JP4275428B2 - 多層セラミック基板およびその製造方法 - Google Patents

多層セラミック基板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複数枚のセラミックシートを積層してなるセラミック基板に突出部を有する多層セラミック基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
小型の電子機器等に使用されるセラミック多層回路基板(多層セラミック基板)は、必要に応じた複数枚のセラミックグリーンシートを積層した構造を有するが、モジュールの低背化等の要請を受けて、基板の層の一部に孔(キャビティ)を設け、そのキャビティ内にチップ部品等の電子部品を搭載できるようにしたものもある。
【0003】
多層セラミック基板にキャビティを形成する方法として一般的に知られているものには、例えば、特許文献1に開示された方法がある。この特許文献1に記載の多層セラミック基板では、複数のセラミック層各々に設けられた貫通孔の重なりによってキャビティを形成している。すなわち、あらかじめ各々のグリーンシートに開口部を形成し、それらのグリーンシートを順次、積み重ねることで積層体を作製して、キャビティを形成している。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、特殊な開口形状を有するキャビティを備える多層セラミック基板が開示されている。この特許文献2に記載の多層セラミック基板は、複数のセラミックグリーンシートを積層してキャビティの側壁から突出する凸部を設け、その凸部によってキャビティの開口面積を減少させることのできるセラミック多層回路基板を提供するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−267448号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−76188号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、回路基板の設計上の要請から、キャビティ内にそのキャビティの側壁に接していない突出部、つまり、キャビティ内において独立して起立する突出部が必要となる場合がある。このような突出部は、例えば、その内部に回路を組み込んだり、突出部の上部に部品を搭載する等に利用するものである。
【0008】
しかし、上記従来の積層方法、および積層技術は、いずれも、あらかじめ特定形状を有する開口部を形成したグリーンシートを積み重ねるものであるため、上述したように、キャビティの側壁から独立した突出部を、キャビティの形成と同時に作り上げることはできないという問題がある。
【0009】
ここで、キャビティ内に突出部を形成する方法に着目すると、例えば、積層体とは別に形成した積層単体をキャビティ内に配置して、それを熱圧着したり、焼成後の基板のキャビティ内にその積層単体を接着する方法等が考えられる。しかし、積層単体をキャビティ内に配置し、接着する工程は煩雑であり、積層単体と基板とを電気的に接続する必要がある場合には、高い位置精度が要求される。そのため、回路基板の生産性が劣り、それに加えて、積層単体と基板との接続部の信頼性が低いという問題もある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、基板上にキャビティ、およびキャビティ内において独立して起立する突出部を有する多層セラミック基板およびその製造方法を提供することである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、簡単な工程で基板上に突出部を形成するための多層セラミック基板およびその製造方法を提供することである。
【0012】
かかる目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、複数枚のセラミックシートを積層してなり、基板上に独立して起立する中空状の突出部を有する多層セラミック基板の製造方法であって、上記突出部の平面形状に合わせた環状パターン部分を除く領域に対応した離型層をスクリーン印刷により上記基板上に形成し、上記離型層が形成された上記基板上にさらに積層体を形成して加圧した後、上記積層体のうち上記離型層上に形成された積層体のみを除去することによって、上記基板上に上記中空状の突出部を形成することを特徴とする。例えば、さらに、上記中空状の突出部をキャビティ内に形成したことを特徴とする
【0013】
また、上述した課題を解決する他の手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、複数枚のセラミックシートを積層してなり、基板上に独立して起立する突出部を有する多層セラミック基板の製造方法であって、上記突出部の平面形状に合わせた部分を除く領域に対応した離型層をスクリーン印刷により上記基板上に形成し、上記離型層が形成された上記基板上にさらに積層体を形成して加圧した後、上記積層体のうち上記離型層上に形成された積層体のみを除去することによって上記基板上に上記突出部を形成するとともに、上記突出部に内部導体を形成したことを特徴とする。
【0014】
例えば、上記突出部は上記基板上に形成されたキャビティ内に独立して起立する突出部であることを特徴とする。また、例えば、上記突出部に外部導体が形成されていることを特徴とする。
【0017】
上述した課題を解決する他の手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、多層セラミック基板であって、上述した多層セラミック基板の製造方法によって製造したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態例]
以下、添付図面を参照して、本発明に係る第1の実施の形態例を詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態例に係るセラミック多層回路基板(多層セラミック基板)の外観を示している。図1の(a)は、この基板を上から見た平面図、(b)は正面図、そして、(c)は、基板をほぼ中央部から切断したときの断面図である。なお、この多層セラミック基板は、後述する工程を経て作製される。
【0019】
図1に示すように、この多層セラミック基板は、基板1の上面に形成された3つの突出部2a〜2cを有しており、これらの突出部2a〜2cは、基板1の周縁部4から所定距離、離間した位置に形成されている。すなわち、突出部2a〜2cは、基板1の表面上のいずれの周縁とも接しない状態で、基板上に起立している。
【0020】
図1の(c)に示すように、突出部2a,2cの内部には、内部導体としてのビアホール/回路パターン5a,5cが形成されている。また、図1の(a),(c)に示すように、突出部2bにおいて、その内部にビアホール/回路パターン5bが形成されるとともに、その上端面には、外部導体としての電極3が形成されている。また、突出部2bの側面に電極3a,3bを形成してもよい。
【0021】
図2は、本実施の形態例に係る多層セラミック基板に使用するシートの外観形状を示している。同図の(a)は、基板の積層体の形成に用いるセラミックグリーンシート10(セラミックシート、あるいはグリーンシートともいう)であり、作製する基板の大きさに合わせた矩形の形状を有する。なお、このグリーンシート10は、基板単位の大きさで作製してもよいし、多数個取りの基板を用いて作製した後、それを分割して個々の基板としてもよい。
【0022】
図2の(b)は、後述する基板作製工程において、突出部を形成するための離型層を構成するフィルムの外観平面図である。このフィルム15には、基板上に形成される突出部の位置と、その突出部の平面形状に合わせた部分に孔(開口部、あるいは打ち抜き部分)12a〜12cが設けられている。また、フィルム15の表面には離型剤がコーティングされている。
【0023】
フィルム15の厚さは、積層体の形成に使用するグリーンシート10よりも薄く、後述する圧着工程で加えられる熱によって変形や破損を生じない材料からなる。フィルム15としては、例えば、ペットフィルムを用いる。フィルム15として厚さの薄い材料を使用するのは、フィルム15がグリーンシート10よりも厚いと、突出部の頂部の平坦性が損なわれるからである。
【0024】
次に、本実施の形態例に係る多層セラミック基板の作製工程を詳細に説明する。図3は、本実施の形態例に係る多層セラミック基板の作製工程を工程順に時系列で示している。なお、以降の説明で参照する各工程図では、基板内部、および突出部内部のビアホールや回路パターンの図示を省略する。
【0025】
図3の(a)は、多層セラミック基板のベース部を形成する工程であり、ここでは、3枚のグリーンシート21〜23を積層して基板(第1の積層部)を形成する。なお、積層枚数は、適宜調整でき、例えば、厚さ100μmのグリーンシートであれば、それを10枚積層して所望の厚さにする。また、積層作業には、専用のシート積層冶具(不図示)を使用する。
【0026】
続く、図3(b)に示す工程では、積層された最上部のグリーンシート21上に、上述したフィルム15(離型層)を形成する。フィルム15は、例えば、厚さが50μmのペットフィルムであり、図3(b)において太線で示すフィルム15の開口部が、基板上において突出部を形成する位置に対応している。フィルム15の開口部は、本実施の形態例では矩形(例えば、1mm角の角型の開口部)である(図2の開口部12a〜12c参照)。
【0027】
図3の(c)に示す工程において、上記の工程で積層したグリーンシート21〜23とフィルム15の上に、さらに3枚のグリーンシート25〜27を積層する(第2の積層部)。これらのグリーンシート25〜27は、それらを合計した厚さが、基板上に形成しようとする突出部の高さとほぼ等しくなる枚数が積層される(焼成により、多少収縮する)。この工程においても、上記と同様、例えば、厚さ100μmのグリーンシートを使用するのであれば、それらを10枚積層して、突出部の高さ分の厚さを確保する。
【0028】
また、グリーンシート25〜27のうち、最上層のシート25の表面には、後述する工程で突出部を切り出す際に用いる、その突出部の平面形状に対応した目印表示(切断用マーク)28を設ける。なお、この目印表示28は、突出部の平面形状に相当する位置になくても、例えば、多数個取り基板の表面の周縁部に設けてもよい。また、目印表示28の表示方法は、例えば、印刷や型押し等、表示部分を明瞭に識別できる方法であればよい。
【0029】
続く、図3の(d)に示す工程はプレス工程であり、図3の(c)に示すグリーンシートの積層体に対して、例えば、静水圧プレス法を使用して、矢印で示す方向へ外力を付加し、グリーンシートの全面を圧着する。具体的には、得られた積層体を積層冶具とともにプラスチック製の袋に入れ、真空パックした。そして、それを静水圧プレス装置に入れ、約350Kgf/cm2の圧力でプレスした。
【0030】
なお、積層体形成のためのプレス圧の付加方法は、静水圧プレス法に限定されるものではなく、他の方法、例えば、一軸プレス法等を使用してもよい。
【0031】
本実施の形態例に係る多層セラミック基板の作製において、上記のフィルム15を除いて、使用するどのグリーンシート21〜23,25〜27にも、突出部形成のための開口部が空けられていないため、積層圧着の際、層間におけるシートの積み重ねの“ずれ”は生じない。その結果、良好な積層状態の積層体を得ることができる。
【0032】
上述したプレス圧の付加後、積層冶具から取り外した積層体を、70℃の温度に保ち、図3の(e)に示す工程において、上述した目印表示28に従い、刃31によって積層体30に切れ込みを入れる。なお、図3(e)以降において、左側が正面図であり、右側が側面図である。目印表示28に刃31を当てて切れ込みを入れる深さは、グリーンシートの積層数で予測できる。
【0033】
なお、グリーンシート21〜23,25〜27は熱可塑性を有するため、この切れ込み工程において積層体30を加熱しておくことで、積層体30への刃31の入れ込みを容易にすることができる。
【0034】
図3の(f)は、積層体30への切れ込みを終了したときの状態を示しており、開口部12a〜12cに対応した切れ込み32が、形成しようとする突出部の平面形状に沿って、フィルム15に達する深さまで入っていることが分かる。これらの切れ込み32が入った積層体30を常温になるまで放置し、その後、フィルム15上にある圧着体35a〜35fを除去する。上述したように、フィルム15の表面には離型剤がコーティングされているため、容易にフィルム上の圧着体35a〜35fを除去できる。
【0035】
ここで、切れ込み32が入った積層体30を常温になるまで放置するのは、積層体30が柔らかい状態のときに圧着体35a〜35fを除去すると、突出部に歪みが生じるおそれがあるからである。従って、積層体30の温度が下がり、ある程度、硬化した状態となってから圧着体35a〜35fを除去する。こうすることで、常温(例えば、30℃以下)では積層体30が、ある程度硬化するため、突出部が歪むのを抑止できる。
【0036】
図3の(g)は、上記の圧着体35a〜35fを除去することで、離型層上部の積層体が取り除かれ、基板1上の離型層の開口部位置に突出部2a〜2cが形成されたときの様子を示している。本実施の形態例では、その後、脱脂工程を経てから、突出部が形成された基板1全体を焼成する。具体的には、500℃で5時間の脱脂を行った後、860℃で10分間、焼成した。
【0037】
図4は、本実施の形態例に係る多層セラミック基板の作製手順を示すフローチャートである。最初に、同図のステップS11において、所定枚数のグリーンシートを積層して、多層セラミック基板のベース部を形成する(図3(a)参照)。そして、ステップS12で、積層した最上部のグリーンシート上に、突出部を形成する位置、大きさに対応した開口部の形成されたペットフィルムを重ねる(図3(b)参照)。
【0038】
ステップS13では、上記のステップで積層したグリーンシートとフィルムの上に、さらに所定枚数のグリーンシートを積層する(図3(c)参照)。これらのグリーンシートは、突出部形成用のシートであり、ここでは、上述したように、突出部の高さと等しい枚数のシートが積層される。
【0039】
続くステップS15において、グリーンシートの積層体に対して、例えば、静水圧プレス法によって外力を付加し、グリーンシート全体を圧着する(図3(d)参照)。そして、プレス圧付加後、ステップS16で、あらかじめ最上部のグリーンシートに設けた目印表示に従って、ペットフィルムに達する深さまで、高温状態にある積層体に切れ込みを入れる(図3(e),(f)参照)。
【0040】
ステップS21では、上記のステップで切れ込みを入れた積層体を放置し、ステップS22で、その積層体が常温になったか否かを判断する。すなわち、常温になるまで積層体を放置する。そして、積層体が常温になったならば、フィルム上にある圧着体(積層体)のみを除去する(ステップS25)。
【0041】
最終ステップであるステップS27において、上述のように圧着体が除去されて、突出部が形成された基板を脱脂し、焼成する(図3(g)参照)。
【0042】
[第2の実施の形態例]
次に、本発明に係る第2の実施の形態例を詳細に説明する。図5は、第2の実施の形態例に係る多層セラミック基板を示している。第2の実施の形態例に係る多層セラミック基板は、図5の(a),(b)に示すように、基板の周囲に側壁を有しており、図5(a)は、その基板を上から見た平面図、(b)は、基板をほぼ中央部から切断したときの断面図である。
【0043】
図5に示す多層セラミック基板も、図1に示す第1の実施の形態例に係る基板と同様、ベース基板の周縁部から所定距離、離間した位置に形成された突出部52a〜52cを有する。また、これらの突出部の内部には、ビアホール/回路パターン55a,55b,55cが形成され、突出部52bの上端面には、電極53が形成されている。
【0044】
ベース基板の周縁部に設けた側壁57は、図3に示す、上述した第1の実施の形態例に係る多層セラミック基板と同様の工程に従って、突出部52a〜52cを有する積層体を形成した後、さらに、側壁57を構成するグリーンシート(図6に示すように、あらかじめ側壁57の平面形状に対応したフレーム状にしたもの)を積層し、その積層体を圧着することによって形成することができる。
【0045】
図6は、第2の実施の形態例に係る多層セラミック基板の外観斜視図である。図6の(a)は、第2の実施の形態例に係る多層セラミック基板の作製工程を示し、図6の(b)は、第2の実施の形態例に係る方法で作製された、キャビティを有する多層セラミック基板の外観斜視図である。
【0046】
第2の実施の形態例に係る多層セラミック基板は、図6(a)に示すように、基板61、および基板61上に形成された突出部52a〜52cを有する多層セラミック基板を作製した後、その多層セラミック基板の上にキャビティを形成する。すなわち、各々にキャビティに相当する開口部(キャビティを形成するための開口部)81が空けられた、フレーム状の複数枚のセラミックグリーンシート82を重ね合わせ、それらを基板61に位置合わせして基板61上に積層してから、再度、プレス圧を付加するという工程を経る。その結果、図6(b)に示すように、キャビティ80と、その側壁57を有する多層セラミック基板が得られる。
【0047】
開口部81の形状は、例えば、矩形であり、その大きさは、突出部52a〜52cがベース基板61の周縁部から所定距離、離間するとともに、キャビティ80の側壁57からも一定距離、離れた位置に形成される大きさとする。
【0048】
なお、側壁57の高さは、突出部52a〜52cと同じ高さであってもよいし、側壁57が突出部52a〜52cよりも高くなるようにしてもよい(図5(b)は、側壁57の高さが突出部52a〜52cよりも高い例である)。いずれの場合でも、側壁57の高さは、図6(a)に示すグリーンシート82の積層枚数で調整できる。
【0049】
側壁57を形成する他の方法としては、グリーンシートに離型層を直接、形成する方法がある。例えば、図7に示すように、グリーンシート100上に、同図に示すパターンを有する離型層105を形成する。この離型層105は、離型剤をスクリーン印刷したものであり、図5等に示す突出部52a〜52cの平面形状に対応した部分101から103には、離型剤は塗布されていない。さらに、側壁57に対応する部分104にも離型剤は塗布されていない。
【0050】
このようなグリーンシート100を介在させた積層体を構成し、その後、上述した第1の実施の形態例に係る多層セラミック基板における、図3(e)以降の工程と同様に、得られた圧着体に対して離型層105の深さまで切れ込みを入れる。そして、その切れ込みに従って、離型層105の離型剤を印刷した領域上にある積層体を除去することにより、突出部52a〜52cおよび側壁57が形成される。
【0051】
[第3の実施の形態例]
本発明に係る第3の実施の形態例について説明する。第3の実施の形態例に係る多層セラミック基板は、図8に示すように中空状の突出部を有する。図8(a)は、第3の実施の形態例に係る多層セラミック基板を上から見た平面図、(b)は正面図、(c)は、基板をほぼ中央部から切断したときの断面図である。
【0052】
図8に示す基板では、ベースとなる基板61の上に矩形の突出部62と、中空状の突出部67が形成されている。また、基板61上の突出部67と基板61との間には、導体パターン68が配され、その導体パターン68上には、図8(c)に示すように、電子部品70が搭載される。電子部品70を搭載した後、例えば、突出部67の上部に蓋69を被せると、突出部67と蓋69とで電子部品70を密封することができる。
【0053】
図8に示す中空状の突出部67を有する基板の作製には、例えば、上述した、図7に示す多層セラミック基板のように、グリーンシート100上に離型層を直接、形成する方法をとる。ここでは、図7に示す離型層105が形成されたグリーンシート100に代えて、図9に示す離型層75が形成されたグリーンシート110を用いる。
【0054】
離型層75は、スクリーン印刷により離型剤をパターン形成したものであり、突出部62,67の平面形状に対応した部分71,72には離型剤が塗布されていない。つまり、離型剤が塗布されていない部分72は、突出部67の平面形状に対応して環状のパターンとなっている。
【0055】
そこで、このような離型剤によりパターン形成されたグリーンシート110を介在させた積層体を構成し、上述した第1の実施の形態例に係る多層セラミック基板における、図3(e)以降の工程と同様に、得られた圧着体に対して離型層75の深さまで切れ込みを入れる。そして、その切れ込みに従って、離型層75の離型剤を印刷した領域上にある積層体を除去することにより、突出部62と中空状の突出部67が形成される。
【0056】
上述した方法は、突出部形成用の積層単体を別途、接着する等の方法に比べて、積層回路基板の生産性が格段に向上し、突出部内部に回路パターンを形成した場合でも、回路パターンとベース基板との導通が良好であり、突出部や側壁とベース基板との接続も強固に保つことができる。
【0057】
さらに、積層するグリーンシートの枚数を適宜変更することによって、突出部や側壁の高さ、形状を自由に設定することができる。また、離型層を有するフィルムを用いる方法と、グリーンシートに直接、離型層を形成する方法を併用してもよい。さらに、単一の基板を形成する場合に、複数の離型層を用いて、突出部の上にさらに突出部を形成する等、より複雑な形状の突出部を形成することも可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な工程によって、基板上にキャビティ、およびキャビティ内において独立して起立する突出部を有する多層セラミック基板を製造することができる。
【0059】
また、本発明によれば、基板上の突出部の強度が向上し、突出部と基板の接続位置精度や接続部の信頼性を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例に係る多層セラミック基板の外観を示す図である。
【図2】第1の実施の形態例に係る多層セラミック基板に使用するシートの外観形状を示す図である。
【図3】第1の実施の形態例に係る多層セラミック基板の作製工程を示す図である。
【図4】第1の実施の形態例に係る多層セラミック基板の作製手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態例に係る多層セラミック基板の外観を示す図である。
【図6】第2の実施の形態例に係る多層セラミック基板の外観斜視図である。
【図7】第2の実施の形態例に係る、離型層が形成されたグリーンシートを示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態例に係る多層セラミック基板の外観を示す図である。
【図9】第3の実施の形態例に係る多層セラミック基板に使用するグリーンシートを示す図である。
【符号の説明】
1,61 基板
2a〜2c,52a〜52c,67 突出部
3,53 電極
4 周縁部
5a,5c,55a,55b,55c ビアホール/回路パターン
10,21〜23,25〜27,82,100,110 グリーンシート
12a〜12c,81 開口部
15 フィルム
30 積層体
31 刃
32 切れ込み
35a〜35f 圧着体
57 側壁
61 基板
68 導体パターン
69 蓋
70 電子部品
80 キャビティ

Claims (6)

  1. 複数枚のセラミックシートを積層してなり、基板上に独立して起立する中空状の突出部を有する多層セラミック基板の製造方法であって、
    前記突出部の平面形状に合わせた環状パターン部分を除く領域に対応した離型層をスクリーン印刷により前記基板上に形成し、前記離型層が形成された前記基板上にさらに積層体を形成して加圧した後、前記積層体のうち前記離型層上に形成された積層体のみを除去することによって、前記基板上に前記中空状の突出部を形成することを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
  2. さらに、前記中空状の突出部をキャビティ内に形成したことを特徴とする請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  3. 複数枚のセラミックシートを積層してなり、基板上に独立して起立する突出部を有する多層セラミック基板の製造方法であって、
    前記突出部の平面形状に合わせた部分を除く領域に対応した離型層をスクリーン印刷により前記基板上に形成し、前記離型層が形成された前記基板上にさらに積層体を形成して加圧した後、前記積層体のうち前記離型層上に形成された積層体のみを除去することによって前記基板上に前記突出部を形成するとともに、前記突出部に内部導体を形成したことを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
  4. 前記突出部は前記基板上に形成されたキャビティ内に独立して起立する突出部であることを特徴とする請求項3に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  5. 前記突出部に外部導体が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法によって製造したことを特徴とする多層セラミック基板。
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