JP2001093731A - インダクタ内蔵積層部品及びその製造方法 - Google Patents

インダクタ内蔵積層部品及びその製造方法

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JP2001093731A
JP2001093731A JP26825499A JP26825499A JP2001093731A JP 2001093731 A JP2001093731 A JP 2001093731A JP 26825499 A JP26825499 A JP 26825499A JP 26825499 A JP26825499 A JP 26825499A JP 2001093731 A JP2001093731 A JP 2001093731A
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internal
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Masayuki Yoshida
政幸 吉田
Junichi Sudo
純一 須藤
Shunji Aoki
俊二 青木
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造容易で、小型高精度かつ高周波特性の良
好なインダクタ内蔵積層部品を得る。 【解決手段】 支持体としてのPETフィルム1に形成
されたセラミックグリーンシート3に内部電極形成パタ
ーン7の空間を設け、該空間に導電ペースト10を充填
して当該セラミックグリーンシートと略同じ厚さの導電
ペーストの内部導体を設けた内部導体形成絶縁層20を
作製し、該内部導体形成絶縁層20を、各層の内部導体
が相互に接続されるように積層した後、前記セラミック
グリーンシートと前記内部導体とを同時焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体の巻回構造を
有する積層セラミックインダクタや、インダクタを内蔵
したLC複合部品、EMC関連部品等のインダクタ内蔵
積層部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の積層セラミックインダクタの製法
は、グリーンシートと呼ばれる数μm〜数十μmの厚さ
に成形された未焼成セラミック絶縁体シートに、YAG
レーザや金型等でスルーホールを加工し、スクリーン印
刷法で金属粉末(Ag系、Ag合金、Cu等)をペース
ト化した材料を用いて、図8のようにスルーホール52
の中に内部接続用金属ペーストを埋め込むとともにグリ
ーンシート50上に金属ペーストによる内部導体巻パタ
ーン51を形成している。その後、スルーホール埋め込
み及び内部導体巻パターンが施されたグリーンシートを
多層に重ねて積層体ブロックを作製し、個品に切断して
焼成し、得られた焼結体に外部電極を形成することによ
り製品化している。
【0003】図8の従来技術による積層セラミックイン
ダクタの構造例から判るように、絶縁体層としてのグリ
ーンシート50の上に内部導体巻パターン51が重ねて
形成されるため、内部導体の存在する所とその他の部分
で内部導体の肉厚相当の段差が発生することが判る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来製
法では、絶縁体シート上に内部導体が形成されるが、絶
縁体シート厚(約20μm程度又はそれ以下)に対して
内部導体厚(約15μm程度又はそれ以下)が無視でき
ない厚さであり、内部導体が形成されている部分では、
内部導体が存在しない部分に比べて厚みが大きくなり、
両者の間で段差が生じ、その段差に起因してシート積層
時における積層ずれが発生しがちであり、絶縁体シート
と内部導体を接着させるために大きなプレス圧(500
kg〜1000kg/cm程度)が必要となる。よってプレ
ス後の変形が著しく、焼成後のインダクタンスばらつき
が大きくなる。また、積層ずれ、プレス変形を考慮する
ため、設計マージンが少なくなり、取得インダクタンス
範囲が小さくなる。
【0005】本発明は、内部導体を設けたことによる段
差を解消して、プレス変形を防止して、高精度のインダ
クタ等を得られるようにしている。
【0006】なお、内部導体をグリーンシートに設ける
ことによる段差を解消するために、特開平9−1157
66号公報、特開平9−320909号公報の提案があ
る。但し、特開平9−115766号公報は段差排除の
ために別のグリーンシートを配設するため、工程数が多
くなる。特開平9−320909号公報は内部導体を先
にフィルム上に形成し、あとからグリーンシートを設け
る方法であるが、内部導体により凹凸が形成された所に
グリーンシートを平坦に形成するための工夫が実際には
必要となる。
【0007】本発明は、上記の点に鑑み、製造容易で、
小型高精度かつ高周波特性の良好なインダクタ内蔵積層
部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係るインダクタ内蔵積層部品
は、セラミック絶縁体層の内部導体形成パターンの空間
に当該セラミック絶縁体層と略同じ厚さの導電ペースト
の内部導体を設けた内部導体形成絶縁層が、各層の内部
導体が相互に接続されるように積層されてなり、前記内
部導体は前記セラミック絶縁体層と同時焼成可能な金属
材質であることを特徴としている。
【0010】本願請求項2の発明に係るインダクタ内蔵
積層部品は、前記請求項1において、前記セラミック絶
縁体層が感光性高分子材料を含んでいて、露光、現像に
より前記内部導体形成パターンの空間が形成されている
ものである。
【0011】本願請求項3の発明に係るインダクタ内蔵
積層部品の製造方法は、支持体に形成された未焼成セラ
ミック絶縁体層に内部電極形成パターンの空間を設け、
該空間に導電ペーストを充填して当該セラミック絶縁体
層と略同じ厚さの導電ペーストの内部導体を設けた内部
導体形成絶縁層を作製し、該内部導体形成絶縁層を、各
層の内部導体が相互に接続されるように積層した後、前
記未焼成セラミック絶縁体層と前記内部導体とを同時焼
成したことを特徴としている。
【0012】本願請求項4の発明に係るインダクタ内蔵
積層部品の製造方法は、前記請求項3において、隣接す
る前記内部導体形成絶縁層同士を接着してから前記支持
体を剥離することを特徴としている。
【0013】本願請求項5の発明に係るインダクタ内蔵
積層部品の製造方法は、前記請求項3又は4において、
前記未焼成セラミック絶縁体層が感光性高分子材料をバ
インダとして用いたものであり、露光及び現像処理によ
って前記内部導体形成パターンの空間を形成することを
特徴としている。
【0014】本願請求項6の発明に係るインダクタ内蔵
積層部品の製造方法は、前記請求項3,4又は5におい
て、前記内部電極形成パターンの空間に前記導電ペース
トを充填する手段として、加圧チャンバーと、該加圧チ
ャンバーの一部分をなし下面を塞ぐよう着脱自在に装着
されたペーストマスクとを備える機構を用い、前記加圧
チャンバー内に前記導電ペーストを収容し、前記ペース
トマスクを前記未焼成セラミック絶縁体層上に位置決め
載置した状態で前記加圧チャンバー内を加圧すること
で、前記空間に対応したペースト吐出穴を有する前記ペ
ーストマスクを通して前記空間に前記導電ペーストを吐
出して充填することを特徴としている。
【0015】本願請求項7の発明に係るインダクタ内蔵
積層部品の製造方法は、前記請求項3,4又は5におい
て、前記内部電極形成パターンの空間に前記導電ペース
トを充填する手段として、前記導電ペーストを吐出する
注入スキージヘッドと、前記空間に対応したペースト通
過穴を有するマスクとを備える機構を用い、前記マスク
を前記未焼成セラミック絶縁体層上に位置決め載置した
状態で前記注入スキージヘッドが前記マスク上を移動し
ながら前記導電ペーストを吐出することで、前記マスク
を通して前記空間に前記導電ペーストを充填することを
特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るインダクタ内
蔵積層部品及びその製造方法の実施の形態を図面に従っ
て説明する。
【0017】図1乃至図4で本発明の第1の実施の形態
を説明する。これらの図において、シリコン処理工程#
1では、フレキシブルな支持体としてのPETフィルム
1の表面に剥離を容易にする処理として、シリコン塗布
層2を形成する。
【0018】次に、感光シート・フォトパターン法によ
り、内部導体形成パターンの空間を有する未焼成セラミ
ック絶縁体層としてのセラミックグリーンシートを形成
する。つまり、シート形成工程#2、露光工程#3、現
像・定着(除去・乾燥)工程#4を順次実行する。
【0019】前記シート形成工程#2において、シート
形成装置4でフレキシブルな支持体としてのPETフィ
ルム1上に、バインダとしての感光性高分子材料と可塑
剤と有機溶剤とセラミック絶縁体粉末(誘電体又は磁性
体)を混合した塗料を塗布しシート3に形成する。この
シート3がセラミックグリーンシートであり積層セラミ
ックインダクタとして焼成した後に絶縁体層となる。
【0020】露光工程#3において、そのセラミックグ
リーンシート3の面にフォトマスク6を被せ、露光装置
5からフォトマスク6を通して紫外線(UV,DUV)
を照射、露光し、現像・定着(除去・乾燥)工程#4の
現像装置(除去装置)8でアルカリ水溶液や溶剤等によ
りシート3の露光しない部分を除去し、定着装置(乾燥
装置)9で不要なアルカリ水溶液や溶剤等を除去して内
部導体形成パターン7の空間が構成される。この場合、
精密感光技術によりパターン精度を±3μm程度にする
ことができる。なお、感光性高分子材料の選択によって
は露光した部分を除去して内部導体形成パターン7を形
成することもできる。
【0021】このパターンニングされたシート3の内部
導体形成パターン7は空間(シート3の欠落部)であ
り、シート3と同時焼成可能なAg系、Ag合金、Cu
等の金属粉末材料をバインダ樹脂と有機溶剤等で混練
し、乾燥後の縮率が極めて小さくなるように調整した導
電ペーストをその空間に充填する。Ag注入工程#5に
おいて、金属粉末材料にAgを用いた導電ペースト10
を内部導体形成パターン7の空間に注入し充填すること
を示す。
【0022】図2はこのAg注入工程#5における注入
装置の構成例を示す。注入装置の構成は下方にテーブル
17と上方に加圧チャンバー11があり、加圧チャンバ
ー11の下面はステンレス鋼等の薄板でなるペーストマ
スク12である。上下シリンダ14はテーブル17に対
して固定されており、加圧チャンバー11は上下シリン
ダ14の上下するロッドの下端に保持されている。上下
シリンダ14は例えば空圧シリンダであり空圧を供給し
てロッドを上下させると、ロッドの下端に保持された加
圧チャンバー11はテーブル17に対して上下する。加
圧チャンバー11に固定するペーストマスク12の下面
はテーブル17の上面に常に平行を保って上下する。テ
ーブル17はPETフィルム1を位置決め固定するが、
PETフィルム1上のシート3には内部導体形成パター
ン7があり、この内部導体形成パターン7の位置に対応
して、ペーストマスク12にエッチングで作製するペー
スト吐出穴13を配置する。このペースト吐出穴13は
対応する内部導体パターン7よりも径を小さくする方が
良く、かつ、内部導体形成パターン7のエッジよりも空
間側に離間する方が望ましい。また、一つの内部導体形
成パターン7に対してペースト吐出穴13を複数用意し
ても良い。
【0023】加圧チャンバー11の上部に空圧パイプ1
5が挿入され固着されている。空圧パイプ15の挿入端
は加圧チャンバー11の内部に連通し、空圧パイプ15
の他端は図示しない空圧回路に連通する。空圧回路から
圧力空気を供給すると加圧チャンバー11内を加圧する
ことになる。加圧チャンバー11の下面はペーストマス
ク12であり、ペーストマスク12は加圧チャンバー1
1の上部に対して着脱自在である。そうして、加圧チャ
ンバー11内に導電ペースト10を予め収容するが、導
電ペースト10はペーストマスク12の上面に載置され
ることになる。ペーストマスク12の上面に載置された
導電ペースト10の上側はラバー16が覆う、ラバー1
6は導電ペースト10が含む有機溶剤に耐えうる材質を
選択するが、柔軟なシート状の素材であればラバーに限
らず選択が可能である。なお、金属粉末材料にAgを用
いた導電ペーストに限らず本発明を適用できることは言
うまでもない。
【0024】図2に示す如く上下シリンダ14の待機時
はロッドを引っ込めておく、ロッドの下端に保持された
加圧チャンバー11は上昇している。テーブル17の上
面にPETフィルム1が位置決め固定されると、上下シ
リンダ14のロッドを下降し加圧チャンバー11も下降
する。ペーストマスク12の下面はグリーンシート3の
上面に接する。この状態で空圧パイプ15に矢印Pのご
とく圧力空気を供給すると、加圧チャンバー11内は加
圧されたラバー16を介して導電ペースト10が加圧さ
れる。導電ペースト10はペースト吐出穴13を通過し
て内部導体形成パターン7の空間に注入され充填され
る。
【0025】図3はAg注入工程#5における図2と異
なる手段として、注入スキージヘッド22を用いる構成
例を示す、注入スキージヘッド22の下方にテーブル1
7があり、テーブル17の上面にPETフィルム1が位
置決め固定され、PETフィルム1上のシート3には内
部導体形成パターン7があることは図2と同様である。
そのシート3の上面に接してマスク23を載置するが、
内部導体形成パターン7の位置に対応して、マスク23
にはエッチングや打ち抜きで作製するペースト通過穴2
4が配置されている。注入スキージヘッド22の構成は
図3の紙面に直行する方向に平たく延びた形状をしてお
り、図3はその断面を示すが、スキージ25の内側にペ
ースト吐出溝26とその上部に連続してシリンダ部27
があり、シリンダ部27にはピストン28が摺動自在に
嵌入する。ペースト吐出溝26及びシリンダ部27には
導電ペースト10を収容しておく。ペースト吐出溝26
はマスク23と接する側のみ開口し、シリンダ部27は
ピストン28が嵌入するとペースト吐出溝26側のみ開
口する。従って、ペースト吐出溝26の開口がマスク2
3に接している状態で、注入スキージヘッド22を矢印
Mの方向に所定の速度で移動しながら、シリンダ部27
にピストン28を所定の圧力Fで押し込むと導電ペース
ト10が加圧され、導電ペースト10はマスク23のペ
ースト通過穴24を通過して内部導体形成パターン7の
空間に注入され充填される。
【0026】その後、絶縁体層であるシート3と内部導
体である内部導体形成パターン7に充填した導電ペース
ト10を平板金型で挟持し加圧してもよい。この加圧は
厚みをより平坦化するために効果があるが、加圧しても
加圧しなくても、この時点で絶縁体層と内部導体が混在
する平坦なシート(内部導体形成絶縁層)が作製され
る。材質等が異なると積層したり加圧したときの寸法変
化が一律ではなく、最終的には多層積層体が得られた時
点で内部構造に完全に段差が生じないよう寸法変化を考
慮することが望ましい。
【0027】なお、各層の内部導体(導電ペースト1
0)が相互に接続して巻回コイルを構成するように、内
部導体形成パターン7として、コイル巻きパターン7a
の他にスルーホールパターン7b、引き出しパターン7
c等の必要種類のパターン(適宜変更可能)を形成す
る。
【0028】それ以後は、熱圧着積層工程#6におい
て、図4のようにコイル巻きパターン7a、スルーホー
ルパターン7b、引き出しパターン7c等の内部導体
が、セラミックグリーンシート3の空間(内部導体形成
パターン7で定められたもの)に設けられた内部導体形
成絶縁層20を所要枚数積層し、加熱圧着する。つま
り、加熱圧着装置30の切断部31にて内部導体形成絶
縁層20から不要な支持体としてのPETフィルム1を
剥がす(シリコン塗布層2もフィルム1と共に剥がれ
る)とともに多数個の内部導体が配列されたカード形状
に切断し、これを位置合わせ部32で画像処理により高
精度(積層精度±5μm以内)で位置合わせして所要枚
数積層し、加熱圧着部33で加熱圧着して多層構造積層
体ブロックを作製する。その後、1個の巻回コイルを有
するチップ個品に切断(厚み方向に切断)してから焼成
する(セラミック絶縁体層と内部導体とを同時焼成す
る。この時点で各層間の内部導体が焼結接合される。)
ことによって、段差レスの焼結体を作製し、これに所要
の外部電極を形成して製品とする。得られたインダクタ
内蔵積層部品は、セラミック絶縁体層(セラミックグリ
ーンシート3を焼成したもの)の空間に当該セラミック
絶縁体層と略同じ厚さの内部導体(導電ペースト10を
焼成したもの)を設けた内部導体形成絶縁層が、各層の
内部導体が相互に接続されるように積層一体化された構
造を有している。なお、必要に応じて図4のように外側
層には内部導体の無いセラミック絶縁体層を配するとよ
い。
【0029】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0030】(1) 絶縁体層と内部導体が混在する平坦
な内部導体形成絶縁層20のシートを用いるため、従来
技術の絶縁体層上に内部導体を重ねて印刷する構成に比
べて内部導体の厚みに起因する段差がなくなり積層ズレ
が極めて小さくなり、かつ、大きな加圧が不要になり加
圧変形が少なくなることによって、焼成後のインダクタ
ンスのばらつきが小さくなる。
【0031】(2) 露光工程#3においてフォトマスク
6を通して紫外線を照射、露光し、現像・定着(除去・
乾燥)工程#4で内部導体形成パターンの空間が作ら
れ、該空間に導電ペースト10を注入し充填するので、
内部導体パターン精度が露光・現像プロセスに支配され
て、従来の導電ペーストをスクリーン印刷等のパターン
印刷で形成する電極に対して、パターン精度(幅、ライ
ンピッチ)が高く、かつ、内部導体形成パターンの空間
に導電ペーストを注入し充填するため厚みばらつきが小
さくなる。
【0032】(3) 主に絶縁体層と内部導体が混在する
平坦なシートを作製し積層するから、製造プロセスが比
較的単純でかつ寸法精度を高めることができる。
【0033】(4) 総じて、比較的簡単な工程によっ
て、より小型で高精度な特性を有する積層セラミックイ
ンダクタやインダクタ内蔵積層部品を提供できる。
【0034】図5は本発明の第2の実施の形態を示す。
この場合、シリコン処理工程#1乃至Ag注入工程#5
までは第1の実施の形態と同じであり、それ以後の工程
が異なっている。つまり、Ag注入工程#5で内部電極
となる導電ペースト注入後のセラミックグリーンシー
ト、つまり内部導体形成絶縁層20をシリコン塗布層2
上に有するPETフィルム1を精密積層工程#7におけ
る積層機35により、カード形状に切断して内部導体形
成絶縁層を得る。そして、隣接層の内部導体が電気的に
接続するように隣接層のセラミックグリーンシート3同
士(内部導体形成絶縁層同士)を対面する向きで加熱圧
着し、その後外側のPETフィルム1をシリコン塗布層
2と共にそれぞれ引き剥がして、グリーンシート3が2
枚1組となった内部導体形成絶縁層とし、さらに、これ
を巻回コイルが構成されるように必要枚数積層して積層
体全体を加熱圧着する。以後の処理は第1の実施の形態
と同じである。
【0035】この第2の実施の形態の場合、セラミック
グリーンシート3の空間に内部導体となる導電ペースト
10を略同じ厚さで注入形成した隣り合う内部導体形成
絶縁層同士を加熱圧着後に外側のPETフィルム1をシ
リコン塗布層2と共に引き剥がすため、PETフィルム
を剥離する際のセラミックグリーンシートの変形が無
く、とくにセラミックグリーンシート3が薄い場合に有
効である。その他の作用効果は前述の第1の実施の形態
と同様である。
【0036】なお、各実施の形態において、セラミック
グリーンシートの内部導体形成パターン7の空間(シー
トの欠落部)に内部導体が形成されているから、セラミ
ックグリーンシートの上下面に内部導体は露出してお
り、スルーホールを設けないで内部導体同士を接続する
構成とすることも可能である。但し、上下の内部導体同
士が接続点以外では重ならないようにパターン設計する
必要があり、例えば、図6のように1/4ターンのコイ
ル巻きパターン7pの導電ペースト10と、1/2ター
ンのコイル巻きパターン7qの導電ペースト10とを組
み合わせて接続したものに引き出しパターン7rを成す
導電ペースト10を接続した内部導体のパターン構成と
することが可能である。
【0037】また、図7のように、1/4ターンのコイ
ル巻きパターン7xの導電ペースト10を相互に組み合
わせて接続したものに引き出しパターン7yを成す導電
ペースト10を接続した内部導体のパターン構成とする
ことも可能である。
【0038】また、各実施の形態において、セラミック
グリーンシートは非磁性材であっても磁性材であっても
よい(誘電体でも磁性体でもよい)。
【0039】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
セラミックグリーンシートの空間(内部導体形成パター
ンとして除去した部分)に内部導体が位置することにな
るため、各層のセラミックグリーンシートを完全段差レ
スで多層に積層可能であり、積層ずれを著しく小さく
し、かつ大きなプレス圧を不要にできる。また、プレス
変形が少なくなることによって、焼成後のインダクタン
スのばらつきを小さくできる。
【0041】さらに、比較的簡単な工程によって、より
小型高精度の積層セラミックインダクタ等を安定的に製
造可能である。
【0042】本発明は、積層セラミックインダクタに限
らずLC複合部品、EMC関連部品等、導体の巻構造を
有する積層焼成型部品に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインダクタ内蔵積層部品及びその
製造方法の第1の実施の形態を示す工程図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態で用いる導電ペース
トの注入装置の構成例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態で用いる導電ペース
ト注入のための注入スキージヘッドの構成例を示す概略
断面図である。
【図4】第1の実施の形態で得られる各々の内部導体形
成絶縁層及びその積層順序の例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す工程図であ
る。
【図6】スルーホールを設けない場合の内部導体パター
ン例を示す斜視図である。
【図7】スルーホールを設けない場合の内部導体パター
ンの他の例を示す斜視図である。
【図8】従来技術による積層インダクタの積層構造例を
示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 PETフィルム 2 シリコン塗布層 3,50 セラミックグリーンシート 4 シート形成装置 5 露光装置 6 フォトマスク 7 内部導体形成パターン 8 現像装置 9 定着装置 10 導電ペースト 11 加圧チャンバー 12 ペーストマスク 13 ペースト吐出穴 14 上下シリンダ 15 空圧パイプ 16 ラバー 17 テーブル 20 内部導体形成絶縁層 22 注入スキージヘッド 23 マスク 24 ペースト通過穴 25 スキージ 26 ペースト吐出溝 27 シリンダ部 28 ピストン 30 加熱圧着装置 31 切断部 32 位置合わせ部 33 加熱圧着部 35 積層機 #1 シリコン処理工程 #2 シート形成工程 #3 露光工程 #4 現像・定着工程 #5 Ag注入工程 #6 現状量産積層工程 #7 精密積層工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 俊二 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5E062 DD04 5E070 AA01 AB01 BA12 CB13 CB17 CB20 CC10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック絶縁体層の内部導体形成パタ
    ーンの空間に当該セラミック絶縁体層と略同じ厚さの導
    電ペーストの内部導体を設けた内部導体形成絶縁層が、
    各層の内部導体が相互に接続されるように積層されてな
    り、前記内部導体は前記セラミック絶縁体層と同時焼成
    可能な金属材質であることを特徴とするインダクタ内蔵
    積層部品。
  2. 【請求項2】 前記セラミック絶縁体層は、感光性高分
    子材料を含んでいて、露光、現像により前記内部導体形
    成パターンの空間が形成されている請求項1記載のイン
    ダクタ内蔵積層部品。
  3. 【請求項3】 支持体に形成された未焼成セラミック絶
    縁体層に内部電極形成パターンの空間を設け、該空間に
    導電ペーストを充填して当該セラミック絶縁体層と略同
    じ厚さの導電ペーストの内部導体を設けた内部導体形成
    絶縁層を作製し、該内部導体形成絶縁層を、各層の内部
    導体が相互に接続されるように積層した後、前記未焼成
    セラミック絶縁体層と前記内部導体とを同時焼成したこ
    とを特徴とするインダクタ内蔵積層部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 隣接する前記内部導体形成絶縁層同士を
    接着してから前記支持体を剥離する請求項3記載のイン
    ダクタ内蔵積層部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記未焼成セラミック絶縁体層が感光性
    高分子材料をバインダとして用いたものであり、露光及
    び現像処理によって前記内部導体形成パターンの空間を
    形成する請求項3又は4記載のインダクタ内蔵積層部品
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記内部電極形成パターンの空間に前記
    導電ペーストを充填する手段として、加圧チャンバー
    と、該加圧チャンバーの一部分をなし下面を塞ぐよう着
    脱自在に装着されたペーストマスクとを備える機構を用
    い、前記加圧チャンバー内に前記導電ペーストを収容
    し、前記ペーストマスクを前記未焼成セラミック絶縁体
    層上に位置決め載置した状態で前記加圧チャンバー内を
    加圧することで、前記空間に対応したペースト吐出穴を
    有する前記ペーストマスクを通して前記空間に前記導電
    ペーストを吐出して充填する請求項3,4又は5記載の
    インダクタ内蔵積層部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記内部電極形成パターンの空間に前記
    導電ペーストを充填する手段として、前記導電ペースト
    を吐出する注入スキージヘッドと、前記空間に対応した
    ペースト通過穴を有するマスクとを備える機構を用い、
    前記マスクを前記未焼成セラミック絶縁体層上に位置決
    め載置した状態で前記注入スキージヘッドが前記マスク
    上を移動しながら前記導電ペーストを吐出することで、
    前記マスクを通して前記空間に前記導電ペーストを充填
    する請求項3,4又は5記載のインダクタ内蔵積層部品
    の製造方法。
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