JP2749048B2 - 超電導量子干渉計 - Google Patents

超電導量子干渉計

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JP2749048B2 JP63023669A JP2366988A JP2749048B2 JP 2749048 B2 JP2749048 B2 JP 2749048B2 JP 63023669 A JP63023669 A JP 63023669A JP 2366988 A JP2366988 A JP 2366988A JP 2749048 B2 JP2749048 B2 JP 2749048B2
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    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/035Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using superconductive devices
    • G01R33/0354SQUIDS
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁束計に係り、特に微小磁束の検出に好適な
超電導量子干渉計に関する。
[従来の技術] 従来、高温超電導体薄膜による超電導量子干渉計(SQ
UID)についてはアプライド フィジックス レター,
第51巻,(1987年)、第200頁から第202頁(Appl.Phys.
Lett.,51,(1987)pp200〜202)において論じられてい
る。このSQUIDは超電導薄膜の中央に開口部を設け、そ
の両側に切れ込みを入れ、開口部の両側にくびれ部分を
設けてジョセフソン接合としている。
[発明が解決しようとする問題点] 上部従来技術は開口部の両側に切れ込みを作ってジョ
セフソン接合を形成しているため素子のインダクタンス
が大きくなり、SQUIDの最適動作領域(I・In〜Φ0,L:
インダクタンス,In:超電導臨界電流,Φ0:磁束量子)を
越えてしまうという点について配慮がされておらず、出
力電圧が小さくなったり、動作温度範囲が狭くなったり
するという問題があった。
本発明の目的は、高温超電導体によるSQUIDのインダ
クタンスを最適値にできるような構造を実現することに
ある。
[問題点を解決するための手段] 上記目的はSQUIDインダクタンスとして、ワッシャ形
のインダクタンスを用い、さらに複数のワッシャ形イン
ダクタンスを並列接続してインダクタンスを低減するこ
とにより達成される。
[作用] ワッシャ形コイルでは、磁束が鎖交する開口部分とジ
ョセフソン接合を離すことができるため、ジョセフソン
接合の切れ込みによるインダクタンスをSQUIDインダク
タンスを小さくすることができる。さらにSQUIDインダ
クタンスを並列接続することによってもインダクタンス
を低減できるため、SQUIDの最適動作領域にインダクタ
ンスの値を設定できるため、出力電圧を大きくでき、誤
動作することがない。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面により説明する。第1図
(a)は本発明の実施例の模式図である。高温超電導体
膜1を加工して磁束の鎖交する開口部3とスリット4を
設けてSQUIDインダクタンスとする。さらにスリット4
の端部の両側に切り込み11を設けてジョセフソン接合2
を形成する。この場合のジョセフソン接合2はマイクロ
ブリッジ形の素子となる。この上に層間絶縁膜5を形成
する。さらに、この上に高温超電導体膜による変調コイ
ル6の入力コイル7を形成する。入力コイル7の一端は
層間絶縁膜5中のコンタクトホール8を介して下の接続
電極9により取り出される。第1図(b)はSQUIDを磁
束として動作させる場合の回路例である。SQUID10に定
電流電源12,センサコイル15,位相検波増幅器13を接続す
る。第1図(c)はSQUID10を定電流バイアスして磁束
を加えた際に発生する周期電圧を示している。この電圧
の周期が磁束量子Φ(2.07×10-15Wb)に相当する微
小量であるため、SQUIDによる高感度磁気計測が可能と
なる。第1図(b)の回路では、磁束の変化に対する電
圧の変化を位相検波増幅器13で検出して帰還回路14より
SQUID10の変調コイル6に帰還している。これにより、S
QUID10の動作点を固定して、そこからの変化を帰還信号
の変化として電気的に読み出すことができる。この回路
により磁束量子Φの千分の1から1万分の1の磁束量
まで検出できる。SQUID10及びセンサコイルは低温部16
に置かれるが、高温超電導体(例えばTc=90KのYBa2Cu3
O7-x)を使用しているので、この磁束計は液体窒素温度
77K付近で使用できるという効果がある。さらに、本実
施例では、高温超電導体膜を2層、積層して素子を構成
するため、最も簡単にSQUIDを実現できるという効果が
ある。
第2図は、高温超電導体膜を三層用いてSQUIDを構成
した実施例の模式図である。高温超電導体膜1を加工し
て開口部3とスリット4を作りSQUIDインダクタンスと
し、さらにジョセフソン接合2を設けている。この上に
層間絶縁膜5を設け、上に接続電極17,層間絶縁膜16を
積層して、最後に変調コイル6と入力コイル7を形成し
てSQUIDとする。このような構造において、一層目のSQU
UIDインダクタンスに一定のバイアス電流を流し、二層
目と三層目を組合せた入力コイル7から微小信号を加
え、さらに変調コイル6に帰還信号を加えて、微小磁束
を検出する。本実施例においては、入力コイル7がすべ
てSQUIDインダクタンスの上に積層されているため入力
コイル7からSQUIDインダクタンスへの結合係数が大き
くできるという効果がある。
第3図,第4図は、高温超電導体膜を二層用いてSQUI
Dを構成した実施例の模式図と平面図である。入力コイ
ル7と変調コイル6の一部を取り除いて下層の構造を示
している。高温超電導体膜1を加工して開口部3とスリ
ット4を2組形成する。中央部にジョセフソン接合2を
2個設け、層間絶縁膜5で絶縁した後、コンタクトホー
ル8を通して接続電極18を接続する。このようにする
と、第1図,第2図で用いているSQUIDインダクタンス
が並列接続された形になり、インダクタンスが半減す
る。このため、ジョセフソン接合2の電流を大きくして
もSQUIDの最適動作領域(L・In〜Φ)に設定でき、
大きな出力電圧が得られるという効果がある。また、高
温動作時にInが大きくできれば、熱雑音による誤動作を
防止できるという効果がある。また、入力コイル6の結
合部が2倍になるため、入力信号をSQUIDに加える結合
度を大きくできるという効果がある。
第5図は、高温超電導体膜を2層用いてSQUIDを構成
した実施例の平面図である。高温超電導体膜1を加工し
て開口部3とスリット4を2組作り、中央部にジョセフ
ソン部分を2個作り、層間絶縁膜5で絶縁した後、コン
タクトホール8を通して接続電極18を接続する。この実
施例においては第4図の実施例と同様にSQUIDインダク
タンスを並列接続してインダクタンスを減らしている。
このため、SQUIDの最適動作領域(L・In〜Φ)に定
数を設定し易く、また、ジョセフソン接合2の超電導電
流Imを大きくでき、熱雑音による誤動作を防止できると
いう効果がある。本実施例では接続電極18の周辺の電極
を小さくして寄生容量が小さいという効果がある。ま
た、第3図,第5図の実施例で、SQUIDインダクタンス
を2個並列にしているが、これは2個以上を並列接続し
ても同様の効果がある。また、第2図のように三層の超
電導体膜を用いても同様の効果がある。
第6図は高温超電導体膜を二層用いてSQUIDを構成し
た実施例の平面図である。高温超電導体膜1を加工して
開口部3とスリット4を2組作り、それぞれのスリット
4の端部にジョセフソン接合2を1個ずつ形成し、層間
絶縁膜5で絶縁した後コンタクトホール8を通して接続
電極18を接続する。この実施例においては、SQUIDイン
ダクタンスを並列接続してインダクタンスを半減してい
るが、第4図,第5図の実施例と異る点は左右2つのSQ
UIDインダクタンスに磁束が鎖交した場所の電流が打消
し合うようになっていることである。このようにすると
外部から入ってくる磁束ノイズを打消すことができると
いう効果がある。この場合には、入力コイル7の向きを
左右反対にして、入力コイルからの信号は打消さないよ
うにする。本実施例においてもSQUIDインダクタンスを
小さくでき、最適な動作範囲に設定できるという効果が
ある。
第7図は、高温超電導体膜を二層用いてSQUIDを構成
した実施例の平面図である。高温超電導体膜1を加工し
て開口部3とスリット4を2組作り、SQUIDインダクタ
ンスを2個並列接続して、インダクタンス値を半減して
最適な動作範囲に設定している。さらに左右のSQUIDイ
ンダクタンスに鎖交する磁束ノイズを打消すように向き
を変えている。このように、最適な動作領域の設定がで
きるという効果、磁束ノイズを打消すという効果の他
に、接続電極18周辺の電極を小さくして寄生容量が小さ
いという効果がある。
第8図は高温超電導体膜を三層応用いてSQUIDを構成
した実施例の模式図である。高温超電導体膜20を超電導
グランドプレーンとし、層間絶縁膜19で絶縁した後、高
温超電導体膜1を加工して開口部3とスリット4を作
り、SQUIDインダクタンスとし、ジョセフソン接合2を
設けている。この上に層間絶縁膜5で絶縁した後、入力
コイル7,変調コイル6を形成してSQUIDとする。本実施
例では、SQUIDインダクタンスが超電導グランドプレー
ンの上に積層されているためインダクタンスが減少し、
SQUIDの最適な動作範囲を実現できるという効果があ
る。
第9図は高温超電導体膜を二層用いてSQUIDを構成し
た実施例の平面図である。高温超電導体膜1を加工して
開口部3とスリット4を4組作り、SQUIDインダクタン
スを4個並列接続して、インダクタンス値を4分の1に
して最適な動作範囲に設定している。さらに、これらの
SQUIDインダクタンスに鎖交する磁束ノイズを打消すよ
うに向きを変えている。このように、最適な動作領域の
設定でき、大きな出力電圧が得られるという効果があ
る。また、外部からの磁束ノイズに影響を受けにくいと
いう効果がある。
第10図は高温超電導体膜を二層用いてSQUIDを構成し
た実施例の平面図である。高温超電導体膜1を加工して
開口部3とスリット4を4組作り、SQUIDインダクタン
スを4個並列接続して、インダクタンス値を4分の1に
して最適な動作範囲に設定している。さらに、これらの
SQUIDインダクタンスに鎖交する磁束ノイズを打消すよ
うに組み合わせている。また、二層目の接続電極21の面
積を小さくして寄生容量を低減している。インダクタン
スを低減して最適な動作範囲に設定できたため大きな出
力電圧が得られるという効果があり、磁束ノイズを打消
すことができるためS/N比を良くできるという効果があ
る。さらに寄生容量を減しているため、周波数特性を拡
大したり出力電圧を大きくできるという効果がある。イ
ンダクタンスの並列接続は2個以上ならば同等の効果が
期待できる。
第11図は高温超電導体膜一層の基板を2枚用いてSQUI
Dを構成した実施例の模式図である。基板21に形成した
高温超電導体膜1を加工して開口部3及びスリット4を
形成する。一方、別の基板22上にも高温超電導体膜を形
成し、それを加工して変調コイル6と入力コイルを形成
する。これら2枚の基板を間に層間絶縁膜5をはさんで
密着させて、SQUIDを構成する。層間絶縁膜5はどちら
の基板上に形成しても良い。このようにすると高温超電
導体膜によるSQUIDを簡単に構成できるという効果があ
る。
以上の実施例で用いるジョセフソン接合としては、超
電導体膜の線幅あるいは膜厚を小さくしたブリッジ形接
合や、サンドイッチ形接合、近接効果形接合を用いるこ
とができる。
[発明の効果] 本発明によれば、高温治電導体でSQUIDを構成し、高
温で動作させることができるので、生体磁気計測などの
微小磁界測定が容易にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す図、第2図,第3図,
第8図及び第11図は本発明の他の実施例を示す模式図、
第4図,第5図,第6図,第7図,第9図及び第10図は
本発明の他の実施例の平面構成を示す図である。 1……高温超電導体膜、2……ジョセフソン接合、3…
…開口部、4……スリット、5……層間絶縁膜、6……
変調コイル、7……入力コイル、8……コンタクトホー
ル、9……接続電極、10……SQUID、11……切れ込み、1
2…定電流電源、13……位相検波増幅器、14……帰還回
路、15……センサコイル、16……低温部、17……接続電
極、18……接続電極、19……層間絶縁膜、20……高温超
電導体膜、21……基板、22……基板。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、上記基板上に設けられた複数の開
    口部および上記複数の開口部のそれぞれから外周まで延
    びたスリットを有する超電導体膜電極と、上記スリット
    の片側に設けられたジョセフソン接合と、上記超電導体
    膜電極上に順次積層された層間絶縁膜、変調コイルおよ
    び入力コイルを形成する配線用の超電導体膜と、を有す
    ることを特徴とする超電導量子干渉計。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の超電導量子
    干渉計において、上記層間絶縁膜および上記配線用の超
    電導体膜を2層以上積層して入力コイルの端子を取り出
    すことを特徴とする超電導量子干渉計。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項に記載の超電導量子
    干渉計において、上記超電導体膜電極は、Ca、Se、Sc、
    Y、希土類元素、バリウム、銅のいずれかを含む混合酸
    化物よりなることを特徴とする超電導量子干渉計。
JP63023669A 1988-02-05 1988-02-05 超電導量子干渉計 Expired - Lifetime JP2749048B2 (ja)

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