JP2001096166A - 光触媒部材 - Google Patents

光触媒部材

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JP2001096166A
JP2001096166A JP27901799A JP27901799A JP2001096166A JP 2001096166 A JP2001096166 A JP 2001096166A JP 27901799 A JP27901799 A JP 27901799A JP 27901799 A JP27901799 A JP 27901799A JP 2001096166 A JP2001096166 A JP 2001096166A
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liner
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Shinya Hioki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、受光面積が広くて光触媒性
能、特に脱臭性能が優れた光触媒部材の提供である。 【解決手段】光触媒を含有するコルゲートハニカム状の
光触媒部材において、中しんの段高さが一定ではなく、
且つ中しんの段頂の少なくとも一部がライナと非接触、
好ましくは中しんの段頂の総数に対するライナと非接触
である段頂の数の比が0.25以上であることを特徴と
する光触媒部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コルゲートハニカ
ム状の光触媒部材に関し、詳しくは受光面積が広く光触
媒性能が優れた光触媒部材に関する。
【0002】
【従来の技術】食品臭、たばこ臭、ペット臭、便所臭な
どの悪臭の成分は、多種多様であり、代表的なものとし
て、アンモニア、アミン類、インドール、スカトールな
どの窒素化合物、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化
メチル、二硫化メチル、二硫化ジメチルなどの硫黄化合
物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデ
ヒド類、アセトンなどのケトン類、メタノール、エタノ
ールなどのアルコール類がある。
【0003】従来、このような悪臭を脱臭する方法とし
て、悪臭物質と薬剤とを化学反応させる方法、芳香剤で
悪臭物質をマスキングする方法、活性炭、ゼオライトな
どの吸着剤にて悪臭物質を吸着する方法、または、これ
らの方法を組み合わせて行う方法があった。このような
各種の脱臭方法が使用されているが、薬剤及び芳香剤
は、共に悪臭物質と反応した後での再生はほとんど不可
能である。また、吸着剤の場合も、吸着容量が飽和する
と脱臭性能は著しく低下する。従って、どのような方法
においても、新しいものと定期的に交換しなければなら
ない。
【0004】そこで、光触媒とランプとを用いて、脱臭
機能を果たすようにした装置が特開平1−189322
号公報などに開示されている。光触媒は光エネルギを化
学エネルギに変える物質であり、この脱臭装置では、ラ
ンプから紫外線を光触媒に照射してその光エネルギーに
て光触媒を活性化させ、酸化反応を促進させて悪臭物質
を無臭物質に変換する。紫外線照射によって光触媒が励
起されると、光触媒から電子が飛び出し表面に吸着した
酸素を攻撃してO2 -を生成し、また、正孔が空気中の水
分を攻撃して、OHラジカルを生成し、これらの活性種
により悪臭物質の酸化反応が促進され、種々の悪臭物質
が、具体的には水蒸気、二酸化炭素などの無臭物質まで
最終的に分解されるため、光触媒を利用した脱臭装置は
非常に優れたものである。
【0005】このような脱臭装置に搭載される光触媒部
材はハニカム状であることが好ましく、脱臭速度が速く
なる効果がある。市販されている光触媒方式の空気清浄
機などにおいてもハニカム状の光触媒部材が採用される
場合が多く、中でも、強度があり、且つ量産に向くコル
ゲートハニカム状の光触媒部材が広く普及している。
【0006】コルゲートハニカム状の光触媒部材は、セ
ル穴からもれる光を少なくするためにセル数を増やすべ
くセルサイズが小さくなる傾向にあるが、セルサイズが
小さくなるとライナと中しんの接触面が相対的に多くな
り、セルを構成するシートの表面の内で光が照射されな
い部分が却って増えてしまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、受光
面積が広くて光触媒性能、特に脱臭性能が優れた光触媒
部材の提供である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した
ものである。
【0009】(1)光触媒を含有するコルゲートハニカ
ム状の光触媒部材において、中しんの段高さが一定では
なく、且つ中しんの段頂の少なくとも一部がライナと非
接触であることを特徴とする光触媒部材。
【0010】(2)上記の発明(1)において、中しん
の段頂の総数に対するライナと非接触である段頂の数の
比が0.25以上であることを特徴とする光触媒部材。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の光触媒部材は、光触媒を
含有するコルゲートハニカム状の光触媒部材において、
中しんの段高さが一定ではなく、且つ中しんの段頂の少
なくとも一部がライナと非接触であることを特徴とし、
好ましくは中しんの段頂の総数に対するライナと非接触
である段頂の数の比が0.25以上であることを特徴と
し、セルを構成するシートすなわちライナと中しんの表
面の内で光が照射されない部分が少なく、従って受光面
積が広くて光触媒性能、特に脱臭性能が優れるものであ
る。
【0012】本発明に係わる光触媒とは、0.5〜5e
V、好ましくは1〜4eVの禁止帯幅を有する、光触媒
反応をもたらす光反応性半導体であり、励起光を照射す
ることによって、抗菌、抗ウイルス、防黴、脱臭、防汚
などの機能を発現する素材である。特にその抗菌性は優
れたものであり、細菌の増殖を抑えるだけでなく、細菌
が死滅する際に発生する毒素を分解して無害化し、ま
た、細菌の死骸をも分解するため、その効果は従来の無
機系抗菌剤などのように短期間で低下することがなく永
続すると言われている。
【0013】本発明に係わる光触媒としては、酸化亜
鉛、酸化タングステン、酸化チタン、及び酸化セリウム
等の金属酸化物粒子が挙げられる。中でも、酸化チタン
はその構造安定性、光反応性有害物除去能、更には取扱
い上の安全性等から生活空間において使用するには最も
適しており、また、酸化亜鉛は励起光が照射されない環
境下でも抗菌性を有しており、この両者は本発明の光触
媒として有利に用いられる。
【0014】本発明に係わる酸化チタンは、白色顔料と
して用いられる汎用の二酸化チタン(但し、耐候処理が
全くまたは部分的にしかされていないもの)の他、メタ
チタン酸、オルトチタン酸、含水酸化チタン、水和酸化
チタン、水酸化チタンおよび過酸化チタン等のチタン酸
化物や水酸化物などが挙げられる。
【0015】中でも一次粒径が数十nm程度で、アナタ
ーゼ結晶構造を有する微粒子酸化チタンは比較的安価で
性能の優れた光触媒である。但し、本発明に係わる酸化
チタンはアナターゼ結晶構造に限定されるものではな
く、光触媒能を有するものであれば、ルチルやブルカイ
トなどの結晶構造を有するものや非晶性酸化チタンであ
っても良い。
【0016】酸化チタンの形状として、立方体状、球
状、真球状、薄片状またはナノクラスターなどが挙げら
れる。
【0017】上記のチタン化合物以外にも、チタニウム
アルコキシドやチタニウムキレートなどの有機チタネー
トを用いても良く、均一性が高く、且つ透明性の高い光
触媒膜を形成することが可能である。
【0018】これらの酸化チタンの表面および結晶構造
の内部に、Pt、Au、Ag、Cu、Pd、Ni、C
o、Fe、Zn、Mo、Ir、Bi、W、Os、Rh、
Nb、Sn、V、CrおよびRu等の種々の金属、その
イオンまたはその酸化物などの化合物を担持あるいはド
ーピングさせたりして複合しても良い。
【0019】本発明に係わるコルゲートハニカムとは、
JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準
拠して1枚のライナに波形状に加工した中しんを貼り合
わせて作製される片面段ボール複数枚を積層してなる開
孔を有するセル壁からなる構造体である。
【0020】本発明の光触媒部材は、中しんの段高さが
一定ではなく、且つ中しんの段頂の少なくとも一部がラ
イナと非接触であることを特徴とし、その具体例を図1
〜図5に例示する。
【0021】中しんの段高さは特に限定されるものでは
ないが、ライナ間の距離(内寸)に対して50〜90%
であることが好ましく、50%未満ではセル穴が小さく
なって通気性が低下し、一方、90%を越えると非接触
面に光が届き難くなり、好ましくない。
【0022】本発明においては、中しんの段頂の総数に
対するライナと非接触である段頂の数の比が0.25以
上であることが好ましく、特に0.3以上であることが
更に好ましく、受光面積が十分に広くなり、光触媒性
能、特に脱臭性能の向上が達成される。一方、この比の
上限は特に限定されるものではないが、非接触部が多く
なり過ぎると光触媒部材の強度が低下するなどの問題が
生じるため、0.5以下であることが好ましい。
【0023】本発明に係わる段高さが一定ではない中し
んの製造方法は、特に限定されるものではないが、例え
ば、段の高さを一定とせずに変化させた段ロールを用い
て段成形する方法、およびテンションやロールの回転速
度を調整するなどして段高さが不揃いな不整段を成形す
る方法などが挙げられる。
【0024】本発明に係わる中しんの波形状は、一般に
正弦波または疑似正弦波であるが特に限定されるもので
はなく、海波、三角波、方形波、半円や扇形の弧がつな
がった波などの波形でも良い。
【0025】本発明の光触媒部材は、ライナがセルの開
口面に対して斜めの角度を有しても良く、光のもれが少
なく、脱臭性が向上する利点がある。このようなコルゲ
ートハニカムは、例えば、大きめの片段ボールを順次接
着しながら積層してコルゲートブロックを作製し、この
コルゲートブロックをライナ面に対して一定の角度で斜
めに切断して作製することができる。
【0026】また、本発明の光触媒部材は、中しんの流
れ方向がセルの開口面と交差しても良く、光のもれが少
なく、脱臭性が向上する利点がある。このようなコルゲ
ートハニカムは、例えば上記と同様にしてコルゲートブ
ロックを作製し、このコルゲートブロックを中しんの流
れ方向に対して一定の角度で斜めに切断して作製するこ
とができる。更に、本発明の光触媒部材は、コルゲート
ハニカムの隣接する2つの中しんの流れ方向が交差する
ことをが好ましく、このような中しんの流れ方向が交差
したコルゲートハニカムは、例えば、特開昭48−31
541号公報に開示されている平板(ライナ)と波型板
(中しん)を交互に積層し且つ2つの空気が直行するよ
うに構成したものをコルゲートブロックとし、これを切
断して作製することができる。なお、中しんの流れ方向
が交差する角度は直角に限定されるものではなく、所望
の角度で積層することができ、各段毎に交差する角度は
一定に積層しても良く、また、無作為に積層しても良
い。
【0027】本発明の光触媒部材におけるコルゲートハ
ニカム状部材は、通常用いられる材料によって作製され
る。その種類は限定されることはないが、例えば、各種
の紙、不織布、樹脂フィルムなどのシート、セラミッ
ク、ガラス、金属、木材などを用いることができる。本
発明においては、光触媒を担持した繊維状シート、例え
ば紙、不織布、布帛などは多孔質構造であり、光触媒と
臭気物質との接触の機会が多いため、特に好ましい。
【0028】上記の各種材料に光触媒を担持させて、本
発明の光触媒部材とするには、例えば、各種の紙、不織
布、樹脂フィルムなどのシートは、光触媒を抄き込み、
含浸、練り込みなどの各種の方法により、担持させた
後、コルゲート状に加工して、光触媒部材とする。ま
た、酸化チタン、酸化亜鉛などの光触媒を、そのままコ
ルゲートの構成材料としてもよい。また、あらかじめコ
ルゲート状部材とした構造体に、各種の光触媒を担持さ
せてもよい。また、下記に挙げるような各種脱臭剤、中
でも吸着剤をコルゲートの構成材料として用いたり、も
しくは光触媒と併用するとさらに効果的である。
【0029】本発明の光触媒部材は、本発明の趣旨を逸
脱しない限りにおいて、脱臭剤以外にも、抗菌剤、防黴
剤、抗ウイルス剤、防虫剤、殺虫剤、害虫忌避剤、芳香
剤などの各種薬剤を併用しても良い。このような抗菌剤
または防黴剤、抗ウイルス剤として、銀や亜鉛または燐
酸カルシウムなどを主成分とする無機系抗菌剤、ベンツ
イミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、ク
ロロヘキシジン系などの有機系抗菌剤、キチンやキトサ
ンなどの高分子系抗菌剤、茶や柿などから抽出されるカ
テキンや孟宋竹抽出エキス、ヒノキチオールなどの天然
物由来の抗菌剤およびこれらを複合したハイブリット抗
菌剤などが挙げられる。
【0030】本発明に用いられる脱臭剤とは、主に悪臭
を除去する目的で用いられる薬剤であり、具体的には吸
着剤、鉄アスコルビン酸や鉄、コバルトまたはマンガン
等の金属フタロシアニン誘導体などの酵素系脱臭剤、マ
ンガン系酸化物やペロブスカイト型触媒などの低温酸化
触媒、炭化珪素、窒化珪素、珪酸カルシウム、アルミナ
・シリカ系、ジルコニア系などの合成セラミクスや麦飯
石、フェルソング石などの遠赤外線セラミクス、植物抽
出成分に含まれる化合物であるカテキン、タンニン、フ
ラボノイド等を用いた消臭剤などが挙げられる。これら
の脱臭剤は必要に応じて複数のものを併用しても良く、
また、これらの脱臭剤を複合化したハイブリット脱臭剤
としても良い。
【0031】本発明に用いられる脱臭剤は、吸着剤、中
でも対象とする主な臭気物質に対して物理吸着を主体と
するものが好ましく、特に臭気物質の吸着熱量が11kcal
/mol以下であることが好ましく、臭気物質によって脱臭
性が飽和すること無く光触媒により再生される。
【0032】本発明に用いられる吸着剤としては、活性
炭、添着活性炭、活性炭素繊維、天然および合成ゼオラ
イト、活性アルミナ、活性白土、セピオライト、酸化鉄
などの鉄系化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シリ
カ、シリカ−酸化亜鉛複合物、シリカ−アルミナ−酸化
亜鉛複合物、複合フィロケイ酸塩、イオン交換樹脂、あ
るいはこれらの混合物などが挙げられる。吸着剤の中で
も、多孔質で表面積が多い物質は、光触媒に対する担体
としても機能する場合があり、好ましい。
【0033】本発明に係わる吸着剤は、特に限定される
ものではないが、塩基性ガス吸着剤またはアルデヒド吸
着剤であることが特に好ましい。
【0034】塩基性ガス吸着剤とは、主に酸性物質を含
有する吸着剤であり、具体的には、フマル酸、マレイン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、スチレン
スルフォン酸、アルギン酸などの有機酸またはその多量
体やオリゴマーまたはポリマーなどの重合体、活性白土
などの酸性基を有する無機吸着剤および燐酸などの酸性
物質を添着した酸添着活性炭等が挙げられる。
【0035】本発明に係わるアルデヒド吸着剤とは、ア
セトアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド類
と親和性が高い吸着剤であり、アミン添着活性炭、ハイ
シリカゼオライトおよびモレキュラーシーブなどが挙げ
られる。
【0036】本発明に係わるアミン添着活性炭とは、各
種アルデヒドと化学吸着反応を起こすアミン類を添着し
てなる活性炭である。
【0037】本発明に係わるハイシリカゼオライトは、
化学的には通常のゼオライトと同じくアルミノシリケー
ト金属塩の結晶であるが、特に結晶中のアルミナに対す
るシリカの割合が高く、シリカ構造中の酸素原子が塩基
性をほとんど持たない。
【0038】このようなハイシリカゼオライトは表面の
Si−O−Si結合が水素結合の形成に関与せず、疎水
性を示して水分子を吸着しないため、高湿度環境下およ
び高温度環境下においても効率良くアルデヒド類を吸着
することが可能である。そこでハイシリカゼオライトは
疎水性ゼオライトと呼ばれる場合がある。
【0039】更に、ハイシリカゼオライトはアルデヒド
類のみならず、広範囲の臭気物質、例えば有機酸、アン
モニア、アミン類、ケトン類、硫化水素やメルカプタン
類などの含硫黄化合物、インドール類などを吸着できる
ため、本発明に係わる吸着剤としては殊更に好ましいも
のである。
【0040】本発明の光触媒部材は、光触媒性能を低下
させる硫酸イオンや硝酸イオンなどを洗浄除去できるよ
うに水洗可能であることが好ましい。水洗可能性を得る
ために、コルゲートハニカムを作製する際の接着剤は適
度な耐水性を有することが好ましく、また、光触媒また
は所望により含有させる脱臭剤などの各種薬品は、水中
に流出しないように担持することが好ましい。
【0041】本発明の光触媒部材は除塵機能を有しても
良く、例えば、ライナまたは中しんの少なくとも一部を
エレクトレットなどの除塵性を有する素材で構成するこ
とができ、具体的には、光触媒を含有するシートとシー
ト状エレクトレットフィルターを貼り合わせた複層シー
トからコルゲートハニカムを作製する方法、およびライ
ナまたは中しんの内一方に光触媒を含有するシート、他
方にシート状エレクトレットフィルターを用いてコルゲ
ートハニカムを作製する方法などが挙げられる。
【0042】本発明に係わるエレクトレットとは、半永
久的に電気分極を保持し、外部に対して電気力を及ぼす
素材であって、その静電気力によって粒子を捕捉するも
のである。帯電方法としては、エレクトロエレクトレッ
ト、熱エレクトレット、ラジオエレクトレット、メカノ
エレクトレット、フォトエレクトレット、マグネットエ
レクトレットなどが挙げられるが、工業的に不織布フィ
ルターで用いられているものは、主にエレクトロエレク
トレットおよび熱エレクトレットであり、フィルター材
料としてはポリプロピレンまたはプロピレン主体の共重
合体が用いられることが多く、脂肪酸金属塩などが添加
される場合がある。
【0043】本発明の光触媒部材には、浄化しようとす
る流体を通過させることができる。該流体が気体の場合
には、通気手段は特に限定されるものではなく、シロッ
コ型、軸流型、プロペラ型、ターボ型、ラジアル型、ク
ロスフロー型などの各種ファンモータなどの送風機を用
いる方法、自然風または換気扇等の排気ファンやエアコ
ン等の空調機などが発する風を利用する方法、熱対流に
よる方法、乗用車などの移動に伴って生じる気流を利用
する方法などが挙げられる。
【0044】本発明の光触媒部材は、光触媒性能の向上
を目的として考案したものであるが、驚くべきことに通
気に伴って生じる騒音が減少し、騒音計で測定した音量
は殆ど変化していないにもかかわらず静穏性が改善され
ることが分かった。これは、セルの大きさおよび形状が
多様化することによって騒音の音域が分散し、聴感上の
音の大きさが低下したものと考えられる。
【0045】本発明の光触媒部材に励起光を照射する方
法としては、ブラックライト、捕虫灯、健康ランプ、殺
菌灯、一般照明用の蛍光灯、高圧水銀ランプ、メタルハ
ライドランプ、高圧ナトリウムランプなど専用の光源を
設けて照射する以外にも、光触媒方式の空気清浄化装置
が内蔵する光源が発する直接光や反射光等の間接光や多
孔質部材等からもれる漏洩光の照射、蛍光灯などの室内
照明光の照射、および屋外や窓際での日光の照射などを
利用することができる。光触媒励起光の照射は連続また
は断続のいずれを採ることも可能であり、特に、光源を
有さない装置の内部に設置されて使用中に励起光が当た
らない場合には、装置の停止中などに一時的に日光や室
内照明光を照射する手段もある。
【0046】本発明の光触媒部材の用途は特に限定され
るものではないが、例えば空気清浄機やエアコン等の空
調機に搭載される空気清浄化部材として用いることがで
き、優れた通気性と浄化機能を活かすことが可能であ
る。所望に応じては、更に脱臭フィルター、抗菌フィル
ターおよび集塵フィルターなどの各種フィルター、オゾ
ン発生器、およびイオン化線や電気集塵器等の除塵ユニ
ットなどの各種空気清浄化部品と組み合わせて使用する
ことができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を詳細に説明
するが、本発明はその主旨を越えない限り、これらに限
定されるものではない。
【0048】実施例1 JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準
拠して中しんとして市販の光触媒シート(ラジット光触
媒シート、三菱製紙(株)製)にB段に相当する段成形
を施した。図1に例示する形状となるように、この中し
んの山高さを調整しながらライナとして市販の光触媒シ
ート(ラジット光触媒シート、三菱製紙(株)製)と貼
り合わせて片面段ボールを作製し、次いでこの片面段ボ
ール複数枚を積層してコルゲートハニカムを作製し、こ
れを実施例1の光触媒部材とした。
【0049】実施例2および3 実施例1において、図1に代えて図2および図3とする
以外は全て実施例1と同様にコルゲートハニカムを作製
した。これらのコルゲートハニカムは図の番号が小さい
ものから順に各々実施例2および3の光触媒部材とし
た。
【0050】実施例4 JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準
拠して中しんおよびライナに市販の光触媒シート(ラジ
ット光触媒シート、三菱製紙(株)製)を用いて不整段
を段成形しながらJIS−Z−0104に記載のE段に
相当する片面段ボールを作製し、次いでこの片面段ボー
ル複数枚を積層してコルゲートハニカムを作製し、これ
を実施例4の光触媒部材とした。
【0051】比較例1 JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準
拠して中しんおよびライナに市販の光触媒シート(ラジ
ット光触媒シート、三菱製紙(株)製)を用いてB段に
相当する片面段ボールを作製し、次いでこの片面段ボー
ル複数枚を積層してコルゲートハニカムを作製し、これ
を比較例1の光触媒部材とした。
【0052】比較例2 比較例1において、B段に代えてJIS−Z−0104
に記載のE段とする以外は全て比較例1と同様にコルゲ
ートハニカムを作製し、これを比較例2の光触媒部材と
した。
【0053】以上、実施例および比較例で得られた光触
媒部材の特性を以下の方法により評価した。
【0054】[脱臭試験]実施例および比較例の光触媒
部材を、6Wのブラックランプを備えた5.6リットル
の密閉容器の底部にブラックランプからの距離が2cm
となるように静置した。次いで、容器中にアセトアルデ
ヒドを50ppm注入し、ブラックランプを点灯して1
0分後に容器中のアセトアルデヒド濃度(ppm)をガ
スクロマトグラフを用いて測定し、アセトアルデヒドの
除去速度(%/分)を求めた。
【0055】[運転音試験]実施例および比較例の光触
媒部材を市販の家庭用エアコン(商品名霧ケ峰、三菱電
機(株)製)の室内機の排気部に取り付けて送風運転
し、その運転音を5人の評価者A、B、C、DおよびE
が官能評価した。運転音は、無音を0、音はするが気に
ならないを1、気にはなるが耳障りではないを2、少し
耳障りを3、耳障りを4、聞くに耐えないを5と判定
し、数値が少ないほど運転音が少なく、静穏性に優れて
いる。
【0056】上記の方法により試験を行い、その性能を
評価した結果を表1に記載する。
【0057】
【表1】
【0058】表1の結果から、本発明の光触媒部材は、
脱臭性に優れ、高い光触媒性能を有することが分かる。
更に、本発明の光触媒部材は官能評価による通気時の運
転音が少なく、静穏性に優れていることが分かる。
【0059】
【発明の効果】本発明の光触媒部材、すなわち中しんの
段高さが一定ではなく、且つ中しんの段頂の少なくとも
一部がライナと非接触であることを特徴とするコルゲー
トハニカム状の光触媒部材は、励起光の受光面が広く、
光触媒性能が優れると共に、通気時の運転音が少なくて
静穏性に優れる。従って、本発明の光触媒部材は、空気
清浄機やエアコン等の空調機などに搭載される空気清浄
化フィルター、特に脱臭フィルターとして著しく有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒部材の一実施例を示す部分拡大
正面図である。
【図2】本発明の光触媒部材の一実施例を示す部分拡大
正面図である。
【図3】本発明の光触媒部材の一実施例を示す部分拡大
正面図である。
【図4】本発明の光触媒部材の一実施例を示す部分拡大
正面図である。
【図5】本発明の光触媒部材の一実施例を示す部分拡大
正面図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/04 311 B01D 53/36 ZABJ Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 CC02 CC03 CC04 CC05 CC07 CC08 CC09 CC12 CC13 HH05 JJ03 KK02 LL02 MM01 MM02 NN22 NN24 4D048 AA22 AB03 BA07X BA13X BA16Y BA19Y BA27Y BA41X BB02 BB12 CC38 CC40 CD03 CD05 EA01 4G069 AA03 AA11 BA04A BA04B BA48A BB04A BC35A BC43A BC60A CA01 CA11 CA17 EA21 EA25 EB02 EB10 EB12X EC22Y

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒を含有するコルゲートハニカム状
    の光触媒部材において、中しんの段高さが一定ではな
    く、且つ中しんの段頂の少なくとも一部がライナと非接
    触であることを特徴とする光触媒部材。
  2. 【請求項2】 中しんの段頂の総数に対するライナと非
    接触である段頂の数の比が0.25以上であることを特
    徴とする請求項1記載の光触媒部材。
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WO2020145345A1 (ja) * 2019-01-09 2020-07-16 王子ホールディングス株式会社 エアフィルタ
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