(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るサーマルプリンタ1の全体構成を説明する図である。
なお、サーマルプリンタ1の説明において、図1の紙面における奥行方向(図1を貫く方向)を主走査方向Xといい、図1の紙面における左右方向を副走査方向Yという。サーマルプリンタ1の上下方向(鉛直方向)Zは、主走査方向X及び副走査方向Yと直交する。
本実施形態の熱転写印刷装置としてのサーマルプリンタ1は、例えば、包装機(図示せず)等により連続的に移動される包装フィルム等の長尺フィルムF(被印刷物)に、印刷を行う。長尺フィルムFは、長尺状のフィルムにより形成される。長尺フィルムFは、例えば、包装機(図示せず)などにより移動される包装フィルムである。
サーマルプリンタ1は、図1に示すように、プリンタ本体2と、プラテンローラ4と、を備える。また、サーマルプリンタ1は、傾きを調整可能な第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36の支持構造100(後述)を備える。
プリンタ本体2は、長尺フィルムFの移動経路の途中において、長尺フィルムFの移動経路に対して上方側に配置されている。プリンタ本体2は、支持部23に支持されている。
プリンタ本体2は、インクリボンR(ウェブ状物)と、リボン搬送機構3と、サーマルヘッド(プリントヘッド)21と、保持枠体22と、を備える。保持枠体22には、リボン搬送機構3及びサーマルヘッド21が保持されている。
サーマルヘッド21は、インクリボンR及び長尺フィルムFを挟んで、プラテンローラ4に対向して配置される。サーマルヘッド21は、先端部21a側がプラテンローラ4側に突出するように配置される。サーマルヘッド21は、上下方向Zに移動可能に構成される。サーマルヘッド21は、上流側から下流側に向けて移動方向Pに移動する長尺フィルムFに、印刷データの印刷パターンを印刷する。
サーマルヘッド21は、移動方向Pに所定の移動速度で移動される長尺フィルムFに対向して配置される。サーマルヘッド21は、プラテンローラ4に対して、プラテンローラ4から離間する待機位置(図1参照)又はプラテンローラ4を押圧する押圧位置(図示せず)に移動可能に構成される。
サーマルヘッド21は、その先端部21aに複数の発熱素子を備える。サーマルヘッド21においては、サーマルヘッド21が通電されることにより、発熱素子が発熱する。
インクリボンRは、サーマルヘッド21と長尺フィルムFの印刷面との間に配置される。インクリボンRからは、サーマルヘッド21により長尺フィルムFに印刷を行う際にインクが長尺フィルムFに転写される。インクリボンRは、リボン搬送機構3により所定方向に搬送(移動)される。
リボン搬送機構3は、巻回された未使用のインクリボンRを保持する原反側リボンホルダ30と、インクリボンRを巻き取る巻取側リボンホルダ31と、複数のガイドローラ32,33,34,35,36,37と、リボン駆動モータ311と、を備える。リボン搬送機構3は、リボン駆動モータ311の駆動により、原反側リボンホルダ30に巻回された未使用のインクリボンRをサーマルヘッド21へ向けて巻き戻すと共に、サーマルヘッド21に使用されたインクリボンRを巻取側リボンホルダ31に巻き取る。
リボン駆動モータ311は、インクリボンRを移動させる。リボン駆動モータ311は、巻取側リボンホルダ31を、インクリボンRを巻き戻す方向及びインクリボンRを巻き取る移動方向Mの両方向に回転駆動する。リボン駆動モータ311は、インクリボンRを、包装機等により連続的に移動される包装フィルム等の長尺フィルムFと同じ移動速度になるように、サーマルヘッド21へ向けて搬送する。
複数のガイドローラ32,33,34,35,36,37は、原反側リボンホルダ30から巻取側リボンホルダ31に向かって搬送されるインクリボンRをガイドし、又は、巻取側リボンホルダ31から原反側リボンホルダ30に向かって搬送されるインクリボンRをガイドするローラである。
複数のガイドローラ32,33,34,35,36,37は、原反側リボンホルダ30側から巻取側リボンホルダ31に向けて順に、第1固定ガイドローラ32、第2固定ガイドローラ33、サーマルヘッド21を挟んで、第3固定ガイドローラ34、第1調整ガイドローラ35(ガイド軸部材)、第2調整ガイドローラ36(ガイド軸部材)、第4固定ガイドローラ37が配置されている。なお、本実施形態においては、複数のガイドローラ32,33,34,35,36、37のうち、第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36は、本発明の第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36の支持構造100における傾き調整が可能なガイドローラである。
複数のガイドローラ32,33,34,35,36,37に掛けられるインクリボンRにおいては、原反側リボンホルダ30から繰り出されたインクリボンRは、ガイドローラ32,33の外側に掛けられ、サーマルヘッド21の外側を通され、ガイドローラ34の外側に掛けられる。続けて、インクリボンRは、第1調整ガイドローラ35の外側に掛けられ、第2調整ガイドローラ36の内側に掛けられ、ガイドローラ37の外側に掛けられ、巻取側リボンホルダ31に巻き取られるように配置される。
第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36は、支持構造100により、保持枠体22のベース板110に支持される。第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36の支持構造100の詳細については後述する。
本実施形態においては、複数のガイドローラ32,33,34,35,36,37のうち、第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36を除いた複数のガイドローラ32,33,34,37(第1固定ガイドローラ32、第2固定ガイドローラ33、第3固定ガイドローラ34、第4固定ガイドローラ37)は、本発明の支持構造100とは異なる支持構造で支持されており、傾き調整を不能な状態で、保持枠体22のベース板110に固定される。
本実施形態では、第1固定ガイドローラ32は、原反側リボンホルダ30に最も近いガイドローラであり、原反側リボンホルダ30から繰り出された直後のインクリボンRをガイドする。第4固定ガイドローラ37は、巻取側リボンホルダ31に最も近いガイドローラであり、巻取側リボンホルダ31に巻き取られる直前のインクリボンRをガイドする。第2固定ガイドローラ33及び第3固定ガイドローラ34は、プリントヘッド21に搬送されるインクリボンRをプリントヘッド21の上流側の直前及び下流側の直後においてガイドする。そのため、第1固定ガイドローラ32、第2固定ガイドローラ33、第3固定ガイドローラ34及び第4固定ガイドローラ37は、インクリボンRのガイドを安定して行う必要があるために、傾き調整を不能な構造で、保持枠体22のベース板110に固定される。
プラテンローラ4は、図1に示すように、インクリボンR及び長尺フィルムFを挟んでサーマルヘッド21に対向して配置される。本実施形態においては、プラテンローラ4は、サーマルヘッド21の下方に配置されている。
プラテンローラ4は、プラテンローラ4とサーマルヘッド21との間に長尺フィルムFを配置した状態で、長尺フィルムFの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能である。プラテンローラ4は、所定径の金属製芯金の周面にシリコーンゴム等の所定の弾性を有する素材による弾性層が形成され、所定外径の円柱状に形成されたローラである。プラテンローラ4は、プラテンローラ本体41と、プラテン軸部材42と、を有する。プラテン軸部材42は、側板10に軸受(不図示)を介して回転自在に支持されている。
以上のように構成されるサーマルプリンタ1は、サーマルヘッド21を、待機位置(図1参照)から、押圧位置(図示せず)に向かうように移動させることで、インクリボンRを、長尺フィルムF及びプラテンローラ4側に押圧する。そして、長尺フィルムFが移動経路を移動されることにより、プラテンローラ4の表面において、発熱した所定の発熱素子と接触したインクリボンRは、長尺フィルムFに接触した状態で移動される。これにより、サーマルプリンタ1は、インクリボンRに塗布されたインクを長尺フィルムFに転写させ、移動速度で移動される長尺フィルムFに、印刷パターンを印刷する。
次に、本発明の特徴部分である第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36の支持構造100の詳細について、図面を参照しながら説明する。図2は、ガイドローラ36の支持構造100を説明する斜視図である。図3は、図2のA−A線断面図である。図4は、図2のB−B線断面図である。図5は、ベース板110を裏面110b側から視た図である。図6は、ガイドローラ36の支持構造100における傾き調整方向Cを説明する図である。
本実施形態においては、図1に示すように、第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36は、ベース板110の副走査方向Yにおける一方側の端部側において、上下方向Zに並んで配置されている。
ここで、複数の構成部品(複数のガイドローラの軸部材や複数のガイドローラを設置するベース板など)の誤差や組み付け精度の誤差が積算されることで、インクリボンRが傾いて斜めに搬送されることがある。インクリボンRがいずれの向きに傾いて搬送されるかは、複数の構成部品(複数のガイドローラの軸部材や複数のガイドローラを設置するベース板など)の組み合わせにより異なる。そのため、インクリボンRが斜め搬送されることを抑制できる構成として、インクリボンRを外側に傾けることが可能な調整ガイドローラと、インクリボンRを内側に傾けることが可能な調整ガイドローラと、を少なくとも含んでいることが好ましい。本実施形態では、第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36は、インクリボンRの斜め搬送を抑制できる一組の調整ガイドローラとして構成される。
第1調整ガイドローラ35は、インクリボンRの内面側に配置される。第1調整ガイドローラ35は、ベース板110に取り付ける際や取り付けた後の調整の際に、第1調整ガイドローラ35の支持構造100により傾き角度を調整することで、インクリボンRの内面をインクリボンRの外側(または内側)に傾けることにより角度を調整することができる。
第2調整ガイドローラ36は、インクリボンRの外面側に配置される。第2調整ガイドローラ36は、ベース板110に取り付ける際や取り付けた後の調整の際に、第2調整ガイドローラ36の支持構造100により傾き角度を調整することで、インクリボンRの外面をインクリボンRの内側(または外側)に傾けることにより角度を調整することができる。
なお、本実施形態においては、第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36の支持構造100は、傾き調整方向Cや第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36におけるインクリボンRの巻き付け角度が異なる以外は、いずれにおいても同様の構成を有する。そのため、本実施形態においては、主に、第2調整ガイドローラ36の支持構造100について説明する。なお、第2調整ガイドローラ36において説明する内容は、第1調整ガイドローラ35の説明に援用できる。
図2〜図5に示すように、第2調整ガイドローラ36の支持構造100は、第2調整ガイドローラ36と、ベース部としての板状のベース板110と、傾き調整機構130と、を備える。
ベース板110は、前述の保持枠体22の一部により構成されている。本実施形態においては、図1に示すように、ベース板110は、副走査方向Y及び上下方向Zに沿って延びる板状に形成される。ベース板110には、第2調整ガイドローラ36が取り付けられる。ベース板110は、図2〜図5に示すように、挿入穴111と、ピン部材配置部112と、延出部配置溝部150(溝状規制部)と、を有する。
挿入穴111は、ベース板110の表面110aからベース板110の内部側に窪んで延びる。本実施形態においては、挿入穴111は、ベース板110を厚さ方向に貫通して形成される。挿入穴111には、第2調整ガイドローラ36のローラシャフト361(後述)の一端部361bが挿入される。ローラシャフト361の一端部361bが挿入穴111に挿入された状態で、ベース板110は、ローラシャフト361を支持する。
挿入穴111は、第2調整ガイドローラ36のローラシャフト361(後述)の一端部361bが挿入されるように、円筒状に形成される。ガイドローラ36のローラシャフト361(後述)の一端部361bが挿入穴111に挿入された状態においては、挿入穴111は、ガイドローラ36のローラシャフト361(後述)が、ベース板110の表面110aの面方向へ移動することを規制する。
挿入穴111の径の大きさは、第2調整ガイドローラ36のローラシャフト361の一端部361bが挿入される径の大きさであって、ローラシャフト361が挿入された状態でローラシャフト361を傾けることが可能なように、ローラシャフト361の径の大きさよりも僅かに大きく形成される。つまり、挿入穴111の径の大きさは、後述する傾き調整機構130による調整により、ローラシャフト361が調整回動軸(回動軸)J2を中心に回動した場合に、ローラシャフト361が傾いた状態で、ローラシャフト361の一端部361bを配置することが可能な径の大きさに構成される。
ピン部材配置部112は、図4及び図5に示すように、ベース板110の内部において、挿入穴111に連通して配置される。ピン部材配置部112は、ベース板110の内部において、ベース板110の表面110aに平行な方向であって、挿入穴111に直交する方向に延びる。ピン部材配置部112は、ベース板110の表面110aと反対側の裏面110b側から窪んで形成され、調整回動軸方向K2に溝状に延びる。ピン部材配置部112は、挿入穴111に交差して配置される。ピン部材配置部112の一部は、挿入穴111の一部でもある。
延出部配置溝部150は、図2〜図4に示すように、ベース板110の表面110aから溝状に窪む凹状に形成される。延出部配置溝部150は、調整回動軸方向K2に直交する方向K3に溝状に延びる。延出部配置溝部150には、後述する規制板部材140の一対の延出部141,141が配置される。
第2調整ガイドローラ36は、図3及び図4に示すように、ローラシャフト361と、ロール部材362と、一対のローラベアリング363,363と、抜け止めねじ部材364と、を有する。
ロール部材362は、回転軸J1を中心に回転可能である。ロール部材362は、図2〜図4に示すように、回転軸J1が延びる回転軸方向K1に延びる円筒状に形成される。本実施形態においては、回転軸方向K1は、主走査方向Xに一致する。
ロール部材362は、インクリボンRが当接する周面を有する。ロール部材362は、ローラシャフト361の外側に取り付けられる。ロール部材362は、ローラシャフト361に対して回転可能に、ローラシャフト361における回転軸方向K1の一端部361b側の一対の延出部141,141(後述)の上方側及び他端部361c側において、一対のローラベアリング363,363を介して、ローラシャフト361に取り付けられる。
ローラシャフト361は、ロール部材362の回転軸J1を形成する。ローラシャフト361は、円柱状に形成され、回転軸J1が延びる方向である回転軸方向K1に延びる。
ローラシャフト361の回転軸方向K1の一端部361bは、ベース板110の挿入穴111に挿入される。ローラシャフト361の回転軸方向K1の一端部361bには、貫通穴361aが設けられている。貫通穴361aは、ローラシャフト361の一端部361bにおいて、調整回動軸方向(回動軸方向)K2に貫通して形成される。貫通穴361aには、後述するピン部材121が貫通して配置される。
ローラシャフト361は、回転軸方向K1の一端部361b側において、挿入穴111に挿入された状態で、ベース板110に支持される。つまり、ローラシャフト361は、回転軸方向K1の一端部361bを支持端とすると共に、回転軸方向K1の他端部361c側を自由端とする、いわゆる片持ち構造で、ベース板110に支持される。
抜け止めねじ部材364は、ローラシャフト361の回転軸方向K1の他端部361c側の自由端に取り付けられる。抜け止めねじ部材364は、抜け止めねじ部材364の頭部がローラベアリング363の他端部361c側の面の位置を規制した状態で、ローラシャフト361の回転軸方向K1の他端部361c側の自由端に螺合される。これにより、抜け止めねじ部材364は、抜け止めねじ部材364の頭部がローラベアリング363の他端部361c側の面の位置を規制するため、ローラベアリング363に取り付けられたロール部材362が、ローラシャフト361から抜けることを防止できる。
傾き調整機構130は、図2に示すように、インクリボンRを張る方向C1又は緩ませる方向C2にローラシャフト361が傾くように、1つの調整回動軸J2を中心にローラシャフト361を回動することで、ベース板110の表面110a(基準平面)に対するローラシャフト361の傾きを調整可能である。1つの調整回動軸J2は、ローラシャフト361の一端部361b側に配置される。
傾き調整機構130は、図3〜図5に示すように、規制板部材140と、傾き調整部としての一対の調整ねじ部材(ねじ部材)132,132と、ピン部材121と、ピン部材121が配置されるピン部材配置部112と、規制板部材140の一対の延出部141,141(後述)が収容される延出部配置溝部150(溝状規制部)と、を有する。
ピン部材121は、図4及び図5に示すように、ローラシャフト361の一端部361bに設けられる貫通穴361aに貫通して配置される。これにより、ローラシャフト361の回転軸方向K1の一端部361bには、ピン部材121を取り付け可能である。
ピン部材121は、円柱状に形成され、調整回動軸方向K2に直線状に延びる。ピン部材121は、ベース板110の内部のピン部材配置部112(後述)において、ローラシャフト361の貫通穴361aに貫通して配置された状態で、ベース板110の表面110aの面方向に平行に配置され、調整回動軸方向K2に延びるように配置される。
ピン部材121の両端部は、ピン部材121がローラシャフト361の貫通穴361aに貫通して配置された状態で、ローラシャフト361の回転軸方向K1の一端部361bにおいて、調整回動軸方向K2の両側に突出した状態で配置される。ピン部材121の両端部は、ピン部材配置部112に配置される。
ピン部材配置部112は、図4及び図5に示すように、ベース板110に設けられる。ピン部材配置部112は、ベース板110の裏面110b側からベース板110の内部側に窪んで形成され、調整回動軸方向K2に溝状に延びる。ピン部材配置部112は、挿入穴111に連通した直線状に形成され、挿入穴111に対して調整回動軸方向K2の両側に延びる。ピン部材配置部112には、ローラシャフト361の貫通穴361aにピン部材121が貫通して配置された状態において、貫通穴361aの両側に突出したピン部材121が配置される。
ピン部材配置部112における調整回動軸方向K2の長さは、図4に示すように、ピン部材121の調整回動軸方向K2の長さよりも長く形成される。ピン部材配置部112における調整回動軸方向K2に直交する方向K3の長さは、図5に示すように、ピン部材121の径の大きさよりも僅かに大きく形成されると共に、ローラシャフト361の一端部361bの径の大きさ及びベース板110の挿入穴111の径の大きさよりも小さく形成される。
ピン部材配置部112には、図5に示すように、ピン部材121の延びる方向が、ピン部材配置部112の溝が延びる方向に沿った状態で、ピン部材121が配置される。ピン部材121は、ピン部材配置部112の溝状の部分に配置されるため、ローラシャフト361の回転軸J1を中心に回転しないように規制される。よって、ピン部材配置部112は、ピン部材121がローラシャフト361の回転軸J1を中心に回転することを規制する。
また、ピン部材配置部112は、図4に示すように、ベース板110の表面110aと反対側の裏側の面で構成される回転軸方向規制面122を有する。ローラシャフト361の一端部361bの貫通穴361aに貫通して配置されるピン部材121は、回転軸方向規制面122により、回転軸方向K1に移動することを規制される。よって、ピン部材配置部112の回転軸方向規制面122は、ピン部材121がローラシャフト361の回転軸方向K1に移動することを規制する。
傾き調整機構130は、図6に示すように、インクリボンRを張る方向C1又は緩める方向C2である傾き調整方向Cにおいて、ベース板110の表面110a(基準面)に対するローラシャフト361の傾きを調整可能である。
本実施形態においては、インクリボンRを張る方向C1又は緩める方向C2である傾き調整方向Cは、図6に示すように、ローラシャフト361の回転軸方向K1に視た場合に、ガイドローラ36がインクリボンRに当接する部分を通り且つローラシャフト361の回転軸J1を含む仮想平面H上において調整される調整方向である。
本実施形態においては、図6に示すように、第2調整ガイドローラ36には、インクリボンRが掛けられている。インクリボンRは、第2調整ガイドローラ36において、巻き掛け角度αで巻き掛けられることで、経路の方向が変更されている。巻き掛け角度αは、図6に示すように、第2調整ガイドローラ36を経由して移動されるインクリボンRにおける第2調整ガイドローラ36の上流側のインクリボンR及び下流側のインクリボンRにおいて、上流側のインクリボンRが移動される方向と下流側のインクリボンRが移動される方向とがなす角度である。
例えば、図6に示すように、傾き調整方向Cが調整される仮想平面Hは、第2調整ガイドローラ36におけるインクリボンRの巻き掛け角度がαである場合に、理想的には、インクリボンRの巻き掛け角度αの半分の角度(α/2)となるガイドローラ36の径方向を含む。本実施形態においては、インクリボンRの巻き掛け角度αの半分の角度(α/2)となるガイドローラ36の径方向を含む仮想平面H上において、傾き調整方向Cが調整される。なお、本実施形態においては、傾き調整方向Cが調整される仮想平面Hは、インクリボンRの巻き掛け角度αの半分の角度(α/2)となるガイドローラ36の径方向を含んで構成したが、これに限定されない。
傾き調整方向Cにおいてベース板110の表面110a(基準面)に対するローラシャフト361の傾きを調整するために、傾き調整機構130は、図3に示すように、規制板部材140と、調整ねじ部材132とを備えている。
規制板部材140は、図3に示すように、調整回動軸方向K2に所定の幅を有すると共に、調整回動軸方向K2に直交(交差)する方向K3に延びる板状に形成される。規制板部材140は、ローラシャフト361とは別体で形成される。規制板部材140の略中央には、第2調整ガイドローラ36が貫通する中央貫通孔140aが形成される。
規制板部材140の中央貫通孔140aには、第2調整ガイドローラ36のローラシャフト361の一端部361bが貫通して挿通される。規制板部材140の中央貫通孔140aに第2調整ガイドローラ36のローラシャフト361の一端部361bが貫通して配置された状態において、規制板部材140は、第2調整ガイドローラ36の下端部側において、中央貫通孔140aを挟んで、調整回動軸方向K2に直交(交差)する方向K3の両側に延出する一対の延出部141,141を有する。規制板部材140の一対の延出部141,141は、延出部配置溝部150に配置される。
延出部配置溝部150は、調整回動軸方向K2に所定の幅を有すると共に、調整回動軸方向K2に直交(交差)する方向K3に延びる。延出部配置溝部150は、ベース板110の表面110aから窪むように形成される。
延出部配置溝部150は、調整回動軸方向K2に直交(交差)する方向K3に延びる溝部底面151(ベース部の基準平面、ベース部の表面)と、溝部底面151における調整回動軸方向K2の両端部から立ち上がる一対の溝部側面152と、を有する。溝部底面151は、ベース板110の表面110aよりも下方の位置において、ベース板110の表面110aに平行は平面により形成される。一対の溝部側面152は、溝部底面151から垂直に立ち上がり、上端部がベース板110の表面110aに接続される。
規制板部材140の一対の延出部141,141が延出部配置溝部150に配置されるため、一対の溝部側面152により、一対の延出部141,141は、ローラシャフト361の回転軸J1を中心に回転しないように規制される。よって、延出部配置溝部150は、一対の延出部141,141がローラシャフト361の回転軸J1を中心に回転することを規制する。
規制板部材140の一対の延出部141,141には、それぞれ、一対の貫通ねじ孔141a,141aが形成される。貫通ねじ孔141aは、延出部141を、ローラシャフト361の回転軸方向K1に沿って貫通する。
一対の延出部141,141は、図3に示すように、ローラシャフト361の一端部361bがベース板110の挿入穴111に挿入された状態において、ローラシャフト361の一端部361b側における延出部配置溝部150の溝部底面151から離間した位置において、中央貫通孔140aに貫通して配置される。
規制板部材140の一対の延出部141,141は、中央貫通孔140aにローラシャフト361の一端部361bが貫通して配置された状態において、ローラシャフト361の外面から、調整回動軸方向K2に直交(交差)する方向K3におけるローラシャフト361の両方の外方にそれぞれ延びるように配置される。一対の延出部141,141は、延出部配置溝部150の溝部底面151に対向して配置される。
調整ねじ部材132は、図3に示すように、規制板部材140の一対の延出部141,141それぞれと延出部配置溝部150の溝部底面151との距離を調整することでローラシャフト361の傾きを調整可能である。調整ねじ部材132は、貫通ねじ孔141aに螺合して延出部141に取り付けられる。調整ねじ部材132は、ローラシャフト361の回転軸方向K1に延びる。
調整ねじ部材132は、貫通ねじ孔141aに螺合している状態において、延出部14における延出部配置溝部150の溝部底面151に対向する対向面141bから延出部配置溝部150の溝部底面151側に突出して配置される。調整ねじ部材132の一端部132aは、延出部配置溝部150の溝部底面151に対向して配置される。調整ねじ部材132の他端部132bには、調整ねじ部材132を回転させるために六角レンチなどを装着可能な六角穴などが設けられている。
規制板部材140の一対の延出部141,141の対向面141bから突出する調整ねじ部材132の長さを調整した状態で、調整ねじ部材132の一端部132aを延出部配置溝部150の溝部底面151に当接させることで、調整ねじ部材132は、延出部配置溝部150の溝部底面151に対するローラシャフト361の傾きを調整することができる。
次に、本発明に係るガイドローラ35,36の支持構造100を利用して、第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36をベース板110に取り付ける方法について説明する。
第2調整ガイドローラ36は、インクリボンRの外面側に配置される。第2調整ガイドローラ36は、ベース板110に取り付ける際に、ガイドローラの支持構造100により傾き角度を調整することで、インクリボンRの外面をインクリボンRの内側に傾ける角度を調整することができる。
本実施形態においては、主に、第2調整ガイドローラ36をベース板110に取り付ける方法について説明する。第1調整ガイドローラ35をベース板110に取り付ける方法については、第2調整ガイドローラ36をベース板110に取り付ける方法についての説明を援用できる。
まず、図3及び図4に示すように、第2調整ガイドローラ36のローラシャフト361の一端部361bを、規制板部材140の中央貫通孔140aに貫通させて、規制板部材140を、ローラシャフト361におけるロール部材362の下端部が当接する凸部365の下面に当接させる。
次に、図3及び図4に示すように、規制板部材140を取り付けた第2調整ガイドローラ36を、ベース板110に取り付ける。具体的には、第2調整ガイドローラ36のローラシャフト361の一端部361bを、ベース板110の表面110a側から、ベース板110の挿入穴111に挿入する。同時に、規制板部材140の一対の延出部141,141を延出部配置溝部150に配置する。これにより、ローラシャフト361は、ベース板110の表面110aの面方向への移動が規制された状態で、ベース板110に支持される。また、規制板部材140の一対の延出部141,141が延出部配置溝部150に配置されることで、一対の延出部141,141は、ローラシャフト361の回転軸J1を中心に回転することが規制される。
続けて、図4及び図5に示すように、ピン部材121を、ベース板110の裏面110b側から、ピン部材配置部112におけるローラシャフト361の一端部361bの側方に配置する。そして、ピン部材121を、ローラシャフト361の一端部361bの貫通穴361aに向けてスライド移動させることで、ローラシャフト361の一端部361bの貫通穴361aにピン部材121を貫通させる。これにより、ローラシャフト361の一端部361bには、ピン部材121が取り付けられる。ピン部材配置部112には、ピン部材121の延びる方向が、ピン部材配置部112の溝が延びる方向に沿うようにして、ピン部材121が配置される。この状態においては、ピン部材121の両端部は、ピン部材配置部112に配置される。
これにより、ピン部材配置部112は、ピン部材121がローラシャフト361の回転軸方向K1に移動することを規制すると共に、ピン部材121がローラシャフト361の回転軸J1を中心に回転することを規制する。よって、ローラシャフト361は、ローラシャフト361の一端部361bに取り付けられたピン部材121がピン部材配置部112に配置されることで、回転軸方向K1に移動されることが規制されると共に、回転軸J1を中心に回転することが規制される。
その後、傾き調整機構130により、ベース板110の表面110a(基準面)に対するローラシャフト361の傾きを調整する。図7は、ローラシャフト361の傾きの調整を説明するための模式図であって、図7(a)は、傾き調整機構130によりローラシャフト361の傾きの調整を行わない状態で取り付けた図であり、図7(b)は、傾き調整機構130によりローラシャフト361の傾きの調整を行った状態で取り付けた図である。なお、図7(a)及び図7(b)においては、理解を容易にするために、一部の部材について、適宜誇張して示している。
ベース板110の表面110a(基準平面)に対する第2調整ガイドローラ36のロール部材362の角度を、ベース板110の表面110aの面方向に対して調整することで、複数のガイドローラ32,33,34,35,36,37が設けられる場合に、複数のガイドローラ32,33,34,35,36,37における互いの平行が確保することができる。
例えば、図7(a)に示す第2調整ガイドローラ36について、ローラシャフト361における延出部配置溝部150の溝部底面151(ベース板110の表面110a)に対する傾きを、傾き調整方向Cにおいて、傾き調整機構130により調整することができる。なお、本実施形態では、延出部配置溝部150の溝部底面151は、ベース板110の表面110aと平行である。そのため、延出部配置溝部150の溝部底面151に対するローラシャフト361の傾きは、ベース板110の表面110aに対する傾きである。
具体的には、図7(a)に示すように、規制板部材140の一対の延出部141,141のうちの第2方向D2側の延出部141において、調整ねじ部材132を反時計回転方向に所定回転(例えば、2回転)回転させて緩めた状態で、一対の延出部141,141の第1方向D1側の延出部141において、調整ねじ部材132を時計回転方向に所定回転(例えば、2回転)回転させる。
そして、一対の延出部141,141それぞれの対向面141bから突出する調整ねじ部材132の長さを調整して、一対の延出部141,141のそれぞれにおいてガタツキがないように、調整ねじ部材132の一端部132aを延出部配置溝部150の溝部底面151に当接させて固定する。
このようにして、図7(b)に示すように、傾き調整方向Cにおいて、インクリボンRがスキューしながら搬送(斜め搬送)されないように、第2調整ガイドローラ36の一対の延出部141,141のうちのいずれか一方側に傾けて、延出部配置溝部150の溝部底面151(ベース板110の表面110a)に対するローラシャフト361の傾きを調整できる。
また、第1調整ガイドローラ35についても、第2調整ガイドローラ36と同様に、延出部配置溝部150の溝部底面151(ベース板110の表面110a)に対するローラシャフト(図示せず)の傾きを調整できる。
これにより、インクリボンRがスキューしながら搬送(斜め搬送)されるように複数のガイドローラ33,34,35,36が配置されていても、第1調整ガイドローラ35の傾きや、第2調整ガイドローラ36の傾きを調整することで、インクリボンRがスキューしながら搬送されることを抑制できる。
また、本実施形態においては、第1調整ガイドローラ35と第2調整ガイドローラ36とを並べて配置すると共に、第1調整ガイドローラ35をインクリボンRの内面側に配置することでインクリボンRを外側に傾ける角度を調整可能とし、第2調整ガイドローラ36をインクリボンRの外面側に配置することでインクリボンRを内側に傾ける角度を調整可能とした。これにより、インクリボンRを外側及び内側のいずれにも傾かせることができる。よって、より効果的に、インクリボンRのスキュー調整を行うことができる。
本実施形態の第2調整ガイドローラ36の支持構造100によれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態のガイドローラ36の支持構造100は、インクリボンRをガイドするガイドローラ36と、ローラシャフト361の一端部361bが挿入される挿入穴111を有し、ローラシャフト361の一端部361bが挿入穴111に挿入された状態でローラシャフト361を支持するベース板110と、インクリボンRを張る方向C1又は緩ませる方向C2にローラシャフト361が傾くようにすることで、ベース板110の表面110aに対するローラシャフト361の傾きを調整可能な傾き調整機構130と、を備える。
そのため、傾き調整機構130により、インクリボンRを張る方向C1又は緩ませる方向C2にローラシャフト361が傾くように、ローラシャフト361の傾きを簡単に調整することができる。これにより、インクリボンRが斜め搬送されることを抑制できる。
また、本実施形態においては、傾き調整機構130は、ローラシャフト361の一端部361bがベース板110の挿入穴111に挿入された状態において、ベース板110の表面110aから離間した位置において調整回動軸J2が延びる調整回動軸方向K2に直交する方向K3におけるローラシャフト361の両方の外方にそれぞれ延びると共に延出部配置溝部150の溝部底面151に対向して配置される一対の延出部141,141と、一対の延出部141,141それぞれと延出部配置溝部150の溝部底面151との距離を調整することでローラシャフト361の傾きを調整可能な調整ねじ部材132と、を有する。
そのため、調整ねじ部材132により、一対の延出部141,141それぞれとベース板110との距離を調整することができるため、ローラシャフト361の傾きを簡単に調整することができる。
また、本実施形態においては、一対の延出部141,141は、それぞれ、延出部141を、ローラシャフト361の回転軸方向K1に沿って貫通する貫通ねじ孔141aを有し、貫通ねじ孔141aに螺合して配置されると共に延出部141におけるベース板110の表面110aに対向する対向面141bから延出部配置溝部150の溝部底面151側に突出して配置される調整ねじ部材132を有する。
そのため、調整ねじ部材132が延出部141の対向面141bから突出する長さを調整して、ローラシャフト361の傾きを簡単に調整することができる。
また、本実施形態においては、傾き調整機構130は、調整ねじ部材132が延出部141の対向面141bから突出する長さを調整することで、ベース板110の表面110aに対するローラシャフト361の傾きを調整する。
これにより、調整ねじ部材132が延出部141の対向面141bから突出する長さを調整して、調整ねじ部材132をベース板110に当接させるだけで、ローラシャフト361の傾きを簡単に調整することができる。
また、本実施形態においては、傾き調整機構130は、一対の延出部141,141を収容する延出部配置溝部150であって、一対の延出部1411,141がローラシャフト361の回転軸J1を中心に回転することを規制する延出部配置溝部150を有する。これにより、規制板部材140の一対の延出部141,141が延出部配置溝部150に配置されることで、ローラシャフト361が回転軸J1を中心として回転されることが規制されて、ローラシャフト361を安定して保持できる。
また、本実施形態においては、傾き調整機構130は、調整回動軸J2が延びる調整回動軸方向K2に延びると共にローラシャフト361の一端部361bに取り付け可能なピン部材121と、ベース板110に設けられ、挿入穴111に連通すると共に調整回動軸方向K2に延びる溝状に形成され、ローラシャフト361の一端部361bに取り付けられたピン部材121が配置されるピン部材配置部112であって、ピン部材121がローラシャフト361の回転軸方向K1に移動することを規制すると共に、ピン部材121がローラシャフト361の回転軸J1を中心に回転することを規制するピン部材配置部112と、を有する。
これにより、ピン部材121がローラシャフト361の回転軸方向K1に移動することを規制すると共に、ピン部材121がローラシャフト361の回転軸J1を中心に回転することを規制した状態で、ローラシャフト361の傾きを調整することができる。したがって、ローラシャフト361の傾きを調整する必要が無い方向においてはローラシャフト361の移動が規制された状態で、ローラシャフト361の傾きを調整する必要がある方向のみの調整をするだけでよいため、ローラシャフト361の傾きを簡単に調整できる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る第2調整ガイドローラ36Aの支持構造100Aであって、第1実施形態の図3に対応する断面図である。図9は、本発明の第2実施形態に係る第2調整ガイドローラ36Aの支持構造100Aであって、第1実施形態の図4に対応する断面図である。
第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態の第2調整ガイドローラ36がローラシャフト361と一対の延出部141,141とが別体であるのに対して、第2実施形態の第2調整ガイドローラ36Aがローラシャフト361と一対の延出部131,131とが一体である点において、第2実施形態は、第1実施形態と相違する。また、第1実施形態の第2調整ガイドローラ36の支持構造100が延出部配置溝部150を有するのに対して、第2実施形態の第2調整ガイドローラ36Aの支持構造100Aが延出部配置溝部150を有さない点において、第2実施形態は、第1実施形態と相違する。
第2実施形態の第2調整ガイドローラ36Aの支持構造100Aにおいては、一対の延出部131,131は、ローラシャフト361と一体に構成され、ローラシャフト361の一端部361b側において、径方向に延出する。
一対の延出部131,131は、図8に示すように、ローラシャフト361の一端部361bがベース板110の挿入穴111に挿入された状態において、ローラシャフト361の一端部361b側におけるベース板110の表面110a(基準平面)から離間した位置において、ローラシャフト361の外面から、調整回動軸方向K2に直交(交差)する方向K3におけるローラシャフト361の両方の外方にそれぞれ延びる。一対の延出部131,131は、ベース板110の表面110aに対向して配置される。なお、第2実施形態では、ベース板110は、第1実施形態の延出部配置溝部150を備えていない。
一対の延出部131,131には、それぞれ、貫通ねじ孔141aが形成される。貫通ねじ孔141aは、延出部131を、ローラシャフト361の回転軸方向K1に沿って貫通する。
調整ねじ部材132は、図8に示すように、一対の延出部131,131それぞれとベース板110の表面110aとの距離を調整することでローラシャフト361の傾きを調整可能である。調整ねじ部材132は、貫通ねじ孔141aに螺合して延出部131に取り付けられる。調整ねじ部材132は、ローラシャフト361の回転軸方向K1に延びる。
調整ねじ部材132は、貫通ねじ孔141aに螺合している状態において、延出部131におけるベース板110の表面110aに対向する対向面131bからベース板110の表面110a側に突出して配置される。調整ねじ部材132の一端部132aは、ベース板110の表面110aに対向して配置される。調整ねじ部材132の他端部132bには、調整ねじ部材132を回転させるために六角レンチなどを装着可能な六角穴などが設けられている。
一対の延出部131,131の対向面131bから突出する調整ねじ部材132の長さを調整した状態で、調整ねじ部材132の一端部132aをベース板110の表面110aに当接させることで、調整ねじ部材132は、ベース板110の表面110a(基準平面)に対するローラシャフト361の傾きを調整することができる。
以上のように構成される第2実施形態の支持構造100Aにおいても、第1実施形態の支持構造100と同様に、傾き調整方向Cにおいて、一対の延出部131,131のうちのいずれか一方側に傾けて、ベース板110の表面110aに対するローラシャフト361の傾きを調整できる。よって、第2実施形態の支持構造100Aにおいては、第1実施形態の支持構造100と同様の効果を奏することができる。具体的には、第2実施形態においては、傾き調整機構130Aにより、インクリボンRを張る方向C1又は緩ませる方向C2にローラシャフト361が傾くように、ローラシャフト361の傾きを簡単に調整することができる。これにより、インクリボンRが斜め搬送されることを抑制できる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態において、本発明に係るガイド軸部材の支持構造を、回転するロール部材362を有する第2調整ガイドローラ36に適用したが、これに限定されない。本発明に係るガイド軸部材の支持構造を、回転するロール部材を有さないガイド軸部材に適用してもよい。
前記実施形態においては、インクリボンRの経路の方向を変更するようにガイドするガイドローラ36について、傾き調整方向Cにおいて、ローラシャフトの傾きを調整するように構成したが、これに限定されない。例えば、直線的に移動されるインクリボンRを経路の方向を変更せずにガイドするガイドローラについて、傾き調整方向Cにおいて、ローラシャフトの傾きを調整するように構成してもよい。
また、前記第1実施形態においては、ベース部の基準平面を、延出部配置溝部(溝状規制部)150の溝部底面151で構成した。また、前記第2実施形態においては、ベース部の基準平面を、ベース板110の表面110aで構成した。しかし、これに限定されない。ベース板の表面に凹凸がある場合には、ベース板の凹凸の一部を含む面を、ベース部の基準平面としてもよい。ベース部の基準平面は、適宜に設定することが可能である。
また、前記実施形態において、ローラシャフト361の一端部361bにピン部材121を取り付ける構造として、ローラシャフト361の一端部361bの貫通穴361aにピン部材121を貫通して配置する構造としたが、これに限定されない。例えば、ローラシャフト361の一端部361bの周面に一対の凹部又は一対の凸部を設けて、一対の凹部又は一対の凸部それぞれに、ピン部材121を取り付けることで、ローラシャフト361の一端部361bにピン部材121を取り付けてもよい。
また、前記実施形態においては、支持構造100を備えるガイドローラを第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36の2つとしたが、これに限定されない。複数のガイドローラ32,33,34,35,36,37の全てが本実施形態の支持構造100を備えていてもよいし、複数のガイドローラ32,33,34,35,36,37のうちの一つが本実施形態の支持構造100を備えていてもよいし、三つ以上のガイドローラが支持構造100を備えていてもよい。
また、ガイドローラの支持構造100を有する第1調整ガイドローラ35及び第2調整ガイドローラ36を、ベース板110の副走査方向Yにおける一方側の端部側において、上下方向Zに並んで配置したが、これに限定されない。2つの調整ガイドローラを、サーマルヘッド21を挟んで、サーマルヘッド21の上流側及び下流側に配置してもよい。