JPWO2010134554A1 - 発泡成形体用樹脂組成物、それからなる発泡成形体および容器用栓 - Google Patents

発泡成形体用樹脂組成物、それからなる発泡成形体および容器用栓 Download PDF

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Abstract

ガスバリア性(酸素バリア性)に優れた熱可塑性エラストマー組成物を含有する発泡成形体用樹脂組成物、それからなる発泡成形体および容器用栓を提供する。本発明は、芳香族ビニル化合物重合体ブロック(A)と共役ジエン重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体またはその水素添加物(I)100質量部に対して、粘着付与樹脂(II)10〜150質量部を含有し、厚さ300μmのフィルム状試験片を作製してJIS K 7126−1(差圧法)に準じて測定したときの酸素透過係数が25000cc・20μm/m2・day・atm未満である熱可塑性エラストマー組成物を含有する、発泡倍率が1.1〜2.5倍である発泡成形体用樹脂組成物、それからなる発泡成形体および容器用栓である。

Description

本発明は、ガスバリア性に優れるスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を含有する発泡成形体用樹脂組成物、それからなる発泡成形体および容器用栓に関する。
合成樹脂栓は、天然コルクのコルク臭や細菌汚染といった問題を解決できるとともに、硬度や比重を適度に調整でき、また、十分な密封性や開栓性を有しているため、コルク栓の代替品として広く利用されている。このような合成樹脂栓として、スチレン系ブロック共重合体を含む組成物を発泡させてなる合成樹脂栓が提案されている(特許文献1〜3)。
特開昭58−134863号公報 特表2003−503288号公報 特表平9−500074号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているような合成樹脂栓はガスバリア性(酸素バリア性)をいまだ十分満足し得るものではなく、内容物の酸化による風味や品質の劣化が起こり易いという課題があった。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、スチレン系ブロック共重合体またはその水素添加物に対して粘着付与樹脂を特定の割合で含有し、かつ特定の発泡倍率を有する発泡成形体用樹脂組成物の使用により上記問題点を解決できることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)を提供するものである。
(1)芳香族ビニル化合物重合体ブロック(A)と共役ジエン重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体またはその水素添加物(I)100質量部に対して、粘着付与樹脂(II)10〜150質量部を含有し、厚さ300μmのフィルム状試験片を作製してJIS K7126−1(差圧法)に準じて測定したときの酸素透過係数が25000cc・20μm/m2・day・atm未満である熱可塑性エラストマー組成物を含有する、発泡倍率が1.1〜2.5倍である発泡成形体用樹脂組成物。
(2)熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、ブロック共重合体またはその水素添加物(I)100質量部に対して、ゴム用軟化剤(III)5〜150質量部を含有する上記(1)に記載の発泡成形体用樹脂組成物。
(3)熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、ブロック共重合体またはその水素添加物(I)100質量部に対して、ポリオレフィン系樹脂(IV)5〜150質量部を含有する上記(1)または(2)に記載の発泡成形体用樹脂組成物。
(4)熱可塑性エラストマー組成物全体の質量に対して、発泡剤0.1〜3質量%を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の発泡成形体用樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる発泡成形体。
(6)上記(5)に記載の発泡成形体からなる容器用栓。
本発明により、ガスバリア性(酸素バリア性)に優れた熱可塑性エラストマー組成物を含有する発泡成形体用樹脂組成物、それからなる発泡成形体および容器用栓を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の発泡成形体用樹脂組成物に用いる熱可塑性エラストマー組成物は、ブロック共重合体およびその水素添加物(I)(以下、「(水添)ブロック共重合体(I)」と略称することがある。)および粘着付与樹脂(II)を必須成分として含有する。
[(水添)ブロック共重合体(I)]
本発明に用いる(水添)ブロック共重合体(I)は、芳香族ビニル化合物重合体ブロック(A)と共役ジエン重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体およびその水素添加物である。
<重合体ブロック(A)>
上記重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位(芳香族ビニル化合物単位)から主として構成されている。ここで、「主として」とは、重合体ブロック(A)の質量に基づいて、芳香族ビニル化合物単位が好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%であることを意味する。
該重合体ブロック(A)を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられる。
該重合体ブロック(A)は、前記した芳香族ビニル化合物の1種に由来する構造単位のみを含んでいてもよいし、2種以上に由来する構造単位を含んでいてもよい。その中でも、重合体ブロック(A)は、スチレンに由来する構造単位から主として構成されていることが好ましい。
該重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と共に他の共重合性単量体に由来する構造単位を少量含有していてもよい。このとき、他の共重合性単量体に由来する構造単位の割合は、重合体ブロック(A)の質量に基づいて10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
他の共重合性単量体としては、例えば、1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどのイオン重合性単量体が挙げられる。これらの他の共重合性単量体に基づく単位の結合形態は、ランダム、テーパード状等のいずれの形態になっていてもよい。
<重合体ブロック(B)>
上記重合体ブロック(B)は、共役ジエンに由来する構造単位(共役ジエン単位)から主として構成されている。
ここで、「主として」とは、重合体ブロック(B)の質量に基づいて、共役ジエン単位が、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%であることを意味する。
該重合体ブロック(B)を構成する共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。
該重合体ブロック(B)は、前記した共役ジエンの1種に由来する構造単位のみから構成されていてもよいし、2種以上に由来する構造単位から構成されていてもよい。重合体ブロック(B)が2種以上の共役ジエンに由来する構造単位を有している場合は、それらの結合形態はランダム、ブロック、テーパードまたはそれらの2種以上の組み合わせからなっていることができる。
その中でも、該重合体ブロック(B)は、ゴム物性の観点から下記の重合体ブロックのいずれかであることが好ましい。
(i)イソプレンに由来する構造単位からなるポリイソプレンブロック。
(ii)ブタジエンに由来する構造単位からなるポリブタジエンブロック。
(iii)イソプレンとブタジエンとの混合物に由来する構造単位からなるイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック。
上記(i)ポリイソプレンブロックでは、そのイソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基[−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,4−結合イソプレン単位]、イソプロペニルエチレン基[−CH(C(CH3)=CH2)−CH2−;3,4−結合イソプレン単位]および1−メチル−1−ビニルエチレン基[−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合イソプレン単位]からなる群から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、各単位の割合は特に限定されない。
上記(ii)ポリブタジエンブロックでは、そのブタジエンに由来する単位の70〜20モル%、特に65〜40モル%が2−ブテン−1,4−ジイル基[−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合ブタジエン単位]であり、30〜80モル%、特に35〜60モル%がビニルエチレン基[−CH(CH=CH)−CH2−;1,2−結合ブタジエン単位]であることが好ましい。該ポリブタジエンブロックにおける1,4−結合ブタジエン単位の含有量(1,4−結合量)が上記した範囲内であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性が良好になる。
また、上記(iii)イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、イソプレンに由来する単位は2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレン基および1−メチル−1−ビニルエチレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、またブタジエンに由来する単位は2−ブテン−1,4−ジイル基および/またはビニルエチレン基からなっており、各単位の割合は特に制限されない。
該イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、イソプレン単位とブタジエン単位の配置は、ランダム、ブロック、テーパードのいずれの形態になっていてもよい。
該イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、ゴム物性の観点から、イソプレン単位:ブタジエン単位のモル比が1:9〜9:1であることが好ましく、2:8〜8:2であることがより好ましく、3:7〜7:3であることが更に好ましい。
該重合体ブロック(B)は、本発明の目的を損なわない範囲内で、共役ジエンに由来する構造単位と共に他の共重合性単量体に由来する構造単位を少量有していてもよい。このとき、他の共重合性単量体に由来する構造単位の割合は、重合体ブロック(B)の質量に基づいて30質量%未満であることが好ましく、10質量%未満であることがより好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
他の共重合性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ジフェニルエチレン、1−ビニルナフタレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどの芳香族ビニル化合物などのアニオン重合可能な単量体が挙げられる。これら他の共重合性単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。共役ジエンに由来する構造単位と芳香族ビニル化合物などの他の共重合性単量体に由来する構造単位とを共重合する場合、それらの結合形態はランダム、ブロック、テーパードのいずれでもよい。
本発明に用いるブロック共重合体は、耐熱性および耐候性が良好なものとなる点から、その重合体ブロック(B)における不飽和二重結合(炭素−炭素間二重結合)の一部または全部が水素添加されていることが好ましい。その際の重合体ブロック(B)の水素添加率は50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、70〜100モル%であることがさらに好ましい。
なお、重合体ブロック(B)における不飽和二重結合の水素添加率は、重合体ブロック(B)における不飽和二重結合の含有量を、水素添加の前後において、ヨウ素価測定、赤外分光光度計(IR)、核磁気共鳴(NMR)などによって測定し、その測定値から求めることができる。
<(水添)ブロック共重合体(I)の性状>
(水添)ブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)をそれぞれ少なくとも1種含むブロック共重合体およびその水素添加物である。好ましくは、(水添)ブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A)を2個以上及び重合体ブロック(B)を1個以上含むブロック共重合体が水素添加された水添ブロック共重合体である。重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)の結合形態は特に制限されず、直鎖状、分岐状、放射状、又はそれらの2つ以上が組み合わさった結合形態のいずれであってもよい。
重合体ブロック(A)の含有量は、(水添)ブロック共重合体(I)の総量に対して5〜70質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。重合体ブロック(A)の含有量が上記の範囲であると、得られる発泡成形体がゴム弾性および柔軟性に優れる。
なお、(水添)ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(A)の含有量は1H−NMRスペクトルなどにより求めることができる。
(水添)ブロック共重合体(I)の具体例としては、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とが直線状に結合した構造を有するものである場合には、重合体ブロック(A)をAで、重合体ブロック(B)をBで表したときに、〔A−B〕で表されるジブロック構造、〔A−B−A〕または〔B−A−B〕で表されるトリブロック構造、〔A−B−A−B〕で表されるテトラブロック構造、並びにAとBとが5個以上直鎖状に結合しているポリブロック構造をとることができる。それらのうちでも、ゴム弾性、力学的特性および取り扱い性などの観点から、〔A−B〕で表されるジブロック構造または〔A−B−A〕で表されるトリブロック構造であることが好ましく、〔A−B−A〕で表されるトリブロック構造であることがより好ましい。
また、(水添)ブロック共重合体(I)が重合体ブロック(A)を2個以上または重合体ブロック(B)を2個以上有する場合には、それぞれの重合体ブロック(A)およびそれぞれの重合体ブロック(B)は互いに同じ内容のブロックであっても異なる内容のブロックであってもよい。例えば、〔A−B−A〕で表されるトリブロック構造における2個の重合体ブロック(A)、あるいは〔B−A−B〕で表されるトリブロック構造における2個の重合体ブロック(B)は、それらを構成する芳香族ビニル化合物または共役ジエンの種類、その結合形式、重合体ブロックの数平均分子量などが、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
(水添)ブロック共重合体(I)において、重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)の分子量は、特に制限されない。重合体ブロック(A)の数平均分子量は好ましくは5,000〜50,000であり、より好ましくは7,000〜20,000であり、更に好ましくは7,000〜15,000である。
重合体ブロック(B)の数平均分子量は、水素添加前の状態で、好ましくは10,000〜450,000であり、より好ましくは60,000〜200,000である。
また、(水添)ブロック共重合体(I)の全体の数平均分子量は、水素添加前の状態で、60,000〜500,000であることが好ましく、80,000〜250,000であることがより好ましく、85,000〜150,000がさらに好ましい。(水添)ブロック共重合体(I)の数平均分子量が上記の範囲内であると、得られる発泡成形体がゴム弾性に優れる。
なお、本明細書でいう数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求めた値である。
(水添)ブロック共重合体(I)は、本発明の主旨を損なわない限り、場合により、分子鎖中および/または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基の1種または2種以上を有していてもよい。
<(水添)ブロック共重合体(I)の製造>
(水添)ブロック共重合体(I)の製造方法はなんら限定されず、例えば、アニオン重合やカチオン重合等のイオン重合法、シングルサイト重合法、ラジカル重合法などの公知の重合方法を行うことによって製造することができる。アニオン重合法による場合は、例えば、アルキルリチウム化合物などを重合開始剤として用いて、n−ヘキサンやシクロヘキサンなどの不活性有機溶媒中で、芳香族ビニル化合物、共役ジエンを逐次重合させ、所望の分子構造および分子量を有するブロック共重合体を製造した後、アルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加して重合を停止させることによりブロック共重合体を製造することができる。そして、前記により製造されるブロック共重合体を好ましくは公知の方法に従って不活性有機溶媒中で水添触媒の存在下に水素添加して、水素添加されたブロック共重合体を得ることができる。
[粘着付与樹脂(II)]
本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物は、粘着付与樹脂(II)を含有することにより、ガスバリア性に優れる。本発明に用いる粘着付与樹脂(II)は、従来粘着性を付与する樹脂として使用されているものを用いることができ、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の天然樹脂;石油樹脂、水素添加(以下、「水添」ということがある。)石油樹脂、スチレン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。
上記ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等のロジン;水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等の変性ロジン;これらロジン、変性ロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル等が挙げられる。
上記テルペン系樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等を主体とするテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。
上記(水添)石油樹脂としては、例えば、(水添)脂肪族系(C5系)石油樹脂、(水添)芳香族系(C9系)石油樹脂、(水添)共重合系(C5/C9系)石油樹脂、(水添)ジシクロペンタジエン系石油樹脂、脂環式飽和炭化水素樹脂等が挙げられる。
上記スチレン系樹脂としては、例えば、ポリαメチルスチレン、αメチルスチレン/スチレン共重合体、スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合体、スチレン系モノマー/αメチルスチレン/脂肪族系モノマー共重合体、スチレン系モノマー共重合体、スチレン系モノマー/スチレン系モノマー以外の芳香族系モノマー共重合体等が挙げられる。
上記粘着付与樹脂の中でも、発泡成形体への着色の観点から、水添テルペン樹脂、脂環式飽和炭化水素樹脂、脂肪族系石油樹脂であることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記粘着付与樹脂の軟化点については、ガスバリア性の観点から、50℃〜150℃のものが好ましく、100℃〜150℃のものがより好ましい。
本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物において、粘着付与樹脂(II)の含有割合は、(水添)ブロック共重合体(I)100質量部に対して10〜150質量部であり、30〜130質量部であることが好ましく、50〜120質量部であることがより好ましい。上記含有割合が10質量部未満であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物および発泡成形体がガスバリア性に劣る場合があり、150質量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の粘着性が激しくなり、加工性、成形性が悪くなる場合があるため好ましくない。
[ゴム用軟化剤(III)]
本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物には、柔軟性を付与する目的から、更にゴム用軟化剤を含有させることができる。ゴム用軟化剤(III)としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系のプロセスオイル;ジオクチルフタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸誘導体;ホワイトオイル;ミネラルオイル;エチレンとα−オレフィンとの液状コオリゴマー;流動パラフィン;ポリブテン;低分子量ポリブタジエン;低分子量ポリイソプレンなどが挙げられる。
上記ゴム用軟化剤(III)の中でも、(水添)ブロック共重合体(I)との相容性の観点から、パラフィン系プロセスオイル、エチレンとα−オレフィンとの液状コオリゴマー、流動パラフィンが好ましい。
ゴム用軟化剤(III)を含有させる場合、その含有割合は(水添)ブロック共重合体(I)100質量部に対して、5〜150質量部であるのが好ましく、流動性および成形性の観点から、50〜150質量部であるのがより好ましく、60〜130質量部であるのが更に好ましい。
[ポリオレフィン樹脂(IV)]
本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物には、成形性を向上させる目的から、更にポリオレフィン樹脂(IV)を含有させることができる。ポリオレフィン樹脂(IV)としては、例えば、プロピレンの単独重合体、エチレンの単独重合体、プロピレンおよびエチレンのブロックまたはランダム共重合体、プロピレンまたは/およびエチレンとα−オレフィンとのブロックまたはランダム共重合体などが挙げられる。上記α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数20以下のα−オレフィンが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
上記ポリオレフィン系樹脂(IV)の中でも、ガスバリア性の観点から、プロピレンの単独重合体またはHDPE(高密度ポリエチレン)が好ましく、HDPE(高密度ポリエチレン)がより好ましい。
ポリオレフィン樹脂(IV)を含有させる場合、その含有割合は(水添)ブロック共重合体(I)100質量部に対して、5〜150質量部であることが好ましく、10〜120質量部であることがより好ましく、20〜100質量部であることが更に好ましい。ポリオレフィン樹脂(IV)の含有量が5質量部未満では、得られる発泡成形体の力学的強度が低下する場合があり、150質量部を超えると、得られる発泡成形体の硬度が高くなりゴム弾性に劣るため容器用栓としてのパッキング性能に劣る場合がある。
[その他の添加剤]
本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて、各種添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、HALS等の耐光剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、防菌剤、防かび剤、分散剤、カーボンブラック、顔料等の着色剤、イソブチレン・イソプレン共重合体、シリコーンゴム等のゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
前記滑剤は熱可塑性エラストマー組成物の流動性を向上させるとともに、ポリマーの熱劣化を抑制する作用を有する。本発明において用いられる滑剤としては、熱可塑性エラストマー組成物の流動性の向上に効果を示すものであれば特に制限されず、例えば、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸ステアリルなどのエステル系滑剤、シリコンオイルなどが挙げられる。
[熱可塑性エラストマー組成物の製造]
本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に特に制限はなく、(水添)ブロック共重合体(I)、粘着付与樹脂(II)および必要に応じて配合されるゴム用軟化剤(III)、ポリオレフィン樹脂(IV)、その他の添加剤を一括混合または分割混合し、得られる混合物を従来公知の混練機、例えば、一軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、オープンロール、ニーダーなどを用いて溶融混練することによって製造することができる。前記混練に際しては、各成分のそれぞれをそのまま直接混練機に供給する方法と、混練前にヘンシェルミキサー、ハイスピードミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー、コニカルブレンダーなどの混合機を用いて予めプレブレンドしてから混練機に供給する方法が挙げられる。
[熱可塑性エラストマー組成物のガスバリア性]
本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物は、特にガスバリア性(酸素バリア性)に優れる。具体的には、厚さ300μmのフィルム状試験片を作製し、後述の実施例に記載した方法でJIS K 7126−1(差圧法)に準じて測定したときの酸素透過係数(OTR)が、好ましくは25000cc・20μm/m2・day・atm未満であり、より好ましくは23000cc・20μm/m2・day・atm未満であり、さらに好ましくは20000cc・20μm/m2・day・atm未満である。かかる条件で測定した酸素透過係数が前記範囲内であることにより、得られる発泡成形体およびそれを用いた容器用栓がガスバリア性(酸素バリア性)に優れる。
[発泡成形体用樹脂組成物及び発泡剤]
本発明の発泡成形体用樹脂組成物は上記熱可塑性エラストマー組成物を含有する。また、必要に応じて前記の各種添加剤や、発泡剤を添加した樹脂組成物とすることができる。発泡剤としては、特に制限されないが、例えば、無機系発泡剤、有機系発泡剤、熱膨張性微粒子などを挙げることができる。
上記無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。
上記有機系発泡剤としては、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなどのN−ニトロソ系化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ系化合物;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどのフッ化アルカン;パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのスルホニルヒドラジン系化合物;p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのスルホニルセミカルバジド系化合物;5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物等が挙げられる。上記熱膨張性微粒子としては、イソブタン、ペンタンなどの加熱膨張性化合物が、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの熱可塑性樹脂からなるマイクロカプセルに封入された熱膨張性微粒子を挙げることができる。そのような熱膨張性微粒子の市販品としては、松本油脂製薬株式会社製の「マイクロスフェア」(商品名、エポキシ樹脂内包マイクロカプセル)、日本フィライト株式会社製の「フィライト」(商品名、無機系マイクロバルーン)、AKZO NOBEL社製の「EXPANCEL」(商品名、有機系マイクロバルーン)などが挙げられる。
上記発泡剤の中でも、人体に対する安全性の観点から、無機系発泡剤もしくはアゾ系化合物またはスルホニルヒドラジド系化合物が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡剤を用いる場合、その配合割合は熱可塑性エラストマー組成物全体の質量に対して0.1〜3質量%であることが好ましく、0.3〜2.9質量%であることがより好ましく、0.4〜2.8質量%であることが更に好ましい。発泡剤の配合割合が0.1質量%未満では、得られる発泡成形体の発泡倍率が不十分となってゴム弾性が乏しくなる場合があり、3質量%を超えると、発泡セルが肥大化して理想的な独立発泡を有する成形体が得られないため、フレーバー保持性およびガスバリア性に劣る場合がある。
なお、発泡剤として、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂によりマスターバッチ化されたものが市販されており、これらを本発明に制限なく使用することができるが、その場合には、本発明の発泡剤の配合割合はマスターバッチの質量に発泡剤の配合割合を乗じた発泡剤単独の量により計算される。
[造核剤]
また、必要に応じて造核剤を使用することができる。該造核剤としては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、チタニア、酸化亜鉛、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等の酸化物、複合酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属水酸化物等を用いることができる。これらの造核剤を含有させることにより、セル径を容易に調整することができ、適度な柔軟性を有する発泡成形体を得ることができる。
上記造核剤の添加方法について特に制限はなく、例えば、上記熱可塑性エラストマー組成物にドライブレンドする方法、熱可塑性エラストマー組成物を製造する際に各成分と一緒に溶融混練する方法が挙げられる。
[発泡成形体]
本発明の発泡成形体は上記発泡成形体用樹脂組成物を発泡成形して得られる。本発明において、発泡方法としては、発泡剤の分解または反応により発泡させる化学的方法、超臨界発泡や水発泡などの物理的方法等が採用でき、それらの方法を併用してもよい。また、発泡成形体を製造する方法について特に制限はなく、射出発泡成形、押出発泡成形等、発泡成形に通常用いられる方法が採用できる。
本発明の発泡成形体は、例えば、上記熱可塑性エラストマー組成物に発泡剤をドライブレンドした発泡成形体用樹脂組成物を、所望の形状をしたキャビティを備えた金型内に射出発泡成形することにより得られる。あるいは、該混合物を円柱状等の任意の形状に押出発泡成形し、成形物を所定の寸法に切断することにより所望の形状の発泡成形体を得ることができる。また、熱可塑性エラストマー組成物を製造する際に各成分および発泡剤を溶融混練した発泡成形体用樹脂組成物を用いて発泡成形することもできる。この場合、混練温度は発泡剤の分解温度以下であることが好ましい。
これらの発泡成形方法の中でも、生産性の観点から射出発泡成形または押出発泡成形が好ましく、ガスバリア性(酸素バリア性)の観点から、射出発泡成形が特に好ましい。
[発泡倍率]
本発明の発泡成形体用樹脂組成物は、1.1〜2.5倍の発泡倍率で発泡成形される。得られる発泡成形体の発泡倍率は1.1〜2.5倍であり、1.3〜2.2倍であることが好ましく、1.4〜1.9倍であることがより好ましい。発泡倍率が上記範囲内であると、微細で均一な独立発泡が形成され、得られる発泡成形体がガスバリア性や抜栓後の形状保持性に優れる。発泡倍率が1.1倍未満であると、柔軟性に乏しく、打栓および抜栓が困難になる。一方、発泡倍率が2.5倍を超えると発泡セルが合一し発泡セルサイズが大きく不均一となり、得られる発泡成形体がガスバリア性に劣る。
なお、発泡成形体の発泡倍率の具体的な測定方法としては、以下の実施例の項目において詳述した方法が採用される。
[容器用栓]
本発明の発泡成形体は、食品用容器や飲料用容器の容器用栓として有用に用いることができる。特にワインボトル等のガラス瓶に用いられる栓に適している。
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、製造例、実施例および比較例における物性評価は、以下に示す方法で行った。
(1)重合体ブロック(A)含有量
重合に用いた各モノマー成分の質量から、重合体ブロック(A)含有量(質量%)を算出した。
(2)数平均分子量(Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により、水素添加前のブロック共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量を求めた。
機器:東ソー株式会社製 ゲルパーミエーションクロマトグラフ「HLC−8020」、カラム:C4000HXL×2本、溶離液:テトラヒドロフラン、流量:1ml/分、注入量:150μl、濃度:5mg/10cc(ブロック共重合体/テトラヒドロフラン)、カラム温度:40℃、検量線:標準ポリスチレンを用いて作成、検出方法:示差屈折率(RI)
(3)水素添加率
水素添加前後におけるブロック共重合体のヨウ素価を測定し、その測定値により水添ブロック共重合体の水素添加率(%)を算出した。
水素添加率(%)={1−(水素添加後のブロック共重合体のヨウ素価/水素添加前のブロック共重合体のヨウ素価)}×100
(4)酸素透過係数(OTR)
発泡成形前の熱可塑性エラストマー組成物について、JIS K7126−1(差圧法)に準拠し、差圧式のガスクロ法により、酸素透過係数(cc・20μm/m2・day・atm)を測定した。以下の実施例および比較例で製造した熱可塑性エラストマー組成物のペレットを圧縮成形機により加熱下に圧縮成形し、厚さ300μmのフィルム状試験片を作製し、該試験片を用いて測定を行った。
機器:柳本製作所製 ガス透過率測定装置「GTR−10」、酸素圧:0.25MPa、測定温度:35℃、測定湿度:0%RH
(5)発泡倍率
以下の実施例および比較例で製造した熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、あるいは該ペレットと発泡剤をドライブレンドした発泡成形体用樹脂組成物を用いて、射出成形機により加熱下で射出成形して、直径21.6mm、高さ44.2mmの円柱状試験片を作製し、該試験片の重量および未発泡の発泡成形体用樹脂組成物の密度から、発泡成形体の発泡倍率(倍)を測定した。未発泡の発泡成形体用樹脂組成物の密度はJIS K6350に準拠し、ミラージュ貿易株式会社製 電子比重計MD−200Sを用いて測定した。
射出成形機:東芝機械株式会社製 「IS−55EPN」、成形温度:195℃
発泡倍率(倍)=試験片の体積(16.19cm3)×未発泡の発泡成形体用樹脂組成物の密度(g/cm3)/試験片の重さ(g)
(6)発泡セルサイズの均一性
上記方法で得られた円柱状試験片を用いて、発泡成形体の発泡セルサイズの均一性を評価した。該試験片をカッターで高さ方向に半分にカットして、発泡セルサイズの均一性を目視で評価した。
○:セルサイズが均一で微細な独立発泡が分散している
×:発泡が不十分あるいは発泡しすぎて、発泡成形体の形状が金型の形状と大きく異なる
(7)抜栓性
上記方法で得られた円柱状試験片にシリコンオイル(信越化学工業株式会社製;KF−36−300CS)を0.1g塗布した後、口径19.5mmのワインボトルに手動のワインコルク打栓器を用いて打栓した。打栓から48時間後、ワイン用スクリュープルオープナーを円柱状試験片にねじ込み、ワインボトルの下部を固定し、引張り試験機(インストロン・ジャパン株式会社製 インストロン5566)でスクリュープルオープナーを引張り、抜栓に必要な力(抜栓力;kgf)を測定した。抜栓力が20kgf未満では内溶液が漏れる可能性があり、一方30kgfを超えると抜栓が困難となり円柱状試験片が破壊する場合があるためいずれも好ましくない。
○:抜栓力が20〜30kgf
×:抜栓力が20kgf未満あるいは30kgfを超える。
参考例1(水添ブロック共重合体(I)−1の製造)
乾燥した窒素で置換された耐圧容器に、スチレン1.71kgおよび溶媒としてシクロヘキサン55.8kgを仕込んだ。この溶液に、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%、シクロヘキサン溶液)157mlを加え、60℃で1時間重合させた。次いで、この反応混合物にルイス塩基としてテトラヒドロフラン131gを加えた後、ブタジエン8.00kgを加えて1時間重合を行い、さらにスチレン1.71kgを加えて1時間重合することにより、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た後、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で5時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、水添ブロック共重合体(I)−1と称する)を得た。得られた水添ブロック共重合体(I)−1の水素添加率は98.2%であり、水素添加前の状態で、重合体ブロック(A)含有量は30質量%、重合体ブロック(A)の数平均分子量は9,500、ブロック共重合体の数平均分子量は98,000であった。
参考例2(水添ブロック共重合体(I)−2の製造)
参考例1において、溶媒としてシクロヘキサンを64.0kg、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%、シクロヘキサン溶液)192mlを仕込み、テトラヒドロフランを加えず、重合させるモノマーとしてスチレン1.97kg、イソプレンとブタジエンの混合物[イソプレン/ブタジエン=60/40(重量比)]9.17kg、スチレン1.97kgを逐次添加して重合させた以外は参考例1と同様の方法で重合反応および水添反応を行い、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体を得た(以下、水添ブロック共重合体(I)−2と称する)。得られた水添ブロック共重合体(I)−2の水素添加率は98.9%であり、水素添加前の状態で、重合体ブロック(A)含有量は30質量%、重合体ブロック(A)の数平均分子量は9,400、ブロック共重合体の数平均分子量は93,000であった。
実施例1〜9および比較例1〜6
発泡剤以外の各成分を、表1および表2に示す配合で予備混合した後、二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−35B」)に供給して、シリンダー温度200℃及びスクリュー回転数200rpmの条件下に溶融混練し、切断して、熱可塑性エラストマー組成物のペレットをそれぞれ製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いてフィルム状試験片を作製し、上記方法により酸素透過係数を測定したところ、表1および表2に示すとおりであった。
次いで、上記熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、あるいは該ペレットと発泡剤をドライブレンドした発泡成形体用樹脂組成物を用いて、射出成形機(東芝機械株式会社製「IS−55EPN」)により、195℃加熱下の成形条件で円柱状未発泡試験片または円柱状発泡試験片を作製し、上記方法により発泡倍率の測定および発泡セルサイズの評価を行った。結果を表1および表2に示す。
表1および表2に記載されている各成分は下記のとおりである。
・水添ブロック共重合体(I)−1:参考例1に従って製造したポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体の水素添加物
・水添ブロック共重合体(I)−2:参考例2に従って製造したポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレンブロック共重合体の水素添加物
・粘着付与樹脂(II)−1:水添石油樹脂、荒川化学工業株式会社製 アルコンP−115
・粘着付与樹脂(II)−1:テルペン系水素添加樹脂、ヤスハラケミカル株式会社製 クリアロンP−115
・ゴム用軟化剤(III):水添パラフィン系オイル、出光興産株式会社製 ダイアナプロセスオイルPW−90
・ポリオレフィン樹脂(IV):HDPE、日本ポリオレフィン株式会社製 HJ490〔MFR20g/10分(190℃、21.2N荷重)〕
・発泡剤−1:炭酸水素ナトリウム、永和化成工業株式会社製 セルボンSC−P
・発泡剤−2:Clariant社製 HYDROCEROL BIH10E〔発泡剤/LDPEのマスターバッチ(発泡剤含有量10質量%)〕
・発泡剤−3:有機系マイクロバルーン、AKZO NOBEL社製 EXPANCEL 930MB120〔乾燥未膨張品/EVAのマスターバッチ(発泡剤含有量15質量%)〕
なお、表1および表2において、発泡剤としてマスターバッチタイプのものを用いた場合には、使用したマスターバッチの質量に発泡剤含有量を乗じた発泡剤単独の量を、熱可塑性エラストマー組成物全体の質量に対する配合量(質量%)として示した。
Figure 2010134554
Figure 2010134554
表1より、実施例1〜9で得られた発泡成形体は、用いた熱可塑性エラストマー組成物がいずれもガスバリア性(酸素バリア性)に優れ、また、発泡成形体が均一なセルサイズを有していることが分かる。このことから、実施例1〜9で得られた発泡成形体はガスバリア性に優れることが十分に予想される。
これに対して、比較例1および2で得られた成形体は、発泡剤を配合していないため、発泡していない。また、抜栓性にも劣っている。
比較例3で得られた発泡成形体は、用いた熱可塑性エラストマー組成物が粘着付与樹脂(II)を含有していないため、酸素透過係数が大きく、ガスバリア性に劣っている。
比較例4〜5で得られた発泡成形体は、発泡倍率が本発明で規定する範囲よりも大きいので、セルサイズが不均一となっている。また、抜栓性にも劣っている。
比較例6では、発泡剤の配合量が多すぎるため、発泡しすぎて成形することができなかった。
本発明の発泡成形用樹脂組成物、それからなる発泡成形体および容器用栓は、ガスバリア性(酸素バリア性)に優れるため、食品用容器または飲料用容器の栓として、特にワインボトル等のガラス瓶の栓として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 芳香族ビニル化合物重合体ブロック(A)と共役ジエン重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体またはその水素添加物(I)100質量部に対して、粘着付与樹脂(II)10〜150質量部を含有し、厚さ300μmのフィルム状試験片を作製してJIS K 7126−1(差圧法)に準じて測定したときの酸素透過係数が25000cc・20μm/m2・day・atm未満である熱可塑性エラストマー組成物を含有する、発泡倍率が1.1〜2.5倍である発泡成形体用樹脂組成物。
  2. 熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、ブロック共重合体またはその水素添加物(I)100質量部に対して、ゴム用軟化剤(III)5〜150質量部を含有する請求項1に記載の発泡成形体用樹脂組成物。
  3. 熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、ブロック共重合体またはその水素添加物(I)100質量部に対して、ポリオレフィン系樹脂(IV)5〜150質量部を含有する請求項1または2に記載の発泡成形体用樹脂組成物。
  4. 熱可塑性エラストマー組成物全体の質量に対して、発泡剤0.1〜3質量%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡成形体用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる発泡成形体。
  6. 請求項5に記載の発泡成形体からなる容器用栓。
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