JP2001088398A - ラインプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、印字ヘッドのプラテンに対する位
置調整を、容易にかつ高精度に行うことのできるライン
プリンタを提供することを目的とする。 【解決手段】 印字ヘッド３と、印字ヘッドが取り付け
られるヘッドブラケット８との間に、この印字ヘッドと
前記プラテンとの位置関係を調整する位置調整機構９が
設けられ、この位置調整機構が、前記ヘッドブラケット
および印字ヘッドとに形成された係合孔８ａ・３ａと、
これらの各係合孔に回動自在に嵌合させられるととも
に、前記ヘッドブラケットに嵌合させられる部位１０ａ
と前記印字ヘッドに嵌合させられる部位１０ｂの軸線が
偏倚させられた偏心カム１０とによって構成されている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印字装置に係わ
り、特に、一行分の印字を同時に行うラインプリンタに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】サーマルプリンタ等の、所定長さの印字
ラインを備えたラインプリンタの一構造例として、たと
えば、図６および図７に示す構造のものが知られてい
る。このラインプリンタは、図６に示すように、本体１
と、この本体１内に装填されたロール状の記録紙２と、
この記録紙２に印字を行う印字ヘッド３と、この印字ヘ
ッド３に対向配置され、この印字ヘッド３との間に前記
記録紙１を挟持するとともに、この記録紙１を搬送する
プラテン（プラテンローラ）４と、このプラテン４を回
転駆動するモータ５と、このモータ５の回転を前記プラ
テン４へ伝達する回転伝達機構６とによって概略構成さ
れている。

【０００３】そして、前記記録紙２は帯状台紙２ａに、
感熱紙からなるラベル２ｂを仮着した構成のものを示し
てあり、前記印字ヘッド３は、図示例ではサーマルヘッ
ドを示してある。一方、前記印字ヘッド３は、図７に示
すように、所定長さの印字ライン７を備えている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ラインプリンタにあっては、印字ヘッド３の交換時等に
おいて、その取り付け位置にずれが生じると、印字ヘッ
ド３の印字ライン７が、図７に破線で示すように、プラ
テン４の軸線に対して傾斜してしまい、あるいは、記録
紙２の搬送方向前後にずれてしまうことがある。そし
て、このような印字ライン７のプラテン４に対する傾斜
やずれが生じると、印字のゆがみが生じ、あるいは、印
字ヘッド３とプラテン４との接触圧が、印字ライン７の
長さ方向において不均一に、または、十分な接触圧が得
られなくなり、これらの相乗作用によって、印字品質が
低下してしまうといった問題を生じる。したがって、従
来においては、これらの不具合への対処が望まれてい
る。

【０００５】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、印字ヘッドのプラテンに対する位置
調整を、容易にかつ高精度に行うことのできるラインプ
リンタを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
のラインプリンタは、前述した目的を達成するために、
印字ヘッドと、この印字ヘッドに対して対向配置され
て、記録紙を印字位置に保持するプラテンと、前記印字
ヘッドが、前記記録紙の搬送面内において相対移動可能
に装着されたヘッドブラケットとを備えたラインプリン
タであって、前記ヘッドブラケットと印字ヘッドとの間
に、この印字ヘッドを前記ヘッドブラケットに対して相
対移動させることにより、前記印字ヘッドと前記プラテ
ンとの位置関係を調整する位置調整機構が設けられ、こ
の位置調整機構が、前記ヘッドブラケットおよび印字ヘ
ッドとに形成された係合孔と、これらの各係合孔に回動
自在に嵌合させられるとともに、前記ヘッドブラケット
に嵌合させられる部位と前記印字ヘッドに嵌合させられ
る部位の軸線が偏倚させられた偏心カムとによって構成
されていることを特徴とするラインプリンタ。本発明の
請求項２に記載のラインプリンタは、請求項１に記載の
前記位置調整機構が、前記印字ヘッドの印字ライン方向
に間隔をおいて２箇所に設けられていることを特徴とす
る。また、本発明の請求項３に記載のラインプリンタ
は、請求項１または請求項２に記載の前記印字ヘッドを
前記ヘッドブラケットに固定する固定ネジが設けられて
いることを特徴とする。さらに、本発明の請求項４に記
載のラインプリンタは、請求項１ないし請求項３の何れ
かに記載の前記印字ヘッドに形成された係合孔が、前記
印字ヘッドの印字ライン方向に沿うように長孔となされ
ていることを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
１および図２を参照して説明する。なお、本実施形態に
おけるラインプリンタの主要構成部材は、図６とほぼ同
様であるので、これらについては、図６を参照して説明
する。

【０００８】本実施形態に係わるラインプリンタの特徴
部分は、図１に示すように、印字ヘッド３と、この印字
ヘッド３に対して対向配置されて、記録紙２を印字位置
に保持するローラ状のプラテン４と、前記印字ヘッド３
が、前記記録紙２の搬送面内において相対移動可能に装
着されたヘッドブラケット８とを、前記ヘッドブラケッ
ト８と印字ヘッド３との間に、この印字ヘッド３を前記
ヘッドブラケット８に対して相対移動させることによ
り、前記印字ヘッド３と前記プラテン４との位置関係を
調整する位置調整機構９が設けられ、この位置調整機構
９が、前記ヘッドブラケット８および印字ヘッド３とに
形成された係合孔８ａ・３ａと、これらの各係合孔８ａ
・３ａに回動自在に嵌合させられるとともに、前記ヘッ
ドブラケット８に嵌合させられる部位１０ａと前記印字
ヘッド３に嵌合させられる部位１０ｂの軸線が偏倚させ
られた偏心カム１０とによって構成されていることにあ
る。

【０００９】さらに詳述すれば、前記印字ヘッド３は、
前記ヘッドブラケット８に重ね合わされるサブホルダ１
１に一体に固定されて、このサブホルダ１１を介して前
記ヘッドブラケット８に取り付けられるようになってい
る。そして、前記位置調整機構９を構成する係合孔３ａ
が、前記サブホルダ１１に形成されており、本実施形態
においては、この係合孔３ａが、図５に示すように、印
字ライン７の長さ方向に沿うような長孔となされてい
る。

【００１０】また、前記位置調整機構９は、図２および
図５に示すように、前記印字ヘッド３の印字ライン７方
向に間隔をおいて２箇所に設けられており、それぞれ独
立して操作されることにより、図５に矢印（イ）（ロ）
で示すように、前記印字ヘッド３の両端部における独立
した位置調整が可能となされている。

【００１１】また、前記サブホルダ１１には、前記ヘッ
ドブラケット８に螺着される固定ネジ１２が２個装着さ
れており、この固定ネジ１２によってサブホルダ１１を
前記ヘッドブラケット８に固定することにより、前記サ
ブホルダ１１、すなわち、印字ヘッド３を調整位置に固
定するようになっている。

【００１２】そして、前記サブホルダ１１の、前記各固
定ネジ１２が貫通させられる貫通孔１３は、図５に示す
ように、前記印字ライン７と直交する方向に沿うような
長孔となされており、この貫通孔１３によって前記サブ
ホルダ１１の移動方向が概略規制されるようになってい
る。

【００１３】さらに、前記偏心カム１０は、前述したよ
うにヘッドブラケット８に嵌合させられる部位１０ａの
軸線とサブホルダ１１に嵌合させられる部位１０ｂの軸
線とがずらされており、このずれ分が、前記印字ヘッド
３のヘッドブラケット８に対する上下の位置調整可能な
距離となる。

【００１４】一方、前記ヘッドブラケット８に嵌合させ
られる部位１０ａの端面には、この偏心カム１０の回転
をなすドライバ等の治具が係合させられる溝１４が、図
４に示すように形成されている。

【００１５】このように構成された本実施形態に係わる
ラインプリンタにおいて、印字ヘッド３の位置調整を行
うには、まず、両固定ネジ１２を緩めて、サブホルダ１
１の、ヘッドブラケット８への固定を解除する。

【００１６】ついで、各偏心カム１０を、その端面に係
止されている溝１４を利用して所定の方向に回動させる
と、この偏心カム１０が、ヘッドブラケット８に嵌合さ
せられる部位１０ａを回動軸線として回動させられるこ
とにより、サブホルダ１１に嵌合させられる部位１０ｂ
の周面が回転させられる。この結果、偏心カム１０の、
サブホルダ１１に嵌合させられる部位１０ｂがヘッドブ
ラケット８に対して、図５に矢印（イ）（ロ）で示すよ
うに、印字ライン７と直交する方向、すなわち上下方向
に移動させられ、これに伴い、サブホルダ１１および印
字ヘッド３がヘッドブラケット８に対して上下に方向に
移動させられる。

【００１７】このような印字ヘッド３の位置調整は、そ
の印字ライン７の両端部において行われ、これによっ
て、前記印字ヘッド３が、その印字ライン７が全長にわ
たって前記プラテン４の側面に均一に接触する位置に位
置調整される。

【００１８】このようにして、印字ヘッド３の位置調整
を行った後に、前記各固定ネジ１２によってサブホルダ
１１をヘッドブラケット８に固定することにより、印字
ヘッド３を調整位置に固定することができる。

【００１９】そして、偏心カム１０の前記サブホルダ１
１に嵌合させられる部位１０ｂの上下方向への移動が、
サインカーブ状に変化することから、微量の位置調整が
可能であり、したがって、前記印字ヘッド３の位置の微
調整が可能となる。

【００２０】なお、前記実施形態において示した各構成
部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基
づき種々変更可能である。たとえば、何等かの固定手
段、たとえば摩擦によって、前記偏心カム１０をヘッド
ブラケット８に対して調整位置に固定するようにするこ
とも可能である。このような構成とすることにより、印
字ヘッド３を再交換する場合等において、その支持点が
設定されていることにより、調整操作を省略することが
可能となる。

【００２１】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、偏心カムを回転させるといった簡便な操作により、
プラテンに対する印字ヘッドの位置を高精度に位置決め
することができる。この結果、印字品質の低下を大幅に
抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すもので、要部の側面
図である。

【図２】本発明の一実施形態を示すもので、要部の平面
図である。

【図３】本発明の一実施形態を示すもので、要部の縦断
面側面図である。

【図４】本発明の一実施形態を示すもので、偏心カムの
外観斜視図である。

【図５】本発明の一実施形態を示すもので、要部の正面
図である。

【図６】ラインプリンタの一構造例を示すもので、主要
構成部材の位置関係を示す概略側面図である。

【図７】ラインプリンタにおけるプラテンと印字ライン
との関係を示す概略図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 記録紙 ２ａ 帯状台紙 ２ｂ ラベル ３ 印字ヘッド ３ａ 係合孔 ４ プラテン ５ モータ ６ 回転伝達機構 ７ 印字ライン ８ ヘッドブラケット ８ａ 係合孔 ９ 位置調整機構 １０ 偏心カム １０ａ ヘッドブラケットに嵌合させられる部位 １０ｂ 印字ヘッドに嵌合させられる部位 １１ サブホルダ １２ 固定ネジ １３ 貫通孔 １４ 溝

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字ヘッドと、この印字ヘッドに対して
   対向配置されて、記録紙を印字位置に保持するプラテン
   と、前記印字ヘッドが、前記記録紙の搬送面内において
   相対移動可能に装着されたヘッドブラケットとを備えた
   ラインプリンタであって、前記ヘッドブラケットと印字
   ヘッドとの間に、この印字ヘッドを前記ヘッドブラケッ
   トに対して相対移動させることにより、前記印字ヘッド
   と前記プラテンとの位置関係を調整する位置調整機構が
   設けられ、この位置調整機構が、前記ヘッドブラケット
   および印字ヘッドとに形成された係合孔と、これらの各
   係合孔に回動自在に嵌合させられるとともに、前記ヘッ
   ドブラケットに嵌合させられる部位と前記印字ヘッドに
   嵌合させられる部位の軸線が偏倚させられた偏心カムと
   によって構成されていることを特徴とするラインプリン
   タ。
2. 【請求項２】 前記位置調整機構が、前記印字ヘッドの
   印字ライン方向に間隔をおいて２箇所に設けられている
   ことを特徴とする請求項１に記載のラインプリンタ。
3. 【請求項３】 前記印字ヘッドを前記ヘッドブラケット
   に固定する固定ネジが設けられていることを特徴とする
   請求項１または請求項２に記載のラインプリンタ。
4. 【請求項４】 前記印字ヘッドに形成された係合孔が、
   前記印字ヘッドの印字ライン方向に沿うように長孔とな
   されていることを特徴とする請求項１ないし請求項３の
   何れかに記載のラインプリンタ。