JP2001090852A - マルチバルブの流通制御手段の連結構造 - Google Patents

マルチバルブの流通制御手段の連結構造

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JP2001090852A
JP2001090852A JP26633099A JP26633099A JP2001090852A JP 2001090852 A JP2001090852 A JP 2001090852A JP 26633099 A JP26633099 A JP 26633099A JP 26633099 A JP26633099 A JP 26633099A JP 2001090852 A JP2001090852 A JP 2001090852A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体圧の関与および流体の漏洩のない状態で
流通制御手段の交換作業を一層安全に行うことができる
こと。 【解決手段】 マルチボディ11には、各流通制御手段
2に対応する位置に、流通制御手段2の取り付けによ
り、流体の流通を可能とし、流通制御手段2の取り外し
により、流体の流れを遮断する部分連結弁13が設けら
れており、各流通制御手段2には、マルチボディ11と
の間で密封構造を形成するシール手段8,9,10が、
流通制御手段2の取り付けの際、部分連結弁13の開放
前に密封構造を形成し、流通制御手段2の取り外しの
際、部分連結弁13の閉塞後に密封構造を解除すること
ができるマルチボディ11との相対位置に取り付けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、容器に対する流
体流通を制御する流通制御手段を、マルチボディを介し
て容器に取り付けてなるマルチバルブの流通制御手段の
連結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、LPガス(流体)を各需用者側
に供給するシステムとして、図5及び図6に示すような
民生用バルク供給システムが知られている。このシステ
ムは、LPガスを貯蔵する貯槽(密閉容器)GBや、こ
の貯槽GBに取り付けられ、同貯槽GBに対する流通を
制御する各種の流通制御手段2を備えている。これらの
流通制御手段2のうち、例えば21は貯槽GB内のLP
ガスを需用者側へ取り出すためのガス取出弁であり、2
2はローリー車のタンクから供給されるLPガスの圧力
と貯槽GB内の圧力との均圧を図るための均圧弁であ
り、23は貯槽GB内の圧力が異常に上昇した場合にL
Pガスを大気に開放するための安全弁である。
【0003】上記各流通制御手段2は、貯槽GBにおけ
る円筒状の胴部の上面に穴を加工し、この穴の部分に環
状のボスを溶接してなるネック(連結手段)3を介し
て、貯槽GBに取り付けられるようになっている。な
お、図6は、流通制御手段2のうちのガス取出弁21に
ついて、このガス取出弁21を管用ネジを用いてネック
3に接続する管用ネジ式のものの例を示している。な
お、ガス取出弁21に設けられたフランジ面をネック3
の上面に合わせてボルトで固定することにより、ガス取
出弁21をネック3に接続するフランジ式のものもあ
る。
【0004】また、図5及び図6において、符号4は、
各流通制御手段2の全体を覆うプロテクタであり、符号
24は、ガス取出弁21に連結された調整器で、LPガ
スの供給圧力を規定の圧力範囲内に調整する機能を有し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の民生
用バルク供給システムにおいては、ガス取出弁21、均
圧弁22、安全弁23等の流通制御手段2が貯槽GBに
個々に設けられているため、流通制御手段2の数量分だ
け、穴加工及びネック3が必要になる。しかも、各ネッ
ク3は、各流通制御手段2に応じて大きさが異なるもの
になると共に、管用ネジ式のものとフランジ式のものと
が混在したものとなっている。このため、加工や組立の
工数の増加、部品点数の増加等によってコストが上昇し
てしまうという問題があった。
【0006】又、ガス取出弁21、均圧弁22等の流通
制御手段2に不具合が発生し、交換あるいは修理するた
めに貯槽等GBの内部の残ガスを回収しなければならな
いという問題があった。
【0007】更に、流通制御手段2を交換あるいは修理
する場合、その間のガスの供給を停止することができな
ければ、仮供給設備も必要となっていた。
【0008】そこで、本発明者等は、先の出願(特願平
10ー340600号)で、複数の流通制御手段をマル
チボディに連結してなる、加工や組立の工数の低減、部
品点数の低減等によってコストの低減を図ることのでき
るマルチバルブを提案している。
【0009】そこで本発明は、このマルチバルブにおけ
る流通制御手段の交換作業においては、マルチボディ内
の流体圧の関与および流体の漏洩をできる限り排除する
ことが交換作業の安全に寄与することに鑑みて、流体圧
の関与および流体の漏洩のない状態で流通制御手段の交
換作業を一層安全に行うことができるマルチバルブの流
通制御手段の連結構造を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ため、請求項1記載の発明は、容器との流体の流通を制
御する流通制御手段が複数取り付けられ、容器に設けら
れた連結手段を介して、前記容器の外側に取り付けられ
るマルチボディを有するマルチバルブの流通制御手段の
連結構造であって、前記マルチボディには、各流通制御
手段に対応する位置に、流通制御手段を取り付けた際
に、マルチボディと流通制御手段との間の流体の流通を
可能とし、流通制御手段を取り外した際に、マルチボデ
ィから流通制御手段への流体の流れを遮断する部分連結
弁が設けられており、各流通制御手段には、前記マルチ
ボディとの間で密封構造を形成するシール手段が、流通
制御手段の取り付けの際、前記部分連結弁の開放前に前
記密封構造を形成し、流通制御手段の取り外しの際、前
記部分連結弁の閉塞後に前記密封構造を解除することが
できる前記マルチボディとの相対位置に取り付けられて
いることを特徴とする。
【0011】このため請求項1記載の発明では、流通制
御手段の取り付けは、当初、部分連結弁の閉塞状態で、
容器内の流体圧が全く関与しない状態で行うことがで
き、かつ取り付けの途中で、シール手段により密封構造
を形成し、その後部分連結弁を開放させて、流通制御手
段をマルチボディに取り付けるようにしたので、取り付
けに際しての容器内の流体の外部への漏洩を防止するこ
とができる。
【0012】また、流通制御手段の取り外しは、シール
手段による密封構造を維持しながら行うことができ、か
つ取り外しの終段で部分連結弁が閉塞状態となり、この
状態で流通制御手段を開放して、閉塞状態の部分連結弁
と流通制御手段との間に存在する流体を、外部へ放出さ
せることができ、その後は、密封構造が解除されて、容
器内の流体圧が全く関与しない状態で、流通制御手段を
マルチボディから取り外すことができる。このとき、流
通制御手段の開放による流体の放出は、閉塞状態の部分
連結弁と流通制御手段との間に存在する少量であるか
ら、他に与える影響を全く無視することができる。
【0013】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のマルチバルブの流通制御手段の連結構造であって、
前記シール手段は、前記流通制御手段を前記マルチボデ
ィへ取り付けたときに、前記部分連結弁の開閉ストロー
クと略同等の取付け深さ位置となるように位置決めされ
て、前記流通制御手段の外周部に取り付けられているこ
とを特徴とする。
【0014】このため請求項2記載の発明では、マルチ
ボディから露出するシール手段を視認することにより部
分連結弁の閉塞状態を確認することができるので、流通
制御手段を取り外す際に、流通制御手段を開放して、閉
塞した部分連結弁と流通制御手段との間に存在する流体
を、外部へ放出させる必要があるが、このときの流通制
御手段を開放させるタイミングを的確に計ることができ
る。
【0015】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載のマルチバルブの流通制御手段の連結構造で
あって、前記複数の流通制御手段の内、一個の流通制御
手段が、容器内の圧力が異常高圧になるのを回避する安
全弁で構成されており、該安全弁が、前記マルチボディ
との連結部内の流体を外部へ放出するブローバルブを備
えて構成されていることを特徴とする。
【0016】このため請求項3記載の発明では、安全弁
の取り外しは、シール手段による密封構造を維持しなが
ら行うことができ、かつ取り外しの終段で部分連結弁が
閉塞状態となり、この状態でブローバルブを開放して、
閉塞状態の部分連結弁と安全弁との間に存在する流体
を、外部へ放出させることができ、その後は、前記密封
構造が解除されて、容器内の流体圧が全く関与しない状
態で、安全弁をマルチボディから取り外すことができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図1〜図4に基づいて説明する。なお、図5及び図6に
示す従来例の構成要素と共通する要素には同一の符号を
付し、その説明を簡略化する。
【0018】本実施形態のマルチバルブ1は、民生用バ
ルク供給システムにおけるLPガスを収容する貯槽(容
器)GBに溶接により設けられたネック(連結手段)3
を介して、貯槽GBの外側に取り付けられるマルチボデ
ィ11を有するものであって、このマルチボディ11に
は、ネック3を介して貯槽GBとの流体の流通を制御す
る流通制御手段2が3つ(複数)取り付けられるように
なっている。
【0019】そしてマルチボディ11には、各流通制御
手段2に対応する位置に、流通制御手段2を取り付けた
際に、マルチボディ11と流通制御手段2との間の流体
の流通を可能とし、流通制御手段2を取り外した際に、
マルチボディ11から流通制御手段2への流体の流れを
遮断する部分連結弁13が設けられている。
【0020】また、各流通制御手段2には、マルチボデ
ィ11との間で密封構造を形成するシール手段8(9,
10)が、流通制御手段2の取り付けの際、部分連結弁
13の開放前に前記密封構造を形成し、流通制御手段2
の取り外しの際、部分連結弁13の閉塞後に前記密封構
造を解除することができるマルチボディ11との相対位
置に取り付けられている。
【0021】具体的には、マルチボディ11は、ネック
3に取り付けたときに貯槽GBの内部に連通するメイン
流路11aを有し、このメイン流路11aに連通させて
それぞれ左右に突出形成した第1連結管5および第2連
結管6と、前記メイン流路11aに連通させて軸方向に
延設した第3連結管7とを備えて一体構成されている。
この各連結管5,6,および7には、メイン流路11a
に臨む位置にそれぞれ弁座5a,6a,および7aが配
置されると共に、この各弁座5a,6a,および7a
に、メイン流路11a側から接離する弁体を備えた各部
分連結弁13が、スプリング14,15,および16に
より弁体を各弁座5a,6a,および7a方向に付勢し
て取り付けられている。
【0022】また、各連結管5,6,および7には、外
側から流通制御手段2としてのガス取出弁21、均圧弁
22、および安全弁23がそれぞれ取り付けられてい
る。
【0023】ガス取出弁21は、図2に示すように、筒
状本体の一端側に装着された開閉ハンドル21aと、こ
の筒状本体の他端側に形成され外周部に雄ねじを刻設し
た連結端部21bと、この連結端部21bのやや上方位
置の筒状本体の外周に沿って形成された環状溝に嵌着さ
れたシール手段としてのOリング8と、このOリング8
のやや上方位置の筒状本体の外周に刻設されたねじ部に
螺合されたロックナット17と、筒状本体の中間部位か
ら側方に突出形成された筒状連結部にユニオンナット1
9を介して連結されたアダプタスピンドル26とを備え
て構成されている。そして、ガス取出弁21は、開閉ハ
ンドル21aを閉めた状態で、その連結端部21bを第
1連結管5の雌ねじ部に螺合させ、かつロックナット1
7を締め付けて取り付けられる。この取り付け状態で
は、部分連結弁13が、スプリング14のばね力に抗し
て連結端部21bの先端で押されて弁座5aから離反し
た開放状態になっており、かつOリング8は、第1連結
管5の内周壁に密接して密封構造を構成している。な
お、この取り付け状態では、アダプタスピンドル26に
調整器(図6の調整器24)が取り付けられる。
【0024】また、均圧弁22は、図3に示すように、
筒状本体の一端側に形成され均圧用オスカップリング2
0を連結するカップリング連結部22Cと、この筒状本
体の他端側に形成され外周部に雄ねじを刻設した連結端
部22bと、この連結端部22bよりもやや中央よりの
筒状本体の外周に沿って形成された環状溝に嵌着された
シール手段としてのOリング9と、このOリング9より
もやや中央よりの筒状本体の外周に刻設されたねじ部に
螺合されたロックナット18と、筒状本体の中間部位か
ら斜め側方に突出形成された筒状連結部に装着された開
閉ハンドル22aとを備えて構成されている。均圧用オ
スカップリング20は、ローリー車側のホースに取付け
られたメスカップリングと接続し、メスカップリングの
開閉レバーを開にした状態でローリー車のタンク(図示
せず)からマルチボディ11へのLPガスの流れを許容
し、メスカップリングの開閉レバーを閉にした状態でマ
ルチボディ11からローリー車のタンクへの逆流を防止
する逆止弁の機能を備えている。
【0025】そして、均圧弁22は、開閉ハンドル22
aを閉めた状態で、その連結端部22bを第2連結管6
の雌ねじ部に螺合させ、かつロックナット18を締め付
けて取り付けられる。この取り付け状態では、部分連結
弁13が、スプリング15のばね力に抗して連結端部2
2bの先端で押されて弁座6aから離反した開放状態に
なっており、かつOリング9は、第2連結管6の内周壁
に密接して密封構造を構成している。
【0026】さらに、安全弁23は、図4に示すよう
に、下端部に形成され外周部に雄ねじを刻設した連結端
部23aと、この連結端部23aのやや上方部位の外周
に沿って形成された環状溝に嵌着されたシール手段とし
てのOリング10と、このOリング10のやや上方部位
であって弁体28よりも下方部位の管壁を貫通して形成
された流体放出路27を開閉可能に設けられたブローバ
ルブ25とを備えて構成されている。そして、安全弁2
3は、ブローバルブ25を閉めた状態で、その連結端部
23aを第3連結管7の雌ねじ部に螺合させて取り付け
られる。この取り付け状態では、部分連結弁13が、ス
プリング16のばね力に抗して連結端部23aの先端で
押されて弁座7aから離反した開放状態になっており、
かつOリング10は、第3連結管7の内周壁に密接して
密封構造を構成している。
【0027】これらガス取出弁21、均圧弁22、およ
び安全弁23においては、他の機構部は従来と同様に構
成されている。また、各Oリング8,9,および10
は、グリスが塗布された状態で用いられる。なお、図1
中、符号12は、ガスケットである。
【0028】また、好ましくは、シール手段としてのO
リング8(9,10)は、流通制御手段2をマルチボデ
ィ11へ取り付けたときに、部分連結弁13の開閉スト
ロークと略同等の取付け深さ位置となるように位置決め
されて、流通制御手段2の外周部に取り付けられる。こ
のとき、部分連結弁13の開閉ストロークは、流通制御
手段2の取り付けおよび取り外しにより部分連結弁13
が往復動する距離に相当し、取付け深さ位置は、マルチ
ボディ11への取付け状態にある流通制御手段2のマル
チボディ11の外表面からの進入距離に相当する。
【0029】具体的には、図1に示すように、Oリング
8の場合、ガス取出弁21を第1連結管5へ取り付けた
ときに、部分連結弁13の開閉ストロークSは、部分連
結弁13の弁体と弁座5aとの離間距離となり、取付け
深さ位置Dは、第1連結管5の外側開口端面から、ガス
取出弁21に取り付けられたOリング8までの距離とな
り、Oリング8は、取付け深さ位置Dが部分連結弁13
の開閉ストロークSと略同等となるように位置決めされ
て、ガス取出弁21に取り付けられる。実際には、部分
連結弁13が閉塞後、しばらくしてからOリング8の密
封構造が解除するように、取付け深さ位置Dと開閉スト
ロークSとの関係を決めている。この関係は、Oリング
9,10の場合も同様である。
【0030】そして、この構成によれば、マルチボディ
11から露出するOリング8(9,10)を視認するこ
とにより部分連結弁13の閉塞状態を確認することがで
きるので、流通制御手段2を取り外す際に、流通制御手
段2を開放して、閉塞した部分連結弁13と流通制御手
段2との間に存在する流体を、外部へ放出させる必要が
あるが、このときの流通制御手段2を開放させるタイミ
ングを的確に計ることができる。
【0031】次に、各流通制御手段2の取り外しについ
て説明する。
【0032】ガス取出弁21においは、開閉ハンドル2
1aを閉めて、出口側の配管内のガスを完全に燃焼させ
るか、あるいは安全な場所に排出し、しかる後ユニオン
ナット19を緩めて、アダプタスピンドル26と共に調
整器等を取り外す。その後、ロックナット17を少し緩
め、かつOリング8の一部が第1連結管5の外側開口縁
から見えるまでガス取出弁21自体を緩める。この状態
では未だOリング8による密封構造が維持されている。
このOリング8の一部を視認することにより、部分連結
弁13の弁体が弁座5aに密接して、部分連結弁13が
閉塞状態になったことが確認できる。次いで、開閉ハン
ドル21aを開放して、閉塞状態の部分連結弁13とガ
ス取出弁21との間にあるガスを外部に放出し、このガ
スの放出が止まったらガス取出弁21を第1連結管5か
ら取り外す。このガス取出弁21の取り外しの過程で、
Oリング8による密封構造は解除される。ガス取出弁2
1の取り外し後は、閉塞状態の部分連結弁13により貯
槽GB内のガスの漏れを防ぐことができる。
【0033】また、均圧弁22においは、開閉ハンドル
22aを閉めて、ロックナット18を少し緩めて、Oリ
ング9の一部が第2連結管6の外側開口縁から見えるま
で均圧弁22自体を緩める。この状態では未だOリング
9による密封構造が維持されている。このOリング9の
一部を視認することにより、部分連結弁13の弁体が弁
座6aに密接して、部分連結弁13が閉塞状態になった
ことが確認できる。次いで、カップリング連結部22C
に、均圧用オスカップリング20を介して図外のメスカ
ップリングを接続し、このメスカップリングのハンドル
を操作と共に、開閉ハンドル22aを開放して、閉塞状
態の部分連結弁13と均圧弁22との間にあるガスを外
部に放出し、このガスの放出が止まったら、前記メスカ
ップリングを外した後、均圧弁22を第2連結管6から
取り外す。この均圧弁22の取り外しの過程で、Oリン
グ9による密封構造は解除される。均圧弁22の取り外
し後は、閉塞状態の部分連結弁13により貯槽GB内の
ガスの漏れを防ぐことができる。
【0034】さらに、安全弁23においては、適宜の治
具を用いて安全弁23自体を、Oリング10の一部が第
3連結管7の外側開口縁から見えるまで緩める。この状
態では未だOリング10による密封構造が維持されてい
る。このOリング10の一部を視認することにより、部
分連結弁13の弁体が弁座7aに密接して、部分連結弁
13が閉塞状態になったことが確認できる。次いで、ブ
ローバルブ25を緩めて流体放出路27を開放して、閉
塞状態の部分連結弁13と安全弁23との間にあるガス
を外部に放出し、このガスの放出が止まったら、安全弁
23を第3連結管7から取り外す。この安全弁23の取
り外しの過程で、Oリング10による密封構造は解除さ
れる。安全弁23の取り外し後は、閉塞状態の部分連結
弁13により貯槽GB内のガスの漏れを防ぐことができ
る。
【0035】このように、本実施形態におけるマルチバ
ルブ1の流通制御手段2の連結構造は、流通制御手段2
の取り付けは、当初、部分連結弁13の閉塞状態で、容
器GB内のガス圧が全く関与しない状態で行うことがで
き、かつ取り付けの途中で、Oリング8(9,10)に
より密封構造を形成し、その後部分連結弁13を開放さ
せて、流通制御手段2をマルチボディ11に取り付ける
ようにしたので、取り付けに際しての容器GB内のガス
の外部への漏洩を防止することができる。
【0036】また、流通制御手段2の取り外しは、Oリ
ング8(9,10)による密封構造を維持しながら行う
ことができ、かつ取り外しの終段で部分連結弁13が閉
塞状態となり、この状態で流通制御手段2を開放して、
閉塞状態の部分連結弁13と流通制御手段2との間に存
在するガスを、外部へ放出させることができ、その後
は、密封構造が解除されて、容器GB内のガス圧が全く
関与しない状態で、流通制御手段2をマルチボディ11
から取り外すことができる。このとき、流通制御手段2
の開放によるガスの放出は、閉塞状態の部分連結弁13
と流通制御手段2との間に存在する少量であるから、他
に与える影響を全く無視することができる。
【0037】また、このマルチバルブ1においては、マ
ルチボディ11に、貯槽GBとの流通を制御する3つの
流通制御手段2が取り付けられるようになっているか
ら、貯槽GBには一つの穴を加工してこの部分にネック
3を溶接し、このネック3にマルチボディ11を取り付
けることによって、3つの流通制御手段2を貯槽GB内
と流通可能にすることができる。したがって、貯槽GB
に対する穴加工の工数や、この穴加工部分にネック3を
溶接するなどの工数や、ネック3にマルチボディ11を
取り付けるなどの組立に要する工数を低減することがで
きると共に、ネック3などの部品点数の低減を図ること
ができる。よって、コストの低減をも図ることができ
る。
【0038】また、ネック3が1つのものですむから、
貯槽GBの密閉性能の向上を図ることができる。すなわ
ち、ネック3を貯槽GBに溶接する箇所が減少するの
で、貯槽GBの密閉性能に対する信頼性が格段に向上す
ると共に、貯槽GBの安全性を格段に向上させることが
できる。
【0039】そしてさらに、複数の流通制御手段2をマ
ルチボディ11に取り付けることによって、流通制御手
段2を貯槽GBに取り付けるための構造を簡素化するこ
とができると共に、同構造の小型化を図ることができ
る。しかも、この小型化によって、各流通制御手段2の
全体を覆うように法律で決められているプロテクタ4
(図5及び図6参照)を縮小化することができるという
利点もある。
【0040】さらには、安全弁23がマルチボディ11
に接続された状態になっているので、貯槽GB内の圧力
のみならず、各流通制御手段2及びその延長ライン上の
圧力も、異常高圧になるのを防止することができる。例
えば、ガス取出弁21を介してその下流側の流路が異常
に高圧になるのを防止することができる。
【0041】またさらに、マルチバルブ1においては、
各流通制御手段2が接続される部分ごとに部分連結弁1
3が設けられているから、どの流通制御手段2を取り外
しても、その部分からのLPガスの流出を防止すること
ができるので、各流通制御手段2の交換をさらに容易に
行なうことができる。
【0042】また、容器として、LPガスを貯蔵する貯
槽GBを示したが、この容器としては他のガスや液体を
貯蔵する容器であってもよい。さらに、ネック3を貯槽
GBの上面位置に設け、マルチバルブ1を貯槽GBの上
側に位置するように設けたが、ネック3やマルチバルブ
1は貯槽GBのどのような位置に配置してもよい。
【0043】また、マルチボディ11に連結される流通
制御手段2は、前記した実施形態のように3個に限定さ
れるものではなく、2個、あるいは4個以上であっても
良い。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、請求項1記載
の発明によれば、 流通制御手段の取り付けに際しては、当初、部分連
結弁の閉塞状態で、容器内の流体圧が全く関与しない状
態で行うことができ、かつ取り付けの途中で、シール手
段により密封構造を形成し、その後部分連結弁を開放さ
せて、流通制御手段をマルチボディに取り付けることが
でき、かつ 流通制御手段の取り外しに際しては、シール手段に
よる密封構造を維持しながら行うことができ、かつ取り
外しの終段で部分連結弁が閉塞状態となり、この状態で
流通制御手段を開放して、閉塞状態の部分連結弁と流通
制御手段との間に存在する流体を、外部へ放出させるこ
とができ、その後は、密封構造が解除されて、容器内の
流体圧が全く関与しない状態で、流通制御手段をマルチ
ボディから取り外すことができるので、流体圧の関与お
よび流体の漏洩のない状態で流通制御手段の交換作業を
一層安全に行うことができるマルチバルブの流通制御手
段の連結構造を提供することができる。
【0045】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の発明の効果に加えて、マルチボディから露出
するシール手段を視認することにより部分連結弁の閉塞
状態を確認することができるので、この確認に基づい
て、流体を放出させるための流通制御手段を開放させる
タイミングを的確に計ることができ、ひいては交換作業
の一層の安全を図ることができる。
【0046】また、請求項3記載の発明によれば、請求
項1または2記載の発明の効果に加えて、安全弁にブロ
ーバルブを備えたので、取り外しの終段で、ブローバル
ブを開放して、閉塞状態の部分連結弁と安全弁との間に
存在する流体を、外部へ放出させることができ、これに
より流体圧が全く関与しない状態で安全弁の交換作業を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態としてのマルチバルブの
流通制御手段の連結構造を示す断面図である。
【図2】図1の連結構造に用いられるガス取出弁の断面
図である。
【図3】図1の連結構造に用いられる均圧弁の断面図で
ある。
【図4】図1の連結構造に用いられる安全弁の断面図で
ある。
【図5】従来例として示した民生用バルク供給システム
において、貯槽に取り付けられる各種の流通制御手段の
状況を示す平面図である。
【図6】同貯槽に取り付けられる各種の流通制御手段の
状況を示す側面図である。
【符号の説明】
1 マルチバルブ 2 流通制御手段 3 ネック(連結手段) 8,9,10 Oリング(シール手段) 11 マルチボディ 13 部分連結弁 21 ガス取出弁(流通制御手段) 22 均圧弁(流通制御手段) 23 安全弁(流通制御手段) 25 ブローバルブ D 取付け深さ位置 S 開閉ストローク(部分連結弁の) GB 容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新谷 賢一 東京都中央区銀座西1−2 株式会社宮入 バルブ製作所内 Fターム(参考) 3H067 AA01 AA32 BB08 BB14 CC35 DD03 DD12 DD22 FF11 FF17 GG02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器との流体の流通を制御する流通制御
    手段が複数取り付けられ、容器に設けられた連結手段を
    介して、前記容器の外側に取り付けられるマルチボディ
    を有するマルチバルブの流通制御手段の連結構造であっ
    て、 前記マルチボディには、各流通制御手段に対応する位置
    に、流通制御手段を取り付けた際に、マルチボディと流
    通制御手段との間の流体の流通を可能とし、流通制御手
    段を取り外した際に、マルチボディから流通制御手段へ
    の流体の流れを遮断する部分連結弁が設けられており、 各流通制御手段には、前記マルチボディとの間で密封構
    造を形成するシール手段が、流通制御手段の取り付けの
    際、前記部分連結弁の開放前に前記密封構造を形成し、
    流通制御手段の取り外しの際、前記部分連結弁の閉塞後
    に前記密封構造を解除することができる前記マルチボデ
    ィとの相対位置に取り付けられていることを特徴とする
    マルチバルブの流通制御手段の連結構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマルチバルブの流通制御
    手段の連結構造であって、 前記シール手段は、前記流通制御手段を前記マルチボデ
    ィへ取り付けたときに、前記部分連結弁の開閉ストロー
    クと略同等の取付け深さ位置となるように位置決めされ
    て、前記流通制御手段の外周部に取り付けられているこ
    とを特徴とするマルチバルブの流通制御手段の連結構
    造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のマルチバルブの
    流通制御手段の連結構造であって、 前記複数の流通制御手段の内、一個の流通制御手段が、
    容器内の圧力が異常高圧になるのを回避する安全弁で構
    成されており、該安全弁が、前記マルチボディとの連結
    部内の流体を外部へ放出するブローバルブを備えて構成
    されていることを特徴とするマルチバルブの流通制御手
    段の連結構造。
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