JP2001092501A - 自動制御方法 - Google Patents
自動制御方法Info
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Abstract
値に追従させる自動制御の際、制御量を目標値に対して
正確に追従させることができる設定値の設定方法を提供
することにある。 【解決手段】 PID制御装置1の前段に、二つの一次
フィルタ2及び3が接続されている。制御量の目標値
は、一次フィルタ2及び一次フィルタ3を順に経て、フ
ィードバック制御系を構成するPID制御装置1に入
る。図中、sはラプラス演算子を表わす。なお、この例
では、一次フィルタ3の時定数T1は、固定値である
が、一次フィルタ2の時定数T2は、時間毎に変化する
様に設定される。これらの機能は、マイクロコンピュー
タで実現される。
Description
を、時間的に変化する目標値に追従させる自動制御方法
に係り、特に、目標値の変化パターンに対する追従性に
優れた設定値の設定方法に関する。
て、制御量(プロセス変数)の目標値の変化に応じて設
定値を設定する方法の各種の例を示す。
いて設定値を設定した例である。この様なパターンを使
用した場合、制御量に大きなオーバーシュートが発生し
たり、設定値の急激な変化に対して制御量が十分に追従
できなくなるという問題がある。
定値を設定した例である。この様なパターンを使用した
場合、設定値が瞬時に変化することがないので、設定値
の時間変化に制御量を正確に追従させることができる。
値を設定する例である。この様なパターンを使用した場
合、全体的には応答が速く、同時に、オーバーシュート
が発生しにくい。しかし、最終設定値付近での収束は遅
くなる。
れたサーボ制御系のブロック線図の一例を示す。ここ
で、Tは時定数、sはラプラス演算子を表わす。この例
では、PID制御が使用され、「目標値フィルタ付きP
ID制御」とも呼ばれている。この様な制御方法は、高
速で且つオーバーシュートも少なく、制御量を目標値に
正確に追従させることができる。
エーハの様な平板状の被加熱物を昇温する際、被加熱物
の全面をむらなく均一な温度分布状態で維持したまま、
所定の温度まで到達させることが要求される場合があ
る。その様な場合、ヒータを同心円状の複数のゾーンに
分割し、各ゾーンをそれぞれ独立に制御することによっ
て被加熱物の温度分布の均一化を図るとともに、昇温過
程においても、ヒータの各ゾーンに対応する被加熱物の
各位置の温度を、正確に設定値に対して追従させる必要
がある。
タを用いた加熱装置の制御に、先に図6(a)から
(c)に示した設定値の設定用のパターンを適用した場
合、以下の様な問題点がある。
を用いた場合、昇温過程は、個別の加熱ゾーンの制御特
性のみに依存し、温度むらの問題は全く考慮されないこ
とになる。
た場合、昇温過程を考慮することができる。しかし、制
御対象の熱的特性によっては、制御量を正確に設定値に
追従させるために直線の傾きを緩やかに設定しなければ
ならず、応答が遅くなってしまう。また、パターン中の
直線と直線とのつなぎ目において、制御量に振動やオー
バーシュートが生じ易く、温度むらが発生する要因とな
る。
ーンを用いた場合、設定値の変化に対して制御量を高速
で応答させることができるとともに、オーバーシュート
が生じ難く、最終設定値付近での温度むらが小さくな
る。しかし、目標値の変更直後に大きな操作量(制御入
力)が必要とされる。特に、各ゾーンの制御特性に偏り
がある場合には、特定のゾーンに長時間100%以上の
出力が要求される。その様な場合、被加熱物に加熱むら
が発生することになる。また、先に述べた様に、全体的
には応答が速いが、最終設定値付近での収束は遅くな
る。
示す。立ち上がりの部分の傾斜は、先に図6(c)で示
した一次フィルタと比較して、多少は緩やかになるが、
全体としては大差がない。なお、フィルタの時定数を大
きくすれば、立ち上がり部分の傾斜を更に緩やかにする
ことができるが、それに伴い、全体的に応答が遅くなっ
てしまう。従って、二次フィルタを用いて、立ち上がり
部分だけを改善することはできない。
温度(制御量)を非接触状態で検出するためのセンサと
して、放射温度計が用いられている。放射温度計は、測
定対象物から放射される赤外線のエネルギーを検出して
温度に変換しているが、温度の低下に伴いエネルギー量
が急速に減少するので、広い温度範囲で正確に被加熱物
の温度を測定することはできない。そのため、例えば高
温領域用の放射温度計では、500〜1300℃といっ
た様な測定範囲が規定されている。
てフィードバック制御を行う場合には、設定温度の下限
値を、放射温度計の測定下限値(500℃)よりもある
程度高い温度(例えば550℃程度)に設定する必要が
ある。
囲:500〜1300℃)を備えた加熱装置を用いて、
ウエーハを室温から1000℃まで昇温したときの温度
測定結果の一例を示す。図中、破線4はウエーハの温度
の設定値、実線5は放射温度計による検出値である。
に加熱するため、ヒータを同心円上に複数のゾーンに分
割し、それぞれのゾーン毎に独立にフィードバック制御
を行っている。また、フィードバック制御は、550℃
以上の温度範囲で行っている。ウエーハの温度が100
0℃に到達した後、ウエーハの温度を1000℃に維持
し、この状態で、ウエーハ上にシリコン薄膜の堆積を行
っている。図9に示したデータは、ウエーハの表面で、
上記の複数のゾーンの内の一つに対応する位置における
データである。
と、スリップと呼ばれる結晶転移が生じる。この様なス
リップは、当該ウエーハを用いて生産される半導体素子
の不良の原因となる。スリップは、高温になる程発生し
易いが、600℃程度でも発生すると言われている。こ
のため、ウエーハを1000℃まで昇温する過程におい
て、600℃以上の状態では、ウエーハの面内の温度差
を、できる限り小さくしなければならない。
ードバック制御可能な温度が550℃程度以上なので、
この温度を最初の設定温度とする。ウエーハの温度が5
50℃に到達するのを待ち、550℃に到達した後、5
50℃から1000℃まで温度設定値を線形に変化させ
る。この場合、500℃以下ではウエーハの温度が測定
できないので、温度が低い状態が続くと、ヒータ出力が
100%に達してしまう。そのため、温度が測定可能な
500℃以上になっても、フィードバックによるブレー
キ効果がすぐには現れず、550℃に到達した直後にお
けるオーバーシュートが大きくなり、面内の温度差も大
きくなる。なお、設定値を曲線状に変化させれば、オー
バーシュートや面内の温度差の減少が期待できる。しか
し、ウエーハの種類によって温度が室温から600℃程
度まで上昇する時間が異なり、適切な設定値曲線を決め
ることは容易ではない。
放射温度計を用いた従来の温度制御方法の問題点に鑑み
なされたもので、本発明の目的は、制御対象の制御量
を、時間的に変化する目標値に対して追従させる自動制
御の際、制御量を目標値に対して正確に追従させること
ができる設定値の設定方法を提供することにある。
は、制御対象の制御量を、時間的に変化する目標値に対
して追従させる自動制御方法において、制御量の目標値
を、複数の一次フィルタを順に介してフィードバック制
御系に入力することによって、操作量を決定する様に構
成するとともに、前記複数の一次フィルタの内の少なく
とも一つの一次フィルタの時定数を、時間毎に変更でき
る様に構成し、制御対象の追従特性に合わせて、前記少
なくとも一つの一次フィルタの時定数を時間毎に変化さ
せて設定することを特徴とする。
くとも一つの一次フィルタの時定数を、制御対象の系の
追従特性に合わせて、時間毎に変化させて設定すること
によって、目標値に対する制御量の追従性を向上させる
ことができる。
の時定数を、制御量の前記検出値に対応させて変更する
方法もある。
法の一例について説明する。
ロック線図を示す。PID制御装置1の前段に、二つの
一次フィルタ2及び3が直列に接続されている。制御量
の目標値は、一次フィルタ2及び一次フィルタ3を順に
経て、フィードバック制御系を構成するPID制御装置
1に送られる。図中、sはラプラス演算子を表わす。な
お、この例では、前段側の一次フィルタ3の時定数T1
は、固定値であるが、後段側の一次フィルタ2の時定数
T2は、時間毎に可変に設定することができる。これら
の機能は、マイクロコンピュータで実現される。
算の具体的な内容について説明する。一次フィルタ2が
図2に示す様なブロック線図で表わされる場合、マイク
ロコンピュータでは、次式に従って入力信号X(n)か
ら出力信号Y(n)が計算される。
1”は一つ前のサンプリングナンバー、ΔTはサンプリ
ング時間を示す。T2は、一次フィルタ2の時定数で、
この例では、その値が時間毎に変化させることができ
る。
刻々の時定数を算出するフローチャートの一例を示す。
このフローチャートは、目標値の変更直後の立ち上がり
を、ゆっくりと応答させる際の例である。時定数T2の
初期値をT2s、最終値をT2eとし、T2s>T2e
とする。離散値計算のサンプリングタイミング毎に一定
の値mをT2から減算して行き、T2の値がT2eより
小さくなったら、そこで減算を終了させる。なお、この
計算は、設定値変更時間より短い時間で終了してもかま
わない。
時間変化のパターンを示す。先に図8で示した通常の二
次フィルタと比べて、立ち上がり時にも緩やかに応答さ
せることによって制御出力を抑え、温度むらを減少させ
ることができる。この様な曲線形状は、どこの位置でも
連続的なので応答が振動的になりにくく、温度むらも生
じにくくなる。また、応答速度も遅くならない。
の値を、より大きく設定すれば立ち上がりが緩やかにな
って行く。また、サンプリングタイミング毎に時定数の
値から一定の値を減算して行ったが、この一定の値を大
きく取れば急速に応答が速くなる。
ング毎に時定数の減算を行っているが、数サンプリング
毎に時定数の減算を行っても良い。また、減算ではな
く、一定の値を加算して行くこともできる。その場合に
は、初めは急で、徐々にゆっくりとした応答になって行
く。また、上記の例では、設定値を増大させているか、
減少させる場合でもかまわない。
に、ヒータ及び放射温度計(測定範囲:500〜130
0℃)を備えた加熱装置を用いて、ウエーハを室温から
1000℃まで昇温したときの温度測定結果を示す。図
中、破線4はウエーハの温度の設定値、実線5は放射温
度計による検出値である。ウエーハの温度は、図1に示
したフローに従って制御される。
を1000℃とする。後段側の一次フィルタ2の時定数
T2の初期値を大きく取り、時間毎に徐々に減少させて
行く。また、この減少の速度もゆっくりしたものにして
おく。設定値は、制御開始時は、ゆっくりと上昇してい
く、温度計による測定値が520℃を超えたら、時定数
の減少速度を速くして行き、最終設定値の1000℃ま
で連続的に時定数を変化させる。設定値の時間変化を表
す曲線がどこでも連続であるので、温度分布が発生しに
くく、制御対象(被加熱物)の特性が異なっても、事前
に設定値曲線を決めることなく、自動的に制御対象に合
った設定値曲線で温度制御をすることができる。また、
応答を速くすることもできる。
御する場合は、ゾーンの中でどれか1つのゾーンにおい
て設定値曲線を作成し、全てのゾーンについての共通の
設定値として用いれば温度分布を少なくすることができ
る。なお、この場合には、一番応答が速いゾーンを共通
の設定値とすればよい。
設定値の曲線の形状を、容易に且つ大きな自由度で定め
ることができる。更に、制御対象の状態(制御量)を検
出するセンサからの出力に連動させて時定数を変化させ
ることによって、制御対象の系の特性に合わせて時定数
を選択することができ、この結果、追従性を更に高める
ことができる。
ば、制御対象の系の特性に合わせ、正確に設定値に追従
させてサーボ制御を行うことができる。
ック線図。
明する図。
法の一例を示すフローチャート。
値曲線の一例。
ーハの加熱を行った時の、シリコンウエーハの温度変化
の一例。
図、(a)はステップ状のパターン、(b)は線形のパ
ターン、(c)は一次フィルタを用いたパターンを表
す。
のブロック線図。
曲線の例。
を用いて設定値を作成した時の温度制御結果のデータの
一例を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 制御対象の制御量を、時間的に変化する
目標値に対して追従させる自動制御方法において、 制御量の目標値を、複数の一次フィルタを順に介してフ
ィードバック制御系に入力することによって、操作量を
決定する様に構成するとともに、 前記複数の一次フィルタの内の少なくとも一つの一次フ
ィルタの時定数を、時間毎に変更できる様に構成し、 制御対象の追従特性に合わせて、前記少なくとも一つの
一次フィルタの時定数を時間毎に変化させて設定するこ
とを特徴とする自動制御方法。 - 【請求項2】 制御対象の制御量を、時間的に変化する
目標値に対して追従させる自動制御方法において、 制御量の目標値を、複数の一次フィルタを順に介してフ
ィードバック制御系に入力することによって、操作量を
決定する様に構成するとともに、 前記複数の一次フィルタの内の少なくとも一つの一次フ
ィルタの時定数を、時間毎に変更できる様に構成し、 制御量の前記検出値に対応させて、前記少なくとも一つ
の一次フィルタの時定数を変更することを特徴とする自
動制御方法。
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---|---|---|---|
JP26371099A JP3854018B2 (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | 自動制御方法 |
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1999
- 1999-09-17 JP JP26371099A patent/JP3854018B2/ja not_active Expired - Fee Related
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