JP7321803B2 - 複合成形体 - Google Patents
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Description
〔1〕 イソブチレン系重合体ブロック及び芳香族ビニル系重合体ブロックから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体A、及び該イソブチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して、5~300質量部の中・低圧法ポリエチレン樹脂Bを含有するエラストマー組成物Xと、中・低圧法ポリエチレン樹脂Yとの複合成形体、
〔2〕 中・低圧法ポリエチレン樹脂Bが、高密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の少なくともいずれかである、前記〔1〕記載の複合成形体、
〔3〕 エラストマー組成物Xが、さらに、ゴム用軟化剤Cを、イソブチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して、中・低圧法ポリエチレン樹脂Bとゴム用軟化剤Cの合計が6~300質量部となるように含有する、前記〔1〕又は〔2〕記載の複合成形体、
〔4〕 エラストマー組成物Xが、さらに、結晶性エチレンブロックと非晶性エチレン・α-オレフィンブロックを有する水添ブロック共重合体Dを含有する、前記〔1〕~〔3〕いずれか記載の複合成形体、
〔5〕 エラストマー組成物XのJIS K 0208(カップ法)により測定した40℃における透湿度が、2.0g/m2・24h未満である、前記〔1〕~〔4〕いずれか記載の複合成形体、並びに
〔6〕 中・低圧法ポリエチレン樹脂Yが、高密度ポリエチレン樹脂である、前記〔1〕~〔5〕いずれか記載の複合成形体
に関する。
従って、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、従来の高圧法により製造された低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)より直鎖性があり、かつ、高密度ポリエチレン樹脂より枝分かれが多い構造のポリエチレン樹脂である。直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、流動床反応器、撹拌床反応器、管型反応器等を用いる気相重合法の製造プロセスを適用し、例えば、特開昭54-148093号、同54-154488号等に記載されている方法(流動床反応器を使用した気相重合法)に基づいて製造することができる。
また、無機フィラーEが板状の場合は、水蒸気バリア性及びチューブ平滑性の観点から、250質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましい。従って、板状の無機フィラーEの含有量は、イソブチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して、好ましくは1~250質量部、より好ましくは20~200質量部、さらに好ましくは30~150質量部である。
〔ブロック共重合体の組成〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)によって、プロトンNMR測定を行い、スチレンの特性基の定量を行うことによってスチレン及び/又はスチレン誘導体の含有量、即ち芳香族ビニル系重合体ブロックの含有量を決定する。他の単量体単位の含有量もプロトンNMR測定により求めることができる。
以下の測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。
・ポンプ:JASCO(日本分光(株))製、PU-980
・カラムオーブン:昭和電工(株)製、AO-50
・検出器:日立製、RI(示差屈折計)検出器 L-3300
・カラム種類:昭和電工(株)製「K-805L(8.0×300mm)」及び「K-804L(8.0×300mm)」各1本を直列使用
・カラム温度:40℃
・ガードカラム:K-G(4.6×10mm)
・溶離液:クロロホルム
・溶離液流量:1.0ml/min
・試料濃度:約1mg/ml
・試料溶液ろ過:ポリテトラフルオロエチレン製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルタ
・検量線用標準試料:昭和電工(株)製ポリスチレン
厚さ2mmのプレート状の射出成形体試料を3枚重ね(合計6mm)としたものについて、JIS K 6253に準拠した測定時間1秒のA硬度(試験開始から1秒後の値)を測定する。測定は温度23℃、湿度50%の室内で1日状態調節の後、実施する。
アルファミラージュ社製の精密電子比重計「SD-200L」を用いて、大気中とエタノール中とで質量を測定し、密度を算出する。
〔密度〕
アルファミラージュ社製の精密電子比重計「SD-200L」を用いて、大気中とエタノール中とで質量を測定し、密度を算出する。
ASTM D1238に準拠して、230℃、荷重21.2Nの条件で測定する。
JIS K 0208(カップ法)に準拠し、安田精機製作所製の透湿カップ(直径70mm)を用いて、条件:40℃×90%RH、シート厚さ:0.5mmで測定する。
JIS K 7126に準拠した方法により、東洋精機製作所製のガス透過率測定装置「BR-3」を用いて23℃で測定する。試験片には、90mm×90mm×0.5mmt、透過面積38.5cm2のものを使用する。
〔動粘度〕
JIS Z 8803に従って、40℃の温度で測定する。
成分Aと同様の方法により、ポリスチレン換算で数平均分子量を求める。
〔A硬度〕
厚さ2mmのプレート状の射出成形体試料を3枚重ね(合計6mm)としたものについて、JIS K 6253に準拠した測定時間1秒のA硬度(試験開始から1秒後の値)を測定する。測定は温度23℃、湿度50%の室内で1日状態調節の後、実施する。
アルファミラージュ社製の精密電子比重計「SD-200L」を用いて、大気中とエタノール中とで質量を測定し、密度を算出する。
〔体積基準メジアン径〕
JIS M8511に定めるレーザー回折・散乱法に準じて、試料0.1gを10mLの脱イオン水に分散させ、70wの超音波で30秒間分散させたスラリーを、マルバーン社製「マスターサイザー2000」によりで粒度分布を測定し、体積基準の積算分率における50%値を体積基準メジアン径とする。
(1) エラストマー組成物(ペレット)の作製
軟化剤(成分C)以外の表4、5に示す原料をドライブレンドした後、これに軟化剤を含浸させて混合物を作製した。その後、混合物を下記の条件で、押出機で溶融混練して、ストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって、直径3mm程度、厚さ3mm程度に切断し、エラストマー組成物のペレットを製造した。
押出機:KZW32TW-60MG-NH(商品名、(株)テクノベル製)
シリンダー温度:180~220℃
スクリュー回転数:300r/min
ペレットを、下記の条件で射出成形し、厚さ2mm×幅125mm×長さ125mmのプレートを作製した。
射出成形機:100MSIII-10E(商品名、三菱重工業(株)製)
射出成形温度:200℃
射出圧力:30%
射出時間:3sec
金型温度:40℃
ポリオレフィン系樹脂として、
HDPE(東ソー社製のニポロンハード4020)、及び
L-LDPE(プライムポリマー社製のエボリューSP2520)
のペレットを、それぞれ下記の条件で射出成形し、厚さ2mm×幅125mm×長さ125mmの樹脂プレートを作製し、切断機でカットして、厚さ2mm×幅25mm×長さ125mmの融着試験基材を得た。
ゲート:フィルムゲート
シリンダー温度:200℃
計量値:55mm
保圧切替位置:3.8mm
射出成形機:三菱重工業(株)製、100MSIII-10E
射出成形温度:240℃
射出圧力:98MPa、射出速度:50%、保持圧:20%、保持時間:10sec
射出時間:2sec
金型温度:40℃
厚さ2mmのプレート状の射出成形体試料を3枚重ね(合計6mm)としたものについて、温度23℃、湿度50%の室内で1日状態調節の後、JIS K 6253-3 タイプAにて測定時間1秒のA硬度(試験開始から1秒後の値)を測定した。
ASTM D1238に準拠し、190℃、荷重21.2Nの条件で測定した。
エラストマー組成物を厚さ0.5mm×幅100mm×長さ120mmのプレス用型枠に入れ、160℃に加熱された熱プレス機(東邦マシーナリー社、油圧成形機TB-50-2型)を用いて2分間熱プレス、次いで3分間冷却プレスを行って、厚さ0.5mmのシート状のプレス成形体を試験片として作製した。
JIS K 0208(カップ法)に準拠し、安田精機製作所製の透湿カップ(直径70mm)を用いて、条件:40℃×90%RH、シート厚さ:0.5mmで測定した。
エラストマー組成物を厚さ0.5mm×幅100mm×長さ120mmのプレス用型枠に入れ、160℃に加熱された熱プレス機(東邦マシーナリー社、油圧成形機TB-50-2型)を用いて2分間熱プレス、次いで3分間冷却プレスを行って、厚さ0.5mmのシート状のプレス成形体を試験片として作製した。試験片寸法は90mm×90mm×0.5mmt、透過面積38.5cm2のものを使用した。
JIS K 7126に準拠した方法により、東洋精機製作所製のガス透過率測定装置「BR-3」を用いて23℃で測定した。
複合成形体を用い、雰囲気温度23℃でエラストマー組成物の層(表皮材層)とポリオレフィン樹脂の層(基材層)とを180°方向に50mm/minで引張試験を行い、表皮材層と基材層の剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。剥離強度は、120N/25mm以上が好ましい。
これに対し、エラストマー組成物がポリエチレン樹脂を含有していない比較例1、2では、透湿度が不足している。エラストマー組成物が、ポリエチレン樹脂として高圧ポリエチレン樹脂である低密度ポリエチレン樹脂を含有した比較例3、ポリエチレン樹脂の代わりにポリプロピレン樹脂を含有した比較例4では、高密度ポリエチレン樹脂に対する融着性が不十分である。また、イソブチレン系ブロック共重合体の代わりに、SEBSを含有した比較例5では、透湿度が不足している。
なお、参考例1は、成分Aの「SIBSTAR 062T-UC」の物性を実施例及び比較例のエラストマー組成物と同様にして測定した結果であり、イソブチレン系ブロック共重合体そのものでは、HDPEにはほとんど融着しないが、所定量の中・低圧法ポリエチレン樹脂と混合することでHDPEへの融着性が現れることが分かる。
Claims (6)
- イソブチレン系重合体ブロック及び芳香族ビニル系重合体ブロックから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体A、及び該イソブチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して、5~50質量部の中・低圧法ポリエチレン樹脂Bを含有するエラストマー組成物Xと、中・低圧法ポリエチレン樹脂Yとの複合成形体。
- 中・低圧法ポリエチレン樹脂Bが、高密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の少なくともいずれかである、請求項1記載の複合成形体。
- エラストマー組成物Xが、さらに、ゴム用軟化剤Cを、イソブチレン系ブロック共重合体A 100質量部に対して、中・低圧法ポリエチレン樹脂Bとゴム用軟化剤Cの合計が6~300質量部となるように含有する、請求項1又は2記載の複合成形体。
- エラストマー組成物Xが、さらに、結晶性エチレンブロックと非晶性エチレン・α-オレフィンブロックを有する水添ブロック共重合体Dを含有する、請求項1~3いずれか記載の複合成形体。
- エラストマー組成物XのJIS K 0208(カップ法)により測定した40℃における透湿度が、2.0g/m2・24h未満である、請求項1~4いずれか記載の複合成形体。
- 中・低圧法ポリエチレン樹脂Yが、高密度ポリエチレン樹脂である、請求項1~5いずれか記載の複合成形体。
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