの化合物も
潤滑剤1と同様にして精製した。得られた化合物におけ
るリン、硫黄およびフッ素の割合(重量%)、ならびに
アルキル基部分の炭素および水素を合わせた割合(重量
%)は表3に示すとおりである。潤滑剤2、5および6
の赤外吸収スペクトルを図4〜図6に示す。
【0096】<潤滑剤8の製造>第1反応工程:含フッ
素アルコール系化合物として、8-パーフロロブトキシ-
7,7,8,8-テトラフロロエトキシ-4,4,5,5,-テトラフロロ
エトキシ-2,2-ジフロロエタノールを用意し、これを塩
化ホスホリルと反応させた。反応は、8-パーフロロブト
キシ-7,7,8,8-テトラフロロエトキシ-4,4,5,5,-テトラ
フロロエトキシ-2,2-ジフロロエタノール109.6g
(0.2mol)およびトリエチルアミン20.2g
(0.2mol)をn−ヘプタン/MEK(50/50
vol.%)129.8gに溶解したものを、塩化ホス
ホリル30.7g(0.2mol)およびn−ヘプタン
/MEK(50/50vol.%)30.7gの混合溶
液中に加え、潤滑剤1と同様にして第一反応工程を実施
した。
【0097】第2反応工程:ジオール系化合物として3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9H,9H,10H,10H-ドデカフロロデ
カンジオールを用意し、これを第1反応工程で得られた
中間体化合物と反応させ、さらに、脂肪族チオール系化
合物であるステアリルメルカプタンと反応させた。反応
は、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9H,9H,10H,10H-ドデカフ
ロロデカンジオール39.0g(0.1mol)、トリ
エチルアミン10.1g(0.1mol)およびn−ヘ
プタン/MEK(50/50vol.%)49.1gの
混合溶液を2時間かけて滴下した後、さらに、ステアリ
ルメルカプタン57.2g(0.2mol)、トリエチ
ルアミン20.2g(0.2mol)およびn−ヘプタ
ン/MEK(50/50vol.%)77.4gの混合
溶液を2時間かけて滴下して実施した。反応条件は上記
第1工程と同様である。
【0098】反応終了後、反応液にイオン交換水100
mlを加えて水洗し、有機層を濃縮した後、アセトンに
て再沈精製を行うことにより、目的とする化合物を得
た。
【0099】この化合物はIR、GPCおよびFD−M
Sより、出発原料および副生成物を含まない含フッ素化
合物であることが判明した。この化合物の、赤外スペク
トルを図3に示す。 IR;SHの2,500cm-1付近の吸収ピーク消滅、O
Hの3,300cm-1付近の吸収ピーク消滅、P−Oの1
220cm-1付近の吸収ピーク出現。 GPC;目的化合物に相当する分子量の大きな化合物を
検出。アルコール系化合物およびチオール系化合物は検
出されず。 FD−MS;m/e 1797に主ピーク有り。
【0100】得られた化合物のX、YおよびZの化学式
は表1に示すとおりであり、第1反応工程および第2反
応工程で用いた含フッ素アルコール系化合物、脂肪族チ
オール系化合物、およびジオール系化合物の使用量は表
2に示すとおりである。また、得られた化合物における
リン、硫黄およびフッ素の割合、ならびにアルキル基部
分の炭素および水素を合わせた割合は表3に示すとおり
である。
【0101】<潤滑剤9および10の製造>第1反応工
程において使用する含フッ素アルコール系化合物とし
て、表1のXの欄に記載された基のO−にHが結合した
アルコールを使用し、第2反応工程において表1のYの
欄に記載された基の−SまたはS−にHが結合したチオ
ールを脂肪族チオール系化合物として、表1のZの欄に
記載された基の−OまたはO−にHが結合したアルコー
ルを脂肪族アルコール系化合物として、および表1のE
の欄に記載された−OおよびO−にHが結合したジオー
ルをジオール系化合物として、それぞれ表2に示す量で
使用して、潤滑剤8と同様にして化合物を合成し精製し
た。得られた化合物におけるリン、硫黄およびフッ素の
割合(重量%)、ならびにアルキル基部分の炭素および
水素を合わせた割合(重量%)は表3に示すとおりであ
る。
【0102】<潤滑剤11および12の製造>塩化ホス
ホリルを表1のX、YおよびZの欄に記載された基のO
−またはS−にHが結合したアルコールまたはチオール
を、潤滑剤1の製造において実施した第1反応工程と同
様の手順にて、塩化ホスホリルと反応させて潤滑剤11
および潤滑剤12を製造した。反応は、塩化ホスホリル
とアルコールまたはチオールのモル比を1:3にして実
施した。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】なお、表3において、潤滑剤x1およびx
2は、従来の技術の欄において説明した化学式(x1)
および(x2)にそれぞれ相当する化合物を指す。これ
らは後述する比較例3および4においてそれぞれ使用さ
れたものである。
【0107】(実施例1)非磁性基板(1)として、幅
が500mm、厚みが6.3μmであって、表面に高さが
30nm、直径が200nmの突起が1mm2あたり105〜1
9個形成されたポリエチレンテレフタレートフイルム
を使用した。なお、突起の数はSTM分析で測定した値
である。この非磁性基板(1)の表面に、酸素を導入し
ながら斜方真空蒸着法により、Co(80)−Ni(2
0)(カッコ内は混合モル比率)から成る厚み180nm
の強磁性金属薄膜(2)を形成した。
【0108】次いで、非磁性基板(1)の裏面に、ポリ
ウレタン、ニトロセルロースおよびカーボンブラックよ
り構成された固形分30%のメチルエチルケトン/トル
エン/シクロヘキサノン溶液をリバースロールコータに
より塗布して、乾燥後の厚みが約500nmのバックコー
ト層(5)を形成した。
【0109】次に、強磁性金属薄膜(2)上に、プラズ
マCVD法によって厚み15nmの炭素膜(3)を形成し
た。炭素膜は、真空容器中にヘキサンガスとアルゴンガ
スとを4:1の比(圧力比)で混合したガスを導入し、
トータルガス圧を0.3Torrに保ちながら、周波数
20KHz、電圧1500Vの交流と1000Vの直流
を重畳し、これを放電管内の電極に印加することにより
形成した。
【0110】次に、潤滑剤1をトルエンおよびヘキサン
を1:1(重量比)の割合で混合した混合溶媒に溶解
し、潤滑剤1の濃度が2000ppmである塗布液を調
製した。そして、この塗布液を常温常湿環境下でリバー
スロールコータを用いて湿式塗布法により塗布した後、
乾燥した。最終的に炭素膜(3)上には4nmの潤滑剤層
(4)が形成された。以上のようにして作製したテープ
素材をスリッタで8mm幅に裁断し、8mm幅の磁気テープ
試料(全厚7μm、60分長)を作製した。
【0111】(実施例2〜実施例10)潤滑剤1に代え
て潤滑剤2〜潤滑剤10を使用し、実施例1と同様の方
法により磁気テープ試料を作製した。
【0112】(比較例1)潤滑剤1に代えて潤滑剤11
を使用し、実施例1と同様の方法により磁気テープ試料
を作製した。
【0113】(比較例2)潤滑剤1に代えて潤滑剤12
を使用し、実施例1と同様の方法により磁気テープ試料
を作製した。
【0114】(比較例3)潤滑剤1に代えて、化学式
(x1)で示される従来の潤滑剤を使用し、実施例1と
同様の方法により磁気テープ試料を作製した。
【0115】(比較例4)潤滑剤1に代えて、化学式
(x2)で示される従来の潤滑剤を使用し、実施例1と
同様の方法により磁気テープ試料を作製した。
【0116】(比較例5)含フッ素アルコール系化合物
および脂肪族アルコール系化合物を同時に滴下すること
により第1反応工程と第2反応工程とを同時に実施した
ことを除いては、<潤滑剤1の製造>に記載した方法と
同様の方法により化合物を合成、精製した。得られた化
合物を潤滑剤として使用し、実施例1と同様の方法によ
り磁気テープ試料を作製した。
【0117】(比較例6)第1反応工程における反応温
度を23℃としたことを除いては、<潤滑剤1の製造>
に記載した方法と同様の方法により化合物を合成、精製
した。得られた化合物を潤滑剤として使用し、実施例1
と同様の方法により磁気テープ試料を作製した。
【0118】(比較例7)第1反応工程において、n−
ヘプタンとMEKの混合溶媒に代えてn−ヘプタンのみ
を反応溶媒として使用したことを除いては、<潤滑剤1
の製造>に記載した方法と同様の方法により化合物を合
成、精製した。得られた化合物を潤滑剤として使用し、
実施例1と同様の方法により磁気テープ試料を作製し
た。
【0119】(比較例8)精製の際に、アセトンに代え
てイソプロピルアルコールを溶媒として用いたこと以外
は、<潤滑剤1の製造>に記載した方法と同様の方法に
より化合物を合成、精製した。得られた化合物を潤滑剤
として使用し、実施例1と同様の方法により磁気テープ
試料を作製した。
【0120】以上の各実施例1〜10および比較例1〜
8で得られた8mm幅の磁気テープ試料について、それぞ
れ以下に示す評価試験(1)および(2)を実施した。
それぞれの試験で得られた結果を、表4および表5に示
す。
【0121】(1)走行耐久性試験 RF(高周波)出力測定用に改造した市販8mmVTR
(ソニー(株)製 EV−S900)を用い、各8mm幅
テープ試料を5℃、80%RHおよび40℃、20%R
Hの環境下で各々300パス、300時間繰り返し再生
を行なった後のRF出力変化を測定した。試験前に対す
る試験後の変化率をデシベル表示で示した。テープダメ
ージは、テープ試料を目視観察および微分干渉顕微鏡で
状態観察し、5段階で評価した。評価基準は次のとおり
である。 5:実用上全く問題ない。 4:実用上問題ない。 3:実用可能であるが、改善が必要である。 2:テープダメージがひどく、実用性は殆どない。 1:テープダメージがあまりにもひどく、実用性は全く
ない。
【0122】(2)スチル寿命試験 初期スチル寿命は、スチル寿命測定用に改造した市販8
mmVTR(ソニー(株)製 EV−S900)を用い、
3℃、5%RH環境下において測定した。なお、スチル
寿命は初期から6dB低下するまでの時間で示した。保
存後スチル寿命は、40℃、80%RH環境下に1ヶ月
放置した後、初期スチル寿命の測定と同様の方法で測定
した。
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】上記表4および表5から明らかなように、
従来の潤滑剤を用いた比較例3および4と比較して、本
発明の潤滑剤を使用した実施例1〜10の出力低下は小
さく、且つテープダメージの問題は発生せず、さらに初
期および保存後スチル寿命はいずれも良好であった。な
お、上記の性能試験は、いずれもVTRを用いた試験で
あって、テープ試料の試験は高荷重下で実施されてお
り、かかる試験において性能が良いことは、潤滑剤層が
高荷重下でも破断することなく潤滑性能を維持し得るこ
とを意味している。
【0126】また、実施例1〜10は、一分子内に硫黄
を有しない化合物を潤滑剤として用いた比較例1および
一分子内にフッ素を有しない化合物を潤滑剤として用い
た比較例2よりも優れた性能を呈している。これより、
本発明の潤滑剤を構成する化合物において、硫黄および
フッ素が、潤滑性能を向上させるものとして有効に作用
していることが判る。
【0127】比較例5〜8は、実施例1と同じ潤滑剤を
使用したものであるが、その走行耐久性等はいずれも実
施例1よりも劣る。比較例5〜8で採用した製造方法お
よび精製方法では純度の高い化合物を得ることができ
ず、そのために潤滑性能が低下していると考えられる。
【0128】実施例1〜10では、潤滑剤層(4)の形
成工程において湿式塗布法であるリバースロールコーテ
ィング法を用いたが、有機蒸着法によっても同様の作用
効果を有する潤滑剤層(4)を形成することが可能であ
る。
【0129】なお、以上において説明した実施例1〜1
0では、本発明の磁気記録媒体を市販8mmVTR用テー
プに適用した場合についてのみ説明したが、本発明の磁
気記録媒体は、これに限定されるものではなく、他の金
属薄膜型磁気テープや磁気ディスク等にも適用できるも
のである。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、一分子内に少なく
とも1つのリン、硫黄、フッ素に加えて、アルキル基部
分を有する本発明の化合物は、潤滑剤として優れた潤滑
性能を呈する。そして、本発明の化合物を含む潤滑剤で
磁気記録媒体の潤滑剤層を形成することにより、潤滑剤
層の炭素膜への付着強度が向上した、良好な潤滑性能を
呈する本発明の磁気記録媒体を得ることができる。ま
た、本発明の潤滑剤は高荷重下においても潤滑性能を維
持することができ、極圧添加剤としての機能を併せ持
つ。従って、本発明の潤滑剤を潤滑剤層とする本発明の
磁気記録媒体は、これらの相乗効果により、電磁変換特
性を損なうことなく、走行耐久性、スチル耐久性等の実
用信頼性が向上したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による磁気記録媒体が適
用された金属薄膜型磁気テープの断面図である。
【図2】 実施例で製造した潤滑剤1に相当する化合物
の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図3】 実施例で製造した潤滑剤8に相当する化合物
の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図4】 実施例で製造した潤滑剤2に相当する化合物
の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図5】 実施例で製造した潤滑剤5に相当する化合物
の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図6】 実施例で製造した潤滑剤6に相当する化合物
の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1…非磁性基板、 2…強磁性金属薄膜、 3…炭素膜、 4…潤滑剤層、 5…バックコート層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C10N 30:06 C10N 30:06 40:18 40:18 (72)発明者 大地 幸和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渕 鉄男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 池田 順一 奈良県奈良市西九条町5丁目2番地の5 共栄社化学株式会社奈良研究所内 Fターム(参考) 4H050 AA01 AA02 AA03 AB60 AD16 AD17 BB11 BB16 BB31 BC10 BD70 BE60 WA15 WA23 WA28 4H104 BH03Z BH06Z PA16 5D006 AA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(a): 【化1】 [式中、fは0〜10の整数であり、X、YおよびZ
    は、以下の基: 1)−O−Cm2m+1(mは1〜24の整数); 2)−S−Cm2m+1(mは1〜24の整数); 3)−O−Cq2q−COOH(qは6〜24の整
    数); 4)−S−Cq2q−COOH(qは6〜24の整
    数); 5)−O−(CH2a(CF2h−CF2−A(Aは水
    素またはフッ素であり、aは0〜6の整数、hは0〜2
    2の整数); 6)−O−[(CH2a−(CF2bO]e−(Cd2d
    O)g−(CF2h−CF2−A(Aは水素またはフッ素
    であり、aは0〜6の整数、bは0〜6の整数、eは0
    〜23の整数、dは1〜4の整数、gは0〜23の整
    数、hは0〜22の整数であって、e=0のときg≠0
    でありg=0のときe≠0); 7)−S−[(CH2a−(CF2bO]e−(Cd2d
    O)g−(CF2h−CF2−A(Aは水素またはフッ素
    であり、aは0〜6の整数、bは0〜6の整数、eは0
    〜23の整数、dは1〜4の整数、gは0〜23の整
    数、hは0〜22の整数);および 8)−OHから成る群から、X、YおよびZのうち少な
    くとも1つが基1)、2)、3)または4)のいずれか
    であり、かつX、YおよびZの組み合わせにおいて少な
    くとも1つの硫黄およびフッ素が含まれるように選択さ
    れ、Eは、以下の基: 9)−O−(CH2i−O−(iは1〜22の整数); 10)−S−(CH2i−S−(iは1〜22の整数); 11)−O−(CH2i−S−(iは1〜22の整数); 12)−O−(CH2a−(CF2j−(CH2a−O−
    (aは0〜6の整数、jは4〜12の整数); 13)−S−(CH2a−(CF2j−(CH2a−S−
    (aは0〜6の整数、jは4〜12の整数); 14)−O−(CH2a−(CF2j−(CH2a−S−
    (aは0〜6の整数、jは4〜12の整数); 15)−O−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2dO)g
    (CF2)b−(CH2a−O−(aは0〜6の整数、bは
    0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは1〜4の整
    数、gは0〜23の整数); 16)−S−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2dO)g
    (CF2)b−(CH2a−S−(aは0〜6の整数、bは
    0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは1〜4の整
    数、gは0〜23の整数);および 17)−O−[(CH2)a−(CF2)bO]e−(Cd2dO)g
    (CF2)b−(CH2a−S−(aは0〜6の整数、bは
    0〜6の整数、eは0〜23の整数、dは1〜4の整
    数、gは0〜23の整数)から成る群から選択される]
    で示される化合物。
  2. 【請求項2】 一分子内に、リンが2〜5重量%、硫黄
    が2〜5重量%、フッ素が30〜60重量%、ならびに
    基1)〜4)から選択された基のアルキル基部分の炭素
    原子および水素原子が合わせて15〜45重量%の割合
    で含まれることを特徴とする請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 基1)〜4)から選択された少なくとも
    1つの基のアルキル基部分の炭素数が6〜24であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化
    合物を製造する方法であって、 含フッ素アルコール系化合物または含フッ素チオール系
    化合物と塩化ホスホリルとを反応させて中間体化合物を
    合成する第1反応工程;および第1反応工程で得られた
    中間体化合物と、脂肪族アルコール系化合物、脂肪族チ
    オール系化合物、ジオール系化合物、ジチオール系化合
    物、およびメルカプトアルコール系化合物から選択され
    る少なくとも1つの化合物とを反応させる第2反応工程
    を含み、各反応工程を独立させることを特徴とする製造
    方法。
  5. 【請求項5】 第1反応工程において、反応温度を−2
    0〜5℃に維持するすることを特徴とする請求項4に記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1反応工程において、反応溶媒を炭化
    水素系溶媒とケトン系溶媒の混合溶媒とすることを特徴
    とする請求項4または請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 第2反応工程が水との反応を含む請求項
    4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 第2の反応工程の後、ケトン系溶剤を用
    いて生成物を精製することを特徴とする請求項4〜7の
    いずれか1項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化
    合物を含んで成る潤滑剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を含んで成る磁気記録媒体用の潤滑剤。
  11. 【請求項11】 非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、炭
    素膜および潤滑剤層がこの順に形成されて成る磁気記録
    媒体であって、潤滑剤層が請求項9に記載の潤滑剤を少
    なくとも1種含むことを特徴とする磁気記録媒体。
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