JP2001076959A - 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサ及びその製造方法

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JP2001076959A
JP2001076959A JP25287999A JP25287999A JP2001076959A JP 2001076959 A JP2001076959 A JP 2001076959A JP 25287999 A JP25287999 A JP 25287999A JP 25287999 A JP25287999 A JP 25287999A JP 2001076959 A JP2001076959 A JP 2001076959A
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space
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paste
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Masayuki Yoshida
政幸 吉田
Shunji Aoki
俊二 青木
Junichi Sudo
純一 須藤
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部電極が形成されたセラミックグリーンシ
ートを複数枚積層するとき、段差が生じないようにし
て、小型化、大容量化に適し、電気的特性のばらつきの
小さい積層セラミックコンデンサを実現する。 【解決手段】 第1の未焼成セラミックグリーン3を、
バインダとしての感光性高分子材料と誘電体粉末とを少
なくとも混合して支持体としてのフィルム1上に形成
し、前記第1の未焼成セラミックグリーンシート3を内
部電極形成パターンのフォトマスク6を用いて露光し、
現像して、前記第1の未焼成セラミックグリーンシート
3に前記内部電極形成パターン7の空間を形成し、該空
間に導電ペースト10を充填した後、隣り合う前記導電
ペーストの層間に第2の未焼成セラミックグリーンシー
ト43を介在させて積層し、焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パターンニングさ
れた誘電体層の内部電極形成パターンの空間に導電ペー
ストを設けて内部電極を形成することで、誘電体層を多
層化するときに段差が生じないようにした積層セラミッ
クコンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、積層コンデンサ等のような内部電
極を有するセラミック積層電子部品の製造に際しては、
金属−セラミック一体焼成技術が用いられている。すな
わち、セラミックグリーンシート(未焼成セラミック誘
電体シート)上に導電ペーストを複数個並べてパターン
印刷し、内部電極を形成する。次に、内部電極が形成さ
れたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、上下に
内部電極の印刷されていないセラミックグリーンシート
を適宜の枚数積層し、セラミック積層体を得る。あるい
は、セラミックペーストと導電ペーストとを順次所定の
形状に印刷し、セラミック積層体を得る。しかる後、上
記のようにして得られたセラミック積層体を厚み方向に
加圧し、セラミック層同士を密着させる。その後、セラ
ミック積層体を個品に切断し、焼成し、焼結体を得て、
得られた焼結体の外表面に、適宜の外部電極を形成し、
セラミック積層電子部品を得る。
【0003】図4(A)は従来技術による積層セラミッ
クコンデンサの構造例を示す分解斜視図であり、誘電体
の上に内部電極が重ねて形成されるため、内部電極の存
在する所とその他の部分で内部電極の肉厚相当の段差が
発生することが判る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子部品におい
ては一層の小型化が求められており、セラミック積層電
子部品においても小型化及び薄型化が強く求められてい
る。セラミック積層電子部品の小型化及び薄型化を進め
る場合、内部電極間に挟まれているセラミック層の厚み
を薄くすることが必要となり、従って、より薄いセラミ
ックグリーンシートを用いてセラミック積層体を作製し
なければならない。
【0005】しかしながら、セラミックグリーンシート
の厚みを薄くするにも限度があり、薄くなり過ぎた場合
にはセラミックグリーンシートを単体で扱うことができ
なくなる。加えて、セラミック積層体を得た段階で、内
部電極が重なり合っている部分では、内部電極が存在し
ない部分に比べて厚みが大きくなり(例えばグリーンシ
ート厚2〜3μmに対して内部電極厚1.5〜2μ
m)、両者の間で段差が生じがちであり、その段差に起
因してシート積層時の積層ずれが発生する。また、焼結
に先立ってシートと内部電極を接着させるために大きな
プレス圧(1ton/cm程度)が必要となり、厚み方向
にセラミック積層体を加圧した段階で、上記段差が生じ
ているため、内部電極の重なり合っている部分において
のみ上下の層が加圧され、他の領域では十分に加圧され
なくなったり、あるいは加圧後の変形が著しくなったり
する。その結果、焼結体においてデラミネーションと称
されている層間剥離現象が生じがちであった。また、加
圧後の変形に起因して焼成後の容量ばらつきが大きくな
る。さらに、セラミックグリーンシート中の溶剤によ
り、内部電極が膨潤し、所望の形状の内部電極を正確に
形成することができないこともあった。また、Ni等の
導体粉末をペースト化してスクリーン印刷法にて形成す
る内部電極は、内部電極パターンの寸法精度を高めるこ
とには限界があり、例えば設計値に対してばらつきを2
0μm以下にすることが困難であった。そのために、焼
成後の積層セラミックコンデンサあるいはセラミック積
層電子部品は容量ばらつきが大きくなる、あるいは電気
的特性のばらつきが大きくなる傾向にある。
【0006】本発明は、上記の点に鑑み、本出願人が特
開平5−114531号公報や特開平5−174649
号公報において提案している、異質部材を有するセラミ
ックグリーンシートの構成を応用し、内部電極が形成さ
れたセラミックグリーンシートを複数枚積層するとき、
段差が生じないようにして、小型化、大容量化に適し、
電気的特性のばらつきの小さい積層セラミックコンデン
サ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係る積層セラミックコンデン
サは、内部電極形成パターンの空間を形成してなる第1
のセラミック誘電体層の前記空間に、導電ペーストを充
填して内部電極層となし、隣り合う前記内部電極層間に
第2のセラミック誘電体層が介在して積層されており、
前記内部電極層は前記第1及び第2のセラミック誘電体
層と同時焼成可能な金属材質であることを特徴としてい
る。
【0009】本願請求項2の発明に係る積層セラミック
コンデンサは、請求項1において、前記第1のセラミッ
ク誘電体層が、感光性高分子材料を含んでいて、露光、
現像により前記内部電極形成パターンの空間が形成され
ていることを特徴としている。
【0010】本願請求項3の発明に係る積層セラミック
コンデンサの製造方法は、第1の未焼成セラミック誘電
体層に内部電極形成パターンの空間を設け、前記空間に
導電ペーストを充填した後、隣り合う前記導電ペースト
の層間に第2の未焼成セラミック誘電体層を介在させて
積層することを特徴としている。
【0011】本願請求項4の発明に係る積層セラミック
コンデンサの製造方法は、第1の未焼成セラミック誘電
体層に内部電極形成パターンの空間を設け、前記空間に
導電ペーストを充填して内部電極形成誘電体層とし、該
内部電極形成誘電体層と第2の未焼成セラミック誘電体
層とを積層一体化して二層シートを作製し、該二層シー
トを積層することを特徴としている。
【0012】本願請求項5の発明に係る積層セラミック
コンデンサの製造方法は、請求項3又は4において、前
記第1の未焼成セラミック誘電体層を、感光性高分子材
料と可塑剤と有機溶剤と誘電体粉末を混合して支持体上
に形成し、前記第1の未焼成セラミック誘電体層を前記
内部電極形成パターンのフォトマスクを用いて露光し、
現像して、前記第1の未焼成セラミック誘電体層に前記
内部電極形成パターンの空間を設けることを特徴として
いる。
【0013】本願請求項6の発明に係る積層セラミック
コンデンサの製造方法は、請求項3,4又は5におい
て、前記内部電極形成パターンの空間に前記導電ペース
トを充填する手段として、加圧チャンバーと、該加圧チ
ャンバーの一部分をなし下面を塞ぐよう着脱自在に装着
されたペーストマスクとを備える機構を用い、前記加圧
チャンバー内に前記導電ペーストを収容し、前記ペース
トマスクを前記第1の未焼成セラミック誘電体層上に位
置決め載置した状態で前記加圧チャンバー内を加圧する
ことで、前記空間に対応したペースト吐出穴を有する前
記ペーストマスクを通して前記空間に前記導電ペースト
を吐出して充填することを特徴としている。
【0014】本願請求項7の発明に係る積層セラミック
コンデンサの製造方法は、請求項3,4又は5におい
て、前記内部電極形成パターンの空間に前記導電ペース
トを充填する手段として、前記導電ペーストを吐出する
注入スキージヘッドと、前記空間に対応したペースト通
過穴を有するマスクとを備える機構を用い、前記マスク
を前記第1の未焼成セラミック誘電体層上に位置決め載
置した状態で前記注入スキージヘッドが前記マスク上を
移動しながら前記導電ペーストを吐出することで、前記
マスクを通して前記空間に前記導電ペーストを充填する
ことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る積層セラミッ
クコンデンサ及びその製造方法の実施の形態を図面に従
って説明する。
【0016】図1乃至図4で本発明の第1の実施の形態
を説明する。これらの図において、シリコン処理工程#
1では、フレキシブルな支持体としてのPETフィルム
1の表面に剥離を容易にする処理として、シリコン塗布
層2を形成する。
【0017】次に、感光シート・フォトパターン法によ
り、内部電極形成パターンの空間を有する未焼成セラミ
ック誘電体層としてのセラミックグリーンシートを形成
する。つまり、シート形成工程#2、露光工程#3、現
像・定着(除去・乾燥)工程#4を順次実行する。
【0018】前記シート形成工程#2において、シート
形成装置4でフレキシブルな支持体としてのPETフィ
ルム1上に、バインダとしての感光性高分子材料と可塑
剤と有機溶剤とセラミック誘電体粉末を混合した塗料を
塗布しシート3に形成する。このシート3がセラミック
グリーンシートであり積層セラミックコンデンサとして
焼成した後に誘電体層となる。
【0019】露光工程#3において、そのシート3の面
にフォトマスク6を被せ、露光装置5からフォトマスク
6を通して紫外線(UV,DUV)を照射、露光し、現
像・定着(除去・乾燥)工程#4の現像装置(除去装
置)8でアルカリ水溶液や溶剤等によりシート3の露光
しない部分を除去し、定着装置(乾燥装置)9で不要な
アルカリ水溶液や溶剤等を除去して内部電極形成パター
ン7が構成される。この場合、精密感光技術によりパタ
ーン精度を±3μm程度にすることができる。なお、感
光性高分子材料の選択によっては露光した部分を除去し
て内部電極形成パターン7を形成することもできる。
【0020】このパターンニングされたシート3の内部
電極形成パターン7は空間であり、シート3と同時焼成
可能なNi,Pd,Pd合金,Cu等の金属粉末材料を
バインダ樹脂と有機溶剤で混練した導電ペーストをその
空間に充填する、Ni注入工程#5において、金属粉末
材料にNiを用いた導電ペースト10を内部電極形成パ
ターン7の空間に注入し充填することを示す。
【0021】図2はこのNi注入工程#5における注入
装置の構成例を示す。注入装置の構成は下方にテーブル
17と上方に加圧チャンバー11があり、加圧チャンバ
ー11の下面はステンレス鋼等の薄板でなるペーストマ
スク12である。上下シリンダ14はテーブル17に対
して固定されており、加圧チャンバー11は上下シリン
ダ14の上下するロッドの下端に保持されている。上下
シリンダ14は例えば空圧シリンダであり空圧を供給し
てロッドを上下させると、ロッドの下端に保持された加
圧チャンバー11はテーブル17に対して上下する。加
圧チャンバー11に固定するペーストマスク12の下面
はテーブル17の上面に常に平行を保って上下する。テ
ーブル17はPETフィルム1を位置決め固定するが、
PETフィルム1上のシート3には内部電極形成パター
ン7があり、この内部電極形成パターン7の位置に対応
して、ペーストマスク12にエッチングで作製するペー
スト吐出穴13を配置する。このペースト吐出穴13は
対応する内部電極パターン7よりも径を小さくする方が
良く、かつ、内部電極形成パターン7のエッジよりも空
間側に離間する方が望ましい。また、一つの内部電極形
成パターン7に対してペースト吐出穴13を複数用意し
ても良い。
【0022】加圧チャンバー11の上部に空圧パイプ1
5が挿入され固着されている。空圧パイプ15の挿入端
は加圧チャンバー11の内部に連通し、空圧パイプ15
の他端は図示しない空圧回路に連通する。空圧回路から
圧力空気を供給すると加圧チャンバー11内を加圧する
ことになる。加圧チャンバー11の下面はペーストマス
ク12であり、ペーストマスク12は加圧チャンバー1
1の上部に対して着脱自在である。そうして、加圧チャ
ンバー11内に導電ペースト10を予め収容するが、導
電ペースト10はペーストマスク12の上面に載置され
ることになる。ペーストマスク12の上面に載置された
導電ペースト10の上側はラバー16が覆う、ラバー1
6は導電ペースト10が含む有機溶剤に耐えうる材質を
選択するが、柔軟なシート状の素材であればラバーに限
らず選択が可能である。なお、金属粉末材料にNiを用
いた導電ペーストに限らず本発明を適用できることは言
うまでもない。
【0023】図2に示す如く上下シリンダ14の待機時
はロッドを引っ込めておく、ロッドの下端に保持された
加圧チャンバー11は上昇している。テーブル17の上
面にPETフィルム1が位置決め固定されると、上下シ
リンダ14のロッドを下降し加圧チャンバー11も下降
する。ペーストマスク12の下面はグリーンシート3の
上面に接する。この状態で空圧パイプ15に矢印Pのご
とく圧力空気を供給すると、加圧チャンバー11内は加
圧されたラバー16を介して導電ペースト10が加圧さ
れる。導電ペースト10はペースト吐出穴13を通過し
て内部電極形成パターン7の空間に注入され充填され
る。
【0024】図3はNi注入工程#5における図2と異
なる手段として、注入スキージヘッド22を用いる構成
例を示す、注入スキージヘッド22の下方にテーブル1
7があり、テーブル17の上面にPETフィルム1が位
置決め固定され、PETフィルム1上のシート3には内
部電極形成パターン7があることは図2と同様である。
そのシート3の上面に接してマスク23を載置するが、
内部電極形成パターン7の位置に対応して、マスク23
にはエッチングや打ち抜きで作製するペースト通過穴2
4が配置されている。注入スキージヘッド22の構成は
図3の紙面に直行する方向に平たく延びた形状をしてお
り、図3はその断面を示すが、スキージ25の内側にペ
ースト吐出溝26とその上部に連続してシリンダ部27
があり、シリンダ部27にはピストン28が摺動自在に
嵌入する。ペースト吐出溝26及びシリンダ部27には
導電ペースト10を収容しておく。ペースト吐出溝26
はマスク23と接する側のみ開口し、シリンダ部27は
ピストン28が嵌入するとペースト吐出溝26側のみ開
口する。従って、ペースト吐出溝26の開口がマスク2
3に接している状態で、注入スキージヘッド22を矢印
Mの方向に所定の速度で移動しながら、シリンダ部27
にピストン28を所定の圧力Fで押し込むと導電ペース
ト10が加圧され、導電ペースト10はマスク23のペ
ースト通過穴24を通過して内部電極形成パターン7の
空間に注入され充填される。
【0025】その後、誘電体層であるシート3と内部電
極層である内部電極形成パターン7に充填した導電ペー
スト10を平板金型で挟持し加圧してもよい。この加圧
は厚みをより平坦化するために効果があるが、加圧して
も加圧しなくても、この時点で誘電体層と内部電極層が
混在する平坦なシート(内部電極形成誘電体層)が作製
される。材質等が異なると積層したり加圧したときの寸
法変化が一律ではなく、最終的には多層積層体が得られ
た時点で内部構造に完全に段差が生じないよう寸法変化
を考慮することが望ましい。
【0026】図1の接着層形成工程#6において、誘電
体層と内部電極層が混在する平坦な内部電極形成誘電体
層のシートや誘電体層のみのシートを適宜組み合わせて
積層するとき、相互のシートを接着し易くするための接
着層20なるものを付与することが出来る。接着層20
は例えばバインダ樹脂をスプレーして付与する。図1は
誘電体層と内部電極層が混在する平坦なシート側を下方
に向けて、下方から接着層20を付与したことを示す。
接着層20は必ずしも必要なく接着層形成工程#6は省
略することも可能である。
【0027】一方、シート形成工程#8でPETフィル
ム41上に剥離を容易にするためにシリコン塗布層42
を形成し、シート形成装置44によりバインダとしての
高分子材料と可塑剤と有機溶剤とセラミック誘電体粉末
を混合した塗料を塗布しシート43(未焼成セラミック
誘電体層としてのセラミックグリーンシート)に形成す
る。
【0028】二層化工程#7ではNi注入工程#5(必
要に応じて接着層形成工程#6の処理を施す)で得られ
た誘電体層と内部電極層が混在する平坦な内部電極形成
誘電体層のシートとシート形成工程#8で得られた誘電
体層のみのシートを組み合わせた二層シートを作製す
る。つまり、前記シート43の面にPETフィルム1上
に形成した誘電体層と内部電極層が混在する平坦なシー
ト3の面を熱転写法により圧着すると、接着層20が付
与されている場合は接着層20を介して、接着層20が
無い場合はシート3やシート43が含有するバインダ樹
脂を介して一体化される。その後、PETフィルム1を
剥離するとPETフィルム41上に二層化シート21が
得られる。
【0029】図4のように、積層セラミックコンデンサ
は内部電極と誘電体が相互に積層された内層構成が基本
であり、従って、予め、図4(B)に示したような誘電
体層(シート3)と内部電極層(導電ペースト10)が
混在する平坦な内部電極形成誘電体層のシートと誘電体
層のみのシート43とを組み合わせた二層化シートを作
製すると、後の工程では二層化シートを積層すれば積層
セラミックコンデンサの内層が完成することになる。
【0030】それ以後は、現状量産積層工程#9におい
て、誘電体層と内部電極が混在する平坦なシートと誘電
体層のみのシートを組み合わせた前記二層化シート21
を所定枚数積層し、さらに図4(B)の天板として上下
に誘電体層のみのシートを適宜の枚数積層し、加熱圧着
する。すなわち、加熱圧着装置30の切断部31にて、
二層化シート21及び天板となるシートから不要な支持
体としてのPETフィルム41あるいは1を剥がすとと
もに、多数個の内部電極が配列されたカード形状に切断
し、これを位置合わせ部32で位置合わせして所要枚数
積層し、加熱圧着部33で加熱圧着する。その後、積層
セラミックコンデンサのチップ個品に切断してから焼成
(セラミックグリーンシートと導電ペーストとを同時焼
成)することによって、誘電体層と内部電極層が混在す
る平坦なシートが積層されてなる段差レスの焼結体が得
られる。これに所要の外部電極を形成して製品とする。
【0031】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0032】(1) 誘電体層と内部電極層が混在する平
坦な内部電極形成誘電体層のシートを用いるため、従来
技術の誘電体層上に内部電極層を重ねて印刷する構成に
比べて内部電極層の厚みに起因する段差がなくなり積層
ズレが極めて小さくなり、かつ、大きな加圧が不要にな
り加圧変形が少なくなることによって、焼成後の積層セ
ラミックコンデンサの容量ばらつきが小さくなる。
【0033】(2) 露光工程#3においてフォトマスク
5を通して紫外線を照射、露光し、現像・定着(除去・
乾燥)工程#4で内部電極形成パターンの空間が作ら
れ、該空間に導電ペースト10を注入し充填するので、
内部電極パターン精度が露光・現像プロセスに支配され
て、従来の導電ペーストをスクリーン印刷等のパターン
印刷で形成する電極に対して、パターン精度(幅、ライ
ンピッチ)が高く、かつ、内部電極形成パターンの空間
に導電ペーストを注入し充填するため厚みばらつきが小
さくなる。
【0034】(3) 主に誘電体層と内部電極層が混在す
る平坦なシートと誘電体層のみのシートを組み合わせた
二層化シート21を作製し積層するから、製造プロセス
が比較的単純でかつ寸法精度を高めることができる。
【0035】(4) 総じて、比較的簡単な工程によっ
て、より小型で高精度な特性を有する積層セラミックコ
ンデンサを提供できる。
【0036】図5は本発明の第2の実施の形態を示す。
この場合、シリコン処理工程#1乃至接着層形成工程#
6まで(接着層形成工程#6を省略したときはNi注入
工程#5まで)は第1の実施の形態と同じであり、それ
以後の工程が異なっている。つまり、接着層形成工程#
6で得られた誘電体層と内部電極層が混在する平坦な内
部電極形成誘電体層のシートとシート形成工程#8で得
られた誘電体層のみのシートとを、精密積層工程#10
における積層機50により、それぞれPETフィルム
1,41が付いた状態にてカード形状に切断しかつ相互
の誘電体層同士が対面する向きで加熱圧着し、その後P
ETフィルム1,41をそれぞれ引き剥がして、導電ペ
ースト10の内部電極層を設けたカード状セラミックグ
リーンシート21Aを得、これを必要枚数積層して積層
体全体を加熱圧着する。以後の処理は第1の実施の形態
と同じである。
【0037】この第2の実施の形態の場合、誘電体層と
内部電極層が混在する平坦な内部電極形成誘電体層のシ
ート(PETフィルム付き)と誘電体層のみのシート
(PETフィルム付き)とを加熱圧着後に外側のPET
フィルム1,41を引き剥がすため、PETフィルムを
剥離する際のセラミックグリーンシート21Aの変形が
無く、とくにセラミックグリーンシートが薄い場合に有
効である。その他の作用効果は前述の第1の実施の形態
と同様である。
【0038】図6は本発明の第3の実施の形態を示す。
この場合、二層化工程#7に代えて誘電体コート工程#
11で二層化シートを作製する。すなわち、シリコン処
理工程#1乃至Ni注入工程#5までは第1の実施の形
態と同じであり、Ni注入工程#5からPETフィルム
1上にシリコン塗布層2と導電ペースト10とシート3
を一体化した構成体が得られるが、該構成体の表面に誘
電体コート工程#11のシート形成装置60でシート形
成工程#8と同様にバインダとしての高分子材料と可塑
剤と有機溶剤と誘電体粉末を混合した塗料を塗布しシー
ト43Aとして形成する。その結果、PETフィルム1
上に二層化シートが得られる。
【0039】それ以後は、現状量産積層工程#9におい
て、誘電体層と内部電極が混在する平坦なシート上に誘
電体層のみのシート43Aをコートした二層化シートを
所定枚数積層し、さらに天板として上下に誘電体層のみ
のシートを適宜の枚数積層し、加熱圧着する。すなわ
ち、加熱圧着装置30の切断部31にて、二層化シート
及び天板となるシートから不要な支持体としてのPET
フィルム1を剥がすとともに、多数個の内部電極が配列
されたカード形状に切断し、これを位置合わせ部32で
位置合わせして所要枚数積層し、加熱圧着部33で加熱
圧着する。その後、積層セラミックコンデンサのチップ
個品に切断してから焼成することによって、誘電体層と
内部電極形成層が混在する平坦なシートが積層されてな
る段差レスの焼結体が得られる。これに所要の外部電極
を形成して製品とする。
【0040】この第3の実施の形態によっても前述の第
1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0041】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1のセラミック誘電体層に内部電極形成パターンの空
間を設け、前記空間に導電ペーストを充填して内部電極
層となし、隣り合う前記内部電極層の層間に第2のセラ
ミック誘電体層を介在させて積層する構成であり、誘電
体層上に内部電極層を重ねて形成する場合に比して内部
電極層の厚みに起因する段差がなくなり積層ズレが極め
て小さくなる。かつ、大きな加圧が不要になり加圧変形
が少なくなることによって、焼成後の積層セラミックコ
ンデンサの容量ばらつきが小さくなる。総じて、比較的
簡単な工程によって、より小型で高精度な特性を有する
積層セラミックコンデンサが得られる。
【0043】また、露光工程においてフォトマスクを通
して紫外線を照射、露光し、現像・定着(除去・乾燥)
工程で内部電極形成パターンの空間を作製し、ここに導
電ペーストを充填する場合には、内部電極パターン精度
が露光・現像プロセスに支配されて、従来の導電ペース
トをスクリーン印刷等のパターン印刷で形成する電極に
比較して、パターン精度(幅、ラインピッチ)が高く、
かつ、内部電極形成パターンの空間に導電ペーストを注
入し充填するため厚みばらつきが小さくなる。
【0044】さらに、主に誘電体層と内部電極層が混在
する平坦なシートと誘電体層のみのシートを組み合わせ
た二層化シートを作製し積層する構成とした場合、製造
プロセスが比較的単純でかつ寸法精度を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層セラミックコンデンサ及びそ
の製造方法の第1の実施の形態を示す工程図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態で用いる導電ペース
トの注入装置の構成例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態で用いる導電ペース
ト注入のための注入スキージヘッドの構成例を示す概略
断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の場合の積層構造の
例を従来技術の場合と対比して示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す工程図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
1,41 PETフィルム 2,42 シリコン塗布層 3,43 シート 4,44,60 シート形成装置 5 露光装置 6 フォトマスク 7 内部電極形成パターン 8 現像装置 9 定着装置 10 導電ペースト 11 加圧チャンバー 12 ペーストマスク 13 ペースト吐出穴 14 上下シリンダ 15 空圧パイプ 16 ラバー 17 テーブル 20 接着層 21 二層化シート 22 注入スキージヘッド 23 マスク 24 ペースト通過穴 25 スキージ 26 ペースト吐出溝 27 シリンダ部 28 ピストン 30 加熱圧着装置 31 切断部 32 位置合わせ部 33 加熱圧着部 50 積層機 #1 シリコン処理工程 #2 シート形成工程 #3 露光工程 #4 現像・定着工程 #5 Ni注入工程 #6 接着層形成工程 #7 二層化工程 #8 シート形成工程 #9 現状量産積層工程 #10 精密積層工程 #11 誘電体コート工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 純一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5E001 AC01 AE00 AH00 AH09 AJ01 AJ02 5E082 AB03 BC38 BC39 EE04 EE11 EE31 FG06 FG26 FG32 LL01 MM22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部電極形成パターンの空間を形成して
    なる第1のセラミック誘電体層の前記空間に、導電ペー
    ストを充填して内部電極層となし、隣り合う前記内部電
    極層間に第2のセラミック誘電体層が介在して積層され
    ており、 前記内部電極層は前記第1及び第2のセラミック誘電体
    層と同時焼成可能な金属材質であることを特徴とする積
    層セラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記第1のセラミック誘電体層は、感光
    性高分子材料を含んでいて、露光、現像により前記内部
    電極形成パターンの空間が形成されている請求項1記載
    の積層セラミックコンデンサ。
  3. 【請求項3】 第1の未焼成セラミック誘電体層に内部
    電極形成パターンの空間を設け、前記空間に導電ペース
    トを充填した後、隣り合う前記導電ペーストの層間に第
    2の未焼成セラミック誘電体層を介在させて積層するこ
    とを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の未焼成セラミック誘電体層に内部
    電極形成パターンの空間を設け、前記空間に導電ペース
    トを充填して内部電極形成誘電体層とし、該内部電極形
    成誘電体層と第2の未焼成セラミック誘電体層とを積層
    一体化して二層シートを作製し、該二層シートを積層す
    ることを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第1の未焼成セラミック誘電体層
    を、バインダとしての感光性高分子材料と誘電体粉末と
    を少なくとも混合して支持体上に形成し、前記第1の未
    焼成セラミック誘電体層を前記内部電極形成パターンの
    フォトマスクを用いて露光し、現像して、前記第1の未
    焼成セラミック誘電体層に前記内部電極形成パターンの
    空間を設ける請求項3又は4記載の積層セラミックコン
    デンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記内部電極形成パターンの空間に前記
    導電ペーストを充填する手段として、加圧チャンバー
    と、該加圧チャンバーの一部分をなし下面を塞ぐよう着
    脱自在に装着されたペーストマスクとを備える機構を用
    い、前記加圧チャンバー内に前記導電ペーストを収容
    し、前記ペーストマスクを前記第1の未焼成セラミック
    誘電体層上に位置決め載置した状態で前記加圧チャンバ
    ー内を加圧することで、前記空間に対応したペースト吐
    出穴を有する前記ペーストマスクを通して前記空間に前
    記導電ペーストを吐出して充填する請求項3,4又は5
    記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記内部電極形成パターンの空間に前記
    導電ペーストを充填する手段として、前記導電ペースト
    を吐出する注入スキージヘッドと、前記空間に対応した
    ペースト通過穴を有するマスクとを備える機構を用い、
    前記マスクを前記第1の未焼成セラミック誘電体層上に
    位置決め載置した状態で前記注入スキージヘッドが前記
    マスク上を移動しながら前記導電ペーストを吐出するこ
    とで、前記マスクを通して前記空間に前記導電ペースト
    を充填する請求項3,4又は5記載の積層セラミックコ
    ンデンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009187991A (ja) * 2008-02-01 2009-08-20 Noritake Co Ltd 積層型チップ素子の製造方法
US7611982B2 (en) 2003-04-15 2009-11-03 Tdk Corporation Method of forming sheet having foreign material portions used for forming multi-layer wiring board and sheet having foreign portions

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