JPWO2004081966A1 - ビーム電流測定装置およびこれを用いたビーム電流測定方法 - Google Patents

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Abstract

耐雑音性が高く、高感度のビーム電流測定を実現することのできる測定装置および測定方法を提供する。外部磁場遮蔽用の磁気遮蔽部(8)と、前記磁気遮蔽部によって生成された遮蔽空間に配された磁場センサ(2)とを備え、測定すべきビーム電流が生成する磁場を前記磁場センサで測定するビーム電流測定装置であって、前記磁場センサの磁束−帰還電流変換係数を8×10−15WB/A以上とする。

Description

本発明は、ビーム電流測定装置およびこれを用いたビーム電流測定方法にかかり、特にイオンビームを遮断することなく、ビーム電流値を高精度で測定する装置に関する。
ビームを遮断することなく、イオンビームの電流値を高精度で測定する方法のひとつに次のような、研究報告がある(非特許文献1参照)。この方法は、極めて高感度の磁場センサであるジョセフソン接合素子を用いたスクイッド(SQUID)と呼ばれるセンサを用いて、ビーム電流がつくる磁場を検出してビーム電流値を測定するものである。SQUIDとは2個のジョセフソン接合を平行に配置した超伝導リング構造を有し、この超伝導リングを貫通する磁束について磁束量子(2.07×10−15Wb)を尺度に測定するものである。
上記文献では、SQUIDは液体ヘリウム温度で動作する低温超伝導体を用いたものが使用されている。また、このビーム電流測定装置は、ビーム電流に対応した磁場を検知する検知部と、磁束を測定部に伝達する磁束伝達部と、伝達された磁束に感応する超伝導素子と超伝導素子を貫く磁束の変化を打ち消すように帰還電流を流す帰還コイルを有する測定部と、検知部と磁束伝達部と測定部をイオンビームが流れる空間を含む外部空間から磁気遮蔽する超伝導体からなるギャップを有する磁気遮蔽部によってその主要部が構成されている。
検知部は、軟磁性体のコアに超伝導線を巻回したコイルであって、ビーム電流によって発生した磁場を軟磁性体コアで収集してコイルに超伝導電流を誘起する。そしてこのコイルに誘起された超伝導電流は、SQUIDに隣接して配置したコイルまで伝達される。ビーム電流の変化に対応して、このコイルに流れる超伝導電流が変化することでSQUIDを貫く磁束量が変化しようとする。そこで、この検知部では、SQUIDを貫く磁束量が変化しないように、変化を打ち消すように帰還コイルに帰還電流を流す仕組みとなっている。この帰還電流がビーム電流値の変化に比例しており、帰還電流を測定することでビーム電流値の変化量を決定することができる。
最近では高温超伝導体を用いたビーム電流値の測定方法が研究されている(非特許文献2参照)。この非特許文献2に開示されている方法によると、表面を高温超伝導体でコーティングした円筒を検知部として用いる。ただし、円筒の外周面には一部分だけが高温超伝導体のブリッジ部分を設けている。円筒の中央を貫いたビーム電流は円筒の表面に表面遮蔽電流を誘起する。ここで、ブリッジ部分には表面遮蔽電流が集中する。そして、集中させた表面遮蔽電流がつくる磁束をSQUIDで測定する構成である。この方法において使用されているSQUIDは高温超伝導体を用いたものであり、液体窒素温度以上で動作させることができる。
前者の低温超伝導のSQUIDを用いたビーム電流測定装置は数nA程度相当の雑音幅でビーム電流を測定することができる。
一方、後者の高温超伝導のSQUIDを用いたものは液体窒素または冷凍機だけで運転できるという利点があるが、雑音幅は数μA相当と大きいとされている(非特許文献3参照)。さらにゼロ点のドリフトも大きいため、数十秒以上の実際的な測定では10μA相当程度以上のビーム電流しか測定できないという問題があった。
他の非破壊型測定方法には直流変流器がある。しかし、雑音幅は数μA相当であり、ゼロ点のドリフトを考慮すると実際には10μA程度以下の測定は困難である。
超伝導装置およびその応用:Super Conducting Quantum Interference Devices and Their Applications(Walter de Gruyter,1977)p.311、IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS,VOL.MAG−21,NO.2,MARCH 1985、Proc.5▲th▼ European Particle Accelerator Conf.,Sitges,1996(Institute of Physics,1997)p.1627、日本物理学会誌Vol.54,No.1,1999 アイトリプルイートランズアクションオンスーパーコンダクチビティ:IEEE TRANSACTION ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY,VOL.11,NO.1,MARCH 2001 p.635 アイトリプルイートランズアクションオンスーパーコンダクチビティ:IEEE TRANSACTION ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY,VOL.11,NO.1,MARCH 2001 p.635
このように、低温超伝導のSQUIDを用いたビーム電流測定装置は、感度は高いが雑音に非常に敏感である。外部電磁場、機械的振動が雑音の原因になるため、シールドを強化すべく、種々の試みがなされており、シールドを強化すべく、外部電磁場、機械的振動を完全に遮断するために多くの研究者が鋭意研究を進めているのが現状である。
しかしながら、外部電磁場、機械的振動をほぼ完全に近い状態に遮断しても、耐雑音性に限界があることがわかった。そしてこれらの雑音によりSQUIDのロックが外れる(測定点がとぶ)ことがある。ロックが外れると測定の連続性が失われるので正確な測定ができないというのが深刻な問題であった。
一方、高温超伝導のSQUIDを用いたビーム電流測定装置は感度が小さくゼロ点のドリフトも大きいので実際には10μA相当程度以上のビーム電流しか測定できなかった。ゼロ点のドリフトを無視できる短時間の測定でも雑音幅は数μAであり、それより微小なビーム電流の測定は困難であった。
また、他の非破壊型測定方法としては、直流変流器を用いたものがあるがゼロ点のドリフトを考慮すると実際には10μA以下の測定は困難であった。ゼロ点のドリフトを無視できる短時間の測定でも雑音幅は数μAであった。
このような状況から、ビームを非破壊で測定することができ、かつ高精度の測定を可能とするビーム電流測定装置および測定方法が求められている。すなわち、耐雑音性を向上し、測定の連続性が失われることがなく、10μA程度以下、望ましくは数μA程度以下の雑音幅で微小なビーム電流を安定して測定できる非破壊型の測定方法および測定装置の提供が求められている。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、耐雑音特性が良好で、かつ高感度のビーム電流測定装置を提供することを目的とする。
また、できるだけ常温近くで使用できるビーム電流測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、外部磁場遮蔽用の磁気遮蔽部と、前記磁気遮蔽部によって生成された遮蔽空間に配された磁場センサとを備え、測定すべきビーム電流が生成する磁場を前記磁場センサで測定するビーム電流測定装置であって、前記磁場センサは、磁束−帰還電流変換係数が8×10−15Wb/A以上であることを特徴とする。
本発明者らは、常伝導体および低温超伝導体と高温超伝導体を用いた種々の実験結果から、センサの感度を従来とは別の領域としたものを用いることにより、耐雑音性が劇的に向上することを発見した。本発明はこの点に着目してなされたものである。
本発明によれば、磁束−帰還電流変換係数が8×10−15Wb/A以上の磁場センサを用いることにより、耐雑音特性が大幅に向上した。
かかる構成によれば、耐雑音性が高く、且つ、数十nAから10μA程度相当以下の雑音幅でビーム電流を測定できるビーム電流測定装置を提供できる。
また、磁束−帰還電流変換係数が2×10−12Wb/A以下とすることにより、耐ノイズ特性が良好で、且つ、雑音幅が小さい測定ができる領域となる。
また、望ましくは、磁場センサは、磁束−帰還電流変換係数が1×10−12Wb/A以下である。この理由はより雑音幅が小さい測定ができるからである。
また、本発明のビーム電流測定装置は、外部磁場遮蔽用の磁気遮蔽部と、前記磁気遮蔽部によって生成された遮蔽空間に配された磁場センサとを備え、測定すべきビーム電流が生成する磁場を前記磁場センサで測定するものであって、前記磁場センサは、磁束感度が2×10−18Wb/V以上であることを特徴とする。
かかる磁場センサを用いることにより、耐雑音特性が大幅に向上した。
また、望ましくは、前記磁場センサは、磁気感度が5×10−15Wb/V以下であることを特徴とする。
また、望ましくは、前記磁場センサは、磁束感度が2×10−15Wb/V以下であることを特徴とする。
また、望ましくは、前記磁場センサは2個のジョセフソン接合を平行に配置した超伝導リング構造を有することを特徴とする。
この磁場センサはSQUIDと呼ばれている。ここで、SQUIDを貫く磁束量の変化に対する帰還コイルに流れる帰還電流の比を磁束−帰還電流変換係数とする。
また、SQUIDを貫く磁束量の変化に対する出力の比を磁束感度とする。
ここで磁束−帰還電流変換係数が2.95×10−13Wb/A、磁束感度が5.9×10−16Wb/V程度のSQUIDは高温超伝導体を用いて製造されている。
なお高温超伝導体を用いた方が、液体窒素温度以上で動作できるので望ましい。ここで高温超電導体とは10k以上で超伝導を示す物体をいい、望ましくは30k以上で超伝導を引き起こすものがよい。このような高温超電導体を用いることにより、ランニングコストが安い上、遮蔽部が薄くてすむため装置の小型化が可能となる。
さらに、SQUIDをイオンビームが流れる空間を含む外部空間から磁気遮蔽する超伝導体からなる磁気遮蔽部を有する方が、外部磁場を遮蔽して雑音を低減できるので望ましい。
超伝導体からなる磁気遮蔽部はギャップを有する構造とする方が、外部磁場は低減して、ビームがつくる磁場だけを選択的に通過させることができるので望ましい。
さらには電場遮蔽部、電磁場遮蔽部を有する方が、パルス状に変動したり高周波で変動したりする外部電場、電磁場を遮蔽して測定の安定性を向上できるので望ましい。
また、前記磁気センサは、測定すべきビーム電流が生成する磁場を収集する機構を具備するのが望ましい。
また、前記磁場を収集する機構は、軟磁性体コアに超伝導線を巻回したコイル、または表面を高温超伝導体でコーティングし、外周面には一部分だけが高温超伝導体のブリッジ部分を有する円筒であるのが望ましい。
また、電場遮蔽部、電磁場遮蔽部は銅、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1つを含む材質で構成される方が渦電流を発生させ易く電場、電磁場を効率よくキャンセルできるので望ましい。
例えば数μAから数mA程度のビーム電流を高精度で測定することが求められるイオン注入装置に応用することで、半導体ウェハにイオンビームを照射しながら、同時に非破壊でビーム電流が測定できる。
また本発明のビーム電流測定方法は、上記ビーム電流測定装置を用い、イオン源または電子線源から被処理物表面に照射されるビームライン上に、前記ビーム電流測定装置の磁場センサを配置し、前記磁場センサの出力から、前記ビームラインのビーム電流値を測定するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のビーム照射方法は、イオン源または電子線源を用いて生成されたビームに対し、上記ビーム電流測定方法を用いてビーム電流を測定する測定工程と、前記測定工程で得られた前記ビーム電流値を、前記イオン源または電子線源の制御パラメータに帰還する制御工程と、前記制御工程で得られた制御パラメータを用いて制御されたビーム電流を被処理物に照射する照射工程とを含むことを特徴とする。
さらに上記ビーム電流測定装置を用いたビーム照射装置によれば、高精度にビーム電流を制御しつつビーム照射を行うことが可能となり、高精度の加工が可能となる。
さらに上記ビーム電流測定装置を具備したイオン注入装置、電子ビーム露光装置、加速器を用いて製造あるいは検査した半導体、液晶、バイオチップなどの能動素子および、抵抗、コイル、コンデンサーなどの受動素子も有効である。
図1は、本発明実施例のビーム電流測定装置を示す図であり、
図2は、磁束感度とビーム電流−電圧変換係数の関係を示す図であり、
図3は、磁束−帰還電流変換係数とビーム電流−電圧変換係数の関係を示す図である。
なお、図中の符号、1は検知コイル、2はSQUID、3は帰還コイル、4は帰還抵抗、5はSQUID入力コイル、6はワッシャーコイル、7は出力である。
次に本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態のビーム電流測定装置を示す説明図である。
このビーム電流測定装置は、図1に示すように、測定すべきビームの経路に配された検知コイル1と、ビーム電流に対応した磁場を検知する磁場センサであるSQUID2と、前記検知コイル1で検知された磁束を測定部に伝達する磁束伝達部としてのワッシャコイル6と、伝達された磁束に感応する超伝導素子と超伝導素子を貫く磁束の変化を打ち消すように帰還電流を流す帰還コイル3とSQUID入力コイル5とSQUID2とを有する測定部とを備え、このSQUID2の出力をプリアンプ及び積分器を経て出力端子7に導くとともに帰還抵抗4を経て帰還コイル3に帰還させるように構成されている。
この装置では、磁場センサ2と、イオンビームが流れる空間とを含む空間から磁気遮蔽する超伝導体からなるギャップを有する磁気遮蔽部によってその主要部が構成されている。検知コイル1は、軟磁性体のコアに超伝導線を巻回したコイルであって、ビーム電流によって発生した磁場を軟磁性体コアで収集してコイルに超伝導電流を誘起する。このコイルに誘起された超伝導電流は、SQUID2に隣接して配置したコイルまで伝達される。ビーム電流の変化に対応して、このコイルに流れる超伝導電流が変化することでSQUIDを貫く磁束量が変化しようとする。しかし、SQUIDを貫く磁束量が変化しないように、変化を打ち消すように帰還コイルに帰還電流を流す仕組みとしている。この帰還電流がビーム電流値の変化に比例しており、帰還電流を測定することでビーム電流値の変化量を決定できる。
8は磁気遮蔽部、9はギャップである。このギャップの存在により、所望の方向に磁場センサを出力することができる。そして、帰還電流が帰還抵抗4の両端に発生させる電圧を出力7としてオシロスコープでモニターする。磁気遮蔽部は鉛で作成したギャップのある超伝導磁気遮蔽部を用いる。ギャップは入れ子形状に7段で構成されている。そして検知コイル1とSQUID2を磁気遮蔽部の中に入れた。測定すべきビーム電流のつくる磁場はギャップを通じて検知コイル1に到達する。なお、望ましくは、磁気遮蔽部8に加えて電気遮蔽機能も備えた遮蔽体を用いるようにする。
ここでは、イオンビームの替わりに巻いた1ターンコイルに模擬電流を流して実験を行った。
この装置では、磁束−帰還電流変換係数は2.95×10−13Wb/A、磁束感度が5.9×10−16Wb/VのSQUIDを磁場センサ2として使用し、駆動回路を用いたビーム電流測定装置とする。つまり磁束−帰還電流変換係数および磁束感度が従来用いられていた非特許文献2に記載の高温超電導体を用いたもの(比較例1として後述する)よりも2桁高く、本発明者らが作成したものと同じ構造を有したもので低温超伝導体を用いたもの(比較例2として後述する)よりは2桁低いものを用いる。その他は従来用いられていたもの(比較例1)と同じ条件とする。
ここで、SQUID2の超伝導閉回路が満足する磁束の保存則はMis・Ip+Mfs・If=0である。ただし、MisはSQUID入力コイル5とSQUID2の相互インダクタンス、Ipは検知コイル1とワッシャーコイル6とSQUID入力コイル5がつくる超伝導閉回路を流れる超伝導電流、Mfsは帰還コイル3とSQUID2の相互インダクタンス、Ifは帰還コイル3を流れる帰還電流である。帰還抵抗4の大きさをRfとする。第1項がSQUID2に入力される磁束であり、If・Rfが出力7の電圧である。よって磁束感度はMis・Ip/If・Rfで求まる。また磁束−帰還電流変換係数はMis・Ip/Ifで求まる。
このときのビーム電流−電圧変換係数は、磁束感度から1.5×10−4A/Vと見積もることができる。つまり、模擬電流に対する出力は0.67mV/100nA程度と見積もることができる。雑音幅は、比較例1から2mV程度まで低減できると考えられる。これは300nA程度の模擬電流に相当する。
以上のように本発明の実施例1によれば300nA程度の雑音幅でビーム電流を測定することができる。
磁場を収集する機構は、表面を高温超電導体でコーティングし外周部には一部分のみを高温超伝導体で構成したブリッジ部分を有する筒状構造物を用いた。ビームが筒状構造物の内径がつくる閉曲面を貫くときに、ビームがつくる磁場により筒状構造物の内壁表面に表面遮蔽電流が誘起される。この表面遮蔽電流は、筒状構造物の内壁表面ではビームの進行方向とは逆方向に流れる。そして、外壁表面ではビームの進行方向と順方向に流れて、一周する。ここで、筒状構造物の外壁表面は一部分のみが高温超伝導であるブリッジ部分を有し、他は高温超伝導体のないスリット部Sを形成しているので、絶縁体または常伝導体である基材の剥き出しになっている部分には電流が流れず、ブリッジ部分に表面遮蔽電流が集中する。このようにして、測定すべきビーム電流が生成する磁場を収集する。そして、集中した表面遮蔽電流がブリッジ部分でつくる磁場を前記検知コイルで検知してSQUIDで測定する構成である。
この装置では、表面を高温超電導体でコーティングし外周部には一部分のみを高温超伝導体で構成したブリッジ部分を有する筒状構造物の中央を貫いたビーム電流は円筒の表面に表面遮蔽電流を誘起する。そして、ブリッジ部分には表面遮蔽電流が集中する。このようにして、集中させた表面遮蔽電流がつくる磁束をSQUIDで測定する。
この方法において使用されているSQUIDは高温超伝導体を用いたものであり、液体窒素温度以上で動作させることができるものである。SQUIDは、ブリッジ部分の極近傍に配置することで、ブリッジ部分に集中させた表面遮蔽電流がつくる磁場をできるだけ漏らすことのないようにする。
この装置では、磁束−帰還電流変換係数は2.95×10−13Wb/A、磁束感度が5.9×10−16Wb/Vの高温SQUIDを磁場センサとして使用し、駆動回路を用いたビーム電流測定装置とする。つまり、実施例1と同じ磁束−帰還電流変換係数と磁束感度を有する磁場センサを備える。
このときの模擬電流に対する出力は、実施例1と同様に0.67mV/100nA程度と見積もることができる。雑音幅は、比較例1から2mV程度まで低減できると考えられる。これは300nA程度の模擬電流に相当する。
このような構成にすることで、部材に鉛などの低温超伝導体を用いずに高温超伝導体だけを用いて、より常温に近い温度領域でも高感度で耐雑音性の良いビーム電流モニターを提供できる。
次に、比較例について説明する。
(比較例1)
高温超伝導体のSQUID(B)と駆動回路を用いて実験を行った。検知部は表面を高温超伝導体でコーティングした円筒を用いた。そして、従来の技術で説明したように円筒の外周面に一部分だけが高温超伝導体のブリッジ部分を設けて、ブリッジ部分に集中した表面遮蔽電流がつくる磁束をSQUIDと駆動回路で測定した。比較例1で用いた高温SQUID(B)と駆動回路の磁束−帰還電流変換係数は1.15×10−11Wb/A、磁束感度は3.84×10−14Wb/Vである。
ここでも、イオンビームの替わりに巻いた1ターンコイルに模擬電流を流して実験を行った。模擬電流はビーム電流測定装置ビーム通過孔の軸上付近を通過するように巻いた1ターンコイルに電流を流して作成した。このとき、1mAの模擬電流に対して出力は40mVであった。
つまり、ビーム電流−電圧変換係数は2.5×10−2A/Vである。雑音幅は2mV程度であった。これは50μA程度に相当する。
以上のように数μA相当以下の雑音幅でビーム電流を測定することはできない。一方、雑音によりSQUIDのロックが外れることはなく、安定した測定が可能であった。
(比較例2)
低温超伝導体のSQUIDと駆動回路を用いて実験を行った。装置としては図1に示した本発明の実施例と同様の構成をもつものであり、磁場センサのみがことなるもので、比較例2では、磁束感度は1.8×10−18Wb/Vであり、実施例よりも感度が2桁高いものを用いた。磁束−帰還電流変換係数は8.46×10−15Wb/Aであり、実施例よりも感度が2桁高いものを用いた。このとき、10nAの模擬電流に対して出力7は40mVであった。
また、検知部と測定部の間の磁束伝達率を最大化するようにトランスを設けた実験では、10nAの模擬電流に対して出力7は70mVであった。つまり、ビーム電流−電圧変換係数は1.4〜2.5×10−7A/Vである。雑音幅は両方の場合でほぼ同じであり、10mV程度であった。雑音幅は1.4〜2.5nA程度に相当し、数nA程度相当の雑音幅でビーム電流を測定できる。一方、雑音には敏感であり、SQUID2のロックが外れることがある。この例でも磁気遮蔽に加えて、外部電場と機械的振動の遮断を行うことでロックが外れる頻度は低減するが、一般的な製造工程の環境で使用するためには測定の安定性が課題であった。
ところで、比較例2におけるSQUIDのロックが外れる原因となるような外部からの雑音は単位時間あたりの磁束変動が大きいパルス状の雑音である。単位時間あたりの磁束変動が駆動回路の追随性の限界を超えるとロックが外れてしまう。
そこで、実施例では比較例2より磁束感度が2桁低いSQUIDと駆動回路を用いている。これにより単位時間あたりの磁束変動が2桁大きい外部雑音が発生した場合にのみロックが外れることになる。ところで単位時間あたりの磁束変動が2桁大きい外部雑音が発生する頻度は極端に少なく、2桁以上発生する頻度が低下すると考えられる。
さらには、単位時間あたりの磁束変動が2桁以上も大きいような外部の雑音は、その雑音源を特定することが比較的簡単である。よって雑音源からの雑音電磁場の発生自体を低減したり、特定の雑音源を取り除いたりという対策がとりやすい。これにより上記のような単位時間あたりの磁束変動が大きい雑音の発生頻度はほとんど零にすることが可能であると考えられる。
ここで、ロックが外れない程度に単位時間あたりの磁束変動が小さいパルス状の外部雑音は、適当な遮断周波数のロー・パスフィルターを用いて出力信号から除外することができるので、余り問題にはならない。以上のことから、雑音によってSQUIDのロックが外れることがなく、安定した測定が可能になると考えられる。
上記実施例と比較例1,2との関係を次表1に示す。
また、図2に磁束感度とビーム電流−電圧変換係数の関係曲線を示す。この結果から、磁束感度とビーム電流−電圧変換係数は比例関係にあると考えられる。雑音幅は電子機器の一般的な雑音幅と比較例1から2mV程度まで低減させることができると考えられる。2mVの雑音幅が10μAに相当するには5×10−3A/Vのビーム電流−電圧変換係数が必要であることがわかる。
このことと上記の比例関係から10μA相当の雑音幅でビーム電流を非破壊型で測定できる条件は、磁束感度が5×10−15Wb/V以下のときと推定できる。この条件が課題を解決するために必要である。磁束感度は高い方が見かけ上の雑音幅が小さくなる。
しかし、感度が高いと耐雑音性が低下し、特にパルス状の外部雑音によってSQUIDのロックが外れやすくなるという課題が発生する。そこで、磁束感度は2×10−18Wb/V以上の方が安定した測定が可能になるので望ましい。
以上のように測定の安定性を保って、且つ、雑音幅を数μA相当以下にするためには、磁束感度が2×10−18Wb/V以上、且つ、5×10−15Wb/V以下であることが望ましい。
図3は磁束−帰還電流変換係数とビーム電流−電圧変換係数の関係を示す図である。磁束−帰還電流変換係数とビーム電流−電圧変換係数は比例関係にあると考えられる。
上記磁束感度に関する記述と同様に、測定の安定性を保って、且つ、雑音幅を10μA相当以下にするためには、磁束−帰還電流変換係数が8×10−15Wb/A以上、且つ、2×10−12Wb/A以下であることが望ましい。
より望ましくは、数μA相当の雑音幅でビーム電流を非破壊型で測定できる条件は、磁束−帰還電流変換係数が1×10−12Wb/A以下、磁束感度が2×10−15Wb/V以下のときと推定できる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2003年3月14日出願の日本特許出願(特願2003−71028)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
以上説明してきたように、本発明によれば耐雑音性能が高く、高感度で取り扱い作業性の良好なビーム電流測定装置を提供することが可能となることから、ビーム電流制御装置、これを用いた露光装置などに適用可能である。
【0005】
また、望ましくは、前記磁場センサは、磁束感度(磁気感度)が5×10−15Wb/V以下であることを特徴とする。
また、望ましくは、前記磁場センサは、磁束感度が2×10−15Wb/V以下であることを特徴とする。
また、望ましくは、前記磁場センサは2個のジョセフソン接合を平行に配置した超伝導リング構造を有することを特徴とする。
この磁場センサはSQUIDと呼ばれている。ここで、SQUIDを貫く磁束量の変化に対する帰還コイルに流れる帰還電流の比を磁束−帰還電流変換係数とする。
また、SQUIDを貫く磁束量の変化に対する出力の比を磁束感度とする。
ここで磁束−帰還電流変換係数が2.95×10−13Wb/A、磁束感度が5.9×10−16Wb/V程度のSQUIDは高温超伝導体を用いて製造されている。
なお高温超伝導体を用いた方が、液体窒素温度以上で動作できるので望ましい。ここで高温超電導体とは10k以上で超伝導を示す物体をいい、望ましくは30k以上で超伝導を引き起こすものがよい。このような高温超電導体を用いることにより、ランニングコストが安い上、遮蔽部が薄くてすむため装置の小型化が可能となる。
さらに、SQUIDをイオンビームが流れる空間を含む外部空間から磁気遮蔽する超伝導体からなる磁気遮蔽部を有する方が、外部磁場を遮蔽して雑音を低減できるので望ましい。
超伝導体からなる磁気遮蔽部はギャップを有する構造とする方が、外部磁場は低減して、ビームがつくる磁場だけを選択的に通過させることができるので望ましい。
さらには電場遮蔽部、電磁場遮蔽部を有する方が、パルス状に変動したり高周波で変動したりする外部電場、電磁場を遮蔽して測定の安定性を向上できるので望ましい。
また、前記磁気センサは、測定すべきビーム電流が生成する磁場を収集する機構を具備するのが望ましい。
また、前記磁場を収集する機構は、軟磁性体コアに超伝導線を巻回したコイル、
本発明は、ビーム電流測定装置およびこれを用いたビーム電流測定方法にかかり、特にイオンビームを遮断することなく、ビーム電流値を高精度で測定する装置に関する。
ビームを遮断することなく、イオンビームの電流値を高精度で測定する方法のひとつに次のような、研究報告がある(非特許文献1参照)。この方法は、極めて高感度の磁場センサであるジョセフソン接合素子を用いたスクイッド(SQUID)と呼ばれるセンサを用いて、ビーム電流がつくる磁場を検出してビーム電流値を測定するものである。SQUIDとは2個のジョセフソン接合を平行に配置した超伝導リング構造を有し、この超伝導リングを貫通する磁束について磁束量子(2.07×10-15 Wb)を尺度に測定するものである。
上記文献では、SQUIDは液体ヘリウム温度で動作する低温超伝導体を用いたものが使用されている。また、このビーム電流測定装置は、ビーム電流に対応した磁場を検知する検知部と、磁束を測定部に伝達する磁束伝達部と、伝達された磁束に感応する超伝導素子と超伝導素子を貫く磁束の変化を打ち消すように帰還電流を流す帰還コイルを有する測定部と、検知部と磁束伝達部と測定部をイオンビームが流れる空間を含む外部空間から磁気遮蔽する超伝導体からなるギャップを有する磁気遮蔽部によってその主要部が構成されている。
検知部は、軟磁性体のコアに超伝導線を巻回したコイルであって、ビーム電流によって発生した磁場を軟磁性体コアで収集してコイルに超伝導電流を誘起する。そしてこのコイルに誘起された超伝導電流は、SQUIDに隣接して配置したコイルまで伝達される。ビーム電流の変化に対応して、このコイルに流れる超伝導電流が変化することでSQUIDを貫く磁束量が変化しようとする。そこで、この検知部では、SQUIDを貫く磁束量が変化しないように、変化を打ち消すように帰還コイルに帰還電流を流す仕組みとなっている。この帰還電流がビーム電流値の変化に比例しており、帰還電流を測定することでビーム電流値の変化量を決定することができる。
最近では高温超伝導体を用いたビーム電流値の測定方法が研究されている(非特許文献2参照)。この非特許文献2に開示されている方法によると、表面を高温超伝導体でコーティングした円筒を検知部として用いる。ただし、円筒の外周面には一部分だけが高温超伝導体のブリッジ部分を設けている。円筒の中央を貫いたビーム電流は円筒の表面に表面遮蔽電流を誘起する。ここで、ブリッジ部分には表面遮蔽電流が集中する。そして、集中させた表面遮蔽電流がつくる磁束をSQUIDで測定する構成である。この方法において使用されているSQUIDは高温超伝導体を用いたものであり、液体窒素温度以上で動作させることができる。
前者の低温超伝導のSQUIDを用いたビーム電流測定装置は数nA程度相当の雑音幅でビーム電流を測定することができる。
一方、後者の高温超伝導のSQUIDを用いたものは液体窒素または冷凍機だけで運転できるという利点があるが、雑音幅は数μA相当と大きいとされている(非特許文献3参照)。さらにゼロ点のドリフトも大きいため、数十秒以上の実際的な測定では10μA相当程度以上のビーム電流しか測定できないという問題があった。
他の非破壊型測定方法には直流変流器がある。しかし、雑音幅は数μA相当であり、ゼロ点のドリフトを考慮すると実際には10μA程度以下の測定は困難である。
超伝導装置およびその応用:Super Conducting Quantum Interference Devices and Their Applications ( Walter de Gruyter, 1977 ) p. 311、IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, VOL. MAG-21, NO. 2, MARCH 1985、Proc. 5th European Particle Accelerator Conf., Sitges, 1996 ( Institute of Physics, 1997 ) p. 1627、日本物理学会誌Vol. 54, No. 1, 1999 アイトリプルイートランズアクションオンスーパーコンダクチビティ:IEEE TRANSACTION ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY, VOL. 11, NO. 1, MARCH 2001 p. 635 アイトリプルイートランズアクションオンスーパーコンダクチビティ:IEEE TRANSACTION ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY, VOL. 11, NO. 1, MARCH 2001 p. 635
このように、低温超伝導のSQUIDを用いたビーム電流測定装置は、感度は高いが雑音に非常に敏感である。外部電磁場、機械的振動が雑音の原因になるため、シールドを強化すべく、種々の試みがなされており、シールドを強化すべく、外部電磁場、機械的振動を完全に遮断するために多くの研究者が鋭意研究を進めているのが現状である。
しかしながら、外部電磁場、機械的振動をほぼ完全に近い状態に遮断しても、耐雑音性に限界があることがわかった。そしてこれらの雑音によりSQUIDのロックが外れる(測定点がとぶ)ことがある。ロックが外れると測定の連続性が失われるので正確な測定ができないというのが深刻な問題であった。
一方、高温超伝導のSQUIDを用いたビーム電流測定装置は感度が小さくゼロ点のドリフトも大きいので実際には10μA相当程度以上のビーム電流しか測定できなかった。ゼロ点のドリフトを無視できる短時間の測定でも雑音幅は数μAであり、それより微小なビーム電流の測定は困難であった。
また、他の非破壊型測定方法としては、直流変流器を用いたものがあるがゼロ点のドリフトを考慮すると実際には10μA以下の測定は困難であった。ゼロ点のドリフトを無視できる短時間の測定でも雑音幅は数μAであった。
このような状況から、ビームを非破壊で測定することができ、かつ高精度の測定を可能とするビーム電流測定装置および測定方法が求められている。すなわち、耐雑音性を向上し、測定の連続性が失われることがなく、10μA程度以下、望ましくは数μA程度以下の雑音幅で微小なビーム電流を安定して測定できる非破壊型の測定方法および測定装置の提供が求められている。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、耐雑音特性が良好で、かつ高感度のビーム電流測定装置を提供することを目的とする。
また、できるだけ常温近くで使用できるビーム電流測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、外部磁場遮蔽用の磁気遮蔽部と、前記磁気遮蔽部によって生成された遮蔽空間に配された磁場センサとを備え、測定すべきビーム電流が生成する磁場を前記磁場センサで測定するビーム電流測定装置であって、前記磁場センサは、磁束−帰還電流変換係数が8×10-15 Wb/A以上であることを特徴とする。
本発明者らは、常伝導体および低温超伝導体と高温超伝導体を用いた種々の実験結果から、センサの感度を従来とは別の領域としたものを用いることにより、耐雑音性が劇的に向上することを発見した。本発明はこの点に着目してなされたものである。
本発明によれば、磁束−帰還電流変換係数が8×10-15 Wb/A以上の磁場センサを用いることにより、耐雑音特性が大幅に向上した。
かかる構成によれば、耐雑音性が高く、且つ、数十nAから10μA程度相当以下の雑音幅でビーム電流を測定できるビーム電流測定装置を提供できる。
また、磁束−帰還電流変換係数が2×10-12 Wb/A以下とすることにより、耐ノイズ特性が良好で、且つ、雑音幅が小さい測定ができる領域となる。
また、望ましくは、磁場センサは、磁束−帰還電流変換係数が1×10-12 Wb/A以下である。この理由はより雑音幅が小さい測定ができるからである。
また、本発明のビーム電流測定装置は、外部磁場遮蔽用の磁気遮蔽部と、前記磁気遮蔽部によって生成された遮蔽空間に配された磁場センサとを備え、測定すべきビーム電流が生成する磁場を前記磁場センサで測定するものであって、前記磁場センサは、磁束感度が2×10-18 Wb/V以上であることを特徴とする。
かかる磁場センサを用いることにより、耐雑音特性が大幅に向上した。
また、望ましくは、前記磁場センサは、磁束感度(磁気感度)が5×10-15 Wb/V以下であることを特徴とする。
また、望ましくは、前記磁場センサは、磁束感度が2×10-15 Wb/V以下であることを特徴とする。
また、望ましくは、前記磁場センサは2個のジョセフソン接合を平行に配置した超伝導リング構造を有することを特徴とする。
この磁場センサはSQUIDと呼ばれている。ここで、SQUIDを貫く磁束量の変化に対する帰還コイルに流れる帰還電流の比を磁束−帰還電流変換係数とする。
また、SQUIDを貫く磁束量の変化に対する出力の比を磁束感度とする。
ここで磁束−帰還電流変換係数が2.95×10-13 Wb/A、磁束感度が5.9×10-16 Wb/V程度のSQUIDは高温超伝導体を用いて製造されている。
なお高温超伝導体を用いた方が、液体窒素温度以上で動作できるので望ましい。ここで高温超電導体とは10k以上で超伝導を示す物体をいい、望ましくは30k以上で超伝導を引き起こすものがよい。このような高温超電導体を用いることにより、ランニングコストが安い上、遮蔽部が薄くてすむため装置の小型化が可能となる。
さらに、SQUIDをイオンビームが流れる空間を含む外部空間から磁気遮蔽する超伝導体からなる磁気遮蔽部を有する方が、外部磁場を遮蔽して雑音を低減できるので望ましい。
超伝導体からなる磁気遮蔽部はギャップを有する構造とする方が、外部磁場は低減して、ビームがつくる磁場だけを選択的に通過させることができるので望ましい。
さらには電場遮蔽部、電磁場遮蔽部を有する方が、パルス状に変動したり高周波で変動したりする外部電場、電磁場を遮蔽して測定の安定性を向上できるので望ましい。
また、前記磁気センサは、測定すべきビーム電流が生成する磁場を収集する機構を具備するのが望ましい。
また、前記磁場を収集する機構は、軟磁性体コアに超伝導線を巻回したコイル、または表面を高温超伝導体でコーティングし、外周面には一部分だけが高温超伝導体のブリッジ部分を有する円筒であるのが望ましい。
また、電場遮蔽部、電磁場遮蔽部は銅、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1つを含む材質で構成される方が渦電流を発生させ易く電場、電磁場を効率よくキャンセルできるので望ましい。
例えば数μAから数mA程度のビーム電流を高精度で測定することが求められるイオン注入装置に応用することで、半導体ウェハにイオンビームを照射しながら、同時に非破壊でビーム電流が測定できる。
また本発明のビーム電流測定方法は、上記ビーム電流測定装置を用い、イオン源または電子線源から被処理物表面に照射されるビームライン上に、前記ビーム電流測定装置の磁場センサを配置し、前記磁場センサの出力から、前記ビームラインのビーム電流値を測定するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のビーム照射方法は、イオン源または電子線源を用いて生成されたビームに対し、上記ビーム電流測定方法を用いてビーム電流を測定する測定工程と、前記測定工程で得られた前記ビーム電流値を、前記イオン源または電子線源の制御パラメータに帰還する制御工程と、前記制御工程で得られた制御パラメータを用いて制御されたビーム電流を被処理物に照射する照射工程とを含むことを特徴とする。
さらに上記ビーム電流測定装置を用いたビーム照射装置によれば、高精度にビーム電流を制御しつつビーム照射を行うことが可能となり、高精度の加工が可能となる。
さらに上記ビーム電流測定装置を具備したイオン注入装置、電子ビーム露光装置、加速器を用いて製造あるいは検査した半導体、液晶、バイオチップなどの能動素子および、抵抗、コイル、コンデンサーなどの受動素子も有効である。
以上説明してきたように、本発明によれば耐雑音性能が高く、高感度で取り扱い作業性の良好なビーム電流測定装置を提供することが可能となる。
次に本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施の形態のビーム電流測定装置を示す説明図である。
このビーム電流測定装置は、図1に示すように、測定すべきビームの経路に配された検知コイル1と、ビーム電流に対応した磁場を検知する磁場センサであるSQUID2と、前記検知コイル1で検知された磁束を測定部に伝達する磁束伝達部としてのワッシャコイル6と、伝達された磁束に感応する超伝導素子と超伝導素子を貫く磁束の変化を打ち消すように帰還電流を流す帰還コイル3とSQUID入力コイル5とSQUID2とを有する測定部とを備え、このSQUID2の出力をプリアンプ及び積分器を経て出力端子7に導くとともに帰還抵抗4を経て帰還コイル3に帰還させるように構成されている。
この装置では、磁場センサ2と、イオンビームが流れる空間とを含む空間から磁気遮蔽する超伝導体からなるギャップを有する磁気遮蔽部によってその主要部が構成されている。検知コイル1は、軟磁性体のコアに超伝導線を巻回したコイルであって、ビーム電流によって発生した磁場を軟磁性体コアで収集してコイルに超伝導電流を誘起する。このコイルに誘起された超伝導電流は、SQUID2に隣接して配置したコイルまで伝達される。ビーム電流の変化に対応して、このコイルに流れる超伝導電流が変化することでSQUIDを貫く磁束量が変化しようとする。しかし、SQUIDを貫く磁束量が変化しないように、変化を打ち消すように帰還コイルに帰還電流を流す仕組みとしている。この帰還電流がビーム電流値の変化に比例しており、帰還電流を測定することでビーム電流値の変化量を決定できる。
8は磁気遮蔽部、9はギャップである。このギャップの存在により、所望の方向に磁場センサを出力することができる。そして、帰還電流が帰還抵抗4の両端に発生させる電圧を出力7としてオシロスコープでモニターする。磁気遮蔽部は鉛で作成したギャップのある超伝導磁気遮蔽部を用いる。ギャップは入れ子形状に7段で構成されている。そして検知コイル1とSQUID2を磁気遮蔽部の中に入れた。測定すべきビーム電流のつくる磁場はギャップを通じて検知コイル1に到達する。なお、望ましくは、磁気遮蔽部8に加えて電気遮蔽機能も備えた遮蔽体を用いるようにする。
ここでは、イオンビームの替わりに巻いた1ターンコイルに模擬電流を流して実験を行った。
この装置では、磁束−帰還電流変換係数は2.95×10-13 Wb/A、磁束感度が5.9×10-16 Wb/VのSQUIDを磁場センサ2として使用し、駆動回路を用いたビーム電流測定装置とする。つまり磁束−帰還電流変換係数および磁束感度が従来用いられていた非特許文献2に記載の高温超電導体を用いたもの(比較例1として後述する)よりも2桁高く、本発明者らが作成したものと同じ構造を有したもので低温超伝導体を用いたもの(比較例2として後述する)よりは2桁低いものを用いる。その他は従来用いられていたもの(比較例1)と同じ条件とする。
ここで、SQUID2の超伝導閉回路が満足する磁束の保存則はMis・Ip +Mfs・If = 0である。ただし、MisはSQUID入力コイル5とSQUID2の相互インダクタンス、Ipは検知コイル1とワッシャ―コイル6とSQUID入力コイル5がつくる超伝導閉回路を流れる超伝導電流、Mfsは帰還コイル3とSQUID2の相互インダクタンス、Ifは帰還コイル3を流れる帰還電流である。帰還抵抗4の大きさをRfとする。第1項がSQUID2に入力される磁束であり、If・Rfが出力7の電圧である。よって磁束感度はMis・Ip/ If・Rfで求まる。また磁束−帰還電流変換係数はMis・Ip/ Ifで求まる。
このときのビーム電流―電圧変換係数は、磁束感度から1.5×10-4 A/Vと見積もることができる。つまり、模擬電流に対する出力は0.67 mV/100 nA程度と見積もることができる。雑音幅は、比較例1から2 mV程度まで低減できると考えられる。これは300 nA程度の模擬電流に相当する。
以上のように本発明の実施例1によれば300 nA程度の雑音幅でビーム電流を測定することができる。
(実施例2)
磁場を収集する機構は、表面を高温超電導体でコーティングし外周部には一部分のみを高温超伝導体で構成したブリッジ部分を有する筒状構造物を用いた。ビームが筒状構造物の内径がつくる閉曲面を貫くときに、ビームがつくる磁場により筒状構造物の内壁表面に表面遮蔽電流が誘起される。この表面遮蔽電流は、筒状構造物の内壁表面ではビームの進行方向とは逆方向に流れる。そして、外壁表面ではビームの進行方向と順方向に流れて、一周する。ここで、筒状構造物の外壁表面は一部分のみが高温超伝導であるブリッジ部分を有し、他は高温超伝導体のないスリット部Sを形成しているので、絶縁体または常伝導体である基材の剥き出しになっている部分には電流が流れず、ブリッジ部分に表面遮蔽電流が集中する。このようにして、測定すべきビーム電流が生成する磁場を収集する。そして、集中した表面遮蔽電流がブリッジ部分でつくる磁場を前記検知コイルで検知してSQUIDで測定する構成である。
この装置では、表面を高温超電導体でコーティングし外周部には一部分のみを高温超伝導体で構成したブリッジ部分を有する筒状構造物の中央を貫いたビーム電流は円筒の表面に表面遮蔽電流を誘起する。そして、ブリッジ部分には表面遮蔽電流が集中する。このようにして、集中させた表面遮蔽電流がつくる磁束をSQUIDで測定する。
この方法において使用されているSQUIDは高温超伝導体を用いたものであり、液体窒素温度以上で動作させることができるものである。SQUIDは、ブリッジ部分の極近傍に配置することで、ブリッジ部分に集中させた表面遮蔽電流がつくる磁場をできるだけ漏らすことのないようにする。
この装置では、磁束−帰還電流変換係数は2.95×10-13 Wb/A、磁束感度が5.9×10-16 Wb/Vの高温SQUIDを磁場センサとして使用し、駆動回路を用いたビーム電流測定装置とする。つまり、実施例1と同じ磁束−帰還電流変換係数と磁束感度を有する磁場センサを備える。
このときの模擬電流に対する出力は、実施例1と同様に0.67 mV/100 nA程度と見積もることができる。雑音幅は、比較例1から2 mV程度まで低減できると考えられる。これは300 nA程度の模擬電流に相当する。
このような構成にすることで、部材に鉛などの低温超伝導体を用いずに高温超伝導体だけを用いて、より常温に近い温度領域でも高感度で耐雑音性の良いビーム電流モニターを提供できる。
次に、比較例について説明する。
(比較例1)
高温超伝導体のSQUID(B)と駆動回路を用いて実験を行った。検知部は表面を高温超伝導体でコーティングした円筒を用いた。そして、従来の技術で説明したように円筒の外周面に一部分だけが高温超伝導体のブリッジ部分を設けて、ブリッジ部分に集中した表面遮蔽電流がつくる磁束をSQUIDと駆動回路で測定した。比較例1で用いた高温SQUID(B)と駆動回路の磁束−帰還電流変換係数は1.15×10-11 Wb/A、磁束感度は3.84×10-14 Wb/Vである。
ここでも、イオンビームの替わりに巻いた1ターンコイルに模擬電流を流して実験を行った。模擬電流はビーム電流測定装置ビーム通過孔の軸上付近を通過するように巻いた1ターンコイルに電流を流して作成した。このとき、1 mAの模擬電流に対して出力は40 mVであった。
つまり、ビーム電流―電圧変換係数は2.5×10-2 A/Vである。雑音幅は2 mV程度であった。これは50μA程度に相当する。
以上のように数μA相当以下の雑音幅でビーム電流を測定することはできない。一方、雑音によりSQUIDのロックが外れることはなく、安定した測定が可能であった。
(比較例2)
低温超伝導体のSQUIDと駆動回路を用いて実験を行った。装置としては図1に示した本発明の実施例と同様の構成をもつものであり、磁場センサのみがことなるもので、比較例2では、磁束感度は1.8×10-18 Wb/Vであり、実施例よりも感度が2桁高いものを用いた。磁束−帰還電流変換係数は8.46×10-15 Wb/Aであり、実施例よりも感度が2桁高いものを用いた。このとき、10 nAの模擬電流に対して出力7は40 mVであった。
また、検知部と測定部の間の磁束伝達率を最大化するようにトランスを設けた実験では、10 nAの模擬電流に対して出力7は70 mVであった。つまり、ビーム電流―電圧変換係数は1.4〜2.5×10-7 A/Vである。雑音幅は両方の場合でほぼ同じであり、10 mV程度であった。雑音幅は1.4〜2.5 nA程度に相当し、数nA程度相当の雑音幅でビーム電流を測定できる。一方、雑音には敏感であり、SQUID2のロックが外れることがある。この例でも磁気遮蔽に加えて、外部電場と機械的振動の遮断を行うことでロックが外れる頻度は低減するが、一般的な製造工程の環境で使用するためには測定の安定性が課題であった。
ところで、比較例2におけるSQUIDのロックが外れる原因となるような外部からの雑音は単位時間あたりの磁束変動が大きいパルス状の雑音である。単位時間あたりの磁束変動が駆動回路の追随性の限界を超えるとロックが外れてしまう。
そこで、実施例では比較例2より磁束感度が2桁低いSQUIDと駆動回路を用いている。これにより単位時間あたりの磁束変動が2桁大きい外部雑音が発生した場合にのみロックが外れることになる。ところで単位時間あたりの磁束変動が2桁大きい外部雑音が発生する頻度は極端に少なく、2桁以上発生する頻度が低下すると考えられる。
さらには、単位時間あたりの磁束変動が2桁以上も大きいような外部の雑音は、その雑音源を特定することが比較的簡単である。よって雑音源からの雑音電磁場の発生自体を低減したり、特定の雑音源を取り除いたりという対策がとりやすい。これにより上記のような単位時間あたりの磁束変動が大きい雑音の発生頻度はほとんど零にすることが可能であると考えられる。
ここで、ロックが外れない程度に単位時間あたりの磁束変動が小さいパルス状の外部雑音は、適当な遮断周波数のロー・パスフィルターを用いて出力信号から除外することができるので、余り問題にはならない。以上のことから、雑音によってSQUIDのロックが外れることがなく、安定した測定が可能になると考えられる。
上記実施例と比較例1,2との関係を次表1に示す。
また、図2に磁束感度とビーム電流―電圧変換係数の関係曲線を示す。この結果から、磁束感度とビーム電流―電圧変換係数は比例関係にあると考えられる。雑音幅は電子機器の一般的な雑音幅と比較例1から2 mV程度まで低減させることができると考えられる。2 mVの雑音幅が10μAに相当するには5×10-3 A/Vのビーム電流―電圧変換係数が必要であることがわかる。
このことと上記の比例関係から10μA相当の雑音幅でビーム電流を非破壊型で測定できる条件は、磁束感度が5×10-15 Wb/V以下のときと推定できる。この条件が課題を解決するために必要である。磁束感度は高い方が見かけ上の雑音幅が小さくなる。
しかし、感度が高いと耐雑音性が低下し、特にパルス状の外部雑音によってSQUIDのロックが外れやすくなるという課題が発生する。そこで、磁束感度は2×10-18 Wb/V以上の方が安定した測定が可能になるので望ましい。
以上のように測定の安定性を保って、且つ、雑音幅を数μA相当以下にするためには、磁束感度が2×10-18 Wb/V以上、且つ、5×10-15 Wb/V以下であることが望ましい。
図3は磁束−帰還電流変換係数とビーム電流―電圧変換係数の関係を示す図である。磁束−帰還電流変換係数とビーム電流―電圧変換係数は比例関係にあると考えられる。
上記磁束感度に関する記述と同様に、測定の安定性を保って、且つ、雑音幅を10μA相当以下にするためには、磁束−帰還電流変換係数が8×10-15 Wb/A以上、且つ、2×10-12 Wb/A以下であることが望ましい。
より望ましくは、数μA相当の雑音幅でビーム電流を非破壊型で測定できる条件は、磁束−帰還電流変換係数が1×10-12 Wb/A以下、磁束感度が2×10-15 Wb/V以下のときと推定できる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2003年3月14日出願の日本特許出願(特願2003−71028)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
以上説明してきたように、本発明によれば耐雑音性能が高く、高感度で取り扱い作業性の良好なビーム電流測定装置を提供することが可能となることから、ビーム電流制御装置、これを用いた露光装置などに適用可能である。
本発明実施例のビーム電流測定装置を示す図 磁束感度とビーム電流―電圧変換係数の関係を示す図 磁束−帰還電流変換係数とビーム電流―電圧変換係数の関係を示す図
符号の説明
1 検知コイル
2 SQUID
3 帰還コイル
4 帰還抵抗
5 SQUID入力コイル
6 ワッシャ―コイル
7 出力

Claims (19)

  1. 外部磁場遮蔽用の磁気遮蔽部と、前記磁気遮蔽部によって生成された遮蔽空間に配された磁場センサとを備え、測定すべきビーム電流が生成する磁場を前記磁場センサで測定するビーム電流測定装置であって、
    前記磁場センサは、磁束−帰還電流変換係数が8×10−15Wb/A以上であることを特徴とするビーム電流測定装置。
  2. 前記磁場センサは、磁束−帰還電流変換係数が2×10−12Wb/A以下であることを特徴とする請求の範囲1に記載のビーム電流測定装置。
  3. 前記磁場センサは、磁束−帰還電流変換係数が1×10−12Wb/A以下であることを特徴とする請求の範囲1または2に記載のビーム電流測定装置。
  4. 外部磁場遮蔽用の磁気遮蔽部と、前記磁気遮蔽部によって生成された遮蔽空間に配された磁場センサとを備え、測定すべきビーム電流が生成する磁場を前記磁場センサで測定するビーム電流測定装置であって、
    前記磁場センサは、磁束感度が2×10−18Wb/V以上であることを特徴とするビーム電流測定装置。
  5. 前記磁場センサは、磁気感度が5×10−15Wb/V以下であることを特徴とする請求の範囲4に記載のビーム電流測定装置。
  6. 前記磁場センサは、磁束感度が2×10−15Wb/V以下であることを特徴とする請求の範囲4または5に記載のビーム電流測定装置。
  7. 前記磁場センサはSQUIDであることを特徴とする請求の範囲1乃至6のいずれかに記載のビーム電流測定装置。
  8. 前記磁場センサは高温超伝導SQUIDであることを特徴とする請求の範囲1乃至6のいずれかに記載のビーム電流測定装置。
  9. 前記磁場センサは、測定すべき磁束に感応するセンサ部を外部磁場から磁気遮蔽する磁気遮蔽部を具備したことを特徴とする請求の範囲1乃至8のいずれかに記載のビーム電流測定装置。
  10. 前記磁気遮蔽部は超伝導体からなることを特徴とする請求の範囲9に記載のビーム電流測定装置。
  11. 前記磁気遮蔽部は高温超伝導体からなることを特徴とする請求の範囲9に記載のビーム電流測定装置。
  12. 前記磁気遮蔽部はギャップを有することを特徴とする請求の範囲10または11に記載のビーム電流測定装置。
  13. 前記磁場センサは、測定すべき磁束に感応するセンサ部を外部電場から遮蔽する電場遮蔽部を具備したことを特徴とする請求の範囲1乃至12のいずれかに記載のビーム電流測定装置。
  14. 前記磁気センサは、測定すべきビーム電流が生成する磁場を収集する機構を具備したことを特徴とする請求の範囲1乃至13のいずれかに記載のビーム電流測定装置。
  15. 前記磁場を収集する機構は、軟磁性体コアに超伝導線を巻回したコイル、または表面を高温超伝導体でコーティングし、外周面には一部分のみを高温超伝導体で構成したブリッジ部分を有する円筒であることを特徴とする請求の範囲14に記載のビーム電流測定装置。
  16. 請求の範囲1乃至15のいずれかに記載のビーム電流測定装置を用い、イオン源または電子線源から被処理物表面に照射されるビームライン上に、前記ビーム電流測定装置の磁場センサを配置し、前記磁場センサの出力から、前記ビームラインのビーム電流値を測定するようにしたことを特徴とするビーム電流測定方法。
  17. イオン源または電子線源を用いて生成されたビームに対し、請求の範囲16に記載のビーム電流測定方法を用いてビーム電流を測定する測定工程と、
    前記測定工程で得られた前記ビーム電流値を、前記イオン源または電子線源の制御パラメータに帰還する制御工程と、
    前記制御工程で得られた制御パラメータを用いて制御されたビーム電流を被処理物に照射する照射工程とを含むことを特徴とするビーム照射方法。
  18. 請求の範囲1乃至15のいずれかに記載のビーム電流測定装置を備えたビーム照射装置。
  19. 請求の範囲1乃至15のいずれかに記載のビーム電流測定装置を具備したイオン注入装置、電子ビーム露光装置、加速器を用いて製造したことを特徴とする被処理物。
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