JP2009132759A - 発泡性熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた発泡成型体、合成コルク - Google Patents

発泡性熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた発泡成型体、合成コルク Download PDF

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亨 中島
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崇 松本
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Abstract

【課題】密封性、開栓性、ガスバリア性が良好なだけでなく、軟化剤を含有せず、もしくは軟化剤を少量添加しただけでも加工成形性に優れた発泡性熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた発泡成型体、合成コルクを提供すること。
【解決手段】(a)成分:イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、イソブチレンを主成分としないカチオン重合可能な単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体と、(b)成分:メルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分以上、4000g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂と、(c)成分:発泡剤とを含有する発泡性熱可塑性樹脂組成物により達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性に優れた柔軟な発泡性熱可塑性樹脂組成物、並びに、上記発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる成型体、および、ガラス瓶、金属ボトル、PET(polyethylene terephthalate)ボトル等の容器に使用される合成コルクに関するものである。
従来、ガラス瓶、金属ボトル、PETボトル等の容器を密封するための栓として、最も一般的に使用されてきたのは天然コルクである。天然コルクは、容器に対するグリップ性が良く、また、適度な力で開栓することが可能で、再シール性も併せ持つことから、ボトル用の栓として広く普及している。特に、ワインボトルでは、コルクスクリューを用いてコルク栓を引き抜くことが、セレモニーとも呼ぶべき行為となっている。
しかし、天然コルクは、産地により品質のバラツキがあり、独特のコルク臭が内容物の風味を損ない、真菌類や細菌による汚染により内容物に不快な臭気や色を与える等の問題が知られている。さらに、最近では、良質の天然コルクの不足により、入手が困難となりつつある。
このような状況から、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性合成樹脂を主成分とした、いわゆる合成コルクが開発され、容器の栓として使用されつつある。このような合成コルクの例の一つに、スチレン系ブロック共重合体を主成分とする発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる合成コルクが報告されている(特許文献1及び2)。このスチレン系熱可塑性エラストマーを使用した合成コルク、すなわちスチレン系ブロック共重合体を主成分とする発泡性熱可塑性樹脂組成物を使用した合成コルクは、適度な硬度や比重に調整でき、十分な密封性や開栓性を有している。
また、特許文献3及び4には、ガスバリア性が良好な熱可塑性エラストマーとして、イソブチレン系ブロック共重合体を含有した合成コルクが開示されている。
特表平9−500074号公報(平成9年1月7日公表) 特表2003−503288号公報(平成15年1月28日公表) 国際公開第2007/049733号パンフレット(2007年5月3日公開) 米国特許公開第2006−229402号(2006年10月12日公開)
しかしながら、特許文献1及び2に示されている合成コルクは、ガスバリア性が低く、内容物の酸化による風味や品質の劣化が起こりやすいという問題点を有している。
また、特許文献3及び4に示されている合成コルクは、成形時の溶融流動性を向上させるために多量の軟化剤を含有しており、この軟化剤のブリードアウトや臭気によって、内容物の風味が損なわれる等という問題点を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、密封性、開栓性、ガスバリア性が良好なだけでなく、軟化剤を含有せず、もしくは軟化剤を少量添加しただけでも加工成形性に優れた発泡性熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた発泡成型体、合成コルクを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を積み重ねた結果、イソブチレン系ブロック共重合体、メルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分以上、4000g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂、及び発泡剤を含有する発泡性熱可塑性樹脂組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、(a)成分:イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、イソブチレンを主成分としないカチオン重合可能な単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体と、(b)成分:メルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分以上、4000g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂と、(c)成分:発泡剤とを含有することを特徴としている。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、上記発泡性熱可塑性樹脂組成物に、さらに(d)成分:上記(b)成分のポリプロピレン系樹脂とは異なるポリオレフィン系樹脂を添加してなることが好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、上記発泡性熱可塑性樹脂組成物に、さらに(e)成分:軟化剤を添加し、上記軟化剤の添加量が、上記(a)成分と上記(b)成分と上記(d)成分との合計の添加量100重量部に対して、30重量部以下であることが好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、上記発泡性熱可塑性樹脂組成物に、さらに(f)成分:滑剤を添加してなることが好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、上記(a)成分中のイソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックが、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックであることが好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、上記(a)成分のイソブチレン系ブロック共重合体が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックから構成されるトリブロック共重合体であることが好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、上記(a)成分中の芳香族ビニル系単量体が、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、およびインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、上記(c)成分の発泡剤が、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、およびクエン酸から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、上記(d)成分のポリオレフィン系樹脂は、メルトフローレートが190℃、2.16kg荷重の条件下で100g/10分以下であるポリエチレン系樹脂、およびメルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分未満であるポリプロピレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、上記(e)成分の軟化剤が、液状ポリイソブチレンであることが好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、JIS−A硬度が、40〜95であることが好ましい。
また、本発明の発泡成型体は、上記発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなることが好ましい。
また、本発明の合成コルクは、上記発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなることが好ましい。
また、本発明の合成コルクは、比重が0.1〜0.8g/cmであることが好ましい。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、1)イソブチレン系ブロック共重合体の有する優れた柔軟性およびガスバリア性により、密封時の形状追随性がよいだけでなく、内容物への酸素の透過による酸化や、内圧のかかる炭酸飲料等の内容物からのガス抜けが起こりにくく、2)軟化剤を多量に含まないため、軟化剤のブリードアウトや臭気による内容物の品質(風味)が損なわれず、3)「メルトフローレート」と「軟化剤の添加量」とを調整することにより、容易に成形可能である。これにより、発泡成型体、合成コルク栓等として使用するのに好適である。
すなわち、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、密封性、開栓性、ガスバリア性が良好なだけでなく、軟化剤を含有せず、もしくは軟化剤を少量添加しただけでも加工成形性に優れた発泡性熱可塑性樹脂組成物を提供するという効果を奏する。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、(a)成分:イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、イソブチレンを主成分としないカチオン重合可能な単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体と、(b)成分:メルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分以上、4000g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂と、(c)成分:発泡剤とを必須成分とする。
本発明の(a)成分であるイソブチレン系ブロック共重合体のイソブチレンを主成分としない単量体成分は、イソブチレンの含有量が30重量%以下である単量体成分を意味する。イソブチレンを主成分としない単量体成分中のイソブチレンの含有量は10重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがさらに好ましい。イソブチレンの含有量が30重量%を超えると、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックとの相分離が不十分になり、ゴム弾性が低下する傾向がある。
本発明のイソブチレンを主成分としない単量体成分中の、イソブチレン以外の単量体は、カチオン重合可能な単量体成分であれば特に限定されないが、脂肪族オレフィン類、芳香族ビニル類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
脂肪族オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、tert−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられる。
シラン化合物としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
本発明のイソブチレンを主成分としない単量体成分は、物性及び重合特性等のバランスから、芳香族ビニル系単量体を主成分とする単量体成分であることが好ましい。本発明の芳香族ビニル系単量体は、芳香族ビニル系単量体の含有量が60重量%以上、好ましくは80重量%以上である単量体成分を示す。芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、およびインデンからなる群から選ばれる1種以上の単量体を使用することが好ましく、コストの面からスチレン、α−メチルスチレン、あるいはこれらの混合物を用いることが特に好ましい。
また本発明のイソブチレンを主成分とする単量体成分は、イソブチレン以外の単量体を含んでいても含んでいなくても良く、通常、イソブチレンを60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有する単量体成分である。イソブチレン以外の単量体としてはカチオン重合可能な単量体であれば特に制限はないが、例えば上記の単量体等が挙げられる。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体は、イソブチレンを主成分とする重合体ブロック及びイソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックを有しているものであれば特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。好ましいブロック共重合体としては、物性バランス及び成形加工性の点から、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合体が挙げられる。これらは、所望の物性・成形加工性を得るためにそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソブチレンを主成分とする重合体ブロックとイソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックの割合に関しては、特に制限はないが、柔軟性およびゴム弾性の面から、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックが95〜40重量%、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックが5〜60重量%であることが好ましく、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックが90〜60重量%、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックが10〜40重量%であることが特に好ましい。
またイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量にも特に制限はないが、流動性、加工性、ゴム弾性等の面から、30,000〜500,000であることが好ましく、50,000〜400,000であることが特に好ましい。イソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量が上記範囲よりも低い場合には、機械的な物性が十分に発現されない。一方、イソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量が上記範囲を超える場合には流動性、加工性の面で不利である。
イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法については特に制限はないが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物の存在下に、イソブチレンを主成分とする単量体及びカチオン重合可能なイソブチレンを主成分としない単量体成分を重合させることにより得られる。
(CRX)・・・(1)
[式中、Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基またはアシロキシ基から選ばれる置換基、R、Rはそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の1価炭化水素基でR、Rは同一であっても異なっていても良く、Rは多価芳香族炭化水素基または多価脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。]
上記一般式(1)で表わされる化合物は開始剤となるものであり、ルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生成し、その炭素陽イオンがカチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。
例えば、(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[CC(CHCl]、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,4−Cl(CHCCC(CHCl]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3−Cl(CHCCC(CHCl]、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3,5−(ClC(CH]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン[1,3−(C(CHCl)-5−(C(CH)C]等が挙げられる。
これらの中でも特に好ましいのは、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C(C(CHCl)]、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH]である。なお、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはジクミルクロライドとも呼ばれ、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはトリクミルクロライドとも呼ばれる。
イソブチレン系ブロック共重合体を重合により製造する際に、さらにルイス酸触媒を共存させることもできる。このようなルイス酸としてはカチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl、TiBr、BCl、BF、BF・OEt、SnCl、SbCl、SbF、WCl、TaCl、VCl、FeCl、ZnBr、AlCl、AlBr等の金属ハロゲン化物;EtAlCl、EtAlCl等の有機金属ハロゲン化物を好適に使用することができる。中でも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl、BCl、SnClが好ましい。ルイス酸の使用量は、特に限定されないが、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度等を鑑みて設定することができる。通常は一般式(1)で表される化合物に対して0.1〜100モル当量使用することができ、好ましくは1〜50モル当量の範囲である。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合に際しては、さらに必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって分子量分布の狭い、構造が制御された重合体が生成される。使用可能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合は、必要に応じて有機溶媒中で行うことができ、有機溶媒としてはカチオン重合を本質的に阻害しなければ特に制約なく使用することができる。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
これらの溶媒は、ブロック共重合体を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮して単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
上記溶媒の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が1〜50重量%、好ましくは5〜35重量%となるように決定される。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−80℃以上−30℃以下である。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、軟化剤を多量に添加しなくても、成形時に適度な流動性を確保するために、(b)成分:メルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分以上、4000g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂が必須である。メルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で4000g/10分を超えると、(a)成分との溶融混合性が低下する、発泡性熱可塑性樹脂組成物の流動性が高くなりすぎ、発泡成形時に破泡しやすく、良好な発泡体を得ることが困難になる等の問題が起きるおそれがある。
(b)成分のポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、及びプロピレン−エチレンブロック共重合体等が例示でき、メルトフローレートの値が上記範囲内であれば、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用できる。より具体的には、ポリビジョン社製;商品名proflow1000、1010(ホモポリプロピレン)、3000、3010(ランダムポリプロピレン)、5000、5010(ランダムポリプロピレン)等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、上記メルトフローレートは、ASTM D−1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重下で測定したものをいう。
(b)成分のポリプロピレン系樹脂の添加量は、(a)成分のイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して1〜150重量部であるのが好ましく、より好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは1〜80重量部である。150重量部を超えると硬度が高くなり、打栓性が低下する傾向があり、好ましくない。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物には、発泡させるために(c)成分:発泡剤の添加が必須である。発泡剤としては、熱可塑性樹脂を発泡させうる発泡剤であれば、化学発泡剤、物理発泡剤のいずれも使用でき、また、有機系、無機系を問わずに使用することができ、これらの群から選択される少なくとも1種を使用する。このような発泡剤の具体例としては、アゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の炭酸塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、蓚酸等の有機酸、水素化硼素ナトリウム等を挙げることができる。また、炭酸塩と有機酸を組み合わせたものであってもよい。比較的高い温度で発泡成形を行う場合には、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等の化合物も使用することができる。これらの中でも、発泡性および入手しやすさの観点から、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、クエン酸が好ましい。
(c)発泡剤の添加量は、(a)成分のイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部であり、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。10重量部を超えると発生するガスの量が多すぎて、破泡が起こりやすくなる傾向がある。一方、0.1重量部未満では、発泡が不十分となる傾向がある。
(c)発泡剤の添加方法としては、材料混練時に発泡剤を添加する方法でも、成形時に発泡剤またはそのマスターバッチ(発泡剤をポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーに多量に混合したもの)を添加する方法でもよい。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物には、発泡特性を向上させる目的で、(d)成分:上記(b)成分とは異なるポリオレフィン系樹脂も必要に応じて使用される。(d)成分のポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物、またはα−オレフィンと他の不飽和単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体及びこれら重合体の酸化、ハロゲン化又はスルホン化したもの等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。具体的には、ポリエチレン系樹脂;ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン等、ポリプロピレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、塩素化ポリプロピレン等、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンの(共)重合体等が例示できる。これらの中で、コストと物性バランスの点から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、又はこれらの混合物が好ましく使用できる。
より好ましいポリエチレン系樹脂としては、成形流動性及び発泡特性の点から、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が例示でき、かつ、メルトフローレートが190℃、2.16kg荷重の条件下で100g/10分以下であるものが好ましい。
より好ましいポリプロピレン系樹脂としては、成形流動性及び発泡特性の点から、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が例示でき、かつ、メルトフローレートが190℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分未満であるものが好ましい。
また、使用する(d)成分のポリオレフィン系樹脂は、直鎖状であっても、分岐構造であってもよいが、発泡挙動を安定させたい場合には、分岐構造のものが好ましく用いられる。分岐構造としては、長鎖分岐のものと短鎖分岐のものがあり、目的によって使い分けることができる。長鎖分岐のポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレンが挙げられ、短鎖分岐のポリオレフィン系樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレンやポリ−1−ブテン、ポリ−1−ヘキセン、ポリ−1−オクテン等が挙げられる。
(d)成分のポリオレフィン系樹脂の添加量は、(a)成分のイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して1〜100重量部であるのが好ましく、より好ましくは1〜70重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。100重量部を超えると硬度が高くなり、打栓性が低下する傾向があり、好ましくない。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物には、柔軟性と成形流動性を付与する目的で、(e)成分:軟化剤も必要に応じて添加される。(e)成分の軟化剤としては、特に限定されないが、通常、室温で液体又は液状の材料が好適に用いられる。このような軟化剤としては鉱物油系、植物油系、合成系等の各種ゴム用又は樹脂用軟化剤が挙げられる。鉱物油系としては、ナフテン系、パラフィン系等のプロセスオイル等が、植物油系としては、ひまし油、綿実油、あまみ油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油等が、合成系としては液状ポリイソブチレン、液状ポリブテン、低分子量ポリブタジエン等が例示できる。これらの中でも(a)成分イソブチレン系ブロック共重合体との相溶性およびガスバリア性の点から、液状ポリイソブチレンが好ましく用いられる。これら軟化剤は所望の硬度および溶融粘度を得るために2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
(e)成分の軟化剤の添加量は、上記(a)成分と上記(b)成分と上記(d)成分との合計の添加量100重量部に対して、30重量部以下であるのが好ましく、より好ましくは20重量部以下である。30重量部を超えると、合成コルクから軟化剤がブリードアウトし、内容物へ軟化剤が抽出しやすくなるだけでなく、ガスバリア性が低下する傾向があり、好ましくない。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物には、開栓性と成形加工性を付与する目的で(f)成分:滑剤も必要に応じて添加される。(f)成分の滑剤としては、脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸金属塩系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪族アルコール系滑剤、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、パラフィン系滑剤等が好ましく用いられ、これらの中から2種以上を選択して用いてもよい。
脂肪酸アミド系滑剤としては、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
脂肪酸金属塩系滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム等が挙げられる。
脂肪酸エステル系滑剤としては、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ベヘニン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸オクチル、特殊牛脂脂肪酸オクチルエステル、ラウリン酸ラウリル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ミリスチン酸セチル、牛脂硬化油、ヒマシ硬化油等が挙げられる。
脂肪酸系滑剤としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール等が挙げられる。
脂肪酸と多価アルコールの部分エステルとしては、ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、オレイン系モノグリセライド等が挙げられる。
パラフィン系滑剤としては、パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
この他、モンタン酸およびその誘導体である、モンタン酸エステル、モンタン酸金属塩、モンタン酸部分ケン化エステル等や、シリコーンオイル等も用いられる。
これらは、単独で用いても、複数を併用してもよい。これらの中でも、開栓性および成形加工性の改良効果と内容物の風味や香りへの影響の点から、脂肪酸アミドが好ましく、中でもエルカ酸アミドが最も好ましい。また、シリコーンオイルを併用することで、さらに開栓性を改良することもできる。
滑剤の添加量は、(a)成分のイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部であり、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。10重量部を超えると十分に混合されず、滑剤がブリードアウトする傾向があり、さらに、得られる発泡性熱可塑性樹脂組成物の機械強度が低下する傾向もあり、好ましくない。
本発明に用いられる発泡性熱可塑性樹脂組成物には、発泡性を改良する目的で加工助剤を添加することができる。加工助剤とは、溶融時の溶融張力を向上させることで、発泡挙動を安定化する添加剤を指す。このような加工助剤としては、アクリル系加工助剤(具体例としては、株式会社カネカ製カネエースPA、三菱レイヨン株式会社製メタブレンP等)、超高分子量ポリエチレン、フッ素系加工助剤(住友スリーエム株式会社製ダイナマーPPA、三菱レイヨン株式会社製メタブレンA等)等が挙げられる。これらの中でも、発泡性の観点から、フッ素系加工助剤が好ましい。
加工助剤の添加量は、(a)成分のイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部であり、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。10重量部を超えると、得られる発泡性熱可塑性樹脂組成物の柔軟性が損なわれる傾向があり、好ましくない。
さらに本発明に用いられる発泡性熱可塑性樹脂組成物には、物性改良あるいは経済上のメリットから充填材を配合することができる。好適な充填材としては、クレー、珪藻土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム等の麟片状無機充填材、各種の金属粉、木片、ガラス粉、セラミックス粉、カーボンブラック、粒状ないし粉末ポリマー等の粒状ないし粉末状固体充填材、その他の各種の天然又は人工の短繊維、長繊維等が例示できる。また中空フィラー、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン等の無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体からなる有機中空フィラーを配合することにより、軽量化を図ることができる。これらの中でも、経済性および衛生性の点から、タルクが好ましい。
充填材の添加量は、(a)成分のイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して1〜100重量部であるのが好ましく、より好ましくは1〜50重量部であり、さらに好ましくは1〜30重量部である。100重量部を超えると、得られる合成コルクの柔軟性が損なわれる傾向があり、好ましくない。
また本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤および紫外線吸収剤を配合することができる。酸化防止剤および紫外線吸収剤の配合量は(a)成分のイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜5重量部である。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、ガスバリア性に優れるが、さらに容器内の酸素や内容物中の溶存酸素を吸収するための、酸素吸収剤を添加することができる。このような酸素吸収剤としては公知のものが使用でき、特に制限はない。例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸塩、イソアスコルビン酸、イソアスコルビン酸塩、没食子酸、没食子酸塩、没食子酸プロピル、クエン酸イソプロピル、グルコース、フラクトース等の糖類、BHT、BHA、EDTAのアルカリ金属塩、トコフェロール(ビタミンE)、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、ピロガロール、ロンガリット、ソルボース、グルコース、リグニン等の有機系酸素吸収剤、鉄粉、活性鉄、酸化第一鉄、鉄塩等の鉄系酸素吸収剤、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜二チオン酸塩、亜硫酸水素塩等の無機系酸素吸収剤や、ポリブタジエン、ポリイソプレン、またはこれらの共重合体、ポリ(メタ−キシレンジアミン−アジピン酸)(例えば、三菱ガス化学株式会社製のMXD6が市販されている)、および、ポリ(エチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレート)、ポリ(エチレン−メチルアクリレート−テトラヒドロフルフリルアクリレート)、ポリ(エチレン−メチルアクリレート−シクロヘキセニルメチルアクリレート)、多価フェノール含有フェノール・アルデヒド樹脂等の、被酸化性(還元性)の活性基を有する酸化還元樹脂、あるいは、高分子金属錯体等の高分子系酸素吸収剤、ゼオライト、活性炭等の酸素吸着剤から選ばれる1種あるいは2種以上の混合物が使用条件に従い適宜用いられる。
酸素吸収剤が粉末状である場合、その粒径は特に制限を受けるものではないが、一般には、表面積を大きくする意味で小さい方が好ましい。
酸素吸収剤は、その酸素吸収能を制御するために触媒、保水剤や水和物等の他の物質を含んでいてもよい。例えば、鉄系酸素吸収剤には、電解質を併用することができる。
電解質は、鉄系酸素吸収剤の酸素吸収速度を促進するためのものであり、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、水酸化物等が挙げられる。これらの中で、特に好ましいのはハロゲン化物であり、さらに好ましくはCaCl、NaCl、MgCl等である。電解質は、上記鉄系酸素吸収剤の粒子にコーティングしたり、あるいはブレンドしたりして使用することができる。電解質の添加量は、鉄系酸素吸収剤に対して通常、0.1〜10重量%程度が一般的である。
この他、高分子系酸素吸収剤として使用される酸化還元樹脂には、酸化反応用の遷移金属触媒を併用することができる。この遷移金属触媒としては、酢酸、ナフテン酸、ステアリン酸、アセチルアセトナートコンプレックスもしくは塩酸のモリブデン、鉄、コバルト、ロジウム、ニッケル等の金属塩が挙げられる。
さらに、酸化還元樹脂には、光増感剤を併用することもできる。使用できる光増感剤は、開裂型のもの、及び水素引き抜き型のもの等、公知のものが使用できるが、水素引き抜き型のものが好ましく用いられる。具体的には、開裂型のものとして、ベンゾイン誘導体、ベンジルケタール、α−ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノン骨格を有するものが挙げられる。水素引き抜き型光増感剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アントラキノン、チオキサントン骨格を有するものが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、また、複数を合わせて用いてもよい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物には、その性能を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー、未加硫ゴム等を添加することもできる。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)、MBS(methyl methacrylate butadiene styrene)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等が挙げられる。また、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、ナイロン系エラストマー等が挙げられる。さらに、未加硫ゴムとしては、ブチルゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性を改善する目的では、ポリフェニレンエーテルが好ましく用いられ、また、柔軟性や開栓性を調節する目的で、スチレン−(エチレン/プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEPS)やスチレン−(エチレン/ブチレン)−スチレンブロック共重合体(SEBS)等の水添型スチレン系エラストマーも好ましく用いられる。
また、成形流動性を改良する目的で、必要に応じて、石油系炭化水素樹脂を添加することもできる。石油系炭化水素樹脂は、石油系不飽和炭化水素を直接原料とする分子量300〜10,000程度の樹脂であり、例えば、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂及びその水素化物、芳香族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂及びその水素化物、ジシクロペンタジエン系石油樹脂及びその水素化物、スチレンまたは置換スチレンの低分子量重合体、クマロン・インデン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、(a)成分との相溶性の観点から、脂環族飽和炭化水素樹脂が好ましい。
さらに他の添加剤として難燃剤、抗菌剤、光安定剤、顔料、着色剤、流動性改良剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋助剤等を添加することができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用可能である。とりわけ、カーボンブラックや酸化チタン等の顔料を添加することで、栓としての外観を整えることができ、好ましい。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、JIS K−6253で規定されるスプリング式のタイプAデュロメータで測定した硬度(以下、JIS−A硬度と略す)が40〜95であることが好ましく、50〜90であることがさらに好ましい。JIS−A硬度が上記の範囲を外れると、柔らかすぎたり硬すぎたりして、発泡成型後の成型体の打栓がしにくくなる傾向があり、好ましくない。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物の製造方法には、特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、上記の各成分、および、所望により添加剤成分を、加熱混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサー等を用いて溶融混練することで製造することができる。また各成分の混練順序は特に限定されず、使用する装置、作業性に応じて決定することができる。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物を用いて、コルク栓等の発泡成型体を製造する方法は、特に制限されるものではないが、目的とする成型体の種類、用途、形状に応じて、一般的に用いられる種々の成形方法や成形装置が使用でき、例えば射出成形や押出成形が例示され、これらの方法を組み合わせてもよい。また、成形時に、発泡剤を含まない組成物をスキン層として成形することも可能である。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物から得られる発泡成型体は、柔軟性、ガスバリア性、及び制振性に優れることから、自動車内装部品や工具のグリップ部、筆記具のグリップ部、玩具類の表皮部等、ソフトタッチ感が要求される用途や、インクジェットプリンター用ホース及びそのシール材、インクタンクのシール材、燃料タンクのシール材、自動車や建築物の窓枠のシール材・ガスケット材、自動車・機械設備や建築物に使用されるガスケット、ホース・チューブ及びそれらのシール材、携帯電話や携帯型情報機器のシール材、容器や瓶等のキャップ材、合成コルク等、シール性が要求される用途、防音カバー、音・振動に対する遮蔽板や電動工具のグリップ部等、防振性が要求される用途等に好適に使用できる。とりわけ、合成コルクに好適である。
本発明の合成コルクとしては、比重が0.1〜0.8g/cmであることが好ましく、0.2〜0.7g/cmであることがさらに好ましい。比重が0.1より小さいと、栓としての強度が不足し、コルクスクリューで破壊してしまう傾向があり、0.8より大きいと、コルクスクリューをねじ込むことが困難になる傾向がある。
本発明の合成コルクが用いられるコルク栓としては、ワイン、ウイスキー、シャンパン等の洋酒用ガラス瓶だけでなく、各種お茶飲料、果実飲料、野菜飲料、炭酸飲料、乳飲料、コーヒー飲料、清涼飲料、ミネラルウォーター等のPETボトル容器や金属ボトル容器、ビール、日本酒等の酒類用瓶、ジャム、エノキタケ等の食品用広口瓶、ドリンク剤用等の小型瓶等に用いられる容器のコルク栓を挙げることができる。これらの中でもワインやシャンパンのガラス瓶に用いられるコルク栓に、特に適している。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
本実施例に示すイソブチレン系ブロック共重合体ブロック共重合体の分子量及び合成コルクの物性は、以下に示す方法で測定した。
(分子量)
分子量は、Waters社製GPCシステム(カラム:昭和電工株式会社製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)を使用して測定した。数平均分子量は、ポリスチレン換算したものを用いた。
(硬度)
硬度は、発泡前の熱可塑性樹脂組成物について、JIS K−6253に準拠し、2mm厚のプレスシートを3枚重ねて、スプリング式のタイプAデュロメータで硬度(以下、JIS−A硬度と略す)を測定した。
(ガスバリア性)
ガスバリア性は、発泡前の熱可塑性樹脂組成物について、JIS K−7126に準拠し、酸素透過係数を測定した。試験片としては0.9mm厚のプレスシートを用い、差圧法(A法)を用いた。
(溶融粘度)
溶融粘度は、発泡前の熱可塑性樹脂組成物について、溶融粘度をキャピラリー(1mmφ×10mmL)を装着した東洋精機株式会社製キャピログラフを用い、190℃、せん断速度6080sec−1で測定した。
(発泡体外観)
発泡体外観は、射出発泡成形後の成型体を目視にて観察した。表面性、発泡性ともに良好なものを○、発泡しなかったり、破泡が多いものを×とした。
(比重)
比重は、JIS K−7112に準拠し、水中置換法により、発泡後の比重を測定した。
(臭気)
臭気は、発泡成型体を直接臭い(感応)、臭気を感じたものを×、感じなかったものを○とした。
また、下記の原料を使用して、発泡性熱可塑性樹脂組成物を製造した。
(a)成分:イソブチレン系ブロック共重合体
下記の製造例で製造したものを使用。
(b)成分:メルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分以上、4000g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂
ホモポリプロピレン:ポリビジョン社製proflow1000(メルトフローレート:1500g/10分)。
エチレンプロピレンコポリマー:ポリビジョン社製proflow3010(メルトフローレート:2500g/10分)。
(c)成分:発泡剤
炭酸水素ナトリウム:永和化成工業株式会社製セルボンSC−K(以下、SHCと略す)。
(d)成分:ポリオレフィン系樹脂
ポリプロピレン(ホモタイプ):SUNOCO社製F1000HC(メルトフローレート:115g/10分、以下PP−1と略す)。
ポリプロピレン(ランダムタイプ):三井化学株式会社製三井ポリプロJ215W(MFR:9g/10min、以下PP−2と略す)。
低密度ポリエチレン:日本ポリエチレン株式会社製ノバテックLJ902(メルトフローレート:45g/10min、以下LDPEと略す)。
直鎖低密度ポリエチレン:日本ポリエチレン株式会社製ノバテックUJ790(メルトフローレート:50g/10min、以下LLDPEと略す)。
(e)成分:軟化剤
液状ポリイソブチレン:出光興産株式会社製出光ポリブテン100R(以下100Rと略す)。
パラフィン系オイル:出光興産株式会社製ダイアナプロセスPW−90(以下PW90と略す)。
(f)成分:滑剤
エルカ酸アミド:日本精化株式会社製ニュートロン−S(以下EAと略す)。
その他の成分:充填材
上述したものを使用。
以下に、イソブチレン系ブロック共重合体の製造例を示す。
(製造例1)スチレン含量15%のトリブロック構造共重合体(以下、SIBS−1と略す)
500mLのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)97.6mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)140.5mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー47.7mL(505.3mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にポリテトラフルオロエチレン製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.097g(0.42mmol)及びN,N’−ジメチルアセトアミド0.078g(0.84mmol)を加えた。
次にさらに四塩化チタン1.66mL(15.12mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から75分撹拌を行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約1mLを抜き取った。
続いて、スチレンモノマー5.50g(52.8mmol)を重合容器内に添加した。該混合溶液を添加してから75分後に、大量の水に加えて反応を終了させた。
反応溶液を2回水洗し、溶媒を蒸発させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のイソブチレン系ブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析の結果、得られた重合体の分子量は、Mn111,000であった。また、H−NMR測定の結果から算出されるスチレン含量は、15重量%であった。
(製造例2)スチレン含量30%のトリブロック構造共重合体(以下、SIBS−2と略す)
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)456.1mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)656.5mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー232mL(2871mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.647g(2.8mmol)及びN,N’−ジメチルアセトアミド1.22g(14mmol)を加えた。
次にさらに四塩化チタン8.67mL(79.1mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約1mLを抜き取った。
続いて、あらかじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー77.9g(748mmol)、n−ヘキサン23.9mLおよび塩化ブチル34.3mLの混合溶液を重合容器内に添加した。該混合溶液を添加してから45分後に、約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。
反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のイソブチレン系ブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、得られた重合体の分子量を測定した結果、イソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量は67,000であった。また、H−NMR測定の結果から算出されるスチレン含量は、30重量%であった。
(実施例、比較例)
[第一工程]
発泡剤以外の各成分を、表1に示した割合で、180℃に設定した二軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX30−HSS)を用いて溶融混練した。得られた混練物を170℃で5分間プレス成形し、厚さ2mmのプレスシートを作成し、硬度、ガスバリア性、溶融粘度を評価した。評価結果を表1に示す。
[第二工程]
第一工程で得られた発泡性熱可塑性樹脂組成物に、所定量の発泡剤をドライブレンドし、円柱状(12mm高×28mmφ)に射出成型した。用いた射出成型機は、名機製作所製のものを使用し、型締め力:30tであり、成型条件は金型温度:10℃、シリンダー温度:190℃、最大射出圧力:200kg/cmである。
得られた発泡体の評価結果を表1に示す。
Figure 2009132759
表1からわかるように、実施例1〜8の本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、良好な柔軟性(硬度:90以下)、ガスバリア性(10以下)、及び溶融特性(溶融粘度:30以下)を併せ持つのに対し、比較例2の発泡性熱可塑性樹脂組成物はガスバリア性に劣り(10以上)、比較例3の発泡性熱可塑性樹脂組成物は溶融特性に劣る(溶融粘度:30以上)。
また、実施例1〜8の本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物から得られた発泡体は、外観が良好であり、合成コルクとして使用可能な0.75以下の比重を有しており、かつ臭気も観察されなかった。
また、比較例1の発泡体は、良好な柔軟性、ガスバリア性、及び溶融特性を有しているものの、多量の液状ポリイソブチレンを含有するため、成型体から液状ポリイソブチレン由来と考えられる臭気が観察された。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂組成物から得られる発泡成型体は、柔軟性、ガスバリア性、及び制振性に優れることから、自動車内装部品や工具のグリップ部、筆記具のグリップ部、玩具類の表皮部等、ソフトタッチ感が要求される用途や、インクジェットプリンター用ホース及びそのシール材、インクタンクのシール材、燃料タンクのシール材、自動車や建築物の窓枠のシール材・ガスケット材、自動車・機械設備や建築物に使用されるガスケット、ホース・チューブ及びそれらのシール材、携帯電話や携帯型情報機器のシール材、容器や瓶等のキャップ材、合成コルク等、シール性が要求される用途、防音カバー、音・振動に対する遮蔽板や電動工具のグリップ部等、防振性が要求される用途等に好適に使用できる。とりわけ、合成コルクに好適である。
また、本発明の合成コルクが用いられるコルク栓としては、ワイン、ウイスキー、シャンパン等の洋酒用ガラス瓶だけでなく、各種お茶飲料、果実飲料、野菜飲料、炭酸飲料、乳飲料、コーヒー飲料、清涼飲料、ミネラルウォーター等のPETボトル容器や金属ボトル容器、ビール、日本酒等の酒類用瓶、ジャム、エノキタケ等の食品用広口瓶、ドリンク剤用等の小型瓶等に用いられる容器のコルク栓を挙げることができる。これらの中でもワインやシャンパンのガラス瓶に用いられるコルク栓に、特に適している。

Claims (14)

  1. (a)成分:イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、イソブチレンを主成分としないカチオン重合可能な単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体と、
    (b)成分:メルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分以上、4000g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂と、
    (c)成分:発泡剤とを含有することを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物に、さらに(d)成分:上記(b)成分のポリプロピレン系樹脂とは異なるポリオレフィン系樹脂を添加してなることを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物に、さらに(e)成分:軟化剤を添加し、
    上記軟化剤の添加量が、上記(a)成分と上記(b)成分と上記(d)成分との合計の添加量100重量部に対して、30重量部以下であることを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物に、さらに(f)成分:滑剤を添加してなることを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 上記(a)成分中のイソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックが、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 上記(a)成分のイソブチレン系ブロック共重合体が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックから構成されるトリブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  7. 上記(a)成分中の芳香族ビニル系単量体が、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、およびインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項5または6に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  8. 上記(c)成分の発泡剤が、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、およびクエン酸から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  9. 上記(d)成分のポリオレフィン系樹脂は、メルトフローレートが190℃、2.16kg荷重の条件下で100g/10分以下であるポリエチレン系樹脂、およびメルトフローレートが230℃、2.16kg荷重の条件下で200g/10分未満であるポリプロピレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  10. 上記(e)成分の軟化剤が、液状ポリイソブチレンであることを特徴とする請求項3〜9のいずれか1項に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  11. JIS−A硬度が、40〜95であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなることを特徴とする発泡成型体。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなることを特徴とする合成コルク。
  14. 比重が、0.1〜0.8g/cmであることを特徴とする請求項13に記載の合成コルク。
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