JP2001088454A - 熱転写表示体および転写像形成方法 - Google Patents

熱転写表示体および転写像形成方法

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JP2001088454A
JP2001088454A JP27217899A JP27217899A JP2001088454A JP 2001088454 A JP2001088454 A JP 2001088454A JP 27217899 A JP27217899 A JP 27217899A JP 27217899 A JP27217899 A JP 27217899A JP 2001088454 A JP2001088454 A JP 2001088454A
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thermal transfer
layer
sensitive adhesive
heat
adhesive resin
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JP27217899A
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English (en)
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Eiichi Tajima
栄一 田島
Shuichi Kirimoto
修一 桐本
Takashi Anraku
貴 安楽
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Kuramoto Sangyo Co
Original Assignee
Kuramoto Sangyo Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非加熱部分をパターン像として物品の上に簡単
に形成することができる熱転写表示体およびそれを用い
て、ワンタッチの簡単な操作で、任意の物品上にパター
ン像を形成する転写像形成方法を提供する。 【解決手段】熱転写表示体は、基材シート11、熱溶融
性剥離層12、感熱接着性樹脂層13、感圧接着剤層1
4および剥離シート15が順次積層されたものであっ
て、該熱溶融性剥離層が、常温では感熱接着樹脂層に対
して剥離性を示すが、加熱により溶融して感熱接着樹脂
層と一体化する熱可塑性材料よりなる。熱溶融性剥離層
と感熱接着性樹脂層の間には熱転写インク層が設けられ
てもよい。この熱転写表示体に、基材シート側からパタ
ーン状に加熱し、剥離シートを剥離除去して熱転写表示
体を被着体に貼着し、次いで、貼着された熱転写表示体
から、パターン状に加熱された部分を基材シートと共に
剥離除去し、被着体に転写パターンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写プリンター
のサーマルヘッド等の加熱手段により、所望の画像(印
像)を形成することができる熱転写表示体およびそれを
用いて転写像を形成する方法に関する。更に詳しくは、
画像のみを任意の物品表面に貼着することが可能な意匠
性に優れた転写表示体およびそれを用いる転写像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱式プリンターは、簡易なワードプロ
セッサー機能および感熱式プリンター機能を内蔵してお
り、例えば、ポリエステルフィルム等の耐熱性基材上
に、樹脂またはワックス等をビヒクルの主成分とし、昇
華性染料または顔料を混合した熱溶融性インク層を有す
る熱転写記録リボンを、被熱転写シートに重ね合わせ、
サーマルヘッド等により画像信号に応じてインク層をド
ット等のパターン状に加熱し、被熱転写シート(印字画
像受容体)上に所望の印字画像を転写形成するものであ
る。しかしながら、上記の方法は、被熱転写シート上に
は、印字画像を容易に形成することができるが、被熱転
写シート以外の物品に印字画像を形成することは困難で
ある。
【0003】これを解決する手段として、紙、合成紙、
プラスチックフィルム等からなる基材、粘着剤層および
剥離紙からなる粘着テープ状の印字画像受容体が被転写
シートとして使用されている。例えば、この印字画像受
容体を巻き出しながら、熱転写記録リボンを用いてその
上に文字、記号、バーコード等の印字画像を形成し、そ
して、この印字画像が形成された印字画像受容体を切り
取って、任意の物品に貼着することにより、見出しラベ
ル、ネームラベル、商品または物流管理情報として使用
されるバーコードラベル等とすることができる。例え
ば、特許第2933679号公報等には、フィルムの表
面側に染料染着性被覆層を設け、背面に粘着層を設けた
シートが示されており、また、特開平10−11416
4号公報には、支持体表面に染料受像層を設け、裏面に
粘着層を有する被熱転写シートが記載され、これらは上
記の使用方法に用いることができる。しかしながら、こ
れらの印字画像受容体は、任意の物品に貼着できるので
利便性に優れているが、印字画像が形成された印字画像
受容体を貼り付けるためには、印字画像形成部分以外の
余分なラベル部分をも貼り付けなければならず、これに
よって貼り付ける物品や形状に制約を受けるという問題
があった。
【0004】また、熱転写された印像面から半抜き加工
をして、剥離紙のみを残して打ち抜き、印字画像のみを
得る方法(特開平9−118082号公報)も提案され
ているが、バーコード等の精緻な画像を半抜きで作製す
ることは、高精度の設備が必要となり簡便にはできなか
った。
【0005】また、転写された印字画像のみを表示する
他の一つの方法として、特開平7−164770号公報
には、呈色転写層を有する再転写シートと熱転写リボン
を用いて、転写を繰り返す方法が提案されている。すな
わち、熱転写リボンの感圧接着剤層を、一旦第1の転写
シートの呈色転写層上に画像様に選択的に熱転写せしめ
た後、この転写シートを被転写体と重ね合わせ、圧力を
加えることによって、感圧接着剤が転写された部分の呈
色転写層を、感圧接着剤と一体的に被転写体上に再転写
することよりなる。
【0006】しかしながら、この方法は、転写を繰り返
し行うため繁雑であり、また、転写シートに高精度の性
能を要求されるとともに、転写条件によってはその転写
工程で印像の歪みや、印像の一部が次へ転写されず欠損
を生じるおそれがあった。また、表示する文字、記号、
絵柄が非対象の場合は、その転写の回数に応じて最初に
形成する印像を正像にするか逆像にするか判断しなけれ
ばならず、工程が煩雑になっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術は、
上記のように種々の問題がある上、いずれも熱転写記録
リボンまたは熱転写インク層の加熱部分がパターン状の
画像となって被転写体上に転写されるのであって、非加
熱部分が被転写体上に形成されるものではない。従来、
物品等に簡単に転写して非加熱部分のみをパターン状の
画像として物品等に形成するための熱転写表示シートは
知られていなかった。
【0008】本発明は、従来の上記の事実に鑑みてなさ
れたものであって、本発明の目的は、非加熱部分をパタ
ーン像として物品の上に簡単に形成することができる熱
転写表示体を提供することにある。本発明の他の目的
は、半抜きや再転写等の複雑な手段を講じることなく、
ワンタッチの簡単な操作で、熱転写表示体の非加熱部分
のみを画像として任意の物品上に転写する転写像形成方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、常温では剥離性を示すが、加熱により溶融する
熱溶融性剥離層を利用することによって、上記の目的が
達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の熱転写表示体の第1の
態様のものは、熱溶融性剥離層、感熱接着性樹脂層、感
圧接着剤層および剥離シートが順次積層されてなり、該
熱溶融性剥離層が、常温では感熱接着性樹脂層に対して
剥離性を示すが、加熱により溶融して感熱接着性樹脂層
と一体化する熱可塑性材料よりなることを特徴とする。
また、本発明の熱転写表示体の第2の態様のものは、基
材シート、熱溶融性剥離層、熱転写インク層、感熱接着
性樹脂層、感圧接着剤層および剥離シートが順次積層さ
れてなり、該熱溶融性剥離層が、常温では熱転写インク
層に対して剥離性を示すが、加熱により溶融して熱転写
インク層および感熱接着性樹脂層と一体化する熱可塑性
材料よりなることを特徴とする。
【0011】本発明の転写像形成方法は、上記第1また
は第2の態様の熱転写表示体に、基材シート側からパタ
ーン状に加熱する工程、剥離シートを剥離除去して熱転
写表示体を被着体に貼着する工程、貼着された熱転写表
示体から、パターン状に加熱された部分を基材シートと
共に剥離除去する工程よりなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の態様の熱
転写表示体の模式的断面図であり、図2は、本発明の第
2の態様の熱転写表示体の模式的断面図である。これら
の図において、11は基材シート、12は熱溶融性剥離
層、13は感熱接着性樹脂層、14は感圧接着剤層、1
5は剥離シート、16は熱転写インク層である。本発明
の第1の態様の熱転写表示体は、図1に示すように、基
材シートの一面に熱溶融性剥離層、感熱接着性樹脂層、
感圧接着剤層、剥離シートが順次設けられている。ま
た、本発明の第2の態様の熱転写表示体は、図2に示す
ように、熱溶融性剥離層と感熱接着性樹脂層の間に熱転
写インク層が設けられている。
【0013】図3は、図2の熱転写表示体を用いて本発
明の転写像形成方法により転写像を形成する工程を示す
図である。図3(A)は、熱転写表示体1の基材シート
側からサーマルヘッド17によって印字を行う第1の工
程、(B)は剥離シートを剥離して、熱転写表示体を被
着体18に圧着する第2の工程、(C)は貼着された熱
転写表示体から、加熱された部分を基材シートと共に剥
離する第3の工程を示す。
【0014】次に、本発明の熱転写表示体を構成する各
層の構成材料について説明する。 1.基材シート 基材シートとしては、耐熱強度、寸法安定性、表面平滑
性が高い材料が好ましい。特にプリンターのサーマルヘ
ッド等の加熱部が接触するものにおいては、耐熱温度が
150℃以上のものが好ましく、ポリエステル、ポリイ
ミド、ポリカーボネート等のプラスチックフィルム、コ
ンデンサ紙、グラシン紙および合成紙等の紙類が好適に
用いられる。基材シートの厚さは、一般に50μm以
下、好ましくは3〜25μmの範囲のものが使用され
る。サーマルヘッドが接触する側には、走行性を向上さ
せるために、シリコーン系またはフッ素系化合物等の層
を設けてもよい。
【0015】2.熱溶融性剥離層 熱溶融性剥離層は、隣接して設けられる感熱接着性樹脂
層または熱転写インク層に対して常温では剥離性を示す
が、加熱により溶融して、それらの層の構成材料と混和
または相溶して一体化する熱可塑性材料から構成され
る。具体的には、常温では固体状で剥離性を示し、30
0〜400℃の温度範囲で約0.01〜2秒間の加熱に
より溶融する熱可塑性材料が使用される。熱可塑性材料
として好ましいものは、融点が60〜200℃の範囲の
ものである。
【0016】具体的な材料としては、マイクロクリスタ
リンワックス、カルナバワックス等の天然ワックス類、
ステアリン酸塩等の長鎖脂肪酸塩類、例えば、低分子量
ポリエチレンワックス等のポリオレフィン系ワックス
類、ステアリルアクリルアミド等のポリアミドエステル
類、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン共重
合体、ウレタン樹脂、ポリステアリルアクリレート等の
長鎖脂肪酸アクリレートの重合物、アミノアルキド樹
脂、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン、ポ
リビニルアルコールの長鎖アルキル変性化合物等の熱可
塑性樹脂の中から選択され、これらは1種または2種以
上を混合して用いることができる。
【0017】熱溶融性剥離層は、上記の材料を適当な溶
剤に溶解して塗布することによって形成することができ
る。塗布方法としては、例えば、グラビヤコーター、ロ
ールコーター、ナイフコーター、メーヤバーコーター等
公知の塗工機を使用する方法を採用することができる。
その際の塗布量は、固形分含量として、0.01〜5g
/m2 (膜厚0.01〜5μmに相当)、好ましくは
0.02〜3g/m2 (膜厚0.02〜3μmに相当)
の範囲に設定される。熱溶融性剥離層は、隣接する感熱
接着性樹脂層または熱転写インク層に対して、非加熱時
の剥離力が0.98〜9.8N/mの範囲にあることが
好ましく、2.0〜7.8N/mの範囲にあることが特
に好ましい。
【0018】3.熱転写インク層 熱転写インク層は、感熱接着性樹脂層が着色されている
場合には、必ずしも必要ではない。しかしながら、感熱
接着性樹脂層が透明或い半透明である場合、着色された
感熱接着性樹脂層と異なる色で表示する必要がある場
合、隠蔽性が必要な場合、接着剤を保護する必要がある
場合等、必要に応じて設けることができる。
【0019】熱転写インク層は、熱溶融性インクを用い
て形成することができる。熱溶融性インクは、有機顔
料、無機顔料、昇華性染料等を着色剤とし、植物系、動
物系、鉱物系、石油系等のワックス類、高級脂肪酸類、
軟化点200℃以下の熱可塑性樹脂等をビヒクル成分と
し、溶剤を用いて、または加熱溶融して混合することに
よって調製される。
【0020】着色剤としては、カーボンブラック、オイ
ルブラック、アニリンブラックの黒色顔料、アゾ系顔
料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、フ
タロシアニン系顔料、酸化チタン、蛍光顔料等、公知の
有機および無機顔料が使用され、必要に応じて染料、ア
ルミニウム等の金属粉、金属箔等も使用することができ
る。また、ビヒクル成分として、熱可塑性樹脂が用いら
れる場合、具体的には、ポリエステル樹脂、エチレン−
酢酸ビニル等のビニル系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹
脂、アルキド樹脂等があげられる。これらの熱可塑性樹
脂には、カルナバワックス類、石油樹脂等の粘着付与剤
類、界面活性剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤を含有
させることができる。これらビヒクル成分は、着色せず
に無色透明インクとして使用してもよく、また合成シリ
カ等の体質顔料を混入して半透明インクとして使用して
もよい。
【0021】熱転写インク層は、上記の熱溶融性インク
を用い、グラビア印刷、オフセット印刷、またはスクリ
ーン印刷法により、またはインクジェット型および熱転
写型のカラープリンター等により形成することができ
る。熱転写インク層の膜厚は、0.1〜3μmの範囲で
あることが好ましく、その際の塗布量は、固形分含量と
して、0.1〜5g/m2 の範囲に設定することが必要
である。
【0022】4.感熱接着性樹脂層 感熱接着性樹脂層は、サーマルヘッド等で加熱印字した
熱転写表示体を被着体に貼着した後、被着体から剥離す
る際に、加熱された部分と非加熱部分との間での膜切れ
性を良好にすると同時に、加熱された部分において基材
シートおよび熱溶融性剥離層または熱転写インク層と感
圧接着剤層を接着させる接着剤としての作用を有するも
のである。したがって、そのような要求を満足するよう
な材料から選択することができ、具体的には、前記熱溶
融性剥離層または熱転写インク層との接着性を考慮し
て、接着剤として作用する接着性樹脂であればよく、熱
可塑性樹脂からなる感熱接着剤等が適宜使用できる。ま
た、熱硬化性、湿気硬化性等の硬化型接着剤を使用する
こともできる。
【0023】好ましい接着性樹脂としては、感熱接着剤
の主成分として使用される熱可塑性樹脂、例えば、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル
系樹脂があげられ、それらから選択された1種または2
種以上を用いることができる。
【0024】感熱接着性樹脂層には、剥離時の膜切れ性
を向上させるために、合成シリカ、炭酸カルシウム等の
体質顔料を添加することができる。その添加量は主成分
の固形分100重量部に対して40重量部以下が好まし
い。更に、所望により、消泡剤、界面活性剤、レベリン
グ剤等の各種添加剤を適宜添加できる。
【0025】第1の態様の熱転写表示体の場合、感熱接
着性樹脂層は無色透明であってもよいが、この層はイン
ク層の代わりになるので、着色剤によって着色させたも
のであってもよい。また、第2の態様の熱転写表示体の
場合も、感熱接着性樹脂層は着色されていてもよい。こ
れら感熱接着性樹脂層の着色は、前記熱転写インク層に
関して記載したと同様の着色剤を用いることができ、ま
た、アルミニウム等の金属粉末、蛍光顔料、畜光顔料等
の着色剤を用いることもできる。さらにまた、感熱接着
性樹脂層は合成シリカ等の体質顔料を混入して無色の半
透明層としてもよい。
【0026】感熱接着性樹脂層は、上記の材料を適当な
溶剤に溶解して塗布することによって形成することがで
きる。塗布方法としては、例えば、グラビヤコーター、
ロールコーター、ナイフコーター、メーヤバーコーター
等公知の塗工機を使用する方法を採用することができ
る。塗布層の膜厚は、0.5〜20μm、好ましくは1
〜10μm、更に好ましくは1〜5μmの範囲に設定さ
れる。膜厚が0.5μmより薄いと、基材シートに対し
て十分な接着性を示さず、一方、20μmよりも厚い
と、膜切れ性が低下する。
【0027】5.感圧接着剤層 感圧接着剤層は、天然ゴム、SBR等の合成ゴム等のゴ
ム系、アクリル系、シリコーン系粘着剤を用いて形成す
ることができるが、物品からの剥離性および剥離時の膜
切れ性が良好なことから、アクリル系粘着剤が好適に使
用される。
【0028】アクリル系粘着剤としては、ガラス転移温
度が、通常10℃以下、好ましくは0℃以下の炭素数2
〜12の直鎖状アルキル基もしくは分岐状のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体および分子
中に、カルボキシル基、水酸基、アミノ基またはエポキ
シ基を1個以上有する官能性ビニル系単量体から合成さ
れる常温で粘着性の共重合体が好ましく使用される。こ
の共重合体は、部分的に架橋したものであってもよい。
【0029】(メタ)アクリル酸エステル単量体として
は、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオ
クチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等をあげること
ができ、これらを単独または2種以上で使用することが
できる。上記官能性ビニル系単量体としては、(メタ)
アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、メ
タアクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒド
ロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、アク
リルアミド、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体と官能性ビニル系単
量体との共重合比は、100:0〜100:50の範囲
にあることが好ましい。
【0030】更に、酢酸ビニル、アクリロニトリル等を
前記(メタ)アクリル酸エステル単量体の50重量%以
下の範囲で共重合させることもできる。上記共重合体
は、公知の乳化重合または溶液重合のいずれの方法によ
っても製造できるが、共重合体を架橋して用いる場合に
は、溶液重合により製造することが好ましい。
【0031】本発明において、感圧接着剤層は、感熱接
着性樹脂層におけると同様に着色剤を用いて着色されて
もよく、また、消泡剤、界面活性剤等の添加剤を適宜添
加することもできる。感圧接着剤層は、上記粘着剤を構
成する樹脂を適当な溶剤に溶解し、塗布することによっ
て形成することができる。塗布方法としては、例えば、
グラビヤコーター、ロールコーター、ナイフコーター、
メーヤバーコーター等公知の塗工機を使用する方法を採
用することができる。感圧接着剤層の膜厚は1〜75μ
mの範囲に設定することが必要である。膜厚が1μmよ
り薄い場合は接着性が不足し、また、75μmより厚い
場合は感圧接着層の膜切れが悪くなり、実用に供し得な
い。
【0032】6.剥離シート ポリエステル、ポリプロピレン等のプラスチックフィル
ムまたは上質紙、グラシン紙等の紙類の表面を、付加反
応型シリコーン樹脂等の剥離剤で剥離処理したもの、お
よびポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂のご
とき、それ自体剥離性を有するフィルムを使用すること
ができる。剥離シートの膜厚は、一般に25〜200μ
mの範囲に設定される。本発明の熱転写表示体において
は、剥離シートの感圧接着剤層に対する剥離力は、熱溶
融性剥離層の感熱接着性樹脂層または熱転写インク層に
対する剥離力よりも小さいことが必要である。なお、剥
離紙の場合、その裏面には、必要に応じて帯電防止処理
を施して通紙性をより向上させることができる。
【0033】7.その他 本発明の熱転写表示体は、上記の各層が積層されて構成
されるが、更に、意匠性、平滑性、隠蔽性および保護を
向上する目的で、熱溶融性剥離層と感熱接着性樹脂層ま
たは熱転写インク層との間、または熱接着性樹脂層と感
圧接着層との間に、アルミニウム等の金属蒸着層を設け
ることができる。
【0034】次に、本発明の転写像形成方法について説
明する。本発明の上記の構成を有する熱転写表示体は、
まず、第1の工程として、基材シート側からパターン状
に加熱して印字する。印字は、例えば、熱転写プリンタ
ー等のサーマルヘッドで行うことができるが、他の局部
的加熱手段を用いることもできる。それにより、加熱さ
れた部分の熱溶融性剥離層が熱溶融して、感熱接着性樹
脂層または熱転写インク層と感熱接着性樹脂層の構成材
料と混和され、一体化して剥離機能が喪失された状態で
基材シートに接着することになる。
【0035】次いで、第2の工程として、熱転写表示体
の剥離シートを剥離除去して任意の被着体に当接し、貼
着された熱転写表示体の基材シート側からスキージー、
指等で圧着して貼り合わせる。印字された熱転写表示体
を貼着する被着体としては、特に限定されるものではな
く、例えば、表示パネル等の金属またはプラスチックシ
ート、クレジット等の各種カード類、ビデオテープ類の
タイトルラベル、マーキングシート、ファイルバインダ
ー等の文房具類、本の背表紙、テレビ、冷蔵庫等の家電
製品、コピー機、FAX等の電子機器等、携帯電話等の
情報端末機器、薬品、飲料水等の容器、およびそれらの
包装容器等、各種の物品に使用することができる。
【0036】次いで、第3の工程として、貼着された熱
転写表示体から、パターン状に印字し加熱された部分を
基材シートと共に剥離除去する。それにより、熱転写表
示体の加熱部分は、基材シート・熱溶融性剥離層・(熱
転写インク層)・感熱接着性樹脂層・感圧接着剤層が一
体となって被着体から剥離すると共に、熱転写表示体の
非加熱部分は、基材シート上の熱溶融性剥離層と熱転写
接着樹脂層との間、または熱転写インク層との間、また
は使用する材料によっては熱溶融性剥離層間で剥離す
る。その結果、被着体上に、非加熱部分の(熱転写イン
ク層)・感熱接着性樹脂層・感圧接着剤層からなる印字
画像がワンタッチで形成される。
【0037】本発明の上記転写表示体は、上記のよう
に、被着体に貼着した後、加熱部分を取除けば表示マー
クとしての機能を有するほか、加熱部分を除去せず被着
体に貼着しておけば開封防止等の偽造防止ラベルとして
使用することができる。すなわち、上記第1および第2
の工程によって、例えば、「開封済み」等の文字を印字
した熱転写表示体を被着体に貼着したままの状態にして
おけば、その熱転写表示体を剥がして不正に開封しよう
とした時、物品に「開封済み」の文字が転写された状態
で表示されることになる。しかも被着体上のパターン状
の転写像は、通常の粘着ラベルのような基材フィルムが
存在しないために容易に剥がすことができない。したが
って、開封防止等の偽造防止ラベルとしても使用するこ
とができる。
【0038】
【実施例】実施例1 基材シート:厚さ6μmポリエステルフィルムを使用し
た。 熱溶融性剥離層:下記の塗工液を基材シート上に、乾燥
後の塗布量1g/m2 (膜厚1μm)になるように塗布
乾燥した。 マイクロクリスタリンワックス 10重量% (NEPTUNE5223N4、SHAMROCK製) エチレン−酢酸ビニル共重合体 3重量% (アクアテックスEC1700、中央理化製) メチルエチルケトン 87重量%
【0039】感熱接着性樹脂層:下記成分を3本ロール
で混練して塗工液を作製し、それを上記熱溶融性剥離層
上に、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布した。 ポリエステル樹脂(バイロン103、東洋紡製) 7重量% カーボンブラック(カーボンブラック#40、三菱化成製) 3重量% 非シリコーン消泡剤 0.05重量% (BYK−052、ビック・ケミー製) トルエン 45重量% メチルエチルケトン 45重量%
【0040】感圧接着剤層:別に剥離紙(64gグラシ
ン剥離紙、王子製紙製)の剥離処理面上に溶剤型アクリ
ル系粘着剤(#4331/ポリイソシアネート硬化剤=
100/1、倉本産業製)を乾燥後の厚さが15μmと
なるように塗布し、80℃で2分間乾燥して、感圧接着
剤層を形成した。この感圧接着剤層を、上記感熱接着性
樹脂層に貼り合わせて、熱転写表示体を作製した。
【0041】実施例2 基材シート:厚さ6μmポリエステルフィルムを使用し
た。 熱溶融性剥離層:下記の組成の塗工液を、基材シート上
に乾燥後の塗布量1g/m2 (膜厚1μm)になるよう
に塗布し乾燥した。 マイクロクリスタリンワックス 10重量% (NEPTUNE5223N4、SHAMROCK製) エチレン−酢酸ビニル共重合体 3重量% (アクアテックスEC1700、中央理化製) メチルエチルケトン 87重量%
【0042】熱転写インク層:下記の成分を3本ロール
で混練してインク塗工液を作製し、それを上記熱溶融性
剥離層上に、乾燥後の厚さが2μmとなるように塗布し
た。 エチレン−酢酸ビニル共重合体 7重量% (アクアテックスEC1700、中央理化製) カーボンブラック(カーボンブラック#40、三菱化成製) 3重量% トルエン 90重量%
【0043】感熱接着性樹脂層:下記の組成の塗工液を
上記熱転写インク層上に、乾燥後の厚さが2μmとなる
ように塗布した。 ポリエステル樹脂(バイロン103、東洋紡製) 10重量% 非シリコーン消泡剤 0.05重量% (BYK−052、ビック・ケミー製) トルエン 約45重量% メチルエチルケトン 約45重量%
【0044】感圧接着剤層:別に剥離紙(64gグラシ
ン剥離紙、王子製紙製)の剥離処理面上に溶剤型アクリ
ル系粘着剤(倉本産業製#4331/ポリイソシアネー
ト硬化剤=100/1)を乾燥後の厚さが15μmとな
るように塗布し、80℃で2分間乾燥した。得られた剥
離紙上の感圧接着剤層を、上記感熱接着性樹脂層と貼り
合わせて熱転写表示体を作製した。
【0045】実施例3 剥離剤をポリエチレンイミン系剥離剤(RA−40、ア
シオレジン製)に変更した以外は、実施例2と同様にし
て熱転写表示体を作製した。 実施例4 感熱接着性樹脂層におけるポリエステル樹脂をエチレン
−酢酸ビニル共重合体(アクアテックスEC1700、
中央理化製)に変更した以外は、実施例2と同様にして
熱転写表示体を作製した。 実施例5 感圧接着剤層の作製に際して、溶剤型アクリル系粘着剤
を、#4377(倉本産業製:アクリル系粘着剤)に変
更した以外は、実施例2と同様にして熱転写表示体を作
製した。
【0046】比較例1 実施例2において、感熱接着性樹脂層を設けずに、感圧
性接着剤層と貼り合わせて熱転写表示体を作製した。 比較例2 熱溶融性剥離層の形成に変えて、シリコーン系剥離剤
(KS774、信越シリコーン製)を用いて剥離層を形
成した以外は、実施例2と同様にして熱転写表示体を作
製した。
【0047】評価方法 1.熱転写プリンター(BC−8MKII、オートニクス
製) 印字条件:濃度9、印字スピード20mm/秒で文字、
バーコードを印字した。 2.剥離紙を剥がして、ステンレス鋼板にスキージで貼
り付けた後、基材シートを剥がし、加熱部分を除去し
て、鮮明な転写画像が被着体に形成できたか否かを評価
した。評価基準は次の通りである。 ○…良好な画像が得られた。×…画像が形成できない。
【表1】
【0048】
【発明の効果】本願発明の熱転写表示体は、非加熱時に
は良好な剥離性を有し、加熱溶融によって剥離機能を喪
失する熱可塑性材料より構成された熱溶融性剥離層と感
熱接着性樹脂層が設けられているから、加熱印字によっ
て部分的に像様に加熱した場合、加熱部分において、感
熱接着性樹脂層が、加熱溶融した感熱剥離層を介してま
たは包含して基材シートに強固に接着し、同時に感圧接
着剤層とも強固に接着するようになる。したがって、そ
れを被着体に貼着して、加熱部分を取り除くことによ
り、被着体上に非加熱部分の画像パターンをワンタッチ
で容易に転写形成することができる。また、上記感熱接
着性樹脂層は、物品貼着後の剥離の際には良好な膜切れ
性を有するので、物品貼着後の剥離時には感圧接着剤層
の膜切れ性も向上させることができ、鮮明な画像パター
ンを転写形成することができる。また、本発明の熱転写
表示体は、サーマルヘッド等により予め印字したものを
包装箱等の被着体に貼着しておけば、それを剥離した際
に被着体に転写された印字画像が表れるので、開封防止
等の偽造防止ラベルとして使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱転写表示体の一例の模式的断面図
である。
【図2】 本発明の熱転写表示体の他の一例の模式的断
面図である。
【図3】 本発明の転写像形成方法を説明する工程図で
ある。
【符号の説明】
11…基材シート、12…熱溶融性剥離層、13…感熱
接着性樹脂層、14…感圧接着剤層、15…剥離シー
ト、16…熱転写インク層、17…サーマルヘッド、1
8…被着体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安楽 貴 東京都豊島区東池袋3丁目7番4号 株式 会社倉本産業内 Fターム(参考) 2H111 AA26 AA33 BA02 BA07 BA33 BA38 BA53 BA54 BA62 BA63 HA05 HA18 HA23 HA35

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート、熱溶融性剥離層、感熱接着
    性樹脂層、感圧接着剤層および剥離シートが順次積層さ
    れてなり、該熱溶融性剥離層が、常温では感熱接着性樹
    脂層に対して剥離性を示すが、加熱により溶融して感熱
    接着性樹脂層と一体化する熱可塑性材料よりなることを
    特徴とする熱転写表示体。
  2. 【請求項2】 感熱接着性樹脂層が、着色剤を含有する
    請求項1記載の熱転写表示体。
  3. 【請求項3】 基材シート、熱溶融性剥離層、熱転写イ
    ンク層、感熱接着性樹脂層、感圧接着剤層および剥離シ
    ートが順次積層されてなり、該熱溶融性剥離層が、常温
    では熱転写インク層に対して剥離性を示すが、加熱によ
    り溶融して熱転写インク層および感熱接着性樹脂層と一
    体化する熱可塑性材料よりなることを特徴とする熱転写
    表示体。
  4. 【請求項4】 隣接する感熱接着性樹脂層または熱転写
    インク層に対する熱溶融性剥離層の剥離力が0.98〜
    9.8N/mの範囲にある請求項1または3記載の熱転
    写表示体。
  5. 【請求項5】 前記熱溶融性剥離層が、マイクロクリス
    タリンワックスおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体の
    混合物よりなる請求項1または3記載の熱転写表示体。
  6. 【請求項6】 前記感熱接着性樹脂層の膜厚が0.5〜
    20μmである請求項1または3記載の熱転写表示体。
  7. 【請求項7】 前記感圧接着剤層の膜厚が1〜75μm
    である請求項1または3記載の熱転写表示体。
  8. 【請求項8】 請求項1または3の熱転写表示体に、基
    材シート側からパターン状に加熱する工程、剥離シート
    を剥離除去して熱転写表示体を被着体に貼着する工程、
    貼着された熱転写表示体から、パターン状に加熱された
    部分を基材シートと共に剥離除去する工程よりなること
    を特徴とする転写像形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015116741A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 ゼネラル株式会社 感熱転写媒体
CN114474990A (zh) * 2020-10-28 2022-05-13 精工爱普生株式会社 记录方法及喷墨记录装置

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JP2015116741A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 ゼネラル株式会社 感熱転写媒体
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