JPH07192953A - 積層型電子部品の製造方法 - Google Patents

積層型電子部品の製造方法

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JPH07192953A
JPH07192953A JP5332136A JP33213693A JPH07192953A JP H07192953 A JPH07192953 A JP H07192953A JP 5332136 A JP5332136 A JP 5332136A JP 33213693 A JP33213693 A JP 33213693A JP H07192953 A JPH07192953 A JP H07192953A
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JP
Japan
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film
sheet
conductor
layer
insulating
Prior art date
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JP5332136A
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English (en)
Inventor
Chikashi Nakazawa
睦士 中澤
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液状の導電ペーストを直接シートに印刷する
場合の問題点を排除して積層チップインダクタ等の積層
型電子部品を的確且つ安定して製造できる方法を提供す
ること。 【構成】 第1フィルムS1と第3フィルムS3の磁性
体層Gを所定のシート形状で熱転写し、磁性体シートG
Sとスルーホール付き磁性体シートGSとを所定の順序
で積み重ねると共に、第2フィルムS2の導体層Dを積
み重ね途中の磁性体シートGS上に所定のパターン形状
で熱転写し、磁性体シートGSを介し隣接する導体パタ
ーンDPをスルーホールHを通じてコイル状に接続して
いるので、磁性体シートGSにピンホールや切れ目等が
ある場合でも同部分への導体浸入を抑制でき、また溶剤
浸透を原因としたシートアタックや焼成時における変形
の問題を未然に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層構造のコイル導体
を備えた積層チップインダクタ,積層トランス,LC複
合部品等の積層型電子部品に有用な製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種の積層型電子部品に係り、一例と
して積層チップインダクタの従来の製造方法を以下に説
明する。
【0003】まず、PET等のベースフィルム上にドク
ターブレード法によって高透磁率スラリーを所定厚で塗
工して該フィルム上に磁性体層を形成する。次に、ベー
スフィルム上の磁性体層を所定のシート形状に切断し、
切断されたシートをベースフィルムから剥離する。次
に、剥離された磁性体シートに金型打ち抜き等の方法に
よってスルーホールを形成する。次に、導電ペーストを
材料とし、剥離された磁性体シート上にスクリーン印刷
法によってその接続端部がスルーホールに重なるように
コイル用導体パターンを形成する。次に、導体パターン
形成後の複数種の磁性体シートをダミーシートと共に所
定の順序で積み重ねて圧着する。次に、積層体を部品寸
法に切断し、切断後の積層チップを焼成する。次に、焼
成後の積層チップの所定位置に外部端子となる導電ペー
ストを塗布して焼き付ける。以上で上記の積層チップイ
ンダクタが製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法で
は、液状の導電ペーストを直接磁性体シートに印刷して
いるため、該磁性体シートにピンホールや切れ目等があ
ると同部分に導電ペーストが浸入してインダクタンス変
化や短絡等の不良を生じる問題点がある。また、導電ペ
ーストに含まれる溶剤と磁性体シートとの相性が悪い
と、該溶剤が磁性体シートに浸透してシートアタック
(裂け)を生じたり、焼成時に縮みやしわ等の変形を生
じて導体パターンの位置精度や導体パターンとスルーホ
ールとの相対精度が大きく低下する問題点がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、液状の導電ペーストを直
接シートに印刷する場合の問題点を排除して積層チップ
インダクタ等の積層型電子部品を的確且つ安定して製造
できる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、積層型電子部品の製造方法に係
り、ベースフィルム一面に未焼成の絶縁体層を設けて形
成された第1フィルムを用意する工程と、ベースフィル
ム一面に導体層を設けて形成された第2フィルムを用意
する工程と、第1フィルムの絶縁体層にスルーホールを
設けて形成された第3フィルムを用意する工程と、第1
フィルムと第3フィルムの絶縁体層を所定のシート形状
で熱転写し、絶縁体シートとスルーホール付き絶縁体シ
ートとを所定の順序で積み重ねる工程と、第2フィルム
の導体層を積み重ね途中の絶縁体シート上に所定のパタ
ーン形状で熱転写し、絶縁体シートを介し隣接する導体
パターンをスルーホールを通じてコイル状に接続する工
程とを具備したことを特徴としている。
【0007】請求項2の発明は、積層型電子部品の製造
方法に係り、ベースフィルム一面に未焼成の絶縁体層を
設けて形成された第1フィルムを用意する工程と、ベー
スフィルム一面に所定形状の導体パターンを設けて形成
された第2フィルムを用意する工程と、第1フィルムの
絶縁体層にスルーホールを設けて形成された第3フィル
ムを用意する工程と、第1フィルムと第3フィルムの絶
縁体層を所定のシート形状で熱転写し、絶縁体シートと
スルーホール付き絶縁体シートとを所定の順序で積み重
ねる工程と、第2フィルムの導体パターンを積み重ね途
中の絶縁体シート上に熱転写し、絶縁体シートを介し隣
接する導体パターンをスルーホールを通じてコイル状に
接続する工程とを具備したことを特徴としている。
【0008】請求項3の発明は、積層型電子部品の製造
方法に係り、ベースフィルム一面に未焼成の絶縁体層を
設けて形成された第1フィルムを用意する工程と、ベー
スフィルム一面に導体層を設けて形成された第2フィル
ムを用意する工程と、第1フィルムの絶縁体層にスルー
ホールを設けて形成された第3フィルムを用意する工程
と、第1フィルムと第3フィルムの絶縁体層をベースフ
ィルムごと所定のシート形状で打ち抜き、打ち抜かれた
絶縁体シートを下側シートに圧着した後にベースフィル
ムを剥離して絶縁体シートとスルーホール付き絶縁体シ
ートとを所定の順序で積み重ねる工程と、第2フィルム
の導体層を積み重ね途中の絶縁体シート上に所定のパタ
ーン形状で熱転写し、絶縁体シートを介し隣接する導体
パターンをスルーホールを通じてコイル状に接続する工
程とを具備したことを特徴としている。
【0009】請求項4の発明は、積層型電子部品の製造
方法に係り、フィルム一面に未焼成の絶縁体層を設けて
形成された第1フィルムを用意する工程と、フィルム一
面に所定形状の導体パターンを設けて形成された第2フ
ィルムを用意する工程と、第1フィルムの絶縁体層にス
ルーホールを設けて形成された第3フィルムを用意する
工程と、第1フィルムと第3フィルムの絶縁体層をベー
スフィルムごと所定のシート形状で打ち抜き、打ち抜か
れた絶縁体シートを下側シートに圧着した後にベースフ
ィルムを剥離して絶縁体シートとスルーホール付き絶縁
体シートとを所定の順序で積み重ねる工程と、第2フィ
ルムの導体パターンを積み重ね途中の絶縁体シート上に
熱転写し、絶縁体シートを介し隣接する導体パターンを
スルーホールを通じてコイル状に接続する工程とを具備
したことを特徴としている。
【0010】請求項5の発明は、積層型電子部品の製造
方法に係り、ベースフィルム一面に導体層を設けて形成
された導体供給フィルムを用意する工程と、未焼成の絶
縁体シートとスルーホールが形成された未焼成の絶縁体
シートとを所定の順序で積み重ねる工程と、導体供給フ
ィルムの導体層を積み重ね途中の絶縁体シート上に所定
のパターン形状で熱転写し、絶縁体シートを介し隣接す
る導体パターンをスルーホールを通じてコイル状に接続
する工程とを具備したことを特徴としている。
【0011】請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れ
か1項記載の積層型電子部品の製造方法において、導体
層または導体パターンを厚膜形成法によってベースフィ
ルム一面に形成したことを特徴としている。
【0012】請求項7の発明は、請求項1乃至5の何れ
か1項記載の積層型電子部品の製造方法において、導体
層または導体パターンを薄膜形成法によってベースフィ
ルム一面に形成したことを特徴としている。
【0013】請求項8の発明は、積層型電子部品の製造
方法に係り、ベースフィルム一面に所定形状の導体パタ
ーンを薄膜形成法によって設けて形成された導体供給フ
ィルムを用意する工程と、未焼成の絶縁体シートとスル
ーホールが形成された未焼成の絶縁体シートとを所定の
順序で積み重ねる工程と、導体供給フィルムの導体パタ
ーンを積み重ね途中の絶縁体シート上に熱転写し、絶縁
体シートを介し隣接する導体パターンをスルーホールを
通じてコイル状に接続する工程とを具備したことを特徴
としている。
【0014】請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れ
か1項記載の積層型電子部品の製造方法において、スル
ーホールをレーザ光照射によって形成したことを特徴と
している。
【0015】
【作用】請求項1乃至8の発明では、フィルムに設けた
導体層を絶縁体シート上に所定のパターン形状で熱転
写、或いはフィルムに設けた導体パターンを絶縁体シー
ト上に熱転写しているので、絶縁体シートにピンホール
や切れ目等がある場合でも同部分への導体浸入を抑制す
ることができる。また、転写された導体パターンに溶剤
が殆ど含まれていないので、該溶剤浸透を原因としたシ
ートアタックや焼成時における変形の問題を未然に防止
することができる。
【0016】請求項9の発明では、スルーホールをレー
ザ光照射によって形成しているので、絶縁体層を支持す
るフィルムを傷つけることなく該絶縁体層のみにスルー
ホールとなる孔を正確に形成できる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を積層チップインダクタに適
用した場合の製造例を図1乃至図10を参照して説明す
る。
【0018】まず、図1に示すように、帯状のベースフ
ィルムFの一面に未焼成の磁性体層Gを設けて形成され
た第1フィルムS1を用意する。ベースフィルムFはP
ET等の樹脂フィルム材から成り、磁性体層Gはベース
フィルムF上にNi−Zn−Cu系フェライト粉末等に
バインダーを混合して調製された高透磁率スラリーをド
クターブレード法によって一定厚で塗工することで形成
されている。
【0019】次に、図2に示すように、同上のベースフ
ィルムFの一面に導体層Dを設けて形成された第2フィ
ルムS2を用意する。導体層DはベースフィルムF上に
Ag粉末等にバインダー及び溶剤を混合して調製された
導電ペーストをドクターブレード法によって一定厚で塗
工しこれを乾燥することで形成されている。
【0020】次に、図4に示すように、上記第1フィル
ムS1の磁性体層GにスルーホールHを設けて形成され
た第3フィルムS3を用意する。スルーホールHはレー
ザ光照射によって形成されるもので、詳しくは図3に示
すようにYAG等のレーザ光源Rから発振されたノーマ
ルパルスのレーザ光をスルーホールに対応した透光部を
有するマスクに照射して該透光部を通過した光をガルバ
ノミラーGMで反射させ、これを図示省略のレンズで集
光して所定の結像比で磁性体層Gに照射し、1ショット
毎にレーザ照射位置を2自由度のガルバノミラーGMで
変更、或いはテーブルTをXY方向に移動させることで
実施される。複数のレーザ光を同時に磁性体層G照射で
きるようにすれば1ショットで複数個のスルーホールH
を一括で形成でき、加工時間の短縮が図れる。
【0021】次に、図5に示すように、積層チップイン
ダクタの下部保護層を構成する磁性体シートGSの積み
重ねを行う。この磁性体シートGSの積み重ねは昇降自
在なサーマルヘッドSHを利用して行われるもので、該
サーマルヘッドSHはヒータhを内蔵し、シート形状に
対応した転写凸部SHaを下面に有している。尚、熱転
写時に磁性体シートGS等が過剰な圧力で変形すること
を防止するため、サーマルヘッドSHはバネ材等による
定圧機構で支持されていることが望ましい。
【0022】積み重ねに際しては、先に用意した第1フ
ィルムS1を磁性体層Gを下向きにしてテーブルTとサ
ーマルヘッドSHとの間に供給し、同状態でサーマルヘ
ッドSHを降下させる。これにより、第1フィルムS1
がサーマルヘッドSHと共に降下して磁性体層Gがテー
ブルTに接触し、転写凸部SHaに対応する磁性体層G
の一部が加熱により軟化して所定のシート形状で転写さ
れる。
【0023】上記の磁性体シートGSの転写は、所定枚
数の磁性シートGSが積み重ねられるまで、第1フィル
ムS1を矢印方向に間欠移動させながら繰り返される。
【0024】次に、図6に示すように、積み重ねられた
磁性体シートGSの上にコイル導体の最下層を構成する
導体パターンDPを形成する。この導体パターンDPの
形成は図5と同様のサーマルヘッドSHを利用して行わ
れるが、ここでの転写凸部SHbは複数で各々がコ字形
やL字形等のパターン形状に対応している。
【0025】パターン形成に際しては、先に用意した第
2フィルムS2を導体層Dを下向きにして積み重ねられ
た磁性体シートGSとサーマルヘッドSHとの間に供給
し、同状態でサーマルヘッドSHを降下させる。これに
より、第2フィルムS2がサーマルヘッドSHと共に降
下して導体層Dが磁性体シートGSに接触し、各転写凸
部SHbに対応する導体層Dの一部が加熱により軟化し
て所定のパターン形状で転写される。
【0026】次に、図7に示すように、積層チップイン
ダクタのコイル層を構成する磁性体シートGSの積み重
ねを行う。この磁性体シートGSの積み重ねには図5と
同じサーマルヘッドSHが利用される。
【0027】積み重ねに際しては、先に用意した第3フ
ィルムS3を磁性体層Gを下向きにして導体パターンD
Pが転写された磁性体シートGSとサーマルヘッドSH
との間に供給し、同状態でサーマルヘッドSHを降下さ
せる。これにより、第3フィルムS3がサーマルヘッド
SHと共に降下して磁性体層Gが磁性体シートGS及び
導体パターンDPに接触し、転写凸部SHaに対応する
磁性体層Gの一部が加熱により軟化して所定のシート形
状で転写される。尚、同転写工程における導体パターン
DPとスルーホールHとの位置合わせは、スルーホール
形成過程で同時に形成した位置決め用マークを基準にし
て第3フィルムS3の供給位置を制御することで行われ
る。
【0028】次に、図8に示すように、スルーホール付
きの磁性体シートGSの上にコイル導体の2番目の層を
構成する導体パターンDPを形成する。この導体パター
ンDPの形成は図5と同様のサーマルヘッドSHを利用
して行われるが、ここでの転写凸部SHcは複数で各々
が図6とは異なるパターン形状に対応している。
【0029】パターン形成に際しては、先に用意した第
2フィルムS2を導体層Dを下向きにして積み重ねられ
た磁性体シートGSとサーマルヘッドSHとの間に供給
し、同状態でサーマルヘッドSHを降下させる。これに
より、第2フィルムS2がサーマルヘッドSHと共に降
下して導体層Dが磁性体シートGSに接触し、各転写凸
部SHcに対応する導体層Dの一部が加熱により軟化し
て所定のパターン形状で転写される。ここで転写された
導体パターンDPは、図9に示すようにその接続端部が
転写と同時に転写側磁性体シートGSのスルーホールH
に押し込まれ、該スルーホールHを通じて下側の導体パ
ターンDPと直接的に接触する。
【0030】上記のスルーホール付き磁性体シートGS
の転写と導体パターンDPの転写は、コイル導体の最上
層を構成する導体パターンDPを形成するまで、換言す
れば形成所定の周回が導体パターンDPによって得られ
るまで、スルーホール位置と転写パターンを変えながら
順次繰り返される。次に、図10に示すように、積層チ
ップインダクタの上部保護層を構成する磁性体シートG
Sの積み重ねを行う。この磁性体シートGSの積み重ね
には図5と同じサーマルヘッドSHが利用される。
【0031】積み重ねに際しては、先に用意した第1フ
ィルムS1を磁性体層Gを下向きにして導体パターンD
Pが転写された磁性体シートGSとサーマルヘッドSH
との間に供給し、同状態でサーマルヘッドSHを降下さ
せる。これにより、第1フィルムS1がサーマルヘッド
SHと共に降下して磁性体層GがテーブルTに接触し、
転写凸部SHaに対応する磁性体層Gの一部が加熱によ
り軟化して所定のシート形状で転写される。
【0032】上記の磁性体シートGSの転写は、所定枚
数の磁性シートGSが積み重ねられるまで、第1フィル
ムS1を矢印方向に間欠移動させながら繰り返される。
【0033】積層終了後は積層体を部品寸法に切断し、
切断後の積層チップを脱バイして焼成し、各積層チップ
の外面所定位置に外部端子用の導電ペーストを塗布して
焼き付ける。以上で磁性体内にコイル導体を埋設して構
成された積層チップインダクタの製造が完了する。
【0034】上述の実施例では、第2フィルムS2に設
けた導体層Dを積み重ね途中の磁性体シートGS上に所
定のパターン形状で熱転写しているので、磁性体シート
GSにピンホールや切れ目等がある場合でも同部分への
導体浸入を抑制して、インダクタンス変化や短絡等の不
良を確実に防止することができる。
【0035】しかも、転写された導体パターンDPに溶
剤が殆ど含まれていないので、該溶剤浸透を原因とした
シートアタックや焼成時における変形の問題を未然に防
止して、導体パターンDPの位置精度、並びに導体パタ
ーンDPとスルーホールHとの相対精度を向上させるこ
とができる。
【0036】また、第1フィルムS1と第3フィルムの
夫々に設けた磁性体層GをサーマルヘッドSHを利用し
て所定のシート形状で熱転写し、磁性体シートGSとス
ルーホール付き磁性体シートGSを所定の順序で積み重
ねているので、磁性体シートGSの薄層化を実現して小
型で良品質の積層チップインダクタを得ることができ
る。
【0037】更に、第3フィルムS3の磁性体層Gにレ
ーザ光照射によってスルーホールHを形成しているの
で、磁性体層Gを支持するベースフィルムFを傷つける
ことなく該磁性体層GのみにスルーホールHとなる孔を
正確に形成することができ、スルーホールHの形状不良
を原因とした導体パターン相互の接続異常の問題を確実
に防止することができる。
【0038】尚、上述の実施例では、第2フィルムS2
としてベースフィルムFの一面全体に導体層Dを設けた
ものを示したが、図11に示すように熱転写される所定
の導体パターンDPのみをベースフィルムFに設けて該
第2フィルムS2′を形成してもよい。この導体パター
ンDPはベースフィルムF上に上記同様の導電ペースト
をスクリーン印刷法等によって印刷して乾燥することで
形成することが可能であり、該導体パターンDPを熱転
写する場合のサーマルヘッドにはパターン形状に対応し
た転写凸部は不要で押圧面が平坦な図5のようなサーマ
ルヘッドが使用できる。
【0039】また、上述の実施例では、ベースフィルム
Fの一面に厚膜形成法によって導体層D及び導体パター
ンDPを形成したものを示したが、該導体層及び導体パ
ターンは蒸着やスパッタリング等の薄膜形成法によって
形成することも可能であり、シリコーン・コート等の離
型処理をベースフィルム側に施しておけば導体層及び導
体パターンとなるAg等の金属膜の付着力を適宜調整す
ることができる。この場合も上記実施例と同様の手順で
熱転写を行うことができる他、転写される導体パターン
として薄層のものを得て積層型チップインダクタの小型
化に貢献できる利点がある。
【0040】更に、上述の実施例では、第1フィルムS
1と第3フィルムS3に夫々設けた磁性体層Gをサーマ
ルヘッドSHを利用して所定のシート形状で熱転写する
ものを示したが、各磁性体層GをベースフィルムFごと
所定のシート形状で打ち抜き、打ち抜かれた磁性体シー
トGを下側シートに圧着した後にベースフィルムFを剥
離することで磁性体シートとスルーホール付き磁性体シ
ートとの積み重ねを行うことも可能である。詳しくは、
図12に示すようにシート形状に対応した抜き孔Kaを
有する型板Kと、シート形状に対応した吸引孔Pa付き
のパンチPと、吸引孔Ta付きのテーブルTを用意し、
第1フィルムS1または第3フィルムS3(図示省略)
を磁性体層Gを下向きにして型板K上に供給した後、パ
ンチPを降下させて磁性体層GをベースフィルムFごと
所定のシート形状で打ち抜き、これを吸着状態のままテ
ーブルT或いは下側シートに押し付けてから上昇させれ
ば、図13に示すように圧着された磁性体シートGSか
らベースフィルムFaのみを剥離することが可能であ
り、型板K上に供給されるフィルムを交換しながら圧着
と剥離を繰り返せば上記実施例と同様に磁性体シートと
スルーホール付き磁性体シートを所定の順序で積み重ね
ることができる。
【0041】更にまた、磁性体シートとスルーホール付
き磁性体シートの積み重ねは、先に述べた熱転写法や打
ち抜き法に限られるものではなく、例えばベースフィル
ム上にドクターブレード法によって高透磁率スラリーを
所定厚で塗工して該フィルム上に磁性体層を形成した
後、該ベースフィルム上の磁性体層を所定のシート形状
で切断し該シートをベースフィルムから剥離する方法
と、ベースフィルム上の磁性体シートにレーザ光照射に
よってスルーホールを形成してから所定の大きさに切断
し該シートをベースフィルムから剥離する方法によって
両シートを予め用意しておき、積層時にこれらを吸着搬
送して所定の順序で積み重ねるようにしてもよい。
【0042】以上、本発明は実施例に例示した積層チッ
プインダクタに限らず、磁性体や他の材料から成る絶縁
シートにスルーホール及びコイル用導体パターンを形成
するようにした他の積層型電子部品、例えば積層トラン
ス,LC複合部品等にも広く適用でき同様の効果を得る
ことができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至8の
発明によれば、フィルムに設けた導体層を絶縁体シート
上に所定のパターン形状で熱転写、或いはフィルムに設
けた導体パターンを絶縁体シート上に熱転写しているの
で、絶縁体シートにピンホールや切れ目等がある場合で
も同部分への導体浸入を抑制して、インダクタンス変化
や短絡等の不良を確実に防止することができる。しか
も、転写された導体パターンに溶剤が殆ど含まれていな
いので、該溶剤浸透を原因としたシートアタックや焼成
時における変形の問題を未然に防止して、導体パターン
の位置精度、並びに導体パターンとスルーホールとの相
対精度を向上させることができる。
【0044】請求項9の発明によれば、スルーホールを
レーザ光照射によって形成しているので、絶縁体層を支
持するフィルムを傷つけることなく該絶縁体層のみにス
ルーホールとなる孔を正確に形成することができ、スル
ーホールの形状不良を原因とした導体パターン相互の接
続異常の問題を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1フィルムの拡大断面図
【図2】第2フィルムの拡大断面図
【図3】第3フィルムの作成工程を示す図
【図4】第3フィルムの拡大断面図
【図5】磁性体シートの積層工程を示す図
【図6】導体パターンの形成工程を示す図
【図7】スルーホール付き磁性体シートを示す図
【図8】導体パターンの形成工程を示す図
【図9】スルーホール接続部の拡大断面図
【図10】磁性体シートの積層工程を示す図
【図11】第2フィルムの他の例を示す図
【図12】磁性体シートの他の積層方法を示す図
【図13】同上図
【符号の説明】
S1…第1フィルム、S2,S2′…第2フィルム、S
3…第3フィルム、F…ベースフィルム、G…磁性体
層、D…導体層、H…スルーホール、GS…磁性体シー
ト、DP…導体パターン。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルム一面に未焼成の絶縁体層
    を設けて形成された第1フィルムを用意する工程と、 ベースフィルム一面に導体層を設けて形成された第2フ
    ィルムを用意する工程と、 第1フィルムの絶縁体層にスルーホールを設けて形成さ
    れた第3フィルムを用意する工程と、 第1フィルムと第3フィルムの絶縁体層を所定のシート
    形状で熱転写し、絶縁体シートとスルーホール付き絶縁
    体シートとを所定の順序で積み重ねる工程と、 第2フィルムの導体層を積み重ね途中の絶縁体シート上
    に所定のパターン形状で熱転写し、絶縁体シートを介し
    隣接する導体パターンをスルーホールを通じてコイル状
    に接続する工程とを具備した、 ことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 ベースフィルム一面に未焼成の絶縁体層
    を設けて形成された第1フィルムを用意する工程と、 ベースフィルム一面に所定形状の導体パターンを設けて
    形成された第2フィルムを用意する工程と、 第1フィルムの絶縁体層にスルーホールを設けて形成さ
    れた第3フィルムを用意する工程と、 第1フィルムと第3フィルムの絶縁体層を所定のシート
    形状で熱転写し、絶縁体シートとスルーホール付き絶縁
    体シートとを所定の順序で積み重ねる工程と、 第2フィルムの導体パターンを積み重ね途中の絶縁体シ
    ート上に熱転写し、絶縁体シートを介し隣接する導体パ
    ターンをスルーホールを通じてコイル状に接続する工程
    とを具備した、 ことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 ベースフィルム一面に未焼成の絶縁体層
    を設けて形成された第1フィルムを用意する工程と、 ベースフィルム一面に導体層を設けて形成された第2フ
    ィルムを用意する工程と、 第1フィルムの絶縁体層にスルーホールを設けて形成さ
    れた第3フィルムを用意する工程と、 第1フィルムと第3フィルムの絶縁体層をベースフィル
    ムごと所定のシート形状で打ち抜き、打ち抜かれた絶縁
    体シートを下側シートに圧着した後にベースフィルムを
    剥離して絶縁体シートとスルーホール付き絶縁体シート
    とを所定の順序で積み重ねる工程と、 第2フィルムの導体層を積み重ね途中の絶縁体シート上
    に所定のパターン形状で熱転写し、絶縁体シートを介し
    隣接する導体パターンをスルーホールを通じてコイル状
    に接続する工程とを具備した、 ことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 フィルム一面に未焼成の絶縁体層を設け
    て形成された第1フィルムを用意する工程と、 フィルム一面に所定形状の導体パターンを設けて形成さ
    れた第2フィルムを用意する工程と、 第1フィルムの絶縁体層にスルーホールを設けて形成さ
    れた第3フィルムを用意する工程と、 第1フィルムと第3フィルムの絶縁体層をベースフィル
    ムごと所定のシート形状で打ち抜き、打ち抜かれた絶縁
    体シートを下側シートに圧着した後にベースフィルムを
    剥離して絶縁体シートとスルーホール付き絶縁体シート
    とを所定の順序で積み重ねる工程と、 第2フィルムの導体パターンを積み重ね途中の絶縁体シ
    ート上に熱転写し、絶縁体シートを介し隣接する導体パ
    ターンをスルーホールを通じてコイル状に接続する工程
    とを具備した、 ことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 ベースフィルム一面に導体層を設けて形
    成された導体供給フィルムを用意する工程と、 未焼成の絶縁体シートとスルーホールが形成された未焼
    成の絶縁体シートとを所定の順序で積み重ねる工程と、 導体供給フィルムの導体層を積み重ね途中の絶縁体シー
    ト上に所定のパターン形状で熱転写し、絶縁体シートを
    介し隣接する導体パターンをスルーホールを通じてコイ
    ル状に接続する工程とを具備した、 ことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 導体層または導体パターンを厚膜形成法
    によってベースフィルム一面に形成した、 ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の積
    層型電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 導体層または導体パターンを薄膜形成法
    によってベースフィルム一面に形成した、 ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の積
    層型電子部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 ベースフィルム一面に所定形状の導体パ
    ターンを薄膜形成法によって設けて形成された導体供給
    フィルムを用意する工程と、 未焼成の絶縁体シートとスルーホールが形成された未焼
    成の絶縁体シートとを所定の順序で積み重ねる工程と、 導体供給フィルムの導体パターンを積み重ね途中の絶縁
    体シート上に熱転写し、絶縁体シートを介し隣接する導
    体パターンをスルーホールを通じてコイル状に接続する
    工程とを具備した、 ことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 スルーホールをレーザ光照射によって形
    成した、 ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の積
    層型電子部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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