JP2001091611A - 高磁場分解能磁束計 - Google Patents

高磁場分解能磁束計

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JP2001091611A
JP2001091611A JP26601099A JP26601099A JP2001091611A JP 2001091611 A JP2001091611 A JP 2001091611A JP 26601099 A JP26601099 A JP 26601099A JP 26601099 A JP26601099 A JP 26601099A JP 2001091611 A JP2001091611 A JP 2001091611A
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thin film
squid
coil
magnetometer
squids
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JP26601099A
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English (en)
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Akira Tsukamoto
塚本  晃
一正 ▲高▼木
Kazumasa Takagi
Tokumi Fukazawa
徳海 深沢
Etsuhisa Saotome
悦久 五月女
Yoshinobu Taruya
良信 樽谷
Kazuo Saito
和夫 齊藤
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Hitachi Ltd
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International Superconductivity Technology Center
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温超電導体のSQUIDを使用したより性
能の高い磁束計を提供すること: 【解決手段】 高温超電導体薄膜のSQUIDの超電導
リングと高温超電導体薄膜の検出コイルの一部である入
力コイルが絶縁体薄膜を介して高温超電導体薄膜−絶縁
体薄膜−高温超電導体薄膜の積層構造とされ、複数のS
QUIDが直列に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高温超電導材料の応
用分野のうち、SQUID(超電導量子干渉素子、Supe
rconducting QUantum Interference Device)を使用した
超高感度の磁束計を用いた高感度磁場計測システム、た
とえば、心磁や脳磁などの生体磁気計測システムや非破
壊検査に適用して有用なSQUIDおよび磁束計の素子
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】液体窒素の沸点よりも高い臨界温度を持
つ高温超電導材料が発見されて以来、冷却に液体窒素や
冷凍機を用いた超電導の応用が検討されている。SQU
IDは半導体など他の素子では得られない超高感度の磁
気センサであり、脳や心臓などから発生する生体磁気の
測定が無侵襲でできる他、航空機の機体の微細欠陥など
を非破壊で検査できる。現在、高品質な薄膜試料が得ら
れることから高温超電導SQUIDには主にYBa2
3yなどのいわゆる123系超電導体が用いられてい
る。
【0003】SQUID5は図1(a)に示すように超
電導薄膜からなり、切り欠き部10と弱結合7を2つ含
む超電導リング9と電流・電圧端子3とで構成される。
SQUID5の素子面積は数十μm×数十μmから数百
μm×数百μm程度である。素子面積が小さいためSQ
UID単体の磁束捕獲面積は小さい。通常、図1(b)
に示すように数十mm×数十mm程度の大きさの超電導
薄膜からなる検出コイル2をSQUID5に結合させて
磁束捕獲面積を大きくし、感度を向上させている。単体
のSQUID5と検出コイル2を含めてSQUIDとよ
ぶ場合もあるが、本発明ではSQUID単体5を単にS
QUIDと呼び、検出コイル2を含める場合は磁束計1
1と呼ぶ。
【0004】図2(a)にSQUID単体5の出力、
(b)に検出コイル2を備えた磁束計の出力を示す。横
軸は印加した外部磁場で、縦軸はSQUIDの出力電圧
である。このような正弦波的な周期的な出力がSQUI
Dの特徴であり、一周期は磁束量子(Φ0=2.07×
10-15Wb)に相当する磁束がSQUIDの超電導リ
ングに鎖交したことに対応する。磁束量子を一周期当た
りの印加磁場で割った値が有効磁束捕獲面積である。検
出コイルがある磁束計の方が有効磁束捕獲面積は大きい
ため、一周期当たりの印加磁場は小さい。
【0005】磁束計の感度(磁場分解能)SB 1/2は下記
(数1)で示される。
【0006】
【数1】
【0007】ここでSΦ 1/2は磁束雑音とよばれSQUI
D単体の性能を示し、Aeffは有効磁束捕獲面積と呼ばれ
検出コイルや入力コイルなどで構成される磁気結合回路
の性能を示すものである。たとえば、SΦ 1/2=10-5
Φ0Hz-1/2、Aeff=0.2mm2であれば100fT
Hz-1/2の感度(いわゆる磁場分解能であり、以下磁場
分解能と言う)が得られる。心磁計測に必要な磁場分解
能は100fTHz-1/2程度より小さい値と見積もられ
ている。SQUIDの磁場分解能を向上させるためには
磁束雑音SΦ 1/2を下げ、有効磁束捕獲面積を増加させ
ることが必要である。前に述べたように有効磁束捕獲面
積は磁束計の電圧−磁場特性での一周期当たりの印加磁
場から求めることができ、一周期当たりの印加磁場が小
さいほど有効磁束捕獲面積がおおきくなる。
【0008】一方、磁束雑音SΦ 1/2はSQUIDの出力
電圧の電圧ノイズSV 1/2と磁束−電圧変換係数dV/d
Φから下記(数2)で示される。
【0009】
【数2】
【0010】すなわち、磁束雑音SΦ 1/2を下げるため
にはSV 1/2を下げ、dV/dΦを増加させることが必要
となる。電圧ノイズSV 1/2を下げるためにはSQUID
自身のノイズを下げるとともに低雑音の駆動回路を使用
する必要がある。特に、高温超電導SQUIDで顕著な
臨界電流の揺らぎに起因した1/fノイズは交流バイア
ス回路を用いることで大幅に低減できることが知られて
いる。また、磁束−電圧変換係数dV/dΦは磁束量子
Φoを周期として周期的に出力電圧が変化するSQUI
Dの電圧−磁場特性(V−Φ特性)の最大傾きである
(図2(a))。dV/dΦはV−Φ特性の変調電圧振
幅ΔVにほぼ比例し、比例係数は円周率π程度である。
つまり、大きな変調電圧振幅ΔVを実現することでSQ
UIDおよびSQUIDを使用した磁束計の性能すなわ
ち磁場分解能を向上できる。
【0011】このように、SQUIDセンサとしての性
能である磁場分解能はSQUIDの磁束換算雑音と有効
面積で決まり、磁束換算雑音はSQUIDの出力電圧の
雑音と電圧−磁束換算係数で決まっている。SQUID
の感度は、有効面積と電圧−磁束換算係数を増大させ、
SQUIDの出力電圧の雑音を低下させることで向上で
きる。
【0012】変調電圧振幅ΔVは、熱雑音を考慮した数
値計算により導出された(数3)から(数5)で見積も
ることができる(たとえば、円福ら、ジャパニーズ・ジ
ャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、第32巻
(1993年)L1407頁(K. Enpuku、 Jpn. J. Appl. P
hys. 32 (1993) L 1407))。
【0013】
【数3】
【0014】ただし
【0015】
【数4】
【0016】
【数5】
【0017】ここでLはSQUIDリングのインダクタ
ンス、IcとRnはそれぞれ弱結合の臨界電流と接合抵
抗、Tは動作温度、KBはボルツマン定数、δΦnは雑音
磁束と呼ばれ、熱雑音によりインダクタンスに生じる雑
音を示す。つまり、(数3)の第2項は熱雑音によるΔ
Vの減衰を示す。δΦnは温度TとインダクタンスLの
関数であるが、77Kではインダクタンスのみで決ま
り、インダクタンスが小さいほど熱雑音の項は小さくな
る。また、βはインダクタンスパラメーターと呼ばれて
おり、通常1〜5程度になるように設計する。
【0018】(数3)〜(数5)より、インダクタンス
を小さくすることでΔVが増加することが判るが、イン
ダクタンスを小さくすると有効面積が減少するため最終
的なSQUIDの磁場分解能の点からは有効な方法では
ない。(数3)からわかるようにβが大きくなるにつれ
てΔVは小さくなることから、βは小さい方が良い。L
が決まっている場合、βはIcで決まるが、77Kでは
熱雑音により実際に測定できるIcが小さくなるため、
通常Icとしては10μAないし20μA程度に設計さ
れており、すでにほぼ最適化されている。また、(数
3)からRnが大きいほどΔVが大きくなることが判る
が、弱結合のIcnは77Kで100μVないし300
μV程度であり、Icが決まれば同時にRnも決まってし
まう。このように、ある接合特性の弱結合に対して最適
に設計されたSQUIDではΔVはほぼ決まってしま
い、通常数十μV程度である。
【0019】しかしながら、別のアプローチとして同じ
特性のSQUIDを直列に接続することで大きな変調電
圧振幅を実現することが可能である。理想的な場合、n
個のSQUIDを直列にした場合の出力は、単体SQU
IDのΔVのn倍になる。ただし、個々のSQUIDの
臨界電流および磁場−電圧特性(図2)の周期と位相が
揃っている必要がある。一方、直列に接続することで個
々のSQUIDの電圧ノイズSVも積算される。しか
し、個々のノイズの位相は完全に揃っているわけではな
いため、n個のSQUIDを直列にした場合でも電圧ノ
イズSVがn倍になることはない。したがって、総合的
にはn個のSQUIDを直列接続してn倍の出力になら
なくても、直列にすることにより磁束計の磁場分解能を
向上させることはできる。
【0020】LeeらはSQUIDを50個直列に接続
し、ひとつのSQUIDのΔVの約10倍に相当する1
50μVの大きな変調電圧振幅を得たことを、アイ・イ
ー・イー・イー、トランザクション オン アプライド
スーパーコンダクティビティ第7巻、3347頁(1997
年)(S.-G. Lee et al, IEEE TRANSACTION ON APPL
IED SUPERCONDUCTIVITY VOL.7 3347 (1997))で報告し
ている。しかし、彼らの直列型SQUIDは平面型の磁
気結合で検出コイルと結合しているため、検出コイルか
らSQUIDへの磁束の伝達効率が悪いこと、および各
SQUIDの特性のばらつきのため、総合的な磁場分解
能は低い。
【0021】また、Schultzeらは図1(b)に示す検出
コイルが直接SQUIDリングに接続された構造のダイ
レクトカップル型磁束計において、2つのSQUIDを
直列に接続することでSQUIDが一つのもののほぼ2
倍の変調電圧振幅が得られることをアイ・イー・イー・
イー、トランザクション オン アプライド スーパー
コンダクティビティ第9巻、掲載予定(1999年)
(V. Schultze et al,IEEE TRANSACTION ON APPLIED
SUPERCONDUCTIVITY VOL.9 (1999) に掲載予定)で報告
している。しかし、ダイレクトカップル型磁束計では3
つ以上のSQUIDを直列に接続することができない。
彼らの磁束計は検出コイルを備えており磁場分解能も大
きいが、SQUIDを2つしか直列にしていないため、
直列接続の効果を十分に利用しているとはいえない。
【0022】さらに、上述の直列型SQUIDはいずれ
も単層の高温超電導薄膜で構成されている。単層である
から、作製工程が短いため製造コストを低く抑えること
が可能である。しかしながら検出コイルとの結合が平面
型磁気結合の場合は、結合効率が良くない。また、電流
注入型の直接結合では結合効率はかなり良いが、3つ以
上のSQUIDを直列に接続することができないため、
直列型SQUIDの効果を十分に活かした磁束計の性能
向上が困難である。
【0023】磁束計で最も効率の良い検出コイルとSQ
UIDとの接続方法はマルチターン入力コイルを介して
磁気的に結合させる方法である。マルチターン入力コイ
ルを介して磁気的に結合させた直列型SQUIDを有す
る磁束計を作製することは可能であるが、この場合、絶
縁体薄膜と複数の超電導体薄膜からなる積層構造および
絶縁体層に形成された穴を介した上下の超電導体の接続
が必要になる。その結果、各層ごとに成膜と微細加工が
必要になり作製工程が長くなるため、単層の高温超電導
薄膜で作製した場合と比べて製造コストが大幅に増加す
る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術で述べた
ように、高温超電導薄膜により作製されたSQUIDお
よびそれらで構成される磁束計は様々な改良がなされて
きた。本発明はその延長線上にあり、SQUIDおよび
磁束計の性能を一層向上させることを課題としている。
特に多数のSQUIDを直列にした検出コイルを有する
磁束計の実現を目的としているが、上述のごとく、従来
技術では高磁場分解能のSQUIDを実現するための十
分な配慮がなされていたとはいえない。
【0025】したがって、本発明では大きな変調電圧振
幅ΔVを実現することで電圧−磁束換算係数を増加さ
せ、最終的にSQUIDの磁場分解能を向上させること
を可能とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明では、形成された
2つの弱結合を含む超電導リングと電流、電圧端子で構
成される複数のSQUIDを直列に接続するとともに、
それぞれのSQUIDが共通の検出コイルと磁気的に結
合させられることにより、検出コイルとSQUIDとの
結合効率および変調電圧振幅を同時に向上させた高磁場
分解能の磁束計を実現する。多数のSQUIDを直列に
接続することで変調電圧振幅を増加させるとともに、さ
らに、検出コイルとSQUIDとの結合を高温超電導体
薄膜−絶縁体薄膜−高温超電導体薄膜の積層構造による
ものとして、強く磁気的に結合させる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、実施例をあげて本発明をよ
り具体的に説明するが、以下の開示は本発明の一実施例
にすぎず、本発明の技術範囲を何ら限定するものではな
い。
【0028】実施例1 以下、本発明の第1の実施例を述べる。図3(a)に本
実施例の磁束計の模式図を示す。1は基板であり、たと
えば、SrTiO3(100)バイクリスタル基板であ
る。該基板1上には、超電導リング9、切り欠き10、
弱結合7および電流・電圧端子3よりなるSQUID5
が超電導薄膜により形成され、隣接する各SQUID5
の上側の電流・電圧端子3同士、下側の電流・電圧端子
3同士が交互に接続されて、多数のSQUID5がカス
ケード接続された形に形成される。この際、基板1の結
晶粒界4の位置に弱結合7の位置がくるようになされ
る。SQUID5のカスケード接続層の上には、層間絶
縁膜6が形成される。層間絶縁膜6があるため、本来、
SQUID5のカスケード接続構造は平面図としては見
えないわけであるが、説明の便宜上、層間絶縁膜6は透
明であるものとして図示した。層間絶縁膜6の上面には
超電導薄膜により入力コイル8が形成される。入力コイ
ル8の両端は延伸されて、そのまま検出コイル2を形成
する。検出コイル2は図1(b)で説明したように全体
としては大きなリングであるが、超電導リング9の各辺
に対応する位置でじぐざくに折り曲げられて入力コイル
8として配置され、超電導リング9と磁気結合する。す
なわち、超電導リング9と検出コイル2の一部である入
力コイル8とが、高温超電導体薄膜−絶縁体薄膜−高温
超電導体薄膜の積層構造を形成して、強く磁気的に結合
させられている。カスケード接続された両端のSQUI
D5の下側の電流・電圧端子3には外部接続線を接続す
るための貴金属薄膜よりなる端子300が形成される。
【0029】図3(b)は検出コイル2の一部である入
力コイル8の部分のみを拡大して示す図であり、図3
(c)はカスケード接続されたSQUID5と端子30
0の部分のみを拡大して示す図である。この、超電導薄
膜層により形成されたそれぞれの回路が層間絶縁膜6を
介して積層され、超電導リング9の部分で磁気結合して
いるのである。
【0030】図4は、図3に示す実施例の作製プロセス
を説明する図である。入力コイル8の部分およびカスケ
ード接続されたSQUID5の超電導リング9の積層部
分と端子300の部分を中心に図3(a)に示すA−A
の位置で矢印方向に見た作製プロセスの各過程での断面
図の概要である。
【0031】まず、基板として10mm角のSrTiO
3(100)バイクリスタル基板41を用いた。接合角
としては24゜、30゜、36゜および45゜のうちい
ずれかが使用できるが、本実施例では24゜を使用し
た。基板上に膜厚100nmのCeO2バッファー層4
2をKrFエキシマレーザーを用いたレーザー蒸着法で
作製した。ターゲットには直径20mmのCeO2焼結
体を用いた。このCeO2バッファー層42は基板の全
面に形成するのも良いが、本実施例では、入力コイル8
の部分およびカスケード接続されたSQUID5の積層
部分と端子300の部分を構成する領域とした。基板温
度は760℃、成膜時の雰囲気は70mTorrの純酸
素とし、レーザーエネルギー70mJ、レーザーエネル
ギー密度1〜2J/cm2、レーザー発信周波数3H
z、基板とターゲットの間隔を約4cmとして成膜を行
った。この際、ターゲットがなるべく均一に削れるよう
に、ターゲットを自転させるとともに、膜厚の分布を抑
えるためレーザー光線をターゲット上でラスタースキャ
ンさせ、また基板も回転させた。ここで、43は基板の
結晶粒界、44はバッファー層42の結晶粒界である。
(図4(a))。
【0032】次に、基板温度を760℃に保ったまま、
酸素の流量を増やし圧力を300mTorrまで増加さ
せ、膜厚150nmのYBa2Cu3y(以下YBCO
と略す)下部超電導膜45をCeO2バッファー層42
の上に作製した。ターゲットには直径20mmの円盤状
のYBCO焼結体を用いた。他の成膜条件はCeO2
ッファー層42の成膜時と同じとした。成膜後、酸素分
圧を5Torrまで増加させ、760℃から10℃/分
の速度で200℃以下まで薄膜試料を冷却し成膜装置か
ら取り出した。ここで、46は下部超電導薄膜の結晶粒
界である。(図4(b))。
【0033】次に、作製した薄膜に膜厚600nmの電
子線描画用のレジスト(製品名ZEP520、日本ゼオ
ン製)をスピンコートした。160℃、10分のプリベ
ークを行った後、電子線描画法で下部YBCO超電導膜
用のパターンを露光し、キシレンで現像することで下部
YBCO超電導膜用のレジストパターンを形成した。こ
のパターンは、図3(c)に示すカスケード接続された
SQUID5とカスケード接続された両端のSQUID
5の下側の電流・電圧端子3の部分となるYBCOのパ
ターンである。また、図3(a)、(c)で示した結晶
粒界4は下部超電導薄膜の結晶粒界46に対応する。こ
の位置はSQUID5の弱結合7の位置に対応してい
る。続いて、レジストの側壁をなだらかにし再付着を抑
えるために200℃、7分のポストベークを行った。次
に、Arイオンビームエッチングでレジストパターンを
下部YBCO薄膜に転写した。Arのガス圧は1.1×
10-4Torr、加速電圧は500Vとした。また、イ
オン衝撃による試料温度の上昇を緩和するため、3分間
のエッチングと3分間の休憩を交互に繰り返した。この
条件でのYBCO薄膜とレジストのエッチング速度はそ
れぞれ12nm/分および16nm/分程度であった。
下部YBCO薄膜の膜厚150nmに対してエッチング
深さは200nmとし、約50nmのオーバーエッチン
グを行った。CeO2バッファー層42をあらかじめ成
膜してあるので、オーバーエッチングされた表面はSr
TiO3ではなくCeO2である。残ったレジストは2−
ブタノン中で超音波洗浄することで除去した。ポストベ
ークを行ったことに対応して、加工したパターンの側面
は約30゜〜60゜の傾斜となった(図4(c))。
【0034】次に、3×4mmの穴が開いたメタルマス
ク47を使用して、下部YBCO膜に作製したSQUI
Dパターン上に層間絶縁膜48(図3の層間絶縁膜6に
対応する)のCeO2を作製した。膜厚は250nmと
した。成膜条件はCeO2バッファー層42の作製条件
と同じとした。図3(a)に示すように、下部YBCO
膜に作製した電流・電圧端子3の電極部分は作製した層
間絶縁膜6のCeO2からはみだしており、電極とのコ
ンタクトを確保するためのCeO2膜への穴開けなどの
プロセスは必要ない。ここで、49は層間絶縁膜48の
結晶粒界である。なお、本プロセスでは、基板41上面
にCeO2バッファー層42をはじめに堆積させている
が、CeO2バッファー層42を堆積させなっかた場
合、層間絶縁膜48のCeO2の一部は、オーバーエッ
チングによりイオンによるダメージを受けたSrTiO
3基板上へ作製することになり、この場合、層間絶縁膜
48のCeO2の配向や表面形態が乱れ、その上に作製
された上部超電導膜の特性が劣化することがわかった。
本プロセスではCeO2バッファー層42をあらかじめ
成膜することで、オーバーエッチングされた表面をSr
TiO3ではなくCeO2とし、層間絶縁膜48のCeO
2をホモエピタキシャル成長させることで配向や表面形
態の乱れを防止できている(図4(d))。
【0035】次に、CeO2作製時に用いたメタルマス
ク47を取り外した後に、再び、成膜装置に試料を入れ
上部超電導薄膜50を作製した。下部超電導薄膜45と
同様に、超電導体としてはYBCOを用いたが、膜厚は
200nmとした。成膜条件は下部YBCO薄膜45の
成膜条件と同じとした。ここで、51は上部超電導薄膜
の結晶粒界である。なお、上部超電導薄膜50は図3
(b)からも分かるように、入力コイル8とこれが延伸
された検出コイル2の両方の超電導薄膜であるから、図
の左側にも形成される(図4(e))。
【0036】さらに、抵抗加熱蒸着法で電極パッド用の
貴金属電極層53としてAu薄膜を、メタルマスク52
を使用して必要な部分にのみ蒸着した。その後、電気炉
で純酸素フロー中、500℃の熱処理を行い、YBCO
薄膜を十分に酸化するとともにAuとYBCOの界面抵
抗を低減した(図4(f))。
【0037】次に、下部YBCOの微細加工と同様に、
電子線描画法およびイオンビームエッチング法を用いて
上部YBCO薄膜50とAu薄膜53を加工した。この
段階では、検出コイル2の空間部分に当たるYBCO薄
膜は除去されるから、矢印方向に見える検出コイル2の
側面が図に表れることになる(図4(g))。
【0038】図3に示すように、このパターンには、検
出コイル、入力コイルおよび電流・電圧端子が含まれて
いる。したがって、電流・電圧端子は下部YBCOと上
部YBCOが重なった構造になっている。最後に、残っ
たレジストを2−ブタノンの超音波洗浄で除去した。
【0039】実施例2 以下、本発明の第2の実施例を述べる。図5に本実施例
の磁束計の模式図を示す。1は基板であり、実施例1と
同様、SrTiO3(100)バイクリスタル基板であ
る。該基板1上には、超電導リング9、切り欠き10、
弱結合7および電流・電圧端子3よりなるSQUID5
が超電導薄膜により形成される。隣接する二つのSQU
ID5の超電導リング9が接続されて、これら二つのS
QUID5が直列接続された形に形成される。二つの直
列接続されたSQUID5の外側にある超電導リング9
から、これら二つの直列接続されたSQUID5を大き
く取り巻く形の結合コイル12が形成される。この二つ
の直列接続されたSQUID5と結合コイル12よりな
る単位の構造が複数個カスケードに配列された形に形成
されるとともに、単位の構造の二つの直列接続されたS
QUID5の一方の電流・電圧端子3が隣接する単位の
構造の二つの直列接続されたSQUID5の一方の電流
・電圧端子3と接続される。両端にある単位の構造の二
つの直列接続されたSQUID5の一つの電流・電圧端
子3には、外部接続線を接続するための貴金属薄膜より
なる端子300が形成される。この結果、実施例1と同
様、すべてのSQUID5が両側の電流・電圧端子3の
間でカスケード接続されたものとなる。なお、この場合
も、基板1の結晶粒界4の位置に弱結合7の位置がくる
ようになされる。SQUID5のカスケード接続および
結合コイル12の層の上には、層間絶縁膜6が形成され
る。層間絶縁膜6があるため、本来、SQUID5のカ
スケード接続構造は平面図としては見えないわけである
が、本実施例でも、説明の便宜上、層間絶縁膜6は透明
であるものとして図示した。層間絶縁膜6の上面には超
電導薄膜により入力コイル8が形成される。入力コイル
8の両端は延伸されて、そのまま検出コイル2を形成す
る。検出コイル2は第1の実施例と同様に全体としては
大きなリングであるが、本実施例では第1の実施例とは
異なり、結合コイル12の各辺に対応する位置でじぐざ
くに折り曲げられて入力コイル8として配置され、結合
コイル12と磁気結合する。すなわち、結合コイル12
と検出コイル2の一部である入力コイル8とが、高温超
電導体薄膜−絶縁体薄膜−高温超電導体薄膜の積層構造
を形成して、強く磁気的に結合させられている。
【0040】本実施例では、インダクタンスが(数3)
によりある程度の範囲に限定されているSQUID5自
体とは異なり、結合コイル12および入力コイル8のイ
ンダクタンスはかなり自由に設計できる。このため、S
QUID5の超電導リング9に入力コイル8を結合させ
るよりも効率よく磁気信号をSQUID5に伝達するこ
とが可能となる。また、図3(a)と図5とを対比して
明らかなように、個々のSQUID5の超電導リング9
と入力コイル8とを対応して設けるよりも、2つのSQ
UID5に一つの結合コイルを設けてこれに入力コイル
8とを対応して設ける方がレイアウト的にも優れてい
る。
【0041】本実施例は、実施例1とは、上下の高温超
電導体薄膜層のパターンが異なるが、高温超電導体薄膜
−絶縁体薄膜−高温超電導体薄膜の積層構造を形成して
いるという点では同じであるので、作製プロセスについ
ては説明を省略する。以下の実施例においても、この点
は同じである。
【0042】実施例3 以下、本発明の第3の実施例を述べる。図6に本実施例
の磁束計の模式図を示す。本実施例は、基板1にSQU
ID5のカスケード接続および結合コイル12の層を形
成し、その層の上に、層間絶縁膜6が形成された後、層
間絶縁膜6の上面には超電導薄膜により入力コイル8が
形成される。入力コイル8の両端は延伸されて、そのま
ま検出コイル2を形成している。これらの基本的な構造
においては実施例2と同様である。もっとも、本実施例
の特徴である各SQUID間の電圧−磁場特性の位相差
を調整するためのコントロール線18を配置するため
に、外部接続線を接続するための貴金属薄膜よりなる端
子300の位置が両サイドに変更されて形成される。
【0043】本実施例では、層間絶縁膜6が形成された
後、入力コイル8の形成に合わせてコントロール線18
が形成される。コントロール線18は各SQUID5の
超電導リング9の位置に対応して形成され、超電導リン
グ9と磁気結合する。すなわち、コントロール線18と
超電導リング9とが、高温超電導体薄膜−絶縁体薄膜−
高温超電導体薄膜の積層構造を形成して、強く磁気的に
結合させられている。19はコントロール線18と外部
接続線を接続するための貴金属薄膜よりなる端子であ
る。
【0044】本実施例では、磁束計が捕らえる磁束によ
る信号をSQUID5のカスケード接続および結合コイ
ル12によって効果的に検出しようとする点では実施例
2と同様であるが、超電導リング9と磁気結合するコン
トロール線18を貴金属薄膜よりなる端子19を介して
可調整の抵抗20に接続するとともに、外部接続線2
1,22に接続する点において実施例2と異なる。外部
接続線21,22には、磁束計の駆動に一般的に使用さ
れるACバイアスを用いたFLL回路のACバイアスと
同一周波数の交流電源30を接続する。先にも述べたよ
うに、n個のSQUID5をカスケード接続しても、出
力がn倍にならない理由の一つは、各SQUID間の出
力に位相差があるからであるが、本実施例では、各コン
トロール線18に接続された抵抗20を調整することに
より各SQUID間の出力の位相差を調整することが可
能になる。すなわち、磁束計の出力を監視しながら、各
SQUIDごとにコントロール線18の抵抗20を増加
または減少する操作をして最大の出力が得られる状態に
抵抗20の値を決めるのである。そうすると全てのSQ
UIDのコントロール線18の抵抗20を調整した後で
は、各SQUID間の出力の位相差を零にできることに
なり、結果として、作製時の加工や弱結合特性のばらつ
きなどにより生じたSQUIDの電圧−磁場特性の位相
差により理想的な値よりも減少していた変調電圧振幅を
理想的な値に近づけることが可能となり、磁束計の性能
向上が可能となる。
【0045】実施例4 以下、本発明の第4の実施例を述べる。図7に本実施例
の磁束計の模式図を示す。本実施例は、単純に言えば、
図3に示す第1の実施例と図5に示す第2の実施例とを
組み合わせた形である。基板1にSQUID5のカスケ
ード接続および結合コイル12の層を形成し、その層の
上に、層間絶縁膜6が形成された後、層間絶縁膜6の上
面には超電導薄膜により入力コイル8−1が形成され
る。また、SQUID5の超電導リング9に対応する位
置では、層間絶縁膜6の上面には超電導薄膜により入力
コイル8−2が形成される。入力コイル8−1の左端は
検出コイル2の一端から延伸されている。一方、入力コ
イル8−1の右端は入力コイル8−2の右端と一体とな
っている。入力コイル8−2の左端は検出コイル2の一
端から延伸されている。もちろん、各入力コイル8−
1,8−2と結合される部分で検出コイル2は開放され
ている。すなわち、本実施例では、入力コイル8−1が
結合コイル12と磁気結合する形で配列された後、折り
返して入力コイル8−2が超電導リング9と磁気結合す
る形で配列されたものである。したがって、先のいずれ
の実施例よりも、検出コイル2の捕らえた磁束をSQU
ID5に効果的に作用させることができるといえる。
【0046】実施例の効果の検証 本発明の実施例の効果を検証するために、比較試料とし
て、本発明の実施例と同様の作製プロセにより、図3に
示す第1の実施例でSQUIDが一つのみの磁束計(積
層構造)と図1(b)に示す従来例の構造(単層構造)
を持つ磁束計とを作製した。後者の比較試料の構造は酸
化物超電導体を用いた磁束計では現在主流の構造であ
る。
【0047】いずれの比較試料の磁束計も検出コイル2
のサイズは同じにした。また、いずれの場合も、SQU
IDの構造については接合幅Wj=2μm、スリット幅
Wsl=2μm、スリット長さLsl=50μm、リン
グ幅Wr=15μm、入力コイルの線幅Win=10μ
m、検出コイルの線幅Wpi=500μm、検出コイル
の面積36mm2とした。これらの寸法は本発明の実施
例と同じであり、同じ条件で比較できるように工夫され
たものである。なお、本発明の実施例では、SQUID
の直列数は20とした。
【0048】磁束計はフィードバックコイルの配線はタ
ーンを持つプリント基板に取り付けて、それをさらに低
温測定用の治具に取り付けて特性の評価を行った。冷却
には液体窒素を使用し、測定温度は77Kとした。測定
には磁気シールド室に設置されたFRP製のデュワーを
使用して行った。磁束計の駆動にはACバイアスを用い
たFLL回路を使用した。ノイズの測定にはFFTアナ
ライザーを使用した。外部磁場は直径40mm、長さ1
00mmの校正済みの手巻きコイルを用いて、SQUI
Dリングに垂直に印加した。
【0049】実施例1の効果の検証例 表1に実施例1(試料番号1)の磁束計の特性と、積層
構造の比較試料の磁束計(試料番号2)および単層構造
の比較試料の磁束計(試料番号3)の特性を示す。
【0050】
【表1】
【0051】実施例1の20個のSQUIDを直列構造
にした場合(試料番号1)でも20倍の変調電圧振幅が
得られるわけではなく、位相のずれなどにより約18倍
にとどまっている。しかし、変調電圧振幅の増加を受け
て磁束換算雑音は約1/4に減少した。一方、有効磁束
捕獲面積はSQUIDが一つの場合(試料番号2)の
0.16mm2から実施例1(試料番号1)ではSQU
IDを20個直列にするために必要となる領域での有効
磁束捕獲の効果が十分でないため、0.15mm2と若
干減少した。また、有効磁束捕獲面積は直接結合型(試
料番号3)がもっとも大きかった。しかしながら、最終
的な磁場分解能は磁束換算雑音が大きく減少しているた
め、実施例1(試料番号1)の磁束計が最も高分解能に
なっており、本発明の効果を確認することができた。
【0052】実施例2の効果の検証例 特性の評価は実施例1と同様にして行った。表2に接合
角24゜の場合の実施例2(試料番号4)による磁束計
の特性を示す。表2では、比較のため、実施例1(試料
番号1)の磁束計の特性も示している。どちらの磁束計
も20個のSQUIDが直列に接続されている。
【0053】
【表2】
【0054】変調電圧振幅、磁束換算雑音は実施例1
(試料番号1)の磁束計とほぼ同じであるが、有効磁束
捕獲面積が結合コイル12を用いた実施例2(試料番号
4)の磁束計の方が大きい。その結果、結合コイル12
を用いた構造の直列型SQUIDの磁束計の磁場分解能
がさらに向上している。実施例2の構造でも、発明の効
果を確認できた。
【0055】実施例3の効果の検証例 特性の評価は実施例1と同様にして行った。表3に接合
角24゜の場合の実施例3(試料番号5)による磁束計
の特性を示す。表3では、比較のため、実施例2(試料
番号4)の磁束計の特性も示している。どちらの磁束計
も20個のSQUIDが直列に接続されている。
【0056】
【表3】
【0057】コントロール線15を有する試料番号5の
磁束計では、磁束計の磁場−電圧特性をモニターしなが
ら各SQUIDのコントロール線15に流す電流値を調
整し最適化することで、コントロール線15が無い試料
番号4の磁束計よりも大きな変調電圧振幅を得ることが
できた。その結果、さらに磁場分解能が向上している。
実施例3の構造でも、発明の効果を確認できた。
【0058】実施例4の効果の検証例 特性の評価は実施例1と同様にして行った。表4に接合
角24゜の場合の実施例4(試料番号6)による磁束計
の特性を示す。本実施例の磁束計も20個のSQUID
が直列に接続されている。
【0059】
【表4】
【0060】実施例1および実施例2の構造の相乗効果
により300μV以上の大きな変調電圧振幅を示した。
また、磁場分解能は51fT/Hz1/2と非常に高感度
であった。
【0061】以上の4つの実施例の効果の検証結果から
わかるように、いずれの実施例でも、多数のSQUID
の直列接続が効果的に作用していることが分かる。ま
た、作製プロセスでも説明したように、二つの超電導層
は相互に接続される必要が無いから、絶縁体薄膜に形成
された穴を通して接続する必要が無く、プロセスを簡易
にできるとともに、信頼性の高いものとできる。ここ
で、検出コイル2と入力コイル8との関係について見る
と、検出コイル2の一部が入力コイル8として機能する
わけであるが、検出コイル2の検出した信号を入力コイ
ル8を介してSQUIDの超電導リング9に効率良く伝
えるためには、両コイルのインピーダンスがほぼ等しい
のが良い。
【0062】また、SQUIDの重要な構成要素である
弱結合は、実施例では、バイクリスタル基板を用いた粒
界接合としたが、段差基板でも、ランプエッジ型や積層
型のSNS接合でも、またこれら以外の構造の弱結合で
も良いのは言うまでもない。
【0063】さらに、本実施例では、 SQUIDを基
板側の超電導薄膜に形成し、検出コイルを絶縁体薄膜に
形成したが、これは、原理上、逆に配置しても同様であ
る。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、単純な3層構造によ
り、高い磁場分解能の磁束計を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)はSQUIDおよびSQUID
と検出コイルを含む磁束計の従来例の典型的な構成を示
す平面図。
【図2】(a)、(b)はSQUID単体およびSQU
ID単体と検出コイルを含む磁束計の従来例の典型的な
電圧−磁場特性を示す図。
【図3】(a)は本発明の第1の実施例の磁束計の構造
を示す平面図、(b)および(c)は、第1の実施例の
検出コイル2の一部である入力コイル8の部分のみを拡
大して示す図およびカスケード接続されたSQUIDと
端子の部分のみを拡大して示す図。
【図4】本発明の第1の実施例の磁束計の作製プロセス
を磁束計のSQUID部を主体にして工程毎に説明する
断面図。
【図5】本発明の第2の実施例の磁束計の構造を示す平
面図。
【図6】本発明の第3の実施例の磁束計の構造を示す平
面図。
【図7】本発明の第4の実施例の磁束計の構造を示す平
面図。
【符号の説明】
1:基板、2:検出コイル、3:電流・電圧端子、4:
結晶粒界、5:SQUID、6:層間絶縁膜、7:弱結
合、8:入力コイル、9:超電導リング、10:切り欠
き、11:磁束計、12:結合コイル、18:コントロー
ル線、19:端子、20:可変抵抗、30:交流電源、
41:バイクリスタル基板、42:バッファー層、4
3:基板の結晶粒界、44:バッファー層の結晶粒界、
45:下部超電導薄膜、46:下部超電導薄膜の結晶粒
界、47:層間絶縁膜用のメタルマスク、48:層間絶
縁膜、49:層間絶縁膜の結晶粒界、50:上部超電導
薄膜、51:上部超電導薄膜の結晶粒界、52:貴金属
薄膜用のメタルマスク、53:貴金属電極層、300:
貴金属薄膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼木 一正 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 深沢 徳海 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 五月女 悦久 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 樽谷 良信 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 齊藤 和夫 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 Fターム(参考) 2G017 AA04 AD33 4M113 AA55 AC08 AD08 AD35 AD36 AD67 AD68 BA01 BA04 BA29 BC04 CA34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板、該基板上に形成された第1の高温超
    電導材料からなる薄膜、該第1の高温超電導薄膜上に形
    成された絶縁体薄膜および第2の高温超電導材料からな
    る薄膜の積層構造であるとともに、一つの高温超電導薄
    膜に2つの弱結合を含む超電導リングと電流・電圧端子
    で構成されるSQUIDを複数個パターンニングすると
    ともにそれぞれのSQUIDの電流・電圧端子を相互に
    接続してSQUIDをカスケード接続し、他の高温超電
    導薄膜に検出コイルおよび前記超電導リングと磁気結合
    する入力コイルをパターンニングしたことを特徴とする
    磁束計。
  2. 【請求項2】隣接する2個のSQUID毎にこれらSQ
    UIDを取り巻く結合コイルがパターニングされ、該結
    合コイルと入力コイルとが磁気結合する配置とされた請
    求項1記載の磁束計。
  3. 【請求項3】各SQUIDの超電導リングに磁気結合す
    るコントロール線が前記検出コイルが形成される超電導
    体薄膜にパターニングされた請求項2記載の磁束計。
  4. 【請求項4】基板、該基板上に形成された第1の高温超
    電導材料からなる薄膜、該第1の高温超電導薄膜上に形
    成された絶縁体薄膜および第2の高温超電導材料からな
    る薄膜の積層構造であるとともに、一つの高温超電導薄
    膜に2つの弱結合を含む超電導リングと電流・電圧端子
    で構成されるSQUIDを複数個パターンニングすると
    ともにそれぞれのSQUIDの電流・電圧端子を相互に
    接続してSQUIDをカスケード接続し、かつ、隣接す
    る2個のSQUID毎にこれらSQUIDを取り巻く結
    合コイルをパターニングし、他の高温超電導薄膜に検出
    コイルおよび前記超電導リングおよび結合コイルと磁気
    結合する入力コイルをパターンニングしたことを特徴と
    する磁束計。
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