JP2001088254A - ポリプロピレン系樹脂多層フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂多層フィルム

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JP2001088254A JP27039199A JP27039199A JP2001088254A JP 2001088254 A JP2001088254 A JP 2001088254A JP 27039199 A JP27039199 A JP 27039199A JP 27039199 A JP27039199 A JP 27039199A JP 2001088254 A JP2001088254 A JP 2001088254A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、剛性が任意に制御できるとともに、す
ぐれたヒートシール特性を有するフィルムであって、衝
撃強度、特に高速成形した場合にも、高い衝撃強度を保
持するポリプロピレン系樹脂多層フィルムの提供。 【解決手段】 中間層(B)がポリプロピレン系樹脂、
内層(A)がランダムポリプロピレン樹脂および外層
(C)がα−オレフィン含有量が1重量%以下のポリプ
ロピレン系樹脂および水添ビニル芳香族ジエン系共重合
体からなるポリプロピレン系樹脂多層フィルム。外層
(C)に水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体な
どを0.5〜20重量%含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パン、麺、繊維製
品など各種包装に適したフィルム、特に、高速成形にお
いても高い衝撃強度を保持するとともに、ヒートシール
特性にすぐれたポリプロピレン系樹脂多層フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン系樹脂フィルム
は、耐熱性、耐薬品性、光学的性質、機械的強度、ヒー
トシール性、包装適性などにすぐれていることから、各
種食品、繊維、衣料、雑貨などの包装に幅広く利用され
ている。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂フィルム
は、単層フィルムとして、これらの特性を満足すること
は困難である。このため、多層構造にすることにより、
それぞれの目的に適したフィルム特性を得ることが数多
く提案されている。
【0003】すなわち、フィルムの耐熱性を維持して、
ヒートシール性を確保するためには、ヒートシール層と
してランダムポリプロピレン樹脂層が設けられている。
また、ポリプロピレン系樹脂を中間層とし、他のポリプ
ロピレン系樹脂を外層としてフィルム特性を改良するこ
とも一般に行われている。これらの多層フィルムは、各
層のポリプロピレン系樹脂の種類や配合組成、添加剤組
成を任意に制御することにより、各種特性のフィルムを
得ることができる。特に、ジエン系共重合体を添加する
ことにより、フィルムの衝撃強度、柔軟性、風合いを改
善することが提案されている。
【0004】たとえば、特開平7−290649号公
報には、ランダムポリプロピレンより形成された外層、
全体の50〜90%の厚さを占める水添ジエン系共重合
体を10〜50%とランダムポリプロピレンよりなる中
間層、及びランダムポリプロピレンからなる内層からな
る積層フィルムが提案されている。特開平10−30
9788号公報、特開平10−323947号公報、特
開平11−58636号公報には、外層にランダムポリ
プロピレンを用いた三層フィルムにおいて、中間層また
は外層にビニル芳香族系エラストマーを添加することが
提案されている。
【0005】また、特開平10−315407号公報
には、ポリプロピレン系樹脂97.5〜90重量%とビ
ニル芳香族系エラストマー2.5〜10重量%よりなる
中間層の両面にポリプロピレン系樹脂単独またはこれと
ビニル芳香族系エラストマーとの混合物からなる表面層
が積層されてなるプロピレン系樹脂フィルムであって、
ポリプロピレン系樹脂のクロス分別法による90℃以下
での溶出量が、該樹脂の全重量に対して40〜70重量
%であるプロピレン系樹脂フィルムが提案されている。
【0006】これら提案の多層フィルムは、いずれにし
ても、ビニル芳香族系エラストマーの配合によって、フ
ィルムの柔軟性を目的としたものである。したがってヒ
ートシール性をも加味して、両外層に用いられるポリプ
ロピレン系樹脂は、ランダムポリプロピレンが用いられ
ている。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂フィルム
は、ヒートシール性の点から、ヒートシール層樹脂は低
温シール性、シール強度の点からランダムポリプロピレ
ンの使用が必要である。
【0007】しかし、前記提案のように、反ヒートシー
ル層もランダムポリプロピレン系樹脂であると、ヒート
シール時にシールバーなどに、フィルムが付着し易くな
り、ヒートシール工程、あるいは包装工程でのトラブル
発生の原因となる。特に、高速シールを行う場合には、
シール温度を比較的高くするため、トラブル発生はより
顕著となり、生産性を上げることが困難である問題があ
る。なお、この場合、反ヒートシール層樹脂にエラスト
マーを添加すると、ヒートシール適性はより悪化するこ
とになる。
【0008】このため、一般的には、ポリプロピレン系
樹脂多層フィルムは、ポリプロピレン系樹脂からなる中
間層、ランダムポリプロピレン樹脂からなるヒートシー
ル層としての内層、高融点であるホモポリプロピレン樹
脂からなる耐熱層としての外層からなる多層フィルムと
される。そして、中間層のポリプロピレン系樹脂の選
択、エラストマーの添加などにより、目的とする用途に
適合する、強度、弾性率を任意に制御することが行われ
ている。
【0009】しかしながら、外層としてホモポリプロピ
レン樹脂を用いると、耐熱性が向上するのは当然である
が、衝撃強度が低下する問題がある。特に、フィルム成
形の生産性を高めるために、高速成形した場合に、衝撃
強度が著しく低下する問題点があり衝撃強度と生産性を
両立できない問題点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ポリプロピレン系樹脂
を用いたフィルムにおいて、強度、剛性が任意に制御で
きるとともに、すぐれたヒートシール強度、ヒートシー
ル性が向上し、比較的高温での高速ヒートシールが可能
な耐熱性を有するフィルムであって、衝撃強度、特に高
速成形した場合にも、高い衝撃強度を保持することがで
きるポリプロピレン系樹脂多層フィルムの提供を目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、ポリプロピレン系樹脂フィルムの耐
熱性と衝撃強度との関係について、成形速度の影響を含
めて鋭意研究を重ねた。その結果、フィルムを三層化す
るとともに、外層に特定の共重合体を選択配合すること
により、衝撃強度のみでなく高速成形性も合わせ改善で
きることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて
完成したものである。
【0012】すなわち、本発明は、 (1) 中間層(B)がポリプロピレン系樹脂、内層
(A)がランダムポリプロピレン樹脂および外層(C)
がα−オレフィン含有量が1重量%以下のポリプロピレ
ン系樹脂および水添ビニル芳香族ジエン系共重合体から
なるポリプロピレン系樹脂多層フィルム。 (2) 内層(A):中間層(B):外層(C)の厚み
比が、5〜20:60〜90:5〜20である請求項1
記載のポリプロピレン系樹脂多層フィルム。 (3) 外層(C)がホモポリプロピレン樹脂80〜9
9.5重量%と水添ビニル芳香族ジエン系共重合体20
〜0.5重量%からなる請求項1または2記載のポリプ
ロピレン系樹脂多層フィルム。 (4) 水添ビニル芳香族ジエン系共重合体が水添スチ
レン−ブタジエンランダム共重合体である請求項1〜3
のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂多層フィルム
を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明のポリプロピレン系樹脂多層フィルムは、基
材層としての、中間層(B)がポリプロピレン系樹脂、
シール層としての、内層(A)がランダムポリプロピレ
ン樹脂、耐熱層としての、外層(C)がα−オレフィン
の含有量が1重量%以下のポリプロピレン系樹脂からな
る多層フィルムである。なお、本明細書における、内
層、外層なる表現は、発明の説明上多層フィルムが袋状
となった場合を想定して用いることにする。以下、各層
に用いられるポリプロピレン系樹脂について述べる。
【0014】中間層(B)のポリプロピレン系樹脂 ポリプロピレン系樹脂としては、特に制限はなく、ホモ
ポリプロピレン樹脂、あるいは、α−オレフィンの含有
量が20重量%以下であるプロピレンとα−オレフィン
とのランダム共重合体あるいはプロピレンブロック共重
合体を例示することができる。なかでも透明性の観点か
らは、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレ
ン系樹脂が好ましい。
【0015】ここにおいて、α−オレフィンとしては、
エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペ
ンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などを例示で
き、これらのα−オレフィンは1種または2種以上用い
られる。中でも、ホモポリプロピレン、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテ
ン−1ランダム共重合体が好ましく用いられる。なお、
ポリプロピレン系樹脂には、ポリプロピレン系樹脂多層
フィルムの用途に応じて、ポリエチレン、密度が0.8
5〜0.94g/cm3 のエチレン−α−オレフィン共
重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマ
ー、ビニル芳香族ジエン系エラストマー、水添ジエン系
共重合体などのエラストマーなどを必要により含有する
こともできる。
【0016】本発明のポリプロピレン系樹脂多層フィル
ムの、中間層(B)は、前記したように、多層フィルム
の主要部を占める基材であり、多層フィルムが耐熱性、
剛性を必要とする用途の場合には、通常ホモポリプロピ
レン樹脂または、α−オレフィンの含有量が1重量%以
下のランダムポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂が
用いられる。また、繊維製品包装などに用いられるピニ
ロンフィルム、軟質塩化ビニル樹脂フィルム代替の場合
などには、α−オレフィン含有量が2〜20重量%のラ
ンダムポリプロピレン樹脂、またはこれらのポリプロピ
レン系樹脂に各種エラストマーを配合した樹脂を用いる
ことができる。
【0017】また、近時注目されている低結晶性の軟質
ポリプロピレン樹脂も好ましく用いられる。本発明で
は、この低結晶性樹脂などの場合にあって、粘着性があ
っても、この中間層樹脂は、内外層樹脂で覆われるため
に、フィルムとしての表面特性に何ら影響を与えない。
したがって、樹脂の選定、樹脂の配合の自由度が高くな
る。
【0018】内層(A)のランダムポリプロピレン樹脂 内層(A)は、多層フィルムのヒートシール性を向上す
る樹脂であり、ランダムポリプロピレン樹脂としては、
プロピレンと、α−オレフィンとの共重合体が用いられ
る。α−オレフィンの含有量は、通常20重量%以下、
好ましくは2〜15重量%であり、融点が100〜15
0℃、好ましくは120〜145℃である。したがっ
て、このα−オレフィンの含有量は、ヒートシール条
件、フィルム厚みなどを考慮して、適宜決定できる。α
−オレフィンとしては、炭素数が2または4〜12の直
鎖状あるいは分岐状のα−オレフィンである。
【0019】具体的には、エチレン、1−ブテン、イソ
ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセンなどを例示できる。ランダム
ポリプロピレン樹脂は、これらのα−オレフィンの1
種、または2種以上のα−オレフィンとプロピレンとの
ランダムポリプロピレン共重合体である。これらのラン
ダムポリプロピレン共重合体は、単独でまたは複数の混
合物として用いられる。中でも、プロピレン−エチレン
ランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共
重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共
重合体が好ましく用いられる。
【0020】外層(C)のα−オレフィンの含有量が1
重量%以下のポリプロピレン系樹脂外層(C)は、多層
フィルムの耐熱層として、特に、ヒートシール時の耐熱
性、すなわち、内層(A)のヒートシール層での適度な
ヒートシール強度、高速ヒートシールを可能にするた
め、比較的高いヒートシール温度での、ヒートシールを
シールバーへの付着などの問題点をなくするために、高
融点のポリプロピレン系樹脂である。したがって、ホモ
ポリプロピレン樹脂、あるいはエチレン、ブテン−1な
どの他のα−オレフィンの含有量が1重量%以下、すな
わち、α−オレフィンの含有量が0〜1重量%のポリプ
ロピレン系樹脂が用いられる。したがって、本発明の
(C)層樹脂としては、これら単独、あるいは混合物と
して用いられるが、好ましくはホモポリプロピレン樹脂
である。これらの樹脂の融点は150〜170℃の範囲
のものから選ばれる。
【0021】また、外層(C)は耐熱層としての機能を
有するものであり、ホモポリプロピレン樹脂としては、
低分子量成分の含有率の少ないポリプロピレン系樹脂の
使用が好ましい。これらのポリプロピレン樹脂として
は、気相重合法で製造されたものよりも、スラリー重合
法、溶液重合法などで製造されたものの方が好ましく用
いられる。また、この外層(C)は、実質的にホモポリ
プロピレン樹脂であるので、多層フィルム同士のブロッ
キングの抑制の点からも、内層、外層が共に、ランダム
ポリプロピレン樹脂である多層フィルムに比較して、高
速シール性が著しく良好となる。
【0022】本発明の多層フィルムでは、この外層であ
る、ホモポリプロピレン樹脂に水添ビニル芳香族ジエン
系共重合体を配合するところに特徴を有するものであ
る。ここで、水添ビニル芳香族ジエン系共重合体は、ビ
ニル芳香族化合物と共役ジエン化合物からなるランダム
共重合体またはブロック共重合体に、水素添加して、共
役ジエンの二重結合の通常80%以上、好ましくは90
%以上を飽和した水添ビニル芳香族ジエン系共重合体で
ある。
【0023】ここで、ビニル芳香族化合物としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t
−ブチルスチレンなどを例示でき、また、共役ジエン化
合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,
3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなとが例示で
きる。中でも、スチレンと1,3−ブタジエンまたはイ
ソプレンからなる共重合体の水添共重合体が好ましい。
これらの水添芳香族ジエン系共重合体中のビニル芳香族
化合物の含有量は、特に制限はないが、通常、3〜40
重量%、好ましくは5〜30重量%である。
【0024】本発明で、外層(C)に用いる、水添ビニ
ル芳香族ジエン系共重合体は、ホモポリプロピレン樹脂
中に超微粒子分散するため、他のエラストマーに比較し
て、透明性、ホモポリプロピレン樹脂の耐熱性への影響
が少ない。具体的には、水添スチレン−ブタジエンラン
ダム共重合体、水添スチレン−エチレン−プロピレン−
スチレンブロック共重合体、水添スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体などを例示でき、中でも水
添スチレン−ブタジエンランダム共重合体が好ましく用
いられる。なお、ここで、エチレン−プロピレン共重合
体エラストマーなどのオレフィン系エラストマーを用い
たのでは本発明の効果である高い衝撃強度を得ることは
できない。
【0025】この、外層(C)における、水添ビニル芳
香族ジェン系共重合体の含有量は、通常、0.5〜20
重量%、好ましくは1〜10重量%である。ここで0.
5重量%未満であると、衝撃強度、高速成形性改良効果
が少なく、20重量%を超えて用いることもできるが、
本発明の効果を得るためには、20重量%以下で十分で
ある。
【0026】本発明の多層フィルムの各層で用いられる
ポリプロピレン系樹脂は、通常、メルトインデックス
(MI)〔JIS K7210に準拠、230℃、2.
16kg荷重〕が、0.5〜50g/10分、好ましく
は1〜20g/10分である。ここで、MIが0.5g
/10分未満であると、特に外層樹脂の場合、製膜時の
表面状態が悪くなりやすく、透明性、外観が悪くなる。
また、50g/10分を超えるとフィルムの強度、製膜
性、特に、高速成形性が低下する場合がある。
【0027】本発明のポリプロピレン系多層フィルム
は、上記3層構造を基本とするが、中間層に用いるポリ
プロピレン系樹脂は、前記のように、樹脂の種類、添加
樹脂、添加エラストマー、添加剤など多層フィルムの物
性によって任意に選定できるものである。したがって、
必要により他の層を追加して含む場合を包含するもので
ある。
【0028】本発明のポリプロピレン系樹脂多層フィル
ムの厚みは、通常10〜100μmであり、(A):
(B):(C)の厚み比は、特に制限はないが、全体の
厚みを100とした場合に、5〜20:90〜60:5
〜20の範囲で選択することができる。この層比は、各
層に用いるポリプロピレン系樹脂の種類、ポリプロピレ
ン系樹脂多層フィルムの用途、要求性状などを考慮して
決定することができる。
【0029】なお、本発明では、フィルム成形で用いら
れる衝撃改良剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止
剤、防曇剤、酸化防止剤、着色剤、造核剤などを必要に
より添加することができる。例えば、滑剤としては、オ
レイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、ス
テアリン酸アミドなど飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸
アミド類などを、0.01〜0.5重量%添加できる。
また、抗ブロッキング剤としては、シリカ、表面処理シ
リカ、ゼオライト、珪藻土などを、0.1〜0.5重量
%添加できる。
【0030】本発明のポリプロピレン系樹脂多層フィル
ムは、各層のポリプロピレン系樹脂、あるいは添加成
分、さらには必要な添加剤を添加して、少なくとも3台
の押出機に供給して、T−ダイ成形法またはインフレー
ションフィルム成形法など公知の成形法を用いて製膜
し、ポリプロピレン系樹脂多層フィルムを得る。本発明
では、単層フィルムと異なり、外層(C)層のみに、水
添ビニル芳香族ジエン系共重合体を添加するものであ
る。したがって、全体に対する(C)層の厚みが、5〜
20%であり、少量の水添芳香族ジエン系共重合体を使
用するものであり、他の物性への影響が比較的少なく、
経済性にもすぐれたものである。
【0031】本発明のポリプロピレン系樹脂多層フィル
ムは、中間層樹脂の選定により、高剛性、高耐熱性フィ
ルムから低弾性率の軟質系フィルムまで任意の特性を有
するものとなる。したがって、衝撃強度、高速生産性と
相まって、パン、麺、もやしなどの食品、衣料、雑貨な
どの包装に用いられる。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 下記に示す原料樹脂を用い、三層共押出多層キャスト成
形機(50mmφ、65mmφ、40mmφの各押出
機、マルチマニホールド型多層ダイス)に供給、溶融、
混練し、吐出量=900kg/hrでT−ダイ(巾:4
00cm)より押出し、厚み30μmの、第1図に示す
ポリプロピレン系樹脂多層フィルムを成形した。なお、
多層フィルムの層厚み比は、(A):(B):(C)=
1:5:1とした。多層フィルムの評価結果を、第1表
に示す。 (A):内層(シール層)・・・ランダムポリプロピレ
ン樹脂;出光石油化学株式会社 IDEMITSU P
P F−744N2〔MI=7.0g/10分、密度=
0.90g/cm3 、エチレン含有量=4重量%〕 (B):中間層(基材層)・・・ホモポリプロピレン樹
脂;出光石油化学株式会社 IDEMITSU PP
F−704NP〔MI=7g/10分、密度=0.90
g/cm3 〕 (C):外層(耐熱層)・・・ホモポリプロピレン樹
脂;出光石油化学株式会社IDEMITSU PP F
−704NT〔MI=7g/10分、密度=0.90g
/cm3 〕97重量%と水添スチレン−ブタジエンラン
ダム共重合体〔JSR株式会社 DYNARON HS
BR DR1320P:スチレン含有量=10重量%、
水添率=98%以上〕3重量%からなる混合原料 なお、フィルムの評価方法は、下記に基づいて行った。 ヘイズ;JIS K7105に準じて測定 衝撃強度;フィルムインパクト法〔撃芯=15k
g、1インチR〕 引張弾性率;JIS K7113に準じて測定 実施例2、3 実施例1において、外層樹脂原料および吐出量を、第1
表に示すように変更した以外は、実施例1に準じて、ポ
リプロピレン系樹脂多層フィルムを得た。得られたフィ
ルムの評価結果を第1表に示す。
【0033】比較例1〜5 実施例1において、外層樹脂および吐出量を第1表に示
すように変更した以外は、実施例1に準じてポリプロピ
レン系樹脂多層フィルムを得た。なお、EPR(エチレ
ン−プロピレン共重合体エラストマー)は、JSR株式
会社 EP−913Y〔エチレン含有量=74重量%、
ムーニー粘度ML1+4 (100℃)=20〕を用いた。
得られたフィルムの評価結果を第1表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上の結果より、本発明のポリプロピレ
ン系多層フィルムは、外層樹脂として実質的にホモポリ
プロピレン樹脂を用いているので、高速シールが可能で
ある。また、水添樹脂の選択添加により、極めて高い衝
撃強度を有する。しかも、生産速度(吐出量)を高めて
も、衝撃強度を高いレベルで維持でき、フィルム物性と
生産性を両立できる。また、中間層樹脂の選択により、
多層フィルムとしての特性を軟質フィルムから剛性フィ
ルムまで幅広く変更可能であり、任意の用途への展開が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリプロピレン系樹脂多層フィルム
の一実施態様を概念的に示す、断面図である。
【符号の説明】
1:ポリプロピレン系樹脂多層フィルム 2:中間層 3:外層 4:内層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間層(B)がポリプロピレン系樹脂、
    内層(A)がランダムポリプロピレン樹脂および外層
    (C)がα−オレフィン含有量が1重量%以下のポリプ
    ロピレン系樹脂および水添ビニル芳香族ジエン系共重合
    体からなるポリプロピレン系樹脂多層フィルム。
  2. 【請求項2】 内層(A):中間層(B):外層(C)
    の厚み比が、5〜20:60〜90:5〜20である請
    求項1記載のポリプロピレン系樹脂多層フィルム。
  3. 【請求項3】 外層(C)がホモポリプロピレン樹脂8
    0〜99.5重量%と水添ビニル芳香族ジエン系共重合
    体20〜0.5重量%からなる請求項1または2記載の
    ポリプロピレン系樹脂多層フィルム。
  4. 【請求項4】 水添ビニル芳香族ジエン系共重合体が水
    添スチレン−ブタジエンランダム共重合体である請求項
    1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂多層フ
    ィルム。
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