JP5711998B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

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本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関し、特に、ガスバリア性、耐ブリード性、耐薬品性、耐熱性(高温での耐圧縮永久歪み性)、耐インク性、柔軟性、成形加工性、流動性、ゴム弾性、伸び、機械物性に優れる熱可塑性エラストマー組成物に関する。
近年、ゴム弾性を有する軟質材料であって、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性及びリサイクルが可能な熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)やポリスチレン系熱可塑性エラストマーの熱可塑性エラストマーが、自動車部品、家電部品、医療用部品、電線被覆、履物、雑貨等の分野で多用されている。
熱可塑性エラストマーの中でもガスバリア性、耐熱性、柔軟性、流動性や成形加工性を要求される材料には、スチレンと共役ジエン化合物からなるブロック共重合体を使用したスチレン系エラストマーが多用されているが、当該エラストマーは柔軟性に優れるが、ガスバリア性が劣るという問題があった(特許文献1)。
また、イソブチレン系ブロック共重合体を素材とし、その表面に樹脂ラテックスを用いて形成されたガスバリア性樹脂コーティング層を有し、空気や水蒸気などに対するバリア性に優れ、液体用途に好適なチューブに関する発明が開示されているが、この発明におけるイソブチレン系ブロック共重合体も柔軟性、ガスバリア性、耐熱性、ゴム弾性、伸び性、機械物性が充分なものではなかった。そのため、チューブとしても充分な性能を示すことはできなかった(特許文献2)。
特開2007−118616号 特開2006−205406号
本発明は、上記問題点に鑑み、ガスバリア性のみならず、柔軟性、耐熱性、ゴム弾性、伸び性、機械物性にも優れる熱可塑性エラストマー組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、イソブチレン系ブロック共重合体に特定のオレフィンブロック共重合体を特定量配合した組成物、あるいはこの組成物にポリプロピレン系樹脂を配合した組成物を溶融混練することにより、成形体のガスバリア性のみならず、柔軟性、耐熱性、ゴム弾性、伸び性、機械物性、成形性にも優れる熱可塑性エラストマーが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)(a)イソブチレン系化合物ブロック及び芳香族ビニル系化合物ブロックから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体 100質量部に対し、(b)ハードセグメントがエチレン1−オクテンを含む結晶性ブロックであり、ソフトセグメントがエチレンと1−オクテンを含む非晶性ブロックであって、ソフトセグメントの1−オクテン含有比率がハードセグメントの1−オクテン含有比率より高い、各ブロックが交互に2以上繋がったマルチブロック構造であるオレフィンブロック共重合体10〜100質量部を含有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
上記熱可塑性エラストマー組成物は特にチューブ用途に適する。
好ましい実施態様として、以下の(2)ないし()の熱可塑性エラストマー組成物を挙げることができる。
(2)前記(a)ブロック共重合体100質量部に対し、さらに(c)ポリプロピレン系樹脂を5〜50質量部配合してなることを特徴とする上記(1)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(3)前記(c)ポリプロピレン系樹脂が結晶性プロピレンブロック共重合体であることを特徴とする上記(2)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(4)チューブ用であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(5)チューブ用が、プリンター部材用であることを特徴とする上記(4)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
本発明は、ガスバリア性のみならず、柔軟性、耐熱性、ゴム弾性、伸び性、機械物性にも優れる熱可塑性エラストマー組成物を提供することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ガスバリア性のみならず、柔軟性、耐熱性、ゴム弾性、伸び性、機械物性にも優れ、しかも押出成形性、射出成形性に優れるため、自動車の内外装部材、建築用部材、家電用部材に使用できる。特にガスバリア性が必要なチューブ成形体、プリンタ部材として有用である。
成分(a):イソブチレン系化合物ブロック及び芳香族ビニル系化合物ブロックから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体;
本発明で使用される(a)イソブチレン系ブロック共重合体は、イソブチレンを主体とするユニットと芳香族ビニル化合物を主体とするユニットを有しているものであれば、いずれの構造を有するものも使用可能であるが、物性のバランスと合成の簡便さから、(芳香族ビニル化合物を主体とするユニット)−(イソブチレンを主体とするユニット)−(芳香族ビニル化合物を主体とするユニット)の構造を有するトリブロック体、(イソブチレンを主体とするユニット)−(芳香族ビニル化合物を主体とするユニット)の構造を有するジブロック体、またはこれらの混合物を用いることができる。ブロック共重合体のイソブチレンを主体とするユニットと芳香族ビニル化合物を主体とするユニットの割合に特に制限はないが、物性のバランスから、イソブチレンを主体とする単量体95〜20重量%と芳香族ビニル化合物を主体とする単量体5〜80重量%が好ましく、さらにイソブチレンを主体とする単量体90〜60重量%と芳香族ビニル化合物を主体とする単量体10〜40重量%が好ましい。
イソブチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量は、特に制限はないが、40,000〜500,000が好ましく、60,000〜400,000が特に好ましい。重量平均分子量が40,000未満の場合、機械特性が低下、また、500,000を超える場合、成形性が悪化する。
上記芳香族ビニル系重合体ブロックで用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン等が挙げられる。上記化合物の中でもコストと物性及び生産性のバランスからスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンが好ましく、その中から2種以上選んでもよい。
イソブチレン系ブロック共重合体の具体例としては、鐘淵化学(株)製のSIBSTAR 103T(数平均分子量=92,000、重量平均分子量=100,000)又はSIBSTAR 073T(数平均分子量=60,000、重量平均分子量=65,000)等を挙げることができる。
成分(b):エチレンを主体とする結晶性の重合体ブロック(ハードセグメント)と、炭素数3〜30のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィン及びエチレンを主体とする非晶性の重合体ブロック(ソフトセグメント)とを含むオレフィンブロック共重合体;
本発明で使用される(b)オレフィンブロック共重合体は、特表2007−529617号公報に開示された方法により製造される、エチレンを主体とする結晶性の重合体ブロック(ハードセグメント)と、炭素数3〜30のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィン及びエチレンを含み、かつ好ましくは後者のエチレンの割合がハードセグメントより少ない非晶性の重合体ブロック(ソフトセグメント)とを含むオレフィンブロック共重合体であり、各ブロックが交互に2以上、好ましくは3以上繋がったマルチブロックコポリマーである。
上記(b)オレフィンブロック共重合体は、従来エチレンとα−オレフィン共重合体として一般的な、メタロセン系触媒等を用いて合成されたエチレン・α−オレフィンランダム共重合体と異なるブロック共重合体である。また、ブタジエンから成るブロック共重合体を水素添加する方法により得られるブロック共重合体(例えばJSR社製ダイナロンCEBC)は1,4−ポリブタジエンブロックの水素添加物であるポリエチレンブロック(ハードセグメント)とエチレンとブチレンのランダム構造のブロック(ソフトセグメント)を有するが、上記(b)オレフィンブロック共重合体はこれとも本質的に異なる。上記(b)オレフィンブロック共重合体は結晶性ハードセグメントと非結晶性ソフトセグメントとが精密に制御されたマルチブロックコポリマーであり、上記水素添加で得られるブロック共重合体を使用した場合に比べ耐熱性などの諸性質において優れる。
(b)成分は例えばダウ・ケミカル社から商品名INFUSE D9000、D9007、D9100、D9107、D9500、D9507、D9530、D9817、D9807等として市販されている。
(b)成分は、典型的には、特表2007−529617号公報に開示された触媒組成物を用いて合成することができる。例えば、(A)第1のオレフィン重合触媒と、(B)同等の重合条件下で触媒(A)によって調製されるポリマーとは化学的性質又は物理的性質が異なるポリマーを調製可能な第2のオレフィン重合触媒と、(C)鎖シャトリング剤と、を組み合わせて得られる混合物又は反応生成物を含む組成物を準備し、上記エチレンとα−オレフィンとを、付加重合条件下で、該組成物と接触させる工程を経て製造することができる。
重合は、好ましくは連続溶液重合法が適用される。連続溶液重合法は、触媒成分、鎖シャトリング剤、モノマー類、ならびに場合により溶媒、補助剤、捕捉剤および重合助剤が反応ゾーンに連続的に供給され、ポリマー生成物はそこから連続的に取り出される。
また、ブロックの長さは、前記触媒の比率および種類、鎖シャトリング剤の比率および種類、重合温度等を制御することによって変化させることができる。
(b)成分の製造における詳細な条件は、典型的には、特表2007−529617号公報に開示された諸条件に従って設定することができる。
本発明における(b)成分のソフトセグメントを構成するα−オレフィンとしては、炭素数3〜30、好ましくは炭素数4〜20、さらに好ましくは炭素数4〜8の直鎖または又は分岐のα−オレフィンであり、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。中でも1−オクテンを主体とする場合が相容性の点で最も好ましい。
本発明における(b)成分の最適な構造としてはハードセグメントがエチレンを主体とし1−オクテンを含む結晶性ブロックであり、ソフトセグメントがハードセグメントより1−オクテン含有比率が高い、1−オクテンとエチレンを主体とした非晶性ブロックであって、各ブロックが交互に2以上、好ましくは3以上繋がったマルチブロック構造である。
本発明における(b)成分において、エチレン含有量は、好ましくは25〜97%、より好ましくは40〜96%、さらにより好ましくは55〜95%である。
本発明における(b)成分において、メルトインデックス(ASTM D1238、測定温度:190℃、荷重:2.16kg)は、好ましくは0.1〜100g/10分であり、より好ましくは0.3〜30g/10分である。
また、本発明における(b)成分において、密度(JIS K 6760)は、好ましくは0.860〜0.930g/cm3であり、より好ましくは0.865〜0.890g/cm3である。
また、本発明における(b)成分において、硬度(JIS K 6253 ショアA硬度 15秒値)は、好ましくは50〜98であり、より好ましくは60〜90である。
また、本発明における(b)成分において、DSCによる融点は110〜125℃、より好ましくは115〜123℃であることが耐圧縮永久歪の点で好ましい。
ここで、DSCによる融点は、示差走査熱量計(DSC)によって得られるピークトップ融点であり、具体的には、DSCを用い、サンプル量10mgを採り、190℃で5分間保持した後、−10℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、−10℃で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で200℃まで測定して求める値である。
成分(c):ポリプロピレン系樹脂;
本発明で必要に応じて使用される(c)ポリプロピレン系樹脂は、具体的には結晶性ポリプロピレンであり、その添加によって熱可塑性エラストマー組成物の成形性、流動性、ガスバリア性をさらに向上することができる。本発明における(c)成分は例えば、結晶性プロピレンの単独重合体または、プロピレンを主体とする結晶性のプロピレン共重合体が挙げられる。結晶性プロピレン共重合体としてはブロック共重合体、ランダム共重合体およびブロック・ランダム共重合体が例示される。すなわち(c)成分としては、例えば、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体等の結晶性プロピレン系重合体が使用できる。重合触媒は公知のチーグラー・ナッタ系又はメタロセン系のいずれでも良い。
本発明における(c)成分において、DSCによる融点は、135℃〜165℃が好ましく、より好ましくは155℃〜165℃であり、さらに好ましくは160℃〜165℃である。この範囲であることにより耐油性が良好となる。
また、本発明における(c)成分において、メルトインデックス(ASTM D1238、230℃、2.16kg)は0.1〜1000g/10分が好ましく、物性と成形性のバランスの点より0.3〜100g/10分がより好ましい。
また、(c)成分は市販されているものも利用することができ、例えばサンアロマー社製、商品名PB270A、日本ポリプロ社製商品名EC9、プライムポリマー社製商品名E−150GK、日本ポリケム社製商品名BC08AHA等が挙げられる。
(a)成分と(b)成分、あるいは(a)、(b)、(c)成分の配合割合:
本発明のパッキン材用熱可塑性エラストマー組成物は、(a)成分100質量部に対し、(b)成分を10〜100質量部配合してなることを特徴とする。好ましくは(a)成分100質量部に対し(b)成分が10〜60質量部である。10質量部未満では成形性が不十分であり逆に100質量部を超えるとガスバリア性の改善効果が小さくなり好ましくない。また本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、(c)成分を配合する場合には、(a)成分100質量部に対し、(c)成分は5〜50質量部であり、5〜30質量部がさらに好ましい。(c)成分を特定量配合することによって熱可塑性エラストマー組成物の耐油性向上、硬度調節、成形性、ガスバリア性をさらに向上することができる。(c)成分の配合により、特に押出成形では押出成形品の表面ざらつきが減り、特に射出成形ではゲート近くの表面性がよくなる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、架橋剤等が挙げられる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物は、押出成形、射出成形等、公知の成形法および成形条件でもって所望の形状に成形することが可能である。例えば、二軸押出機にて混練する場合、スクリュー回転数は80〜250rpm、好ましくは80〜100rpm、加工温度は160〜220℃の条件で行うと各成分の分散が良好で、物性の良好なものを得ることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性、強度、耐歪み性、ガスバリア性、押出加工性、射出成形性のバランスに優れ、これらの性能が求められる成形品、例えばチューブ材やプリンタ部材として有用である。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
使用した材料を以下に示す。
成分(a);
・成分(a−1):SIBSTAR 073T(鐘淵化学工業株式会社製商品)
(リビングカチオン重合によって得られるスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)。スチレン含有量:30重量%、数平均分子量:60,000、重量平均分子量:65,000、分子量分布:1.08、硬さ45A、不飽和結合:0%。)
・成分(a−2):SIBSTAR 103T(鐘淵化学工業株式会社製商品)
(リビングカチオン重合によって得られるスチレン―イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)。スチレン含有量:31重量%、数平均分子量:92,000、重量平均分子量:100,000、分子量分布:1.09、硬さ:46A、不飽和結合:0%。)
・比較用成分(a−3):VECTOR2518(DEXCO POLYMERS社製商品)
(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)。スチレン量:30重量%、25℃における5重量%トルエン溶液粘度:75cps、比重:0.95。)
・比較用成分(a−4):クレイトン1652(クレイトンポリマージャパン株式会社製商品)
(スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)。スチレン含有量29重量%、数平均分子量90,000、重量平均分子量120,000、分子量分布1.33、水素添加率90%以上。)
・比較用成分(a−5):セプトン2005(クラレ株式会社製商品)
(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)。スチレン含有量20重量%、数平均分子量210,000、重量平均分子量250,000、分子量分布1.19、水素添加率90%以上。)
・比較用成分(a−6):ダイナロン4600P(JSR社製商品)
(スチレン−エチレン・ブテン−エチレンブロック共重合体(SEBC)。密度=0.91g/cm 3 、MFR=5.6g/10min(230℃、2.16kg)、スチレン含有量=20重量%。)
成分(b);
・成分(b−1):INFUSE D9000(ダウ・ケミカル社製商品)
(エチレンと1−オクテンを含むブロック(結晶性のハードセグメント)と、1−オクテンとエチレンとからなるブロック(非晶性のソフトセグメント)で(交互に)構成されたブロック共重合体。MFR(ASTM D1238、190℃、2.16kg)0.5g/10分、密度(JIS K 6760)0.877g/cm3、硬度(JIS K 6253)A69、融点120℃。)
・成分(b−2):INFUSE D9100(ダウ・ケミカル社製商品)
(エチレンと1−オクテンを含むブロック(結晶性のハードセグメント)と、1−オクテンとエチレンとからなるブロック(非晶性のソフトセグメント)で(交互に)構成されたブロック共重合体。MFR(ASTM D1238、190℃、2.16kg)1.0g/10分、密度(JIS K 6760)0.877g/cm3、硬度(JIS K 6253)A69、融点120℃。)
・比較用成分(b−3):エンゲージEG8440(ダウ・ケミカル社製商品)
(メタロセン触媒LLDPEエラストマー(エチレンとオクテン−1とのランダム共重合体)。密度0.897(ASTM D−792)、MFR(190℃、荷重2.16kg):1.6g/10min 融点 95℃。)
・比較用成分(b−4):ダイナロンDR6201B(JSR社製)
(エチレン−エチレン・ブテン−エチレンブロック共重合体(CEBC)。スチレン含有量0重量%、数平均分子量180,000、重量平均分子量230,000、分子量分布1.27、水素添加率90%以上。)
成分(c);
・成分(c-1):Novatec BC08AHA(日本ポリケム社製商品)
(プロピレン−エチレンブロック共重合体。密度:0.902g/cm 3 、硬さ:94(ShoreA)、MFR(230℃、21.18N荷重):80dg/分、重量平均分子量:100,000。融点160℃。)
(実施例1〜10、比較例1〜10)
下記表1、表2、表3に示す原材料を、L/D=47の二軸押出機を使用し、スクリュー回転数80rpm、加工温度200℃で混練しストランドカットでペレットを作製した。
作製したペレットを型締め力120トンの射出成形機を使用し、成形温度210℃で縦13cm×横13cm、厚み2mmのシートを作製した。
評価方法は次の通りである。
(1)硬度:
JIS K 7215に準拠し、試験片として6.3mm厚プレスシートを用い、デュロメータ硬さ・タイプAにて測定した。
(2)引張強さ、100%モジュラス、伸び:
JIS K 6301に準拠し、試験片として1mm厚プレスシートを3号ダンベル型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。
(3)圧縮永久歪み:JIS K 6262の規格に準拠し測定した。測定温度70℃、圧縮時間22時間で実施し、試験片は、小型試験片厚み 6.3±0.3mmのプレスシートを使用した。
(4)ガスバリア性
水蒸気透過率をJIS Z 0208に準拠して測定し、ガスバリア性の指標とした。
(6)押出成形性
単軸の押出機(L/D=28、T型ダイ)で押出ダイ温度240〜260℃、シリンダー温度230〜260℃で(幅)50mm×(厚み)1mmのシートを押出成形し、ドローダウン性、表面外観や形状を観察し、次の基準で評価した。
◎:全く不具合がない。
○:やや表面外観が劣るが他は問題がない。
△:やや表面外観と形状(エッジ部の再現性)に問題がある。
×:悪い
(7)射出成形性
型締め力120トンの射出成形機を用い、成形温度250℃、金型温度40℃、射出速度55mm/秒、射出圧力600kg/cm、保圧圧力400kg/cm、射出時間6秒、冷却時間45秒で(縦)13cm×(横)13cm×(厚み)2mmのシートを成形した。デラミネーション、表層剥離、ひけ、変形及び著しく外観を悪化させるようなフローマークの有無を目視により判断し、次の基準で評価した。
◎:全く不具合がない。
○:わずかにフローマークが見られるが、他は問題がない。
△:わずかにフローマーク、ひけが見られる。
×:悪い
(8)MFR
JIS K7210に準拠し、230℃、10kg荷重で流れ出た組成物の10分間におけるグラム数を測定した。表中に条件が記入されている場合にはそれぞれの条件で測定した値を示す。
得られた結果を下記表1、表2、表3に示す。
Figure 0005711998
Figure 0005711998
Figure 0005711998
表1の評価結果が示すように、成分(a)と成分(b)を所定量比で含む本願発明の熱可塑性エラストマー組成物では、柔軟性、強度、伸び、耐歪み性、ガスバリア性、成形性、流動性のいずれもをバランスよく備える。さらに成分(c)を含む本願発明の熱可塑性エラストマー組成物では優れた柔軟性、強度、伸び、耐歪み性、ガスバリア性を維持しながら成形性と流動性がさらに向上し、得られる成形品の表面外観が特に優れている。このことから、成分(c)は、成分(a)と成分(b)からなる熱可塑性エラストマー組成物の成形性向上のために特に適合する改質剤として機能していることが分かる。
これに対して表2,3の評価結果が示すように、樹脂成分や成分比を変更した比較例1〜10では、表中「実施例との比較」に挙げた点をはじめとする柔軟性、強度、伸び、耐歪み性、ガスバリア性、成形性、流動性のいずれか1以上の性能が目立って劣るため実用に適さない。
本発明は、自動車の内外装部材、建築用部材、家電用部材に使用できる、特にガスバリア性が必要なチューブ成形体、プリンタ部材として有用な熱可塑性エラストマー組成物の提供が可能である。

Claims (5)

  1. (a)イソブチレン系化合物ブロック及び芳香族ビニル系化合物ブロックから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体 100質量部に対し、
    (b)ハードセグメントがエチレン1−オクテンを含む結晶性ブロックであり、ソフトセグメントがエチレンと1−オクテンを含む非晶性ブロックであって、ソフトセグメントの1−オクテン含有比率がハードセグメントの1−オクテン含有比率より高い、各ブロックが交互に2以上繋がったマルチブロック構造であるオレフィンブロック共重合体10〜100質量部
    を含有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 前記(a)ブロック共重合体100質量部に対し、さらに(c)ポリプロピレン系樹脂を5〜50質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記(c)ポリプロピレン系樹脂が結晶性プロピレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. チューブ用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. チューブ用がプリンター部材用であることを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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