JP2001089191A - ディスプレイ用ガラス基板の製造方法及び該製造方法により製造されたディスプレイ用ガラス基板 - Google Patents
ディスプレイ用ガラス基板の製造方法及び該製造方法により製造されたディスプレイ用ガラス基板Info
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Abstract
表面に形成された還元性異質層を効率的に且つ低コスト
で除去することが可能なディスプレイ用ガラス基板の製
造方法、及び該製造方法により製造されたディスプレイ
用ガラス基板を提供する。 【解決手段】 浴槽1はフッ酸液から成るエッチング液
2で満たされている。このエッチング液2の中に、フロ
ート法により製造された複数のガラス基板3を夫々直立
状態で浸漬することにより、ガラス基板3の表面に形成
された還元性異質層(錫を含む)をエッチングによって
除去する。
Description
ラス基板の製造方法及び該製造方法により製造されたデ
ィスプレイ用ガラス基板に関する。
P)、電子線励起ディスプレイ(FED、表面伝導型放
出素子(SED)を含む)等に用いられるディスプレイ
用ガラス基板は、フロート法により製造された板ガラス
から作製される。このフロート法は、錫等の溶融錫浴の
上に溶融ガラスを浮かべて板ガラスを製造するものであ
り、大面積の板ガラスを安定的にしかも安価に大量生産
することができるため、例えば、40インチのように大
きな表示面積が要求され、且つ大量生産がなされる上記
のPDPやFEDに用いられるディスプレイ用ガラス基
板を作製するための板ガラスの製造に適している。
する場合、製板工程においてボトム面(板ガラスの下
面)がフロートバス中で溶融錫浴と接触すると共にトッ
プ面(板ガラスの上面)がフロートバス中で溶融錫の蒸
気に晒されるので、ボトム面及びトップ面共に金属成分
がイオンとして表面層に侵入する。
ディスプレイ用ガラス基板の作製方法としては、まず、
前面用ガラス基板と背面用ガラス基板とを対向配置し、
これらのガラス基板の内側面上に銀(Ag)等の金属ペ
ーストや絶縁ペーストを塗布・焼成することによって、
銀等の金属電極、誘電体層、隔壁、蛍光体等を形成し、
次いで、前面用ガラス基板と背面用ガラス基板を低融点
封着ガラスでシールし、内部にキセノンと主放電ガスの
ネオンとの混合ガスを封入し気密封止する方法が採られ
る。
電極、例えば銀電極の形成は、安価なスクリーン印刷法
等により成膜の形で行われるが、その際、銀電極の銀成
分がガラス基板表面の還元性異質層に存在する錫と反応
して金属コロイド化するため電極部のみならずその周辺
部に発色が現れ、これにより、例えば透明性、色バラン
ス等のプラズマディスプレイの表示性能が損なわれる。
色を防止するために、該還元性異質層の上にスパッタリ
ングやCVDによりSiO2のバリア層を形成して銀の
影響を抑制したり、フロート法による製板時に還元性異
質層が形成されないような特別なガラス組成のガラス基
板を使用したりしている。しかしながら、上記バリア層
を形成する場合には、スパッタリング装置、CVD装置
等の設備を必要とし製造コストや保守コストが高いばか
りでなく、バリア層の信頼性が不確実で発色を確実に防
止することができず、また、バリア層と銀電極との密着
性が十分でない場合があるという問題がある。さらに、
例えばアルカリ成分が少ない上記特別なガラス組成のガ
ラス基板を使用する場合には、組成の検討が必要で且つ
フロート窯のガラス素地を変更しなければならず製造コ
ストが高いという問題がある。
造されたガラス基板の面であって、銀電極が成膜される
面に形成された還元性異質層を研磨機によって10〜1
00μm程度研磨することにより除去する方法が用いら
れている(例えば、特開平10−255669号公
報)。
は、上記の機械的研磨の代わりに化学的研磨法、すなわ
ち過酸化水素と1水素2弗化アンモニウムの混合水溶液
を用いるエッチング法により、ガラス表面の還元異質層
(錫含有層)を除去する方法が記載されている(例え
ば、特開平10−144208号公報)。
磨機によりガラス基板を研磨する際には、例えば、研磨
剤として酸化セリウムを使用する場合、10μm研磨す
るのに少なくとも30分という長い時間を必要し、ま
た、例えば、研磨機としてオスカー式研磨機を使用する
場合は、研磨しようとするガラス基板の大きさの2倍以
上の研磨定盤を必要とし、その結果この研磨定盤の平坦
性を維持するのが困難であり、且つガラス基板の周辺部
は研磨され易いが中央部は研磨されにくいため、ガラス
基板全体を均一に研磨するのが困難であるという問題が
ある。
のエッチング除去速度が約0.5μm/分と小さいので
異質層の除去に長時間を要し、除去加工の経済性がよく
ないという問題点があった。さらに、反応活性である過
酸化水素をエッチング液に使用するので、エッチング液
の安定性がよくなく、また、1水素2弗化アンモニウム
の混合水溶液をエッチング液に用いるので、ガラス表面
にフッ化物が生成し易いという問題があった。
めに、フロート法によって製造されたガラス基板の表面
に形成された還元性異質層を効率的に且つ低コストで除
去することが可能なディスプレイ用ガラス基板の製造方
法、及び該製造方法により製造されたディスプレイ用ガ
ラス基板を提供することにある。
に、請求項1記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方
法は、フロート法によって製造されたガラス基板の表面
に形成された還元性異質層のうち、前記ガラス基板の少
なくともトップ面に形成された還元性異質層を主成分が
フッ酸であるエッチング液を用いたエッチングによって
除去することを特徴とする。
においては厚さが少なくとも100μm、トップ面(ガ
ラス基板の上面)においては厚さが少なくとも5μmの
還元性異質層(錫等の金属を含む)が形成され、製造さ
れたガラス基板を所定のサイズに切断することによりデ
ィスプレイ用ガラス基板が作製される。この際、ボトム
面は還元性異質層の厚さが厚いのに加えて傷や異物等の
付着が多いことから、還元性異質層の厚さが薄いトップ
面がディスプレイの金属電極形成用の面として使用され
る。
の製造方法によれば、フロート法によって製造されたガ
ラス基板の表面に形成された還元性異質層のうち、前記
ガラス基板の少なくともトップ面に形成された還元性異
質層を主成分がフッ酸であるエッチング液を用いるエッ
チングによって除去するので、研磨機を使用することな
く、ガラス基板の少なくともトップ面から還元性異質層
を効率的に除去することができると共に、還元性異質層
の除去を研磨機に比べて簡単な設備で行うことができ
る。さらに、還元性異質層の除去深さを容易に変更する
ことができる。
の製造方法は、請求項1記載のディスプレイ用ガラス基
板の製造方法において、前記還元性異質層を5〜14μ
m除去することを特徴とする。
の製造方法によれば、還元性異質層を5〜14μm除去
するので、トップ面上の還元性異質層を完全に除去する
ことができ、ガラス基板表面の荒れを防止することがで
きる。
の製造方法は、請求項2記載のディスプレイ用ガラス基
板の製造方法において、前記還元性異質層を6〜11μ
m除去することを特徴とする。
の製造方法によれば、還元性異質層を6〜11μm除去
するので、トップ面の還元性異質層を確実に除去するこ
とができ、ガラス基板の表面が荒れるのを確実に防止す
ることができる。
の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
ディスプレイ用ガラス基板の製造方法において、前記エ
ッチングは、前記ガラス基板を前記エッチング液に浸漬
することにより行うことを特徴とする。
の製造方法によれば、エッチングは、ガラス基板をエッ
チング液に浸漬することにより行うので、ガラス基板の
全面に亘って還元性異質層の除去を簡単なエッチング設
備で効率的に行うことができる。
の製造方法は、請求項4記載のディスプレイ用ガラス基
板の製造方法において、前記エッチング液は、温度が1
0〜30℃であることを特徴とする。
の製造方法によれば、エッチング液は温度が10〜30
℃であるので、エッチングレートを適切な値に維持しつ
つエッチングのムラの発生を防止することができる。
の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
ディスプレイ用ガラス基板の製造方法において、前記エ
ッチングは、前記ガラス基板の少なくともトップ面にエ
ッチング液を散布することにより行うことを特徴とす
る。
の製造方法によれば、エッチングは、ガラス基板の少な
くともトップ面にエッチング液を散布することにより行
うので、ガラス基板の少なくともトップ面からの還元性
異質層の除去を簡単な設備で効率的に行うことができ
る。
の製造方法は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
ディスプレイ用ガラス基板の製造方法において、前記ガ
ラス基板のボトム面をフィルム貼付けにより被覆するこ
とにより、前記ガラス基板のトップ面に形成された還元
性異質層のみを除去することを特徴とする。
の製造方法によれば、ガラス基板のトップ面をエッチン
グするに際し、フィルム貼付けによりガラス基板のボト
ム面がフッ酸のエッチング液に接触するのを防止するこ
とにより、ボトム面にエッチングにより微小の傷が発生
するのを防止し、ガラス基板の機械的強度が低下するの
を防止することができる。
の製造方法は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の
ディスプレイ用ガラス基板の製造方法において、前記エ
ッチング液は、フッ酸濃度1〜25%のフッ酸溶液であ
ることを特徴とする。
の製造方法によれば、エッチングレートを適切に維持し
つつ反応が激しくなるのを防止することができ、また、
設備まわりの環境の悪化を防止することができる。
の製造方法は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
ディスプレイ用ガラス基板の製造方法において、前記ガ
ラス基板が、重量%で、SiO2:50〜75%、R
O:10〜27%、Al2O3:1〜15%、及びNa2
O:2〜15%の組成を有することを特徴とする。
の製造方法によれば、ガラス基板が、重量%で、SiO
2:50〜75%、RO:10〜27%、Al2O3:1
〜15%、及びNa2O:2〜15%の組成を有するの
で、フロートバスで表面が平坦な板状にすることができ
ると共に、ガラス基板の表面を滑らかに維持した状態で
還元性異質層を除去することができる。
載のディスプレイ用ガラス基板は、フロート法によって
製造されたガラス基板の表面に形成された表還元性異質
層のうち、前記ガラス基板の少なくともトップ面に形成
された還元性異質層を主成分がフッ酸であるエッチング
液を用いたエッチングによって除去して成ることを特徴
とする。
板によれば、ガラス基板の少なくともトップ面に形成さ
れた還元性異質層を主成分がフッ酸であるエッチング液
を用いたエッチングによって除去して成るので、表面が
平滑なディスプレイ用ガラス基板を低コストで提供する
ことができる。
板は、請求項10記載のディスプレイ用ガラス基板にお
いて、前記ガラス基板のトップ面に形成された還元性異
質層のみが除去されたことを特徴とする。
板によれば、ガラス基板のトップ面に形成された還元性
異質層のみが除去されたディスプレイ用ガラス基板を提
供することができる。
板は、請求項10又は11記載のディスプレイ用ガラス
基板において、前記ガラス基板が、重量%で、 Si
O2:50〜75%、RO:10〜27%、Al2O3:
1〜15%、及びNa2O:2〜15%の組成を有する
ことを特徴とする。
板によれば、上記請求項9記載のディスプレイ用ガラス
の製造方法と同等の効果を奏することができる。
板は、請求項10乃至12のいずれか1項に記載のディ
スプレイ用ガラス基板において、プラズマディスプレイ
パネルに用いられることを特徴とする。
板によれば、プラズマディスプレイパネルに適したガラ
ス基板を提供することができる。
べく鋭意研究を行った結果、フロート法によって製造さ
れたガラス基板の表面に形成された還元性異質層のう
ち、ガラス基板の少なくともトップ面に形成された還元
性異質層を主成分がフッ酸であるエッチング液を用いる
エッチングによって除去することにより、研磨機を使用
することなく、ガラス基板の少なくともトップ面から還
元性異質層を効率的に除去することができると共に、還
元性異質層の除去を研磨機に比べて簡単な設備で行うこ
とができる。さらに、還元性異質層の除去深さを容易に
変更することができることを見い出した。
れたものである。
レイ用ガラス基板の製造方法を図面を参照して説明す
る。
ガラス基板の製造方法に使用されるガラス基板はフロー
ト法により製造される。このフロート法は、溶融錫浴の
上に溶融ガラスを浮かべて板ガラスを製造するので、こ
のフロート法による製板工程において、ガラス基板は、
その下面(ボトム面)が溶融錫浴と接触すると共にその
上面(トップ面)が錫蒸気含有還元雰囲気下に晒される
ことにより、ボトム面においては厚さが少なくとも10
0μm、トップ面においては厚さが少なくとも5μmの
還元性異質層(錫を含む)が形成される。このように製
造された板ガラスを所定のサイズに切断することにより
ディスプレイ用ガラス基板が作製される。
面は還元性異質層の厚さが厚いのに加えて傷や異物等の
付着が多いことから、還元性異質層の厚さが薄いトップ
面がディスプレイの金属電極形成用の面として有用であ
ることを見い出した。
P)等に用いられるディスプレイ用ガラス基板の作製方
法としては、まず、前面用ガラス基板と背面用ガラス基
板とを対向配置し、これらのガラス基板の内側面上に銀
(Ag)等の金属ペーストや絶縁ペーストを塗布・焼成
することによって、銀等の金属電極、誘電体層、隔壁、
蛍光体等を形成し、次いで、前面用ガラス基板と背面用
ガラス基板を低融点封着ガラスでシールし、内部にキセ
ノンと主放電ガスのネオンとの混合ガスを封入し気密封
止する方法が採られる。
電極、例えば銀電極の形成は、安価なスクリーン印刷法
等により成膜の形で行われるが、その際、銀電極の銀成
分がガラス基板表面の還元性異質層(錫を含む)により
下記式のように還元されて金属コロイド化するため電極
部のみならずその周辺部に発色が現れる。
ド)+ Sn4+ これにより、プラズマディスプレイパネルの、例えば透
明性、色バランス等の表示性能が損なわれる。
成膜の際の発色を防止するために、フロート法により製
造されたガラス基板の面であって、銀電極が成膜される
面に形成された還元性異質層を下記に詳述する条件でエ
ッチングすることにより除去するものである。
プレイ用ガラス基板の製造方法で使用されるエッチング
液浸漬装置の説明図である。
成るエッチング液2で満たされている。このエッチング
液2の中に、上記のようにフロート法によって製造され
た複数のガラス基板3を夫々直立状態で浸漬する。
元性異質層を深さ5〜14μm、好ましくは6〜11μ
m除去するのが好ましい。5μm以下では、還元性異質
層をほぼ完全に除去できず、14μm以上エッチングし
ても発色抑制効果がさらに増大することはなく、むしろ
ガラス基板3の表面が荒れるので好ましくない。
あるのが好ましい。エッチング液の温度が高い方がエッ
チングレートが大きくなり迅速に所定量の除去ができる
ので好ましいが、30℃を超えるとエッチング液2から
ガラス基板3を取り出した後、ガラス基板3の表面の乾
燥によりエッチングのムラが生じ易い。
のフッ酸溶液であるのが好ましい。また、フッ酸エッチ
ング液としては、硫酸溶液、硝酸溶液、及び酢酸溶液の
少なくとも1種の溶液を加えたものを用いてもよい。
2:50〜75%、RO:10〜27%、Al2O3:1
〜15%、及びNa2O:2〜15%の組成を有するの
が好ましい。
定した理由は、次の通りである(以下、%は重量%を示
す)。
マーであり、その含有量は、50〜75%であるのが好
ましい。50%より少ないと、ガラスの歪み点が低下
し、ガラス基板をプラズマディスプレイの製造工程にお
いて熱処理する際の熱収縮が大きくなり、ガラス基板3
の面に形成されるパターンの位置ずれが発生するため好
ましくなく、一方、75%より多いと、熱膨張係数が小
さくなり、絶縁ペーストやシーリングフリットのそれと
整合しなくなるため反りが発生し易くなる。
は、ガラスを溶融し易くすると共に熱膨張係数を調整す
る作用を有し、その含有量は、10〜27%である。1
0%より少ないと、歪み点が低くなってプラズマディス
プレイの製造工程で変形し易くなり、一方、27%より
多いと、ガラスが失透し易くなってフロート法での成形
が困難となる。
であり、その含有量は、1〜15%が好ましい。1%よ
り少ないと、歪み点が低くなりすぎ、一方、15%より
多いと、熱膨張係数が小さくなり過ぎる。
成分であり、2%より少ないと、熱膨張係数が小さくな
りすぎ、15%より大きいと、歪み点が低くなりすぎ
る。
久性を向上させるために、ZrO2を、熱膨張係数を調
整するために、Li2O、K2Oを、また、消泡剤として
Cl、SO3、SnO2等の成分を、ガラス特性を損なわ
ない範囲で含有させることもできる。
上の還元性異質層の除去をガラス基板をエッチング液2
に浸漬することによって行っているが、図2に示すよう
に、吊り具11により固定棒10に吊るされたガラス基
板12の一方の面にスプレーノズル13により上記エッ
チング液を散布してもよく、これにより上記と同様の作
用効果が得られる。
搬送されるガラス基板31の上面に、その上方に設けら
れたエッチング液散布ヘッダ32により上記エッチング
液を散布してもよく、これにより上記と同様の作用効果
を得ることができる。
A,Bの組成と特性を示すものである。
料を調合した後、フロート法で厚さ3mmの板ガラスを
製造し、得られた板ガラスを縦10mm、横10mmの
大きさに切断加工することによって作製した。
歪み点が500℃のガラス基板Bに比べて熱処理を受け
たときの熱収縮が小さい。ガラス基板A,Bは、ガラス
の液相温度が1050℃以下であるため失透しにくく、
熱膨張係数が85〜86×10-7/℃であるため絶縁ペ
ーストやシーリングフリットのそれと整合し、プラズマ
ディスプレイパネル用ガラス基板として適している。
−71の方法に基づいて測定し、ガラスの液相温度は、
白金ボートに297〜500μmの粒径を有するガラス
粉末を入れ、温度勾配炉に48時間保持した後の失透観
察によって求めたものである。また、熱膨張係数は、デ
ィラトメーターによって30〜380℃における平均熱
膨張係数を測定したものである。
て、図1に示す浸漬装置により、ガラス基板A,Bをエ
ッチング液2に浸漬することによりガラス基板A,Bの
ボトム面及びトップ面上の還元性異質層を除去した。
酸濃度(HF濃度)、表2に示すように、処理温度15
℃のとき、50,25,10,2,0.5%、処理温度
30℃のとき、25,10,2%と変化させた。
n)で評価すると表2に示すような結果が得られた。表
2において、フッ酸濃度が50%(処理温度15℃)の
ときは反応が激しく、0.5%(同15℃)のときは処
理時間が長くかかりすぎるので、フッ酸濃度1〜25%
の範囲、さらには2〜25%の範囲が好ましい。
溶液を加えたものでもよく、フッ酸溶液0.5〜25%
に、硫酸溶液50%を加えた場合、硫酸溶液20%を加
えた場合、硫酸溶液10%を加えた場合の各エッチング
処理結果を表3に示す。
質的に除去することができた。
硝酸液を加えたものでもよく、フッ酸液0.5〜25%
に、硝酸液20%を加えた場合、硝酸液10%を加えた
場合の各エッチング処理結果を表4に示す。
質的に除去することができた。
その表面近傍に存在する錫(Sn)を2次イオン質量分
離スペクトル(SIMS)分析法により測定した結果を
図4に示す。ここに、SIMS法は、ガラス基板の表面
をアルゴンのスパッタリング照射により切削しつつNa
イオン数をカウントすることにより成分分析を行うもの
である。
は、0.04〜0.05重量%含有され、表面から6μ
の深さで0.005重量%(この値は分析装置の検出限
界でバックグラウンドレベルと解釈される)で実質的に
錫はない状態と考えられる。このガラス基板Bへの侵入
拡散の程度は、ガラス基板Bがフロート法製板装置の溶
融錫浴内にあるときの粘性やガラス組成及び錫の量によ
る。
ッチングに先立ち、そのボトム面をポリエチレンやポリ
プロピレン製の粘着フィルムで被覆した上でエッチング
を施す。ボトム面は、通常、フロート法製板装置の溶融
金属浴を出た後徐冷工程や切断工程を通過するに際しロ
ーラーで搬送されるため目では見えないような微小な傷
が多くついているが、上記のようにボトム面を粘着フィ
ルムで覆うことにより該微小な傷がフッ酸によるエッチ
ングでその幅及び長さが拡大して目視できるまでに成長
するのを防止することができる。
着フィルムを剥離する。
よりガラス基板A,Bの表面を種々の深さにエッチング
して、エッチング除去面上に間隔約1mmで約1mm幅
の銀ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、550
℃で1時間熱処理することによって銀電極膜を形成し
て、そのガラス基板の発色状態を調べた。
銀電極の発色の関係を表5に示す。
ガラス面側から透かして銀電極の発色状態を観察するこ
とにより評価し、○(発色なし)、△(わずかに発
色)、×(発色)の3段階で示した。○及び△が、PD
P用のガラス基板として実用的に使用できるレベルであ
る。
μm以上除去したガラス基板A,Bには、いずれも発色
しなかったが、ガラス基板Aについては5μm除去した
ときは、発色しなかったが、ガラス基板Bについては5
μm除去したときは、わずかに発色した。また、2μm
除去したガラス基板A,Bには、いずれも明らかに発色
が認められた。
の表面に形成された還元性異質層の厚みは、平均厚さで
5乃至6μm以下であることが推察される。
をエッチングにより深さ6μm除去した2枚のガラス基
板を夫々トップ面を内側に向けて対向配置し、これらの
ガラス基板上に銀ペーストや絶縁ペーストを塗布、焼成
することによって、銀電極、誘電体層、隔壁、蛍光体等
を形成した。次いで、これらのガラス基板を低融点封着
ガラスでシールし、内部にキセノンと主放電ガスのネオ
ンとの混合ガスを封入し気密封止することによってプラ
ズマディスプレイの放電テスト装置を作製した。
たところ、透明性と色バランスに優れた画像を得ること
ができた。
記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法によれば、
フロート法によって製造されたガラス基板の表面に形成
された還元性異質層のうち、前記ガラス基板の少なくと
もトップ面に形成された還元性異質層を主成分がフッ酸
であるエッチング液を用いるエッチングによって除去す
るので、研磨機を使用することなく、ガラス基板の少な
くともトップ面から還元性異質層を効率的に除去するこ
とができると共に、還元性異質層の除去を研磨機に比べ
て簡単な設備で行うことができる。さらに、還元性異質
層の除去深さを容易に変更することができる。
の製造方法によれば、還元性異質層を5〜14μm除去
するので、トップ面上の還元性異質層を完全に除去する
ことができ、ガラス基板表面の荒れを防止することがで
きる。
の製造方法によれば、還元性異質層を6〜11μm除去
するので、トップ面の還元性異質層を確実に除去するこ
とができ、ガラス基板の表面が荒れるのを確実に防止す
ることができる。
の製造方法によれば、エッチングは、ガラス基板をエッ
チング液に浸漬することにより行うので、ガラス基板の
全面に亘って還元性異質層の除去を簡単なエッチング設
備で効率的に行うことができる。
の製造方法によれば、エッチング液は温度が10〜30
℃であるので、エッチングレートを適切な値に維持しつ
つエッチングのムラの発生を防止することができる。
の製造方法によれば、エッチングは、ガラス基板の少な
くともトップ面にエッチング液を散布することにより行
うので、ガラス基板の少なくともトップ面からの還元性
異質層の除去を簡単な設備で効率的に行うことができ
る。
の製造方法によれば、ガラス基板のトップ面をエッチン
グするに際し、フィルム貼付けによりガラス基板のボト
ム面がフッ酸のエッチング液に接触するのを防止するこ
とにより、ボトム面にエッチングにより微小の傷が発生
するのを防止し、ガラス基板の機械的強度が低下するの
を防止することができる。
の製造方法によれば、エッチングレートを適切に維持し
つつ反応が激しくなるのを防止することができ、また、
設備まわりの環境の悪化を防止することができる。
の製造方法によれば、ガラス基板が、重量%で、SiO
2:50〜75%、RO:10〜27%、Al2O3:1
〜15%、及びNa2O:2〜15%の組成を有するの
で、フロートバスで表面が平坦な板状にすることができ
ると共に、ガラス基板の表面を滑らかに維持した状態で
還元性異質層を除去することができる。
板によれば、ガラス基板の少なくともトップ面に形成さ
れた還元性異質層を主成分がフッ酸であるエッチング液
を用いたエッチングによって除去して成るので、表面が
平滑なディスプレイ用ガラス基板を低コストで提供する
ことができる。
板によれば、ガラス基板のトップ面に形成された還元性
異質層のみが除去されたディスプレイ用ガラス基板を提
供することができる。
板によれば、上記請求項9記載のディスプレイ用ガラス
の製造方法と同等の効果を奏することができる。
板によれば、プラズマディスプレイパネルに適したガラ
ス基板を提供することができる。
ス基板の製造方法で使用されるエッチング液浸漬装置の
説明図である。
ス基板の製造方法で使用されるエッチング液散布装置の
説明図である。
ス基板の製造方法で使用される別のエッチング液散布装
置の説明図である。
に存在する錫(Sn)の濃度を2次イオン質量分離スペ
クトル(SIMS)分析法により測定した結果に示すグ
ラフである。
Claims (13)
- 【請求項1】 フロート法によって製造されたガラス基
板の表面に形成された還元性異質層のうち、前記ガラス
基板の少なくともトップ面に形成された還元性異質層を
主成分がフッ酸であるエッチング液を用いたエッチング
によって除去することを特徴とするディスプレイ用ガラ
ス基板の製造方法。 - 【請求項2】 前記還元性異質層を深さ5〜14μm除
去することを特徴とする請求項1記載のディスプレイ用
ガラス基板の製造方法。 - 【請求項3】 前記還元性異質層を深さ6〜11μm除
去することを特徴とする請求項2記載のディスプレイ用
ガラス基板の製造方法。 - 【請求項4】 前記エッチングは、前記ガラス基板を前
記エッチング液に浸漬することにより行うことを特徴と
する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスプレ
イ用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項5】 前記エッチング液は、温度が10〜30
℃であることを特徴とする請求項4記載のディスプレイ
用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項6】 前記エッチングは、前記ガラス基板の少
なくともトップ面に前記エッチング液を散布することに
より行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
項に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項7】 前記ガラス基板のボトム面をフィルム貼
付けにより被覆することにより、前記ガラス基板のトッ
プ面に形成された還元性異質層のみを除去することを特
徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のディス
プレイ用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項8】 前記エッチング液は、フッ酸濃度1〜2
5%のフッ酸溶液であることを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか1項に記載のディスプレイ用ガラス基板の
製造方法。 - 【請求項9】 前記ガラス基板が、重量%で、Si
O2:50〜75%、RO:10〜27%、Al2O3:
1〜15%、及びNa2O:2〜15%の組成を有する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載
のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項10】 フロート法によって製造されたガラス
基板の表面に形成された還元性異質層のうち、前記ガラ
ス基板の少なくともトップ面に形成された還元性異質層
を主成分がフッ酸であるエッチング液を用いたエッチン
グによって除去して成ることを特徴とするディスプレイ
用ガラス基板。 - 【請求項11】 前記ガラス基板のトップ面に形成され
た還元性異質層のみが除去されたことを特徴とする請求
項10記載のディスプレイ用ガラス基板。 - 【請求項12】 前記ガラス基板が、重量%で、SiO
2:50〜75%、RO:10〜27%、Al2O3:1
〜15%、及びNa2O:2〜15%の組成を有するこ
とを特徴とする請求項10又は11記載のディスプレイ
用ガラス基板。 - 【請求項13】 プラズマディスプレイパネルに用いら
れることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1
項に記載のディスプレイ用ガラス基板。
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